説明

通信カラオケ管理システム

【課題】本発明は、通信カラオケ端末に対して利用者の歌唱に応じた所定の歌唱対応表示をさせる通信カラオケ管理システムに関し、全国的規模または任意集合体毎における所定団体別毎の歌唱力を簡易に比較、評価することを目的とする。
【解決手段】ランキング演算手段28が、所定の通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による登録者ID及び歌唱採点に基づき、都道府県で配属させた団体を登録者DB31より特定し、上記歌唱採点を当該特定した都道府県に属する総ての登録者の歌唱採点に含ませて平均値を演算して他の各都道府県の平均値と比較した全団体別の順位を演算し、表示ファイル作成手段27が、当該団体の順位を含めた全団体別毎のランキングを対応の通信カラオケ端末に表示させるためのランキング表示ファイルを作成する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定数の通信カラオケ端末に対して利用者の歌唱に応じた所定の団体別歌唱対応表示をさせる通信カラオケ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信カラオケの施設が全国的に広がりを見せ、記憶技術や記録技術の発展、また通信技術の発展により利用者に対して種々のサービスを提供することができるようになってきている。例えば、利用者の歌唱に対する歌唱力の判定も通信カラオケの利用を喚起させるサービスとして広がりを見せている。一方で利用者に対して新たなサービスの提供も望まれる。
【0003】
従来、通信カラオケを利用する利用者に対するサービスして、例えば歌唱力の判定、歌唱力に応じた段位認定やオーディション等がある。そのうち、歌唱力の判定は、カラオケ演奏装置に歌唱力採点機能を付帯させ、カラオケ楽曲の演奏中にマイクから入力される歌唱音声とカラオケ伴奏音楽の主旋律などとを比較し、その音程や発音タイミングの差によって採点するものである。このような歌唱力採点機能を用いて利用者に特定のサービスを提供する形態が以下の特許文献等に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−055184号公報
【0005】
上記特許文献に開示されている通信カラオケシステムは、カラオケ演奏端末が利用者を特定するための利用者IDを取得して当該利用者IDに対応した採点情報をカラオケホスト装置に送信し、当該ホスト装置において送信されてきた利用者IDおよび採点情報に基づき、月間あるいは年間などの所定期間毎に個人毎の採点ランキングを作成するというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献に開示されている所定期間毎に採点ランキングを作成する技術は、利用者による通信カラオケシステムの利用を十分に喚起できるものであるが、個人レベルでの歌唱力の比較、評価に止まる。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、全国的規模または任意集合体毎における所定団体別毎の歌唱力を簡易に比較、評価する通信カラオケ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備える通信カラオケ管理システムであって、前記通信カラオケ端末の各利用者が登録した際の、少なくとも登録者IDおよび当該登録者の種々の属性情報を当該各利用者毎に格納する第1格納手段と、予め前記登録者の所定の属性情報に基づき、当該登録者を団体分けする集合体情報が設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による前記登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、上記設定された集合体情報で配属させた団体を前記第1格納手段より特定し、上記送られてきた歌唱採点を当該特定した団体に属する総ての登録者の歌唱採点に含ませて予め定めた比較値とする演算を行うと共に、他の団体の比較値と比較した全団体別の順位を演算するランキング演算手段と、少なくとも、順位を付された前記全団体の情報を格納し、随時更新される第2格納手段と、前記登録者IDおよび歌唱採点を送ってきた通信カラオケ端末に表示させるために、前記第2格納手段に格納された利用者の属する団体の順位を含めたランキング表示ファイルを作成する表示ファイル作成手段と、を有する構成とする。
【0009】
請求項2の発明では、前記表示ファイル作成手段は、前記登録者が操作する前記通信カラオケ端末または前記通信ネットワークに接続された所定の端末より前記団体別毎のランキング表示が要求されたときに、当該登録者の前記登録者IDの属する団体を前記第1格納手段で特定し、当該特定した団体の順位を含めた前記ランキング表示ファイルを前記第2格納手段より抽出して作成する構成である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、設定された集合体情報で配属させた団体を特定し、送られてきた歌唱採点を当該特定した団体に属する総ての登録者の歌唱採点に含ませて演算した比較値と、他の団体の比較値と比較した全団体別の順位を演算し、当該団体の順位を含めた全団体別毎のランキングを対応の通信カラオケ端末に表示させるためのランキング表示ファイルを作成する構成とすることにより、全国的規模または任意集合体毎における団体別毎の歌唱力のランキングを簡易に比較、評価することができ、利用者に対して新たなサービスを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る通信カラオケ管理サーバのネットワーク接続状況の模式図を示す。通信カラオケ管理システムとしての通信カラオケ管理サーバ11は、歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末を、登録利用者と共に通信ネットワークを介して管理するシステムとして、一般公衆電話回線やこれを用いたADSLあるいはインターネット、さらには、LANなどの通信ネットワーク12上に、必要であればネット接続中継サーバ13を介して通信自在に接続される。
【0012】
本実施例では、上記通信ネットワーク12上には、当該ネットワークに対して通信自在とさせるネット接続中継サーバ13が介在されて、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末14(14A〜14N)、所定数の端末16およびモバイル端末17が接続される。当該通信カラオケ端末14(14A〜14N)には、例えば、各通信カラオケ端末(14A〜14N)で使用されるディスプレイ付きリモコン装置等の遠隔入出力装置15A〜15Nがそれぞれ備えられる。
【0013】
上記端末16としては、例えばネット接続中継サーバ13に対して電話回線等を使用する有線式の双方向通信可能なテレビジョンやコンピュータ端末等がある。上記モバイル端末17としては、例えばデータ量を調整する対応のネット接続中継サーバ13に対して無線方式でアクセス可能な携帯電話、モバイルコンピュータ、双方向通信可能なモバイルテレビジョン等がある。
【0014】
そこで、図2に本発明に係る通信カラオケ管理サーバのブロック構成図を示すと共に、図3に図2の登録者DBおよび団体別DBに記憶されるデータ内容の一例を示した説明図を示す。図2において、通信カラオケ管理サーバ11は、適宜、制御手段21、バス22、通信手段23、認証手段24、RAM25、設定手段26、ランキング演算手段27、表示ファイル作成手段28、DB管理手段29、第1格納手段である登録者DB(データベース)30および第2格納手段である団体別DB31を備える。なお、上記DB管理手段29、登録者DB30および団体別DB31は、当該サーバ内ではなく外部のDBサーバまたは外部記憶装置として、全部または個別に設置される構成としてもよい。
【0015】
ここで、上記登録者DB30は、通信カラオケ端末14(14A〜14N)の各利用者が例えば会員として予め所定事項の登録情報を格納しておくもので、その登録情報には少なくとも登録者IDおよび当該登録者の種々の属性情報が含まれる。例えば、図3(A)に示すように、登録者ID、氏名、セカンドネーム、パスワード、郵便番号、住所、電話、年齢、性別、血液型、職種が含まれ、適宜、登録者の顔写真等のイメージファイル名が関連づけられている。当該各イメージファイルは、図示しないが、当該登録者DB30に設けられたフォルダに格納される。
【0016】
また、上記団体別DB31は、後述のランキング演算手段27で演算された団体別のランキングの情報を格納するもので、ランキングの順位等によって随時更新されるものである。例えば団体別DB31は、図3(B)に示すように、ログファイル31Aおよびランキングファイル31Bが適宜格納される。当該ログファイル31Aは上記通信カラオケ端末14(14A〜14N)の利用毎に、随時、登録者ID(セカンドネーム)に関連させた団体(ここでは都道府県)、採点された歌唱点、歌唱楽曲の楽曲コードが時間毎に追加されていく情報である。当該ランキングファイル31Bは、例えば、団体別(都道府県)毎に比較値(ここでは平均値とする)、最高点、参加人数が関連づけられ、当該比較値(平均値)による順位が付された情報である。そして、上記登録者DB30と共に、情報の更新、閲覧(抽出)が上記DB管理手段29で管理されるものである。
【0017】
上記制御手段21は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM25等に展開されて実行される。上記通信手段23は、通信ネットワーク12上の通信カラオケ端末14およびその遠隔入出力装置15、端末16、モバイル端末17との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成される。
【0018】
上記認証手段24は、通信カラオケ端末14(遠隔入出力装置15)、当該登録者の使用する端末16およびモバイル端末17からのアクセス要求で受信した認証データ(登録者ID、パスワード)と、登録者DB30に格納されている登録者ID、パスワードとを照合して、正規の登録者であるか否かを認証するもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。上記RAM25は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0019】
上記設定手段26は、当該通信カラオケ管理サーバ11が登録者IDで管理される当該登録者の属性情報に基づいて予め団体分けを設定するための手段であり、図示しない入力手段等により集合体情報が入力設定されるもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。ここでは、登録者の住所の都道府県を集合体情報とし、当該都道府県を団体として設定した場合を示している。なお、上記都道府県の区市町村別で団体分けしてもよく、また図3(A)に示すように、例えば年齢(年代別)、性別、血液型または職種を集合体情報として団体分けを行ってもよい。
【0020】
上記ランキング演算手段27は、少なくとも、上記所定の通信カラオケ端末14(14A〜14N)より送られてきた所定の利用者による登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、上記設定された集合体情報で配属させた団体を登録者DB30より特定し、上記送られてきた歌唱採点を当該特定した団体に属する総ての登録者の歌唱採点に含ませて予め定めた比較値(平均値)とする演算を行うと共に、他の団体の比較値(平均値)と比較した全団体別の順位を演算するもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。
【0021】
上記表示ファイル作成手段28は、登録者IDおよび歌唱採点を送ってきた対応の通信カラオケ端末14に表示させるために、上記団体別DB31に格納された利用者の属する団体の順位を含めたランキング表示ファイルを作成すると共に、登録者が操作する通信カラオケ端末14(遠隔入出力装置15)または上記通信ネットワーク12に接続された所定の端末16、モバイル端末17より団体別毎のランキング表示が要求されたときに、当該登録者の登録者IDの属する団体を登録者DB30で特定し、当該特定した団体の順位を含めたランキング表示ファイルを団体別DB31より抽出して作成するもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。
【0022】
ここで、図4に、図1の通信カラオケ端末のブロック構成図を示す。図4に示す通信カラオケ端末14(14A〜14N)は、少なくとも、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備えるものとして、制御手段41、バス42、RAM43、記憶手段44、歌唱採点手段45、映像出力手段46、表示手段47、操作制御手段48、音声入力手段49、マイク50、音楽曲出力手段51、スピーカ52、カード読取手段53、送受信手段54、送信ファイル作成手段55、通信手段56を適宜備える。
【0023】
上記制御手段41は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM43等に展開されて実行される。当該RAM43は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0024】
上記記憶手段44は、例えばハードディスク(HDD)等の記憶装置であり、楽曲元データが楽曲コード毎に記憶され、当該楽曲に対応した映像データが記憶されると共に、適宜、登録者IDファイル、採点ログファイルが記憶される。上記歌唱採点手段45は、例えば採点テーブルを備え、選択された楽曲元データに基づいて音楽曲出力手段51でデジタル再生された楽曲の主旋律のピッチ基準値と、マイク52より入力されてくる歌唱データをデジタル変換したデジタル歌唱データから抽出した歌唱ピッチとを上記採点テーブルを参照して比較し、これを例えば1小節ごとの区間毎の比較した結果の得点として例えば平均することにより採点結果とするもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0025】
上記映像出力手段46は、遠隔入出力装置15に種々の表示をさせるための映像を出力すると共に、選択された楽曲コードに対応した映像データを当該楽曲に同期させて表示手段47に出力するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。遠隔入出力装置15はGUI機能を付帯し、例えば液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層した入出力用の利用者インタフェイスが搭載され、当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるものである。そして、操作制御手段48は、当該タッチセンサからの入力データを制御するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0026】
上記音声入力手段49は、マイク50からのアナログ音声データをA/Dコンバータ(図示省略)を介してデジタル変換する処理を主体とし、上記音楽曲出力手段51は、記憶手段44より選択された楽曲の楽曲元データをデジタル再生してアナログ変換すると共に、上記マイク50からのデジタル音声データをアナログ変換し、ミキシングしてスピーカ52に出力する。
【0027】
上記カード読取手段53は、登録者である利用者が所持する非接触型のICカード(利用者カード)61を読み取る装置であり、少なくとも利用者の登録者IDを読み取る。上記送受信手段54は、遠隔入出力装置15との間で有線方式ないし無線方式(ブルートゥース機構のピコネット接続方式)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。当該遠隔入出力装置15は当該通信カラオケ端末14に対して種々の操作および表示が可能であり、上記操作制御手段48によって当該操作信号が制御される。
【0028】
上記送信ファイル作成手段55は、通信カラオケ管理サーバ11に対して利用者(登録者)に関する所定の情報を送信する際に送信ファイルを作成するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。上記通信手段56は、通信ネットワーク12上の通信カラオケ管理サーバ11との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成されるものである。
【0029】
そこで、図5に図4の通信カラオケ端末における処理フローチャートを示すと共に、図6に通信カラオケ端末上での表示形態の一例の説明図を示す。まず、図5において通信カラオケ端末14では、利用者が所持するICカード61がカード読取手段53にセットされると、当該ICカード61より登録者IDを読み取り、RAM43等のメモリに一旦記憶する(ステップ(S)1)。
【0030】
上記遠隔入出力装置15には、映像表示手段46により団体戦に参加するか否かを選択させる表示がなされ、利用者が当該遠隔入出力装置15から選択がなされる(S2)。そこで、利用者が、例えば遠隔入出力装置15より選択、指定した楽曲コードが入力されると、当該楽曲コードに応じた楽曲元データおよび映像データを記憶手段44より抽出し、映像データに基づいて映像出力手段46が表示手段47に表示させると共に、楽曲元データに基づいて音楽曲出力手段51がスピーカ52より再生させる(S3)。
【0031】
当該楽曲を利用者により歌唱されている際に、歌唱信号が音声入力手段49を介して歌唱採点手段45に随時入力されると(S4)、当該入力される歌唱信号に基づいて歌唱採点手段45が上述のように順次採点処理を行い(S5)、歌唱終了後に(S6)、最終的な採点処理を行う。当該採点処理の採点結果を映像出力手段46が表示手段47ないし遠隔入出力装置15が付帯するLCD上に表示させる(S7)。そして、利用者が団体戦への参加を選択していなければ終了し(S8)、選択されていれば一旦記憶した当該利用者の登録者ID、歌唱した楽曲コードおよび採点結果に基づいて送信ファイル作成手段55が送信ファイルを作成して通信カラオケ管理サーバ11に送信する(S9)。このとき、表示手段47ないし遠隔入出力装置15が付帯するLCD上では、図6(A)に示すように、歌唱採点と「ランキング処理中」とが映像出力手段46により表示される。
【0032】
上記登録者ID、楽曲コードおよび採点結果の送信ファイルを受信した通信カラオケ管理サーバ11での処理は、後述の図7で説明するが、当該通信カラオケ管理サーバ11で作成されたランキング表示ファイルを受信すると(S10)、表示手段47ないし遠隔入出力装置15が付帯するLCD上にランキングを表示する(S11)。上記ランキング表示の一例が図6(B)、(C)に示される(図7で説明する)。
【0033】
続いて、図7に、図2の通信カラオケ管理システムにおける処理フローチャートを示す。図7において、通信カラオケ管理システムとしての通信カラオケ管理サーバ11では、まず、通信ネットワーク12を介して所定の通信カラオケ端末14より、利用者の登録者ID、楽曲コードおよび採点結果の送信ファイルを受信する(S21)。そこで、ランキング演算手段27が、登録者DB30より当該登録者IDに対応する団体としての都道府県名およびセカンドネームを抽出し、受信した楽曲コードおよび採点結果を含めて団体別DB31のログファイル31Aに記録し(S22)、当該ログファイル31Aにおける同一の都道府県名における全員の歌唱点を加算した総合点より比較値としての平均値を演算する(S23)。
【0034】
また、ランキング演算手段27では、団体別DB31のランキングファイル31B中における対応の都道府県名の平均点および参加人数を更新すると共に、受信した採点結果が最高点を超えていれば当該最高点を更新する(S24)。さらに、各都道府県の平均点を比較し、ランキングファイル31Bにおける順位に変動があれば、これを更新する(S25)。
【0035】
そこで、表示ファイル作成手段28において、ランキングファイル31Bに基づいて、上位より10位までのリストを作成し、その時に当該利用者の都道府県の順位が10位を超えている場合には欄外に当該都道府県名の順位を含めたランキング表示ファイルを作成する(S26)。一例を示せば、当該利用者(登録者)の属する団体(例えば宮城県)が上位10位までにあれば、図6(B)に示すように、例えば当該順位の行に網掛け等の表示を施した表示ファイルを作成し、当該利用者(登録者)の属する団体(例えば長野県)が上位10位を超えている場合には、図6(C)に示すように、例えば欄外に当該都道府県名の順位の行を付加した表示ファイルを作成するものである。
【0036】
そして、表示ファイル作成手段28で作成された上記のようなランキング表示ファイルが対応の通信カラオケ端末14に送信されるもので(S27)、当該ランキング表示ファイルが上述のように通信カラオケ端末14の表示手段47ないし遠隔入出力装置15が付帯するLCD上で表示されるものである。
【0037】
次に、図8に、通信カラオケ管理システムにおける端末からのランキング閲覧要求に対する処理フローチャートを示す。ここでは、所定の通信カラオケ端末14からのランキング閲覧要求の処理については省略する。図8において、まず、所定の端末16またはモバイル端末17よりランキングファイルの閲覧供給を受信すると(S31)、当該端末に対して認証手段24が登録者IDおよびパスワードを要求するファイルを作成して通信手段23より送信させる(S32)。そこで、当該端末より登録者ID、パスワードを受信したときに、当該認証手段24が登録者DB30を参照して照合を行う(S33)。
【0038】
照合の結果(S34)、不一致の場合には、再度登録者ID、パスワードを要求するファイルを当該端末に送信することを所定回数(例えば5回)繰り返し(S32〜S35)、それでも不一致の場合にはアクセス不能のファイルを作成して当該端末に送信して終了する(S36)。
【0039】
一方、照合の結果(S34)、一致した場合には、登録者IDに対応した団体(都道府県名)が特定され、表示ファイル作成手段28が団体別DB31よりランキングファイル31Bを抽出し、ランキング表示ファイルを作成する(S37)。その時、上述のように、当該登録者の属する団体が上位10位までにあれば、当該順位の行に網掛け等の表示を施した表示ファイルを作成し(図6(B)参照)、当該登録者の属する団体が上位10位を超えている場合には、欄外に当該都道府県名の順位の行を付加した表示ファイルを作成するものである(図6(C)参照)。
【0040】
そこで、要求した端末がモバイル端末(携帯電話)17か否かを特定し(S38)、モバイル端末17であれば作成したランキング表示ファイルに基づいて当該モバイル端末17対応のデータ量に削減したモバイル用ランキング表示ファイルを作成する(S39)。そして、要求端末がモバイル端末でない場合のランキング表示ファイルまたはモバイル用ランキング表示ファイルを当該要求の端末に送信するものである(S40)。
【0041】
このように、全国的規模または任意集合体毎における団体別毎の歌唱力のランキングを簡易に比較、評価することができ、利用者に対して新たなサービスを提供することができるものであり、通信カラオケ端末14の利用者に対して歌唱による新たな楽しみ方を提案することができるものである。
【0042】
ところで、上記実施形態では団体別にランキングする際、参加利用者の人数や同一利用者の参加回数を無制限としたが、適宜制限を付してもよい。また、各団体別に順位に応じて金額還元できるポイントを各団体毎に付与し、各団体毎に人数割りで利用者のICカード61にポイントを付与することとしてもよく、さらに利用喚起を増大させることできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の通信カラオケ管理システムは、歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末を、登録利用者の情報と共に通信ネットワークを介して管理するシステムに適する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る通信カラオケ管理サーバのネットワーク接続状況の模式図である。
【図2】本発明に係る通信カラオケ管理サーバのブロック構成図である。
【図3】図2の登録者DBおよび団体別DBに記憶されるデータ内容の一例を示した説明図である。
【図4】図1の通信カラオケ端末のブロック構成図である。
【図5】図4の通信カラオケ端末における処理フローチャートである。
【図6】通信カラオケ端末上での表示形態の一例の説明図である。
【図7】図2の通信カラオケ管理システムにおける処理フローチャートである。
【図8】通信カラオケ管理システムにおける端末からのランキング閲覧要求に対する処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
11 通信カラオケ管理サーバ
12 通信ネットワーク
13 ネット接続中継サーバ
14 通信カラオケ端末
15 遠隔入出力装置
16 端末
17 モバイル端末
28 ランキング演算手段
30 登録者DB
31 団体別DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備える通信カラオケ管理システムであって、
前記通信カラオケ端末の各利用者が登録した際の、少なくとも登録者IDおよび当該登録者の種々の属性情報を当該各利用者毎に格納する第1格納手段と、
予め前記登録者の所定の属性情報に基づき、当該登録者を団体分けする集合体情報が設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による前記登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、上記設定された集合体情報で配属させた団体を前記第1格納手段より特定し、上記送られてきた歌唱採点を当該特定した団体に属する総ての登録者の歌唱採点に含ませて予め定めた比較値とする演算を行うと共に、他の団体の比較値と比較した全団体別の順位を演算するランキング演算手段と、
少なくとも、順位を付された前記全団体の情報を格納し、随時更新される第2格納手段と、
前記登録者IDおよび歌唱採点を送ってきた通信カラオケ端末または前記通信ネットワークに接続された所定の端末に表示させるために、前記第2格納手段に格納された利用者の属する団体の順位を含めたランキング表示ファイルを作成する表示ファイル作成手段と、
を有することを特徴とする通信カラオケ管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信カラオケ管理システムであって、前記表示ファイル作成手段は、前記登録者が操作する前記通信カラオケ端末または前記通信ネットワークに接続された所定の端末より前記団体別毎のランキング表示が要求されたときに、当該登録者の前記登録者IDの属する団体を前記第1格納手段で特定し、当該特定した団体の順位を含めた前記ランキング表示ファイルを前記第2格納手段より抽出して作成することを特徴とする通信カラオケ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−11235(P2006−11235A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191211(P2004−191211)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】