説明

送風製鋼所の交換転炉装備を作動する方法と装置

【課題】生産停止が新たな転炉到達によって或いは転炉交換によって最小に減少されて、現行の或いは新たに据え付けるべきクレーン容量によって独立したこれからのどんな限定も受け得る方法と装置を提供すること。
【解決手段】送風製鋼所の交換転炉装備(1)を作動する場合には、交替で耐火材料の摩耗によって使用できなくなった転炉(4a)が修理するために送風スタンド(2)から取り出され、耐火材料を新たに到達された転炉(4b)が交換の際に送風スタンド(2)に収納され、まず最初に転炉容器と支持リングの間の結合が達成されなければならなく、昇降装置を装備した費用のかかる交換台車が使用されなければならないか、或いは特殊鋼製鋼所においてAOB転炉の交換の場合には、クレーン容量が実施性を制限するか、或いは限定する。これら欠点を除去するために、転炉(4a)のほかに、転炉台車(7)、支持リング(6)、傾斜駆動手段(5)、床洗浄装置(10)と場合によっては現存する支持リング冷却装置(10)とから成る全転炉複合集合体(3a)を含めた磨滅した転炉(4a)の交換過程では、送風スタンド(2)から修理のために自由到達待機スタンド(12a)に移動され、同時に修理された準備できた転炉(4b)を包含する他の同じ構成の転炉複合集合体(3b)が他の到達待機スタンド(12b)から送風スタンド(2)へ移動されることが提案されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送風製鋼所の交換転炉装備を作動する方法と装置に関し、交替で耐火材料の磨滅によって使用できなくなった転炉が修理するために送風スタンドから取り出され、耐火材料を新たに送付された転炉が交換の際に送風スタンドに取付けられる。
【背景技術】
【0002】
鋼製造用転炉は耐火煉瓦積を有し、その耐火煉瓦積が送風過程に発生された高温によって及び鋼溶融物とスラグ溶融物によって高い磨滅を受ける。それ故に、これら耐火煉瓦積を時間間隔で取り替えることが必要である。このために、磨滅された転炉が送風スタンドから取り出され、到達スタンドに適切に修理される。この時間中に鋼の製造が問題なしの耐火煉瓦積による第二転炉により続けられる。
【0003】
交換転炉装備において準備できた転炉に対して磨滅された転炉のこの交換を実施するために、異なった概念が知られている。「マンネスマンローレン−ヴェルケ株式会社のフッキン製錬所における交換転炉による一年間の経験」[鋼と鉄104(1984年)19号第969−976頁]の論文(非特許文献1)には、交換転炉装備が記載されていて、この転炉装備が取付けられた支持リングを備える二つの送風スタンド、三つの交換可能な転炉容器、交換台車、損傷送達スタンドと放出スタンドから成る。両送風スタンドのそれぞれ一方には転炉容器の磨滅の際に必要とされる交換過程の経過が次のように実施される:
【0004】
交換台車は交換すべき転炉の送風スタンドの下で移動する。交換台車上の昇降台が転炉容器を受けられ、緊張要素の開放後に転炉容器を支持リングから下降する。交換台車が転炉容器を自由な損傷送達スタンドまで移動し、転炉容器をそこで昇降台により片持ち梁に下降する。引き続いて、交換台車が放出場所まで移動し、そこにここに中間支承されて使用を待ち新たに送達した転炉容器を受けて、転炉容器を自由な送風スタンドまで輸送し、転炉容器が昇降台により支持リングに昇降される。交換過程が迅速に実施されると仮定されると、三つの転炉を備える従来の製鋼所におけるのと同じ容量が溶融領域に装備されている。
【0005】
オーストリア特許第406383号明細書(特許文献1)から、交換転炉装備が知られていて、送風スタンド、少なくとも二つの収容スタンド及び送風スタンドと収容スタンドの間に移動できる転炉用輸送手段から成り、少なくとも一つの収容スタンドが輸送手段の走行方向を横切って移動自在に形成されている。収容スタンドが放出スタンドとして同時に煉瓦積スタンドとして装備されている。交換過程はこの公知の交換転炉装備では、次のように実施される。
【0006】
まず最初に、転炉用の昇降装置と支持装置を備えて形成された輸送手段が磨滅された転炉の下部の送風スタンドに移動され、この輸送手段が昇降装置により支持リングから押し出す。その後に、転炉が収容スタンドまで輸送されて、そこで修理するために取り外される。到達されて準備できた転炉を装備した収容スタンドは、放出スタンドとして機能を果たし、空の輸送手段が修理された転炉を受けて、送風スタンドまで輸送し、そこで支持リングに挿入できる限りでは、輸送手段の走行方向と直角に移動される。
【0007】
さらに、エスエムエス・デマーク株式会社のパンプレットH2/305E1000/06/03Ky「ステンレススチール製造用の処理ライン」(非特許文献2)において特殊鋼製鋼所のAOD転炉を備える交換転炉装備が記載されていて、交換のために、現行固定の開放と媒体供給の後に転炉容器がクレーンにより閉鎖された支持リングから持ち上げて出し、交換台車上に降ろされる。選択的に、支持リングがU状に形成されていて、支持リングから転炉容器がまず最初に昇降装置を備える交換台車により外へ移動される。
【0008】
上記方法態様では、すべての方法において、まず最初に転炉容器と支持リングの間の結合が開放されなければならなく、昇降装置を装備した高価な交換台車が使用されなければならないか、或いは特殊鋼製鋼所のAOD転炉の交換の際にクレーン容積が実施性を制限するか、或いは限定することは、欠点と見做される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】オーストリア特許第406383号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】論文「マンネスマンローレン−ヴェルケ株式会社のフッキン製錬所における交換転炉による一年間の経験」[鋼と鉄104(1984年)19号第969−976頁]
【非特許文献2】エスエムエス・デマーク株式会社のパンプレットH2/305E1000/06/03Ky「ステンレススチール製造用の処理ライン」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記された先行技術から出発して、この発明の課題は、生産停止が新たな転炉到達によって或いは転炉交換によって最小に減少されて、現行の或いは新たに据え付けるべきクレーン容量によって独立したこれからのどんな限定も受け得る方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この提供された課題は、前記種類の送風製鋼所の交換転炉の作動の際に請求項1に特徴事項を備える方法により、交換過程の際に、転炉のほかに転炉台車、支持リング、傾斜駆動装置、床洗浄装置と場合によっては現行支持リング冷却装置とから成る全転炉複合集合体を含めた磨滅した転炉が送風スタンドから出て修理のために自由な到達待機スタンドに移動され、同時に修理されて準備できた転炉を包含する他の構造同じ転炉複合集合体が他の到達待機スタンドから送風スタンドへ移動されることによって解決される。
【0013】
方法を実施する装置は請求項5に記載され、この発明の好ましい構成は従属請求項で与えられる。
【0014】
この発明の特徴によると、必要な交換の際に磨滅した転炉容器を交換するばかりではなく、むしろ、同じ全転炉複合集合体も交換することであり、それで、転炉複合集合体が移動自在に形成されていて、必要な交換が最小の時間消費で済む、というのは、転炉複合集合体から転炉容器の唯一の取り出しとこのための必要な作業が省略されて、交換台車或いはクレーンによる転炉容器の輸送が節約される。この際に、古典的2個の内の1個の走行態様を備える(作動中の1個の転炉ー1個の準備できた転炉)従来の製鋼所に比べて、投資費用がおよそ50%だけ減少させる。
【0015】
発明によると、送風スタンド及び中央エネルギー媒体ステーションは上下に且つそれで転炉台車−走路を介して送風スタンドと接続されている二つの到達待機スタンドの間に配置されている。この転炉台車−走行軌道(走路)を介して転炉複合集合体の必要な交換が一体化された転炉台車によって実施される。送風スタンドが両到達待機スタンドの間に配置されているので、この交換は迅速に同時に実施され、磨滅した転炉がその転炉複合集合体により送風スタンドから取り出される間に、他の面からすでに新たな転炉が案内され得る。
【0016】
磨滅した転炉が新たに到達されて、さらに準備できた転炉複合集合体が待機位置に存在する両到達待機スタンドには、それぞれ予熱装置が配置されていて、次の使用前に送風スタンドにおいて新たな耐火材配達の迅速な乾燥とさらに転炉の加熱を可能とする。
【0017】
送風スタンドにおける転炉を作動するために、転炉複合集合体が適切な導管を介して両転炉により共通に利用された中央エネルギー媒体ステーションと接続されている。それ故に、交換過程の実施の際に、磨滅した転炉を含有する転炉複合集合体をこの中央エネルギー媒体ステーションから分離し、交換が行われた後に、新たな転炉を備える転炉複合集合体を連続的作動するこの中央エネルギー媒体ステーションにさらに接続させることが必要である。
【0018】
中央エネルギー媒体ステーションから分離後に転炉複合集合体が輸送され得るために、この発明の好ましい構成後に転炉台車が固有駆動手段を備えていて、駆動手段をエネルギー供給するために、自動走行するエネルギー供給台車が転炉台車走行軌道を介して転炉台車に近づけられてそれに連結される。転炉複合集合体のその行先(送風スタンド或いは到達待機スタンド)への輸送後にエネルギー供給台車が再び転炉台車から分離される。
【0019】
製鋼所における転炉の配置に応じて、現存の論理的輸送路が製鋼所の内部に制限されていない要求が存在し得る。この要求に一致させるために、製鋼所の現存の論理的輸送路と交差するそのほかの固定式転炉台車走行軌道の走行軌道部分区分が必要の場合に使用されるか、或いは特殊な走行軌道昇降装置によって製錬所通路の上或いは下に移動される。
【0020】
この発明の更なる細部、特徴事項と利点は、概略的図面に図示された実施例には、実施された交換の例として次に詳細に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施例の交換転炉装備を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
交換転炉装備1の図面に示された実施例は、二つの到達待機スタンド12a,12bの間に配置されている実質的に送風ランツ装備22、材料処理システム21と除塵装備20を備える送風スタンド2から成る。両到達待機スタンド12a,12bは互いに接続されて、送風スタンド2と転炉台車走行軌道17を通して接続されていて、走行軌道部分区分が製鋼所論理の理由から走行軌道昇降装置によって理存の論的輸送路16に下降可能に形成されている。
【0023】
送風スタンド2には、交換されるべき転炉複合集合体3aが存在する。磨滅した転炉4aを包含する転炉複合集合体3aは、さらに、傾斜駆動手段5、支持リング冷却装置10を備える支持リング6、転炉台車走行駆動手段8を備える転炉台車7と床洗浄装置9から成る。
【0024】
交換するために、この転炉複合集合体3aはまず最初に送風スタンド2の付近に配置された中央エネルギー媒体ステーション11から分離される。引き続いて、それぞれにここで到達待機スタンド12a(図面において送風スタンド2から右に)にそこに駐車されたエネルギー供給台車14は、固有駆動手段を備えて、転炉台車走路17上に移動し、転炉台車7の連結位置15に移動される。そこで転炉台車7のエネルギー開始が連結されている。転炉複合集合体3aは固有駆動手段8によって自由到達待機スタンド12aにおいて移動され得る。図面において走路は送風スタンド2から到達待機スタンドまで転炉複合集合体3aの個々に示された位置によって図示されている。到達待機スタンド12aに到着されて、磨滅した転炉4aが新たに到達されて、その後に予熱装置13によって乾燥されて、次の使用まで予熱される。
【0025】
転炉複合集合体3aの輸送と同時に、使用の際に到達待機スタンド12b(図面において送風スタンド2から左に)で待機する転炉複合集合体3bは新たに到達した転炉4bと一緒に送風スタンド2まで固有駆動手段によって移動され、そこで中央エネルギー媒体ステーション11に接続されて、それにより作動準備される。
【符号の説明】
【0026】
1.....変換転炉装備
2.....送風スタンド
3a....磨滅した転炉4aを備える転炉複合集合体
3b....新たに到達した転炉4bを備える転炉複合集合体
4a....磨滅した転炉
4b....新たに到達した転炉
5.....傾斜駆動手段
6.....支持リング
7.....転炉台車
8.....転炉台車走行駆動手段
9.....床洗浄装置
10....支持リング洗浄装置
11....中央エネルギー媒体ステーション
12a,12b...到達待機スタンド
13....予熱装置
14....エネルギー供給台車
15....連結位置
16....論理的輸送路
17....転炉台車走行軌道(固定式)
18....走行軌道部分区分(下降可能に或いは挿入可能に)
19....走行軌道昇降装置
20....除塵装備
21....材料処理システム
22....送風ランツ装備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交替で耐火材料の摩耗によって使用できなくなった転炉(4a)が修理するために送風スタンド(2)から取り出され、耐火材料を新たに到達された転炉(4b)が交換の際に送風スタンド(2)に収納されて、送風製鋼所の変換転炉装備(1)を作動する方法において、転炉(4a)のほかに、転炉台車(7)、支持リング(6)、傾斜駆動手段(5)、床洗浄装置(10)と場合によっては現存する支持リング冷却装置(10)とから成る全転炉複合集合体(3a)を含めた磨滅した転炉(4a)の交換過程では、送風スタンド(2)から修理のために自由な到達待機スタンド(12a)に移動され、同時に修理された準備できた転炉(4b)を包含する他の同じ構成の転炉複合集合体(3b)が他の到達待機スタンド(12b)から送風スタンド(2)へ移動されることを特徴とする方法。
【請求項2】
到達待機スタンド(12a)では、転炉(4a)が修理された後にその新たな使用まで予熱されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
転炉複合集合体(3a,3b)の輸送が固有駆動手段(8)により形成されて一体化された転炉台車(7)によって転炉台車走行軌道(17)上で実施されて、両転炉複合集合体(3a,3b)により共通に利用されて輸送エネルギー供給する中央エネルギー媒体ステーション(11)から転炉複合集合体(3a,3b)を分離した後に自動走行するエネルギー供給台車(14)が転炉台車走行軌道(17)を介して転炉台車(7)に接近されて、そこで連結されることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
製鋼所の現存する論理的輸送路と交差するそのほかの固定式転炉台車走行軌道(17)の走行軌道部分区分(18)が必要な場合に使用されるか、或いは特殊な走路昇降装置(19)によって製錬所通路の上或いは下に移動されることを特徴とする請求項1、2或いは3に記載の方法。
【請求項5】
交替で耐火材料の摩耗によって使用できなくなった転炉(4a)が修理するために送風スタンド(2)から取り出され、耐火材料を新たに到達された転炉(4b)が交換の際に送風スタンド(2)に収納され、特に前記請求項1乃至4に記載の方法を実施する送風製鋼所の交換転炉装備(1)において、a)二つの互いに間隔をおいて配置された到達待機スタンド(12a,12b)と、b)到達待機スタンド(12a,12b)の間に配置された一つの送風スタンド(2)と、c)それぞれに転炉(4a,4b)及び転炉台車(7)、支持リング(6)、傾斜駆動手段(5)、床洗浄装置(10)と場合によっては現存する支持リング冷却装置(10)とから成り、送風スタンド(2)と一つの到達待機スタンド(12a,12b)の間に移動自在に形成されたそれぞれ一つの転炉複合集合体(3a,3b)とを備えることを特徴とする交換転炉装備。
【請求項6】
送風スタンド(2)の付近では、中央エネルギー媒体ステーション(11)が配置されていて、このステーションには転炉(4a,4b)が作動するために連結され、交換するために分離されていることを特徴とする請求項5に記載の交換転炉装備。
【請求項7】
両到達待機スタンド(12a,12b)は転炉台車走行軌道(17)によって互いに接続されていることを特徴とする請求項5或いは6に記載の交換転炉装備(1)。
【請求項8】
そのほかの固定式転炉台車走行軌道(17)の一つの走行軌道部分区分(18)が下降可能に或いは挿入可能に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の交換転炉装備(1)。
【請求項9】
転炉台車(7)が自動走行するように固有の転炉台車走行駆動手段(8)を備えて形成されていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の交換転炉装備(1)。
【請求項10】
転炉台車(7)が転炉台車走行駆動手段(8)にエネルギー供給するために自動走行するエネルギー供給台車(14)用の連結装置を備えて形成されていることを特徴とする請求項9に記載の交換転炉装備(1)。
【請求項11】
到達待機スタンド(12a,12b)は新たに到達された転炉複合集合体(3a,3b)を予熱させる予熱装置(13)を有することを特徴とする請求項5乃至10のいずれか一項に記載の交換転炉装備(1)。

【図1】
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【公表番号】特表2010−514943(P2010−514943A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544368(P2009−544368)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010952
【国際公開番号】WO2008/086869
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】