説明

送信装置、受信装置、動画音声伝送品質評価方法および動画音声伝送品質評価プログラム

【課題】受信端末が、欠落したパケットに対する再生画像や音声の品質の影響を把握することができるとともに、再生画像や音声の品質を評価することを課題とする。
【解決手段】送信装置10は、動画音声データを符号化してパケット化する。そして、送信装置10は、伝送用パケットに配置する際に、伝送パケットのヘッダに記述されるシーケンス番号と、その伝送パケット内に配置された動画音声データの情報とをパケット情報テーブル12aに記憶させてパケット情報テーブルを作成する。そして、送信装置10は、パケット情報テーブル12aに記憶された伝送パケットテーブル情報を伝送路30を介して受信装置20に送信する。その後、送出部12は、伝送パケットを伝送路30を介して受信装置20に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数種類のデータがパケット化された伝送パケットを送信装置から受信装置に送信する送信装置、受信装置、動画音声伝送品質評価方法および動画音声伝送品質評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現状のIPネットワークにおける映像や音声の伝送サービスでは、ネットワーク上でのパケットロスにより、受信端末での再生品質の劣化が問題となる。特に、映像のフレーム間差分を多用する圧縮方法の場合には、パケットロスにより、次に復帰するためのフレーム内圧縮画像の到達までの映像の途切れが問題となる。
【0003】
このような問題を回避するための手段として、特許文献1では、パケットの再送信といった手法が開示されている。具体的には、パケットロスが生じた場合に、受信側端末がパケットの再送信を送信側端末に要求し、送信側端末から再送信されたパケットを受信する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−180236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の技術では、再送信されたパケットを受信してパケットロスに対するリカバリするだけなので、欠落したパケットの種類や位置を把握できず、受信端末での再生画像や音声の品質を評価するができないという課題があった。
【0006】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、受信端末が、欠落したパケットに対する再生画像や音声の品質の影響を把握することができるとともに、再生画像や音声の品質を評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、前記パケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて、伝送パケットテーブル情報として伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶手段と、前記伝送パケットテーブルに記憶された前記伝送パケットテーブル情報を前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信手段と、を備えることを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の装置は、パケット識別子と、受信端末に各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けた伝送パケットテーブルを送信するので、受信端末で欠落したパケットのデータ種類およびデータ位置を把握することができる結果、受信端末が欠落したパケットに対する再生画像や音声の品質の影響を把握することができるとともに、再生画像や音声の品質を評価することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る送信装置、受信装置、動画音声伝送品質評価方法および動画音声伝送品質評価プログラムの実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
以下の実施例では、実施例1に係る映像音声データ伝送システムの構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
【0011】
[映像音声データ伝送システムの構成]
まず最初に、図1を用いて、映像音声データ伝送システム1の構成を説明する。図1は、実施例1に係る映像音声データ伝送システム1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この映像音声データ伝送システム1は、送信装置10、受信装置20および伝送路30で構成され、伝送路30を介して送信装置10と受信装置20とが接続される。
【0012】
送信装置10は、符号化部11および送出部12を備える。受信装置20は、受信部21、パケット欠落検出部22および画質音声劣化算出部23を備える。以下にこれらの各部の処理を説明する。なお、送出部12は、特許請求の範囲に記載の「伝送パケットテーブル情報送信手段」に対応し、受信部21は、特許請求の範囲に記載の「受信手段」に対応し、パケット欠落検出部22は、特許請求の範囲に記載の「パケット欠落検出手段」に対応し、画質音声劣化算出部23は、特許請求の範囲に記載の「算出手段」に対応する。
【0013】
符号化部11は、動画音声データを符号化してパケット化する。具体的には、符号化部11は、図2に示すように、原画像と原音声に対して、動画像符号化処理および音声像符号化処理を行い、符号化動画データおよび符号化音声データとする。そして、符号化部11は、多重化情報データを付加して、多重化動画音声パケットデータを作成し、作成された多重化動画音声パケットデータを送出部12に送信する。
【0014】
送出部12は、パケット情報テーブル12aを備え、パケット情報テーブル12aに記憶された伝送パケット識別子やパケット情報を伝送パケットテーブル情報として受信装置20に送信する。パケット情報テーブル12aは、図3に例示するように、伝送パケットに付与されたシーケンス番号および伝送パケットを一意に識別するパケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて伝送パケットテーブルに記憶する。
【0015】
図3の例を用いて具体的に説明すると、パケット情報テーブル12aは、各伝送パケットの中のパケットが、「ビデオ」(動画)なのか「オーディオ」(音声)なのか、あるいは「多重化情報」なのかという種別を記憶する。そして、パケット情報テーブル12aは、ビデオである場合には、そのフレームデータが他のフレームデータから参照されているか、原画フレームでの位置を座標形式で記憶する。また、パケット情報テーブル12aは、オーディオである場合には、同期ワード(同期符号)が存在するか否かを記憶する。
【0016】
送出部12は、伝送用パケットに配置する際に、伝送パケットのヘッダに記述されるシーケンス番号と、その伝送パケット内に配置された動画音声データの情報とをパケット情報テーブル12aに記憶させる。具体的には、送出部12は、図4に示すように、符号化部11によって作成された多重化動画音声データを伝送パケットに配置し、各伝送パケットに複数の動画パケットや音声パケット、あるいは多重化情報パケットをランダムに配置する。
【0017】
その際に、送出部12は、各伝送パケットの中のパケットが、ビデオなのかオーディオなのか、あるいは多重化情報なのかという種別をパケット情報テーブル12aに記憶させる。また、伝送パケットの中のパケットがビデオであって、そのフレームデータが他のフレームデータから参照されている場合には、参照ありのフラグを立て、原画フレームでの位置を座標形式でパケット情報テーブル12aに記述する。
【0018】
また、送出部12は、各伝送パケットの中のパケットが、オーディオデータであって、伝送パケット内のオーディオパケットの中に同期ワード(同期符号)が存在する場合には、パケット情報テーブル12aの該当するオーディオ情報に、同期ワードありのフラグを立ててパケット情報テーブル12aに記述する。
【0019】
図1の説明に戻ると、送出部12は、パケット情報テーブル12aに記憶された伝送パケットテーブル情報を伝送路30を介して受信装置20に送信する。その後、送出部12は、伝送パケットを伝送路30を介して受信装置20に送信する。
【0020】
受信装置20の受信部21は、伝送パケットと、伝送パケットテーブル情報とを送信装置10から受信する。そして、受信部21は、伝送パケットテーブル情報を受信した場合には、その伝送パケットテーブル情報をパケット情報テーブル21aに記憶させ、伝送パケットを受信した場合には、パケット欠落検出部22に送信する。
【0021】
パケット欠落検出部22は、受信された伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、欠落したパケットのデータ種類をパケット情報テーブル21aを用いて取得する。具体的には、パケット欠落検出部22は、逐次受信される受信パケットの欠落が発生していないかを伝送パケットのヘッダに記述されるシーケンス番号により判断する。
【0022】
パケット欠落検出部22は、パケットの欠落が確認された場合には、欠落したパケットのシーケンス番号および伝送パケット識別子(図1では、「欠落パケット番号」と記載)に対応するデータ種類をパケット情報テーブル21aから欠落データ情報として取得し、その欠落データ情報を画質音声劣化算出部23に通知する。
【0023】
画質音声劣化算出部23は、取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出し、その算出結果を送信装置10に送信する。具体的には、画質音声劣化算出部23は、図5に例示するように、データ種類として、多重化情報、ビデオ(キーフレーム、参照フレーム、非参照フレーム)、オーディオ(同期ワード、非同期ワード)それぞれの欠落割合を算出する。そして、画質音声劣化算出部23は、算出結果を送信装置10に送信する。
【0024】
[送信装置による処理]
次に、図6を用いて、実施例1に係る送信装置10による処理を説明する。図6は、実施例1に係る送信装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【0025】
同図に示すように、送信装置10は、動画音声データを符号化してパケット化する(ステップS101)。そして、送信装置10は、伝送用パケットに配置する際に、伝送パケットのヘッダに記述されるシーケンス番号と、その伝送パケット内に配置された動画音声データの情報とをパケット情報テーブル12aに記憶させてパケット情報テーブルを作成する(ステップS102)。
【0026】
そして、送信装置10は、パケット情報テーブル12aに記憶された伝送パケットテーブル情報を伝送路30を介して受信装置20に送信する(ステップS103)。その後、送出部12は、伝送パケットを伝送路30を介して受信装置20に送信する(ステップS104)。
【0027】
[受信装置による処理]
次に、図7を用いて、実施例1に係る受信装置20による処理を説明する。図7は、実施例1に係る受信装置20の処理動作を示すフローチャートである。
【0028】
同図に示すように、受信装置20は、送信装置10から送信された伝送パケットテーブル情報を受信し(ステップS201)、その後、送信装置10から送信された伝送パケットを受信する(ステップS202)。
【0029】
そして、受信装置20は、伝送パケットのヘッダに記述されるシーケンス番号により欠落されたパケットを検出する(ステップS203)。そして、受信装置20は、欠落されたパケットのデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出し(ステップS204)、その算出結果を送信装置10に送信する(ステップS205)。
【0030】
[実施例1の効果]
上述してきたように、送信装置10がシーケンス番号および伝送パケット識別子と、受信装置20に各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けた伝送パケットテーブルを送信するので、受信装置20で欠落したパケットのデータ種類およびデータ位置を把握することができる結果、受信装置20が欠落したパケットに対する再生画像や音声の品質の影響を把握することができるとともに、再生画像や音声の品質を評価することが可能である。
【0031】
また、実施例1によれば、送信装置10が伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、パケット情報として、動画データが他の動画データの符号化に参照されるか否かをパケット情報テーブル12aに記憶し、受信装置20に送信するので、欠落パケットに他のフレームからの参照を受けた動画データが存在したかを受信装置20が容易に把握することが可能である。
【0032】
また、実施例1によれば、送信装置10が伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、パケット情報として、動画データが原画フレームでの位置を示す位置情報をパケット情報テーブル12aに記憶し、受信装置20に送信するので、欠落した動画データの原画フレームでの位置を受信装置20が容易に把握することが可能である。
【0033】
また、実施例1によれば、伝送パケット内のデータ種類が音声データである場合に、パケット情報として、音声データの同期符号をパケット情報テーブル12aに記憶し、受信装置20に送信するので、パケット内に音声の同期ワードが存在したかしないかを受信装置20が容易に把握することが可能である。
【0034】
また、実施例1によれば、伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを送信装置10から受信し、受信された伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類をパケットテーブル情報21aを用いて取得し、取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出するので、ネットワーク上のパケットロスなどによる再生品質の劣化が、個々の受信装置の品質を個別に専用の装置等を用いて測定しなくても、容易に取得することが可能である。
【0035】
また、実施例1によれば、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を送信装置10に送信するので、送出装置に各受信装置の再生品質に関する情報が集計され、受信装置での画像音声品質をシミュレートすることにより、リアルタイムに品質の劣化状況やリカバリの状況を把握することが可能である。
【実施例2】
【0036】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0037】
(1)劣化指標
上記の実施例1では、落されたパケットのデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パケットの欠落による再生品質の劣化の影響を示す劣化指標を算出するようにしてもよい。
【0038】
具体的には、受信装置は、図8に例示するように、欠落データ影響テーブルを保持する。受信装置は、データ種別と、そのデータ種別のパケットが欠落した場合の劣化指標を対応付けて記憶する。つまり、この劣化指標が大きいほど、再生品質への影響が大きいことを示す。
【0039】
そして、図9に示すように、受信装置のパケット欠落検出部は、パケットの欠落が確認された場合には、欠落したパケットのシーケンス番号および伝送パケット識別子(図9では、「欠落パケット番号」)に対応するデータ種別を伝送パケットテーブル情報から欠落データ情報として取得する。そして、画質音声劣化指標算出部は、データ種別に対応する劣化指標を欠落データ影響テーブルから読み出して、劣化指標を算出する。
【0040】
(2)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、符号化部11および送出部12をそれぞれ別の装置として分離してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0041】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0042】
(3)プログラム
なお、本実施例で説明した動画音声伝送品質評価方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0043】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0044】
(付記1)複数種類のデータがパケット化され、各パケットを一意に識別するパケット識別子が付与された伝送パケットを受信装置に送信する送信装置であって、
前記パケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて、伝送パケットテーブル情報として伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶手段と、
前記伝送パケットテーブルに記憶された前記伝送パケットテーブル情報を前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【0045】
(付記2)前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、前記パケット情報として、当該動画データが他の動画データの符号化に参照されるか否かを前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする付記1に記載の送信装置。
【0046】
(付記3)前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、前記パケット情報として、当該動画データが原画フレームでの位置を示す位置情報を前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする付記1または2に記載の送信装置。
【0047】
(付記4)前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が音声データである場合に、前記パケット情報として、当該音声データの同期符号を前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の送信装置。
【0048】
(付記5)付記1〜4のいずれか一つに記載の送信装置から伝送パケットを受信する受信装置であって、
前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出手段と、
前記パケット欠落検出手段によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【0049】
(付記6)前記算出手段によって算出された前記送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を前記送信装置に送信する欠落パケット割合送信手段をさらに備えることを特徴とする付記5に記載の受信装置。
【0050】
(付記7)複数種類のデータがパケット化された伝送パケットを送信装置から受信装置に送信する動画音声伝送品質評価方法であって、
前記送信装置が、前記伝送パケットを一意に識別するパケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶工程と、
前記送信装置が、前記伝送パケットテーブルに記憶された前記パケット識別子および前記パケット情報を伝送パケットテーブル情報として前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信工程と、
を含んだことを特徴とする動画音声伝送品質評価方法。
【0051】
(付記8)前記受信装置が、前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信工程と、
前記受信装置が、前記受信工程によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出工程と、
前記受信装置が、前記パケット欠落検出工程によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出工程と、
をさらに含んだことを特徴とする付記7に記載の動画音声伝送品質評価方法。
【0052】
(付記9)複数種類のデータがパケット化された伝送パケットを送信装置から受信装置に送信する動画音声伝送品質評価方法をコンピュータに実行させる動画音声伝送品質評価プログラムであって、
前記伝送パケットを一意に識別するパケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶手順と、
前記伝送パケットテーブルに記憶された前記パケット識別子および前記パケット情報を伝送パケットテーブル情報として前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする動画音声伝送品質評価プログラム。
【0053】
(付記10)前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信手順と、
前記受信手順によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出手順と、
前記パケット欠落検出手順によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記9に記載の動画音声伝送品質評価プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る送信装置、受信装置、動画音声伝送品質評価方法および動画音声伝送品質評価プログラムは、複数種類のデータがパケット化され、各パケットを一意に識別するパケット識別子が付与された伝送パケットを受信装置に送信する場合に有用であり、特に、受信端末が、欠落したパケットに対する再生画像や音声の品質の影響を把握することができるとともに、再生画像や音声の品質を評価することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施例1に係る映像音声データ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1に係る送信装置の動画音声データのパケット化処理を説明するための図である。
【図3】伝送パケット情報テーブルの一例を説明するための図である。
【図4】送信装置のパケット情報テーブル作成処理および伝送パケット送信処理を説明するための図である。
【図5】受信装置の伝送パケット劣化算出処理を説明するための図である。
【図6】実施例1に係る送信装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例1に係る受信装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】欠落データ影響テーブルの一例を説明するための図である。
【図9】受信装置の伝送パケット劣化算出処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
1 映像音声データ伝送システム
10 送信装置
11 符号化部
12 送出部
12a パケット情報テーブル
20 受信装置
21 受信部
21a パケット情報テーブル
22 パケット欠落検出部
23 画質音声劣化算出部
30 伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のデータがパケット化され、各パケットを一意に識別するパケット識別子が付与された伝送パケットを受信装置に送信する送信装置であって、
前記パケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて、伝送パケットテーブル情報として伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶手段と、
前記伝送パケットテーブルに記憶された前記伝送パケットテーブル情報を前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、前記パケット情報として、当該動画データが他の動画データの符号化に参照されるか否かを前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が動画データである場合に、前記パケット情報として、当該動画データが原画フレームでの位置を示す位置情報を前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記パケット情報記憶手段は、前記伝送パケット内のデータ種類が音声データである場合に、前記パケット情報として、当該音声データの同期符号を前記伝送パケットテーブルに記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の送信装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の送信装置から伝送パケットを受信する受信装置であって、
前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出手段と、
前記パケット欠落検出手段によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
前記算出手段によって算出された前記送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を前記送信装置に送信する欠落パケット割合送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
複数種類のデータがパケット化された伝送パケットを送信装置から受信装置に送信する動画音声伝送品質評価方法であって、
前記送信装置が、前記伝送パケットを一意に識別するパケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶工程と、
前記送信装置が、前記伝送パケットテーブルに記憶された前記パケット識別子および前記パケット情報を伝送パケットテーブル情報として前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信工程と、
を含んだことを特徴とする動画音声伝送品質評価方法。
【請求項8】
前記受信装置が、前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信工程と、
前記受信装置が、前記受信工程によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出工程と、
前記受信装置が、前記パケット欠落検出工程によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出工程と、
をさらに含んだことを特徴とする請求項7に記載の動画音声伝送品質評価方法。
【請求項9】
複数種類のデータがパケット化された伝送パケットを送信装置から受信装置に送信する動画音声伝送品質評価方法をコンピュータに実行させる動画音声伝送品質評価プログラムであって、
前記伝送パケットを一意に識別するパケット識別子と、各伝送パケット内のデータ種類およびデータ位置を示すパケット情報とを対応付けて伝送パケットテーブルに記憶するパケット情報記憶手順と、
前記伝送パケットテーブルに記憶された前記パケット識別子および前記パケット情報を伝送パケットテーブル情報として前記受信装置に送信する伝送パケットテーブル情報送信手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする動画音声伝送品質評価プログラム。
【請求項10】
前記伝送パケットと、前記伝送パケットテーブル情報とを前記送信装置から受信する受信手順と、
前記受信手順によって受信された前記伝送パケットのうち、欠落したパケットを検出し、当該欠落したパケットのデータ種類を前記伝送パケットテーブル情報を用いて取得するパケット欠落検出手順と、
前記パケット欠落検出手順によって取得されたデータ種類毎に、送出されたデータ数に対する欠落したデータ数の割合を算出する算出手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載の動画音声伝送品質評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−188674(P2009−188674A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25696(P2008−25696)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】