説明

透過型液晶表示装置

【課題】Wサブピクセルの面積を小さくすることでRGBサブピクセルの面積を大きくすると共に、小さくなったWサブピクセルの光量を白色輝度比の大きなパネルを用いることで補える透過型液晶表示装置を実現する。
【解決手段】液晶パネルとバックライトとを備えた透過型液晶表示装置において、液晶パネルは、1画素が、RGBWの4サブピクセルに分割されている第1RGBW液晶パネル15とする。また、バックライトは、発光輝度を制御可能な白色バックライト17とする。第1RGBW液晶パネル15は、RGBの各サブピクセルの面積が同じで、かつ、RGBの各サブピクセルの面積に対する1画素当りのWサブピクセルの面積比をWサブピクセル面積比としたとき、このWサブピクセル面積比が1未満であるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブバックライトと1画素が4サブピクセルで構成される液晶パネルから構成される透過型液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーディスプレイには様々な種類があり、それぞれ実用化がなされている。薄型ディスプレイを大別すると、PDP(プラズマディスプレイパネル)のような自発光型ディスプレイと、LCD(液晶ディスプレイ)に代表される非発光型ディスプレイとに分類される。非発光型ディスプレイであるLCDでは、液晶パネルの背面側にバックライトを配置する透過型LCDが知られている。
【0003】
図18は、透過型LCDの一般的な構造を示す断面図である。この透過型LCDは、液晶パネル100の背面にバックライト110を配置している。液晶パネル100は、一対の透明基板101,102の間に液晶層103を配置し、一対の透明基板101,102の外側には偏光板104,105を備えた構成となっている。また、液晶パネル100内にカラーフィルタ106を備えることでカラー表示が可能となる。
【0004】
図示は省略するが、透明基板101,102の内側には、電極層および配向膜が形成されており、液晶層103への印加電圧を制御することによって、液晶パネル100を透過する光の透過量が画素ごとに制御される。すなわち、透過型LCDは、バックライト110からの照射光を液晶パネル100で透過量制御を行うことによって表示制御を行う。
【0005】
バックライト110は、カラーディスプレイに必要なRGB三色の波長を含む光を照射するものであり、カラーフィルタ106との組み合わせによって、RGBの各色の光の透過率をそれぞれ調整することで、画素としての輝度や色相を任意に設定することが可能である。このようなバックライト110は、エレクトロ・ルミネッセンス(EL)、冷陰極管(CCFL)、発光ダイオード(LED)などの白色光源が一般的に使用されている。
【0006】
液晶パネル100においては、図19に示すように、複数の画素がマトリクス状に配置され、各画素は通常3つのサブピクセルから構成される。それぞれのサブピクセルは、カラーフィルタ106における赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のフィルタ層が対応するように配置される。以下、それぞれのサブピクセルをRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルと呼ぶことにする。
【0007】
R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト110から発生された白色光の中で、該当波長帯(すなわち、赤色、緑色、青色)の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。
【0008】
上記構成の透過型LCDにおいてバックライト110から照射される光は、液晶パネル100の各画素において透過量制御されるため、当然ながら液晶パネル100によって吸収される光が生じる。また、カラーフィルタ106においても、R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト110から発生された白色光の中で、該当波長帯以外の光を吸収する。このように、一般的な透過型LCDでは、液晶パネルやカラーフィルタによる光の吸収量が多くバックライトからの照射光の利用効率が低いため、バックライトにおける消費電力が大きくなるといった課題がある。
【0009】
このような透過型LCDの消費電力を削減する技術として、表示画像に応じて発光輝度を調整可能なアクティブバックライトを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0010】
すなわち、特許文献1には、輝度調整可能なアクティブバックライトを用い、LCDの表示制御(輝度制御)を、液晶パネルの透過率とアクティブバックライトの輝度制御とによって行い、バックライトの消費電力の低減を図る技術が開示されている。
【0011】
特許文献1においては、バックライトの輝度は入力画像(入力信号)における最大輝度値に一致するように制御される。そして、液晶パネルの透過率は、その時のバックライトの輝度に合わせて透過率を調整される。
【0012】
この時、入力信号の最大値となるサブピクセルの透過率は100%となり、また、その他のサブピクセルの透過率もバックライト値によって計算された100%以下の値となる。よって、画像全体が暗い時にはバックライトを暗くし、バックライトの消費電力を少なくすることができる。
【0013】
このように、特許文献1では、入力画像の入力信号RGBを基にバックライトの明るさを必要最小限に抑え、かつバックライトを暗くした分、液晶の透過率を上げているため、液晶パネルによって吸収される光量を減らし、バックライトの消費電力を削減することができる。
【0014】
一方、特許文献2には、バックライトの光をより透過しやすい(遮断される光量の少ない)透明(W)のサブピクセルを追加したRGBWパネルとし、このRGBWサブピクセルをアクティブバックライトと組み合わせることで、消費電力を更に低減した液晶表示装置が開示されている。
【0015】
特許文献1では、バックライト値は、全てのRGB信号値の中の最大値に設定されるため、輝度値の高い画素がある場合、バックライト値も大きな値となり、消費電力の低減効果は小さい。
【0016】
一方、特許文献2では、輝度値の高い画素がある場合でも、RGBサブピクセルに比べ、遮断される光量の少ないWサブピクセルを用いることで、Wサブピクセルに白成分の光量を分担させることができる。このため、各RGBサブピクセルにおけるRGB信号値を下げることができ、特許文献1に比べ、バックライト値を小さい値に抑えることができる。
【0017】
特許文献2における表示原理、および消費電力削減効果についてさらに詳細に説明すると以下の通りである。尚、以下の説明では、入力RGB信号を(R[i],G[i],B[i])として表し、入力RGB信号から求められる透過率信号を(r[i],g[i],b[i])、バックライト値をWbとして表す。
【0018】
特許文献2におけるバックライト値およびサブピクセルの透過率の決定方法では、最初に、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。このとき、画素の表示データ内容に応じて、バックライト値の求め方は2つの方法に分かれる。具体的には、注目画素内のサブピクセルにおける最大輝度(すなわちmax(R[i],G[i],B[i]))と最小輝度(すなわちmin(R[i],G[i],B[i]))との関係によって、その注目画素に対するバックライト値の求め方が異なる。
【0019】
先ずは、min(R[i],G[i],B[i])≧max(R[i],G[i],B[i])/2となる画素において、バックライト値の求め方を図20(a),(b)を参照して説明する。ここで、図20(a)は特許文献2におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図20(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
【0020】
図20(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,40)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(R[i],G[i],B[i])であり、Bの輝度値40がmin(R[i],G[i],B[i])であり、min(R[i],G[i],B[i])≧max(R[i],G[i],B[i])/2の関係が満たされている。
【0021】
特許文献1における表示方法では、図20(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(R[i],G[i],B[i])=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),67%(=40/60)に設定される。
【0022】
一方、特許文献2の表示方法においては、入力信号R[i],G[i],B[i]のR,G,B各成分において、max(R[i],G[i],B[i])/2に相当する値分をW成分の輝度値(すなわちW透過量)に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,40)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(20,30,10,30)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値はmax(R[i],G[i],B[i])/2=30に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、67%(=20/30),100%(=30/30),33%(=10/30),100%(=30/30)に設定される。但し、図20(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。
【0023】
また、特許文献2における上述のバックライト値を特許文献1の方法で求められるバックライト値と比較するには、サブピクセルの面積比をも考慮する必要がある。すなわち、特許文献1では1画素が3つのサブピクセルに分割されているのに対し、特許文献2では1画素が4つのサブピクセルに分割されている。このため、本液晶表示装置では、1つのサブピクセルの面積が、特許文献1に比べ3/4の面積しかなく、このようなサブピクセルにおける面積の低下を補うため、特許文献2では、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
【0024】
この結果、図20(a)の例におけるバックライト値を図20(b)のバックライト値と同一基準に補正すれば、(4/3)×60/2=40となる。同様の表示を行う図20(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において消費電力の削減効果があることが分かる。
【0025】
次に、min(R[i],G[i],B[i])<max(R[i],G[i],B[i])/2となる画素におけるバックライト値の求め方を図21(a),(b)を参照して説明する。ここで、図21(a)は特許文献2におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図21(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
【0026】
図21(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,20)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(R[i],G[i],B[i])であり、Bの輝度値20がmin(R[i],G[i],B[i])であり、min(R[i],G[i],B[i])<max(R[i],G[i],B[i])/2の関係が満たされている。
【0027】
特許文献1における表示方法では、図21(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(R[i],G[i],B[i])=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),33%(=20/60)に設定される。
【0028】
一方、特許文献2においては、入力信号R[i],G[i],B[i]のR,G,B各成分において、min(R[i],G[i],B[i])に相当する値分をW成分の輝度値に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,20)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(30,40,0,20)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値は、(max(R[i],G[i],B[i])−min(R[i],G[i],B[i]))=40に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、75%(=30/40),100%(=40/40),0%(=0/40),50%(=20/40)に設定される。
【0029】
但し、図21(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。また、図21(a)の例においても、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
【0030】
この結果、図21(a)の例において、バックライト値は(4/3)×(60−20)=53.3となる。同様の表示を行う図21(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において、消費電力の削減効果があることが分かる。
【0031】
上記図20(a),(b)および図21(a),(b)は、各画素についての必要最小限のバックライト値の求め方を説明したものであるが、上記の方法に則って、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。こうして求まった複数のバックライト値のうち、最大の値をそのバックライトにおける輝度値として設定する。
【0032】
上記説明の方法によって実施される、特許文献2におけるバックライト値およびサブピクセル透過率の決定手順を図22(a)〜(e)を参照して説明する。
【0033】
図22(a)は、ある一つのバックライトに対応する表示領域の入力信号(R[i],G[i],B[i])を示すものである。ここでは、説明を簡単にするために、上記表示領域が4つの画素A〜Dから構成されているとする。
【0034】
これらの画素A〜Dについて、入力信号(R[i],G[i],B[i])をRGBW信号で表される出力信号(Rt[i],Gt[i],Bt[i],Wt[i])に変換した結果は、図22(b)に示すものとなる。この出力信号は、RGBW各サブピクセルにおける透過量を示すものである。この透過量を求める際には、先ずW透過量Wt[i]が、
Wt[i]=min(maxRGB/2,minRGB)
ただし、
maxRGB=max(R[i],G[i],B[i])
minRGB=min(R[i],G[i],B[i])
の式によって求められる。
【0035】
W透過量Wt[i]が求められると、求まったW透過量Wt[i]を入力信号(R[i],G[i],B[i])から差し引くように、
Rt[i]=R[i]−Wt[i]
Gt[i]=G[i]−Wt[i]
Bt[i]=B[i]−Wt[i]
の式によってRGB透過量(Rt[i],Gt[i],Bt[i])が求められる。
【0036】
また、各画素毎に求まるバックライト値は、図22(c)に示すものとなる。これにより、バックライト値Wbは、画素毎に求まった複数のバックライト値のうちの最大の値、すなわち100に設定される。
【0037】
こうして求まったバックライト値Wbを用いて、各画素の透過率(r[i],g[i],b[i],w[i])が、
r[i]=Rt[i]/Wb
g[i]=Gt[i]/Wb
b[i]=Bt[i]/Wb
w[i]=Wt[i]/Wb
として求められる、その結果は図22(d)に示すものとなる。そして、最終的な各画素における表示輝度は、図22(e)に示す結果となり、図22(a)に示す入力信号(R[i],G[i],B[i])の輝度値と一致していることが確認できる。
【特許文献1】特開平11−65531号公報(平成11年(1999)3月9日公開)
【特許文献2】特開2008−139809号公報(平成20年(2008)6月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
しかしながら特許文献2では、Wサブピクセルが追加されたことで、従来のRGBパネルに比べ、RGBサブピクセルの面積が小さくなる(RGBWパネルにおけるRGBサブピクセルの面積は、RGBパネルにおけるRGBサブピクセルの面積に比べ3/4倍の大きさとなる)。このため、RGBパネルと同じ画像を出力するためには、逆にRGBパネルよりも多くのバックライト光量を必要とする場合がある。あるいは、同じバックライト光量にすると、RGBパネルよりも暗くなる場合がある。
【0039】
更に、RGBの3つの信号値の最大値と最小値の差が大きい画素(それなりの輝度を持ち、かつ彩度の高い画素)を含む画像では、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができないため、バックライト値を大幅に下げることができない。
【0040】
また、RGBの3つの信号値の最小値が大きい画素(彩度は高くないが、輝度が高い画素)を含む画像では、白成分の絶対量が多いため、同様にバックライト値を大幅に下げることができない。
【0041】
以下に、1画素で構成される画像が入力された場合の例を示す(ただし、入力RGB信号のγ補正処理、及び白色輝度比の考慮は省略する)。
【0042】
例えば、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])が、(255,15,30)(輝度=77、彩度=0.94)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
【0043】
Wt[1]=min(maxRGB[1]/2,minRGB[1])
=min(255/2,15)=15
Rt[1]=R[1]−Wt[1]=255−15=240
Gt[1]=G[1]−Wt[1]=15−15=0
Bt[1]=B[1]−Wt[1]=30−15=15
Wb=max(Rt[1],Gt[1],Bt[1],Wt[1])
=max(240,0,15,15)=240
更に、RGBサブピクセルの面積が小さく(3/4倍に)なったことによる、バックライト光量の不足分を補った場合のバックライト値Wb’は、
Wb’=Wb/(3/4)=240/(3/4)=320
この例では、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができないため、バックライト値を下げることができないどころか、RGBサブピクセルの面積が小さくなったことで、RGBパネルに比べ、逆にバックライト値が上昇している(RGBパネルのバックライト値は、max(R[1],G[1],B[1])=max(255,15,30)=255)。
【0044】
一方、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])が、(255,240,225)(輝度=242、彩度=0.12)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
【0045】
Wt[1]=min(maxRGB[1]/2,minRGB[1])=min(255/2,225)=128
Rt[1]=R[1]−Wt[1]=255−128=127
Gt[1]=G[1]−Wt[1]=240−128=112
Bt[1]=B[1]−Wt[1]=225−128=97
Wb=max(Rt[1],Gt[1],Bt[1],Wt[1])=max(127,112,97,128)=128
更に、RGBサブピクセルの面積が小さく(3/4倍に)なったことによる、バックライト光量の不足分を補った場合のバックライト値Wb’は、
Wb’=Wb/(3/4)=128/(3/4)=171
この例では、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができるため、バックライト値を171まで下げることができるが、白成分の絶対量も多いため、171よりも低くすることができない。
【0046】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、Wサブピクセルの面積を小さくすることでRGBサブピクセルの面積を大きくすると共に、小さくなったWサブピクセルの光量を白色輝度比の大きなパネルを用いることで補える透過型液晶表示装置を実現することにある。
【0047】
更に、WサブピクセルとRGBサブピクセルとの面積比を考慮したアクティブバックライト制御を行うと共に、上記のような画素に対し、入力RGB信号の彩度、あるいは輝度、あるいはその両方を下げることで、従来技術よりも更にバックライト値を下げる、あるいは画質を維持することが可能な透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0048】
本発明に係る透過型液晶表示装置は、上記課題を解決するために、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色バックライトとを備え、上記液晶パネルは、RGBの各サブピクセルの面積が同じで、かつ、RGBの各サブピクセルの面積に対する1画素当りのWサブピクセルの面積比をWサブピクセル面積比としたとき、このWサブピクセル面積比が1未満であることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
【0050】
また、液晶パネルにおけるWサブピクセル面積比を1未満とすることで、RGBサブピクセルの面積が小さくなることによる最大バックライト光量の増加を抑制できる。また、小さくなったWサブピクセルの光量は白色輝度比の大きなパネルを用いることで補うことが可能である。
【0051】
また、上記透過型液晶表示装置では、上記液晶パネルは、1組のRGBサブピクセルが1画素により占有され、かつ1つのWサブピクセルが複数画素により共有されている構成とすることができる。
【0052】
また、上記透過型液晶表示装置は、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])(i=1,2,...,Np)より、入力画像内の0個以上の画素の彩度、あるいは輝度、あるいは彩度と輝度との両方を低減させた彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])を算出する彩度・輝度低減部と、上記彩度・輝度低減後RGB信号より、γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])を算出するγ補正部と、上記γ補正後RGB信号より、白色バックライト信号及び各サブピクセルのRGBW透過率信号を生成する出力信号生成部とを備えた構成とすることができる。
【0053】
上記の構成によれば、入力RGB信号の彩度、あるいは輝度、あるいはその両方を下げることで、従来技術よりも更にバックライト値を下げる、あるいは画質を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0054】
本発明の透過型液晶表示装置は、以上のように、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色バックライトとを備え、上記液晶パネルは、RGBの各サブピクセルの面積が同じで、かつ、RGBの各サブピクセルの面積に対する1画素当りのWサブピクセルの面積比をWサブピクセル面積比としたとき、このWサブピクセル面積比が1未満である構成である。
【0055】
それゆえ、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
【0056】
また、液晶パネルにおけるWサブピクセル面積比を1未満とすることで、RGBサブピクセルの面積が小さくなることによる最大バックライト光量の増加を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。
【0058】
先ずは、本実施の形態に係る液晶表示装置(以下、本液晶表示装置と称する)の概略構成を図1を参照して説明する。
【0059】
本液晶表示装置は、γ補正部12、第1出力信号生成部13、第1液晶パネル制御部14、第1RGBW液晶パネル(以下、単に第1液晶パネルと称する)15、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。
【0060】
第1液晶パネル15は、Np個の画素をマトリクス上に配置してなり、図2(a),(b)に示すように、各画素はR(赤),G(緑),B(青),W(白)の4サブピクセルで構成されている。尚、各画素におけるR,G,B,Wサブピクセルの形状および配置関係は図2(a),(b)の例に限定されない。また、白色バックライトは、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)や白色発光ダイオード(白色LED)などの白色光源を用いたものであり、照射光の明るさを制御できるアクティブバックライトである。
【0061】
第1液晶パネル15におけるR,G,Bの各サブピクセルは、カラーフィルタ(図示せず)におけるR,G,Bのフィルタ層がそれぞれ対応するように配置される。したがって、R,G,Bの各サブピクセルは、白色バックライトから発生された白色光の中で、該当波長帯の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。また、Wサブピクセルは、基本的にはカラーフィルタにおいて対応する吸収フィルタ層を有しない。すなわち、Wサブピクセルを透過する光は、カラーフィルタによる一切の吸収を受けることなく、白色光のままRGBW液晶パネル15から出射される。但し、Wサブピクセルは、R,G,Bのカラーフィルタよりもバックライトの光の吸収が少ないフィルタ層を持つ構成でもよい。
【0062】
本液晶表示装置は、パソコンやテレビチューナーなどの外部から、表示すべき画像情報をRGB信号として受け取り、該RGB信号を入力RGB信号R[i],G[i],B[i](i=1,2,…,Np)として処理を行うものである。
【0063】
γ補正部12は、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])にγ補正処理を施してγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])を算出し、このγ補正後RGB信号を後段の第1出力信号生成部13へ出力する。
【0064】
第1出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号から、白色バックライト17におけるバックライト値と、第1液晶パネル15の各画素におけるRGBWのサブピクセル透過率を算出し、出力する。すなわち、第1出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号からバックライト値を求めると共に、γ補正後RGB信号を上記バックライトに適合する透過率信号に変換する。
【0065】
第1出力信号生成部13で求められたバックライト値は、バックライト制御部16に出力され、バックライト制御部16は、このバックライト値に応じて白色バックライト17の輝度を調節する。白色バックライト17はCCFLや白色LEDなどの白色光源を利用したものであり、バックライト制御部16によって、バックライト値に比例した明るさに制御することができる。白色バックライト17の明るさの制御方法は、用いられる光源の種類によって異なるが、例えば、バックライト値に比例した電圧をかけたり、バックライト値に比例した電流を流したりして明るさを制御することができる。また、バックライトがLEDなどの場合は、パルス幅変調(PWM)でデューティー比を変えて明るさを制御することも可能である。さらに、バックライト光源の明るさが非線形特性を持つ場合、バックライト値からルックアップテーブルで光源への印加電圧や印加電流等を求めてバックライトへの明るさ制御を行うことにより所望の明るさに制御する方法などもある。
【0066】
第1出力信号生成部13で求められた透過率信号は、第1液晶パネル制御部14に出力され、第1液晶パネル制御部14は、この透過率信号に基づいて第1液晶パネル15の各サブピクセルの透過率が所望の透過率になるように制御する。第1液晶パネル制御部14は、走査線駆動回路、信号線駆動回路等を含む構成であり、走査信号およびデータ信号を生成して、この走査信号およびデータ信号等のパネル制御信号によって第1液晶パネル15を駆動する。上記透過率信号は、信号線駆動回路でのデータ信号の生成に用いられる。第1液晶パネル15の透過率制御には、サブピクセルの透過率に比例した電圧をかけ液晶パネルの透過率を制御する方法や、非線形特性を線形化するために、サブピクセルの透過率から液晶パネルにかける電圧をルックアップテーブルから表引きし、液晶パネルを所望の透過率に制御する方法などがある。
【0067】
尚、本発明の液晶表示装置において、入力信号は上述のようなRGB信号に限られるものではなく、YUV信号などのカラー信号でもよい。RGB信号以外のカラー信号が入力される場合、それをRGB信号に変換してから第1出力信号生成部13に入力する構成であっても良く、あるいは、第1出力信号生成部13がRGB信号以外のカラー入力信号をRGBW信号へ変換可能な構成であっても良い。
【0068】
これより、本液晶表示装置における信号処理内容の一実施形態について詳細に説明する。先ずは、第1出力信号生成部13におけるサブピクセル透過率およびバックライト値の算出処理を説明する。
【0069】
図3は、第1出力信号生成部13の要部構成を説明する図である。第1出力信号生成部13は、W透過量算出部21、RGB透過量算出部22、透過率算出用バックライト値算出部23、透過率算出部24、出力用バックライト値算出部25を備えて構成されている。また、図4は、第1出力信号生成部13の動作を説明するフローチャートである。
【0070】
W透過量算出部21は、γ補正後RGB信号、及びWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比から、下記(1)式を用いて注目画素におけるW透過量Wtg[i]を算出する(S21)。尚、白色輝度比とは、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値である。
【0071】
Wtx[i]=min(maxRGBx/(1+1/WR’),minRGBx)
…(1)
ただし、
WR’:Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比
maxRGBx=max(Rx[i],Gx[i],Bx[i])
minRGBx=min(Rx[i],Gx[i],Bx[i])
また、本実施の形態では、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、(Rx[i],Gx[i],Bx[i])=(Rg[i],Gg[i],Bg[i])、Wtx[i]=Wtg[i]である。
【0072】
尚、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’は、(RGBWの各サブピクセル面積を同じにした時の)白色輝度比WR、及びWサブピクセル面積比arWから、下記(2)式によって求めることができる。
【0073】
WR’=WR×arW …(2)
次に、RGB透過量算出部22は、γ補正後RGB信号、及びW透過量算出部21から出力されたW透過量から、下記(3)乃至(5)式を用いて注目画素におけるRGB透過量(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])を算出する(S22)。
【0074】
Rtx[i]=Rx[i]−Wtx[i] …(3)
Gtx[i]=Gx[i]−Wtx[i] …(4)
Btx[i]=Bx[i]−Wtx[i] …(5)
ここでも、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])=(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])である。
【0075】
S21〜S22の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、全ての画素に対してRGBW透過量(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i],Wtg[i])が算出される。
【0076】
透過率算出用バックライト値算出部23は、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比、及び全画素のRGBW透過量から、下記(6)式を用いて透過率算出用バックライト値Wbgを算出する(S23)。
【0077】
Wbx
=max(Rtx[1],Gtx[1],Btx[1],Wtx[1]/WR’,
...
Rtx[Np],Gtx[Np],Btx[Np],
Wtx[Np]/WR’) …(6)
ここでも、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、Wbx=Wbgである。
【0078】
透過率算出部24は、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比、W透過量算出部21およびRGB透過量算出部22から出力されたRGBW透過量、及び透過率算出用バックライト値算出部23から出力された透過率算出用バックライト値から、(7)乃至(11)式を用いて、注目画素における各サブピクセルの透過率(rg[i],gg[i],bg[i],wg[i])を算出する(S24)。S24の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、全ての画素に対してRGBW透過率が算出される。
【0079】
rx[i]=Rtx[i]/Wbx …(7)
gx[i]=Gtx[i]/Wbx …(8)
bx[i]=Btx[i]/Wbx …(9)
wx[i]=(Wtx[i]/Wbx)/WR’ …(10)
ただし、
Wbx=0のとき、
rx[i]=gx[i]=bx[i]=wx[i]=0 …(11)
ここでも、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、(rx[i],gx[i],bx[i],wx[i])=(rg[i],gg[i],bg[i],wg[i])である。
【0080】
出力用バックライト値算出部25は、RGBサブピクセル面積比、及び透過率算出用バックライト値算出部23から出力された透過率算出用バックライト値から、下記(12)式を用いて、Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値Wbx’を算出する(S25)。
【0081】
Wbx’=Wbx/arRGB …(12)
ここでも、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、Wbx’=Wbg’である。
【0082】
尚、arRGBは、RGBWパネルにおける1画素の面積に対する、RGBサブピクセルの面積比(以下、RGBサブピクセル面積比)であり、Wサブピクセル面積比arWから、下記(13)式で求めることができる。
【0083】
arRGB=3/(3+arW) …(13)
尚、バックライト値Wbxの算出に使用される(6)式は、次式のように簡略化することも可能である。
【0084】
Wbx=max(Rtx[1],Gtx[1],Btx[1],
...
Rtx[Np],Gtx[Np],Btx[Np])
これは、W透過量(Wtx[i]/WR’)は、常にRGB透過量(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])の最大値以下になるからである。以下に、その証明を行う。
【0085】
max(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])−Wtx[i]/WR’
=maxRGBsg−Wtx[i]−Wtx[i]/WR’
=maxRGBsg−(1+1/WR’)×Wtx[i]
=maxRGBsg−(1+1/WR’)×min(maxRGBsg/
(1+1/WR’),minRGBsg)
=maxRGBsg−min(maxRGBsg,(1+1/WR’)×
minRGBsg)
ここで、min(maxRGBsg,(1+1/WR’)×minRGBsg)≦maxRGBsgより、
0≦max(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])−Wtx[i]/WR’
よって、
Wtx[i]/WR’≦max(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])
となる。
【0086】
ここで、各ステップにおける算出式のうち、Wサブピクセル面積比に関連した式((2)式、(12)式、(13)式)の導出方法(Wサブピクセル面積比の考慮の仕方)について説明する。
【0087】
まず、(2)式に関しては、R(またはGまたはB)サブピクセルに対するWサブピクセルの面積が変化するということは、実質的に白色輝度比が変化することと等価であるため、白色輝度比WRに対してWサブピクセル面積比arWを反映させる。
【0088】
例えば、arWが小さくなれば、実質的なWRも小さくなり、arWが大きくなれば、実質的なWRも大きくなる。
【0089】
すなわち、実質的なWRであるWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’は、arWと比例関係にあり、arW=1のとき(RGBWの各サブピクセル面積を同じにしたとき)、WR’=WRなので、一般式として(2)式が導かれる。
【0090】
次に、(12)式に関しては、RGBサブピクセル面積比arRGBを考慮しないバックライト値(透過率算出用バックライト値)を算出後、そのバックライト値に対してarRGB(<1)で割ることで、RGBパネルに比べ、RGBWパネルのRGBサブピクセルの面積が小さくなったことによるバックライト光量の不足分を補う。
【0091】
最後に、(13)式に関しては、Rサブピクセルの面積を1としたとき、G,Bサブピクセルの面積も同じく1、Wサブピクセルの面積はarWとなる。
【0092】
すなわち、RGBWパネルの1画素の面積(分母)は1+1+1+arW=3+arWとなり、1画素内のRGBサブピクセルの面積(分子)は、1+1+1=3となるため、(13)式が導かれる。
【0093】
本実施の形態1における算出方法を、例えば、1画素で構成される画像が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(255,30,60)(高彩度画素)である場合に適用すると以下の通りである(第1のバックライト値算出例)。
【0094】
尚、ここでは、MAX=255,γ=2,arW=1.00,WR=1.00とする。
【0095】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは、以下のように算出される。
【0096】
WR’=WR×arW=1.00×1.00=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+1)=3/4=0.75
更に、バックライト値は以下のように算出される(透過率の算出は省略)。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(30/255)×255=4
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(60/255)×255=14
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.00),4)
=min(128,4)=4
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−4=251
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=4−4=0
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=14−4=10
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],
Wtg[1]/WR’)
=max(251,0,10,4/1.00)
=max(251,0,10,4)=251
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=251/0.75=335
よって、このときのバックライト値は335になる。
【0097】
次に、上記第1のバックライト値算出例において、arW=0.50に変更した場合のバックライト値を算出する(第2のバックライト値算出例)。
【0098】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0099】
WR’=WR×arW=1.00×0.50=0.50
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(30/255)×255=4
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(60/255)×255=14
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/0.50),4)
=min(85,4)=4
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−4=251
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=4−4=0
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=14−4=10
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],
Wtg[1]/WR’)
=max(251,0,10,4/0.50)
=max(251,0,10,8)=251
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=251/0.85714286=293
よって、このときのバックライト値は293になる。
【0100】
次に、上記第2のバックライト値算出例において、WR=2.00に変更した場合のバックライト値を算出する(第3のバックライト値算出例)。
【0101】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0102】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(30/255)×255=4
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(60/255)×255=14
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.00),4)
=min(128,4)=4
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−4=251
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=4−4=0
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=14−4=10
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],
Wtg[1]/WR’)
=max(251,0,10,4/1.00)
=max(251,0,10,4)=251
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=251/0.85714286=293
よって、このときのバックライト値は293になる。
【0103】
上記、第1乃至第3のバックライト値算出例におけるバックライト値算出結果から分かるように、高彩度画素の場合、Wサブピクセル面積比の値を小さくする、すなわち、Wサブピクセルの面積を小さくし、RGBサブピクセルの面積を大きくすると、RGBサブピクセル面積比が大きくなることによるバックライト値低減効果により、バックライト値を下げることができる。
【0104】
ただし、高彩度画素の場合は、Wサブピクセルに多くの光量を割り振ることができないため、白色輝度比の大きいパネルを用いても、バックライト値は下がらない。
【0105】
次に、本実施の形態1における算出方法を、例えば、1画素で構成される画像が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(255,240,225)(低彩度画素)である場合に適用すると以下の通りである(第4のバックライト値算出例)。
【0106】
尚、ここでは、MAX=255,γ=2,arW=1.00,WR=1.00とする。
【0107】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0108】
WR’=WR×arW=1.00×1.00=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+1)=3/4=0.75
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(240/255)×255
=226
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(225/255)×255
=199
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.00),199)
=min(128,199)=128
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−128=127
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=226−128=98
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=199−128=71
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],
Wtg[1]/WR’)
=max(127,98,71,128/1.00)
=max(127,98,71,128)=128
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=128/0.75=171
よって、このときのバックライト値は171になる。
【0109】
次に、上記第4の算出例において、arW=0.50に変更した場合のバックライト値を算出する(第5のバックライト値算出例)。
【0110】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0111】
WR’=WR×arW=1.00×0.50=0.50
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(240/255)×255
=226
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(225/255)×255
=199
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/0.50),199)
=min(85,199)=85
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−85=170
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=226−85=141
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=199−85=114
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],
Wtg[1]/WR’)
=max(170,141,114,85/0.50)
=max(170,141,114,170)=170
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=170/0.85714286=198
よって、このときのバックライト値は198になる。
【0112】
次に、上記第5の算出例において、WR=2.00に変更した場合のバックライト値を算出する(第6のバックライト値算出例)。
【0113】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0114】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(240/255)×255
=226
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(225/255)×255
=199
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.00),199)
=min(128,199)=128
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=255−128=127
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=226−128=98
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=199−128=71
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR’)
=max(127,98,71,128/1.00)
=max(127,98,71,128)=128
5)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=128/0.85714286=149
よって、このときのバックライト値は149になる。
【0115】
上記、第4乃至第6の算出例におけるバックライト値算出結果から分かるように、低彩度画素の場合、Wサブピクセル面積比の値を小さくする、すなわち、Wサブピクセルの面積を小さくし、RGBサブピクセルの面積を大きくすると、W透過量が少なくなることによるバックライト値増加要因が、RGBサブピクセル面積比が大きくなることによるバックライト値低減効果を上回り、逆にバックライト値が上昇する場合がある。
【0116】
しかし、白色輝度比の大きいパネルを用いることにより、Wサブピクセルの面積を小さくしたことによるW透過量の不足が補われるため、バックライト値増加要因が小さくなるが、RGBサブピクセル面積比が大きくなることによるバックライト値低減効果はそのままなので、バックライト値を下げることができる。
【0117】
すなわち、高彩度画素、低彩度画素共に、バックライト値を下げるためには、Wサブピクセル面積比を小さく、かつ、白色輝度比を大きくすることが望ましい。
【0118】
尚、白色輝度比WRは、Wサブピクセル面積比に関係なく、パネルを作り変えない限りは常に一定である。一方、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’は、Wサブピクセル面積比が小さいとそれに伴って小さくなるが、その一方で、WRが大きいとそれに伴って大きくなる。すなわち、WRの大きなパネルを用いることで、Wサブピクセル面積比を小さくすることによるWR’の値の減少を食い止めることができる。
【0119】
また、WRの大きなパネルを作ることについては、カラーフィルタをなくすことで、透過光量を大きく増加させることが可能であり、WR=2程度のパネルは比較的簡単に作ることができる。例えばWR=2、Wサブピクセル面積比が0.5のパネルでは、WR’=1となり、問題のないレベルの(1未満でない)白色輝度比となる。尚、Wサブピクセル面積比が1のときに、WR=2のパネルであっても、それほどのメリットはないが(例えば高彩度画素の場合、白成分をそんなにWに回せないので、Wのキャパシティが大きくてもメリットがない)、Wサブピクセル面積比を小さくすると、RGBサブピクセルが大きくなるメリットだけでなく、WRが大きいため、WR’が問題のないレベルに留まり、そのことによるデメリットが発生しないため、メリットだけを享受できる。
【0120】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図5ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0121】
図5は、本実施の形態2に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。本液晶表示装置は、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、第1出力信号生成部13、第1液晶パネル制御部14、第1RGBW液晶パネル(以下、単に第1液晶パネルと称する)15、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。すなわち、本実施の形態2に係る液晶表示装置は、実施の形態1の液晶表示装置においてγ補正部12の前段に彩度・輝度低減部11を追加した構成となっている。彩度・輝度低減部11は、入力RGB信号などから彩度・輝度低減後RGB信号を算出し、出力する。尚、実施の形態1と同一の処理部に対しては、実施の形態1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0122】
本実施の形態2に係る液晶表示装置では、入力RGB信号に対し、彩度や輝度の低減処理を施すことで、バックライト値を所望の値以下にすることができ、より消費電力を削減することができる。
【0123】
彩度・輝度低減部11は、図6に示すように、バックライト上限値算出部31、γ補正後RGB信号最大・最小値算出部32、彩度・輝度低減後RGB信号算出部33を備えて構成されている。図7は、彩度・輝度低減部11の動作を説明するフローチャートである。
【0124】
まず、バックライト上限値算出部31において、入力RGB信号の上限値、及びバックライト値低減率から、下記(15)式を用いて、バックライト上限値MAXwを算出する(S31)。
【0125】
MAXw=MAX×BlRatio …(15)
ただし、
MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
(≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
次に、S32〜S33の処理を、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返すことにより、全ての画素に対して、彩度・輝度低減後RGB信号が算出される。
【0126】
γ補正後RGB信号最大・最小値算出部32は、入力RGB信号及びγ係数から、下記(16)乃至(17)式を用いて、注目(処理対象)画素におけるγ補正後のRGB信号の最大・最小値を算出する(S32)。
【0127】
maxRGBg=max(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(maxRGB,γ) …(16)
minRGBg=min(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(minRGB,γ) …(17)
ただし、
max(A,B,...):A,B,...の最大値
min(A,B,...):A,B,...の最小値
maxRGB:入力RGB信号の最大値
(=max(R[i],G[i],B[i]))
minRGB:入力RGB信号の最小値
(=min(R[i],G[i],B[i]))
γ:γ係数(>0)
fg(x,g):γ補正関数(γ補正により入力RGB信号値の大小関係が逆転しないものとし、例えば、fg(x,g)=(x/MAX)×MAXとする)
彩度・輝度低減後RGB信号算出部33は、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比、及びγ補正後RGB信号最大・最小値から、彩度・輝度低減後RGB信号を算出し、出力する。具体的には、γ補正後のRGB信号の最大・最小値が下記(18)式を満たすかどうかを判定し、(18)式を満たす場合は、下記(19)式を満たす彩度・輝度低減後RGB信号を何らかの方法で算出し、(18)式を満たさない場合は、入力RGB信号の値を、彩度・輝度低減後RGB信号の値として出力する(S33)。
【0128】
MAXw<max(maxRGBg/(1+WR’),
maxRGBg−minRGBg) …(18)
max(maxRGBsg/(1+WR’),maxRGBsg
−minRGBsg)−MAXw=0 …(19)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(max(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(fs(max(R[i],G[i],B[i])),γ)
=fg(fs(maxRGB),γ) …(20)
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(min(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(fs(min(R[i],G[i],B[i])),γ)
=fg(fs(minRGB),γ) …(21)
fs(x):彩度・輝度低減関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
(彩度・輝度低減により、入力信号値の大小関係が逆転しないものとする)
次に、彩度・輝度低減後RGB信号算出部33の具体的な構成例を説明する。
【0129】
本具体例では、彩度・輝度低減関数fs(x)として、輝度及び色相を保持したまま彩度のみを低減する、あるいは、輝度を保持したまま彩度0まで低減した後、彩度0のまま輝度を低減することで、彩度・輝度低減後RGB信号(彩度低減後輝度低減後RGB信号)を算出する関数(以下、彩度低減後輝度低減関数)((22)乃至(24)式)を用いる。
【0130】
Rs[i]=max(α,0)×R[i]+(1−|α|)×Y[i] …(22)
Gs[i]=max(α,0)×G[i]+(1−|α|)×Y[i] …(23)
Bs[i]=max(α,0)×B[i]+(1−|α|)×Y[i] …(24)
ただし、
α:彩度低減後輝度低減率(−1≦α<1)
Y[i]:入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])の輝度
(例えば、Y[i]=(2×R[i]+5×G[i]+B[i])/8)
(20)式、及び(22)乃至(24)式より、
maxRGBsg=fg(fs(maxRGB),γ)
=fg(max(α,0)×maxRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
…(25)
同様に(21)式、及び(22)乃至(24)式より、
minRGBsg=fg(fs(minRGB),γ)
=fg(max(α,0)×minRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
…(26)
(19)式に(25)乃至(26)式を代入することで、αを未知数とした方程式が導かれる。
【0131】
すなわち、(18)式を満たす画素に対して、(19)式を満たすαを算出し、そのαを用いて(22)乃至(24)式により彩度・輝度低減を行う。しかしながら、(19)式は、αを未知数とした非線形方程式であるため、簡単に解くことができない。そこで本具体例では、近似的な解法の一例として、二分探索法を用いてαを求める。
【0132】
彩度・輝度低減後RGB信号算出部33の具体的な構成例を図8に示す。図8に示す彩度・輝度低減後RGB信号算出部33は、彩度低減後輝度低減率算出部41、彩度低減後輝度低減信号値変換部42を備えている。図9は、彩度低減後輝度低減率算出部41の動作を説明するためのフローチャートである。
【0133】
彩度低減後輝度低減率算出部41は、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比、及びγ補正後RGB信号最大・最小値から、二分探索法により彩度低減後輝度低減率αを算出し、出力する。
【0134】
この時、彩度低減後輝度低減率算出部41は、注目画素におけるγ補正後のRGB信号の最大・最小値が(18)式を満たすかどうかを判定し(S40)、満たす場合はS41に、満たさない場合はS49に進む。
【0135】
S40において(18)式を満たす場合は、(27)乃至(28)式を用いて、二分探索用彩度低減後輝度低減率下限値(low)及び二分探索用彩度低減後輝度低減率上限値(high)を、それぞれ−1及び1に設定する(S41)。
【0136】
low=−1 …(27)
high=1 …(28)
S41の後は、S42乃至S47の処理を、low+alphaTol≦highの間、繰り返す。ここでalphaTolは、彩度低減後輝度低減率α算出ループ判定用閾値(0<alphaTol)である。あるいは、S42乃至S47の処理は、ある決められた一定回数だけ繰り返されても良い。
【0137】
S42では、(29)式を用いて、現時点でのαを算出する。
【0138】
α=(low+high)/2 …(29)
次に、(19)式の左辺である(30)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する(S43)。
【0139】
judgeSi
=max(maxRGBsg/(1+WR’),
maxRGBsg−minRGBsg)−MAXw …(30)
このjudgeSiは、0に近いほど、現時点でのαが所望のαに近づいていることを示しており、また、負の値の場合は、現時点でのαが所望の値より小さく、正の場合は、現時点でのαが所望の値より大きいことを示している。
【0140】
次に、judgeSiが−judgeTolより小さければ(S44でYes)、現時点でのαが所望の値より小さいため、(31)式を用いてlowを現時点でのαに更新し(S45)、そうでなければS46に進む。
【0141】
low=α …(31)
ここでjudgeTolは、彩度低減後輝度低減率算出判定用閾値(0<judgeTol)である。
【0142】
次にjudgeSiがjudgeTolより大きければ(S46でYes)、現時点でのαが所望の値より大きいため、(32)式を用いてhighを現時点でのαに更新し(S47)、そうでなければ現時点でのαが所望のαになっていると判断し、ループを抜けて処理を終了する。
【0143】
high=α …(32)
S46の判定条件でNoにならず、かつループ処理を終了した場合は、所望のαを算出できていないため、何らかのエラー処理を行う(S48)。
【0144】
また、S40において(18)式を満たさない場合は、αを1に設定する(S49)。αを1に設定することで、彩度・輝度低減後のRGB信号値は、彩度・輝度低減前のRGB信号値(入力RGB信号値)と同じになり、結果的に彩度・輝度が低減されない。
【0145】
彩度低減後輝度低減率算出部41において彩度低減後輝度低減率αが求まれば、彩度低減後輝度低減信号値変換部42は、入力RGB信号、及び彩度低減後輝度低減率αから、(22)乃至(24)式により彩度・輝度低減後RGB信号(彩度低減後輝度低減後RGB信号)を算出し、出力する。
【0146】
尚、本具体例では、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((22)乃至(24)式)を用いているが、ある値以上の信号値を、その値までクリップすることで彩度と輝度を共に低減させる信号値クリッピング関数や、彩度はそのままで輝度のみを低減させる輝度低減関数など、他の関数を用いても良い。
【0147】
更に、本具体例では、彩度低減後輝度低減率αの算出に二分探索法を用いているが、ニュートン法など、他の手法を用いても良い。
【0148】
ここで、彩度・輝度低減部11で用いられる算出式の導出方法について説明する。まず、バックライト上限値MAXwの取り得る値の範囲と算出式((15)式)を導出する。
【0149】
最初に、画像データ(入力RGB信号)に対して彩度・輝度低減処理を行わない場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。これは、彩度が1であり(Wサブピクセルに光量を分担できない)、かつRGB値の少なくとも1つがMAX(入力RGB信号の上限値)であるような画素が存在する場合であり、この時のバックライト値はMAXとなる。
【0150】
尚、ここでいうMAXは、入力RGB信号の上限値を指すが、一意の値ではなく複数の値が考えられる。すなわち、MAXの下限値は、入力RGB信号の全てのRGB値の最大値(MAXi)となる。これは、MAXをMAXiより小さな値にすると、所望のバックライト値にすることを保障できないからである。一方、MAXの上限値は、入力RGB信号の取り得る値の最大値(MAXs)となる。これは、MAXsより大きいバックライト値を必要としないからである。
【0151】
入力RGB信号のビット幅をBwとした場合、MAXsは、
MAXs=2Bw−1
で表される。例えば、Bwが8の場合、MAXsは2−1=255となる。よって、有効なMAXの範囲は、
MAXi≦MAX≦MAXs
で表される。
【0152】
基本的にMAXの設定値としては、MAXi≦MAX≦MAXsを満たせば、どのような値でも良い。MAX=MAXiに設定すれば、バックライト値を最も下げることができる。ただし、画像ごとにMAXを計算する必要がある。一方、MAX=MAXsに設定すれば、MAXiに比べてバックライト上限値(MAXw)が高くなるが、MAXが画像に依存しない一定値となるため、画像ごとにMAXを計算し直す必要がない。
【0153】
次に、画像データ(入力RGB信号)に対して最大限の彩度・輝度低減処理を行う場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。この場合、RGB値のいかんにかかわらず、最大限の輝度低減、すなわち輝度を0にすることで、バックライト値を0にすることができる。すなわち、最大限の彩度・輝度低減処理を行う場合のバックライト値の最大値は0となる。
【0154】
従って、バックライト上限値MAXwの範囲は、0〜MAXとなり、BlLowRatioの範囲を、0〜1としたとき、BlRatioの範囲は1〜0となり、バックライト上限値MAXwは、(15)式で表すことができる。
【0155】
次に、γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出式は、γ補正により、入力RGB信号値の大小関係が逆転しないので、それぞれ(16)乃至(17)式のように展開することができる。
【0156】
次に、彩度・輝度低減処理を行うかどうかの判定条件((18)式)を導出する。
【0157】
最初に、彩度・輝度低減を行わない場合の、バックライト値算出までのアルゴリズムは以下のようになる。
1)γ補正(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
Rg[i]=fg(R[i],γ)
Gg[i]=fg(G[i],γ)
Bg[i]=fg(B[i],γ)
2)W透過量算出(Wtg[i])
Wtg[i]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
…(33)
3)RGB透過量算出(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])
Rtg[i]=Rg[i]−Wtg[i] …(34)
Gtg[i]=Gg[i]−Wtg[i] …(35)
Btg[i]=Bg[i]−Wtg[i] …(36)
4)バックライト値算出(Wbg)
Wbg
=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR’,
...
Rtg[Np],Gtg[Np],Btg[Np],
Wtg[Np]/WR’)
まず、Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比を考慮したW透過量(Wtg[i]/WR’)がMAXwを超えない条件は、以下のとおり。
【0158】
Wtg[i]/WR’≦MAXw …(37)
(37)式に(33)式を代入すると、
min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)/WR’
≦MAXw …(38)
次に、各RGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおり。
【0159】
Rtg[i]≦MAXw …(39)
Gtg[i]≦MAXw …(40)
Btg[i]≦MAXw …(41)
(33)〜(36),(39)〜(41)式より、全てのRGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおり。
【0160】
max(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])≦MAXw
maxRGBg−Wtg[i]≦MAXw
よって、
maxRGBg−min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
≦MAXw …(42)
1)maxRGBg/(1+1/WR’)≦minRGBg …(43)
のとき、
a)W透過量がMAXwを超えない条件は、(38)式より、
{maxRGBg/(1+1/WR’)}/WR’≦MAXw
よって、
maxRGBg/(1+WR’)≦MAXw …(44)
b)RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(42)式より、
maxRGBg−maxRGBg/(1+1/WR’)≦MAXw
よって、
maxRGBg/(1+WR’)≦MAXw
この式は、(44)式と同じである。
【0161】
よって(43)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(44)式となる。
2)minRGBg<maxRGBg/(1+1/WR’) …(45)
のとき、
a)W透過量がMAXwを超えない条件は、(38)式より、
minRGBg/WR’≦MAXw …(46)
b)RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(42)式より、
maxRGBg−minRGBg≦MAXw …(47)
よって、(45)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(46)式と(47)式とをまとめることで、以下のようになる。
【0162】
max(minRGBg/WR’,maxRGBg−minRGBg)
≦MAXw …(48)
ここで(45)式より、
minRGBg/WR’<maxRGBg/(WR’×(1+1/WR’))
=maxRGBg/(1+WR’)=maxRGBg−maxRGBg/
(1+1/WR’)<maxRGBg−minRGBg
なので、(48)式は、次式となる。
【0163】
maxRGBg−minRGBg≦MAXw
この式は(47)式と同じである。
【0164】
逆に、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、
1)maxRGBg/(1+1/WR’)≦minRGBg …(43)
のとき、
(44)式より、
MAXw<maxRGBg/(1+WR’) …(49)
2)minRGBg<maxRGBg/(1+1/WR’) …(45)
のとき、
(47)式より、
MAXw<maxRGBg−minRGBg …(50)
上記(43),(49),(45),(50)式を、更に式変形する。
【0165】
まず、(43)式より、
maxRGBg−maxRGBg/(1+WR’)≦minRGBg
よって、
maxRGBg−minRGBg≦maxRGBg/(1+WR’) …(51)
(51)式を満たすときは、(49)式は、次のように変形できる。
【0166】
MAXw<max(maxRGBg/(1+WR’),
maxRGBg−minRGBg)
この式は(18)式と同じである。
【0167】
次に、(45)式より、
minRGBg<maxRGBg−maxRGBg/(1+WR’)
よって、
maxRGBg/(1+WR’)<maxRGBg−minRGBg …(52)
(52)式を満たすときは、(50)式は、同じく(18)式のように変形できる。
【0168】
(51)〜(52)式より、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、単に(18)式に簡略化することができる。すなわち、入力RGB値が(18)式を満たす場合は、彩度・輝度低減処理を行うことで、バックライト値がMAXwを超えないようにする。
【0169】
次に、彩度・輝度低減後RGB信号を算出するための条件式((19)乃至(21)式)を導出する。
【0170】
まず、(18)式から、バックライト値をMAXw以下にするための条件式である(19)式が導かれる。
【0171】
(19)式のmaxRGBsg及びminRGBsgは、γ補正及び彩度・輝度低減処理により、入力RGB信号値の大小関係が逆転しないので、それぞれ(20)乃至(21)式のように展開することができる。
【0172】
すなわち、彩度・輝度低減関数fs(x)を定義し、(19)式を満たすように彩度や輝度の低減処理を行えば、バックライト値は必ずMAXw以下になる。
【0173】
尚、(18)式を満たさない画素の場合は、彩度や輝度の低減の必要がないため、入力RGB信号の値を、彩度・輝度低減後RGB信号の値として、そのまま出力すればよい。
【0174】
次に、彩度低減後輝度低減関数を導出する。まず、輝度・色相は不変で、彩度のみを低減させるRGBの変換式は以下のとおり。
【0175】
Rs[i]=α×R[i]+(1−α)×Y[i] …(53)
Gs[i]=α×G[i]+(1−α)×Y[i] …(54)
Bs[i]=α×B[i]+(1−α)×Y[i] …(55)
ただし、
0≦α<1
また、彩度・輝度低減をさせないときだけ、α=1とする。
【0176】
一方、彩度が0になり、今度は、輝度を低減させるRGBの変換式は以下のとおり。
【0177】
Rs[i]=(1+α)×Y[i] …(56)
Gs[i]=(1+α)×Y[i] …(57)
Bs[i]=(1+α)×Y[i] …(58)
ただし、
−1≦α<0
上記2種類の式をまとめると、(22)乃至(24)式となる。
【0178】
ただし、
−1≦α<1
ここで、(53)乃至(55)式が、彩度・輝度低減前後で輝度・色相を変えないことの証明を行う。
【0179】
まず、RGB値が(R,G,B)のときの輝度の算出式を(2×R+5×G+B)/8とすると、彩度・輝度低減後の輝度Ys[i]は、次式のようになる。
【0180】
Ys[i]=(2×Rs[i]+5×Gs[i]+Bs[i])/8 …(59)
(59)式に、(53)乃至(55)式を代入すると、
Ys[i]
=α×(2×R[i]+5×G[i]+B[i])/8+(1−α)×Y[i]
=α×Y[i]+(1−α)×Y[i]=Y[i] …(60)
(60)式より、彩度・輝度低減前後で輝度値は変化しない。
【0181】
一方、色相に関しては、R値が最大のときを考える。まず、R値が最大のときの、彩度・輝度低減前の色相H[i]は、次式のようになる。
【0182】
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(61)
ただし、
Cb=(maxRGB−B[i])/(maxRGB−minRGB)
Cg=(maxRGB−G[i])/(maxRGB−minRGB)
次に、彩度・輝度低減後の色相Hs[i]は、次式のようになる。
【0183】
Hs[i]=(Cbs−Cgs)×60 …(62)
ここで、
Cbs=(maxRGBs−Bs[i])/(maxRGBs−minRGBs)
Cgs=(maxRGBs−Gs[i])/(maxRGBs−minRGBs)
minRGBs:彩度・輝度低減後のminRGB
maxRGBs:彩度・輝度低減後のmaxRGB
(62)式を変形し、更に(53)乃至(55)式を代入すると、
Hs[i]
=[{(maxRGBs−Bs[i])−(maxRGBs−Gs[i])}/
(maxRGBs−minRGBs)]×60
={(Gs[i]−Bs[i])/(maxRGBs−minRGBs)}×60
=[α×(G[i]−B[i])/{α×(maxRGB−minRGB)}]×60
={(G[i]−B[i])/(maxRGB−minRGB)}×60
=[{(maxRGB−B[i])−(maxRGB−G[i])}/
(maxRGB−minRGB)]×60
=(Cb−Cg)×60
=H[i]
よって、彩度・輝度低減前後で色相も変化しない。G値、あるいはB値が最大のときも同様である。
【0184】
彩度・輝度低減部11で算出された彩度・輝度低減後RGB信号は、γ補正部12において実施の形態1と同様にγ補正が施される。但し、実施の形態1におけるγ補正部12は入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])に対してγ補正を行なうものであるが、本実施の形態2におけるγ補正部12は彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])に対してγ補正を行なうものである。このため、本実施の形態2におけるγ補正部12から出力されるγ補正後RGB信号は(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])と表す。
【0185】
また、本実施の形態2における第1出力信号生成部13は、実施の形態1と同様にRGBW透過率およびバックライト値を算出するものであるが、本実施の形態では、第1出力信号生成部13に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])であることから、(1)式、(3)〜(6)式、(7)〜(13)式において、
(Rx[i],Gx[i],Bx[i])
=(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
Wtx[i]=Wtsg[i]
(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])
=(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])
Wbx[i]=Wbsg[i]
(rx[i],gx[i],bx[i])
=(rsg[i],gsg[i],bsg[i])
Wbx’[i]=Wbsg’[i]
である。
【0186】
本実施の形態2における算出方法を、例えば、1画素で構成される画像が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(255,30,60)(高彩度画素)である場合に適用すると以下の通りである(第1のバックライト値算出例)。
【0187】
尚、ここでは、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((22)乃至(24)式)を用い、MAX=255,γ=2,arW=1.00,WR=1.00,BlLowRatio=0.625,judgeTol=0.5,alphaTol=10−7とする。
【0188】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0189】
WR’=WR×arW=1.00×1.00=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+1)=3/4=0.75
尚、本算出例では、バックライト上限値をMAX/2にする。すなわち、RGBサブピクセル面積比を考慮しないバックライト値設定率BlRatioは0.5となるが、RGBサブピクセル面積比を考慮すると、次式のようになり、
BlRatio/arRGB=0.5
BlRatio/0.75=0.5
よって、BlRatio=0.375
よって、BlLowRatioは、次式より0.625としている。
【0190】
BlLowRatio=1−BlRatio=1−0.375=0.625
次に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.625)=95.625
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(30/255)×255=4
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=95.625
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.00),255−4)
=max(128,251)=251
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0191】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×30+60)/8=90
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表1のようになり、最終的なαの値は、α=0.47265625となる。
【0192】
【表1】

【0193】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.47265625×255+(1−0.47265625)×90
=168
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.47265625×30+(1−0.47265625)×90
=62
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.47265625×60+(1−0.47265625)×90
=76
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX
=(168/255)×255=111
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX
=(62/255)×255=15
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX
=(76/255)×255=23
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(111/(1+1/1.00),15)=min(56,15)=15
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=111−15=96
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=15−15=0
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=23−15=8
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(96,0,8,15/1.00)
=max(96,0,8,15)=96
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=96/0.75=128
よって、このときのバックライト値は128になる。
【0194】
次に、上記第1のバックライト値算出例において、arW=0.50,BlLowRatio=0.57142857に変更した場合のバックライト値を算出する(第2のバックライト値算出例)。
【0195】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0196】
WR’=WR×arW=1.00×0.50=0.50
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
尚、本算出例でも、バックライト上限値をMAX/2にする。すなわち、RGBサブピクセル面積比を考慮しないバックライト値設定率BlRatioは0.5となるが、RGBサブピクセル面積比を考慮すると、次式のようになり、
BlRatio/arRGB=0.5
BlRatio/0.85714286=0.5
よって、BlRatio=0.42857143
よって、BlLowRatioは、次式より0.57142857としている。
【0197】
BlLowRatio=1−BlRatio=1−0.42857143
=0.57142857
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.57142857)
=109.57031250
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(30/255)×255=4
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+0.50),255−4)
=max(170,251)=251
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0198】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×30+60)/8=90
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表2のようになり、最終的なαの値は、α=0.52734375となる。
【0199】
【表2】

【0200】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×255+(1−0.52734375)×90
=177
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×30+(1−0.52734375)×90
=58
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×60+(1−0.52734375)×90
=74
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(177/255)×255
=123
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(58/255)×255
=13
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(74/255)×255
=21
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(123/(1+1/0.50),13)=min(41,13)=13
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=123−13=110
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=13−13=0
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=21−13=8
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(110,0,8,13/0.50)
=max(110,0,8,26)=110
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=110/0.857143=128
よって、このときのバックライト値は128になる。
【0201】
次に、上記第2のバックライト値算出例において、WR=2.00に変更した場合のバックライト値を算出する(第3のバックライト値算出例)。
【0202】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0203】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.57142857)
=109.57031250
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(30/255)×255=4
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.00),255−4)
=max(128,251)=251
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0204】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×30+60)/8=90
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表3のようになり、最終的なαの値は、α=0.52734375となる。
【0205】
【表3】

【0206】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×255+(1−0.52734375)×90
=177
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×30+(1−0.52734375)×90
=58
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.52734375×60+(1−0.52734375)×90
=74
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(177/255)×255
=123
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(58/255)×255
=13
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(74/255)×255
=21
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(123/(1+1/1.00),13)=min(62,13)=13
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=123−13=110
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=13−13=0
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=21−13=8
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(110,0,8,13/1.00)
=max(110,0,8,13)=110
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=110/0.857143=128
よって、このときのバックライト値は128になる。
【0207】
表4に、第1乃至第3の各バックライト値算出例における、Wサブピクセル面積比、白色輝度比、彩度・輝度低減率、彩度・輝度低減後のRGB値、彩度、輝度、バックライト値をまとめる。
【0208】
【表4】

【0209】
表4から分かるように、高彩度画素の場合、Wサブピクセル面積比の値を小さくする、すなわち、Wサブピクセルの面積を小さくし、RGBサブピクセルの面積を大きくすると、RGBサブピクセル面積比が大きくなることによる画質改善効果により、同じバックライト値で、画質(この場合は、彩度)を改善させることができる。
【0210】
ただし、高彩度画素の場合は、Wサブピクセルに多くの光量を割り振ることができないため、白色輝度比の大きいパネルを用いても、画質は変化しない。
【0211】
次に、本実施の形態2における算出方法を、例えば、1画素で構成される画像が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(255,240,225)(低彩度画素)である場合に適用すると以下の通りである(第4のバックライト値算出例)。
【0212】
尚、ここでは、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((22)乃至(24)式)を用い、MAX=255,γ=2,arW=1.00,WR=1.00,BlLowRatio=0.625,judgeTol=0.5,alphaTol=10−7とする。
【0213】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0214】
WR’=WR×arW=1.00×1.00=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+1)=3/4=0.75
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.625)=95.625
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(225/255)×255=199
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=95.625
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.00),255−199)
=max(128,56)=128
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0215】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×240+225)/8=242
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表5のようになり、最終的なαの値は、α=−0.08593750となる。
【0216】
【表5】

【0217】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×255+(1−0.08593750)×242=221
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×240+(1−0.08593750)×242=221
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×225+(1−0.08593750)×242=221
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(221/255)×255
=192
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(221/255)×255
=192
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(221/255)×255
=192
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(192/(1+1/1.00),192)=min(96,192)=96
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=192−96=96
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=192−96=96
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=192−96=96
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(96,96,96,96/1.00)
=max(96,96,96,96)=96
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=96/0.75=128
よって、このときのバックライト値は128になる。
【0218】
次に、上記第4のバックライト値算出例において、arW=0.50,BlLowRatio=0.57142857に変更した場合のバックライト値を算出する(第5のバックライト値算出例)。
【0219】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0220】
WR’=WR×arW=1.00×0.50=0.50
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.57142857)
=109.57031250
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(225/255)×255=199
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+0.50),255−199)
=max(170,56)=170
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0221】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×240+225)/8=242
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表6のようになり、最終的なαの値は、α=−0.15234375となる。
【0222】
【表6】

【0223】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×255+(1−0.15234375)×242=205
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×240+(1−0.15234375)×242=205
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×225+(1−0.15234375)×242=205
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(205/255)×255
=165
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(205/255)×255
=165
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(205/255)×255
=165
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(165/(1+1/0.50),165)
=min(55,165)=55
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=165−55=110
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=165−55=110
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=165−55=110
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(110,110,110,55/0.50)
=max(110,110,110,110)=110
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=110/0.857143=128
よって、このときのバックライト値は128になる。
【0224】
次に、上記第5のバックライト値算出例において、WR=2.00に変更した場合のバックライト値を算出する(第6のバックライト値算出例)。
【0225】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0226】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.57142857)
=109.57031250
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(225/255)×255=199
3)彩度・輝度低減率算出(α)
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.00),255−199)
=max(128,56)=128
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0227】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×240+225)/8=242
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表7のようになり、最終的なαの値は、α=−0.02343750となる。
【0228】
【表7】

【0229】
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[1],Gs[1],Bs[1])
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×255+(1−0.02343750)×242=236
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×240+(1−0.02343750)×242=236
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0×225+(1−0.02343750)×242=236
5)γ補正(Rsg[1],Gsg[1],Bsg[1])
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(236/255)×255
=218
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(236/255)×255
=218
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(236/255)×255
=218
6)W透過量算出(Wtsg[1])
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(218/(1+1/1.00),218)=min(109,218)
=109
7)RGB透過量算出(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1])
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=218−109=109
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=218−109=109
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=218−109=109
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’)
=max(109,109,109,109/1.00)
=max(109,109,109,109)=109
9)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=109/0.857143=127
よって、このときのバックライト値は127になる。
【0230】
表8に、第4乃至第6の各バックライト値算出例における、Wサブピクセル面積比、白色輝度比、彩度・輝度低減率、彩度・輝度低減後のRGB値、彩度、輝度、バックライト値をまとめる。
【0231】
【表8】

【0232】
表8から分かるように、低彩度画素の場合、Wサブピクセル面積比の値を小さくする、すなわち、Wサブピクセルの面積を小さくし、RGBサブピクセルの面積を大きくすると、W透過量が少なくなることによる画質劣化要因が、RGB透過量が多くなることによる画質改善効果を上回り、同じバックライト値で、画質(この場合は、輝度)が低下する場合がある。
【0233】
しかし、白色輝度比の大きいパネルを用いることにより、Wサブピクセルの面積を小さくしたことによるW透過量の不足が補われるため、画質劣化要因が小さくなるが、RGB透過量が多くなることによる画質改善効果はそのままなので、同じバックライト値で、画質(この場合は、輝度)を改善させることができる。
【0234】
すなわち、高彩度画素、低彩度画素共に、同じバックライト値で、画質を改善させるためには、Wサブピクセル面積比を小さく、かつ、白色輝度比を大きくすることが望ましい。
【0235】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について図10ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0236】
図10は、本実施の形態3に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。本液晶表示装置は、γ補正部12、第2出力信号生成部53、第2液晶パネル制御部54、第2RGBW液晶パネル(以下、単に第2液晶パネルと称する)55、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。すなわち、本実施の形態2に係る液晶表示装置は、実施の形態1の液晶表示装置における第1出力信号生成部13、第1液晶パネル制御部14、および第1液晶パネル15を、それぞれ第2出力信号生成部53、第2液晶パネル制御部54、第2液晶パネル55に置き換えた構成となっている。尚、実施の形態1,2と同一の処理部に対しては、実施の形態1,2と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0237】
第2出力信号生成部53は、γ補正後RGB信号などからバックライト値、各画素におけるRGBの各サブピクセル透過率、及び複数画素により共有されたWサブピクセル透過率を算出し、出力する。
【0238】
第2液晶パネル制御部54は、第2出力信号生成部53から出力されたサブピクセル透過率を入力し、第2RGBW液晶パネル55の各サブピクセルを、入力された透過率となるように制御する。
【0239】
第2液晶パネル55は、図11(a)〜(d)に示すように、複数の画素がマトリクス状に配置され、各画素はRGBW4色のサブピクセルで構成されるが、RGBサブピクセルは各画素において独立して形成されているものの、Wサブピクセルは複数画素により共有されている。
【0240】
すなわち、実施の形態1および2で用いられていた第1液晶パネル15では、Wサブピクセルがそれぞれの画素において別個に設けられており画素間で共有されていなかったが、本実施の形態3における第2液晶パネル55では、Wサブピクセルが複数画素により共有されていることを特徴とする。
【0241】
Wサブピクセル面積比が小さい(1未満の)パネルの場合、Wサブピクセルは、RGBサブピクセルに比べ、面積が小さくなるため、製造上の困難さを伴う場合がある。そこで、Wサブピクセルを隣接する複数画素で共有させることで、Wサブピクセルの面積が大きくなり、パネル製造が容易になる。
【0242】
特に、図11(a)のように、横方向の2画素でWサブピクセルを共有させ、かつWサブピクセル面積比を0.5にすることで、全てのRGBWサブピクセルの形状、及び面積が同じになるため、よりパネル製造が容易になる。
【0243】
尚、本実施の形態におけるサブピクセルの構成は、RGBサブピクセルが各画素により占有され、Wサブピクセルが複数画素により共有されている構成であれば、図11に示す以外の構成でも良い。
【0244】
4色のサブピクセルはそれぞれ、赤色のカラーフィルタを持つRサブピクセル、緑色のカラーフィルタを持つGサブピクセル、青色のカラーフィルタを持つBサブピクセル、及びカラーフィルタを持たない透明のWサブピクセルで構成される。
【0245】
図12は、第2出力信号生成部53の構成を説明する図である。第2出力信号生成部53は、W透過量算出部21、RGB透過量算出部22、透過率算出用バックライト値算出部23、透過率算出部24、出力用バックライト値算出部25、共有W透過率算出部26を備えて構成されている。また、図13は、第2出力信号生成部53の動作を説明するためのフローチャートである。
【0246】
まず、W透過量算出部21において、(1)式を用いて、注目画素におけるW透過量を算出する(S21)。次に、RGB透過量算出部22において、(3)乃至(5)式を用いて、注目画素におけるRGB透過量を算出する(S22)。S21〜S22の処理は、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返される。
【0247】
透過率算出用バックライト値算出部23において、(6)式を用いて、透過率算出用バックライト値を算出する(S23)。
【0248】
次に、透過率算出部24において、(7)乃至(11)式を用いて、注目画素のRGBW透過率を算出する(S24)。S24の処理は、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返される。
【0249】
出力用バックライト値算出部25において、(12)式を用いて、Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値を算出する(S25)。
【0250】
上記S21〜S25の動作は、実施の形態1,2における第1出力信号生成部13の動作と同じである。第2出力信号生成部53では、続いて、共有W透過率算出部26において、1画素当りのWサブピクセル透過率から(14)式を用いて、Wサブピクセルの複数画素による共有を考慮したWサブピクセル透過率を算出する(S26)。S26の処理は、(Np/Ns)回だけ繰り返される。
【0251】
【数1】

【0252】
ただし、
Ns:Wサブピクセルが共有される画素の数(≧2)
sIdx[j,k]:j番目のWサブピクセルを共有している画素のWサブピクセル透過率配列(wx[i])要素番号(k=1,...,Ns)
また、本実施の形態では、第2出力信号生成部53に入力されるのがγ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])であることから、wx’[j]=wg’[j]である。
【0253】
本実施の形態3における算出方法を、例えば、2画素で構成される画像(Np=2)が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,255,63)(画素1)、(R[2],G[2],B[2])=(159,187,85)(画素2)である場合に適用すると以下の通りである。
【0254】
尚、ここでは、MAX=255,γ=2,arW=0.50,WR=2.00,Ns=2(2画素共有)とする。
【0255】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0256】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値、及び透過率は以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
a)画素1の場合
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(159/255)×255
=99
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(63/255)×255
=16
b)画素2の場合
Rg[2]=(R[2]/MAX)γ×MAX=(159/255)×255
=99
Gg[2]=(G[2]/MAX)γ×MAX=(187/255)×255
=137
Bg[2]=(B[2]/MAX)γ×MAX=(85/255)×255
=28
2)W透過量算出(Wtg[i])
a)画素1の場合
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.00),16)
=min(128,16)=16
b)画素2の場合
Wtg[2]=min(maxRGBg/(1+1/WR’),minRGBg)
=min(137/(1+1/1.00),28)
=min(69,28)=28
3)RGB透過量算出(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])
a)画素1の場合
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=99−16=83
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=255−16=239
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=16−16=0
b)画素2の場合
Rtg[2]=Rg[2]−Wtg[2]=99−28=71
Gtg[2]=Gg[2]−Wtg[2]=137−28=109
Btg[2]=Bg[2]−Wtg[2]=28−28=0
4)透過率算出用バックライト値算出(Wbg)
Wbg
=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR’,
Rtg[2],Gtg[2],Btg[2],Wtg[2]/WR’)
=max(83,239,0,16/1.00,71,109,0,28/1.00)
=max(83,239,0,16,71,109,0,28)=239
5)1画素当りのRGBWサブピクセル透過率算出(rg[i],gg[i],bg[i],wg[i])
a)画素1の場合
rg[1]=Rtg[1]/Wbg=83/239=0.34728033
gg[1]=Gtg[1]/Wbg=239/239=1.00000000
bg[1]=Btg[1]/Wbg=0/239=0.00000000
wg[1]=(Wtg[1]/Wbg)/WR’=(16/239)/1.00
=0.06694561
b)画素2の場合
rg[2]=Rtg[2]/Wbg=71/239=0.29707113
gg[2]=Gtg[2]/Wbg=109/239=0.45606695
bg[2]=Btg[2]/Wbg=0/239=0.00000000
wg[2]=(Wtg[2]/Wbg)/WR’=(28/239)/1.00
=0.11715481
6)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbg’)
Wbg’=Wbg/arRGB=239/0.85714286=279
7)Wサブピクセルの複数画素による共有を考慮したWサブピクセル透過率算出(wg’[j])
まず、j番目のWサブピクセルを共有している画素のWサブピクセル透過率配列(wg[i])要素番号は、以下のとおり(本算出例の場合j=1、k=1,2)。
【0257】
sIdx[1,1]=1
sIdx[1,2]=2
次に、共有を考慮したWサブピクセル透過率は、以下のように算出される。
【0258】
【数2】

【0259】
このように、共有を考慮したWサブピクセル透過率は、そのWサブピクセルを共有する各画素の1画素当りのWサブピクセル透過率を求めた後、それらの画素の1画素当りのWサブピクセル透過率の平均値を算出することで、求めることができる。
【0260】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施形態について図14に基づいて説明すると以下の通りである。
【0261】
図14は、本実施の形態4に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。本液晶表示装置は、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、第2出力信号生成部53、第2液晶パネル制御部54、第2RGBW液晶パネル(以下、単に第2液晶パネルと称する)55、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。すなわち、本実施の形態4に係る液晶表示装置は、実施の形態3の液晶表示装置においてγ補正部12の前段に彩度・輝度低減部11を追加した構成となっている。彩度・輝度低減部11は、入力RGB信号などから彩度・輝度低減後RGB信号を算出し、出力する。尚、実施の形態1〜3と同一の処理部に対しては、実施の形態1〜3と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0262】
本実施の形態4に係る液晶表示装置では、入力RGB信号に対し、彩度や輝度の低減処理を施すことで、バックライト値を所望の値以下にすることができ、より消費電力を削減することができる。
【0263】
本実施の形態4における算出方法を、例えば、2画素で構成される画像(Np=2)が入力された場合であって、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,255,63)(画素1)、(R[2],G[2],B[2])=(159,187,85)(画素2)である場合(実施の形態3のバックライト値算出例と同じ画素値)に適用すると以下の通りである。
【0264】
尚、ここでは、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((22)乃至(24)式)を用い、MAX=255,γ=2,arW=0.50,WR=2.00,Ns=2(2画素共有),BlLowRatio=0.57142857,judgeTol=0.5,alphaTol=10−7とする。
【0265】
このときのWサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比WR’、及びRGBサブピクセル面積比arRGBは以下のように算出される。
【0266】
WR’=WR×arW=2.00×0.50=1.00
arRGB=3/(3+arW)=3/(3+0.5)=3/3.5
=0.85714286
更に、バックライト値、及び透過率は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.57142857)
=109.57031250
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg,minRGBg)
a)画素1の場合
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(63/255)×255=16
b)画素2の場合
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(187/255)×255=137
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(85/255)×255=28
3)彩度・輝度低減率算出(α)
a)画素1の場合
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.00),255−16)=max(128,239)
=239
よって、注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0267】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×159+5×255+63)/8=207
彩度・輝度低減率算出時における、low,high,α,judgeSiの値の変化は、表9のようになり、最終的なαの値は、α=0.38671875となる。
【0268】
【表9】

【0269】
b)画素2の場合
MAXw=109.57031250
max(maxRGBg/(1+WR’),maxRGBg−minRGBg)
=max(137/(1+1.00),137−28)=max(69,109)
=109
よって、注目画素は(18)式を満たさないため、αの値は、α=1.00000000となる。
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[i],Gs[i],Bs[i])
a)画素1の場合
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.38671875×159+(1−0.38671875)×207=188
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.38671875×255+(1−0.38671875)×207=226
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=0.38671875×63+(1−0.38671875)×207=151
b)画素2の場合
Rs[2]=max(α,0)×R[2]+(1−|α|)×Y[2]
=1.00000000×159+(1−1.00000000)×167=159
Gs[2]=max(α,0)×G[2]+(1−|α|)×Y[2]
=1.00000000×187+(1−1.00000000)×167=187
Bs[2]=max(α,0)×B[2]+(1−|α|)×Y[2]
=1.00000000×85+(1−1.00000000)×167=85
5)γ補正(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
a)画素1の場合
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX=(188/255)×255
=139
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX=(226/255)×255
=200
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX=(151/255)×255
=89
b)画素2の場合
Rsg[2]=(Rs[2]/MAX)γ×MAX=(159/255)×255
=99
Gsg[2]=(Gs[2]/MAX)γ×MAX=(187/255)×255
=137
Bsg[2]=(Bs[2]/MAX)γ×MAX=(85/255)×255
=28
6)W透過量算出(Wtsg[i])
a)画素1の場合
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(200/(1+1/1.00),89)=min(100,89)=89
b)画素2の場合
Wtsg[2]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR’),minRGBsg)
=min(137/(1+1/1.00),28)=min(69,28)=28
7)RGB透過量算出(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])
a)画素1の場合
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=139−89=50
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=200−89=111
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=89−89=0
b)画素2の場合
Rtsg[2]=Rsg[2]−Wtsg[2]=99−28=71
Gtsg[2]=Gsg[2]−Wtsg[2]=137−28=109
Btsg[2]=Bsg[2]−Wtsg[2]=28−28=0
8)透過率算出用バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg
=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR’,Rtsg[2],Gtsg[2],
Btsg[2],Wtsg[2]/WR’)
=max(50,111,0,89/1.00,71,109,0,28/1.00)
=max(50,111,0,89,71,109,0,28)=111
9)1画素当りのRGBWサブピクセル透過率算出(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i])
a)画素1の場合
rsg[1]=Rtsg[1]/Wbsg=50/111=0.45045045
gsg[1]=Gtsg[1]/Wbsg=111/111=1.00000000
bsg[1]=Btsg[1]/Wbsg=0/111=0.00000000
wsg[1]=(Wtsg[1]/Wbsg)/WR’
=(89/111)/1.00=0.80180180
b)画素2の場合
rsg[2]=Rtsg[2]/Wbsg=71/111=0.63963964
gsg[2]=Gtsg[2]/Wbsg=109/111=0.98198198
bsg[2]=Btsg[2]/Wbsg=0/111=0.00000000
wsg[2]=(Wtsg[2]/Wbsg)/WR’
=(28/111)/1.00=0.25225225
10)Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値算出(Wbsg’)
Wbsg’=Wbsg/arRGB=111/0.857143=130
11)Wサブピクセルの複数画素による共有を考慮したWサブピクセル透過率算出(wg’[j])
まず、j番目のWサブピクセルを共有している画素のWサブピクセル透過率配列(wg[i])要素番号は、以下のとおり(本算出例の場合j=1、k=1,2)。
【0270】
sIdx[1,1]=1
sIdx[1,2]=2
次に、共有を考慮したWサブピクセル透過率は、以下のように算出される。
【0271】
【数3】

【0272】
このように、共有を考慮したWサブピクセル透過率は、そのWサブピクセルを共有する各画素の1画素当りのWサブピクセル透過率を求めた後、それらの画素の1画素当りのWサブピクセル透過率の平均値を算出することで、求めることができる。
【0273】
また、実施の形態3のバックライト値算出例における出力用バックライト値は279であったが、本バックライト算出例におけるバックライト値は130となり、入力RGB信号に対する彩度・輝度低減処理を行うことで、バックライト値を低減させることができる。
【0274】
本液晶表示装置において、バックライト17は、基本的には複数の画素に対して1つ設けられる。このため、例えば図1に示す液晶表示装置は、液晶パネル15の表示画面全体に対して一つの白色バックライト17を対応させた構成を例示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶パネル15の表示画面を複数の領域に分割し、各領域毎にバックライト輝度調整が可能となるように、複数のバックライトを備えた構成としても良い。
【0275】
図15は、1枚の表示領域に対し2つの白色バックライトを持つ例を示したものであるが、バックライトの数は限定されない。
【0276】
図15に示す液晶表示装置は、γ補正部12、入力信号分割部61、第1出力信号生成部13aおよび13b、第1液晶パネル制御部14aおよび14b、第1液晶パネル15、バックライト制御部16aおよび16b、および白色バックライト17aおよび17bを備えて構成されている。
【0277】
入力信号分割部61は、γ補正部12から入力される1画面分のγ補正後RGB信号を2つのエリア分の信号に振り分け、それぞれのエリアの入力RGB信号を第1出力信号生成部13aおよび13bに入力する。第1出力信号生成部13aおよび13bは、対応する各エリアに対して、図1における第1出力信号生成部13と同等の処理を行う。
【0278】
第1液晶パネル制御部14aおよび14bは、対応する各エリアに対して、図1における第1液晶パネル制御部14と同等の処理を行うが、各制御部は、第1液晶パネル15の対応するエリアに相当する位置の画素透過率を制御する。
【0279】
バックライト制御部16aおよび16bは、対応する各エリアに対して、図1におけるバックライト制御部16と同等の処理を行う。白色バックライト17aおよび17bは、それぞれバックライト17と同じ構造であるが、各バックライトは、それぞれ対応するエリアを照明する。
【0280】
このように、1画面を複数のエリアに分割し、エリア単位で制御を行うことで、更にバックライト値を下げることができる。尚、本実施の形態では、1画面を2つのエリアに分割しているが、3つ以上のエリアに分割して制御することも可能である。
【0281】
一般的な画像においては、近傍領域に似たような色が連続する性質がある。このため、図15に示す構成のように、バックライト領域を分割することにより、暗い画素が集まったバックライト領域のバックライトはより暗くできる。その結果、バックライトを分割しない時より、バックライトを分割した方が、全体のバックライト消費電力を下げることができる。
【0282】
尚、図15は、実施の形態1の液晶ディスプレイをエリア分割した例を示しているが、実施の形態2乃至4に記載の液晶ディスプレイをエリア分割して制御することも可能である。
【0283】
また、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、および第1出力信号生成部13(あるいは、第2出力信号生成部53)の処理は、これをパソコン上で動作可能なソフトウェアで実現することが可能である。以下に、上記処理をソフトウェアで実現する場合の手順を説明する。
【0284】
図16は、上記処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。上記システムは、パソコン本体71、入出力装置75で構成されている。また、パソコン本体71は、CPU72、メモリ73、入出力インタフェース74を備えている。入出力装置75は、記憶媒体76を備えている。
【0285】
まずCPU72は、入出力インタフェース74を介して、入出力装置75を制御し、記憶媒体76から彩度・輝度低減、γ補正、出力信号生成の各プログラム、パラメータファイル(入力RGB信号の上限値、バックライト値低減率、γ係数、白色輝度比、及びWサブピクセル面積比や、1画面を複数エリアに分割する際に用いるエリア情報など)、及び入力画像データを読み込んで、メモリ73に格納する。
【0286】
さらに、CPU72は、メモリ73からプログラム、パラメータファイル、及び入力画像データを読み取り、メモリ73からプログラムの各命令に従って、入力された入力画像データに対して、彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成処理を行った後、入出力インタフェース74を介して、入出力装置75を制御し、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を記憶媒体76に出力する。
【0287】
あるいは、図17のように、入出力インタフェース74を介して、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を、それぞれ、バックライト制御部16、第1液晶パネル制御部14(あるいは、第2液晶パネル制御部54)に出力することで、白色バックライト17、及び第1液晶パネル15(あるいは、第2液晶パネル55)を制御して、実際に画像を表示させることもできる。
【0288】
このように、上記システムでは、パソコン上で上述した彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成を行うことができる。これにより、実際に彩度・輝度低減部や第1出力信号生成部(あるいは、第2出力信号生成部)を試作する前に、彩度・輝度低減方法や出力信号生成方法の妥当性や、バックライト値低減の効果を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0289】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、実施の形態1の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a),(b)は、実施の形態1または2の液晶表示装置におけるサブピクセルの配置例を示す図である。
【図3】実施の形態1または2の液晶表示装置において、第1出力信号生成部の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の第1出力信号生成部の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2の液晶表示装置において、彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】図6の彩度・輝度低減部において、彩度・輝度低減後RGB信号算出部の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の彩度・輝度低減後RGB信号算出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図11】(a)〜(d)は、実施の形態3または4の液晶表示装置におけるサブピクセルの配置例を示す図である。
【図12】実施の形態3または4の液晶表示装置において、第2出力信号生成部の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の第2出力信号生成部の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態4の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の他の実施形態を示すものであり、液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。
【図17】本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成の変形例を示す図である。
【図18】透過型液晶表示装置の一般的な構成を示す断面図である。
【図19】透過型液晶表示装置におけるサブピクセルの一般的な配置例を示す図である。
【図20】(a)は特許文献2の液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。
【図21】(a)は特許文献2の液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。
【図22】(a)〜(e)は、特許文献2の液晶表示装置におけるバックライト輝度値およびサブピクセル透過率の決定手順を示す図である。
【符号の説明】
【0290】
11 彩度・輝度低減部
12 γ補正部
13,13a,13b 第1出力信号生成部
14,14a,14b 第1液晶パネル制御部
15 第1RGBW液晶パネル
16,16a, バックライト制御部
17,17a,17b 白色バックライト
21 W透過量算出部
22 RGB透過量算出部
23 透過率算出用バックライト値算出部
24 透過率算出部
25 出力用バックライト値算出部
26 共有W透過率算出部
31 バックライト上限値算出部
32 γ補正後RGB信号最大・最小値算出部
33 彩度・輝度低減後RGB信号算出部
41 彩度低減後輝度低減率算出部
42 彩度低減後輝度低減信号値変換部
53 第2出力信号生成部
54 第2液晶パネル制御部
55 第2RGBW液晶パネル
61 入力信号分割部
71 パソコン本体
72 CPU
73 メモリ
74 入出力インタフェース
75 入出力装置
76 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、
発光輝度を制御可能な白色バックライトとを備え、
上記液晶パネルは、RGBの各サブピクセルの面積が同じで、かつ、RGBの各サブピクセルの面積に対する1画素当りのWサブピクセルの面積比をWサブピクセル面積比としたとき、このWサブピクセル面積比が1未満であることを特徴とする透過型液晶表示装置。
【請求項2】
上記液晶パネルは、1組のRGBサブピクセルが1画素により占有され、かつ1つのWサブピクセルが複数画素により共有されていることを特徴とする請求項1に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項3】
上記液晶パネルは、RGBW全てのサブピクセルの形状及び面積が等しいことを特徴とする請求項2に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項4】
上記液晶パネルは、RGBWの各サブピクセル面積を同じにした時のRGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対する、Wサブピクセルから出力される輝度の比率を白色輝度比とし、この白色輝度比が1以上であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
【請求項5】
入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])(i=1,2,...,Np、Npは入力画像内の画素数)より、γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])を算出するγ補正部と、
上記γ補正後RGB信号より、白色バックライト信号及び各サブピクセルのRGBW透過率信号を生成する出力信号生成部とを備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
【請求項6】
入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])(i=1,2,...,Np)より、入力画像内の0個以上の画素の彩度、あるいは輝度、あるいは彩度と輝度との両方を低減させた彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])を算出する彩度・輝度低減部と、
上記彩度・輝度低減後RGB信号より、γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])を算出するγ補正部と、
上記γ補正後RGB信号より、白色バックライト信号及び各サブピクセルのRGBW透過率信号を生成する出力信号生成部とを備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
【請求項7】
上記出力信号生成部は、白色輝度比を考慮した出力信号生成を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項8】
上記出力信号生成部は、Wサブピクセル面積比を考慮した出力信号生成を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項9】
上記彩度・輝度低減部は、上記白色バックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することで、上記出力信号生成部において上記バックライト値低減率に応じたバックライト値以下になることが保証されるように、上記彩度・輝度低減後RGB信号を生成することを特徴とする請求項6に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項10】
上記彩度・輝度低減部は、白色輝度比を考慮した彩度・輝度低減を行うことを特徴とする請求項6に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項11】
上記彩度・輝度低減部は、Wサブピクセル面積比を考慮した彩度・輝度低減を行うことを特徴とする請求項6に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項12】
上記出力信号生成部は、
以下の(A)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各Wサブピクセルの透過量(Wtx[i])を算出するW透過量算出部と、
以下の(B)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各RGBサブピクセルの透過量(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])を算出するRGB透過量算出部と、
以下の(C)の手順により、透過率算出用バックライト値(Wbx)を算出する透過率算出用バックライト値算出部と、
以下の(D)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各RGBWサブピクセルの透過率(rx[i],gx[i],bx[i],wx[i])を算出する透過率算出部と、
以下の(E)の手順により、Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値(Wbx’)を算出する出力用バックライト値算出部とを備えていることを特徴とする請求項7または8に記載の透過型液晶表示装置。
(A) W透過量(Wtx[i])を、(1)式および(2)式により算出する。
Wtx[i]
=min(maxRGBx/(1+1/WR’),minRGBx) …(1)
WR’=WR×arW …(2)
ただし、
WR’:Wサブピクセル面積比を考慮した白色輝度比
WR:(RGBWの各サブピクセル面積を同じにした時の)白色輝度比
arW:Wサブピクセル面積比
maxRGBx=max(Rx[i],Gx[i],Bx[i])
minRGBx=min(Rx[i],Gx[i],Bx[i])
Rx[i],Gx[i],Bx[i]:γ補正後RGB信号
(Rx[i],Gx[i],Bx[i])=(Rg[i],Gg[i],Bg[i])あるいは(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
Wtx[i]=Wtg[i]あるいはWtsg[i]
Wtg[i]:γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められるW透過量
Wtsg[i]:γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められるW透過量
(B) RGB透過量(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])を、(3)〜(5)式により算出する。
Rtx[i]=Rx[i]−Wtx[i] …(3)
Gtx[i]=Gx[i]−Wtx[i] …(4)
Btx[i]=Bx[i]−Wtx[i] …(5)
ただし、
(Rtx[i],Gtx[i],Btx[i])=(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])あるいは(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])
Rtg[i],Gtg[i],Btg[i]:γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められるRGB透過量
Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i]:γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められるRGB透過量
(C) 透過率算出用バックライト値Wbxを、(6)式により算出する。
Wbx=max(Rtx[1],Gtx[1],Btx[1],
Wtx[1]/WR’,
...
Rtx[Np],Gtx[Np],Btx[Np],
Wtx[Np]/WR’) …(6)
ただし、
Wbx=WbgあるいはWbsg
Wbg:γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められる透過率算出用バックライト値
Wbsg:γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められる透過率算出用バックライト値
(D) RGBW透過率(rx[i],gx[i],bx[i],wx[i])を、(7)〜(11)式により算出する。
rx[i]=Rtx[i]/Wbx …(7)
gx[i]=Gtx[i]/Wbx …(8)
bx[i]=Btx[i]/Wbx …(9)
wx[i]=(Wtx[i]/Wbx)/WR’ …(10)
ただし、Wbx=0のとき、
rx[i]=gx[i]=bx[i]=wx[i]=0 …(11)
(rx[i],gx[i],bx[i],wx[i])=(rg[i],gg[i],bg[i],wg[i])あるいは(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i])
(rg[i],gg[i],bg[i],wg[i]):γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められるRGBW透過率
(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i]):γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められるRGBW透過率
(E) Wサブピクセル面積比を考慮した出力用バックライト値(Wbx’)を、(12)〜(13)式により算出する。
Wbx’=Wbx/arRGB …(12)
arRGB=3/(3+arW) …(13)
但し、
arRGB:RGBサブピクセル面積比(RGBWパネルにおける1画素の面積に対する、RGBサブピクセルの面積比)
Wbx’=Wbg’あるいはWbsg’
Wbg’:γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められる出力用バックライト値
Wbsg’:γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められる出力用バックライト値
【請求項13】
上記液晶パネルは、1組のRGBサブピクセルが1画素により占有され、かつ1つのWサブピクセルが複数画素により共有されており、
上記出力信号生成部は、さらに、以下の(F)の手順を(Np/Ns)回だけ繰り返すことにより、Wサブピクセルの複数画素による共有を考慮したWサブピクセル透過率(wsg’[j])を算出するWサブピクセル透過率算出部を備えていることを特徴とする請求項12に記載の透過型液晶表示装置。
(F) Wサブピクセルの複数画素による共有を考慮したWサブピクセル透過率(wx’[j])を(14)式により算出する。
【数1】

ただし、
Ns:Wサブピクセルが共有される画素の数(≧2)
sIdx[j,k]:j番目のWサブピクセルを共有している画素のWサブピクセル透過率配列(wx[i])要素番号(k=1,...,Ns)
wx’[j]=wg’[j]あるいはwsg’[j]
wg’[j]:γ補正後RGB信号(Rg[i],Gg[i],Bg[i])に基づいて求められる共有を考慮したWサブピクセル透過率
wsg’[j]:γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に基づいて求められる共有を考慮したWサブピクセル透過率
【請求項14】
上記彩度・輝度低減部は、
彩度・輝度低減処理を以下の(A)〜(C)の手順によって行い、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])を彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])に変換することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の透過型液晶表示装置。
(A) バックライト上限値MAXwを、(15)式を用いて算出する。
MAXw=MAX×BlRatio …(15)
ただし、
MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
(≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
以下の(B)〜(C)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
(B) 入力RGB信号に対するγ補正後のRGB信号の最大値maxRGBgおよび最小値minRGBgを、(16)および(17)式を用いて算出する。
maxRGBg=max(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(maxRGB,γ) …(16)
minRGBg=min(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(minRGB,γ) …(17)
ただし、
Rg[i],Gg[i],Bg[i]:入力RGB信号に対するγ補正後のRGB信号
max(A,B,…):A,B,…の最大値
min(A,B,…):A,B,…の最小値
maxRGB:入力RGB信号の最大値
(=max(R[i],G[i],B[i]))
minRGB:入力RGB信号の最小値
(=min(R[i],G[i],B[i]))
γ:γ係数(>0)
fg(x,g):γ補正関数
(γ補正により入力RGB信号値の大小関係が逆転しないものとする)
(C) 下記(18)式を満たす場合、下記(19)式を満たす彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])を算出する。
MAXw<max(maxRGBg/(1+WR’),
maxRGBg−minRGBg) …(18)
max(maxRGBsg/(1+WR’),maxRGBsg
−minRGBsg)−MAXw=0 …(19)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(max(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(fs(max(R[i],G[i],B[i])),γ)
=fg(fs(maxRGB),γ) …(20)
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(min(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(fs(min(R[i],G[i],B[i])),γ)
=fg(fs(minRGB),γ) …(21)
fs(x):彩度・輝度低減関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
(彩度・輝度低減により、入力信号値の大小関係が逆転しないものとする)
下記(18)式を満たさない場合、入力RGB信号の値を彩度・輝度低減後RGB信号の値として出力する。
【請求項15】
上記液晶パネルに対して複数のアクティブバックライトを備え、
各アクティブバックライトに対応する領域毎に、液晶パネルの透過率制御およびバックライトのバックライト値制御を行うことを特徴とする請求項1から14の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
【請求項16】
コンピュータに、上記請求項5から14の何れかに記載の各機能部の処理を行わせることを特徴とする制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−96974(P2010−96974A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267429(P2008−267429)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】