説明

透明ゲル状化粧料

【課題】 外観の透明性及び使用感触に優れた透明ゲル状化粧料、特に洗浄料として用いた場合に洗浄性の改善された透明ゲル状化粧料を提供する。
【解決手段】 (A)非イオン性界面活性剤と、(B)油と、(C)水とを含む化粧料処方中に、(D)下記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体を配合して得られ、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を有することを特徴とする透明ゲル状化粧料。
Si−(OR (1)
(式中、Rは少なくとも1つが多価アルコール残基であり、その他はアルキル基であってもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明ゲル状化粧料、特に外観の透明性及び肌なじみ等の使用感触、及び洗浄料として用いた場合の洗浄性の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品や医薬品等においては、製品の剤型を保持するために種々の増粘剤やゲル化剤が用いられている。従来、水系基剤の増粘・ゲル化剤としては、例えば、寒天、ゼラチン等の天然水溶性高分子、ポリエチレングリコール、アクリル酸系ポリマー等の合成水溶性高分子等が、それぞれの目的や効果に応じて適宜選択して用いられている。しかしながら、これらの水溶性高分子を用いて基剤を固化した場合、肌なじみが悪い、あるいは塗布時の広がりが悪い等の使用性の問題があった。また、クレンジング等の洗浄料として使用した場合には、十分な洗浄力が得られていたとは言い難かった。
【0003】
一方で、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランは、アルコキシ基の加水分解によりシラノール基を生成し、さらにその脱水縮合によってシリカゲルを形成することが知られている。しかしながら、従来用いられているアルコキシシランのほとんどは水に不溶であるため、水中に添加してもそのままでは加水分解反応は進行せず、別途添加物を用いる必要があり、水性基剤のゲル化には適していない。なお、近年、多価アルコールを置換した水溶性のシラン誘導体の単純混合水溶液が、モノリス状の固体シリカゲルを生成することが見出されており、例えば、クロマトグフィー用シリカゲルの前駆体、あるいは酵素等の生体成分を固定化したバイオセンサー等への応用についての報告がなされている(例えば、特許文献1,及び非特許文献1〜4参照)。しかしながら、このような多価アルコールを置換したシラン誘導体において、水性ゲル化剤としての使用は未だ試みられていない。
【0004】
【特許文献1】PCT国際公開WO03/102001号公報
【非特許文献1】サトラー(Sattler)ら、ベリヒテ デア ブンゼンゲゼルシャフト:フィジカリシェ ヒェミー(Ber.Bunsenges.Phys.Chem)、1998年、第102巻、p.1544〜1547
【非特許文献2】メイヤー(Mayer)ら、ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー B(J.Phys.Chem.B)、2002年、第106巻、p.1528〜1533
【非特許文献3】シプノフ(Schipunov)、Jジャーナル オブ コロイド アンド インターフェース サイエンス(.Colloid and Interface Sci)、2003年、第268巻、68〜76頁
【非特許文献4】シプノフ(Schipunov)ら、ジャーナル オブ バイオケミカル アンド バイオフィジカル メソッド(J.Biochem. Biophys. Methods)、2004年、第58巻、25〜38頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みて行なわれたものであり、その目的は、外観の透明性及び使用感触に優れた透明ゲル状化粧料、特に洗浄料として用いた場合に洗浄性の改善された透明ゲル状化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来技術の課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得る化粧料処方中に、多価アルコールを置換した水溶性シラン誘導体を配合することによって、水中での加水分解・脱水縮合反応によって水相が固化され、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造を有した透明ゲル状の化粧料が得られることを見出した。また、これにより得られた透明ゲル状化粧料は、外観の透明性に優れており、また、特定の界面活性剤会合体構造を有し、使用時にゲルが容易に崩壊するため、肌なじみがよく、塗布時の広がりといった使用感触の点で優れていることを見出した。さらに、水溶性シラン誘導体の固化反応時に処方中でシリカゲル及び多価アルコールを生成するため、外観の透明性、使用感触に優れているばかりでなく、例えば、洗浄料として用いた場合には、洗浄性に優れた透明ゲル状洗浄料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、(A)非イオン性界面活性剤と、(B)油と、(C)水とを含む化粧料処方中に、(D)下記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体を配合して得られ、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を有することを特徴とする。
Si−(OR (1)
(式中、Rは少なくとも1つが多価アルコール残基であり、その他はアルキル基であってもよい。)
【0008】
また、前記透明ゲル状化粧料において、さらに(E)水酸基を有する水溶性化合物を化粧料処方中に含むことが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、ラメラ相構造又はバイコンティニュアス相構造を有することが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、ラメラ相構造を有することが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、(A)非イオン性界面活性剤の配合量が化粧料全量中20質量%以上であることが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、(D)水溶性シラン誘導体と(A)非イオン性界面活性剤との配合比(D)/(A)が0.5以下であることが好適である。
【0009】
また、前記透明ゲル状化粧料において、(A)非イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1種が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルであることが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、(B)油分のうちの少なくとも1種が、シリコーン油であることが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、洗浄料であることが好適である。また、前記透明ゲル状化粧料において、(E)水酸基を有する水溶性化合物のうちの少なくとも1種が、エタノール、グリセリン又は1,3−ブチレングリコールであることが好適である。
【0010】
また、本発明にかかる透明ゲル状化粧料の製造方法は、(A)非イオン性界面活性剤と、(B)油と、(C)水とを含み、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得る化粧料処方中に、(D)上記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体を配合することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、外観の透明性に優れており、また、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造を有し、使用時にゲルが容易に崩壊するため、肌なじみがよく、塗布時の広がりといった使用感触の点で優れている。また、例えば、洗浄料として用いた場合には、洗浄性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、(A)非イオン性界面活性剤と、(B)油と、(C)水とを含む化粧料処方中に、(D)下記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体を配合して得られ、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を有することを特徴とするものである。
Si−(OR (1)
(式中、Rは少なくとも1つが多価アルコール残基であり、その他はアルキル基であってもよい。)
【0013】
(A)非イオン性界面活性剤
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を形成し得るものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル等が挙げられる。これらのうち、特にポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを好適に用いることができる。なお、疎水性アルキル基としては、分岐鎖のアルキル基を有していることが好ましく、特にイソステアリル基を有していることが好ましい。より具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(5〜12モル)モノイソステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0014】
(A)非イオン性界面活性剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。(A)非イオン性界面活性剤の配合量は、化粧料全量の20質量%以上であることが好適であり、さらに40〜60質量%であることが好適である。20質量%未満であると、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造を形成しにくい場合があり、また、肌なじみ等の使用感触に劣る場合がある。
【0015】
(B)油
本発明に用いられる(B)油分は、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン油を好適に用いることができる。シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン等の直鎖状または環状のポリシロキサンが挙げられる。また、上記シリコーン油の他に、一般的な化粧料において用いられる油分を用いてもよく、例えば、合成、天然のエステル油、又は特定の紫外線吸収剤等の極性油、あるいは流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の液状、半固体状(グリース状)、又は固体炭化水素類等の非極性油を配合することも可能である。
【0016】
(B)油分は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。(B)油分の配合量は、化粧料の使用目的によっても異なるが、化粧料全量中1〜60質量%であることが好適である。1質量%未満では、肌なじみ等の使用感触が十分でない場合があり、60質量%を超えて配合すると、べたつきを生じる場合がある。
【0017】
(C)水
本発明に用いられる(C)水分の配合量は、化粧料の使用目的に応じて適宜設定することができるが、特に10〜60質量%であることが好適である。また、(A)非イオン性界面活性剤と(C)水との配合比率(非イオン性界面活性剤/水)が0.5〜4であることが望ましい。0.5未満では肌なじみ等の使用感触に劣る場合があり、4を超えるとべたつきを生じる場合がある。
【0018】
本発明にかかる透明ゲル状化粧料においては、上記(A)〜(C)成分を含む化粧料処方が、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得るものである。なお、上記(A)〜(C)成分を含む組成物は、それぞれを適切な量比となるように調整、あるいは別途適切な成分(例えば、水酸基を有する水溶性化合物)を添加すること等により、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造をとり得ることが知られている(例えば、特開2000−256124号公報参照)。一例として、図1に、(A)非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル(エマレックスGWISS−108:日本エマルジョン社製)、(B)油分として、デカメチルシクロペンタシロキサン(エキセコールD−5:信越化学社製)、2−エチルヘキサン酸セチル(ニッコールCIO:日光ケミカルズ社製)、(C)水及びエタノール(試薬特級:和光純薬社製)を用いた組成物の、各成分の配合量を各種変化させた場合の三相図を示す。図1に示すように、中央付近に三角形のラメラ液晶構造ゲルを形成する領域が存在する。また、その外周囲には透明又は半透明ゲルを形成する領域が存在しており、ここでは水と油の両方を連続相とした界面活性剤会合体(バイコンティニュアス相)構造が形成されていると考えられる。
【0019】
本発明にかかる透明ゲル状化粧料においては、上記(A)〜(C)成分を含み、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得る化粧料処方中に、(D)上記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体を配合する。そして、これにより、水中での加水分解・脱水縮合反応によるシリカが生成し、当該化粧料処方の連続相である水相をゲル化して、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造を有する透明ゲル状の化粧料とするものである。このような界面活性剤会合体構造としては、例えば、ラメラ相構造、バイコンティニュアス相構造等が挙げられる。特にラメラ相構造の場合には、洗浄料として用いた場合に優れた洗浄性が得られるため、好適である。なお、これらの界面活性剤会合体構造は、偏光顕微鏡観察、小角X線回折分析、あるいは凍結レプリカによる電子顕微鏡観察等の公知の方法によって特定することでできる。
【0020】
(D)水溶性シラン誘導体
本発明に用いられる(D)水溶性シラン誘導体は、上記一般式(1)に示されるものである。上記一般式(1)に示される水溶性シラン誘導体において、Rは少なくとも1つが多価アルコール残基であり、その他はアルキル基であってもよい。多価アルコール残基は、多価アルコールにおける1つの水酸基が除かれた形として示される。なお、(D)水溶性シラン誘導体は、通常、テトラアルコキシシランと多価アルコールとの置換反応により調製することができ、Rの多価アルコール残基は、使用する多価アルコールの種類によって異なるが、例えば、多価アルコールとしてエチレングリコールを用いた場合、Rは−CH−CH−OHとなる。なお、Rの少なくとも1つが、置換多価アルコール残基であればよく、その他は未置換のアルキル基であってもよい。
【0021】
上記一般式(1)におけるRの多価アルコール残基としては、例えば、エチレングリコール残基、ジエチレングリコール残基、トリエチレングリコール残基、テトラエチレングリコール残基、ポリエチレングリコール残基、プロピレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基、ポリプロピレングリコール残基、ブチレングリコール残基、ヘキシレングリコール残基、グリセリン残基、ジグリセリン残基、ポリグリセリン残基、ネオペンチルグリコール残基、トリメチロールプロパン残基、ペンタエリスリトール残基、マルチトール残基等が挙げられる。これらのうち、Rがエチレングリコール残基、プロピレングリコール残基、ブチレングリコール残基、グリセリン残基のいずれかであることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられる(D)水溶性シラン誘導体としては、より具体的には、Si−(O−CH−CH−OH)、Si−(O−CH−CH−CH−OH)、Si−(O−CH−CH−CHOH−CH、Si−(O−CH−CHOH−CH−OH)等が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる(D)水溶性シラン誘導体は、例えば、テトラアルコキシシランと多価アルコールとを、固体触媒の共存下で反応させることにより調製することができる。
【0024】
テトラアルコキシシランは、ケイ素原子に4つのアルコキシ基が結合したものであればよく、特に限定されるものではない。水溶性シリケートモノマーの製造に用いるテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さ、及び反応副生成物の安全性の点から、テトラエトキシシランを用いるのが最も好ましい。
【0025】
なお、テトラアルコキシシランの代替化合物として、モノ、ジ、トリハロゲン化アルコキシシラン、例えばモノクロロトリエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、モノブロモトリエトキシシラン等、あるいはテトラハロゲン化シラン、例えばテトラクロロシラン等を用いる事も考えられるが、これらの化合物は、多価アルコールとの反応において、塩化水素、臭化水素などの強酸を生成するため、反応装置の腐食が生じたり、さらには反応後の分離除去が困難であるため、実用的であるとは言い難い。
【0026】
多価アルコールは、分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。水溶性シリケートモノマーの製造に用いる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、マルチトール等が挙げられる。これらのうち、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンのいずれかを用いるのが好ましい。
【0027】
固体触媒は、用いられる原料成分、反応溶媒、及び反応生成物に対して不溶な固体状の触媒であり、ケイ素原子上の置換基交換反応に対して活性を有する酸点及び/又は塩基点を有する固体であればよい。本発明に用いられる固体触媒としては、例えば、イオン交換樹脂、及び各種無機固体酸/塩基触媒が挙げられる。
【0028】
固体触媒として用いられるイオン交換樹脂としては、例えば、酸性陽イオン交換樹脂及び塩基性陰イオン交換樹脂が挙げられる。これらのイオン交換樹脂の基体をなす樹脂としてはスチレン系、アクリル系、メタクリル系樹脂等が挙げられ、また、触媒活性を示す官能基としてはスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、4級アンモニウム、3級アミン、1,2級ポリアミン等が挙げられる。また、イオン交換樹脂の基体構造としては、ゲル型、ポーラス型、バイポーラス型等から、目的に応じて選択することができる。
【0029】
酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト IRC76、FPC3500、IRC748、IRB120B Na、IR124 Na、200CT Na(以上、ロームアンドハース社製)、ダイヤイオン SK1B、PK208(以上、三菱化学社製)、Dow EX モノスフィア650C、マラソンC、HCR−S、マラソンMSC(以上、ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。また、塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト IRA400J CL、IRA402BL CL、IRA410J CL、IRA411 CL、IRA458RF CL、IRA900J CL、IRA910CT CL、IRA67、IRA96SB(以上、ロームアンドハース社製)、ダイヤイオン SA10A、SAF11AL、SAF12A、PAF308L(以上、三菱化学社製)、Dow EX モノスフィア550A、マラソンA、マラソンA2、マラソンMSA(以上、ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
【0030】
固体触媒として用いられる無機固体酸/塩基触媒としては、特に限定されるものではない。無機固体酸触媒としては、Al、SiO、ZrO、TiO、ZnO、MgO、Cr等の単元系金属酸化物、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−ZrO、TiO−ZrO、ZnO−Al、Cr−AlO3、SiO−MgO、ZnO−SiO等の複合系金属酸化物、NiSO、FeSO等の金属硫酸塩、FePO等の金属リン酸塩、HSO/SiO等の固定化硫酸、HPO/SiO等の固定化リン酸、HBO/SiO等の固定化ホウ酸、活性白土、ゼオライト、カオリン、モンモリロナイト等の天然鉱物又は層状化合物、AlPO−ゼオライト等の合成ゼオライト、HPW1240・5HO、HPW1240等のヘテロポリ酸等が挙げられる。また、無機固体塩基触媒としては、NaO、KO、RbO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、La、ZrO、ThO等の単元系金属酸化物、NaCO、KCO、KHCO、KNaCO、CaCO、SrCO、BaCO、(NHCO、NaWO・2HO、KCN等の金属塩、Na−Al、K−SiO等のアルカリ金属担持金属酸化物、Na−モルデナイト等のアルカリ金属担持ゼオライト、SiO−MgO、SiO−CaO、SiO−SrO、SiO−ZnO、SiO−Al、SiO−ThO、SiO−TiO、SiO−ZrO、SiO−MoO、SiO−WO、Al−MgO、Al−ThO、Al−TiO、Al−ZrO、ZrO−ZnO、ZrO−TiO、TiO−MgO、ZrO−SnO等の複合系金属酸化物等が挙げられる。
【0031】
固体触媒は、反応終了後にろ過あるいはデカンテーション等の処理を行なうことによって、容易に生成物と分離することができる。
【0032】
なお、(D)水溶性シラン誘導体の製造においては、反応時に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて各種溶媒を用いても構わない。反応に用いる溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、セロソルブ、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエステル、エーテル、ケトン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒、さらにはクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。ここで、原料として用いるテトラアルコキシシランの加水分解縮合反応を抑制するため、溶媒は予め脱水しておくことが好ましい。また、これらのうちで、反応時に副生成するエタノール等のアルコールと共沸混合物を形成して系外へと除去することで反応を促進することのできるアセトニトリル、トルエン等を用いることが好ましい。
【0033】
(D)水溶性シラン誘導体は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。(D)水溶性シラン誘導体の配合量は、特に限定されるものではないが、化粧料全量中5〜60質量%であることが好適である。水溶性シラン誘導体の含有量が5質量%未満ではゲル状にならない場合があり、60質量%を超えると硬くなりすぎてしまい、使用感触に劣る場合がある。また、特に(D)水溶性シラン誘導体と(A)非イオン性界面活性剤との配合比(D)/(A)が0.5以下であることが好適である。
【0034】
なお、(D)水溶性シラン誘導体は、水中での加水分解・脱水縮合反応により、シリカゲルと多価アルコールとを生成する。このため、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得る化粧料処方中に、(D)水溶性シラン誘導体を配合することによって、水相が固化され、特定の界面活性剤会合体構造を有する透明ゲル状の化粧料が得られる。
【0035】
以上のようにして得られる本発明の透明ゲル状化粧料は、外観の透明性に優れ、また、水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造を有し、使用時にゲルが容易に崩壊するため、従来、水系基剤の増粘・ゲル化剤として用いられてきた天然又は合成の水溶性高分子等を用いた場合と比較しても、肌なじみがよく、塗布時の広がりといった使用感触の点で優れている。さらに、水溶性シラン誘導体の固化反応時に処方中でシリカゲル及び多価アルコールを生成するため、使用感触に優れているばかりでなく、例えば、洗浄料として用いた場合には、洗浄性に優れた透明ゲル状洗浄料が得られる。
【0036】
また、本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を有するものである。水連続相又は両連続相の界面活性剤会合体構造としては、例えば、ラメラ相構造、バイコンティニュアス相構造等が挙げられる。特にラメラ相構造の場合には、洗浄料として用いた場合に優れた洗浄性が得られるため、好適である。なお、これらの界面活性剤会合体構造は、偏光顕微鏡観察、小角X線回折分析、あるいは凍結レプリカによる電子顕微鏡観察等の公知の方法によって特定することでできる。
【0037】
(E)水酸基を有する水溶性化合物
また、本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、さらに(E)水酸基を有する水溶性化合物を化粧料処方中に含有していることが好適である。(E)水酸基を有する水溶性化合物を含有していることで、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を安定に形成しやすくなる。
本発明に用いられる(E)水酸基を有する水溶性化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、水溶性の1価アルコール又は多価アルコールが挙げられる。水溶性1価アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられ、また、水溶性多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのうち、特にエタノール、グリセリン又は1,3−ブチレングリコールを好適に用いることができる。
【0038】
(E)水酸基を有する水溶性化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。(E)水酸基を有する水溶性化合物の配合量は、目的とする化粧料の粘度等によっても異なるが、化粧料全量中1〜30質量%が好適である。1質量%未満であると、肌なじみ等の使用感触に劣る場合があり、30質量%を超えると、べたつきやひりつき等の望ましくない使用感が生じる場合がある。
【0039】
また、本発明にかかる透明ゲル状化粧料においては、必須成分である上記(A)〜(D)成分の他に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を配合することができる。配合し得る他の成分としては、通常、化粧品、医薬品等の基剤成分あるいは添加剤成分として用いられている(A)非イオン性界面活性剤以外の各種界面活性剤、保湿剤、(D)水溶性シラン誘導体以外のゲル化剤、水溶性高分子、糖類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、薬剤、植物抽出物、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、清涼剤、香料、エモリエント剤、色素等が挙げられる。また、化粧品等に機能性を賦与する目的で用いられる美白剤、抗しわ剤、抗老化剤、抗炎症剤、発毛剤、育毛促進剤、タンパク質分解酵素などの薬剤、および外用薬の薬効成分としてのステロイド剤、非ステロイド剤を含む抗炎症剤、免疫抑制剤、鎮痛消炎剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、抗潰瘍・褥瘡剤、創傷被覆剤、循環改善剤、止痒剤、局所麻酔剤、酔い止め剤、ニコチン剤、女性ホルモン剤等を配合してもよい。
【0040】
なお、本発明にかかる透明ゲル状化粧料において、「透明」とは、当該ゲル状化粧料をある方向から観察した場合にその後方側を認識することのできる程度に光を透過していることをいう。本発明にかかる透明ゲル状化粧料は、完全に無色である必要はなく、染料、顔料などの色剤を除いた状態で透明であればよい。より具体的には、光路長10mmのセルに充填し、分光光度計で波長550nmの光の透過率を測定した場合に、透過率が少なくとも5%以上のものである。
【0041】
本発明にかかる透明ゲル状化粧料の使用用途は、通常、人体に対して使用する化粧料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、洗顔スクラブ、保湿スクラブ、酵素配合スクラブ、ファンデーション下地、美容液、乳液、クリーム、メークアップなどの化粧料、及びパップ剤、経皮吸収薬剤含有製剤等の他、種々の製品に応用することが可能である。
【実施例1】
【0042】
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず最初に、本発明に用いられる水溶性シラン誘導体の製造方法について説明する。
【0043】
合成例1:グリセリン置換シラン誘導体
テトラエトキシシラン60.1g(0.28モル)と、グリセリン106.33g(1.16モル)とを混合し、無溶媒下、固体触媒として強酸性イオン交換樹脂(DowEX 50W−X8:ダウ・ケミカル社製)1.1gを添加した後、85℃で混合攪拌した。約3時間の後、混合物は一層透明溶液となった。さらに5時間30分反応を続けた後、得られた溶液を終夜静置した。減圧下、固体触媒をろ過分離した後、少量のエタノールで洗浄した。さらにこの溶液からエタノールを留去して、透明の粘性液体112gを得た。生成物は、同量の水と室温中で混合することにより、やや発熱し、均一で透明なゲルを形成した(収率:97%)
【0044】
本発明者らは、上記合成例に準じてグリセリン置換水溶性シラン誘導体を調製し、当該水溶性シラン誘導体を配合した透明ゲル状化粧料(洗顔料)の調製を試み、外観、使用感触、洗浄性のそれぞれについて評価を行なった。また、比較例として、微粒子シリカゲルを同量配合した化粧料を調製し、同様の評価を行なった。試験に用いた各種化粧料の組成と、評価結果とを併せて表1に示す。なお、評価基準は以下のとおりである。また、実施例1の透明ゲル状化粧料についての小角X線回折の測定結果を図2に、実施例1,2の透明ゲル状化粧料についての凍結レプリカによる電子顕微鏡写真図を図3,4に、それぞれ示す。
【0045】
外観
各種実施例及び比較例の透明ゲル状化粧料について、目視により、外観の評価を行なった。
使用感触
各種実施例及び比較例の透明ゲル状化粧料を使用した際の使用感触(肌なじみ、塗布時の広がり感、べたつき感)について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、使用感触がよいと認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、使用感触がよいと認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、使用感触がよいと認めた。
×…パネラー3名未満が、使用感触がよいと認めた。
【0046】
洗浄性
各種実施例及び比較例の透明ゲル状化粧料を使用した際の洗浄性について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、洗浄性に優れていると認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、洗浄性に優れていると認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、洗浄性に優れていると認めた。
×…パネラー3名未満が、洗浄性に優れていると認めた。
【0047】
【表1】

【0048】
図2,3に示すように、実施例1の透明ゲル状化粧料は、小角X線回折分析においてラメラ相構造に特有の鋭いピークとブロードなピークとを示し、また、凍結レプリカによる電子顕微鏡写真図においても層状の構造を示していることから、ラメラ相構造を有していることが確認された。また、図4に示すように、実施例2の透明ゲル状化粧料では、凍結レプリカによる電子顕微鏡写真図より、バイコンティニュアス相特有の構造を示していることが明らかとなった。
【0049】
また、上記表1に示すように、実施例1,2の透明ゲル状化粧料は、外観が透明であり、且つ優れた使用感触及び洗浄性を示すものであることが明らかとなった。また、ラメラ相構造を有する実施例1の透明ゲル状化粧料においては、特に洗浄性の点で優れていることが認められた。これに対して、微粒子シリカゲル及び多価アルコールを実施例1,2の水溶性シラン誘導体と同量配合した比較例1,2の化粧料は、微粒子シリカが沈殿して分離してしまい、透明ゲル状の化粧料として得ることができず、使用感触、洗浄性ともに非常に劣るものであった。また、実施例1,2の組成中、水溶性シラン誘導体の全量をグリセリンと置換した比較例3,4の化粧料は、それぞれ、ラメラ相構造、バイコンティニュアス相構造を有する透明ゲル状の組成物として得られたものの、特に洗浄性の点で、実施例1,2の透明ゲル状化粧料と比較して劣っていた。
【0050】
以下、本発明にかかる透明ゲル状化粧料の他の実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例3 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 60.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
水 15.5
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 4.5
以上により得られた実施例3の透明ゲル状化粧料は、ラメラ相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【0051】
実施例4 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 50.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
水 24.0
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 6.0
以上により得られた実施例4の透明ゲル状化粧料は、ラメラ相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【0052】
実施例5 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 45.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
水 19.75
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 5.25
以上により得られた実施例5の透明ゲル状化粧料は、ラメラ相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【0053】
実施例6 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 70.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
水 7.0
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 3.0
以上により得られた実施例6の透明ゲル状化粧料は、バイコンティニュアス相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【0054】
実施例7 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 30.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
水 32.5
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 7.5
以上により得られた実施例7の透明ゲル状化粧料は、バイコンティニュアス相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【0055】
実施例8 (質量%)
POE(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル 30.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
2−エチルヘキサン酸セチル 25.0
水 7.0
グリセリン置換水溶性シラン誘導体 10.0
エタノール 3.0
以上により得られた実施例8の透明ゲル状化粧料は、バイコンティニュアス相構造であり、外観が透明で、且つ使用感触、洗浄性ともに優れているものであった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(A)ポリオキシエチレン(8モル)モノイソステアリン酸グリセリル、(B)デカメチルシクロペンタシロキサン、2−エチルヘキサン酸セチル、(C)水、及びエタノールを用いた組成物の、各成分の配合量を各種変化させた場合の三相図である。
【図2】実施例1の透明ゲル状化粧料についての小角X線回折分析の測定結果である。
【図3】実施例1の透明ゲル状化粧料についての凍結レプリカによる電子顕微鏡写真図である。
【図4】実施例2の透明ゲル状化粧料についての凍結レプリカによる電子顕微鏡写真図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非イオン性界面活性剤と、
(B)油と、
(C)水と
を含む化粧料処方中に、
(D)下記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体
を配合して得られ、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造を有することを特徴とする透明ゲル状化粧料。
Si−(OR (1)
(式中、Rは少なくとも1つが多価アルコール残基であり、その他はアルキル基であってもよい。)
【請求項2】
請求項1に記載の透明ゲル状化粧料において、さらに(E)水酸基を有する水溶性化合物を化粧料処方中に含むことを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の透明ゲル状化粧料において、ラメラ相構造又はバイコンティニュアス相構造を有することを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項4】
請求項3に記載の透明ゲル状化粧料において、ラメラ相構造を有することを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、(A)非イオン性界面活性剤の配合量が化粧料全量中20質量%以上であることを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、(D)水溶性シラン誘導体と(A)非イオン性界面活性剤との配合比(D)/(A)が0.5以下であることを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、(A)非イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1種が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、(B)油分のうちの少なくとも1種が、シリコーン油であることを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、(E)水酸基を有する水溶性化合物のうちの少なくとも1種が、エタノール、グリセリン又は1,3−ブチレングリコールであることを特徴とする透明ゲル状化粧料。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の透明ゲル状化粧料において、洗浄料であることを特徴とする透明ゲル状洗浄料。
【請求項11】
(A)非イオン性界面活性剤と、
(B)油と、
(C)水と
を含み、水連続相又は水と油の両方が連続相である界面活性剤会合体構造をとり得る化粧料処方中に、
(D)上記一般式(1)で示される水溶性シラン誘導体
を配合することを特徴とする透明ゲル状化粧料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−63310(P2008−63310A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245798(P2006−245798)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】