近距離無線通信用アンテナ装置
【課題】近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内することが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナコイルと、前記アンテナコイルよりも外形が大きく、かつ前記アンテナコイルを第一主面に配置固定するフェライト部材と、前記フェライト部材の第一主面と対向する第二主面側に配置され、前記フェライト部材の外形よりも大きな導電部材と、整合用のコンデンサを備えた近距離無線通信用アンテナ装置であって、前記近距離無線通信用アンテナ装置は整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にある。
【解決手段】アンテナコイルと、前記アンテナコイルよりも外形が大きく、かつ前記アンテナコイルを第一主面に配置固定するフェライト部材と、前記フェライト部材の第一主面と対向する第二主面側に配置され、前記フェライト部材の外形よりも大きな導電部材と、整合用のコンデンサを備えた近距離無線通信用アンテナ装置であって、前記近距離無線通信用アンテナ装置は整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の小型の無線通信装置に用いられる、磁界誘導を用いた小電力無線通信:RFID(Radio Frequency Identification)に基づくアンテナ装置に関し、特には13.56MHzの通信周波数帯を利用した近距離通信規格:NFC(Near Field Communication)に対応した近距離無線通信用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近接通信を行うシステムとしては、例えば、ICカードシステムが広く知られている。ICカードシステムにおいては、読み書き装置であるリーダ/ライタ(以下単にアンテナ装置という場合がある)のアンテナが電磁波を発生することにより、磁界が形成され、リーダ/ライタにICカードが近づけると、ICカードのアンテナへの電磁誘導によって電力伝送され、集積回路は電源の供給を受けるとともに、リーダ/ライタとの間で設定されたプロトコル(例えばISO14443、15693、18092等)でデータ伝送を行う。近年では、ICカードシステムの他に携帯電話等の小型の無線通信装置にも近接通信が採用される様になって来た。
【0003】
図13はループアンテナを用いて構成される近距離無線通信用アンテナ装置の一般的な構成を示す平面図である。以下の説明では、近距離無線通信用アンテナ装置を単にアンテナ装置と呼ぶ場合がある。このアンテナ装置1は、フレキシブル基板310の面上にループ状に巻回されたアンテナコイル305をループアンテナとして形成して構成される。アンテナコイル305に高周波電流が流れるとその周囲には磁束が発生する。
【0004】
通常、その磁束はアンテナコイル305が形成された面側とその反対面側とで実質的に差異は無く、磁界は均等に生じる。しかしながら通信においては一方面側のみの磁界しか寄与しない為、この様な構成にあっては、アンテナ装置は通信距離が短く、また通信に寄与しない磁界は他の通信機器に影響を与えてしまう。また、近接して配置される他の構成部品の金属導体による影響を受けて、Q値やインダクタンスの低下を招き易いという問題があり、アンテナコイルのどちらか一方の面側に、透磁率の高いフェライト板や磁性金属粉末を樹脂に混合した金属樹脂シートなどの軟磁性部材を貼り付けることが行なわれている。
【0005】
磁束を遠くまで及ばせて通信性能を高めようとすれば、アンテナコイルの外形寸法を大きく構成するのが好ましいが、アンテナコイルの近傍では強い磁界が生じるので、周囲にある金属の影響を受けやすく、例えアンテナコイルに軟磁性部材を配置しても、相互の位置関係がずれると、アンテナ装置の共振周波数が大きく変化してしまう問題があった。
【0006】
アンテナコイルと軟磁性部材とを一体化する際に、厳密な位置合わせを行うことは多くの作業工数を必要とする。また、アンテナコイルの位置ずれによるインダクタンスの変化を共振用コンデンサによって補正し、個体ごとに共振周波数を合わせ込んで再調整することは可能だが、作業工数の増加とともに、容量値の異なる複数の共振用コンデンサを準備しなければならず、生産性が劣るとともに、アンテナ装置のコストが増加するという問題がある。
【0007】
この様な問題に対して、特許文献1では、貼り合わせ位置が軟磁性部材の面内で多少ずれても、金属導体による影響を受けない程度に、軟磁性部材の外形寸法をアンテナコイルの外形寸法よりも十分に大きく構成することで、アンテナ装置の共振周波数を安定化させ、アンテナコイルと軟磁性部材の貼り合わせを容易とすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−325054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、携帯電話等の無線通信装置は小型化、多機能化が進み、用いられるアンテナ装置もその大きさに制限があるため、軟磁性部材の外形寸法を十分に大きく構成することは現実的な解決策では無いのが実際である。
【0010】
この為、アンテナコイルの中心位置が所定の搭載位置から外れる場合に、共振周波数がシフトして所望の周波数範囲内に共振が得られず、通信距離が著しく減じてしまう問題は、携帯電話等の無線通信装置用のアンテナ装置においては依然残されたままであった。
【0011】
アンテナコイルの巻径を小径とすれば、相対的にアンテナコイルの外周と軟磁性部材の外周との間を大きく取ることは可能だが、アンテナコイルの周囲に発生する磁束が及ぶ距離も短くなり通信距離に影響する問題がある。
【0012】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内とすることが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、対向する主面を備えた軟磁性部材の第一主面にアンテナコイルを配置固定し、第二主面側に導電部材を配置した近距離無線通信用アンテナ装置であって、前記軟磁性部材の外形はアンテナコイルよりも大きく、前記導電部材の外形は前記軟磁性部材よりも大きく、整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にあり、アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を、共振周波数がその周波数範囲の下限周波数の近傍となる容量値に設定したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置である。
【0014】
アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じた面内の位置ずれにより自己インダクタンスが変化し、位置ずれが大きいほど自己インダクタンスが低下する。その為に、整合用のコンデンサとの共振周波数はアンテナコイルの外周が軟磁性部材の外周に近づくにつれて高周波となり、位置ずれが小さいと低周波となる。その変化は有底で双曲線状に変化する。本発明においては、位置ずれ量の異なる複数の組立体の自己インダクタンスを評価し、それらの内、自己インダクタンスが最も大きい組立体を基準として用いることが出来る。
【0015】
近接して配置される金属導体の影響を予定し、共振周波数の変化に基づいて、アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を前記周波数範囲の下限周波数の近傍に設定すれば、共振周波数の上限に近い周波数まで組立体の位置ずれは許容される。従って、貼り合わせ位置が軟磁性部材の面内で多少ずれがある場合でも、アンテナ装置の共振周波数が大きくシフトすることを抑えて、所定の周波数範囲内に安定化させることができる。アンテナコイルの多少の位置ずれを許容するのであるから、軟磁性部材とアンテナコイルとを貼り合わせて組立体とする作業は自ずと容易になり、生産性を向上させることが出来る。
【0016】
なお、共振周波数を上限に近い周波数は、軟磁性部材の材質特性である初透磁率の相対温度係数を考慮すれば13.76kHz以上であるのが好ましく、位置ずれの無い場合の共振周波数は13.40MHz以上であるのが好ましい。
【0017】
本発明においては、前記軟磁性部材の第二主面と前記導電部材の間に、前記軟磁性部材よりも低誘電率のギャップ層を介在させて、前記ギャップ層の厚みによって共振周波数を調整するのが好ましい。ギャップ層の厚みが厚くなると前記アンテナコイルと前記導電部材との間に形成される寄生容量が小さくなり共振周波数が低下する。この様な共振周波数の挙動に着目すれば、位置ずれに基づく共振周波数のずれを整合用のコンデンサの容量値を変更する事無く、ギャップ層の厚みによって調整することが出来る。ずれ量が共振周波数の上限を満足し得る位置ずれを超える場合であっても、ギャップ層の厚みを増すことで共振周波数を所定の周波数範囲内に低下させることが可能であり、共振周波数を満足しないとして除かれるアンテナ装置を減じることが出来て、生産上の歩留まりを改善する。
【0018】
本発明においては、前記軟磁性部材の外形は平面視で略四角形状で、前記導電部材の外形を前記軟磁性部材と近似形状とし、前記軟磁性部材の外周を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化するが、アンテナコイルの引出部が軟磁性部材を介さずに導電部材と対向しない様に、前記軟磁性部材のアンテナコイルの端部を引き出す側であって、その外周の一辺を前記導電部材の外周に近接して沿わせ、他の三辺を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化しても良い。
【0019】
また、アンテナコイルの外周と軟磁性部材の外周との最小の間隔が0mmに近づくほどにインダクタンスは大きく低下し、所望の共振周波数に調整することが困難な場合がある。それはアンテナコイルの外形によるが、実用的なアンテナコイルの外形が50mm角を超える場合には、多少の間隔を設けて0.5mm以上とするのが好ましい。
【0020】
本発明においては、軟磁性部材の外形はアンテナコイルの外形よりも1.2mm以上5mm以下大きく構成するのが好ましい。この場合であれば、アンテナコイルと軟磁性部材の中心が一致する場合に対して±0.1mmの位置ずれがあっても、アンテナコイルの配置時の位置ずれを含んだアンテナコイルと軟磁性部材との外周間隔を、0.5mm以上とすることが出来る。更に好ましくは1.5mm超4mm以下である。
【0021】
また導電部材に窪みを設けて、軟磁性部材を窪み内に配置しても良い。この場合は導電部材と軟磁性部材との位置合わせが容易となるので好ましい。また、アンテナ装置の厚みを減じることが出来て好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内することが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の平面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るアンテナ装置のa−a’断面図である。
【図4】アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の位置ずれを説明するための図である。
【図5】アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の一軸方向の位置ずれによる共振周波数の変化を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の等価回路と、それに接続される整合回路の構成例を示す図である。
【図7】アンテナ装置のギャップ厚みによる共振周波数の変化を説明するための図である。
【図8】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置の斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置のb−b’断面図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置のc−c’断面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置の構成を説明すいための斜視図である。
【図12】本発明の実施例に係るアンテナ装置を用いた無線通装置を説明する為の図である。
【図13】従来のアンテナ装置の一般的な構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図6を基に本発明のアンテナ装置について説明する。図1はアンテナ装置の平面図であり、図2はアンテナ装置の分解斜視図であり、図3はアンテナ装置のx−x’断面図であり、図4はアンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の位置ずれを説明するための図であり、図5はアンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の一軸方向の位置ずれによる共振周波数の変化を説明するための図である。図6はアンテナ装置と整合回路とによる共振回路の構成例である。
【0025】
アンテナ装置1の基本的な構成は、アンテナコイル10と、前記アンテナコイル10の非伝送面側を覆い、互いに平行となるように重ねて配置された平板状のフェライト部材などの軟磁性部材15と、前記軟磁性部材15と平行となるようにギャップ層35を介して重ねられた導電部材35を備える。
【0026】
アンテナコイル10は、例えばポリイミド等の絶縁材料でなるベースフィルムと、このベースフィルムの上に形成された銅又はアルミニウム等でなる1ターン以上巻回されたスパイラル状の導体4であるコイル部5と引出部6で構成されている。金属箔や金属の蒸着膜をエッチングして、フレキシブル基板にアンテナコイル10を構成したり、導電性ペーストにてアンテナの導体パターンを印刷形成し、表面に粘着剤を設けた樹脂フィルムに導体パターンを転写したりして構成される。フレキシブル基板のベースフィルムは、ポリイミドの他に、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド類、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類等からなるのが好ましい。中でも、耐熱性及び誘電損失の観点から、ポリアミド類及びポリイミド類が好ましい。ここではフレキシブル基板については図示を省略している。
【0027】
コイル部5は、平面的にスパイラル状の巻回されたコイルであれば良く、エナメル線などの線状の導体4をコイル状に加工しても良い。フレキシブル基板化したアンテナコイル10と比べて若干厚みが増すものの、特性的に優れ、かつ安価に提供することが可能である。 用いる線状導体は単線、多芯の区別は無いが、アンテナ装置1は低背を求められることから、線状導体として単線のエナメル線を用いるのが好ましく、融着力を持つオーバーコート(融着層)がなされたエナメル線(自己融着線)がより好ましい。融着層は熱又は溶剤により活性化するものであり、自己融着コイルを用いれば組立工程における取り扱い容易と成る。またその線径は30μm〜80μmであるのが好ましい。
【0028】
アンテナコイル10と軟磁性部材15との一体化では両面テープを用いる場合が多く、その際には、図4に示す様に面内位置ずれが生じ易い。図ではアンテナコイル10の中心が軟磁性部材15の面内の右上方にずれた状態を示している。アンテナコイル10が配置固定する際に多少ずれても、軟磁性部材15の面内に収めることを考慮すれば、軟磁性部材15の外形は必然的にアンテナコイル10のコイル部5の外形よりも大きな面積を有するものとなる。また、軟磁性部材15の厚みが薄いとアンテナコイル10による磁束が下部の導電部材35へ漏れて渦電流が増し、また厚いとアンテナ装置の厚みが増すばかりであるため、0.1mm〜2.5mmとするのが好ましい。
【0029】
アンテナコイル10の位置ずれが大きく、アンテナコイル10の外周が軟磁性部材15の外周に近づくにつれ、周囲に漏洩する磁束が増すためにインダクタンスが低下する。更に軟磁性部材15の周囲に導電部材35を設けると、漏洩磁束により渦電流が生じるためにインダクタンスの低下がいっそう大きくなる。
【0030】
このアンテナ装置1は、整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にある。整合回路50を構成する整合用のコンデンサは通常チップコンデンサで構成され、アンテナコイルの両端側に設けられて、給電回路との不整合による電力反射を抑制している。ここで示した整合回路50は平衡回路として構成されるが、不平衡回路であっても良い。アンテナ装置1は、等価的にはアンテナコイル10によるインダククタLと寄生抵抗Rm、及び寄生容量Ccと整合用のコンデンサC1,C2,C3,C4と、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量Csとで表され、寄生容量Csはフレームグランドと接続する。
【0031】
共振周波数の13.56MHzは近距離無線通信において規格化された周波数であり、13.56MHzを中心とする±250kHzとする周波数範囲は、発明者等が実験で求めた通信距離3cmで実用的な通信が可能な状態が得られる周波数範囲である。
【0032】
整合回路50の各コンデンサの定数等の条件を固定して共振周波数を見れば、アンテナコイル10の位置ずれが大きいと、共振周波数は高周波側にシフトし、小さいと低周波へシフトする。位置ずれに対する共振周波数は、図5に示す様に、位置ずれが無い場合を底とした双曲線状に変化する。軟磁性部材15の周囲に導電部材35があると、その変化は大きくなる。
【0033】
この様な位置ずれに対する共振周波数の挙動に着目し、共振周波数の底となる位置ずれの無い場合の共振周波数を所定の周波数範囲内(13.56MHz±250kHz)の下限以上とし、アンテナコイルの位置ずれを許容される最大とした場合の共振周波数を上限に近い周波数とするように整合用のコンデンサの容量値を設定すれば、許容されるアンテナコイルの位置ずれ幅が広がり、生産上、共振周波数を満足しないとして除かれるアンテナ装置を低減することが出来る。
【0034】
軟磁性部材15を構成する磁性材料として、Ni系、Mn系、Li系などの軟磁性フェライトやFe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Al−Si系の磁性合金、Fe−(Co,Ni)−B−Si−C系アモルファス合金、Fe−B−Si−Cu−Nb系ナノ結晶合金なとがあげられる。13.56MHzにおける透磁率は30〜250であるのが好ましく、金属系の磁性材料では微粉化したものを樹脂と混合してシート状にして用いる。また軟磁性フェライトであれば、ドクターブレード法等の公知のシート化技術により得たグリーンシートを所定の形状に加工し、単層のままで焼結してシート状あるいは板状としたり、複数層を積層して用いたりすることが出来る。複数層を積層する場合には、異なる軟磁性フェライトを用いたグリーンシートを用いて、層によって磁気特性を異ならせて構成することも出来る。
【0035】
軟磁性部材15はシート状、あるいは単板状でも良いし、それが複数に分割された状態にあっても良い。焼結フェライト板であれば、その小片は予め分割されたものを用い、並べて、プラスチックフィルムに貼付する場合や、焼結フェライト板に分割の為の溝や孔を形成し、プラスチックフィルムに貼付した状態で外力を作用させて分割する場合もある。プラスチックフィルムに貼付後に分割すると、曲げを要しない場合に小片間の間隔は実質的に生じることが無く、透磁率はほとんど劣化することが無い。これによりインダクタンスの低下も無く、インピーダンスマッチングも適正に保持されて通信特性の劣化を抑えることも出来る。
【0036】
軟磁性部材15と近接して設けられる導電部材35は、シールドとして用いるものや、単にバッテリーケース等の無線通信装置内の金属構造物である場合もあり、銅、アルミニウム、ステンレスといった金属である。それらと軟磁性部材15との間は、軟磁性部材15よりも低誘電率のギャップ層が設けられる。ギャップ層は粘着剤層又は空気層として構成され、その厚みは20μm以上200μm以下であるのが好ましく、プラスチックフィルムや両面テープが用いられて、その厚みによって任意に調整することが出来る。一般的な軟磁性フェライトの比誘電率は10〜20程度であり、前記ギャップ層は比誘電率が5以下の樹脂であるのが好ましい。
【0037】
図7はアンテナ装置のギャップ厚みによる共振周波数の変化を説明するための図である。ギャップ層の厚みによって、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量が変化する。ギャップ層17の厚みが厚くなると、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量が小さくなり共振周波数が低下する。この様な共振周波数の挙動に着目すれば、位置ずれに基づく共振周波数のずれを整合用のコンデンサの容量値を変更する事無く、ギャップ層の厚みによって調整することが出来る。
【0038】
図11に本発明の他の実施態様を示す。これはバッテリーケースを導電部材35とするものであって、バッテリ74の主面上にアンテナコイル10と軟磁性部材15とが配置固定される。アンテナ装置1の側面には、バッテリ制御回路と接続する端子81とアンテナコイル10の端部a,bが接続する端子82を備える。
【0039】
図12は本発明のアンテナ装置を用いた無線通装置の斜視図である。アンテナ装置1は携帯電話200に内蔵され、携帯電話200側のバッテリ給電回路と端子81とが接続し、アンテナコイル10への給電/制御回路と端子82が接続される。アンテナ装置1は、端子81を介して携帯電話200に電力を供給し、端子82により近距離無線通信の信号を携帯電話側の回路との間でやり取りする。
【0040】
導電部材35であるバッテリ74、アンテナコイル10、軟磁性部材15を、予め一体化することで、アンテナ装置1を携帯電話200に収容しても、他の金属部品との位置関係も予め分かっているので、それを見込んで各部材の関係を決定することが可能で、収容前後での共振周波数の変化を小さく出来る。
【0041】
(実施例)
実施例のアンテナ装置の斜視図を図8に、図9にそのb−b’断面図を、図10にc−c’断面図を示す。このアンテナ装置は図1等で説明したものと基本的な構成は同じであるので、対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0042】
アンテナ装置1は、線幅0.5mm、線間0.5mmで2ターンに巻回された厚み35μmのCu箔をエッチングしてなる導線で構成されたアンテナコイル10を有する。アンテナコイル10のコイル部5は平面視で矩形状に構成され、長手方向と短手方向を備え、長手方向をX方向とし、短手方向をY方向としている。外周縁において、X方向の一辺を50mmとし、Y方向の一辺を42mmとした。アンテナコイル10はフレキシブル基板として構成されるが、ベースフィルムの図示は省略した。なおその厚みは30μmであった。アンテナコイル10の端部a、bは引出部6にて軟磁性部材15の外周縁を越えて引き出される。
【0043】
軟磁性部材15として、Ni系フェライトで厚みが0.22mmの焼結フェライト板を用いた。以下、フェライト部材15と呼ぶ。このフェライト部材15には、Fe2O3;46.5mol%,ZnO;20.0mol%,NiO;22.5mol%,CuO;11.0mol%の組成であり、初透磁率が110、比誘電率εrが10であるフェライト材料を用いた。その形状は平面視で矩形状に構成され、外周縁において、X方向の一辺を52mmとし、Y方向の一辺を44mmとし、アンテナコイル10に対してX方向、Y方向で共に2mm大きいサイズである。
【0044】
導電部材35として、厚みが0.8mmで、X方向の一辺が150mmでY方向の一辺が100mmの矩形状に構成されたステンレス(SUS304)板を用いた。その一部にアンテナコイル10を備えたフェライト部材15を配置するための、深さt2が0.3mmとなる窪みSが形成されている。
【0045】
フェライト部材15の第1面に、アクリル系粘着層を備えた両面テープを介してアンテナコイル10を貼り付けた。アンテナコイル10の中心とフェライト部材15の中心とが一致する様に配置して、各辺での間隔を1mmと均等に形成、あるいは他の試料としてX方向のみ、Y方向のみ、X方向とY方向でアンテナコイル10の中心をずらしたものを作製した。
【0046】
さらに、フェライト部材15の第2面に、粘着層31として厚みが15μmのアクリル系粘着層を備えた両面テープを貼付し、そこにプラスチックフィルム32として厚みが15μmのPETフィルムを貼付けた。更にPETフィルムに厚みが30μmのアクリル系粘着層を備えた両面テープを貼り付けて、アンテナコイル10を備えたフェライト部材15を導電部材35の窪みに収め、フェライト部材15と一辺と導電部材35の一辺が一致する様に固定してアンテナ装置を作製した。PETフィルムと両面テープの合計厚みによってギャップ層の厚みが決定され、PETフィルムや両面テープによる比誘電率は2〜3である。
【0047】
更に、導電部材35とフェライト部材15との間隔t1で規定されるギャップ層の厚みを、プラスチックフィルム32の厚みを代えて異ならせたアンテナ装置を作製した。
【0048】
得られた試料を図6に示した評価回路にて、port1、2側から見たインピーダンスZiの周波数特性についてインピーダンスアナライザを用いて評価した。試料No.1〜11までは、整合回路50のコンデンサはC1=C2=68pF、C3=C4=180pFで構成した。この定数は、アンテナコイル10とフェライト部材15の位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzとなる様に設定されたものである。また試料No.12〜13ではコンデンサの容量値を、C1=C2=68pF、C3=C4=188pFとした。また、ギャップ層厚み t1は、試料No.1〜7、12〜14を60μmとし、試料No.8は110μm、試料No.9〜11は160μmとした。評価結果を表1に示す。表中、共振周波数Frが13.56±250KHzを超える試料には、そのNoに符号*を付した。
【0049】
【表1】
【0050】
位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzとなる様に共振回路のコンデンサの定数が設定された場合、位置ずれが大きい試料No.5,7の試料では、所定の周波数範囲を超えるが、ギャップ層の厚みの調整や、コンデンサの定数を位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzよりも低い周波数とすることで、インダクンスの変化を確実に相殺出来て所定の周波数範囲内とすることが出来た。
以上の結果よれば、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内することが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することが出来る。
【符号の説明】
【0051】
1 近距離無線通信用アンテナ
4 導体
5 コイル部
6 引出部
10 アンテナコイル
15 フェライト部材
17 ギャップ層
31 粘着層
35 導電部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の小型の無線通信装置に用いられる、磁界誘導を用いた小電力無線通信:RFID(Radio Frequency Identification)に基づくアンテナ装置に関し、特には13.56MHzの通信周波数帯を利用した近距離通信規格:NFC(Near Field Communication)に対応した近距離無線通信用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近接通信を行うシステムとしては、例えば、ICカードシステムが広く知られている。ICカードシステムにおいては、読み書き装置であるリーダ/ライタ(以下単にアンテナ装置という場合がある)のアンテナが電磁波を発生することにより、磁界が形成され、リーダ/ライタにICカードが近づけると、ICカードのアンテナへの電磁誘導によって電力伝送され、集積回路は電源の供給を受けるとともに、リーダ/ライタとの間で設定されたプロトコル(例えばISO14443、15693、18092等)でデータ伝送を行う。近年では、ICカードシステムの他に携帯電話等の小型の無線通信装置にも近接通信が採用される様になって来た。
【0003】
図13はループアンテナを用いて構成される近距離無線通信用アンテナ装置の一般的な構成を示す平面図である。以下の説明では、近距離無線通信用アンテナ装置を単にアンテナ装置と呼ぶ場合がある。このアンテナ装置1は、フレキシブル基板310の面上にループ状に巻回されたアンテナコイル305をループアンテナとして形成して構成される。アンテナコイル305に高周波電流が流れるとその周囲には磁束が発生する。
【0004】
通常、その磁束はアンテナコイル305が形成された面側とその反対面側とで実質的に差異は無く、磁界は均等に生じる。しかしながら通信においては一方面側のみの磁界しか寄与しない為、この様な構成にあっては、アンテナ装置は通信距離が短く、また通信に寄与しない磁界は他の通信機器に影響を与えてしまう。また、近接して配置される他の構成部品の金属導体による影響を受けて、Q値やインダクタンスの低下を招き易いという問題があり、アンテナコイルのどちらか一方の面側に、透磁率の高いフェライト板や磁性金属粉末を樹脂に混合した金属樹脂シートなどの軟磁性部材を貼り付けることが行なわれている。
【0005】
磁束を遠くまで及ばせて通信性能を高めようとすれば、アンテナコイルの外形寸法を大きく構成するのが好ましいが、アンテナコイルの近傍では強い磁界が生じるので、周囲にある金属の影響を受けやすく、例えアンテナコイルに軟磁性部材を配置しても、相互の位置関係がずれると、アンテナ装置の共振周波数が大きく変化してしまう問題があった。
【0006】
アンテナコイルと軟磁性部材とを一体化する際に、厳密な位置合わせを行うことは多くの作業工数を必要とする。また、アンテナコイルの位置ずれによるインダクタンスの変化を共振用コンデンサによって補正し、個体ごとに共振周波数を合わせ込んで再調整することは可能だが、作業工数の増加とともに、容量値の異なる複数の共振用コンデンサを準備しなければならず、生産性が劣るとともに、アンテナ装置のコストが増加するという問題がある。
【0007】
この様な問題に対して、特許文献1では、貼り合わせ位置が軟磁性部材の面内で多少ずれても、金属導体による影響を受けない程度に、軟磁性部材の外形寸法をアンテナコイルの外形寸法よりも十分に大きく構成することで、アンテナ装置の共振周波数を安定化させ、アンテナコイルと軟磁性部材の貼り合わせを容易とすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−325054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、携帯電話等の無線通信装置は小型化、多機能化が進み、用いられるアンテナ装置もその大きさに制限があるため、軟磁性部材の外形寸法を十分に大きく構成することは現実的な解決策では無いのが実際である。
【0010】
この為、アンテナコイルの中心位置が所定の搭載位置から外れる場合に、共振周波数がシフトして所望の周波数範囲内に共振が得られず、通信距離が著しく減じてしまう問題は、携帯電話等の無線通信装置用のアンテナ装置においては依然残されたままであった。
【0011】
アンテナコイルの巻径を小径とすれば、相対的にアンテナコイルの外周と軟磁性部材の外周との間を大きく取ることは可能だが、アンテナコイルの周囲に発生する磁束が及ぶ距離も短くなり通信距離に影響する問題がある。
【0012】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内とすることが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、対向する主面を備えた軟磁性部材の第一主面にアンテナコイルを配置固定し、第二主面側に導電部材を配置した近距離無線通信用アンテナ装置であって、前記軟磁性部材の外形はアンテナコイルよりも大きく、前記導電部材の外形は前記軟磁性部材よりも大きく、整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にあり、アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を、共振周波数がその周波数範囲の下限周波数の近傍となる容量値に設定したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置である。
【0014】
アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じた面内の位置ずれにより自己インダクタンスが変化し、位置ずれが大きいほど自己インダクタンスが低下する。その為に、整合用のコンデンサとの共振周波数はアンテナコイルの外周が軟磁性部材の外周に近づくにつれて高周波となり、位置ずれが小さいと低周波となる。その変化は有底で双曲線状に変化する。本発明においては、位置ずれ量の異なる複数の組立体の自己インダクタンスを評価し、それらの内、自己インダクタンスが最も大きい組立体を基準として用いることが出来る。
【0015】
近接して配置される金属導体の影響を予定し、共振周波数の変化に基づいて、アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を前記周波数範囲の下限周波数の近傍に設定すれば、共振周波数の上限に近い周波数まで組立体の位置ずれは許容される。従って、貼り合わせ位置が軟磁性部材の面内で多少ずれがある場合でも、アンテナ装置の共振周波数が大きくシフトすることを抑えて、所定の周波数範囲内に安定化させることができる。アンテナコイルの多少の位置ずれを許容するのであるから、軟磁性部材とアンテナコイルとを貼り合わせて組立体とする作業は自ずと容易になり、生産性を向上させることが出来る。
【0016】
なお、共振周波数を上限に近い周波数は、軟磁性部材の材質特性である初透磁率の相対温度係数を考慮すれば13.76kHz以上であるのが好ましく、位置ずれの無い場合の共振周波数は13.40MHz以上であるのが好ましい。
【0017】
本発明においては、前記軟磁性部材の第二主面と前記導電部材の間に、前記軟磁性部材よりも低誘電率のギャップ層を介在させて、前記ギャップ層の厚みによって共振周波数を調整するのが好ましい。ギャップ層の厚みが厚くなると前記アンテナコイルと前記導電部材との間に形成される寄生容量が小さくなり共振周波数が低下する。この様な共振周波数の挙動に着目すれば、位置ずれに基づく共振周波数のずれを整合用のコンデンサの容量値を変更する事無く、ギャップ層の厚みによって調整することが出来る。ずれ量が共振周波数の上限を満足し得る位置ずれを超える場合であっても、ギャップ層の厚みを増すことで共振周波数を所定の周波数範囲内に低下させることが可能であり、共振周波数を満足しないとして除かれるアンテナ装置を減じることが出来て、生産上の歩留まりを改善する。
【0018】
本発明においては、前記軟磁性部材の外形は平面視で略四角形状で、前記導電部材の外形を前記軟磁性部材と近似形状とし、前記軟磁性部材の外周を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化するが、アンテナコイルの引出部が軟磁性部材を介さずに導電部材と対向しない様に、前記軟磁性部材のアンテナコイルの端部を引き出す側であって、その外周の一辺を前記導電部材の外周に近接して沿わせ、他の三辺を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化しても良い。
【0019】
また、アンテナコイルの外周と軟磁性部材の外周との最小の間隔が0mmに近づくほどにインダクタンスは大きく低下し、所望の共振周波数に調整することが困難な場合がある。それはアンテナコイルの外形によるが、実用的なアンテナコイルの外形が50mm角を超える場合には、多少の間隔を設けて0.5mm以上とするのが好ましい。
【0020】
本発明においては、軟磁性部材の外形はアンテナコイルの外形よりも1.2mm以上5mm以下大きく構成するのが好ましい。この場合であれば、アンテナコイルと軟磁性部材の中心が一致する場合に対して±0.1mmの位置ずれがあっても、アンテナコイルの配置時の位置ずれを含んだアンテナコイルと軟磁性部材との外周間隔を、0.5mm以上とすることが出来る。更に好ましくは1.5mm超4mm以下である。
【0021】
また導電部材に窪みを設けて、軟磁性部材を窪み内に配置しても良い。この場合は導電部材と軟磁性部材との位置合わせが容易となるので好ましい。また、アンテナ装置の厚みを減じることが出来て好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内することが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の平面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るアンテナ装置のa−a’断面図である。
【図4】アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の位置ずれを説明するための図である。
【図5】アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の一軸方向の位置ずれによる共振周波数の変化を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の等価回路と、それに接続される整合回路の構成例を示す図である。
【図7】アンテナ装置のギャップ厚みによる共振周波数の変化を説明するための図である。
【図8】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置の斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置のb−b’断面図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置のc−c’断面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るアンテナ装置の構成を説明すいための斜視図である。
【図12】本発明の実施例に係るアンテナ装置を用いた無線通装置を説明する為の図である。
【図13】従来のアンテナ装置の一般的な構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図6を基に本発明のアンテナ装置について説明する。図1はアンテナ装置の平面図であり、図2はアンテナ装置の分解斜視図であり、図3はアンテナ装置のx−x’断面図であり、図4はアンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の位置ずれを説明するための図であり、図5はアンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる面内の一軸方向の位置ずれによる共振周波数の変化を説明するための図である。図6はアンテナ装置と整合回路とによる共振回路の構成例である。
【0025】
アンテナ装置1の基本的な構成は、アンテナコイル10と、前記アンテナコイル10の非伝送面側を覆い、互いに平行となるように重ねて配置された平板状のフェライト部材などの軟磁性部材15と、前記軟磁性部材15と平行となるようにギャップ層35を介して重ねられた導電部材35を備える。
【0026】
アンテナコイル10は、例えばポリイミド等の絶縁材料でなるベースフィルムと、このベースフィルムの上に形成された銅又はアルミニウム等でなる1ターン以上巻回されたスパイラル状の導体4であるコイル部5と引出部6で構成されている。金属箔や金属の蒸着膜をエッチングして、フレキシブル基板にアンテナコイル10を構成したり、導電性ペーストにてアンテナの導体パターンを印刷形成し、表面に粘着剤を設けた樹脂フィルムに導体パターンを転写したりして構成される。フレキシブル基板のベースフィルムは、ポリイミドの他に、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド類、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類等からなるのが好ましい。中でも、耐熱性及び誘電損失の観点から、ポリアミド類及びポリイミド類が好ましい。ここではフレキシブル基板については図示を省略している。
【0027】
コイル部5は、平面的にスパイラル状の巻回されたコイルであれば良く、エナメル線などの線状の導体4をコイル状に加工しても良い。フレキシブル基板化したアンテナコイル10と比べて若干厚みが増すものの、特性的に優れ、かつ安価に提供することが可能である。 用いる線状導体は単線、多芯の区別は無いが、アンテナ装置1は低背を求められることから、線状導体として単線のエナメル線を用いるのが好ましく、融着力を持つオーバーコート(融着層)がなされたエナメル線(自己融着線)がより好ましい。融着層は熱又は溶剤により活性化するものであり、自己融着コイルを用いれば組立工程における取り扱い容易と成る。またその線径は30μm〜80μmであるのが好ましい。
【0028】
アンテナコイル10と軟磁性部材15との一体化では両面テープを用いる場合が多く、その際には、図4に示す様に面内位置ずれが生じ易い。図ではアンテナコイル10の中心が軟磁性部材15の面内の右上方にずれた状態を示している。アンテナコイル10が配置固定する際に多少ずれても、軟磁性部材15の面内に収めることを考慮すれば、軟磁性部材15の外形は必然的にアンテナコイル10のコイル部5の外形よりも大きな面積を有するものとなる。また、軟磁性部材15の厚みが薄いとアンテナコイル10による磁束が下部の導電部材35へ漏れて渦電流が増し、また厚いとアンテナ装置の厚みが増すばかりであるため、0.1mm〜2.5mmとするのが好ましい。
【0029】
アンテナコイル10の位置ずれが大きく、アンテナコイル10の外周が軟磁性部材15の外周に近づくにつれ、周囲に漏洩する磁束が増すためにインダクタンスが低下する。更に軟磁性部材15の周囲に導電部材35を設けると、漏洩磁束により渦電流が生じるためにインダクタンスの低下がいっそう大きくなる。
【0030】
このアンテナ装置1は、整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にある。整合回路50を構成する整合用のコンデンサは通常チップコンデンサで構成され、アンテナコイルの両端側に設けられて、給電回路との不整合による電力反射を抑制している。ここで示した整合回路50は平衡回路として構成されるが、不平衡回路であっても良い。アンテナ装置1は、等価的にはアンテナコイル10によるインダククタLと寄生抵抗Rm、及び寄生容量Ccと整合用のコンデンサC1,C2,C3,C4と、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量Csとで表され、寄生容量Csはフレームグランドと接続する。
【0031】
共振周波数の13.56MHzは近距離無線通信において規格化された周波数であり、13.56MHzを中心とする±250kHzとする周波数範囲は、発明者等が実験で求めた通信距離3cmで実用的な通信が可能な状態が得られる周波数範囲である。
【0032】
整合回路50の各コンデンサの定数等の条件を固定して共振周波数を見れば、アンテナコイル10の位置ずれが大きいと、共振周波数は高周波側にシフトし、小さいと低周波へシフトする。位置ずれに対する共振周波数は、図5に示す様に、位置ずれが無い場合を底とした双曲線状に変化する。軟磁性部材15の周囲に導電部材35があると、その変化は大きくなる。
【0033】
この様な位置ずれに対する共振周波数の挙動に着目し、共振周波数の底となる位置ずれの無い場合の共振周波数を所定の周波数範囲内(13.56MHz±250kHz)の下限以上とし、アンテナコイルの位置ずれを許容される最大とした場合の共振周波数を上限に近い周波数とするように整合用のコンデンサの容量値を設定すれば、許容されるアンテナコイルの位置ずれ幅が広がり、生産上、共振周波数を満足しないとして除かれるアンテナ装置を低減することが出来る。
【0034】
軟磁性部材15を構成する磁性材料として、Ni系、Mn系、Li系などの軟磁性フェライトやFe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Al−Si系の磁性合金、Fe−(Co,Ni)−B−Si−C系アモルファス合金、Fe−B−Si−Cu−Nb系ナノ結晶合金なとがあげられる。13.56MHzにおける透磁率は30〜250であるのが好ましく、金属系の磁性材料では微粉化したものを樹脂と混合してシート状にして用いる。また軟磁性フェライトであれば、ドクターブレード法等の公知のシート化技術により得たグリーンシートを所定の形状に加工し、単層のままで焼結してシート状あるいは板状としたり、複数層を積層して用いたりすることが出来る。複数層を積層する場合には、異なる軟磁性フェライトを用いたグリーンシートを用いて、層によって磁気特性を異ならせて構成することも出来る。
【0035】
軟磁性部材15はシート状、あるいは単板状でも良いし、それが複数に分割された状態にあっても良い。焼結フェライト板であれば、その小片は予め分割されたものを用い、並べて、プラスチックフィルムに貼付する場合や、焼結フェライト板に分割の為の溝や孔を形成し、プラスチックフィルムに貼付した状態で外力を作用させて分割する場合もある。プラスチックフィルムに貼付後に分割すると、曲げを要しない場合に小片間の間隔は実質的に生じることが無く、透磁率はほとんど劣化することが無い。これによりインダクタンスの低下も無く、インピーダンスマッチングも適正に保持されて通信特性の劣化を抑えることも出来る。
【0036】
軟磁性部材15と近接して設けられる導電部材35は、シールドとして用いるものや、単にバッテリーケース等の無線通信装置内の金属構造物である場合もあり、銅、アルミニウム、ステンレスといった金属である。それらと軟磁性部材15との間は、軟磁性部材15よりも低誘電率のギャップ層が設けられる。ギャップ層は粘着剤層又は空気層として構成され、その厚みは20μm以上200μm以下であるのが好ましく、プラスチックフィルムや両面テープが用いられて、その厚みによって任意に調整することが出来る。一般的な軟磁性フェライトの比誘電率は10〜20程度であり、前記ギャップ層は比誘電率が5以下の樹脂であるのが好ましい。
【0037】
図7はアンテナ装置のギャップ厚みによる共振周波数の変化を説明するための図である。ギャップ層の厚みによって、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量が変化する。ギャップ層17の厚みが厚くなると、アンテナコイル10と導電部材35との間に形成される寄生容量が小さくなり共振周波数が低下する。この様な共振周波数の挙動に着目すれば、位置ずれに基づく共振周波数のずれを整合用のコンデンサの容量値を変更する事無く、ギャップ層の厚みによって調整することが出来る。
【0038】
図11に本発明の他の実施態様を示す。これはバッテリーケースを導電部材35とするものであって、バッテリ74の主面上にアンテナコイル10と軟磁性部材15とが配置固定される。アンテナ装置1の側面には、バッテリ制御回路と接続する端子81とアンテナコイル10の端部a,bが接続する端子82を備える。
【0039】
図12は本発明のアンテナ装置を用いた無線通装置の斜視図である。アンテナ装置1は携帯電話200に内蔵され、携帯電話200側のバッテリ給電回路と端子81とが接続し、アンテナコイル10への給電/制御回路と端子82が接続される。アンテナ装置1は、端子81を介して携帯電話200に電力を供給し、端子82により近距離無線通信の信号を携帯電話側の回路との間でやり取りする。
【0040】
導電部材35であるバッテリ74、アンテナコイル10、軟磁性部材15を、予め一体化することで、アンテナ装置1を携帯電話200に収容しても、他の金属部品との位置関係も予め分かっているので、それを見込んで各部材の関係を決定することが可能で、収容前後での共振周波数の変化を小さく出来る。
【0041】
(実施例)
実施例のアンテナ装置の斜視図を図8に、図9にそのb−b’断面図を、図10にc−c’断面図を示す。このアンテナ装置は図1等で説明したものと基本的な構成は同じであるので、対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0042】
アンテナ装置1は、線幅0.5mm、線間0.5mmで2ターンに巻回された厚み35μmのCu箔をエッチングしてなる導線で構成されたアンテナコイル10を有する。アンテナコイル10のコイル部5は平面視で矩形状に構成され、長手方向と短手方向を備え、長手方向をX方向とし、短手方向をY方向としている。外周縁において、X方向の一辺を50mmとし、Y方向の一辺を42mmとした。アンテナコイル10はフレキシブル基板として構成されるが、ベースフィルムの図示は省略した。なおその厚みは30μmであった。アンテナコイル10の端部a、bは引出部6にて軟磁性部材15の外周縁を越えて引き出される。
【0043】
軟磁性部材15として、Ni系フェライトで厚みが0.22mmの焼結フェライト板を用いた。以下、フェライト部材15と呼ぶ。このフェライト部材15には、Fe2O3;46.5mol%,ZnO;20.0mol%,NiO;22.5mol%,CuO;11.0mol%の組成であり、初透磁率が110、比誘電率εrが10であるフェライト材料を用いた。その形状は平面視で矩形状に構成され、外周縁において、X方向の一辺を52mmとし、Y方向の一辺を44mmとし、アンテナコイル10に対してX方向、Y方向で共に2mm大きいサイズである。
【0044】
導電部材35として、厚みが0.8mmで、X方向の一辺が150mmでY方向の一辺が100mmの矩形状に構成されたステンレス(SUS304)板を用いた。その一部にアンテナコイル10を備えたフェライト部材15を配置するための、深さt2が0.3mmとなる窪みSが形成されている。
【0045】
フェライト部材15の第1面に、アクリル系粘着層を備えた両面テープを介してアンテナコイル10を貼り付けた。アンテナコイル10の中心とフェライト部材15の中心とが一致する様に配置して、各辺での間隔を1mmと均等に形成、あるいは他の試料としてX方向のみ、Y方向のみ、X方向とY方向でアンテナコイル10の中心をずらしたものを作製した。
【0046】
さらに、フェライト部材15の第2面に、粘着層31として厚みが15μmのアクリル系粘着層を備えた両面テープを貼付し、そこにプラスチックフィルム32として厚みが15μmのPETフィルムを貼付けた。更にPETフィルムに厚みが30μmのアクリル系粘着層を備えた両面テープを貼り付けて、アンテナコイル10を備えたフェライト部材15を導電部材35の窪みに収め、フェライト部材15と一辺と導電部材35の一辺が一致する様に固定してアンテナ装置を作製した。PETフィルムと両面テープの合計厚みによってギャップ層の厚みが決定され、PETフィルムや両面テープによる比誘電率は2〜3である。
【0047】
更に、導電部材35とフェライト部材15との間隔t1で規定されるギャップ層の厚みを、プラスチックフィルム32の厚みを代えて異ならせたアンテナ装置を作製した。
【0048】
得られた試料を図6に示した評価回路にて、port1、2側から見たインピーダンスZiの周波数特性についてインピーダンスアナライザを用いて評価した。試料No.1〜11までは、整合回路50のコンデンサはC1=C2=68pF、C3=C4=180pFで構成した。この定数は、アンテナコイル10とフェライト部材15の位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzとなる様に設定されたものである。また試料No.12〜13ではコンデンサの容量値を、C1=C2=68pF、C3=C4=188pFとした。また、ギャップ層厚み t1は、試料No.1〜7、12〜14を60μmとし、試料No.8は110μm、試料No.9〜11は160μmとした。評価結果を表1に示す。表中、共振周波数Frが13.56±250KHzを超える試料には、そのNoに符号*を付した。
【0049】
【表1】
【0050】
位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzとなる様に共振回路のコンデンサの定数が設定された場合、位置ずれが大きい試料No.5,7の試料では、所定の周波数範囲を超えるが、ギャップ層の厚みの調整や、コンデンサの定数を位置ずれが無い状態で共振周波数が13.56MHzよりも低い周波数とすることで、インダクンスの変化を確実に相殺出来て所定の周波数範囲内とすることが出来た。
以上の結果よれば、近距離無線通信用のアンテナ装置において、アンテナコイルと軟磁性部材の配置位置にずれがある場合であっても、共振周波数を所定の周波数範囲内することが出来て、厳密な位置合わせを行わなくても済み、生産性に優れたアンテナ装置を提供することが出来る。
【符号の説明】
【0051】
1 近距離無線通信用アンテナ
4 導体
5 コイル部
6 引出部
10 アンテナコイル
15 フェライト部材
17 ギャップ層
31 粘着層
35 導電部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する主面を備えた軟磁性部材の第一主面にアンテナコイルを配置固定し、第二主面側に導電部材を配置した近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の外形はアンテナコイルよりも大きく、前記導電部材の外形は前記軟磁性部材よりも大きく、
整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にあり、
アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を、共振周波数がその周波数範囲の下限周波数の近傍となる容量値に設定したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の第二主面と前記導電部材の間に前記軟磁性部材よりも低誘電率のギャップ層を設けて、前記ギャップ層の厚みによって共振周波数を調整することを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の外形は平面視で略四角形状であって、前記導電部材の外形が前記軟磁性部材と近似形状であり、
前記アンテナコイルの端部を引き出す側であって、前記軟磁性部材の外周の一辺を前記導電部材の外周に近接して沿わせ、他の三辺を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記アンテナコイルの外周と前記軟磁性部材の外周との最小の間隔を0.5mm以上とすることを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
軟磁性部材の外形寸法は前記アンテナコイルの外形寸法よりも1.2mm以上5mm以下大きいことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材を前記導電部材に設けられた窪み内に配置することを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項1】
対向する主面を備えた軟磁性部材の第一主面にアンテナコイルを配置固定し、第二主面側に導電部材を配置した近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の外形はアンテナコイルよりも大きく、前記導電部材の外形は前記軟磁性部材よりも大きく、
整合用のコンデンサとの共振周波数が13.56MHz±250kHzの周波数範囲にあり、
アンテナコイルを軟磁性部材に配置固定する際に生じる位置ずれを最小とした組立体を基準として、前記整合用のコンデンサの容量値を、共振周波数がその周波数範囲の下限周波数の近傍となる容量値に設定したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の第二主面と前記導電部材の間に前記軟磁性部材よりも低誘電率のギャップ層を設けて、前記ギャップ層の厚みによって共振周波数を調整することを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材の外形は平面視で略四角形状であって、前記導電部材の外形が前記軟磁性部材と近似形状であり、
前記アンテナコイルの端部を引き出す側であって、前記軟磁性部材の外周の一辺を前記導電部材の外周に近接して沿わせ、他の三辺を前記導電部材の外周よりも内側に位置して一体化したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記アンテナコイルの外周と前記軟磁性部材の外周との最小の間隔を0.5mm以上とすることを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
軟磁性部材の外形寸法は前記アンテナコイルの外形寸法よりも1.2mm以上5mm以下大きいことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の近距離無線通信用アンテナ装置であって、
前記軟磁性部材を前記導電部材に設けられた窪み内に配置することを特徴とする近距離無線通信用アンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−70369(P2013−70369A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196915(P2012−196915)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】
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