説明

逆止弁

【課題】立ち上がり配管(吐出し配管)に設けた逆止弁がごみによりその開閉機能が不十分となったり、ヘッダー管内にごみが堆積することのない逆止弁を提供すること。
【解決手段】弁箱20内に回動自在な弁体21を設け、ポンプ運転による吐出水の流入により開き、ポンプ停止による吐出水の停止により閉じる構造で、排水設備の立ち上がり配管102に設置され自閉式の逆止弁であって、弁箱内20で且つ該弁体21の回動範囲の外にごみ堆積スペース26を設け、ごみ堆積スペースに連通する開口27と連通するドレン管29を設け、更に開口27を閉じる蓋28と、ドレン管を開閉する開閉弁30を設け、弁体21の閉止時にごみGがごみ堆積スペース26に滑り落ちるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排水ポンプ設備等の排水ポンプ吐出口に接続された立ち上がり配管を複数本ヘッダー管に合流接続し、排水ポンプ運転により地下の雨水流入槽に流入した雨水を立ち上がり配管及びヘッダー管を通して排水する排水設備の立ち上がり配管に設ける逆止弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1はこの種の排水ポンプ設備の構成例を示す図である。本排水ポンプ設備は、道路の立体交差部に設置され、路面に降り側溝等を通して集められた雨水を排水する立体交差用の排水ポンプ設備である。図示するように本排水ポンプ設備は地下に雨水流入槽100を配置し、該雨水流入槽100内に複数台(図では3台)の排水ポンプ101を配置している。各排水ポンプ101の吐出口には立ち上がり配管(吐出配管)102が接続され、各立ち上がり配管102は1本のヘッダー管103に接続され、ヘッダー管103はその吐出口が排水配管104に接続されている。
【0003】
雨水流入槽100の上部に設けられた弁操作室107に配置されている各立ち上がり配管102には、自閉式逆止弁105及び手動仕切弁106が設けられている。弁操作室107の上部に設けられた機械室108にはディーゼルエンジン109、発電機110、排水ポンプ盤111が配置されている。道路路面に降った雨水は側溝を流れ集められ、集水口を通って雨水流入槽100の雨水流入口100aから流入する。雨水流入槽100には水位計(図示せず)が設けられ、該水位計が雨水Wのレベルが所定の値になったことを検出すると排水ポンプ盤111は排水ポンプ101を起動し排水を行う。排水ポンプ盤111は雨水Wの流入量に応じて排水ポンプ101の運転台数を決定し、自動的に排水運転を行う。なお、商用電源が停電の場合は、ディーゼルエンジン109が自動的に起動し、発電機110を駆動し、該発電機110で発電された電力で、排水ポンプ101を駆動する。
【0004】
上記構成の排水ポンプ設備において、各立ち上がり配管102は上記のように自閉式逆止弁105が設けられている。図2は自閉式逆止弁105の構成例を示す図である。自閉式逆止弁105は図示するように弁箱10を具備し、該弁箱10は立ち上がり配管102の途中に配置されている(弁箱10の流入口11、吐出口12に立ち上がり配管102が接続されている)。また、弁箱10内には流入口11を開閉する弁体13が回動自在に設けられ、排水ポンプ101(図1参照)が運転され、雨水Wが流入口11から流入すると弁体は図3に示すように回動し、流入口11を開放する。排水ポンプ101が停止し、雨水Wの流入が停止すると、図2に示すように、弁体13は自動的に流入口11を閉じると同時に、弁体13の背面には背圧Fが加わり、ヘッダー管103側から雨水Wの逆流はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭51−166991(実開昭53−081434号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成の排水ポンプ設備において、自閉式逆止弁105は上記のように動作し、雨水Wのヘッダー管103側からの逆流は防止されるようになっている。しかしながら、道路路面に降って集められた雨水Wには多くのごみや土砂等の異物が混入している。以下、ごみや土砂等の異物を単に「ごみ」と記す。この雨水W中のごみが排水ポンプ101が停止中で弁体13が弁箱10の流入口11を閉じている状態のとき、即ち自閉式逆止弁105が閉じているとき、ヘッダー管103側から雨水W中のごみGが沈降し、図4に示すように弁体13の上に堆積する。このごみGが排水ポンプ101の始動時に、図5に示すように弁体13と弁箱10の内壁間に挟まり、弁体13が十分開かなくなったり、排水ポンプ101が停止した際、図6に示すように弁体13と弁箱10の弁座13aに挟まり、弁体13が半開きの状態となり、逆止弁としての機能を果たさない場合がある。
【0007】
また、上記構成の排水ポンプ設備においては、複数本の立ち上がり配管102が1本のヘッダー管103に接続され、各立ち上がり配管102からの雨水Wを1本のヘッダー管103に合流させて排水をおこなっている。該ヘッダー管103は、複数本の立ち上がり配管102が合流するため、一般的には立ち上がり配管102の管径よりも大きくなっている。そのため低流量で排水を行う場合、ヘッダー管103内の流速が遅くなる。流速が遅くなると排水ポンプ101から雨水Wに混じって運ばれてきたごみGが図7に示すようにヘッダー管103内に堆積し、この堆積したごみGが排水ポンプ101の停止時、立ち上がり配管102内に入り込むことがある。ごみGが立ち上がり配管102内に蓄積すると、排水ポンプ101の運転時に、閉塞をもたらしたり、振動・騒音を伴うなど、排水ポンプ101の運転に支障をきたすという問題がある。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題点を除去し、立ち上がり配管に設けた逆止弁がごみによりその開閉機能が不十分となったり、ヘッダー管内にごみが堆積することのない逆止弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため発明は、弁箱内に回動自在な弁体を設け、ポンプ運転による吐出水の流入により開き、ポンプ停止による吐出水の停止により閉じる構造で、該弁箱の下部に流入口と、該弁箱の上部に吐出口とを備え、排水設備の立ち上がり配管に設置された逆止弁であって、弁箱内に連通し且つ該弁体の回動範囲の外にごみ堆積スペースを設け、弁箱にごみ堆積スペースに連通する開口を設けると共に、該開口を閉じる蓋を取付け自在に設け、弁箱にごみ堆積スペースに連通するドレン管を設けると共に、該ドレン管に開閉弁を設け、弁体が閉じたとき、弁体が該ごみ堆積スペースに向かって下方に傾斜した傾斜面をつくり、該傾斜面の延長線下方に前記ごみ堆積スペースの内側側面を隣接させて配置し、吐出口を通り落下してきたごみが、該傾斜面を滑り落ち該ごみ堆積スペースに集まるようにし、ごみ堆積スペースに集ったごみ排出するときは、開閉弁を開きごみ堆積スペース内の液をドレン管を通して排液し、蓋を取外して開口を開放し、該開口によりごみ堆積スペース内のごみを排出できるように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記逆止弁において、弁体が弁体の下部を支点に回動し開いたとき、弁体がごみ堆積スペースに向かって下方に更に傾斜した傾斜面をつくり、弁体の上面に残ったごみが、ごみ堆積スペースに落下するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、弁箱内に連通し且つ該弁体の回動範囲の外にごみ堆積スペースを設け、弁箱にごみ堆積スペースに連通する開口を設けると共に、該開口を閉じる蓋を取付け自在に設け、弁体が閉じたとき、弁体が該ごみ堆積スペースに向かって下方に傾斜した傾斜面をつくり、該傾斜面の延長線下方にごみ堆積スペースの内側側面を隣接させて配置し、吐出口を通り落下してきたごみが、該傾斜面を滑り落ち該ごみ堆積スペースに集まるようにしたので、ヘッダー管側から沈降して弁箱内に入り込んだごみはごみ堆積スペースに集められ、弁体の面に堆積することがない。これにより逆止弁を常に逆止弁としての機能を十分に発揮できる状態に維持することができる。また、弁箱にごみ堆積スペースに連通する開口を設けると共に、該開口を閉じる蓋を取付け自在に設けたので、ごみ堆積スペースに集ったごみを排出するときは、開閉弁を開きごみ堆積スペース内の液をドレン管を通して排液し、蓋を取外して開口を開放し、該開口によりごみを排出することにより、ごみの排出が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】排水ポンプ設備の構成例を示す図である。
【図2】排水ポンプ設備の立ち上がり配管に設ける従来の自閉式逆止弁の構成例を示す図である。
【図3】図2に示す自閉式逆止弁の開状態を示す図である。
【図4】図2に示す自閉式逆止弁のごみの堆積状態を示す図である。
【図5】図2に示す自閉式逆止弁の動作状態を示す図である。
【図6】図2に示す自閉式逆止弁の動作状態を示す図である。
【図7】従来の排水ポンプ設備のヘッダー管と立ち上がり配管の接続部の構成例を示す図である。
【図8】本発明に係る自閉式逆止弁の構成例を示す図である(実施例1)。
【図9】図8に示す自閉式逆止弁のごみの堆積状態を示す図である。
【図10】本発明に係る自閉式逆止弁の構成例を示す図である(実施例2)。
【図11】本発明に係る自閉式逆止弁の構成例を示す図である(実施例3)。
【図12】図10に示す自閉式逆止弁のごみの堆積状態を示す図である。
【図13】本発明に係る排水設備のヘッダー管と立ち上がり配管の接続部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。なお、本発明に係る排水設備を図1に示すポンプ排水設備を例に説明するが、本発明に係る排水設備はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
図8は本発明に係る排水設備の立ち上がり配管に設ける逆止弁(図1の自閉式逆止弁105)の構成を示す図である。本発明に係る自閉式逆止弁105は図示するように弁箱20を具備し、該弁箱20内で、立ち上がり配管102の管中心軸から外れた位置に弁体21を回動自在に設けている。また、弁箱20内に弁座22を配置し、該弁座22の上部空間をごみが堆積するごみ堆積スペース26としている。弁体21の先端部が弁座22に当接している状態(自閉式逆止弁105が閉じている状態)では、弁体21の背面は下方に傾斜した傾斜面となり、弁座22の上面に接続している。
【0015】
また、弁箱20の流入口23には立ち上がり配管102が接続され、弁箱20の吐出口24にはメンテナンス用弁25を介在させて立ち上がり配管102が接続されている。なお、該メンテナンス用弁25は常時開いており、メンテナンス時に閉じて上部の配管を遮断する弁である。また、弁箱20にはごみ堆積スペース26に連通する開口27が設けられ、該開口27は取付け自在の蓋28で閉塞されている。また、弁箱20にはごみ堆積スペース26に連通するドレン管29が接続され、該ドレン配管29には開閉弁30が設けられている。
【0016】
上記構成の自閉式逆止弁105において、排水ポンプ101が停止し、弁体21が弁座22に当接した状態、即ち自閉式逆止弁105が閉じている状態で、ヘッダー管103側からごみが落下して、弁体21の背面(上面)に落下しても、該背面はごみ堆積スペース26に向かって傾斜しているから、ごみGは該弁体21の背面を滑り、図9の矢印Bに示すように、ごみ堆積スペース26に集まる。従って、排水ポンプ101が始動し、立ち上がり配管102を通って雨水Wが図9に示すように流入口23から弁箱20内に流入すると弁体21は矢印Aに示すように回動して自閉式逆止弁105は開き、雨水Wはヘッダー管103へと流れる。このとき弁体21の背面にはごみGが堆積していないし、ごみ堆積スペース26が弁体21の回動範囲外にあるから弁体21の開き動作はスムーズとなる。また、排水ポンプ101の運転が停止し、弁体21の閉じ動作もスムーズとなる。従って、自閉式逆止弁105をその機能が常に十分に発揮できる状態に維持できる。
【0017】
また、ごみ堆積スペース26に溜まったごみGを排出するときは、メンテナンス用弁25を閉じ、上部の配管を遮断した後、開閉弁30を開いて弁箱20内の雨水Wをドレン管29を通して排水した後、蓋28を取外し、開口27からごみGを排出する。これにより、弁箱20内に雨水が溜まっていない状態で、ごみGや土砂を排出することができ、排出作業が容易になる。ごみGを排出した後は、蓋28を取付け開口27を閉塞してからメンテナンス用弁25を開く。
【実施例2】
【0018】
図10は本発明に係る排水設備の立ち上がり配管に設ける逆止弁(図1の自閉式逆止弁105)の構成を示す図である。本発明に係る自閉式逆止弁105は図示するように弁箱20を具備し、該弁箱20内に弁体21を立ち上がり配管102の管中心軸部に回動自在に設けている。また、弁箱20内に連通し、且つ弁体21が開いたとき該弁体21の前面側になる位置にごみ堆積スペース26を設けている。また、弁体21の閉止時も即ち弁体21が弁座22に当接した状態で、弁体21の前面(上面)はごみ堆積スペース26に向かって下り勾配で傾斜し、該ごみ堆積スペース26に連通している。
【0019】
上記構成の自閉式逆止弁105において、弁体21に閉止時に沈降して該弁体21に当接したごみGや土砂等が該ごみ堆積スペース26に滑り落ちる。また、弁体21の前面(上面)に残ったごみGは、排水ポンプ101が始動し、立ち上がり配管102を通って雨水Wが流入口23から弁箱20内に流入すると弁体21は矢印Aに示すように回動し、ごみ堆積スペース26に落下するから弁体21の開き動作はスムーズとなる。また、排水ポンプ101の運転が停止し、弁体21の閉じ動作もスムーズとなる。従って、自閉式逆止弁105をその機能が常に十分に発揮できる状態に維持できる。また、弁体21を立ち上がり配管102の管中心軸部に設けているので、流路に曲りが生じることなく、流体損失が大きくなることを防止できる。
【実施例3】
【0020】
図11は本発明に係る排水設備の立ち上がり配管に設ける逆止弁(図1の自閉式逆止弁105)の構成を示す図である。本発明に係る自閉式逆止弁105は図示するように弁箱40を具備し、該弁箱40内に弁体41を回動自在に設けている。弁箱40に隣接し弁体41が開いたとき該弁体41の背面側(図12参照)になる位置にごみ堆積部44を設けている。該ごみ堆積部44は弁箱40内に連通しており、下端部の開口46は取外し自在な蓋45で閉塞されている。また、弁箱40の流入口42には立ち上がり配管102が接続され、弁箱40の吐出口43にはメンテナンス用弁25を介在させて立ち上がり配管102が接続されている。また、ごみ堆積部44にはその内部に連通するドレン管29が接続され、該ドレン配管29には開閉弁30が設けられている。
【0021】
上記構成の自閉式逆止弁105において、排水ポンプ101が停止し弁体21が弁座部40aに当接した状態、即ち自閉式逆止弁105が閉じている状態で、ヘッダー管103側からごみGが落下して、弁体41の背面(上面)に落下して堆積するが、排水ポンプ101が始動し、図11に示すように、立ち上がり配管102を通って雨水Wが流入口42から弁箱40内に流入すると弁体41は矢印Cに示すように回動する。この回動により弁体41の背面(上面)に堆積したごみGは矢印Dに示すように、ごみ堆積部44に落下する。このように、排水ポンプ101が停止し雨水Wの流入が停止する毎に自閉式逆止弁105が閉じ、弁体41の背面にごみGが堆積するが、排水ポンプ101が始動し、自閉式逆止弁105が開く毎、即ち弁体41が回動する毎に堆積したごみGはごみ堆積部44に落下し、弁体41の背面には残らない。従って、排水ポンプ101の始動・停止に際して弁体41の開閉動作(回動動作)もスムーズとなり、自閉式逆止弁105をその機能が常に十分に発揮できる状態に維持できる。
【0022】
また、ごみ堆積部44に溜まったごみGや土砂を排出するときは、メンテナンス用弁25を閉じ、上部の配管を遮断した後、開閉弁30を開いて弁箱40及びごみ堆積部44内の雨水をドレン管29を通して排水した後、蓋45を取外し、開口46を開放することにより内部のごみGを落下させて排出する。これにより、弁箱40内には雨水が溜まっていない状態で、ごみGが落下されるので、排出作業が容易になる。ごみGが排出された後は、蓋45を取付け開口46を閉塞してからメンテナンス用弁25を開く。
【実施例4】
【0023】
図13は本発明に係る排水設備の立ち上がり配管とヘッダー管部分の構成例を示す図である。図示するようにヘッダー管103には排水ポンプ101の吐出口に接続された立ち上がり配管102が複数本(図では2本設備されている)が接続されている。立ち上がり配管102のつなぎ口端部55はマウンド状にヘッダー管103内に突出している。これにより、ヘッダー管103内に雨水Wに混入して流入したごみGが立ち上がり配管102に近づいた場合、つなぎ口端部55が突出しているため、立ち上がり配管102内に落下しにくくなる。
【0024】
また、ヘッダー管103には各立ち上がり配管102に隣接して下向きに下端部にごみ排出用弁52が設けられた分岐管50が接続されている。また、ヘッダー管103の吐出側曲り部103aにも下向きに分岐管50が接続されている。各分岐管50にはヘッダー管103から所定量下方位置にメンテナンス用弁51が設けられている。このメンテナンス用弁51は常時開で、メンテナンス時閉じて上部の配管を遮断する弁である。また、各分岐管50のメンテナンス用弁51とごみ排出用弁52の間に分岐管50内に連通するドレン管53を接続し、該ドレン管に開閉弁54を設けている。
【0025】
上記構成の排水設備において、各立ち上がり配管102を通って雨水Wに混入して運ばれてきたごみGはヘッダー管103内の流速が遅い場合、吐出した方向へ運ばれる力よりも重力の方が勝るので、各立ち上がり配管102に隣接する分岐管50に入り込み沈降して蓄積する。その結果、ヘッダー管103内にはごみGや土砂が堆積しないか、僅かしか堆積しない。従って、従来のようにヘッダー管103内に堆積したごみが立ち上がり配管102内に蓄積し、排水ポンプ101の運転時に、閉塞をもたらしたり、振動・騒音を伴うなど、排水ポンプ101の運転に支障をきたすという問題がなくなる。
【0026】
各分岐管50内に蓄積したごみGを排出除去する場合、メンテナンス用弁51を閉じて上部配管を遮断し、開閉弁54を開いて、分岐管50内の雨水Wをドレン管53を通して排出した後、排出用弁52を開くことにより、分岐管50内に蓄積したごみGは下端開口から落下して排出される。
【0027】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、弁箱内に連通し且つ該弁体の回動範囲の外にごみ堆積スペースを設け、弁箱にごみ堆積スペースに連通する開口を設けると共に、該開口を閉じる蓋を設け、弁箱にごみ堆積スペースに連通するドレン管を設けると共に、該ドレン管に開閉弁を設け、弁体が閉じたとき、弁体が該ごみ堆積スペースに向かって下方に傾斜した傾斜面をつくり、該傾斜面の延長線下方に前記ごみ堆積スペースの内側側面を隣接させて配置し、吐出口を通り落下してきたごみが、該傾斜面を滑り落ち該ごみ堆積スペースに集まるようにしたので、逆止弁を常に逆止弁としての機能を十分に発揮できる状態に維持することができ、排水設備の立ち上がり配管に設ける好適な逆止弁として利用できる。また、弁箱のごみ堆積スペースに集ったごみの排出も容易となる。
【符号の説明】
【0029】
20 弁箱
21 弁体
22 弁座
23 流入口
24 吐出口
25 メンテナンス用弁
26 ごみ堆積スペース
27 開口
28 蓋
29 ドレン管
30 開閉弁
40 弁箱
41 弁体
42 流入口
43 吐出口
44 ごみ堆積部
45 蓋
46 開口
50 分岐管
51 メンテナンス用弁
52 ごみ排出用弁
53 ドレン管
54 開閉弁
55 つなぎ口端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱内に回動自在な弁体を設け、ポンプ運転による吐出水の流入により開き、ポンプ停止による吐出水の停止により閉じる構造で、該弁箱の下部に流入口と、該弁箱の上部に吐出口とを備え、排水設備の立ち上がり配管に設置された逆止弁であって、
前記弁箱内に連通し且つ該弁体の回動範囲の外にごみ堆積スペースを設け、
前記弁箱に前記ごみ堆積スペースに連通する開口を設けると共に、該開口を閉じる蓋を取付け自在に設け、
前記弁箱に前記ごみ堆積スペースに連通するドレン管を設けると共に、該ドレン管に開閉弁を設け、
前記弁体が閉じたとき、前記弁体が該ごみ堆積スペースに向かって下方に傾斜した傾斜面をつくり、該傾斜面の延長線下方に前記ごみ堆積スペースの内側側面を隣接させて配置し、前記吐出口を通り落下してきたごみが、該傾斜面を滑り落ち該ごみ堆積スペースに集まるようにし
前記ごみ堆積スペースに集ったごみを排出するときは、前記開閉弁を開き前記ごみ堆積スペース内の液を前記ドレン管を通して排液し、前記蓋を取外して前記開口を開放し、該開口により前記ごみ堆積スペース内のごみを排出できるように構成したことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
請求項1に記載の逆止弁において、
前記弁体が弁体の下部を支点に回動し開いたとき、前記弁体が前記ごみ堆積スペースに向かって下方に更に傾斜した傾斜面をつくり、前記弁体の上面に残ったごみが、前記ごみ堆積スペースに落下するようにしたことを特徴とする逆止弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−222235(P2009−222235A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161168(P2009−161168)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2003−394606(P2003−394606)の分割
【原出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】