説明

送信装置、受信装置、通信システム、通信方法、及びプログラム

【課題】ネットワークを介したユーザインタフェースの提供における通信エラーへの耐性を高めること。
【解決手段】ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と、前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部と、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する通信部と、を備える送信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して、画像データ(動画像データを含む)を転送する様々なアプリケーションやサービスが提案されている。ネットワークを介して画像データを送受信する場合には、送信側で符号化(圧縮)処理によりデータ量を減少させた上でネットワークに送出し、受信側で符号化された受信データを復号(伸長)処理して再生するのが一般的である。
【0003】
例えば、画像圧縮処理の最も知られた手法として、MPEG(Moving Pictures Experts Group)と呼ばれる圧縮技術がある。MPEG圧縮技術を用いる場合には、MPEG圧縮技術により生成されたMPEGストリームが通信パケットに格納され、ネットワーク経由で配信される。また、MPEG4又はJPEG2000では、性能の異なる様々な受信端末に画像データが受信されることを想定し、送受信するデータの符号化を階層的に実行する階層符号化と呼ばれる技術が導入されている。さらに、画像の符号化と復号の際に生じる遅延時間を短縮するために、1ピクチャをN個のライン(Nは1以上)の集合に分割し、分割した集合(ラインブロックという)ごとに画像を符号化するラインベース・コーデックと呼ばれる圧縮技術も提案され始めている。
【0004】
このような画像圧縮技術を応用したネットワーク経由での画像データの配信は、コンテンツプロバイダなどの事業者によるインターネットを介したユーザへの配信に限らず、オフィスや家庭内のLAN(Local Area Network)などの小規模ネットワーク上でも利用可能である。
【0005】
家庭内の小規模ネットワークを用いた画像データ配信の利用形態としては、HDD(Hard Disk Drive)やBD(Blu-ray Disk(登録商標))などの大容量記憶装置に格納された画像データをネットワークに接続された表示装置に表示させる例が挙げられる。このような小規模ネットワークの利用は、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance)などによるデジタル機器間でのデータ交換の標準仕様の整備が進むことで、今後もその発展が見込まれる。
【0006】
小規模ネットワークを用いて画像データを配信する場合、再生装置や表示装置をユーザが操作するためのユーザインタフェースの使い易さを向上させることも重要である。例えば、DLNAガイドラインでは、ネットワークに接続された機器をサーチし、サーチの結果得られた利用可能なサービス内容の情報を相互連携してユーザに提示するための仕組みも検討されている。
【0007】
また、画像データの配信に関連するユーザインタフェースの改善を目的とした技術開発の事例としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。下記特許文献1では、無線通信端末へ画像データを配信する際に、ユーザインタフェースに関する制御データ(ユーザにより入力されたアイコン及びその位置情報など)を含む画像制御信号を受信端末へ送信する手法が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2007−135195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、通信回線エラーが発生する環境において、ユーザインタフェースに関する制御データをネットワークを介して通信する場合、制御データの送受信の確実性とユーザの操作に対する即応性を共に高いレベルに維持することは困難である。通信エラーの発生を許容することでリアルタイムのデータ配信が実現される画像データとは異なり、制御データは、機器間で確実に送受信されることが求められるためである。例えば、ユーザインタフェースに関する制御データが欠落すると、表示装置はユーザインタフェースを正しく構成して表示することができず、ユーザは適切な操作を指示することができない。
【0010】
これに対し、制御データの送受信の確実性を維持しようとすると、通信エラー発生時の再送頻度が高まり、ネットワークの帯域が圧迫され、またユーザの操作に対する即応性も損なわれる。こうした問題は、ユーザにとっての使い易さを向上させることを目的としたユーザインタフェースに関するプロトコルの複雑化とそれに伴う制御データの容量増大により、その影響が無視できないものとなっている。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ネットワークを介したユーザインタフェースの提供における通信エラーへの耐性を高めた、新規かつ改良された送信装置、受信装置、通信システム、通信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と、前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部と、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する通信部と、を備える送信装置が提供される。
【0013】
また、前記送信装置は、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データに通信の制御に用いられる第2制御データを多重化する多重化部、をさらに備え、前記通信部は、前記多重化部により前記第2制御データと多重化された前記重畳画像データを送信してもよい。
【0014】
また、前記通信部は、さらに前記重畳画像データを受信した他の装置により表示された前記ユーザインタフェース画像に関連して外部装置から送信される操作信号を受信してもよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化された前記重畳画像データを受信する通信部と、前記通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部と、を備える受信装置が提供される。
【0016】
また、前記受信装置は、前記画像復号部により前記重畳画像データが復号される前に、通信の制御に用いられる第2制御データを当該重畳画像データから分離する分離部、をさらに備えてもよい。
【0017】
また、前記通信部は、受信した前記重畳画像データに含まれるエラーの割合を所定の閾値と比較し、エラーの割合が当該閾値よりも大きくない場合には前記重畳画像データを前記画像復号部に復号させてもよい。
【0018】
また、前記通信部は、受信した前記重畳画像データに含まれるエラーの割合が所定の閾値よりも大きい場合に、エラー通知のための応答信号を前記重畳画像データの送信元の装置へ送信してもよい。
【0019】
また、前記重畳画像データは、2種類以上の画質の低い低周波画像データと画質の高い高周波画像データとを含む階層符号化された画像データであり、前記画像復号部は、前記重畳画像データとして所定の周波数の低周波画像データが前記通信部により受信された場合には、より周波数の高い画像データが受信されたか否かによらず受信された前記重畳画像データを復号してもよい。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と、前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを符号化する画像圧縮部と、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データに通信の制御に用いられる第2制御データを多重化する多重化部と、前記多重化部により前記第2制御データと多重化された前記重畳画像データを送信する通信部と、を備える送信装置が提供される。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、通信の制御に用いられる第2制御データと多重化された前記重畳画像データを受信する通信部と、前記通信部により受信された前記重畳画像データから前記第2制御データを分離する分離部と、前記分離部により前記第2制御データが分離された前記重畳画像データを復号する画像復号部と、を備える受信装置が提供される。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部、前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部、及び、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する送信側通信部、を備える送信装置と、前記送信装置により送信された前記重畳画像データを受信する受信側通信部、及び、前記受信側通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部、を備える受信装置と、を含む通信システムが提供される。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、送信装置において、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成するステップと、生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化するステップと、符号化された前記重畳画像データを送信装置から受信装置へ送信するステップと、受信装置において、前記送信装置により送信された前記重畳画像データを受信するステップと、受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号するステップと、を含む通信方法が提供される。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、送信装置を制御するコンピュータを、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と、前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部と、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する通信部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、受信装置を制御するコンピュータを、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化された前記重畳画像データを受信する通信部と、前記通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明した本発明に係る送信装置、受信装置、通信システム、通信方法、及びプログラムによれば、ネットワークを介したユーザインタフェースの提供における通信エラーへの耐性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
1.一実施形態に係る通信システムの概要
2.一実施形態に係る送信装置の説明
3.一実施形態に係る受信装置の説明
4.まとめ
【0029】
<1.一実施形態に係る通信システムの概要>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る通信システム1の概要について説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の概要を示す模式図である。図1を参照すると、通信システム1は、ネットワーク10、送信装置100、受信装置200、及び遠隔制御装置300を含む。
【0031】
図1において、ネットワーク10は、LAN、WAN、ADSL、電力線、LVDS接続回線、HDMI、無線LAN(IEEE802.11)、Bluetooth、WiMax、又は超広帯域無線(UWB)などを用いた任意のネットワークである。ネットワーク10は、例えば、送信装置100と受信装置20とを接続するホームネットワークとしての役割を果たす。ネットワーク10が有線であるか無線であるかは問わない。
【0032】
送信装置100は、典型的には、映像コンテンツなどの画像データを記憶しているHDDレコーダやBDレコーダなどの記録再生装置として構成される。その代わりに、送信装置100は、例えば、放送される番組を受信して中継するチューナ、又は撮像素子を用いて撮影された画像データを出力する撮像装置などであってもよい。送信装置100は、例えば、画像データを内蔵する記録媒体から読み出し、外部から受信し、又は撮影した後、当該画像データを圧縮して受信装置200へ送信する。なお、本明細書において、圧縮とは、例えばChannelCodecのような符号化も含むものとする。また、送信装置100は、ユーザによる操作を受け付けるためのユーザインタフェースを、受信装置200の画面を介してユーザに提供する。
【0033】
受信装置200は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やPDP(Plasma Display Panel)、液晶ディスプレイ、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)などを用いた表示装置として構成される。受信装置200は、例えば、送信装置100から送信された画像データをネットワーク10を介して受信し、当該画像データを復号して得られたコンテンツ画像を画面に表示する。また、受信装置200は、送信装置100又は受信装置200をユーザに操作させるためのユーザインタフェース画像(例えばメニューやアイコンを含む画像)202を画面に表示する。
【0034】
遠隔制御装置300は、送信装置100又は受信装置200を操作するための操作信号を、ユーザからの指示に応じて、例えば赤外線信号又は無線信号として出力する。遠隔制御装置300から操作信号が出力されると、当該操作信号は、例えば受信装置200により検知される。そして、受信装置200は、操作の内容を伝える操作データをネットワーク10を介して送信装置100へ送信する。その代わりに、遠隔制御装置300から出力された操作信号は、例えば離れた場所に位置する送信装置100により直接検知されてもよい。
【0035】
このような通信システム1の構成により、例えば、ユーザが、家庭内の任意の場所に設置された受信装置200を用いて離れた場所ある送信装置100にアクセスし、送信装置100の保持するコンテンツを楽しむといった利用形態が可能となる。しかし、この場合、例えば周囲の環境から生じるノイズ(マルチパス、ゲインロス、瞬断といった一時的に回線が不安定になる状態を引き起こす要因)や一時的な通信の輻輳などを原因として、ネットワーク10上で通信エラーが発生し得る。その際、画像データについては、例えばUDP(User Datagram Protocol)及びRTP(Real-time Transport Protocol)などのプロトコルに従い、通信エラーによるデータの欠損等に関わらずリアルタイム性を維持したデータ配信が継続される。これに対し、仮にユーザインタフェースを制御するための制御データを単独でネットワーク10上に送出することとすると、例えばTCP(Transmission Control Protocol)などによるデータ再送の結果、通信は遅延し、ユーザによる操作の即応性は損なわれる。そこで、次節より詳しく説明する本発明の一実施形態では、ユーザインタフェースを制御するための制御データに基づいて生成されるユーザインタフェース画像を予めコンテンツ画像に重畳することで、当該制御データの送信/再送の必要性を排除する。
【0036】
<2.一実施形態に係る送信装置の説明>
図2は、本実施形態に係る送信装置100の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照すると、送信装置100は、アプリケーション部110、圧縮部120、及び通信部140を備える。
【0037】
[アプリケーション部110]
アプリケーション部110は、ユーザによる操作に応じて所定の画像データを取得して圧縮部120へ供給する。また、アプリケーション部110は、各アプリケーションをユーザに操作させるためのユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データ、及び通信の制御に用いられる第2制御データを、圧縮部120へ供給する。
【0038】
アプリケーション部110は、図3に例示するように、例えば、個々のアプリケーション112a〜112nと共通インタフェース(共通IF)114とにより構成されてもよい。
【0039】
図3の例において、アプリケーション112a〜112nは、例えば、送信装置100上で動作するコンテンツ再生用アプリケーション、放送番組受信用アプリケーション、又は映像撮影用アプリケーションなどの任意のアプリケーションであってよい。アプリケーション112a〜112nは、例えばユーザからの要求に応じて、それぞれ所定の画像データ及び音声データを取得し、取得したデータを圧縮部120へ出力する。また、アプリケーション112a〜112nは、前述した第1制御データ及び第2制御データの出力と操作データの取得を、共通インタフェース114を介して実行する。
【0040】
共通インタフェース114は、送信装置100がユーザに提供するユーザインタフェースを共通的に管理するインタフェースである。共通インタフェース114は、例えば、XMB(Xross Media Bar)などの独自ユーザインタフェースやDLNAのUI等の標準化された仕様に従って動作するミドルウェアなどであってもよい。
【0041】
共通インタフェース114は、例えば、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データを生成して圧縮部120へ出力する。第1制御データには、例えばユーザが選択可能なメニューの一覧や各メニューに対応するアイコンの識別子、画面上にアイコンを表示すべき位置など、ユーザインタフェースの表示に関連する任意の制御データを含むことができる。また、共通インタフェース114は、アプリケーションレベルでの通信の制御に用いられる第2制御データを圧縮部120へ出力する。
【0042】
さらに、共通インタフェース114は、例えば図1に示した遠隔制御装置300から出力され又は受信装置200により中継された操作データが入力されると、当該操作データに応じた動作をアプリケーション112a〜112nのいずれかに指示する。また、共通インタフェース114は、後に説明するように、重畳画像データに関するエラーが通知されると、前述した第1制御データを圧縮部120へ再度出力してもよい
【0043】
[圧縮部120]
図2に戻り、本実施形態に係る送信装置100の構成の説明を継続する。
【0044】
圧縮部120は、アプリケーション部110から画像データと第1制御データが供給されると、ユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳した重畳画像データを生成して符号化する。また、圧縮部120は、その重畳画像データに、アプリケーション部110から供給された第2制御データや符号化した音声データを多重化する。なお、本実施形態において、コンテンツ画像とは、アプリケーション部110から供給される画像データにより表現される任意の画像であってよい。
【0045】
図4は、圧縮部120のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図4の例において、圧縮部120は、画像重畳部122、制御送信準備部124、音声圧縮部126、画像圧縮部128、及び多重化部130を含む。
【0047】
画像重畳部122は、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳し、重畳画像データを生成する。
【0048】
図5は、画像重畳部122による画像重畳処理について説明するための説明図である。図5では、画像I1、画像I2、及び画像I3の3枚の画像が示されている。このうち、画像I1は、アプリケーション部110から供給された画像データの内容を表示するコンテンツ画像である。一方、画像I2は、アプリケーション部110から供給された第1制御データに含まれるメニューの一覧などのデータに基づいて生成されるユーザインタフェース画像である。図5の例では、ユーザインタフェース画像I2には、“Menu1”から“Menu4”までの4つのメニュー文字列及びそれらに対応するアイコンの組が表示されている。画像重畳部122は、このようなコンテンツ画像I1にユーザインタフェース画像I2を重畳し、重畳画像データI3を生成する。
【0049】
図5の例では、画像重畳部122はユーザインタフェース画像I2を透過させてコンテンツ画像I1と重ね合わせているが、画像重畳部122による画像の重畳はかかる例に限定されない。例えば、画像重畳部122は、ユーザインタフェース画像I2を透過させることなくコンテンツ画像I1に重ね合わせてもよい。また、画像重畳部122は、コンテンツ画像I1とユーザインタフェース画像I2とを重ね合わせることなく、任意の方向に並べて配置してもよい。さらに、画像重畳部122は、重畳画像データにユーザインタフェース画像I2のみを表示してもよい。本明細書において、画像の重畳とは、送信データストリームにユーザインタフェース画像を任意の形式で挿入することを意味する。
【0050】
図4に戻り、制御送信準備部124は、アプリケーション部110から供給された第2制御データを一時的に保持し、後述する多重化部130へ出力する。
【0051】
音声圧縮部126は、アプリケーション部110から供給された音声データを、PCM、ADPCM、MP3、WMA、AAC、ATRAC3plus、ATRAC3などの任意の音声符号化方式に従って圧縮する。なお、通信システム1において送信装置100から配信される画像データには、必ずしも音声データが伴っていなくてもよい。即ち、送信装置100の構成において、音声圧縮部126は省略されてもよい。
【0052】
画像圧縮部128は、画像重畳部122により生成された前述の重畳画像データを、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する。即ち、画像圧縮部128は、N≧1である場合には、画像重畳部122により生成された前述の重畳画像データを、ラインベース・コーデックに従って圧縮する。
【0053】
以下、図13〜図15を用いて、ラインベース・コーデックの一例としてのラインベース・ウェーブレット変換の仕組みについて説明する。
【0054】
ラインベース・ウェーブレット変換とは、原画像のベースバンド信号の1ラインをスキャンするごとに横方向のウェーブレット変換を行い、一定数のラインを読み込むごとに縦方向のウェーブレット変換を行うコーデック技術である。
【0055】
図13は、ウェーブレット変換を実行する符号化器800の構成例を示すブロック図である。図13に示した符号化器800は、最も一般的なウェーブレット変換であるオクターブ分割を3階層(3つのレベル)にわたって実行し、階層符号化された画像データを生成する。
【0056】
図13を参照すると、符号化器800は、レベル1の回路部810、レベル2の回路部820、及びレベル3の回路部830を備える。また、レベル1の回路部810は、ローパスフィルタ812、ダウンサンプラ814、ハイパスフィルタ816、及びダウンサンプラ818を有している。レベル2の回路部820は、ローパスフィルタ822、ダウンサンプラ824、ハイパスフィルタ826、及びダウンサンプラ828を有している。レベル3の回路部830は、ローパスフィルタ832、ダウンサンプラ834、ハイパスフィルタ836、及びダウンサンプラ838を有している。
【0057】
入力画像信号は、回路部810のローパスフィルタ812(伝達関数H0(z))とハイパスフィルタ816(伝達関数H1(z))によって帯域分割される。帯域分割によって得られた低域成分(1L成分)と高域成分(1H成分)は、それぞれ対応するダウンサンプラ814、818によって、解像度がそれぞれ2分の1倍に間引かれる。
【0058】
ダウンサンプラ814で間引かれた低域成分(1L成分)の信号は、回路部820のローパスフィルタ822(伝達関数H0(z))とハイパスフィルタ826(伝達関数H1(z))によってさらに帯域分割される。帯域分割により得られた低域成分(2L成分)と高域成分(2H成分)は、それぞれ対応するダウンサンプラ824、828によって、解像度がそれぞれ2分の1倍に間引かれる。
【0059】
さらに、ダウンサンプラ824で間引かれた低域成分(2L成分)の信号は、回路部830のローパスフィルタ832(伝達関数H0(z))とハイパスフィルタ836(伝達関数H1(z))によってさらに帯域分割される。帯域分割により得られた低域成分(3L成分)と高域成分(3H成分)は、それぞれ対応するダウンサンプラ834、838によって、解像度がそれぞれ2分の1倍に間引かれる。
【0060】
このように、所定のレベルまで低域成分を階層的に帯域分割した周波数成分が順次生成される。図13の例では、レベル3まで帯域分割した結果、ダウンサンプラ818で間引かれた高域成分(1H成分)、ダウンサンプラ828で間引かれた高域成分(2H成分)、ダウンサンプラ838で間引かれた高域成分(3H成分)、ダウンサンプラ834で間引かれた低域成分(3L成分)が生成される。
【0061】
図14は、レベル3まで2次元画像を帯域分割した結果得られる周波数成分を示す図である。図14の例では、まずレベル1の帯域分割(水平・垂直方向)により4つの成分1LL、1LH、1HL、1HHの各副画像が取得される。ここでLLは水平・垂直成分が共にLであることを意味し、LHは水平成分がHで垂直成分がLであることを意味している。次に、1LL成分は再度帯域分割されて、2LL、2HL、2LH、2HHの各副画像が取得される。さらに、2LL成分は再度帯域分割されて、3LL、3HL、3LH、3HHの各副画像が取得される。
【0062】
このようにウェーブレット変換が繰り返し行われた結果、出力信号においては、副画像が階層構造を形成する。こうしたウェーブレット変換をさらにラインベースに拡張したのが、ラインベース・ウェーブレット変換である。
【0063】
図15は、ラインベース・ウェーブレット変換による変換処理を概念的に示した模式図である。ここでは、一例として、ベースバンドの8ラインごとに縦方向のウェーブレット変換を行うこととしている。
【0064】
この場合、ウェーブレット変換を3階層で行うとすると、その8ラインに対して、最低域3LL副画像に1ライン、その次のレベルのサブバンド3H(副画像3HL、3LH、3HH)に各1ラインが生成される。また、さらに次のレベルのサブバンド2H(副画像2HL、2LH、2HH)に各2ライン、さらに最高域1H(副画像1HL、1LH、1HH)に各4ラインの符号化データが生成される。
【0065】
なお、この各サブバンドのラインの集合をプレシンクトと称する。即ち、ラインベース・ウェーブレット変換におけるプレシンクトは、ラインの集合であるラインブロックの一形態として、ラインベース・ウェーブレット変換の符号化単位となるラインの集合である。なお、本明細書において、符号化単位とは、一般的に符号化処理の単位となるラインの集合を意味する。即ち、符号化単位とは、ラインベース・ウェーブレット変換におけるプレシンクトに限定されず、例えば、JPEG200やMPEG4のような既存の階層符号化における符号化処理の単位であってもよい。
【0066】
図15を参照すると、図15の左側に示されるベースバンド信号802において8ラインであったプレシンクト(図中斜線部分)は、図3の右側に示されるように、ラインベース・ウェーブレット変換された変換後信号804の1Hにおいて、1HL、1LH、および1HHのそれぞれの4ライン(図中斜線部分)、2Hにおいて、2HL、2LH、および2HHのそれぞれの2ライン(図中斜線部分)、3LL、3HL、3HL、および3HHのそれぞれの1ライン(図中斜線部分)として構成されている。
【0067】
このようなラインベース・ウェーブレット変換処理によれば、JPEG2000のタイル分割と同様、1枚のピクチャをより細かい粒度に分解して処理を行うことが可能となり、画像データの送受信時の低遅延化を図ることができる。さらに、ラインベース・ウェーブレット変換の場合、JPEG2000のタイル分割とは異なり、1つのベースバンド信号に対する分割ではなくウェーブレット係数での分割であるため、タイル境界でのブロックノイズ的な画質劣化が発生しないという特徴も有する。
【0068】
ここまで、ラインベース・コーデックの一例としての、ラインベース・ウェーブレット変換について説明した。なお、図4に示した画像圧縮部128による圧縮処理は、ラインベース・ウェーブレット変換に限定されない。画像圧縮部128は、例えば、JPEG2000やMPEG4のような既存の階層符号化など、任意のラインベース・コーデックに適用可能である。
【0069】
図4に戻り、多重化部130は、画像圧縮部128により符号化された重畳画像データを、制御送信準備部124から出力される第2制御データ及び音声圧縮部126から出力される符号化された音声データと多重化する。そして、多重化部130は、多重化された重畳画像データを、通信部140へ出力する。
【0070】
さらに図2に戻り、本実施形態に係る送信装置100の構成の説明を継続する。
【0071】
[通信部140]
通信部140は、送信データ生成部142、送受信制御部144、物理層制御部146、物理層Tx148、スイッチ部150、アンテナ部152、物理層Rx154、及び受信データ分離部156を含む。
【0072】
送信データ生成部142は、圧縮部120から出力された重畳画像データを含む通信パケットを生成する。例えば、TCP若しくはUDP、又はIPプロトコルに基づく通信を行う場合には、送信データ生成部142は、重畳画像データにTCPヘッダ又はUDPヘッダ及び端末識別情報(例えば、イーサネット(登録商標)のMACアドレスやIPアドレス)を付加してIPパケットを生成する。
【0073】
送受信制御部144は、例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式、又はFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式でのMAC(Media Access Control)層の制御を行う。また、送受信制御部144は、キャリアではなくプリアンブルの相関からパケットを識別するPSMA(Preamble Sense Multiple Access)に基づくMAC層の制御を行ってもよい。
【0074】
物理層制御部146は、送受信制御部144又は送信データ生成部142からの指示に基づいて物理層を制御する。物理層Tx148は、物理層制御部146の要求に基づいて動作を開始し、送信データ生成部142から供給された通信パケットをスイッチ部150に出力する。
【0075】
スイッチ部150は、データの送信と受信とを切り替える機能を有する。例えば、スイッチ部150は、物理層Tx148から通信パケットが供給されてきた場合、通信パケットをアンテナ部152を介して送信する。また、アンテナ部152を介して通信パケットが受信された場合、スイッチ部150は、受信されたパケットを物理層Rx154に供給する。
【0076】
物理層Rx154は、物理層制御部146の要求に基づいて動作を開始し、受信パケットを受信データ分離部156に供給する。
【0077】
受信データ分離部156は、物理層Rx154から供給された受信パケットを解析し、アプリケーション部110に受け渡すべきデータを分離してアプリケーション部110へ出力する。例えば、受信データ分離部156は、受信パケットに含まれるTCP又はUDPヘッダのポート番号を参照し、アプリケーション部110に受け渡すべきデータを識別してもよい。
【0078】
ここで、通信システム1において、送信装置100が受信する可能性のあるデータは主に2種類存在する。そのうち、第1のデータは、受信装置200により表示されたユーザインタフェース画像を見たユーザからの指示を受けて遠隔制御装置300から出力される操作データである。また、第2のデータは、受信装置200が重畳画像データのエラーを検出した際に応答するエラー関連統計データである。
【0079】
操作データは、遠隔制御装置300から出力される操作信号に含まれる。送信装置100の通信部140は、遠隔制御装置300から直接、又は受信装置200により中継された当該操作信号を受信する。そして、通知部140により操作信号から分離された操作データは、アプリケーション部110へ入力される。なお、操作信号が例えば赤外線信号として遠隔制御装置300から出力される場合には、図2に示した通知部140の外部に設けられる赤外線インタフェース(図示せず)が当該操作信号を受信し、操作データをアプリケーション部110へ出力してもよい。
【0080】
一方、エラー関連統計データは、受信装置200から送信される応答信号に含まれる。送信装置100の通信部140は、受信装置200から応答信号を受信すると、当該応答信号からエラー関連統計データを分離してアプリケーション部110へ入力する。それにより、アプリケーション部110は、例えば、ユーザインタフェースを制御するための第1制御データを圧縮部120へ再度出力してもよい。
【0081】
[処理フローの一例]
次に、図6は、図2〜図5を用いて説明した送信装置100による重畳画像データの送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
図6を参照すると、まず、アプリケーション部110により、受信装置100に表示させるコンテンツ画像の画像データが、圧縮部120へ出力される(S102)。このとき、必要に応じて音声データも圧縮部120へ出力される。
【0083】
次に、アプリケーション部110により、第1制御データ又は第2制御データが圧縮部120へ出力される(S104)。
【0084】
その後、圧縮部120において、アプリケーション部110から出力された制御データが第1制御データか否かが判定される(S106)。ここで、制御データが第1制御データである場合には、処理はS108へ進む。一方、制御データが第1制御データでなければ、処理はS112へ進む。
【0085】
S108では、圧縮部120の画像重畳部122により、アプリケーション部110から入力された画像データ及び第1制御データを用いて、コンテンツ画像にユーザインタフェース画像を重畳させた重畳画像データが生成される(S108)。
【0086】
次に、画像圧縮部128により、重畳画像データが、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化される(S110)。
【0087】
次に、多重化部130により、画像圧縮部128において圧縮された重畳画像データにアプリケーション部110から入力された第2制御データが多重化される(S112)。このとき、必要に応じて音声圧縮部126において圧縮された音声データも合わせて多重化される。
【0088】
その後、通信部140により、多重化後の重畳画像データを含む通信パケットが生成され、ネットワーク10を介して受信装置200へ送信される(S114)。
【0089】
ここまで、図2〜図6を用いて、本実施形態に係る送信装置100について説明した。次に、かかる送信装置100から送信される重畳画像データを受信する受信装置200の構成について説明する。
【0090】
<3.一実施形態に係る受信装置の説明>
図7は、本実施形態に係る受信装置200の構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、受信装置200は、通信部240、復号部270、及びアプリケーション部290を備える。
【0091】
[通信部240]
通信部240は、送信データ生成部242、送受信制御部244、物理層制御部146、物理層Tx148、スイッチ部150、アンテナ部152、物理層Rx154、及び受信データ分離部256を含む。
【0092】
送信データ生成部242は、送受信制御部244の要求に基づいて、送信装置100へ送信すべきデータを読み出して送信パケットを生成する。例えば、送信データ生成部242は、IPパケットを生成して物理層Tx148へ出力する。
【0093】
送受信制御部244は、送信装置100の送受信制御部144と同様、MAC層の制御を行う。また、送受信制御部244は、例えば後述する受信データ分離部256により検出される重畳画像データのエラーの割合を予め定義される所定の閾値と比較し、エラーの割合が大きい場合には、エラーの発生を通知するエラー関連統計データを含む応答信号を送信装置100へ送信させる。重畳画像データに含まれるエラーの検出については、後にさらに説明する。
【0094】
受信データ分離部256は、物理層Rx154から供給された受信パケットを解析し、復号部270に受け渡すべきデータを分離して復号部270へ出力する。例えば、IPプロトコルに基づく通信を行う場合には、受信データ分離部256は、受信パケットに含まれる宛先IPアドレス及び宛先ポート番号を参照し、復号部270に受け渡すべきデータを識別することができる。
【0095】
[復号部270]
復号部270は、例えば、受信データ分離部256から出力される重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)の単位で復号した後、復号後の重畳画像データをアプリケーション部290へ出力する。
【0096】
図8は、復号部270のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、復号部270は、アプリケーションデータ分離部272、音声復号部274、及び画像復号部276を含む。
【0097】
アプリケーションデータ分離部272は、受信データ分離部256から入力されたデータのアプリケーションヘッダを参照してメディアの種類を判定し、データを分配する。例えば、アプリケーションデータ分離部272は、入力されたデータが符号化された音声データであれば、当該音声データを音声復号部274へ出力する。また、アプリケーションデータ分離部272は、入力されたデータが符号化された重畳画像データであれば、当該重畳画像データを画像復号部276へ出力する。また、アプリケーションデータ分離部272は、入力されたデータが第2制御データであれば、当該第2制御データをアプリケーション部290へ出力する。
【0098】
なお、ピクチャベースのコーデックと比較すると、ラインベース・コーデックでは、画像データの受信及び復号の制御に使用できる時間は短い。そこで、アプリケーションデータ分離部272は、安定して同期された状態で重畳画像データを復号するために、受信データ分離部256から入力された重畳画像データを一時的に蓄積し、所定の同期タイミングを判定して画像復号部276へ出力する。このようなアプリケーションデータ分離部272による同期処理については、後に図11を用いてさらに説明する。
【0099】
音声復号部274は、アプリケーションデータ分離部272から入力された音声データを、PCM、ADPCM、MP3、WMA、AAC、ATRAC3plus、ATRAC3などの任意の音声符号化方式に従って復号する。音声復号部274により復号された音声データは、アプリケーション部290へ出力される。なお、音声復号部274は、送信装置100の音声圧縮部126と同様、受信装置200において省略されてもよい。
【0100】
画像復号部276は、アプリケーションデータ分離部272から入力された重畳画像データを、1フィールド内のNラインに相当する符号化単位で復号する。画像復号部276により復号された重畳画像データは、アプリケーション部290へ出力される。
【0101】
[アプリケーション部290]
図7に戻り、受信装置200の構成の説明を継続する。
【0102】
アプリケーション部290は、復号部270から供給される復号済みの重畳画像データを再生する。それにより、重畳画像データに含まれるコンテンツ画像に重畳されたユーザインタフェース画像が、受信装置200の画面に表示される。また、アプリケーション部290は、復号部270から供給される復号済みの音声データをスピーカなどの音声出力装置を用いて再生する。
【0103】
かかる受信装置200の構成において注目すべき点は、復号部270の画像復号部276において復号された重畳画像データを、さらにコンテンツ画像の画像データとユーザインタフェース画像用の第1制御データとに分離する必要がないことである。仮に通信エラーが発生した場合、重畳画像データの一部にエラーが含まれている可能性はある。しかし、その場合でも、ユーザインタフェース画像がコンテンツ画像に重畳されているため、エラーの割合が一定量を超えていなければ、受信装置200において表示された画像に映るユーザインタフェース画像をユーザは認識することができる。その結果、部分的なエラーの発生によらず、例えばUDP及びRTPなどのリアルタイム性を重視したプロトコルに従って、ユーザインタフェースを即応的にユーザに提供できる。
【0104】
[エラーの検出]
受信装置200における重畳画像データのエラーの検出は、例えば、図7に示した物理層Rx154又は受信データ分離部256などにより行い得る。例えば、物理層Rx154では、巡回冗長検査、リードソロモン符号、ゴールド符号、又はビタビアルゴリズムなどの公知の手法を用いて、受信パケットに含まれるビットやシンボルのエラーを検出することができる。また、例えば、受信データ分離部256では、RTPヘッダなどに含まれるシーケンス番号の抜けなどからパケットのロスを検出することができる。また、無線通信における位相のずれや信号強度のばらつきから通信エラーを検出してもよい。
【0105】
このように検出された重畳画像データのエラーは、例えば、送受信制御部244に通知され、エラーの割合が算出される。そして、送受信制御部244は、例えば予め定義された所定の閾値と算出されたエラーの割合とを比較する。ここでエラーの割合が予め定義された閾値よりも大きい場合、即ち重畳画像データを復号して表示してもユーザインタフェース画像をユーザが正しく認識できない場合には、送受信制御部244は、エラーを通知する応答信号を送信装置100へ送信する。また、エラーの割合が上記閾値よりも大きくない場合、即ちユーザインタフェース画像をユーザが認識できると判断される場合には、送受信制御部244は、重畳画像データの復号処理を継続させる。
【0106】
なお、ここでは送受信制御部244によりエラーの割合の閾値判定を行う例について説明したが、その代わりに復号部270又はアプリケーション部290が当該閾値判定を行ってもよい。
【0107】
[通信パケットの構成例]
図9は、本実施形態において受信装置200が受信する可能性のある通信パケットの一例としての、UDP/IPパケットの構成を示している。
【0108】
図9では、1つのIPパケットの内部構成が(A)〜(D)の4段階に分けて示されている。図9(A)を参照すると、IPパケットは、IPヘッダ及びIPデータから構成される。IPヘッダには、例えば宛先IPアドレスなどのIPプロトコルに基づく通信経路の制御に関する制御情報が含まれる。
【0109】
次に、図9(B)を参照すると、IPデータは、さらにUDPヘッダ及びUDPデータから構成されている。UDPヘッダには、例えばアプリケーション識別情報である宛先ポート番号などが含まれる。
【0110】
次に、図9(C)を参照すると、UDPデータは、さらにRTPヘッダ及びRTPデータから構成されている。RTPヘッダには、例えばデータストリームの順序性を保証するシーケンス番号などの制御情報が含まれる。
【0111】
次に、図9(D)を参照すると、RTPデータは、画像データのヘッダ(画像ヘッダ)、及びラインベース・コーデックに基づいて符号化された重畳画像データから構成されている。画像ヘッダには、例えばピクチャ番号やラインブロック番号(1ライン単位で符号化を行う場合にはライン番号)、サブバンド番号などが含まれる。なお、画像ヘッダは、ピクチャごとに付与されるピクチャヘッダと、ラインブロックごとに付与されるラインブロックヘッダにさらに分けて構成されてもよい。
【0112】
[処理フローの一例]
次に、図10は、図7〜図9を用いて説明した受信装置200による重畳画像データの受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0113】
図10を参照すると、まず、通信部240により、送信装置100から送信された通信パケットが受信される(S202)。
【0114】
次いで、例えば通信部240の通信制御部244により、通信経路上で発生したエラーの割合が所定の閾値よりも大きいか否かが判定される(S204)。ここでエラーの割合が所定の閾値よりも大きい場合には、処理はS206へ進む。
【0115】
S206では、受信装置200から送信装置100へ、エラーの発生を通知する応答信号が送信される(S206)。それにより、送信装置100は、通信環境が悪化してサービス提供に支障が出ていることを認識することができる。
【0116】
一方、S204において、通信経路上で発生したエラーの割合が所定の閾値よりも小さい場合には、処理はS208へ進む。S208では、受信した通信パケットに含まれるデータが重畳画像データであるか否かが判定される(S208)。ここで、受信した通信パケットに含まれるデータが重畳画像データでなければ、処理はS210へ進む。
【0117】
S210では、重畳画像データ以外のデータ、例えば音声データが、復号部270の音声復号部274により復号される(S210)。音声復号部274により復号された音声データは、アプリケーション部290へ出力さる。また、本ステップでは、例えば第2制御データが、復号部270のアプリケーションデータ分離部272からアプリケーション部290へ出力される。
【0118】
一方、S208において、受信した通信パケットに含まれるデータが重畳画像データであれば、アプリケーションデータ分離部272により、重畳画像データの復号開始時点の同期処理が行われる(S212)。
【0119】
図11は、アプリケーションデータ分離部272による同期処理のより具体的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0120】
図11を参照すると、まず、アプリケーションデータ分離部272へ入力された重畳画像データのヘッダ(例えば図9に示した画像ヘッダ)が検出され、ラインブロック番号などからピクチャの先頭が認識される(S302)。
【0121】
次に、アプリケーションデータ分離部272は、ピクチャの先頭を認識すると、タイマーを起動して時間を計測し、復号開始時点の到来を待受ける(S304)。なお、ここでの復号開始時点までの待ち時間は、例えば、符号化単位ごとのデータ量の変動や通信経路のジッタの影響等による遅延を吸収できる時間として予め設定される。但し、ユーザインタフェースの応答性を高めるためには、復号開始時点までの待ち時間は、可能な限り短い時間とするのが好適である。
【0122】
その後、復号開始時点に到達すると、アプリケーションデータ分離部272は、符号化単位でのデータ転送時間の計測を開始する(S306)。ここで、符号化単位でのデータ転送時間とは、1つの符号化単位の重畳画像データを表示するために費やすことのできる時間を意味する。一例として、1080/60p(画面サイズ2200x1125、60fpsのプログレッシブ方式)の映像を復号する場合、1ラインの表示に費やせる時間は、ブランク時間を加算すると約14.8[μs]、ブランク時間を加算しないと約15.4[μs]となる。符号化単位がNライン分のラインブロックであった場合には、符号化単位でのデータ転送時間は、前述の1ラインの表示に費やせる時間のN倍となる。
【0123】
さらに、アプリケーションデータ分離部272は、特定の周波数成分の重畳画像データの受信がその時点で完了しているか否を判定する(S308)。本ステップにおける特定の周波数成分とは、例えば、ユーザに表示されるべき最低限の画質を有する周波数成分として予め設定される。当該特定の周波数成分は、重畳画像データに含まれる最も周波数の低い成分であってもよく、又は画像の種類に応じて設定されるいずれかの周波数成分であってもよい。ここで特定の周波数成分の重畳画像データの受信が完了していない場合には、処理はS310へ進む。一方、特定の周波数成分の重畳画像データの受信が完了していた場合には、処理はS312へ進む。
【0124】
処理がS310へ進んだ場合、最低限表示されるべき周波数成分(特定の周波数成分)の重畳画像データがデータの遅延やエラーにより受信されなかったと考えられる。その場合、当該データの受信を待つと同期タイミングがずれて画像の表示が遅延するため、受信できなかったライン(又はラインブロック)へダミーデータが挿入される(S310)。例えば、ここで受信した周波数成分までをそのまま使用し、受信できなかった周波数成分のみについてダミーデータを挿入してもよい。ここで挿入されるダミーデータとしては、例えば1ピクチャ前(又はそれ以前)の同一ライン(又はラインブロック)の重畳画像データ、又は固定の画像データや、動き保証などにより予測したデータなどであってよい。
【0125】
一方、S312では、特定の周波数成分を含む重畳画像データが、アプリケーションデータ分離部272から画像復号部276へ転送される(S312)。重畳画像データの転送は、符号化単位でのデータ転送時間が終了するまで継続される(S314)。そして、符号化単位でのデータ転送時間が終了すると、処理はS316へ進む。
【0126】
S316では、その時点で転送されていない復号対象の重畳画像データが残っているかどうかが判定される(S316)。ここで、転送されていない復号対象の重畳画像データが残っていれば、その重畳画像データは削除される(S318)。
【0127】
その後、ピクチャ内の全てのラインの処理が終了したか否かが判定される(S320)。ここで、処理の終了していないラインが残っていれば、処理はS306へ戻り、符号化単位でのデータ転送時間の計測と重畳画像データの画像復号部276への転送が繰り返される。一方、全てのラインの処理が終了すると、1ピクチャ分の重畳画像データを復号するための同期処理は終了する。
【0128】
図10に戻り、重畳画像データの受信処理の流れの説明を継続する。
【0129】
アプリケーションデータ分離部272による同期処理の結果として画像復号部276へ転送された重畳画像データは、画像復号部276により符号化単位で順次復号される(S214)。ここで、復号された重畳画像データは、画像復号部276からアプリケーション部290へ出力される。なお、一度S320までの処理を終了した後、次にピクチャの先頭を示すヘッダを検出した場合には、復号開始時刻を計測せずに一度目の同期タイミングを流用してもよい。
【0130】
そして、アプリケーション部290は、復号された重畳画像データを受信装置200の画面に表示する(S216)。その結果、ユーザは、送信装置100又は受信装置200を操作するためのユーザインタフェース画像を画面上で見ることができる。
【0131】
ここまで、図10及び図11を用いて、本実施形態に係る受信装置200により実行される重畳画像データの受信処理について説明した。ここでの説明から理解されるように、受信装置200の表示装置に表示される重畳画像データに所定の閾値を超えない程度の通信エラーが含まれている場合であっても、ユーザインタフェース画像をユーザに視認させることができる。また、本実施形態でが、多段階の周波数成分のうち予め設定された特定の周波数成分の重畳画像データの送受信に成功すれば、他の周波数成分が失われた場合でも、少なくともその特定の周波数成分に対応する画質を有するユーザインタフェース画像が表示される。
【0132】
[変形例の説明]
なお、本実施形態の変形例として、図12に示すように受信装置200の復号部270を構成することも可能である。図12を参照すると、受信装置200の復号部270は、図8に示したアプリケーションデータ分離部272、音声復号部274、及び画像復号部276に加えて、端末識別部278を含む。
【0133】
端末識別部278は、通信部240から入力されたアプリケーションデータの送信元の端末を例えばパケットのIPヘッダを参照して識別し、識別結果に応じてデータを分配する。例えば、端末識別部278は、遠隔制御装置300からデータを受信した場合には、当該データを操作信号から取得された操作データとしてアプリケーション部290へ出力する。また、端末識別部278は、送信装置100から重畳画像データなどを含むデータを受信した場合には、当該データをアプリケーションデータ分離部272へ出力する。
【0134】
かかる変形例によれば、受信装置200は、遠隔制御装置300から操作信号を受信した場合に、受信した操作信号から操作データを取得して送信装置100へ中継することができる。即ち、送信装置100と受信装置200が互いに離れた場所に設置され、遠隔制御装置300から操作信号を直接送信装置100へ送信できない場合にも、ユーザは、受信装置200に表示されたユーザインタフェース画像を見ながら送信装置100を操作できる。
【0135】
また、他の変形例として、受信装置200の復号部270又はアプリケーション部290は、通信エラーにより受信できなかったラインブロックの画面上の位置を特定し、その位置に応じて画像の復号又は表示の可否を判定してもよい。ラインブロックの画面上の位置は、図9に示したラインブロック番号などから識別することができる。
【0136】
<4.まとめ>
ここまで、図1〜図13を用いて、本発明の一実施形態に係る通信システム1について説明した。本実施形態によれば、前述したように、受信装置200の画面に表示される重畳画像データに所定の閾値を超えない程度の通信エラーが含まれている場合であっても、ユーザインタフェース画像をユーザに視認させることができる。また、多段階の周波数成分のうち予め設定された特定の周波数成分の重畳画像データの送受信に成功すれば、少なくともその周波数成分に対応する画質を有するユーザインタフェース画像が画面上に表示される。その結果、ネットワーク10を介した送信装置100から受信装置200へのユーザインタフェースの提供におけるエラー耐性が高められると共に、ユーザの操作に対する即応性が向上する。
【0137】
また、本実施形態によれば、ユーザインタフェースを制御するための第1制御データがネットワーク上に送出されないため、ユーザインタフェースの仕様の複雑化による制御データの容量増大やプロトコルの複雑化によって通信効率が低下することも防がれる。
【0138】
さらに、ラインベース・コーデックを用いることで、画像の符号化及び復号、並びに送受信において扱われる一単位の情報量が少なくなり、高速処理やハードウェア規模の低減といったメリットも享受される。
【0139】
なお、重畳画像データは、ピクチャベースのコーデックにより符号化されてもよい。そうした場合にも、ユーザインタフェース画像はコンテンツ画像に重畳されて送受信されるため、ユーザインタフェースの制御のための第1制御データはネットワーク上に送出されない。それにより、一部のデータに通信エラーが発生しても、ユーザインタフェース画像をユーザに視認させることができる。
【0140】
また、本明細書において説明した一連の処理をハードウェアで実現するかソフトウェアで実現するかは問わない。一連の処理又はその一部をソフトウェアで実行させる場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ、又は例えば図16に示した汎用コンピュータなどを用いて実行される。
【0141】
図16において、CPU(Central Processing Unit)902は、汎用コンピュータの動作全般を制御する。ROM(Read Only Memory)904には、一連の処理の一部又は全部を記述したプログラム又はデータが格納される。RAM(Random Access Memory)906には、処理の実行時にCPU902により用いられる実行プログラムや制御データなどが一時的に記憶される。
【0142】
CPU902、ROM904、及びRAM906は、バス908を介して相互に接続される。バス908にはさらに、入出力インタフェース910が接続される。入出力インタフェース910は、CPU902、ROM904、及びRAM906と、入力装置912、表示装置914、記憶装置916、通信装置918、及びドライブ920とを接続するためのインタフェースである。
【0143】
入力装置912は、例えばボタン、スイッチ、レバー、マウスやキーボードなどを介して、ユーザからの指示や情報入力を受け付ける。表示装置914は、前述したように、例えばCRT、PDP、液晶ディスプレイ、OLEDなどの画面を有し、ユーザにコンテンツ画像やユーザインタフェース画像を表示する。
【0144】
記憶装置916は、例えばHDD又は半導体メモリなどにより構成され、プログラムやプログラムデータ、コンテンツデータなどを記憶する。通信装置918は、有線又は無線によるネットワークを介する通信処理を行う。ドライブ920は、必要に応じて汎用コンピュータに設けられ、例えばドライブ920にはリムーバブルメディア922が装着される。
【0145】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0146】
例えば、本実施形態では、通信回線として無線回線を使用する例について説明した。しかしながら、他の実施形態として、無線回線の代わりに有線回線が使用されてもよい。例えば、物理層Tx148、アンテナ部152、及び物理層Rx154などを好適な機能に置き換えることにより、上記ネットワーク10と同様に、LAN、WAN、ADSL、電力線、LVDS接続回線、HDMI、又は無線LAN(IEEE802.11)、Bluetooth、WiMax、超広帯域無線などを用いた任意のネットワークを使用することができる。
【0147】
さらに、本実施形態では、TCP又はUDP/RTPプロトコルの使用を前提として説明した。しかしながら、本発明は、かかる例に限定されず、画像データと制御データとを区別可能な任意のプロトコルに適用可能である。
【0148】
例えば、フローチャートを用いて説明した一実施形態に係る送信処理及び受信処理を、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って実行しなくてもよい。各処理ステップは、並列的あるいは個別に独立して実行される処理を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】一実施形態に係る通信システムの概要を示す模式図である。
【図2】一実施形態に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】一実施形態に係るアプリケーション部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】一実施形態に係る圧縮部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図5】一実施形態に係る画像重畳処理について説明するための説明図である。
【図6】一実施形態に係る送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】一実施形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】一実施形態に係る復号部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図9】通信パケットの構成の一例を示す説明図である。
【図10】一実施形態に係る受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】一実施形態に係る同期処理の具体的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】変形例に係る復号部の構成の一例を示すブロック図である。
【図13】ウェーブレット変換を行う符号化器の構成例を示すブロック図である。
【図14】2次元画像を帯域分割して得られる周波数成分の一例を示す説明図である。
【図15】ラインベース・ウェーブレット変換による変換処理を概念的に示した模式図である。
【図16】汎用コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0150】
1 無線通信システム
100 送信装置
110、290 アプリケーション部
112 アプリケーション
114 共通インタフェース
120 圧縮部
122 画像重畳部
124 制御送信準備部
126 音声圧縮部
128 画像圧縮部
130 多重化部
140、240 通信部
142、242 送信データ生成部
144、244 送受信制御部
146 物理層制御部
148 物理層Tx
150 スイッチ部
152 アンテナ部
154 物理層Rx
156、256 受信データ分離部
200 受信装置
270 復号部
272 アプリケーションデータ分離部
274 音声復号部
276 画像復号部
278 端末識別部
300 遠隔制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と;
前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部と;
前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する通信部と;
を備える送信装置。
【請求項2】
前記送信装置は、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データに通信の制御に用いられる第2制御データを多重化する多重化部、をさらに備え、
前記通信部は、前記多重化部により前記第2制御データと多重化された前記重畳画像データを送信する、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記通信部は、さらに前記重畳画像データを受信した他の装置により表示された前記ユーザインタフェース画像に関連して外部装置から送信される操作信号を受信する、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の送信装置。
【請求項4】
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化された前記重畳画像データを受信する通信部と;
前記通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部と;
を備える受信装置。
【請求項5】
前記受信装置は、前記画像復号部により前記重畳画像データが復号される前に、通信の制御に用いられる第2制御データを当該重畳画像データから分離する分離部、をさらに備える、請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記通信部は、受信した前記重畳画像データに含まれるエラーの割合を所定の閾値と比較し、エラーの割合が当該閾値よりも大きくない場合には前記重畳画像データを前記画像復号部に復号させる、請求項4に記載の受信装置。
【請求項7】
前記通信部は、受信した前記重畳画像データに含まれるエラーの割合が所定の閾値よりも大きい場合に、エラー通知のための応答信号を前記重畳画像データの送信元の装置へ送信する、請求項6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記重畳画像データは、2種類以上の画質の低い低周波画像データと画質の高い高周波画像データとを含む階層符号化された画像データであり、
前記画像復号部は、前記重畳画像データとして所定の周波数の低周波画像データが前記通信部により受信された場合には、より周波数の高い画像データが受信されたか否かによらず受信された前記重畳画像データを復号する、請求項4に記載の受信装置。
【請求項9】
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と;
前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを符号化する画像圧縮部と;
前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データに通信の制御に用いられる第2制御データを多重化する多重化部と;
前記多重化部により前記第2制御データと多重化された前記重畳画像データを送信する通信部と;
を備える送信装置。
【請求項10】
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、通信の制御に用いられる第2制御データと多重化された前記重畳画像データを受信する通信部と;
前記通信部により受信された前記重畳画像データから前記第2制御データを分離する分離部と;
前記分離部により前記第2制御データが分離された前記重畳画像データを復号する画像復号部と;
を備える受信装置。
【請求項11】
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部、
前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部、
及び、前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する送信側通信部、
を備える送信装置と;
前記送信装置により送信された前記重畳画像データを受信する受信側通信部、
及び、前記受信側通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部、
を備える受信装置と;
を含む通信システム。
【請求項12】
送信装置において、ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成するステップと;
生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化するステップと;
符号化された前記重畳画像データを送信装置から受信装置へ送信するステップと;
受信装置において、前記送信装置により送信された前記重畳画像データを受信するステップと;
受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号するステップと;
を含む通信方法。
【請求項13】
送信装置を制御するコンピュータを:
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成したユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して重畳画像データを生成する画像重畳部と;
前記画像重畳部により生成された前記重畳画像データを1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化する画像圧縮部と;
前記画像圧縮部により符号化された前記重畳画像データを送信する通信部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項14】
受信装置を制御するコンピュータを:
ユーザインタフェースの制御に用いられる第1制御データに基づいて生成されたユーザインタフェース画像をコンテンツ画像に重畳して生成された重畳画像データであって、1フィールド内のNライン(Nは1以上)に相当する符号化単位で符号化された前記重畳画像データを受信する通信部と;
前記通信部により受信された前記重畳画像データを前記符号化単位で復号する画像復号部と;
として機能させるための、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−141568(P2010−141568A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315615(P2008−315615)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】