説明

透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造及びその作製方法

【課題】半導体や、光学ヘッド、液晶ディスプレイ、陰極線管、建築用ガラス、タッチセンサ、スクリーンフィルタ、プラスチックスクリーン板塗布層等に好適に用いることができる透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を提供する。
【解決手段】基板Sと、前記基板Sの表面に形成される塗布層モジュールMとを含み、前記塗布層モジュールMは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層1,3,5,7,9と、複数の金属塗布層2,4,6,8とを交互に積層して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布層構造及びその作製方法に関し、特に、透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の反射防止光学塗布層の多層構造は、いずれも、光学塗布層の表層の物質が低屈折率を有するという通則を利用しており、例えば、SiO2は屈折率が1.46、また、MgF2は屈折率が1.38である。
しかしながら、該反射防止塗布層を、ディスプレイ工業、例えば、静電気防止効果のあるパソコンスクリーン、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイに用いられる低反射ガラスに適用する場合、大量生産の工程では、前記光学塗布層構造の導電層が、絶縁層(例えば、SiO2またはMgF2)で焼結するという課題を有していた。
【0003】
反射防止塗布層の基本的な設計ルールは、基板表面に形成される第1層が高屈折率(Hと表記する)の物質からなり、その上に、低屈折率(Lと表記する)の物質からなる第2層を形成するというものである。
したがって、従来の反射防止塗布層の多層構造の設計ルールは、HLHLまたはHLHLHLであり、例えば、高屈折率(H)の物質をITO、低屈折率(L)の物質をSiO2とすると、前記4層構造の場合は、ガラス/ITO/SiO2/ITO/SiO2となる。
前記ITOは、透明な導電物質であるため、該多層構造の塗布層は100Ω/m2未満であり、該導電塗布層が接地される際に、電磁干渉(EMI)遮蔽または静電気放電に用いることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の光学多層構造は、表面物質がSiO2であり、かつ、その厚さが1000Åであり、該SiO2は、高密度で不活性で、電気絶縁性に優れていることから、反射防止塗布層をディスプレイ工業に適用する過程において、外層のSiO2層を、隔てられている焼結ITO層に電気的に接続することは困難である。
【0005】
このため、金属を前記ITO層に接続する接地工程においては、超音波溶接プロセスにより、該SiO2層を破って、ハンダボールと前記ITO層との良好な接触を確保する必要がある。
【0006】
しかしながら、このプロセスは、反射防止塗布層の大量生産には適しているとは言えない。
しかも、前記超音波溶接プロセスでは、液体錫及び超音波の出力エネルギーにより、微細の汚染物が生じ、また、該超音波溶接プロセスでは、前記該絶縁層を均一な深さで破り、均一な接触抵抗を得られるとは限らないため、バスライン毎に非持久性の接触抵抗を発生する場合がある。
【0007】
このような問題点は、従来の電磁干渉防止及び反射防止塗布層を用いるプロセスでの歩留まり及び信頼性を低下させる。
【0008】
本発明は上記技術的課題を解決するためになされたものであり、半導体や、光学ヘッド、液晶ディスプレイ、陰極線管、建築用ガラス、タッチセンサ、スクリーンフィルタ、プラスチックスクリーン板塗布層等に好適に用いることができる透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、基板と、前記基板の表面に形成される塗布層モジュールとを含み、前記塗布層モジュールは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層と、複数の金属塗布層とが交互に積層して構成されていることを特徴とする透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を提供する。
【0010】
前記塗布層モジュールは、前記基板の表面に形成された第1塗布層と、前記第1塗布層上に形成された第2塗布層と、前記第2塗布層上に形成された第3塗布層と、前記第3塗布層上に形成された第4塗布層と、前記第4塗布層上に形成された第5塗布層と、前記第5塗布層上に形成された第6塗布層と、前記第6塗布層上に形成された第7塗布層と、前記第7塗布層上に形成された第8塗布層と、前記第8塗布層上に形成された第9塗布層とを含み、前記第1塗布層、前記第3塗布層、前記第5塗布層、前記第7塗布層及び前記第9塗布層は、いずれも、炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記第2塗布層、前記第4塗布層、前記第6塗布層及び前記第8塗布層は、いずれも、金属塗布層であることが好ましい。
【0011】
また、前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素、前記チタン含有酸化物は二酸化チタン、かつ、前記金属塗布層は銀であることが好ましい。
【0012】
さらに、前記炭化ケイ素化合物と前記チタン含有酸化物の割合は40%:60%であり、これらの混合物塗布層の屈折率は、前記金属塗布層の屈折率よりも高いことが好ましい。
【0013】
さらにまた、前記第1塗布層、前記第3塗布層、前記第5塗布層、前記第7塗布層及び前記第9塗布層は、いずれも、屈折率が2.5であり、前記第2塗布層、前記第4塗布層、前記第6塗布層及び前記第8塗布層は、いずれも、屈折率が0.1〜0.5であることが好ましい。
【0014】
また、前記第1塗布層は厚さ30nm、前記第2塗布層は厚さ15nm、前記第3塗布層は厚さ66nm、前記第4塗布層は厚さ15nm、前記第5塗布層は厚さ60nm、前記第6塗布層は厚さ15nm、前記第7塗布層は厚さ70nm、前記第8塗布層は厚さ15nm、前記第9塗布層は厚さ40nmであることが好ましい。
【0015】
さらに、前記塗布層モジュールの上面の周縁に塗布された接地するための導電層を備えていることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、基板を用意する工程と、前記基板の表面に塗布層モジュールを形成する工程とを含み、前記塗布層モジュールは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層と、複数の金属塗布層とが交互に積層されて構成されることを特徴とする透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の作製方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造は、半導体や、光学ヘッド、液晶ディスプレイ、陰極線管、建築用ガラス、タッチセンサ、スクリーンフィルタ、プラスチックスクリーン板塗布層等に好適に適用することができる。
前記低抵抗光減衰反射防止塗布層構造は、特に、その塗布層構造の表層が、良好な導電特性を有するため、接地プロセスにおける稼動負荷が軽減され、大量生産の歩留まり及び信頼性を向上することができ、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイのガラス基板またはプラスチック基板に好適に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、上記目的を達成するための本発明の技術、手段及び効果を、より詳細に説明するが、本発明は、添付図面及び実施例によって、制限されるものではない。
【0019】
図1は、本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を示す構成図である。図1から分かるように、本発明に係る低抵抗光減衰反射防止塗布層構造は、基板S及び塗布層モジュールMを含むものである。
図1において、基板Sはプラスチックフィルムまたはガラスである。また、塗布層モジュールMは、プラズマディスプレイまたは液晶ディスプレイの基本塗布層である。
【0020】
前記塗布層モジュールMは、前記基板Sの表面に形成された第1塗布層1と、該第1塗布層1上に形成された第2塗布層2と、該第2塗布層2上に形成された第3塗布層3と、該第3塗布層3上に形成された第4塗布層4と、該第4塗布層4上に形成された第5塗布層5と、該第5塗布層5上に形成された第6塗布層6と、該第6塗布層6上に形成された第7塗布層7と、該第7塗布層7上に形成された第8塗布層8と、該第8塗布層8上に形成された第9塗布層9とを含む。
【0021】
前記第1塗布層1、前記第3塗布層3、前記第5塗布層5、前記第7塗布層7及び前記第9塗布層9は、いずれも、炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である。また、前記第2塗布層2、前記第4塗布層4、前記第6塗布層6及び前記第8塗布層8は、いずれも、金属塗布層である。
これらの炭化ケイ素化合物は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%である。また、これらの金属塗布層は銀(Ag)である。前記混合物塗布層の屈折率は、前記金属塗布層よりも高い。
【0022】
上記のように、塗布層モジュールMは、基板Sの表面に形成され、前記塗布層モジュールMは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層と、複数の金属塗布層とが交互に積層されて構成される。
【0023】
また、好ましくは、前記第1塗布層、前記第3塗布層、前記第5塗布層、前記第7塗布層及び前記第9塗布層の屈折率は、いずれも、2.5であり、前記第2塗布層、前記第4塗布層、前記第6塗布層及び前記第8塗布層の屈折率は、いずれも、0.1〜0.5である。
【0024】
このように、本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の一実施態様としては、第1塗布層、第2塗布層、第3塗布層、第4塗布層、第5塗布層、第6塗布層、第7塗布層、第8塗布層及び第9塗布層の9層を有し、基板に順次配列するように、物理厚さまたは光学厚さで1層毎に形成する。
光学厚さは、膜厚と屈折率との乗積で、設計波長の分数であり、本発明においては、前記設計波長は520nmとする。
【0025】
第1塗布層(基材表面層)は、透過可能な炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記炭化ケイ素化合物は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、かつ、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は2.5程度であり、その物理厚さは30nmとなる。
【0026】
第2塗布層は、金属塗布層であり、前記金属塗布層は銀(Ag)で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は0.1〜0.5であり、その物理厚さは15nmとなる。
【0027】
第3塗布層は、透過可能な炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、かつ、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%で、わずかな可視光のみを吸収でき、設計波長を520nmとすると、その屈折率は2.5程度であり、その物理厚さは66nmとなる。
【0028】
第4塗布層は、金属塗布層であり、前記金属塗布層は銀(Ag)で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は0.1〜0.5であり、その物理厚さは15nmとなる。
【0029】
第5塗布層は、透過可能な炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、かつ、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は2.5程度であり、その物理厚さは60nmとなる。
【0030】
第6塗布層は、金属塗布層であり、前記金属塗布層は銀(Ag)で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は0.1〜0.5であり、その物理厚さは15nmとなる。
【0031】
第7塗布層は、透過可能な炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、かつ、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は2.5程度で、その物理厚さは70nmとなる。
【0032】
第8塗布層は、金属塗布層であり、前記金属塗布層は銀(Ag)で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は0.1〜0.5であり、その物理厚さは15nmとなる。
【0033】
第9塗布層は、透過可能な炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素(SiC)、チタン含有酸化物は二酸化チタン(TiO2)であり、かつ、該炭化ケイ素化合物とチタン含有酸化物の割合は40%:60%で、わずかな可視光のみを吸収できるように、設計波長を520nmとすると、その屈折率は2.5程度であり、その物理厚さは40nmとなる。
【0034】
前記第1塗布層1、前記第3塗布層3、前記第5塗布層5、前記第7塗布層7及び前記第9塗布層9の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層は、いずれも、直流または交流マグネトロンスパッタリング法により形成される。前記第2塗布層2、前記第4塗布層4、前記第6塗布層6及び前記第8塗布層8の金属塗布層も、いずれも、直流または交流マグネトロンスパッタリング法により形成される。また、前記第1塗布層1〜前記第9塗布層9は、インライン方式またはロール・ツー・ロール方式による真空蒸着またはスパッタリングで形成される。
【0035】
図2は、本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を示す上面図である。図2から分かるように、本発明に係る低抵抗光減衰反射防止塗布層構造は、さらに、前記塗布層モジュールMの上面の周縁に塗布された接地するための導電層Cを備えている。
【0036】
このように、該接地するための導電層Cは、前記塗布層モジュールMの第9塗布層の上面の周縁に塗布される。
具体的には、前記塗布層モジュールMの作製後、該塗布層モジュールMの上面に、シャッターBを前記塗布層モジュールMより小さいサイズとして設置し、前記塗布層モジュールMの上面の周縁を露出させ、該塗布層モジュールMの上面の周縁に、導電層Cを塗布し、接地させて良好な電気接触状態を得る。その後、前記シャッターBを除去する。ここで、導電層Cには銀ペーストを用いることができる。
【0037】
図3は、本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の作製方法のフローチャートである。図3に示すフローチャートから分かるように、本発明に係る低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の作製方法は、以下の工程を含む。
S200:基板Sを用意する工程と、S202:基板Sの表面に炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である第1塗布層1を形成する工程と、S204:第1塗布層1上に金属塗布層である第2塗布層2を形成する工程と、S206:第2塗布層2上に炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である第3塗布層3を形成する工程と、S208:第3塗布層3上に金属塗布層である第4塗布層4を形成する工程と、S210:第4塗布層4上に炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である第5塗布層5を形成する工程と、S212:第5塗布層5上に金属塗布層である第6塗布層6を形成する工程と、S214:第6塗布層6上に炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である第7塗布層7を形成する工程と、S216:第7塗布層7上に金属塗布層である第8塗布層8を形成する工程と、S218:第8塗布層8上に炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層である第9塗布層9を形成する工程とを含む。
【0038】
上記のような低抵抗光減衰反射防止塗布層は、半導体や、光学ヘッド、液晶ディスプレイ、陰極線管、建築用ガラス、タッチセンサ、スクリーンフィルタ、プラスチックスクリーン板塗布層等の工業用途に適用することができる。
【0039】
また、該低抵抗光減衰反射防止塗布層の表層の物質は、透過可能な表面導電層であり、該透過可能な表面導電層の光反射率は0.5%未満であり、前記低抵抗光減衰反射防止塗布層の抵抗は、0.5〜0.7Ω/m2であり、その透過率は55〜70%である。
【0040】
さらに、本発明に係る塗布層構造は、高導電性であり、プラズマディスプレイに適用される際に、電磁干渉遮蔽、光学的視野角低反射、高表面硬度耐スクラッチ性、適度な光減衰効果等の利点を有している。
例えば、本発明の塗布層構造の表面抵抗は、0.5〜0.7Ω/m2であり、かつ、十分な硬度を有しており、軍事標準MIL−C−48497の耐スクラッチテストを満たすものである。
【0041】
また、前記塗布層構造の表層は、良好な導電特性を有しているため、該透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造は、接地プロセスにおける稼動負荷が軽減され、大量生産の歩留まり及び信頼性を向上することができ、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイのガラス基板またはプラスチック基板に好適に適用することができる。
【0042】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明に係る特許請求の範囲や明細書の記載に基づいて、当業者が適宜なし得る変更や修飾等を加えた実施も、本発明の特許請求の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を示す構成図である。
【図2】本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造を示す上面図である。
【図3】本発明に係る透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の作製方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
S 基板
M 塗布層モジュール
1 第1塗布層
2 第2塗布層
3 第3塗布層
4 第4塗布層
5 第5塗布層
6 第6塗布層
7 第7塗布層
8 第8塗布層
9 第9塗布層
B シャッター
C 導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の表面に形成される塗布層モジュールとを含み、前記塗布層モジュールは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層と、複数の金属塗布層とが交互に積層して構成されていることを特徴とする透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項2】
前記塗布層モジュールは、前記基板の表面に形成された第1塗布層と、前記第1塗布層上に形成された第2塗布層と、前記第2塗布層上に形成された第3塗布層と、前記第3塗布層上に形成された第4塗布層と、前記第4塗布層上に形成された第5塗布層と、前記第5塗布層上に形成された第6塗布層と、前記第6塗布層上に形成された第7塗布層と、前記第7塗布層上に形成された第8塗布層と、前記第8塗布層上に形成された第9塗布層とを含み、
前記第1塗布層、前記第3塗布層、前記第5塗布層、前記第7塗布層及び前記第9塗布層は、いずれも、炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層であり、
前記第2塗布層、前記第4塗布層、前記第6塗布層及び前記第8塗布層は、いずれも、金属塗布層であることを特徴とする請求項1記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項3】
前記炭化ケイ素化合物塗布層は炭化ケイ素、前記チタン含有酸化物は二酸化チタン、かつ、前記金属塗布層は銀であることを特徴とする請求項2記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項4】
前記炭化ケイ素化合物と前記チタン含有酸化物の割合は40%:60%であり、これらの混合物塗布層の屈折率は、前記金属塗布層の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項2記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項5】
前記第1塗布層、前記第3塗布層、前記第5塗布層、前記第7塗布層及び前記第9塗布層は、いずれも、屈折率が2.5であり、前記第2塗布層、前記第4塗布層、前記第6塗布層及び前記第8塗布層は、いずれも、屈折率が0.1〜0.5であることを特徴とする請求項2記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項6】
前記第1塗布層は厚さ30nm、前記第2塗布層は厚さ15nm、前記第3塗布層は厚さ66nm、前記第4塗布層は厚さ15nm、前記第5塗布層は厚さ60nm、前記第6塗布層は厚さ15nm、前記第7塗布層は厚さ70nm、前記第8塗布層は厚さ15nm、前記第9塗布層は厚さ40nmであることを特徴とする請求項2記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項7】
さらに、前記塗布層モジュールの上面の周縁に塗布された接地するための導電層を備えていることを特徴とする請求項1記載の透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造。
【請求項8】
基板を用意する工程と、前記基板の表面に塗布層モジュールを形成する工程とを含み、前記塗布層モジュールは、複数の炭化ケイ素化合物及びチタン含有酸化物の混合物塗布層と、複数の金属塗布層とが交互に積層されて構成されることを特徴とする透過可能な表面導電層を有する低抵抗光減衰反射防止塗布層構造の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−45752(P2009−45752A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211204(P2007−211204)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(507132086)智盛全球股▲ふん▼有限公司 (7)
【Fターム(参考)】