通信システム、データベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラム
【課題】既存3G網などの既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現する。
【解決手段】代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、その受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する。そして、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、その受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する。
【解決手段】代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、その受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する。そして、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、その受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェムトセル用基地局を用いたシステムでハンドオーバを実現する通信システム、およびその通信システムに用いられるデータベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの無線端末(UE;user equipment)を呼接続させる既存の公衆移動通信網としての3G(third generation:第三世代移動体通信)網では、一般に、UEが移動することで帰属先の基地局(無線リンク用論理ノード;Node B)が変わっても、ハンドオーバ(hand over)により通話が継続できるようになっている。
こうした既存3G網におけるハンドオーバについては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)が各種の規格を制定している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、こうした既存3G網と無線LANとの間のハンドオーバの際に、移動先でGGSN情報を参照できるようにすることで、移動元と同一のGGSNを選択可能とするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人による通信システムとして、家庭やオフィスなどに設置されたIMS(IP Multimedia Subsystem)網による有線回線を経由して移動通信コアネットワークに接続させるフェムトセル用基地局(Femto Access Point;FAP)を用いるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この特許文献2の通信システムでは、IMS網のコアネットワークで呼制御を行い、FAPを導入した通信システム(IMS-Femto網)について、FAP間だけでなく、MSCで呼制御を行う既存3G網との間でも、ハンドオーバにより通話を継続できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−271140号公報
【特許文献2】特開2010−252139号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP技術仕様 TS23.236 V5.4.0(2005−09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、IMS網は、主として通話等を実現するCS(Circuit Switching)サービス用のアーキテクチャである。そして、上述した非特許文献1や特許文献1といった既存3G網についての技術は、IMS網を用いてフェムトセル用基地局を導入した通信システム(IMS-Femto網)でのハンドオーバについてまで考慮されたものではなかった。
【0009】
このため、IMS-Femto網でのパケット通信におけるPS(Packet Switching)ハンドオーバにおいては、既存3G網でのハンドオーバのように、PSサービスによりユーザパケットを転送する際の接続の論理関係としてのPDP(Packet Data Protocol)コンテキストを引き継ぐことができないのが現状であった。このため、IMS-Femto網では、PSハンドオーバの際に、移動先でPDPコンテキストの確立を再度やり直す必要があった。
【0010】
また、上述した特許文献2のものは、IMS-Femto網でのCSハンドオーバについて、CSサービスによる通話を継続できるようにするものであり、PSハンドオーバにおける移動先にPDPコンテキストを引き継ぐことについてまで考慮されたものではなかった。このため、PSサービスについて、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバまでは実現できていなかった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、既存3G網などの既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる通信システム、およびその通信システムに用いられるデータベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムであって、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
サービス制御装置は、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るデータベース装置は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置であって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るサービス制御装置は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置であって、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
サービス制御装置は、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るフェムトセル用基地局は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局であって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
フェムトセル用基地局は、
UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求としてデータベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る通信方法は、
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムにおける通信方法であって、
IMS網は、フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置が、UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納工程と、
代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信工程と、
代表サービス制御装置からデータベース装置がP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納工程で格納されたアドレス情報を検索する検索工程と、
検索工程で検索されたアドレス情報をデータベース装置が代表サービス制御装置に送信するアドレス送信工程と、を備え、
代表サービス制御装置が、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信工程で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るデータベース装置のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置のプログラムであって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置のコンピュータに、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納処理と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索する検索処理と、
検索処理により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信処理と、を実行させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るサービス制御装置のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置のプログラムであって、
サービス制御装置は、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索して代表サービス制御装置に送信し、
サービス制御装置のコンピュータを、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部として機能させると共に、
サービス制御装置のコンピュータに、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信処理と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信処理で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御処理と、を実行させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るフェムトセル用基地局のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局のプログラムであって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索して代表サービス制御装置に送信し、
フェムトセル用基地局のコンピュータに、
UEに対してP-TMSIを発行する発行処理と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、発行処理により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求としてデータベース装置に送信する第2の登録要求処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、既存3G網などの既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態としての通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】既存3G網におけるPSハンドオーバの概略を説明する図である。
【図3】本実施形態のIMS-Femto網と既存3G網の間におけるPSハンドオーバの概略を説明する図である。
【図4】既存3G網のSGSN間におけるPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図である。
【図5】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その1である。
【図6】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その2である。
【図7】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その3である。
【図8】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その4である。
【図9】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その5である。
【図10】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その6である。
【図11】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その1である。
【図12】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その2である。
【図13】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その3である。
【図14】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その4である。
【図15】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その5である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る通信システム、データベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
まず、本実施形態の概略について、図1を参照して説明する。
本実施形態によるIMS-Femto網では、フェムトセル用基地局(FAP;Femto Access Point)を用いて無線端末であるUEの呼接続を行い、3GPPなどの規格に定められた範囲内で、既存の公衆移動通信網に変更を加える必要なく、既存網との間でのハンドオーバができるようになっている。
【0024】
また、本実施形態によるIMS-Femto網では、PSハンドオーバの際にも、PDPコンテキストの引き継ぎを実現する。このため、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網との間でPSハンドオーバが行われる場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを行うことができる。このため、パケット通信の途中や、パケット通信状態のまま所定時間無通信が続いたことによるPreservation状態でハンドオーバが行われた場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、パケット通信を継続させることができる。
【0025】
<通信システムのシステム構成例>
次に、本実施形態としての通信システムの構成について詳細に説明する。
本実施形態としての通信システムは、図1に示すように、既存3G網(Macro網)と、IMS-Femto網と、LTE(Long Term Evolution)網とを備え、それぞれがP−GW(PDN Gateway)を介するなどにより各種の公衆データ網(PDN;Public Data Network)に接続されて構成される。
【0026】
既存3G網は、3Gサービスを提供する既存の移動通信網であり、SGSN(Serving GPRS Support Node)93と、GGSN(Gateway GPRS Support Node)94と、HLR(Home Location Register)95と、DNS(Domain Name Server)96と、MSC(Mobile Services Switching Center)97と、RAN(Radio Area Network)と、を備えて構成される。RANは、RNC(Radio Network Controller)92と、NB(Node B)91とを備えて構成され、Node B91配下にUE1を収容する。
【0027】
既存3G網を構成するUE1、Node B91、RNC92、SGSN93、GGSN94、HLR95、DNS96、MSC97は、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については省略する。既存3G網に利用されている技術については、例えば上述した非特許文献1や、3GPP TS 33.234 V8.0.0(2007-12)等に開示されている。
【0028】
LTE網は、eNB(eNode B)81と、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving Gateway)82などを備えて構成され、eNB81配下にUE1を収容する。LTE網を構成する各装置については、3GPP TS23.401 V9.0.0(2009.3)等、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については省略する。
【0029】
IMS-Femto網は、所定の通信エリアを構築するFAP2と、PDG3と、PSサーバ4と、AAA(Authentication Authorization Accounting)5と、HSS(Home Subscriber Server)6と、DNS7と、IMSコア8と、DB(Database)装置9と、を備えて構成され、FAP2配下にUE1を収容する。
【0030】
FAP2は、半径数十メートル程度の狭い通信エリアをカバーする小型無線基地局である。
【0031】
PDG3は、メッセージを中継する装置である。
【0032】
PSサーバ(サービス制御装置)4は、既存3G網など他のネットワークの各装置に対して、既存3G網のSGSN93と同様の信号送受信を行い、そうした他のネットワークの各装置に対して仮想的にSGSNとして認識させるSGSN機能部を実現する。また、HLR95からPS加入者プロファイルを取得し、IMSI_UEに関連付けてPS−VLR(Visitor Location Register)として格納することで、Femto IMS網に接続される各UE1のPS加入者プロファイルを管理する。
【0033】
また、図2に示すように、上述した既存3G網について同様の構成が複数設けられ、それら複数のSGSNの内、1つが代表SGSNとして予め設定されていることとする。
また、図3に示すように、上述したIMS-Femto網について同様の構成が複数設けられ、それら複数のPSサーバの内、1つが代表PSサーバとして予め設定されていることとする。
また、上述したLTE網についても、同様に複数のLTE網が設けられていることとする。
【0034】
代表PSサーバは、PSハンドオーバにおける移動元のPSサーバへの転送が必要な信号を受信すると、移動元PSサーバのアドレス情報を後述するDB装置9に問い合わせ、そのDB装置9から返信されたアドレス宛てに受信信号を転送する。
【0035】
AAA5は、UE1の認証処理などを行う装置である。
【0036】
HSS6は、HLR95からCS加入者プロファイルを取得し、CS−VLRとして格納し、UE1のCS加入者プロファイルの管理などを行う。
【0037】
IMS網のDNS7は、IMS-Femto網でのアドレス情報の問い合わせ用に設けられたDNSである。このため、IMS-Femto網内の各PSサーバ4のアドレス情報を格納し、FAP2からAPNと共にPSサーバのアドレス要求を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。このことにより、問い合わせ元のFAPに割り当て可能なPSサーバのアドレス情報を割り当てることができるようになっている。
【0038】
また、IMS網のDNS7は、IMS-Femto網内の各PDG3のアドレス情報を格納し、FAP2からAPNと共にPDGのアドレス要求を受信した場合、PDGのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。このことにより、問い合わせ元のFAPに割り当て可能なPDGのアドレス情報を割り当てることができるようになっている。
【0039】
IMSコア8は、セッション制御などを行うコール状態制御サーバ(CSCF;Call Session Control Function)などのコア装置を含んで構成されるコアネットワークである。UE1はFAP2、PDG3を介してIMSコア8に位置登録処理を行い、IMSコア8は、FAP2配下に在圏している各UEに対する呼制御等の機能を実現する。
【0040】
DB装置9は、UEに対して発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)と、UE帰属先FAPのRAI(Routing Area Identity)と、UEのIMSIと、そのUE帰属先のFAPを管理するPSサーバのアドレス情報とのセットを登録情報として受信することで、このP-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバのアドレス情報とを関連付けて、データベースとして格納する。
このことにより、PSサーバのアドレス情報の問い合わせを受信すると、その問い合わせと共に受信したP-TMSIやRAIをキーとして自装置内のデータベースを検索し、そのP-TMSIやRAIに関連付けられているアドレス情報を問い合わせの送信元に返信する。
【0041】
RAIは、3GPPに規定される情報であると共に、各FAPにもユニークに割り当てられる。このため、DB装置9に登録されるRAIは、UEの帰属先FAPを特定する特定情報として用いられる。
【0042】
<PSハンドオーバ動作の概略(既存3G網内)>
次に、本実施形態としての通信システムにおけるPSハンドオーバ動作の概略について説明する。
【0043】
まず、本実施形態の特徴となる動作の参考とするため、既存3G網内でのPSハンドオーバの際に、移動元Node-Bを管理しているSGSNを特定するための動作の概略について、図2を参照して説明する。この既存3G網内でのPSハンドオーバ動作は、3GPP TS23.236により標準化されている技術である。
【0044】
UE1のPS位置登録時に、SGSNは、P-TMSIに自装置の特定情報(NRI;Node Resouse Indicator)を埋め込んで送出する(ステップS91)。
【0045】
こうしてPS発信が確立された後、UE1を持っているエンドユーザがエリア移動するなどの契機によりハンドオーバが開始されると(ステップS92)、Inter-RAU(Routing Area Update)が起動される(ステップS93)。
【0046】
3GPP技術仕様におけるIu−Flex機能では、移動先のSGSNは、UE1から送信されたRAI(Routing Area Identity)からでは移動元のSGSNアドレスを見つけることができない。このため、まず代表SGSNにGTP(GPRS Tunneling Protocol)信号が転送されることとなる(ステップS94)。
【0047】
代表SGSNは、P−TMSIに含まれるNRIから、そのNRIにより特定されるSGSNを移動元SGSNとして判定し、こうして特定された移動元SGSNに、受信したGTP信号を転送する(ステップS95)。
【0048】
<PSハンドオーバ動作の概略(IMS-Femto網から既存3G網)>
次に、UE1が、本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下から既存3G網のNode B配下にハンドオーバする場合に、移動元FAPを管理しているPSサーバを特定するための動作の概略について、図3を参照して説明する。
【0049】
UE1のPS発信の際、FAP2が自装置を管理するPSサーバとの間で通信を行った後で、FAP2は、UEに対して発行されたP-TMSIと、自装置のRAIと、UEのIMSIと、自装置を管理するPSサーバのアドレス情報とのセットをDB装置9に送信し、DB装置9のデータベースに登録する(ステップS1)。
【0050】
こうしてPS発信が確立された後、UE1を持っているエンドユーザがエリア移動するなどの契機によりハンドオーバが開始されると(ステップS2)、移動先の既存3G網でInter-RAU(Routing Area Update)が起動される(ステップS3)。
【0051】
既存3G網のSGSN93では、図2により上述した既存3G網におけるステップS94の動作と同様に、移動元のSGSNアドレスを見つけることができないため、代表PSサーバにGTP信号を転送する(ステップS4)。
【0052】
代表PSサーバは、移動元PSサーバのアドレス情報の問い合わせに、受信したGTP信号に含まれるP-TMSIやRAIを含め、DB装置9に送信する。DB装置9は、アドレス情報の問い合わせと共に受信したP-TMSIやRAIをキーとして自装置内のデータベースを検索し、そのP-TMSIやRAIに関連付けられているアドレス情報を代表PSサーバに返信する(ステップS5)。
【0053】
代表PSサーバは、DB装置9から移動元PSサーバのアドレス情報を受信すると、そのアドレス宛てに、受信したGTP信号を転送する(ステップS6)。
【0054】
以上のように、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、移動元PSサーバのアドレスを特定することができる。このため、既存3G網など既存の移動通信網との間であっても、既存3G網内におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる。
【0055】
<通信システムの動作例>
次に、本実施形態としての通信システムにおけるPSサーバによるSGSN機能部の動作と、PSハンドオーバの動作について、3GPPなどにより標準化されている動作との比較を含めて説明する。
【0056】
<既存3G網のSGSN間におけるPSハンドオーバ動作例>
まず、本実施形態の特徴となる動作の参考とするため、UEが、既存3G網で1つのSGSN管理下にあるNode B配下から、他のSGSNの管理下にあるNode B配下にハンドオーバした場合のPS位置登録の動作例について、図4のシーケンス図を参照して説明する。
この動作は、3GPPにより標準化されている動作である。また、図4の動作例では、簡易認証なしの場合の例について示す。
【0057】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているNode-Bを管理しているSGSNをSGSN(old)とし、移動後にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(new)とする。
【0058】
移動後のPS位置登録の動作として、まず、UEはRouting Area Update RequestをSGSN(new)に送信する(ステップA1)。UEは、移動前の帰属先Node-Bを特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0059】
SGSN(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、DNSに移動前のSGSN(old)のアドレス要求を送信する(ステップA2)。SGSN(new)は、このアドレス要求に、UEから受信したold RAIを含めて送信する。
【0060】
DNSは、SGSN(old)のアドレス要求を受信した場合、old RAIを参照し、そのold RAIのNode-Bを管理するSGSN(old)の情報を検索する。DNSは、こうしてold RAIに対応するSGSN(old)のアドレス情報をSGSN(new)に送信する(ステップA3)。
【0061】
SGSN(new)は、SGSN(old)のアドレス情報を受信した場合、そのSGSN(old)のアドレス宛に、GTP:SGSN context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップA4)。
【0062】
SGSN(old)は、GTP:SGSN context Requestを受信した場合、GTP:SGSN context ResponseにPDPコンテキストの構成情報を含めてSGSN(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップA5)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0063】
SGSN(new)は、GTP:SGSN context Responseを受信した場合、受信したPDPコンテキストの構成情報に基づいてPDPコンテキストの引き継ぎを行い、GTP:SGSN context AckをSGSN(old)に返信する(ステップA6)。
そして、SGSN(new)は、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップA7)。
【0064】
HLRは、MAP-Send Authentication Infoを受信した場合、MAP-Send Authentication Info ackをSGSN(new)に送信する(ステップA8)。
【0065】
次に、SGSN(new)は、GMM:Authentication RequestをUEに送信する(ステップA9)。
UEは、GMM:Authentication Requestを受信した場合、GMM:Authentication ResponseをSGSN(new)に返送する(ステップA10)。
【0066】
次に、SGSN(new)は、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップA11)。
UEは、Security Mode Commandを受信した場合、Security Mode CompleteをSGSN(new)に返送する(ステップA12)。
【0067】
次に、SGSN(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップA13)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、GTP:Update PDP context ResponseをSGSN(new)に送信する(ステップA14)。
【0068】
SGSN(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップA15)。SGSN(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0069】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをSGSN(old)に送信する(ステップA16)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0070】
SGSN(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、対象加入者データを装置内の記憶部から消去し、MAP-Cancel Location ackをHLRに送信する(ステップA17)。
【0071】
HLRは、MAP-Cancel Location ackを受信した場合、MAP-Insert Subscriber DataをSGSN(new)に送信する(ステップA18)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0072】
SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイルを作成し、PS-VLRとして格納する。そして、SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップA19)。
【0073】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをSGSN(new)に送信する(ステップA20)。
【0074】
SGSN(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップA21)。
【0075】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、Routing Area Update CompleteをSGSN(new)に送信する(ステップA22)。
【0076】
<IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例>
次に、UEが、本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下から既存3G網のNode B配下にハンドオーバする場合の動作例について、図5〜図10のシーケンス図を参照して説明する。
【0077】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているFAPをFAP(old)、そのFAP(old)を管理するPSサーバをPSサーバ(old)とし、移動後にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(new)とする。また、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(1)が確立しているものとする(ステップB1)。
【0078】
まず、移動前の初回位置登録として、UEはCS位置登録を開始する。CS位置登録として、UEはLocation Updating RequestをFAP(old)に送信する(ステップB2)。
【0079】
FAP(old)は、Location Updating Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB3)。
【0080】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB4)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。IMSI.UEは、UEを特定するための情報である。
【0081】
FAP(old)は、IDENTITY Responseを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPDGに送信する(ステップB5)。IKE-SA-INITは、Internet Key Exchange-Security Authentication-INITialiseである。
【0082】
PDGは、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB6)。FAP(old)は、IKE-SA-INIT Responseを受信することで、FAP(old)とPDGとの間でIKE SAを確立する。
【0083】
次に、FAP(old)は、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB7)。FAP(old)は、APN(Access Point Name)と、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。IKE-AUTHは、Internet Key Exchange-AUTHenticationである。APNは、ネットワークの連結ポイントを特定するための情報である。NAIは、ネットワークのアクセスを特定するための情報である。
【0084】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB8)。PDGは、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。Dia-EAPは、Diameter-Extensible Authentication Protocolである。
【0085】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。この場合、AAAは、NAIからCSサービスの位置登録と判断するため、Dia-Wx-MARをHSSに送信する。Dia-Wx-MARは、Diameter-Wx-Multimedia Authentication Requestである。
【0086】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-Send Authentication InformationをHLRに送信する(ステップB9)。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれているIMSI.UEをMAP-Send Authentication Informationに含めて送信する。
【0087】
HLRは、MAP-Send Authentication Informationを受信した場合に、MAP-Send Authentication Information AckをHSSに送信する(ステップB10)。HLRは、MAP-Send Authentication Informationに含まれているIMSI.UEに対応するRAND/AUTN/CK/IK/XRESを取得し、その取得したRAND/AUTN/CK/IK/XRESを含めて送信する。
【0088】
RAND/AUTN/CK/IK/XRESは、3GPPに準拠した情報である。RANDは、Random challengeであり、AUTNは、Authentication Tokenであり、CKは、Cipher Keyであり、IKは、Integrity Keyであり、XRESは、Expected RESponseである。
【0089】
なお、HLRが送信するMAP-Send Authentication Information Ackに含める情報として、RAND/AUTN/CK/IK/XRESは一例であり、こうした認証のための情報は、UEが契約しているNWの能力などに基づいて各種のものであってよい。
【0090】
HSSは、MAP-Send Authentication Information Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する。Dia-Wx-MAAは、Diameter-Wx-Multimedia Authentication Answerである。HSSは、HLRから受信したRAND/AUTN/CK/IK/XRESをDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0091】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップB11)。AAAは、Dia-Wx-MAAに含まれているRAND/AUTN/CK/IKをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0092】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する。PDGは、EAP-Request/AKA-Challengeと、Dia-EAP-Answerに含まれているRAND/AUTN/CK/IKと、をIKE-AUTH Responseに含めて送信する。AKAは、Authentication and Key Agreementである。
【0093】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB12)。FAP(old)は、IKE-AUTH Responseに含まれているRAND/AUTNをAuthentication Requestに含めて送信する。
【0094】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、そのAuthentication Requestに含まれているRAND/AUTNを基に、認証演算を行う。認証演算は、3GPPに準拠した方法で行う。
UEは、RESを算出し、その算出したRESをAuthentication Responseに含めてFAP(old)に送信する(ステップB13)。RESの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0095】
FAP(old)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する。FAP(old)は、EAP-Response/AKA-Challengeと、Authentication Responseに含まれているRESと、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0096】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB14)。PDGは、MAC(Message Authentication Code)を算出し、RES、MACをDia-EAP-Requestに含めて送信する。MACの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0097】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、UE認証を行う。UE認証は、3GPPに準拠した方法で行う。本動作例では、UE認証が成功した場合について示すこととし、AAAは、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップB15)。AAAは、EAP-SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0098】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップB16)。PDGは、APNをDia-AA-Requestに含めて送信する。
【0099】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPDGに送信する(ステップB17)。AAAは、IMSI.UEをDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0100】
PDGは、Dia-AA-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB18)。PDGは、EAP-SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0101】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB19)。
【0102】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB20)。
こうしてFAP(old)がIKE-AUTH Responseを受信し、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(2)が確立されることとなる(ステップB21)。
【0103】
次に、FAP(old)は、INFORMATIONAL RequestをPDGに送信する(ステップB22)。
【0104】
PDGは、INFORMATIONAL Requestを受信した場合に、INFORMATIONAL ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB23)。
【0105】
また、PDGは、Dia-ST-RequestをAAAに送信する(ステップB24)。
【0106】
AAAは、Dia-ST-Requestを受信した場合に、Dia-ST-AnswerをPDGに送信する(ステップB25)。
【0107】
PDGは、Dia-ST-Answerを受信した場合に、ステップB21で確立したIPsec Tunnel(2)を解放する(ステップB26)。こうしてUE認証後に不要となったIPsec Tunnel(2)を解放することで、リソースの有効活用を図ることができる。
【0108】
次に、FAP(old)は、SIP-REGISTERをIMSコアに送信する(ステップB27)。FAP(old)は、IMSI.UEをSIP-REGISTERに含めてIMSコアに送信する。
【0109】
IMSコアは、SIP-REGISTERを受信した場合に、Dia-Cx-UARをHSSに送信する(ステップB28)。
【0110】
HSSは、Dia-Cx-UARを受信した場合に、Dia-Cx-UAAをIMSコアに送信する(ステップB29)。
【0111】
IMSコアは、Dia-Cx-UAAを受信した場合に、Dia-Cx-SARをHSSに送信する(ステップB30)。IMSコアは、IMSI.UEをDia-Cx-SARに含めて送信する。
【0112】
HSSは、Dia-Cx-SARを受信した場合に、MAP Update LocationをHLRに送信する(ステップB31)。HSSは、IMSI.UEをMAP Update Locationに含めて送信する。
【0113】
HLRは、MAP Update Locationを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをHSSに送信する(ステップB32)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEのCS加入者情報が含まれている。
【0114】
HSSは、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEの加入者情報を基に、CS加入者プロファイルを作成する。HSSは、CS加入者プロファイルをCS-VLRに登録して管理する。
【0115】
次に、HSSは、MAP-Insert Subscriber Data AckをHLRに送信する(ステップB33)。
【0116】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data Ackを受信した場合に、MAP-Update Location AckをHSSに送信する(ステップB34)。
【0117】
HSSは、MAP-Update Location Ackを受信した場合に、Dia-Cx-SAAをIMSコアに送信する(ステップB35)。HSSは、IMSI.UEとCS-VLRの登録情報に基づいて、MSISDNをDia-Cx-SAAに含めて送信する。
【0118】
IMSコアは、Dia-Cx-SAAを受信した場合に、SIP-200 OKをFAP(old)に送信する(ステップB36)。IMSコアは、MSISDNをSIP-200 OKに含めて送信する。
【0119】
FAP(old)は、SIP-200 OKを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB37)。
【0120】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、3GPPに準拠した方法で秘匿処理を行い、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB38)。
【0121】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identities)の補足を行う。TMSIの補足は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0122】
FAP(old)は、IMSコアにSIP-SUBSCRIBEを送信し、確認処理を行う(ステップB39)。IMSコアは、確認処理OKの場合、SIP-200 OKをFAP(old)に送信する(ステップB40)。
また、IMSコアはSIP-NOTIFYをFAP(old)に送信し(ステップB41)、FAP(old)は、IMSコアにSIP-200 OKを返信する(ステップB42)。
【0123】
FAP(old)は、Location Updating AcceptをUEに送信する(ステップB43)。UEは、Location Updating Acceptを受信した場合に、TMSI Reallocation CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB44)。
【0124】
このように、本実施形態の通信システムによるCS位置登録では、FAPとPDGとの間でIPsec Tunnel(1)を確立した状態で(ステップB1)、UE、FAP(old)、PDG、AAA、HSS、HLRとの間でメッセージを送受信し、UEの認証処理を行い、UEの認証が成功した場合に、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(2)を確立する(ステップB2〜B21)。そして、そのUEの認証処理でFAP(old)とPDGとの間で確立したIPsec Tunnel(2)を解放する(ステップB22〜B26)。その後、HSSがHLRから取得したUEのCS加入者プロファイルをHSSのCS-VLRに登録する(ステップB27〜B32)。これにより、CSサービスの位置登録の際に、FAP(old)を介してUEの認証処理を行い、HSSのCS-VLRにUEのCS加入者プロファイルを登録することが可能となる。
【0125】
次に、ハンドオーバにおける移動前の初回位置登録におけるPS位置登録として、UEはAttach RequestをFAP(old)に送信する(ステップB45)。
【0126】
FAP(old)は、Attach Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB46)。
【0127】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB47)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。IMSI.UEは、UEを特定するための情報である。
【0128】
FAP(old)は、IDENTITY Responseを受信した場合に、自装置がアクセスするPDGのアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップB48)。FAP(old)は、PS位置登録用のAPNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する。
【0129】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PDGのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPDGのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPDGへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPDGにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPDGのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPDGのアドレス情報をFAP(old)に返送(Answer)する(ステップB49)。
【0130】
FAP(old)は、PDGのアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPDGに送信する(ステップB50)。そして、FAP(old)とPDGとの間でIKE SAを確立する(ステップB51)。
【0131】
FAP(old)は、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB52)。FAP(old)は、APN(Access Point Name)と、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0132】
FAP(old)は、Attach RequestをUEから受信したため、PSサービスの位置登録と判断し、NAIとして、"0PS0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"を送信する。"0PS0"は、PSサービスの位置登録である旨を意味する情報である。"<UE_IMSI>"は、UEを特定するための情報であり、ステップB47で受信したIDENTITY Responseに含まれていたIMSI.UEである。"<Femto_IMSI>"は、FAP(old)を特定するための情報である。
【0133】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB53)。PDGは、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0134】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。本動作例では、AAAはPSサービスの位置登録と判断するため、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップB54)。
【0135】
AAAは、NAIが"0PS0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"であるため、PSサービスの位置登録であると判断し、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIのIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0136】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップB55)。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-Send Authentication Infoに含めて送信する。
【0137】
ステップB56〜ステップB69までの処理は、ステップB10〜ステップB20と同様な処理をPS位置登録として行うことになる。なお、ステップB59,B60がステップB12に対応し、ステップB61,B62がステップB13に対応する。
【0138】
FAP(old)がIKE-AUTH Responseを受信すると、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(3)が確立される(ステップB70)。
【0139】
次に、FAP(old)は、INFORMATIONAL RequestをPDGに送信する(ステップB71)。
【0140】
PDGは、INFORMATIONAL Requestを受信した場合に、INFORMATIONAL ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB72)。
【0141】
また、PDGは、Dia-ST-RequestをAAAに送信する(ステップB73)。
【0142】
AAAは、Dia-ST-Requestを受信した場合に、Dia-ST-AnswerをPDGに送信する(ステップB74)。
【0143】
PDGは、Dia-ST-Answerを受信した場合に、ステップB70で確立したIPsec Tunnel(3)を解放する(ステップB75)。こうしてUE認証後に不要となったIPsec Tunnel(3)を解放することで、リソースの有効活用を図ることができる。
【0144】
FAP(old)は、次に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB76)。
【0145】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB77)。
【0146】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、Attach AcceptをUEに送信する(ステップB78)。FAP(old)は、Attach AcceptにP-TMSIを含めて送信する。ここでAttach Acceptに含めるP-TMSIは、FAP(old)がUEに対して発行するものであり、3GPPの規格に定められた条件を満たすものであればよい。すなわち、例えばP-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0147】
UEは、Attach Acceptを受信した場合に、P-TMSIを自装置内に記憶し、Attach CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB79)。
【0148】
次に、ハンドオーバにおける移動前のPS発信として、UEはService RequestをFAP(old)に送信する(ステップB80)。
【0149】
FAP(old)はService Requestを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB81)。
【0150】
UEはSecurity Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB82)。
【0151】
次に、UEは、Activate PDP Context RequestをFAP(old)に送信する(ステップB83)。UEは、IMSI.UEと、帰属先であるFAP(old)のAPN(Access Point Name)と、NSAPI(Network Service Access Point Identity)とをActivate PDP Context Requestに含めて送信する。NSAPIは、3GPPの規格に定められたActivate PDP Context Request信号におけるパラメータの1種である。
【0152】
FAP(old)は、Activate PDP Context Requestを受信した場合に、自装置を管理するPSサーバ(old)のアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップB84)。FAP(old)は、UEから受信したAPNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する。
【0153】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPSサーバへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPSサーバにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPSサーバ(old)のアドレス情報をFAP(old)に返送(Answer)する(ステップB85)。
【0154】
FAP(old)は、PSサーバ(old)のアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB86)。
【0155】
PSサーバ(old)は、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB87)。
【0156】
FAP(old)は、IKE-SA-INIT Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB88)。FAP(old)は、APNと、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0157】
FAP(old)は、Activate PDP Context RequestをUEから受信したため、PDP Activateと判断し、"0PDP0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"のNAIを送信する。"0PDP0"は、PDP Activateである旨を意味する情報である。"<UE_IMSI>"は、UEを特定するための情報であり、ステップB83で受信したActivate PDP Context Requestに含まれていたIMSI.UEである。"<Femto_IMSI>"は、FAP(old)を特定するための情報である。
【0158】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB89)。PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。また、EAP-Payload(empty)をDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0159】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれるNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。AAAは、PDP Activateと判断した場合に、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップB90)。
【0160】
AAAは、NAIが"0PDP0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"であるため、PDP Activateであると判断し、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIのIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0161】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-SAI[PDP]をHLRに送信する(ステップB91)。MAP-SAIはMAP-Send Authentication Infoであり、[PDP]は、PDP Activateを意味する。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-SAI[PDP]に含めて送信する。
【0162】
HLRは、MAP-SAI[PDP]を受信した場合に、MAP-SAI AckをHSSに送信する(ステップB92)。HLRは、MAP-SAI[PDP]に含まれているIMSI.UEに対応するRAND/AUTN/CK/IK/XRESを取得し、その取得したRAND/AUTN/CK/IK/XRESをMAP-SAI Ackに含めて送信する。
【0163】
HSSは、MAP-SAI Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する(ステップB93)。HSSは、MAP-SAI Ackに含まれているRAND/AUTN/CK/IK/XRESをDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0164】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB94)。AAAは、Result-Code(multi-round)、EAP-Request/AKA-ChallengeをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0165】
PSサーバ(old)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB95)。PSサーバ(old)は、EAP-Request/AKA-ChallengeをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0166】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB96)。
【0167】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、Authentication ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB97)。
【0168】
FAP(old)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB98)。FAP(old)は、EAP-Response/AKA-Challenge、Private Extensionと、ステップB83でUEから受信したNSAPIとをIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0169】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、NSAPI等を自装置内に格納し、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB99)。PSサーバ(old)は、EAP-Response/AKA-ChallengeをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0170】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB100)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)、EAP-Request/SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0171】
PSサーバ(old)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップB101)。
【0172】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB102)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)をDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0173】
PSサーバ(old)は、Dia-AA-Answerを受信した場合に、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップB103)。
【0174】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをPSサーバ(old)に送信する(ステップB104)。HLRは、IMSI.UEについての、既存3G網のSGSNに送信する場合と同様のPS加入者情報をMAP-Insert Subscriber Dataに含めて送信する。
【0175】
PSサーバ(old)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEのPS加入者情報を基に、PS加入者プロファイルを作成し、そのPS加入者プロファイルをPS-VLRに登録して管理する。そして、PSサーバ(old)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップB105)。
【0176】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合に、MAP-Update GPRS Location ackをPSサーバ(old)に送信する(ステップB106)。
【0177】
PSサーバ(old)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合に、既存3G網やパケット公衆網のDNSに、GGSNのアドレス要求(Request)を送信する(ステップB107)。PSサーバ(old)は、GGSNのアドレス要求(Request)にFAP(old)のAPNを含めて送信する。
【0178】
既存3G網やパケット公衆網のDNSは、アドレス要求(Request)に含まれるAPNに応じて、PSサーバ(old)がアクセスすべきGGSNのアドレスを返送(Answer)する(ステップB108)。
【0179】
PSサーバ(old)は、GGSNのアドレスを受信すると、その受信したアドレス宛てに、Create PDP Context Requestを送信する(ステップB109)。PSサーバ(old)は、Create PDP Context Requestに、UEのMSISDNと、FAP(old)から受信したNSAPIとを含めて送信する。
【0180】
GGSNは、Create PDP Context Requestを受信した場合に、Create PDP Context ResponseをPSサーバ(old)に送信する(ステップB110)。
【0181】
PSサーバ(old)は、Create PDP Context Responseを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB111)。PSサーバ(old)は、EAP-Request/SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0182】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB112)。
【0183】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB113)。
【0184】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、3G無線秘匿を行い、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB114)。3G無線秘匿は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0185】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB115)。PSサーバ(old)は、CF(Remote IPアドレス)をIKE-AUTH Responseに含めて送信する。CF(Remote IPアドレス)は、Activate PDP Contextの受信による新規IPSec確立を行う際に、FAP(old)に通知される接続元のIPアドレスであり、ユーザデータの通信に使用する。
【0186】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、FAP(old)とPSサーバ(old)との間でIPsec Tunnel(4)を確立し(ステップB116)、Radio Bearer SetupをUEに送信する(ステップB117)。
【0187】
UEは、Radio Bearer Setupを受信した場合、Radio Bearer Setup CompleteをFAP(old)に返信する(ステップB118)。FAP(old)は、Radio Bearer Setup Completeを受信した場合に、Activate PDP Context AcceptをUEに送信すると共に(ステップB119)、IMS-Femto網のDB装置に、P-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する(ステップB120)。ここでDB装置に送信しているP-TMSIは、ステップB78でFAP(old)がUEに対して発行したものである。
【0188】
IMS-Femto網のDB装置は、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを登録情報として受信した場合、P-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とを関連付けてデータベースとして格納する。
【0189】
なお、上述したステップB120でのDB装置への登録動作は、FAP(old)がPSサーバ(old)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(old)と通信を行った後、PDP確立までの間であれば、上述したタイミングに限定されず、予め定められた任意のタイミングで行うこととしてよい。
【0190】
また、上述したステップB120でのDB装置への登録動作は、FAP(old)からDB装置に登録要求を送信する動作に限定されず、FAP(old)がPSサーバ(old)に登録情報を送信した後、PSサーバ(old)からDB装置に登録要求を送信する動作であってもよい。
この場合、FAP(old)がPSサーバ(old)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(old)と通信を行った後、FAP(old)が、そのPSサーバ(old)のアドレス情報と、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとを含む登録情報をPSサーバ(old)に送信し、PSサーバ(old)が、その登録情報を受信してからPDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
【0191】
また、FAP(old)が、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(old)に送信し、PSサーバ(old)が、その受信情報に自装置のアドレス情報を含めた登録情報を、PDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
【0192】
FAP(old)からPSサーバ(old)への登録情報または登録情報の一部の送信は、例えば上述したステップB86、B88、B98、B114の何れかの信号に含めることが好ましい。
【0193】
こうしてPDPが確立され、UEからFAP(old)を経由して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にRRC DisconnectionによりUEとFAP(old)の間での無線区間だけが開放され(ステップB121)、Preservation状態となる(ステップB122)。
【0194】
こうしてPDPによる通信接続が確立された後で、UEがIMS-Femto網のFAP(old)配下から既存3G網(Macro網)のNode-B配下に移動した場合、既存3G網へのCS位置登録動作を開始することとなる。このため、UEは、移動先のNode-Bを介してそのNode-Bを管理するMSCへとLocation Updating Requestを送信する(ステップB123)。
【0195】
MSCは、Location Updating Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB124)。
【0196】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをMSCに送信する(ステップB125)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。
【0197】
MSCは、IDENTITY Responseを受信した場合にMAP-Send Authentication InformationをHLRに送信する(ステップB126)。MSCは、IMSI.UEをMAP-Send Authentication Informationに含めて送信する。
【0198】
HLRは、MAP-Send Authentication Informationを受信した場合に、MAP-Send Authentication Information AckをMSCに送信する(ステップB127)。
【0199】
MSCは、MAP-Send Authentication Information Ackを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB128)。
【0200】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、そのAuthentication Requestに含まれている情報を基に認証演算を行う。認証演算は、3GPPに準拠した方法で行う。UEは、算出した認証情報をAuthentication Responseに含めてMSCに送信する(ステップB129)。
【0201】
MSCは、Authentication Responseを受信した場合に、MAP-Update LocationをHLRに送信する(ステップB130)。
【0202】
HLRは、MAP-Update Locationを受信した場合に、MAP-Cancel LocationをHSSに送信する(ステップB131)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0203】
HSSは、MAP-Cancel Locationを受信した場合に、CS-VLRから対象CS加入者プロファイルを消去し、MAP-Cancel Location AckをHLRに送信する(ステップB132)。
【0204】
HLRは、MAP Cancel Location Ackを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをMSCに送信する(ステップB133)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0205】
MSCは、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEの加入者情報を基に、CS加入者プロファイルを作成し、CS-VLRに登録して管理する。そして、MSCは、MAP-Insert Subscriber Data AckをHLRに送信する(ステップB134)。
【0206】
HRLは、MAP-Insert Subscriber Data Ackを受信した場合に、MAP-Update Location AckをMSCに送信する(ステップB135)。
【0207】
MSCは、MAP-Update Location Ackを受信した場合に、Location Updating AcceptをUEに送信する(ステップB136)。
【0208】
UEは、Location Updating Acceptを受信した場合に、TMSI Reallocation CompleteをMSCに送信する(ステップB137)。MSCは、このTMSI Reallocation Completeを受信することで、UEのIMSI.UEとnew TMSIとを対応付け、UEの加入者情報(CS)を管理することになる。
【0209】
HSSは、上述したステップB132でMAP-Cancel Location AckをHLRに送信した後、Dia-Cx-RTR(Registration-Termination-Request)をIMSコアに送信する(ステップB138)。
【0210】
IMSコアは、Dia-Cx-RTRを受信した場合、Dia-Cx-RTA(Registration-Termination-Answer)をHSSに送信する(ステップB139)。また、IMSコアは、UE移動前のFAP(old)にSIP-NOTIFYを送信する(ステップB140)。IMSコアは、SIP-NOTIFYのBody部のContactタグに、state="terminated",event="deactivated"等を設定し、De-Registerを意味するメッセージにする。
【0211】
FAP(old)は、SIP-NOTIFYを受信した場合、UEの加入者情報(CS)を削除し、IMSコアとの接続を解放し、SIP-200 OKをIMSコアに送信する(ステップB141)。
【0212】
次に、ハンドオーバにおける移動後のPS位置登録動作として、UEは、Routing Area Update RequestをSGSN(new)に送信する(ステップB142)。UEは、移動前の帰属先であるFAP(old)を特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、NSAPIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0213】
SGSN(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、既存3G網やパケット公衆網のDNSに移動前のSGSNのアドレス要求を送信する(ステップB143)。SGSN(new)は、このアドレス要求に、UEから受信したold RAIを含めて送信する。
【0214】
既存3G網やパケット公衆網のDNSは、代表PSサーバのアドレスに、全てのFAPそれぞれのRAIを関連付けて予め格納している。このため、アドレス要求によりFAP(old)のRAIを受信した場合、IMS-Femto網における予め設定された代表PSサーバのアドレスを、SGSN(new)に返送(Answer)する(ステップB144)。
【0215】
SGSN(new)は、DNSからアドレスを受信した場合、そのアドレス宛てにSGSN Context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップB145)。SGSN(new)は、上述したステップB144で、移動前のSGSNアドレスとして代表PSサーバのアドレスを受信しているため、ステップB145のSGSN Context Requestは、この代表PSサーバ宛てに送信される。また、SGSN(new)は、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとを含めて送信する。
【0216】
代表PSサーバは、SGSN Context Requestを受信した場合、IMS-Femto網のDB装置に、移動前のFAP(old)を管理していたPSサーバ(old)のアドレス要求(Request)を送信する(ステップB146)。代表PSサーバは、このアドレス要求(Request)に、ステップB145のSGSN Context Requestに含まれていたIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとを含めて送信する。
【0217】
IMS-Femto網のDB装置は、代表PSサーバからアドレス要求(Request)を受信した場合、そのアドレス要求(Request)に含まれるold P-TMSIおよびold RAIの組み合わせをキーとして、自装置のデータベースを検索する。こうして、そのold P-TMSIおよびold RAIに関連付けて格納されているPSサーバ(old)のアドレス情報を取得し、かつ、さらに関連付けて格納されているIMSI_UEがアドレス要求(Request)に含まれるIMSI_UEと一致した場合、そのPSサーバ(old)のアドレス情報およびIMSI_UEを代表PSサーバに返信(Answer)する(ステップB147)。
【0218】
代表PSサーバは、PSサーバ(old)のアドレス情報およびIMSI_UEを受信し、そのアドレス情報が自装置のものでない場合、その受信したPSサーバ(old)のアドレス宛てに、ステップB145で受信したSGSN Context Requestを転送する(ステップB148)。
【0219】
PSサーバ(old)は、SGSN Context Requestを受信した場合、含まれているIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに基づいて、PS-VLRの加入者プロファイルを検索し、IMSI.UEに対応するPDPコンテキストの構成情報を特定する。PSサーバ(old)は、こうして特定されたPDPコンテキストの構成情報、およびステップB98でFAP(old)から受信したNSAPIを、SGSN context Responseに含めてSGSN(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップB149)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0220】
SGSN(new)は、SGSN context Responseを受信した場合、そのSGSN context Responseに含まれるNSAPIと、ステップB142のRouting Area Update RequestでUEから受信したNSAPIとを比較するNSAPIチェックを行う。SGSN(new)は、この比較によりNSAPIが一致した場合、NSAPIチェックOKと判定し、受信したSGSN context Responseに含まれるPDPコンテキストの構成情報に基づいてPDPコンテキストの引き継ぎを行う。
【0221】
次に、SGSN(new)は、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップB150)。HLRは、MAP-Send Authentication Infoを受信した場合、MAP-Send Authentication Info ackをSGSN(new)に送信する(ステップB151)。
【0222】
SGSN(new)は、MAP-Send Authentication Info ackを受信した場合、GMM:Authentication RequestをUEに送信する(ステップB152)。
UEは、GMM:Authentication Requestを受信した場合、GMM:Authentication ResponseをSGSN(new)に返送する(ステップB153)。
【0223】
次に、SGSN(new)は、PSサーバ(old)に、SGSN Context Acknowledgeを返信する(ステップB154)。SGSN(new)は、SGSN Context Acknowledgeに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0224】
また、SGSN(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップB155)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、通信経路情報の更新を行い、GTP:Update PDP context ResponseをSGSN(new)に送信する(ステップB156)。
【0225】
SGSN(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップB157)。SGSN(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0226】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをPSサーバ(old)に送信する(ステップB158)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0227】
PSサーバ(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)は削除済みであるため、そのままHLRにMAP-Cancel Location ackを送信する(ステップB159)。
【0228】
また、PSサーバ(old)は、ステップB154でSGSN Context Acknowledgeを受信しているため、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除してリソースを解放し、Session Termination RequestをAAAに送信する(ステップB160)。
【0229】
AAAは、Session Termination Requestを受信した場合、Session Termination AnswerをPSサーバ(old)に返信する(ステップB161)。
【0230】
PSサーバ(old)は、Session Termination Answerを受信した場合、Informational RequestをFAP(old)に送信する(ステップB162)。PSサーバ(old)は、Informational Requestに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0231】
FAP(old)は、Informational Requestを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除してリソースを解放し、Informational ResponseをPSサーバ(old)に返信する(ステップB163)。こうして、FAP(old)とPSサーバ(old)との間でのIPsec Tunnel(4)が解放される(ステップB164)。
【0232】
HLRは、ステップB159でMAP-Cancel Location ackを受信しているため、MAP-Insert Subscriber DataをSGSN(new)に送信する(ステップB165)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0233】
SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイル(PS)を作成し、PS-VLRとして格納する。そして、SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップB166)。
【0234】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをSGSN(new)に送信する(ステップB167)。
【0235】
SGSN(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップB168)。SGSN(new)は、Routing Area Update AcceptにP-TMSIを含めて送信する。この時、SGSN(new)は、既存3G網におけるIu-Flex機能として、自装置の特定情報(SGSN番号)であるNRIをP-TMSIに含めるようにP-TMSIを発行し、UEに送信する。
【0236】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、P-TMSIを自装置内に記憶し、Routing Area Update CompleteをSGSN(new)に送信する(ステップB169)。
【0237】
こうしてPSハンドオーバによる移動後のPDPが確立され、UEから移動先のNode-Bを介して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にUEとNode-Bの間での無線区間だけが開放され、Preservation状態となる(ステップB170)。
【0238】
<既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例>
次に、UEが、既存3G網のNode B配下から本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下にハンドオーバする場合の動作例について、図11〜図15のシーケンス図を参照して説明する。
【0239】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(old)とし、移動後にUEが帰属しているFAPをFAP(new)、そのFAP(new)を管理するPSサーバをPSサーバ(new)とする。
【0240】
まず、PSハンドオーバにおける移動前のPDP確立動作として、UEと、そのUEが接続するNode-Bを含む既存3G網との間で、CS位置登録(ステップC1〜C13)、PS位置登録(ステップC14〜C24)、PS発信(ステップC25〜C37)の一連の動作が行われる。これらの動作は、3GPPにより標準化されている既存3G網としての動作であり、説明を省略する。
【0241】
こうしてPDPが確立され、UEからNode-Bを経由して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にRRC DisconnectionによりUEとNode-Bの間での無線区間だけが開放され(ステップC38)、Preservation状態となる(ステップC39)。
【0242】
こうしてPDPによる通信接続が確立された後で、UEが既存3G網(Macro網)のNode-B配下からIMS-Femto網のFAP(new)配下に移動した場合、IMS-Femto網へのCS位置登録動作を開始することとなる。
【0243】
ステップC40〜C86のCS位置登録動作は、上述したステップB1〜B44のCS位置登録動作に対して、FAP(old)に替えてFAP(new)とした同様の動作であるため、説明を省略する。なお、このステップC40〜C86のCS位置登録動作でも、FAP(new)とPDGとの間では、IPsec Tunnel(1)が確立している状態から動作が開始されているものとする。
【0244】
次に、ハンドオーバによる移動後のPS位置登録として、UEは、Routing Area Update RequestをFAP(new)に送信する(ステップC87)。UEは、移動前の帰属先であるNode-Bを特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、移動前に受信したold P-TMSI Signatureと、NSAPIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0245】
FAP(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、自装置を管理するPSサーバ(new)のアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する。FAP(new)は、自装置に予め設定されているdefault APNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップC88)。
【0246】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPSサーバへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPSサーバにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPSサーバ(new)のアドレス情報をFAP(new)に返送(Answer)する(ステップC89)。
【0247】
FAP(new)は、PSサーバ(new)のアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC90)。
【0248】
PSサーバ(new)は、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC91)。
【0249】
FAP(new)は、IKE-SA-INIT Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC92)。FAP(new)は、APNと、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0250】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップC93)。PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0251】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれるNAIに基づいて、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップC94)。AAAは、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIにおけるIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0252】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-SAIをHLRに送信する(ステップC95)。MAP-SAIはMAP-Send Authentication Infoである。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-SAIに含めて送信する。
【0253】
HLRは、MAP-SAIを受信した場合に、MAP-SAI AckをHSSに送信する(ステップC96)。HLRは、MAP-SAIに含まれているIMSI.UEに対応する認証のための情報を取得し、その取得した認証のための情報をMAP-SAI Ackに含めて送信する。
【0254】
HSSは、MAP-SAI Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する(ステップC97)。HSSは、MAP-SAI Ackに含まれているIMSI.UEの認証のための情報をDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0255】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC98)。AAAは、Result-Code(multi-round)、EAP-Request/AKA-ChallengeをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0256】
PSサーバ(new)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC99)。PSサーバ(new)は、EAP-Request/AKA-ChallengeをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0257】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップC100)。
【0258】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、Authentication ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC101)。
【0259】
FAP(new)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC102)。FAP(new)は、ステップC84でRouting Area Update RequestにPDP context Statusが含まれており、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断しているため、そのステップC87のRouting Area Update Requestにより受信したold RAIと、old P-TMSIと、old P-TMSI Signatureと、NSAPIとに加え、new RAIと、new P-TMSIとを、IKE-AUTH Requestに含めて送信する。ここで、new RAIは、自装置(FAP(new))を特定する特定情報である。また、new P-TMSIは、3GPPの規格に定められた条件を満たすように自装置で発行した値である。new P-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0260】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップC103)。PSサーバ(new)は、EAP-Response/AKA-ChallengeをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0261】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC104)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)、EAP-Request/SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0262】
PSサーバ(new)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップC105)。
【0263】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC106)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)をDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0264】
ここで、PSサーバ(new)は、ステップC102でFAP(new)から受信したIKE-AUTH Requestにより、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断している。このため、既存3G網やパケット公衆網のDNSに移動前のSGSNのアドレス要求(Request)を送信する(ステップC107)。PSサーバ(new)は、このアドレス要求に、上述したIKE-AUTH RequestでFAP(new)から受信したold RAIを含めて送信する。
【0265】
ここで、既存3G網やパケット公衆網のDNSは、このアドレス要求に含まれるold RAIからでは、要求された移動前のSGSNアドレスを取得することができない。すなわち、既存3G網のIu-Flex機能では、old RAIにより特定されるNode-Bを管理するSGSN(old)のアドレスを取得することができない。
このため、既存3G網やパケット公衆網のDNSは、PSサーバ(new)からアドレス要求を受信した場合、3GPPに準拠した方法として、既存3G網における代表SGSNのアドレスをPSサーバ(new)に返送(Answer)する(ステップC108)。
【0266】
PSサーバ(new)は、DNSからアドレスを受信した場合、そのアドレス宛てにSGSN Context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップC109)。PSサーバ(new)は、上述したステップC108で、移動前のSGSNアドレスとして代表SGSNのアドレスを受信しているため、ステップC109のSGSN Context Requestは、この代表SGSN宛てに送信される。また、PSサーバ(new)は、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIと、old P-TMSI Signatureとを含めて送信する。
【0267】
代表SGSNは、SGSN Context Requestを受信した場合、3GPP技術仕様におけるIu-Flex機能により、SGSN Context Requestに含まれているold P-TMSIからNRIを取得し、そのNRIにより特定されるSGSNを移動元のSGSN(old)として判定する。
代表SGSNは、こうした3GPPに準拠した方法により特定されたSGSN(old)のアドレス宛てに、PSサーバ(new)から受信したSGSN Context Requestを転送する(ステップC110)。
【0268】
SGSN(old)は、SGSN Context Requestを受信した場合、含まれているIMSI.UEと、old P-TMSI Signatureに含まれる認証情報とを用いて、3GPPの規格に定められた簡易認証を行う。
ここで、IMS-Femto網で用いる認証情報が既存3G網で用いるものと同一でない場合、この簡易認証はNGとなる。すなわち、認証情報など簡易認証に用いられる全ての情報が同じになるようにIMS-Femto網を構成しない限り、この簡易認証はNGとなる。
【0269】
簡易認証がNGである場合、SGSN(old)は、SGSN context ResponseにCause#206 P-TMSI Signature Mismatchを含めてPSサーバ(new)に送信する(ステップC111)。
【0270】
PSサーバ(new)は、Cause#206 P-TMSI Signature Mismatchを含むSGSN context Responseを受信した場合、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに加え、MS Validated=Yesを含めてSGSN(old)に送信し、正規認証を行わずにPDPコンテキストの引き継ぎを行うよう要求する(ステップC112)。
【0271】
SGSN(old)は、MS Validated=Yesを含むSGSN Context Requestを受信した場合、そのSGSN Context Requestに含まれているIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに基づいて、PS-VLRの加入者プロファイルを検索し、IMSI.UEに対応するPDPコンテキストの構成情報を特定する。SGSN(old)は、こうして特定されたPDPコンテキストの構成情報と、Cause#128 Request Acceptedと、FAP(old)から受信したNSAPIとをSGSN context Responseに含めてPSサーバ(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップC113)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0272】
PSサーバ(new)は、Cause#128 Request Acceptedを含むSGSN context Responseを受信した場合、そのSGSN context Responseに含まれるNSAPIと、ステップC102のIKE-AUTH RequestでFAP(new)から受信したNSAPIとを比較するNSAPIチェックを行う。SGSN(new)は、この比較によりNSAPIが一致した場合、NSAPIチェックOKと判定し、受信したSGSN context Responseに含まれるPDPコンテキストの構成情報に基づいて、既存3G網のSGSNと同様のPDPコンテキストの引き継ぎを行う。
【0273】
次に、PSサーバ(new)は、SGSN(old)に、SGSN Context Acknowledgeを返信する(ステップC114)。PSサーバ(new)は、SGSN Context Acknowledgeに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0274】
また、PSサーバ(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップC115)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、通信経路情報の更新を行い、GTP:Update PDP context ResponseをPSサーバ(new)に送信する(ステップC116)。
【0275】
PSサーバ(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップC117)。PSサーバ(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0276】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをSGSN(old)に送信する(ステップC118)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0277】
SGSN(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除し、HLRにMAP-Cancel Location ackを送信する(ステップC119)。
【0278】
HLRは、MAP-Cancel Location ackを受信した場合、MAP-Insert Subscriber DataをPSサーバ(new)に送信する(ステップC120)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0279】
PSサーバ(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイル(PS)を作成し、PS-VLRとして格納する。そして、PSサーバ(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップC121)。
【0280】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをPSサーバ(new)に送信する(ステップC122)。
【0281】
PSサーバ(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC123)。PSサーバ(new)は、EAP-Request/SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0282】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップC124)。
【0283】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(new)に送信する(ステップC125)。
【0284】
FAP(new)は、Security Mode Completeを受信した場合に、3G無線秘匿を行い、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC126)。3G無線秘匿は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0285】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC127)。
【0286】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、FAP(new)とPSサーバ(new)との間でIPsec Tunnel(4)を確立し(ステップC128)、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップC129)。FAP(new)は、Routing Area Update AcceptにP-TMSIを含めて送信する。ここでRouting Area Update Acceptに含めるP-TMSIは、FAP(new)がUEに対して発行するものであり、3GPPの規格に定められた条件を満たすものであればよい。すなわち、例えばP-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0287】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、P-TMSIを自装置内に記憶し、Routing Area Update CompleteをFAP(new)に送信する(ステップC130)。
【0288】
FAP(new)は、Routing Area Update Completeを受信した場合に、IMS-Femto網のDB装置に、P-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する(ステップC131)。ここでDB装置に送信しているP-TMSIは、ステップC129でFAP(new)がUEに対して発行したものである。
【0289】
IMS-Femto網のDB装置は、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とのセットを登録情報として受信した場合、P-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とを関連付けてデータベースとして格納する。
【0290】
なお、上述したステップC131でのDB装置への登録動作は、FAP(new)がPSサーバ(new)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(new)と通信を行った後、PDP確立までの間であれば、上述したタイミングに限定されず、予め定められた任意のタイミングで行うこととしてよい。
この場合、上述した動作例では、FAP(new)がステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にP-TMSIを発行することとして説明したが、DB装置への登録動作が上記ステップC129よりも前である場合、そのDB装置への登録動作の前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0291】
また、上述したステップC131でのDB装置への登録動作は、FAP(new)からDB装置に登録要求を送信する動作に限定されず、FAP(new)がPSサーバ(new)に登録情報を送信した後、PSサーバ(new)からDB装置に登録要求を送信する動作であってもよい。
この場合、FAP(new)がPSサーバ(new)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(new)と通信を行った後、FAP(new)が、そのPSサーバ(new)のアドレス情報と、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとを含む登録情報をPSサーバ(new)に送信し、PSサーバ(new)が、その登録情報を受信してからPDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
また、FAP(new)が登録情報をPSサーバ(new)に送信するタイミングが上述したステップC129よりも前である場合、そのPSサーバ(new)への登録情報送信前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0292】
また、FAP(new)が、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(new)に送信し、PSサーバ(new)が、その受信情報に自装置のアドレス情報を含めた登録情報を、PDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
この場合、FAP(new)がP-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(new)に送信するタイミングが上述したステップC129よりも前である場合、そのPSサーバ(new)への送信タイミングの前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0293】
FAP(new)からPSサーバ(new)への登録情報または登録情報の一部の送信は、例えば上述したステップC90、C92、C102、C126の何れかの信号に含めることが好ましい。
【0294】
こうしてPSハンドオーバによる移動後のPDPが確立され、UEから移動先のFAP(new)を介して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にUEとFAP(new)の間での無線区間だけが開放され、Preservation状態となる(ステップC132)。
【0295】
<実施形態による効果>
以上のように、上述した本発明の実施形態によるIMS-Femto網では、PSハンドオーバの際にもPDPコンテキストの引き継ぎを実現できる。このため、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網との間でPSハンドオーバが行われる場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを行うことができる。
【0296】
より詳述すると、まず、本実施形態のIMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバの場合、UEの移動前に、FAP(old)またはPSサーバ(old)が、IMS-Femto網のDB装置にP-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する。
そして、UEの移動後にステップB145でSGSN Context Requestを受信した代表PSサーバは、そのSGSN Context Requestに含まれるP-TMSIを少なくとも含めて、DB装置に移動前のPSサーバ(old)のアドレス要求を行う。DB装置は、少なくともP-TMSIをキーとして用いてデータベースを検索し、検索ヒットしたPSサーバ(old)のアドレス情報を代表PSサーバに送信する。
このことにより、代表PSサーバは、移動前のPSサーバ(old)のアドレス情報を取得し、受信したSGSN Context Requestをその特定されたPSサーバ(old)のアドレス宛てに転送することができる。このため、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様に実現することができる。
【0297】
また、既存3G網から本実施形態のIMS-Femto網へのPSハンドオーバの場合、移動後のPSサーバ(new)は、3GPP技術仕様におけるIu-Flex機能により移動前のSGSN(old)を特定する特定情報(NRI)が含められたold P-TMSIを、上述したステップC109でSGSN Context Requestに含めて、移動元SGSNが含まれる既存3G網の代表SGSNに送信する。
このことにより、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、既存3G網における代表SGSNから移動元SGSNへとSGSN Context Requestを転送させることができる。このため、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様に実現することができる。
【0298】
本実施形態によれば、以上のようにPDPコンテキストの引き継ぎを実現するため、PSハンドオーバでの移動先でPDPコンテキストを再確立する必要なく、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現できる。
このため、パケット通信の途中や、パケット通信状態のまま無通信状態が所定時間続いたPreservation状態でPSハンドオーバが行われた場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、パケット通信を継続させることができる。
【0299】
また、本実施形態では、PSサーバが仮想的にSGSN機能部を構成することにより、IMS-Femto網以外のネットワークに属する装置(既存3G網のSGSNなど)との間で、既存3G網のSGSNによる信号送受信と同様の信号送受信を実現している。このように、本実施形態では、既存3G網などIMS-Femto網以外のネットワークからPSサーバをSGSNとして認識させ、3GPP TS23.236等の標準化規格に定められた信号送受信の流れに沿って、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを実現できる。
このため、既存3G網など既存の移動通信網における各装置の改良を必要とせず、上述した各効果を得ることができる。
【0300】
また、上述した説明では、既存3G網とIMS-Femto網との間でのPSハンドオーバについて説明したが、IMS-Femto網のPSサーバによるSGSN機能部は上述のように他のネットワークに属する装置からSGSNとして認識されるよう動作する。このため、LTE網など各種の移動通信網からもIMS-Femto網のPSサーバは、既存3G網におけるSGSNと同様に判別されることとなり、LTE網など各種の移動通信網とIMS-Femto網との間のPSハンドオーバの場合についても、上述した実施形態と同様の手順により、3GPP等の規格に定められた動作に沿ってPSハンドオーバを行い、PDPコンテキストの引き継ぎを実現することができる。
【0301】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0302】
例えば、本明細書で提示した非特許文献1は、一例であり、本実施形態における通信システムは、非特許文献1に記載されている3GPPのVersionには依存せずに行うことも可能である。
【0303】
また、上述した実施形態では、Preservation状態で位置移動が行われることとして説明したが、位置移動の時点でPreservation状態であってもなくても、結局、ハンドオーバの一連の動作に伴ってUEとFAPまたはNode-Bとの間の無線区間は解放されることとなる。すなわち、PS通信が確立された後の位置移動によるPSハンドオーバであれば、位置移動の時点でPreservation状態であるか否かにかかわらず、同様の動作により上述した実施形態による各機能が実現されることとなる。
【0304】
また、上述した実施形態では、SGSN機能部がPSサーバにより実現される構成例について説明したが、機能として実現可能であればその機能を実装する装置はこのPSサーバに限定されず、例えばPDGなど他の装置が上述した実施形態におけるSGSN機能部を備えるサービス制御装置として機能する構成であっても本発明は同様に実現することができる。
【0305】
また、上述した実施形態では、DB装置9を単体の装置として実現した構成例について説明したが、機能として実現可能であればその機能を実装する装置はこのDB装置9に限定されず、例えばIMS-Femto網のDNS7など他の装置の何れかがDB装置9におけるデータベース機能を備える構成であっても本発明は同様に実現することができる。
【0306】
このように、上述した実施形態における各装置が実現する各機能は、それら機能を実現可能であればその機能を実装する装置は上述した実施形態のものに限定されず、他の装置がそれら機能を備える構成であっても本発明は同様に実現することができる。
すなわち、本明細書における各種装置やシステムは、各種機能を実現する機能部(特定の機能を実現する機能モジュールや装置など)論理的に集合したもののことであり、各機能部が何れの装置内に設けられているか、また、単一の筐体内にあるか否かは特に問われるものではない。
【0307】
また、上述した本実施形態における通信システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0308】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0309】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0310】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0311】
また、本実施形態における通信システムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。
【0312】
また、本実施形態における通信システムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0313】
1 UE
2 FAP
3 PDG
4 PSサーバ(サービス制御装置の一例)
5 AAA
6 HSS
7 DNS
8 IMSコア
9 DB装置
93 SGSN
94 GGSN
95 HLR
96 DNS
97 MSC
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェムトセル用基地局を用いたシステムでハンドオーバを実現する通信システム、およびその通信システムに用いられるデータベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの無線端末(UE;user equipment)を呼接続させる既存の公衆移動通信網としての3G(third generation:第三世代移動体通信)網では、一般に、UEが移動することで帰属先の基地局(無線リンク用論理ノード;Node B)が変わっても、ハンドオーバ(hand over)により通話が継続できるようになっている。
こうした既存3G網におけるハンドオーバについては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)が各種の規格を制定している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、こうした既存3G網と無線LANとの間のハンドオーバの際に、移動先でGGSN情報を参照できるようにすることで、移動元と同一のGGSNを選択可能とするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人による通信システムとして、家庭やオフィスなどに設置されたIMS(IP Multimedia Subsystem)網による有線回線を経由して移動通信コアネットワークに接続させるフェムトセル用基地局(Femto Access Point;FAP)を用いるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この特許文献2の通信システムでは、IMS網のコアネットワークで呼制御を行い、FAPを導入した通信システム(IMS-Femto網)について、FAP間だけでなく、MSCで呼制御を行う既存3G網との間でも、ハンドオーバにより通話を継続できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−271140号公報
【特許文献2】特開2010−252139号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP技術仕様 TS23.236 V5.4.0(2005−09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、IMS網は、主として通話等を実現するCS(Circuit Switching)サービス用のアーキテクチャである。そして、上述した非特許文献1や特許文献1といった既存3G網についての技術は、IMS網を用いてフェムトセル用基地局を導入した通信システム(IMS-Femto網)でのハンドオーバについてまで考慮されたものではなかった。
【0009】
このため、IMS-Femto網でのパケット通信におけるPS(Packet Switching)ハンドオーバにおいては、既存3G網でのハンドオーバのように、PSサービスによりユーザパケットを転送する際の接続の論理関係としてのPDP(Packet Data Protocol)コンテキストを引き継ぐことができないのが現状であった。このため、IMS-Femto網では、PSハンドオーバの際に、移動先でPDPコンテキストの確立を再度やり直す必要があった。
【0010】
また、上述した特許文献2のものは、IMS-Femto網でのCSハンドオーバについて、CSサービスによる通話を継続できるようにするものであり、PSハンドオーバにおける移動先にPDPコンテキストを引き継ぐことについてまで考慮されたものではなかった。このため、PSサービスについて、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバまでは実現できていなかった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、既存3G網などの既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる通信システム、およびその通信システムに用いられるデータベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムであって、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
サービス制御装置は、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るデータベース装置は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置であって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るサービス制御装置は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置であって、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
サービス制御装置は、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るフェムトセル用基地局は、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局であって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
検索手段により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
フェムトセル用基地局は、
UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求としてデータベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る通信方法は、
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムにおける通信方法であって、
IMS網は、フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置が、UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納工程と、
代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信工程と、
代表サービス制御装置からデータベース装置がP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納工程で格納されたアドレス情報を検索する検索工程と、
検索工程で検索されたアドレス情報をデータベース装置が代表サービス制御装置に送信するアドレス送信工程と、を備え、
代表サービス制御装置が、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信工程で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るデータベース装置のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置のプログラムであって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置のコンピュータに、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納処理と、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索する検索処理と、
検索処理により検索されたアドレス情報を代表サービス制御装置に送信するアドレス送信処理と、を実行させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るサービス制御装置のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置のプログラムであって、
サービス制御装置は、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索して代表サービス制御装置に送信し、
サービス制御装置のコンピュータを、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部として機能させると共に、
サービス制御装置のコンピュータに、
代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIをデータベース装置にアドレス要求として送信する要求送信処理と、
代表サービス制御装置として用いられ、データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、要求送信処理で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御処理と、を実行させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るフェムトセル用基地局のプログラムは、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局のプログラムであって、
サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて格納処理で格納されたアドレス情報を検索して代表サービス制御装置に送信し、
フェムトセル用基地局のコンピュータに、
UEに対してP-TMSIを発行する発行処理と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、発行処理により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求としてデータベース装置に送信する第2の登録要求処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、既存3G網などの既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、既存3G網におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態としての通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】既存3G網におけるPSハンドオーバの概略を説明する図である。
【図3】本実施形態のIMS-Femto網と既存3G網の間におけるPSハンドオーバの概略を説明する図である。
【図4】既存3G網のSGSN間におけるPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図である。
【図5】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その1である。
【図6】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その2である。
【図7】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その3である。
【図8】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その4である。
【図9】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その5である。
【図10】IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その6である。
【図11】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その1である。
【図12】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その2である。
【図13】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その3である。
【図14】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その4である。
【図15】既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例を示すシーケンス図その5である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る通信システム、データベース装置、サービス制御装置、フェムトセル用基地局、通信方法及び装置のプログラムを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
まず、本実施形態の概略について、図1を参照して説明する。
本実施形態によるIMS-Femto網では、フェムトセル用基地局(FAP;Femto Access Point)を用いて無線端末であるUEの呼接続を行い、3GPPなどの規格に定められた範囲内で、既存の公衆移動通信網に変更を加える必要なく、既存網との間でのハンドオーバができるようになっている。
【0024】
また、本実施形態によるIMS-Femto網では、PSハンドオーバの際にも、PDPコンテキストの引き継ぎを実現する。このため、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網との間でPSハンドオーバが行われる場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを行うことができる。このため、パケット通信の途中や、パケット通信状態のまま所定時間無通信が続いたことによるPreservation状態でハンドオーバが行われた場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、パケット通信を継続させることができる。
【0025】
<通信システムのシステム構成例>
次に、本実施形態としての通信システムの構成について詳細に説明する。
本実施形態としての通信システムは、図1に示すように、既存3G網(Macro網)と、IMS-Femto網と、LTE(Long Term Evolution)網とを備え、それぞれがP−GW(PDN Gateway)を介するなどにより各種の公衆データ網(PDN;Public Data Network)に接続されて構成される。
【0026】
既存3G網は、3Gサービスを提供する既存の移動通信網であり、SGSN(Serving GPRS Support Node)93と、GGSN(Gateway GPRS Support Node)94と、HLR(Home Location Register)95と、DNS(Domain Name Server)96と、MSC(Mobile Services Switching Center)97と、RAN(Radio Area Network)と、を備えて構成される。RANは、RNC(Radio Network Controller)92と、NB(Node B)91とを備えて構成され、Node B91配下にUE1を収容する。
【0027】
既存3G網を構成するUE1、Node B91、RNC92、SGSN93、GGSN94、HLR95、DNS96、MSC97は、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については省略する。既存3G網に利用されている技術については、例えば上述した非特許文献1や、3GPP TS 33.234 V8.0.0(2007-12)等に開示されている。
【0028】
LTE網は、eNB(eNode B)81と、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving Gateway)82などを備えて構成され、eNB81配下にUE1を収容する。LTE網を構成する各装置については、3GPP TS23.401 V9.0.0(2009.3)等、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については省略する。
【0029】
IMS-Femto網は、所定の通信エリアを構築するFAP2と、PDG3と、PSサーバ4と、AAA(Authentication Authorization Accounting)5と、HSS(Home Subscriber Server)6と、DNS7と、IMSコア8と、DB(Database)装置9と、を備えて構成され、FAP2配下にUE1を収容する。
【0030】
FAP2は、半径数十メートル程度の狭い通信エリアをカバーする小型無線基地局である。
【0031】
PDG3は、メッセージを中継する装置である。
【0032】
PSサーバ(サービス制御装置)4は、既存3G網など他のネットワークの各装置に対して、既存3G網のSGSN93と同様の信号送受信を行い、そうした他のネットワークの各装置に対して仮想的にSGSNとして認識させるSGSN機能部を実現する。また、HLR95からPS加入者プロファイルを取得し、IMSI_UEに関連付けてPS−VLR(Visitor Location Register)として格納することで、Femto IMS網に接続される各UE1のPS加入者プロファイルを管理する。
【0033】
また、図2に示すように、上述した既存3G網について同様の構成が複数設けられ、それら複数のSGSNの内、1つが代表SGSNとして予め設定されていることとする。
また、図3に示すように、上述したIMS-Femto網について同様の構成が複数設けられ、それら複数のPSサーバの内、1つが代表PSサーバとして予め設定されていることとする。
また、上述したLTE網についても、同様に複数のLTE網が設けられていることとする。
【0034】
代表PSサーバは、PSハンドオーバにおける移動元のPSサーバへの転送が必要な信号を受信すると、移動元PSサーバのアドレス情報を後述するDB装置9に問い合わせ、そのDB装置9から返信されたアドレス宛てに受信信号を転送する。
【0035】
AAA5は、UE1の認証処理などを行う装置である。
【0036】
HSS6は、HLR95からCS加入者プロファイルを取得し、CS−VLRとして格納し、UE1のCS加入者プロファイルの管理などを行う。
【0037】
IMS網のDNS7は、IMS-Femto網でのアドレス情報の問い合わせ用に設けられたDNSである。このため、IMS-Femto網内の各PSサーバ4のアドレス情報を格納し、FAP2からAPNと共にPSサーバのアドレス要求を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。このことにより、問い合わせ元のFAPに割り当て可能なPSサーバのアドレス情報を割り当てることができるようになっている。
【0038】
また、IMS網のDNS7は、IMS-Femto網内の各PDG3のアドレス情報を格納し、FAP2からAPNと共にPDGのアドレス要求を受信した場合、PDGのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。このことにより、問い合わせ元のFAPに割り当て可能なPDGのアドレス情報を割り当てることができるようになっている。
【0039】
IMSコア8は、セッション制御などを行うコール状態制御サーバ(CSCF;Call Session Control Function)などのコア装置を含んで構成されるコアネットワークである。UE1はFAP2、PDG3を介してIMSコア8に位置登録処理を行い、IMSコア8は、FAP2配下に在圏している各UEに対する呼制御等の機能を実現する。
【0040】
DB装置9は、UEに対して発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)と、UE帰属先FAPのRAI(Routing Area Identity)と、UEのIMSIと、そのUE帰属先のFAPを管理するPSサーバのアドレス情報とのセットを登録情報として受信することで、このP-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバのアドレス情報とを関連付けて、データベースとして格納する。
このことにより、PSサーバのアドレス情報の問い合わせを受信すると、その問い合わせと共に受信したP-TMSIやRAIをキーとして自装置内のデータベースを検索し、そのP-TMSIやRAIに関連付けられているアドレス情報を問い合わせの送信元に返信する。
【0041】
RAIは、3GPPに規定される情報であると共に、各FAPにもユニークに割り当てられる。このため、DB装置9に登録されるRAIは、UEの帰属先FAPを特定する特定情報として用いられる。
【0042】
<PSハンドオーバ動作の概略(既存3G網内)>
次に、本実施形態としての通信システムにおけるPSハンドオーバ動作の概略について説明する。
【0043】
まず、本実施形態の特徴となる動作の参考とするため、既存3G網内でのPSハンドオーバの際に、移動元Node-Bを管理しているSGSNを特定するための動作の概略について、図2を参照して説明する。この既存3G網内でのPSハンドオーバ動作は、3GPP TS23.236により標準化されている技術である。
【0044】
UE1のPS位置登録時に、SGSNは、P-TMSIに自装置の特定情報(NRI;Node Resouse Indicator)を埋め込んで送出する(ステップS91)。
【0045】
こうしてPS発信が確立された後、UE1を持っているエンドユーザがエリア移動するなどの契機によりハンドオーバが開始されると(ステップS92)、Inter-RAU(Routing Area Update)が起動される(ステップS93)。
【0046】
3GPP技術仕様におけるIu−Flex機能では、移動先のSGSNは、UE1から送信されたRAI(Routing Area Identity)からでは移動元のSGSNアドレスを見つけることができない。このため、まず代表SGSNにGTP(GPRS Tunneling Protocol)信号が転送されることとなる(ステップS94)。
【0047】
代表SGSNは、P−TMSIに含まれるNRIから、そのNRIにより特定されるSGSNを移動元SGSNとして判定し、こうして特定された移動元SGSNに、受信したGTP信号を転送する(ステップS95)。
【0048】
<PSハンドオーバ動作の概略(IMS-Femto網から既存3G網)>
次に、UE1が、本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下から既存3G網のNode B配下にハンドオーバする場合に、移動元FAPを管理しているPSサーバを特定するための動作の概略について、図3を参照して説明する。
【0049】
UE1のPS発信の際、FAP2が自装置を管理するPSサーバとの間で通信を行った後で、FAP2は、UEに対して発行されたP-TMSIと、自装置のRAIと、UEのIMSIと、自装置を管理するPSサーバのアドレス情報とのセットをDB装置9に送信し、DB装置9のデータベースに登録する(ステップS1)。
【0050】
こうしてPS発信が確立された後、UE1を持っているエンドユーザがエリア移動するなどの契機によりハンドオーバが開始されると(ステップS2)、移動先の既存3G網でInter-RAU(Routing Area Update)が起動される(ステップS3)。
【0051】
既存3G網のSGSN93では、図2により上述した既存3G網におけるステップS94の動作と同様に、移動元のSGSNアドレスを見つけることができないため、代表PSサーバにGTP信号を転送する(ステップS4)。
【0052】
代表PSサーバは、移動元PSサーバのアドレス情報の問い合わせに、受信したGTP信号に含まれるP-TMSIやRAIを含め、DB装置9に送信する。DB装置9は、アドレス情報の問い合わせと共に受信したP-TMSIやRAIをキーとして自装置内のデータベースを検索し、そのP-TMSIやRAIに関連付けられているアドレス情報を代表PSサーバに返信する(ステップS5)。
【0053】
代表PSサーバは、DB装置9から移動元PSサーバのアドレス情報を受信すると、そのアドレス宛てに、受信したGTP信号を転送する(ステップS6)。
【0054】
以上のように、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網における各装置を改良する必要なく、移動元PSサーバのアドレスを特定することができる。このため、既存3G網など既存の移動通信網との間であっても、既存3G網内におけるPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現することができる。
【0055】
<通信システムの動作例>
次に、本実施形態としての通信システムにおけるPSサーバによるSGSN機能部の動作と、PSハンドオーバの動作について、3GPPなどにより標準化されている動作との比較を含めて説明する。
【0056】
<既存3G網のSGSN間におけるPSハンドオーバ動作例>
まず、本実施形態の特徴となる動作の参考とするため、UEが、既存3G網で1つのSGSN管理下にあるNode B配下から、他のSGSNの管理下にあるNode B配下にハンドオーバした場合のPS位置登録の動作例について、図4のシーケンス図を参照して説明する。
この動作は、3GPPにより標準化されている動作である。また、図4の動作例では、簡易認証なしの場合の例について示す。
【0057】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているNode-Bを管理しているSGSNをSGSN(old)とし、移動後にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(new)とする。
【0058】
移動後のPS位置登録の動作として、まず、UEはRouting Area Update RequestをSGSN(new)に送信する(ステップA1)。UEは、移動前の帰属先Node-Bを特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0059】
SGSN(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、DNSに移動前のSGSN(old)のアドレス要求を送信する(ステップA2)。SGSN(new)は、このアドレス要求に、UEから受信したold RAIを含めて送信する。
【0060】
DNSは、SGSN(old)のアドレス要求を受信した場合、old RAIを参照し、そのold RAIのNode-Bを管理するSGSN(old)の情報を検索する。DNSは、こうしてold RAIに対応するSGSN(old)のアドレス情報をSGSN(new)に送信する(ステップA3)。
【0061】
SGSN(new)は、SGSN(old)のアドレス情報を受信した場合、そのSGSN(old)のアドレス宛に、GTP:SGSN context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップA4)。
【0062】
SGSN(old)は、GTP:SGSN context Requestを受信した場合、GTP:SGSN context ResponseにPDPコンテキストの構成情報を含めてSGSN(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップA5)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0063】
SGSN(new)は、GTP:SGSN context Responseを受信した場合、受信したPDPコンテキストの構成情報に基づいてPDPコンテキストの引き継ぎを行い、GTP:SGSN context AckをSGSN(old)に返信する(ステップA6)。
そして、SGSN(new)は、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップA7)。
【0064】
HLRは、MAP-Send Authentication Infoを受信した場合、MAP-Send Authentication Info ackをSGSN(new)に送信する(ステップA8)。
【0065】
次に、SGSN(new)は、GMM:Authentication RequestをUEに送信する(ステップA9)。
UEは、GMM:Authentication Requestを受信した場合、GMM:Authentication ResponseをSGSN(new)に返送する(ステップA10)。
【0066】
次に、SGSN(new)は、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップA11)。
UEは、Security Mode Commandを受信した場合、Security Mode CompleteをSGSN(new)に返送する(ステップA12)。
【0067】
次に、SGSN(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップA13)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、GTP:Update PDP context ResponseをSGSN(new)に送信する(ステップA14)。
【0068】
SGSN(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップA15)。SGSN(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0069】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをSGSN(old)に送信する(ステップA16)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0070】
SGSN(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、対象加入者データを装置内の記憶部から消去し、MAP-Cancel Location ackをHLRに送信する(ステップA17)。
【0071】
HLRは、MAP-Cancel Location ackを受信した場合、MAP-Insert Subscriber DataをSGSN(new)に送信する(ステップA18)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0072】
SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイルを作成し、PS-VLRとして格納する。そして、SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップA19)。
【0073】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをSGSN(new)に送信する(ステップA20)。
【0074】
SGSN(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップA21)。
【0075】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、Routing Area Update CompleteをSGSN(new)に送信する(ステップA22)。
【0076】
<IMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバ動作例>
次に、UEが、本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下から既存3G網のNode B配下にハンドオーバする場合の動作例について、図5〜図10のシーケンス図を参照して説明する。
【0077】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているFAPをFAP(old)、そのFAP(old)を管理するPSサーバをPSサーバ(old)とし、移動後にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(new)とする。また、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(1)が確立しているものとする(ステップB1)。
【0078】
まず、移動前の初回位置登録として、UEはCS位置登録を開始する。CS位置登録として、UEはLocation Updating RequestをFAP(old)に送信する(ステップB2)。
【0079】
FAP(old)は、Location Updating Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB3)。
【0080】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB4)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。IMSI.UEは、UEを特定するための情報である。
【0081】
FAP(old)は、IDENTITY Responseを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPDGに送信する(ステップB5)。IKE-SA-INITは、Internet Key Exchange-Security Authentication-INITialiseである。
【0082】
PDGは、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB6)。FAP(old)は、IKE-SA-INIT Responseを受信することで、FAP(old)とPDGとの間でIKE SAを確立する。
【0083】
次に、FAP(old)は、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB7)。FAP(old)は、APN(Access Point Name)と、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。IKE-AUTHは、Internet Key Exchange-AUTHenticationである。APNは、ネットワークの連結ポイントを特定するための情報である。NAIは、ネットワークのアクセスを特定するための情報である。
【0084】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB8)。PDGは、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。Dia-EAPは、Diameter-Extensible Authentication Protocolである。
【0085】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。この場合、AAAは、NAIからCSサービスの位置登録と判断するため、Dia-Wx-MARをHSSに送信する。Dia-Wx-MARは、Diameter-Wx-Multimedia Authentication Requestである。
【0086】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-Send Authentication InformationをHLRに送信する(ステップB9)。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれているIMSI.UEをMAP-Send Authentication Informationに含めて送信する。
【0087】
HLRは、MAP-Send Authentication Informationを受信した場合に、MAP-Send Authentication Information AckをHSSに送信する(ステップB10)。HLRは、MAP-Send Authentication Informationに含まれているIMSI.UEに対応するRAND/AUTN/CK/IK/XRESを取得し、その取得したRAND/AUTN/CK/IK/XRESを含めて送信する。
【0088】
RAND/AUTN/CK/IK/XRESは、3GPPに準拠した情報である。RANDは、Random challengeであり、AUTNは、Authentication Tokenであり、CKは、Cipher Keyであり、IKは、Integrity Keyであり、XRESは、Expected RESponseである。
【0089】
なお、HLRが送信するMAP-Send Authentication Information Ackに含める情報として、RAND/AUTN/CK/IK/XRESは一例であり、こうした認証のための情報は、UEが契約しているNWの能力などに基づいて各種のものであってよい。
【0090】
HSSは、MAP-Send Authentication Information Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する。Dia-Wx-MAAは、Diameter-Wx-Multimedia Authentication Answerである。HSSは、HLRから受信したRAND/AUTN/CK/IK/XRESをDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0091】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップB11)。AAAは、Dia-Wx-MAAに含まれているRAND/AUTN/CK/IKをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0092】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する。PDGは、EAP-Request/AKA-Challengeと、Dia-EAP-Answerに含まれているRAND/AUTN/CK/IKと、をIKE-AUTH Responseに含めて送信する。AKAは、Authentication and Key Agreementである。
【0093】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB12)。FAP(old)は、IKE-AUTH Responseに含まれているRAND/AUTNをAuthentication Requestに含めて送信する。
【0094】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、そのAuthentication Requestに含まれているRAND/AUTNを基に、認証演算を行う。認証演算は、3GPPに準拠した方法で行う。
UEは、RESを算出し、その算出したRESをAuthentication Responseに含めてFAP(old)に送信する(ステップB13)。RESの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0095】
FAP(old)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する。FAP(old)は、EAP-Response/AKA-Challengeと、Authentication Responseに含まれているRESと、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0096】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB14)。PDGは、MAC(Message Authentication Code)を算出し、RES、MACをDia-EAP-Requestに含めて送信する。MACの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0097】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、UE認証を行う。UE認証は、3GPPに準拠した方法で行う。本動作例では、UE認証が成功した場合について示すこととし、AAAは、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップB15)。AAAは、EAP-SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0098】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップB16)。PDGは、APNをDia-AA-Requestに含めて送信する。
【0099】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPDGに送信する(ステップB17)。AAAは、IMSI.UEをDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0100】
PDGは、Dia-AA-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB18)。PDGは、EAP-SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0101】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB19)。
【0102】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB20)。
こうしてFAP(old)がIKE-AUTH Responseを受信し、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(2)が確立されることとなる(ステップB21)。
【0103】
次に、FAP(old)は、INFORMATIONAL RequestをPDGに送信する(ステップB22)。
【0104】
PDGは、INFORMATIONAL Requestを受信した場合に、INFORMATIONAL ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB23)。
【0105】
また、PDGは、Dia-ST-RequestをAAAに送信する(ステップB24)。
【0106】
AAAは、Dia-ST-Requestを受信した場合に、Dia-ST-AnswerをPDGに送信する(ステップB25)。
【0107】
PDGは、Dia-ST-Answerを受信した場合に、ステップB21で確立したIPsec Tunnel(2)を解放する(ステップB26)。こうしてUE認証後に不要となったIPsec Tunnel(2)を解放することで、リソースの有効活用を図ることができる。
【0108】
次に、FAP(old)は、SIP-REGISTERをIMSコアに送信する(ステップB27)。FAP(old)は、IMSI.UEをSIP-REGISTERに含めてIMSコアに送信する。
【0109】
IMSコアは、SIP-REGISTERを受信した場合に、Dia-Cx-UARをHSSに送信する(ステップB28)。
【0110】
HSSは、Dia-Cx-UARを受信した場合に、Dia-Cx-UAAをIMSコアに送信する(ステップB29)。
【0111】
IMSコアは、Dia-Cx-UAAを受信した場合に、Dia-Cx-SARをHSSに送信する(ステップB30)。IMSコアは、IMSI.UEをDia-Cx-SARに含めて送信する。
【0112】
HSSは、Dia-Cx-SARを受信した場合に、MAP Update LocationをHLRに送信する(ステップB31)。HSSは、IMSI.UEをMAP Update Locationに含めて送信する。
【0113】
HLRは、MAP Update Locationを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをHSSに送信する(ステップB32)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEのCS加入者情報が含まれている。
【0114】
HSSは、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEの加入者情報を基に、CS加入者プロファイルを作成する。HSSは、CS加入者プロファイルをCS-VLRに登録して管理する。
【0115】
次に、HSSは、MAP-Insert Subscriber Data AckをHLRに送信する(ステップB33)。
【0116】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data Ackを受信した場合に、MAP-Update Location AckをHSSに送信する(ステップB34)。
【0117】
HSSは、MAP-Update Location Ackを受信した場合に、Dia-Cx-SAAをIMSコアに送信する(ステップB35)。HSSは、IMSI.UEとCS-VLRの登録情報に基づいて、MSISDNをDia-Cx-SAAに含めて送信する。
【0118】
IMSコアは、Dia-Cx-SAAを受信した場合に、SIP-200 OKをFAP(old)に送信する(ステップB36)。IMSコアは、MSISDNをSIP-200 OKに含めて送信する。
【0119】
FAP(old)は、SIP-200 OKを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB37)。
【0120】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、3GPPに準拠した方法で秘匿処理を行い、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB38)。
【0121】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identities)の補足を行う。TMSIの補足は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0122】
FAP(old)は、IMSコアにSIP-SUBSCRIBEを送信し、確認処理を行う(ステップB39)。IMSコアは、確認処理OKの場合、SIP-200 OKをFAP(old)に送信する(ステップB40)。
また、IMSコアはSIP-NOTIFYをFAP(old)に送信し(ステップB41)、FAP(old)は、IMSコアにSIP-200 OKを返信する(ステップB42)。
【0123】
FAP(old)は、Location Updating AcceptをUEに送信する(ステップB43)。UEは、Location Updating Acceptを受信した場合に、TMSI Reallocation CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB44)。
【0124】
このように、本実施形態の通信システムによるCS位置登録では、FAPとPDGとの間でIPsec Tunnel(1)を確立した状態で(ステップB1)、UE、FAP(old)、PDG、AAA、HSS、HLRとの間でメッセージを送受信し、UEの認証処理を行い、UEの認証が成功した場合に、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(2)を確立する(ステップB2〜B21)。そして、そのUEの認証処理でFAP(old)とPDGとの間で確立したIPsec Tunnel(2)を解放する(ステップB22〜B26)。その後、HSSがHLRから取得したUEのCS加入者プロファイルをHSSのCS-VLRに登録する(ステップB27〜B32)。これにより、CSサービスの位置登録の際に、FAP(old)を介してUEの認証処理を行い、HSSのCS-VLRにUEのCS加入者プロファイルを登録することが可能となる。
【0125】
次に、ハンドオーバにおける移動前の初回位置登録におけるPS位置登録として、UEはAttach RequestをFAP(old)に送信する(ステップB45)。
【0126】
FAP(old)は、Attach Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB46)。
【0127】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB47)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。IMSI.UEは、UEを特定するための情報である。
【0128】
FAP(old)は、IDENTITY Responseを受信した場合に、自装置がアクセスするPDGのアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップB48)。FAP(old)は、PS位置登録用のAPNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する。
【0129】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PDGのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPDGのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPDGへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPDGにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPDGのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPDGのアドレス情報をFAP(old)に返送(Answer)する(ステップB49)。
【0130】
FAP(old)は、PDGのアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPDGに送信する(ステップB50)。そして、FAP(old)とPDGとの間でIKE SAを確立する(ステップB51)。
【0131】
FAP(old)は、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップB52)。FAP(old)は、APN(Access Point Name)と、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0132】
FAP(old)は、Attach RequestをUEから受信したため、PSサービスの位置登録と判断し、NAIとして、"0PS0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"を送信する。"0PS0"は、PSサービスの位置登録である旨を意味する情報である。"<UE_IMSI>"は、UEを特定するための情報であり、ステップB47で受信したIDENTITY Responseに含まれていたIMSI.UEである。"<Femto_IMSI>"は、FAP(old)を特定するための情報である。
【0133】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB53)。PDGは、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0134】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。本動作例では、AAAはPSサービスの位置登録と判断するため、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップB54)。
【0135】
AAAは、NAIが"0PS0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"であるため、PSサービスの位置登録であると判断し、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIのIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0136】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップB55)。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-Send Authentication Infoに含めて送信する。
【0137】
ステップB56〜ステップB69までの処理は、ステップB10〜ステップB20と同様な処理をPS位置登録として行うことになる。なお、ステップB59,B60がステップB12に対応し、ステップB61,B62がステップB13に対応する。
【0138】
FAP(old)がIKE-AUTH Responseを受信すると、FAP(old)とPDGとの間でIPsec Tunnel(3)が確立される(ステップB70)。
【0139】
次に、FAP(old)は、INFORMATIONAL RequestをPDGに送信する(ステップB71)。
【0140】
PDGは、INFORMATIONAL Requestを受信した場合に、INFORMATIONAL ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB72)。
【0141】
また、PDGは、Dia-ST-RequestをAAAに送信する(ステップB73)。
【0142】
AAAは、Dia-ST-Requestを受信した場合に、Dia-ST-AnswerをPDGに送信する(ステップB74)。
【0143】
PDGは、Dia-ST-Answerを受信した場合に、ステップB70で確立したIPsec Tunnel(3)を解放する(ステップB75)。こうしてUE認証後に不要となったIPsec Tunnel(3)を解放することで、リソースの有効活用を図ることができる。
【0144】
FAP(old)は、次に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB76)。
【0145】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB77)。
【0146】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、Attach AcceptをUEに送信する(ステップB78)。FAP(old)は、Attach AcceptにP-TMSIを含めて送信する。ここでAttach Acceptに含めるP-TMSIは、FAP(old)がUEに対して発行するものであり、3GPPの規格に定められた条件を満たすものであればよい。すなわち、例えばP-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0147】
UEは、Attach Acceptを受信した場合に、P-TMSIを自装置内に記憶し、Attach CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB79)。
【0148】
次に、ハンドオーバにおける移動前のPS発信として、UEはService RequestをFAP(old)に送信する(ステップB80)。
【0149】
FAP(old)はService Requestを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB81)。
【0150】
UEはSecurity Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB82)。
【0151】
次に、UEは、Activate PDP Context RequestをFAP(old)に送信する(ステップB83)。UEは、IMSI.UEと、帰属先であるFAP(old)のAPN(Access Point Name)と、NSAPI(Network Service Access Point Identity)とをActivate PDP Context Requestに含めて送信する。NSAPIは、3GPPの規格に定められたActivate PDP Context Request信号におけるパラメータの1種である。
【0152】
FAP(old)は、Activate PDP Context Requestを受信した場合に、自装置を管理するPSサーバ(old)のアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップB84)。FAP(old)は、UEから受信したAPNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する。
【0153】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPSサーバへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPSサーバにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPSサーバ(old)のアドレス情報をFAP(old)に返送(Answer)する(ステップB85)。
【0154】
FAP(old)は、PSサーバ(old)のアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB86)。
【0155】
PSサーバ(old)は、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB87)。
【0156】
FAP(old)は、IKE-SA-INIT Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB88)。FAP(old)は、APNと、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0157】
FAP(old)は、Activate PDP Context RequestをUEから受信したため、PDP Activateと判断し、"0PDP0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"のNAIを送信する。"0PDP0"は、PDP Activateである旨を意味する情報である。"<UE_IMSI>"は、UEを特定するための情報であり、ステップB83で受信したActivate PDP Context Requestに含まれていたIMSI.UEである。"<Femto_IMSI>"は、FAP(old)を特定するための情報である。
【0158】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB89)。PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。また、EAP-Payload(empty)をDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0159】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれるNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。AAAは、PDP Activateと判断した場合に、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップB90)。
【0160】
AAAは、NAIが"0PDP0<UE_IMSI>/<Femto_IMSI>@realmname"であるため、PDP Activateであると判断し、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIのIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0161】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-SAI[PDP]をHLRに送信する(ステップB91)。MAP-SAIはMAP-Send Authentication Infoであり、[PDP]は、PDP Activateを意味する。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-SAI[PDP]に含めて送信する。
【0162】
HLRは、MAP-SAI[PDP]を受信した場合に、MAP-SAI AckをHSSに送信する(ステップB92)。HLRは、MAP-SAI[PDP]に含まれているIMSI.UEに対応するRAND/AUTN/CK/IK/XRESを取得し、その取得したRAND/AUTN/CK/IK/XRESをMAP-SAI Ackに含めて送信する。
【0163】
HSSは、MAP-SAI Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する(ステップB93)。HSSは、MAP-SAI Ackに含まれているRAND/AUTN/CK/IK/XRESをDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0164】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB94)。AAAは、Result-Code(multi-round)、EAP-Request/AKA-ChallengeをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0165】
PSサーバ(old)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB95)。PSサーバ(old)は、EAP-Request/AKA-ChallengeをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0166】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB96)。
【0167】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、Authentication ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB97)。
【0168】
FAP(old)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB98)。FAP(old)は、EAP-Response/AKA-Challenge、Private Extensionと、ステップB83でUEから受信したNSAPIとをIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0169】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、NSAPI等を自装置内に格納し、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップB99)。PSサーバ(old)は、EAP-Response/AKA-ChallengeをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0170】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB100)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)、EAP-Request/SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0171】
PSサーバ(old)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップB101)。
【0172】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPSサーバ(old)に送信する(ステップB102)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)をDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0173】
PSサーバ(old)は、Dia-AA-Answerを受信した場合に、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップB103)。
【0174】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをPSサーバ(old)に送信する(ステップB104)。HLRは、IMSI.UEについての、既存3G網のSGSNに送信する場合と同様のPS加入者情報をMAP-Insert Subscriber Dataに含めて送信する。
【0175】
PSサーバ(old)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEのPS加入者情報を基に、PS加入者プロファイルを作成し、そのPS加入者プロファイルをPS-VLRに登録して管理する。そして、PSサーバ(old)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップB105)。
【0176】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合に、MAP-Update GPRS Location ackをPSサーバ(old)に送信する(ステップB106)。
【0177】
PSサーバ(old)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合に、既存3G網やパケット公衆網のDNSに、GGSNのアドレス要求(Request)を送信する(ステップB107)。PSサーバ(old)は、GGSNのアドレス要求(Request)にFAP(old)のAPNを含めて送信する。
【0178】
既存3G網やパケット公衆網のDNSは、アドレス要求(Request)に含まれるAPNに応じて、PSサーバ(old)がアクセスすべきGGSNのアドレスを返送(Answer)する(ステップB108)。
【0179】
PSサーバ(old)は、GGSNのアドレスを受信すると、その受信したアドレス宛てに、Create PDP Context Requestを送信する(ステップB109)。PSサーバ(old)は、Create PDP Context Requestに、UEのMSISDNと、FAP(old)から受信したNSAPIとを含めて送信する。
【0180】
GGSNは、Create PDP Context Requestを受信した場合に、Create PDP Context ResponseをPSサーバ(old)に送信する(ステップB110)。
【0181】
PSサーバ(old)は、Create PDP Context Responseを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB111)。PSサーバ(old)は、EAP-Request/SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0182】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップB112)。
【0183】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(old)に送信する(ステップB113)。
【0184】
FAP(old)は、Security Mode Completeを受信した場合に、3G無線秘匿を行い、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(old)に送信する(ステップB114)。3G無線秘匿は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0185】
PSサーバ(old)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(old)に送信する(ステップB115)。PSサーバ(old)は、CF(Remote IPアドレス)をIKE-AUTH Responseに含めて送信する。CF(Remote IPアドレス)は、Activate PDP Contextの受信による新規IPSec確立を行う際に、FAP(old)に通知される接続元のIPアドレスであり、ユーザデータの通信に使用する。
【0186】
FAP(old)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、FAP(old)とPSサーバ(old)との間でIPsec Tunnel(4)を確立し(ステップB116)、Radio Bearer SetupをUEに送信する(ステップB117)。
【0187】
UEは、Radio Bearer Setupを受信した場合、Radio Bearer Setup CompleteをFAP(old)に返信する(ステップB118)。FAP(old)は、Radio Bearer Setup Completeを受信した場合に、Activate PDP Context AcceptをUEに送信すると共に(ステップB119)、IMS-Femto網のDB装置に、P-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する(ステップB120)。ここでDB装置に送信しているP-TMSIは、ステップB78でFAP(old)がUEに対して発行したものである。
【0188】
IMS-Femto網のDB装置は、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを登録情報として受信した場合、P-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とを関連付けてデータベースとして格納する。
【0189】
なお、上述したステップB120でのDB装置への登録動作は、FAP(old)がPSサーバ(old)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(old)と通信を行った後、PDP確立までの間であれば、上述したタイミングに限定されず、予め定められた任意のタイミングで行うこととしてよい。
【0190】
また、上述したステップB120でのDB装置への登録動作は、FAP(old)からDB装置に登録要求を送信する動作に限定されず、FAP(old)がPSサーバ(old)に登録情報を送信した後、PSサーバ(old)からDB装置に登録要求を送信する動作であってもよい。
この場合、FAP(old)がPSサーバ(old)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(old)と通信を行った後、FAP(old)が、そのPSサーバ(old)のアドレス情報と、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとを含む登録情報をPSサーバ(old)に送信し、PSサーバ(old)が、その登録情報を受信してからPDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
【0191】
また、FAP(old)が、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(old)に送信し、PSサーバ(old)が、その受信情報に自装置のアドレス情報を含めた登録情報を、PDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
【0192】
FAP(old)からPSサーバ(old)への登録情報または登録情報の一部の送信は、例えば上述したステップB86、B88、B98、B114の何れかの信号に含めることが好ましい。
【0193】
こうしてPDPが確立され、UEからFAP(old)を経由して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にRRC DisconnectionによりUEとFAP(old)の間での無線区間だけが開放され(ステップB121)、Preservation状態となる(ステップB122)。
【0194】
こうしてPDPによる通信接続が確立された後で、UEがIMS-Femto網のFAP(old)配下から既存3G網(Macro網)のNode-B配下に移動した場合、既存3G網へのCS位置登録動作を開始することとなる。このため、UEは、移動先のNode-Bを介してそのNode-Bを管理するMSCへとLocation Updating Requestを送信する(ステップB123)。
【0195】
MSCは、Location Updating Requestを受信した場合に、IDENTITY RequestをUEに送信する(ステップB124)。
【0196】
UEは、IDENTITY Requestを受信した場合に、IDENTITY ResponseをMSCに送信する(ステップB125)。UEは、IMSI.UEをIDENTITY Responseに含めて送信する。
【0197】
MSCは、IDENTITY Responseを受信した場合にMAP-Send Authentication InformationをHLRに送信する(ステップB126)。MSCは、IMSI.UEをMAP-Send Authentication Informationに含めて送信する。
【0198】
HLRは、MAP-Send Authentication Informationを受信した場合に、MAP-Send Authentication Information AckをMSCに送信する(ステップB127)。
【0199】
MSCは、MAP-Send Authentication Information Ackを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップB128)。
【0200】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、そのAuthentication Requestに含まれている情報を基に認証演算を行う。認証演算は、3GPPに準拠した方法で行う。UEは、算出した認証情報をAuthentication Responseに含めてMSCに送信する(ステップB129)。
【0201】
MSCは、Authentication Responseを受信した場合に、MAP-Update LocationをHLRに送信する(ステップB130)。
【0202】
HLRは、MAP-Update Locationを受信した場合に、MAP-Cancel LocationをHSSに送信する(ステップB131)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0203】
HSSは、MAP-Cancel Locationを受信した場合に、CS-VLRから対象CS加入者プロファイルを消去し、MAP-Cancel Location AckをHLRに送信する(ステップB132)。
【0204】
HLRは、MAP Cancel Location Ackを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber DataをMSCに送信する(ステップB133)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0205】
MSCは、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Dataに含まれるIMSI.UEの加入者情報を基に、CS加入者プロファイルを作成し、CS-VLRに登録して管理する。そして、MSCは、MAP-Insert Subscriber Data AckをHLRに送信する(ステップB134)。
【0206】
HRLは、MAP-Insert Subscriber Data Ackを受信した場合に、MAP-Update Location AckをMSCに送信する(ステップB135)。
【0207】
MSCは、MAP-Update Location Ackを受信した場合に、Location Updating AcceptをUEに送信する(ステップB136)。
【0208】
UEは、Location Updating Acceptを受信した場合に、TMSI Reallocation CompleteをMSCに送信する(ステップB137)。MSCは、このTMSI Reallocation Completeを受信することで、UEのIMSI.UEとnew TMSIとを対応付け、UEの加入者情報(CS)を管理することになる。
【0209】
HSSは、上述したステップB132でMAP-Cancel Location AckをHLRに送信した後、Dia-Cx-RTR(Registration-Termination-Request)をIMSコアに送信する(ステップB138)。
【0210】
IMSコアは、Dia-Cx-RTRを受信した場合、Dia-Cx-RTA(Registration-Termination-Answer)をHSSに送信する(ステップB139)。また、IMSコアは、UE移動前のFAP(old)にSIP-NOTIFYを送信する(ステップB140)。IMSコアは、SIP-NOTIFYのBody部のContactタグに、state="terminated",event="deactivated"等を設定し、De-Registerを意味するメッセージにする。
【0211】
FAP(old)は、SIP-NOTIFYを受信した場合、UEの加入者情報(CS)を削除し、IMSコアとの接続を解放し、SIP-200 OKをIMSコアに送信する(ステップB141)。
【0212】
次に、ハンドオーバにおける移動後のPS位置登録動作として、UEは、Routing Area Update RequestをSGSN(new)に送信する(ステップB142)。UEは、移動前の帰属先であるFAP(old)を特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、NSAPIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0213】
SGSN(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、既存3G網やパケット公衆網のDNSに移動前のSGSNのアドレス要求を送信する(ステップB143)。SGSN(new)は、このアドレス要求に、UEから受信したold RAIを含めて送信する。
【0214】
既存3G網やパケット公衆網のDNSは、代表PSサーバのアドレスに、全てのFAPそれぞれのRAIを関連付けて予め格納している。このため、アドレス要求によりFAP(old)のRAIを受信した場合、IMS-Femto網における予め設定された代表PSサーバのアドレスを、SGSN(new)に返送(Answer)する(ステップB144)。
【0215】
SGSN(new)は、DNSからアドレスを受信した場合、そのアドレス宛てにSGSN Context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップB145)。SGSN(new)は、上述したステップB144で、移動前のSGSNアドレスとして代表PSサーバのアドレスを受信しているため、ステップB145のSGSN Context Requestは、この代表PSサーバ宛てに送信される。また、SGSN(new)は、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとを含めて送信する。
【0216】
代表PSサーバは、SGSN Context Requestを受信した場合、IMS-Femto網のDB装置に、移動前のFAP(old)を管理していたPSサーバ(old)のアドレス要求(Request)を送信する(ステップB146)。代表PSサーバは、このアドレス要求(Request)に、ステップB145のSGSN Context Requestに含まれていたIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとを含めて送信する。
【0217】
IMS-Femto網のDB装置は、代表PSサーバからアドレス要求(Request)を受信した場合、そのアドレス要求(Request)に含まれるold P-TMSIおよびold RAIの組み合わせをキーとして、自装置のデータベースを検索する。こうして、そのold P-TMSIおよびold RAIに関連付けて格納されているPSサーバ(old)のアドレス情報を取得し、かつ、さらに関連付けて格納されているIMSI_UEがアドレス要求(Request)に含まれるIMSI_UEと一致した場合、そのPSサーバ(old)のアドレス情報およびIMSI_UEを代表PSサーバに返信(Answer)する(ステップB147)。
【0218】
代表PSサーバは、PSサーバ(old)のアドレス情報およびIMSI_UEを受信し、そのアドレス情報が自装置のものでない場合、その受信したPSサーバ(old)のアドレス宛てに、ステップB145で受信したSGSN Context Requestを転送する(ステップB148)。
【0219】
PSサーバ(old)は、SGSN Context Requestを受信した場合、含まれているIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに基づいて、PS-VLRの加入者プロファイルを検索し、IMSI.UEに対応するPDPコンテキストの構成情報を特定する。PSサーバ(old)は、こうして特定されたPDPコンテキストの構成情報、およびステップB98でFAP(old)から受信したNSAPIを、SGSN context Responseに含めてSGSN(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップB149)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0220】
SGSN(new)は、SGSN context Responseを受信した場合、そのSGSN context Responseに含まれるNSAPIと、ステップB142のRouting Area Update RequestでUEから受信したNSAPIとを比較するNSAPIチェックを行う。SGSN(new)は、この比較によりNSAPIが一致した場合、NSAPIチェックOKと判定し、受信したSGSN context Responseに含まれるPDPコンテキストの構成情報に基づいてPDPコンテキストの引き継ぎを行う。
【0221】
次に、SGSN(new)は、MAP-Send Authentication InfoをHLRに送信する(ステップB150)。HLRは、MAP-Send Authentication Infoを受信した場合、MAP-Send Authentication Info ackをSGSN(new)に送信する(ステップB151)。
【0222】
SGSN(new)は、MAP-Send Authentication Info ackを受信した場合、GMM:Authentication RequestをUEに送信する(ステップB152)。
UEは、GMM:Authentication Requestを受信した場合、GMM:Authentication ResponseをSGSN(new)に返送する(ステップB153)。
【0223】
次に、SGSN(new)は、PSサーバ(old)に、SGSN Context Acknowledgeを返信する(ステップB154)。SGSN(new)は、SGSN Context Acknowledgeに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0224】
また、SGSN(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップB155)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、通信経路情報の更新を行い、GTP:Update PDP context ResponseをSGSN(new)に送信する(ステップB156)。
【0225】
SGSN(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップB157)。SGSN(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0226】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをPSサーバ(old)に送信する(ステップB158)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0227】
PSサーバ(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)は削除済みであるため、そのままHLRにMAP-Cancel Location ackを送信する(ステップB159)。
【0228】
また、PSサーバ(old)は、ステップB154でSGSN Context Acknowledgeを受信しているため、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除してリソースを解放し、Session Termination RequestをAAAに送信する(ステップB160)。
【0229】
AAAは、Session Termination Requestを受信した場合、Session Termination AnswerをPSサーバ(old)に返信する(ステップB161)。
【0230】
PSサーバ(old)は、Session Termination Answerを受信した場合、Informational RequestをFAP(old)に送信する(ステップB162)。PSサーバ(old)は、Informational Requestに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0231】
FAP(old)は、Informational Requestを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除してリソースを解放し、Informational ResponseをPSサーバ(old)に返信する(ステップB163)。こうして、FAP(old)とPSサーバ(old)との間でのIPsec Tunnel(4)が解放される(ステップB164)。
【0232】
HLRは、ステップB159でMAP-Cancel Location ackを受信しているため、MAP-Insert Subscriber DataをSGSN(new)に送信する(ステップB165)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0233】
SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイル(PS)を作成し、PS-VLRとして格納する。そして、SGSN(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップB166)。
【0234】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをSGSN(new)に送信する(ステップB167)。
【0235】
SGSN(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップB168)。SGSN(new)は、Routing Area Update AcceptにP-TMSIを含めて送信する。この時、SGSN(new)は、既存3G網におけるIu-Flex機能として、自装置の特定情報(SGSN番号)であるNRIをP-TMSIに含めるようにP-TMSIを発行し、UEに送信する。
【0236】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、P-TMSIを自装置内に記憶し、Routing Area Update CompleteをSGSN(new)に送信する(ステップB169)。
【0237】
こうしてPSハンドオーバによる移動後のPDPが確立され、UEから移動先のNode-Bを介して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にUEとNode-Bの間での無線区間だけが開放され、Preservation状態となる(ステップB170)。
【0238】
<既存3G網からIMS-Femto網へのPSハンドオーバ動作例>
次に、UEが、既存3G網のNode B配下から本実施形態によるIMS-Femto網のFAP配下にハンドオーバする場合の動作例について、図11〜図15のシーケンス図を参照して説明する。
【0239】
以下の説明では、ハンドオーバにおける移動前にUEが帰属しているNode-Bを管理するSGSNをSGSN(old)とし、移動後にUEが帰属しているFAPをFAP(new)、そのFAP(new)を管理するPSサーバをPSサーバ(new)とする。
【0240】
まず、PSハンドオーバにおける移動前のPDP確立動作として、UEと、そのUEが接続するNode-Bを含む既存3G網との間で、CS位置登録(ステップC1〜C13)、PS位置登録(ステップC14〜C24)、PS発信(ステップC25〜C37)の一連の動作が行われる。これらの動作は、3GPPにより標準化されている既存3G網としての動作であり、説明を省略する。
【0241】
こうしてPDPが確立され、UEからNode-Bを経由して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にRRC DisconnectionによりUEとNode-Bの間での無線区間だけが開放され(ステップC38)、Preservation状態となる(ステップC39)。
【0242】
こうしてPDPによる通信接続が確立された後で、UEが既存3G網(Macro網)のNode-B配下からIMS-Femto網のFAP(new)配下に移動した場合、IMS-Femto網へのCS位置登録動作を開始することとなる。
【0243】
ステップC40〜C86のCS位置登録動作は、上述したステップB1〜B44のCS位置登録動作に対して、FAP(old)に替えてFAP(new)とした同様の動作であるため、説明を省略する。なお、このステップC40〜C86のCS位置登録動作でも、FAP(new)とPDGとの間では、IPsec Tunnel(1)が確立している状態から動作が開始されているものとする。
【0244】
次に、ハンドオーバによる移動後のPS位置登録として、UEは、Routing Area Update RequestをFAP(new)に送信する(ステップC87)。UEは、移動前の帰属先であるNode-Bを特定するold RAIと、移動前に受信したold P-TMSIと、移動前に受信したold P-TMSI Signatureと、NSAPIと、PDP context StatusとをRouting Area Update Requestに含めて送信する。
【0245】
FAP(new)は、Routing Area Update Requestを受信した場合、PDP context Statusが含まれているため、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断し、自装置を管理するPSサーバ(new)のアドレス要求(Request)を、IMS-Femto網内部のDNSに送信する。FAP(new)は、自装置に予め設定されているdefault APNをアドレス要求(Request)に含めてIMS-Femto網内部のDNSに送信する(ステップC88)。
【0246】
IMS-Femto網内部のDNSは、APNと共にアドレス要求(Request)を受信した場合、PSサーバのアドレス情報をラウンドロビンで順次返信する。すなわち、1つ以上の予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を送信し、それらのアドレス情報のPSサーバへの割り当て可否をFAP(old)が順次確認する。割り当て可能であればそのPSサーバにFAP(old)が割り当てられ、割り当て不可であれば、DNSはその予め定められた数のPSサーバのアドレス情報を再度送信する。こうして割り当て可能なPSサーバ(new)のアドレス情報をFAP(new)に返送(Answer)する(ステップC89)。
【0247】
FAP(new)は、PSサーバ(new)のアドレスを受信した場合に、IKE-SA-INIT RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC90)。
【0248】
PSサーバ(new)は、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC91)。
【0249】
FAP(new)は、IKE-SA-INIT Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC92)。FAP(new)は、APNと、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0250】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップC93)。PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0251】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれるNAIに基づいて、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップC94)。AAAは、Dia-EAP-Requestに含まれていたNAIにおけるIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0252】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-SAIをHLRに送信する(ステップC95)。MAP-SAIはMAP-Send Authentication Infoである。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれていたIMSI.UEをMAP-SAIに含めて送信する。
【0253】
HLRは、MAP-SAIを受信した場合に、MAP-SAI AckをHSSに送信する(ステップC96)。HLRは、MAP-SAIに含まれているIMSI.UEに対応する認証のための情報を取得し、その取得した認証のための情報をMAP-SAI Ackに含めて送信する。
【0254】
HSSは、MAP-SAI Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する(ステップC97)。HSSは、MAP-SAI Ackに含まれているIMSI.UEの認証のための情報をDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0255】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC98)。AAAは、Result-Code(multi-round)、EAP-Request/AKA-ChallengeをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0256】
PSサーバ(new)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC99)。PSサーバ(new)は、EAP-Request/AKA-ChallengeをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0257】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップC100)。
【0258】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、Authentication ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC101)。
【0259】
FAP(new)は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC102)。FAP(new)は、ステップC84でRouting Area Update RequestにPDP context Statusが含まれており、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断しているため、そのステップC87のRouting Area Update Requestにより受信したold RAIと、old P-TMSIと、old P-TMSI Signatureと、NSAPIとに加え、new RAIと、new P-TMSIとを、IKE-AUTH Requestに含めて送信する。ここで、new RAIは、自装置(FAP(new))を特定する特定情報である。また、new P-TMSIは、3GPPの規格に定められた条件を満たすように自装置で発行した値である。new P-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0260】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップC103)。PSサーバ(new)は、EAP-Response/AKA-ChallengeをDia-EAP-Requestに含めて送信する。
【0261】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC104)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)、EAP-Request/SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0262】
PSサーバ(new)は、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、Dia-AA-RequestをAAAに送信する(ステップC105)。
【0263】
AAAは、Dia-AA-Requestを受信した場合に、Dia-AA-AnswerをPSサーバ(new)に送信する(ステップC106)。AAAは、UEの認証が成功した場合、Result-Code(Success)をDia-AA-Answerに含めて送信する。
【0264】
ここで、PSサーバ(new)は、ステップC102でFAP(new)から受信したIKE-AUTH Requestにより、引き継ぎ対象のPDPが存在すると判断している。このため、既存3G網やパケット公衆網のDNSに移動前のSGSNのアドレス要求(Request)を送信する(ステップC107)。PSサーバ(new)は、このアドレス要求に、上述したIKE-AUTH RequestでFAP(new)から受信したold RAIを含めて送信する。
【0265】
ここで、既存3G網やパケット公衆網のDNSは、このアドレス要求に含まれるold RAIからでは、要求された移動前のSGSNアドレスを取得することができない。すなわち、既存3G網のIu-Flex機能では、old RAIにより特定されるNode-Bを管理するSGSN(old)のアドレスを取得することができない。
このため、既存3G網やパケット公衆網のDNSは、PSサーバ(new)からアドレス要求を受信した場合、3GPPに準拠した方法として、既存3G網における代表SGSNのアドレスをPSサーバ(new)に返送(Answer)する(ステップC108)。
【0266】
PSサーバ(new)は、DNSからアドレスを受信した場合、そのアドレス宛てにSGSN Context Requestを送信し、PDPコンテキストの引き継ぎ要求を行う(ステップC109)。PSサーバ(new)は、上述したステップC108で、移動前のSGSNアドレスとして代表SGSNのアドレスを受信しているため、ステップC109のSGSN Context Requestは、この代表SGSN宛てに送信される。また、PSサーバ(new)は、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIと、old P-TMSI Signatureとを含めて送信する。
【0267】
代表SGSNは、SGSN Context Requestを受信した場合、3GPP技術仕様におけるIu-Flex機能により、SGSN Context Requestに含まれているold P-TMSIからNRIを取得し、そのNRIにより特定されるSGSNを移動元のSGSN(old)として判定する。
代表SGSNは、こうした3GPPに準拠した方法により特定されたSGSN(old)のアドレス宛てに、PSサーバ(new)から受信したSGSN Context Requestを転送する(ステップC110)。
【0268】
SGSN(old)は、SGSN Context Requestを受信した場合、含まれているIMSI.UEと、old P-TMSI Signatureに含まれる認証情報とを用いて、3GPPの規格に定められた簡易認証を行う。
ここで、IMS-Femto網で用いる認証情報が既存3G網で用いるものと同一でない場合、この簡易認証はNGとなる。すなわち、認証情報など簡易認証に用いられる全ての情報が同じになるようにIMS-Femto網を構成しない限り、この簡易認証はNGとなる。
【0269】
簡易認証がNGである場合、SGSN(old)は、SGSN context ResponseにCause#206 P-TMSI Signature Mismatchを含めてPSサーバ(new)に送信する(ステップC111)。
【0270】
PSサーバ(new)は、Cause#206 P-TMSI Signature Mismatchを含むSGSN context Responseを受信した場合、SGSN Context Requestに、IMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに加え、MS Validated=Yesを含めてSGSN(old)に送信し、正規認証を行わずにPDPコンテキストの引き継ぎを行うよう要求する(ステップC112)。
【0271】
SGSN(old)は、MS Validated=Yesを含むSGSN Context Requestを受信した場合、そのSGSN Context Requestに含まれているIMSI.UEと、old RAIと、old P-TMSIとに基づいて、PS-VLRの加入者プロファイルを検索し、IMSI.UEに対応するPDPコンテキストの構成情報を特定する。SGSN(old)は、こうして特定されたPDPコンテキストの構成情報と、Cause#128 Request Acceptedと、FAP(old)から受信したNSAPIとをSGSN context Responseに含めてPSサーバ(new)に送信し、PDPコンテキストの引き継ぎを行う(ステップC113)。PDPコンテキストの構成情報は、3GPPで規定されるMM context、PDP context、IMSI_UE、SGSNアドレスを少なくとも含むものとする。
【0272】
PSサーバ(new)は、Cause#128 Request Acceptedを含むSGSN context Responseを受信した場合、そのSGSN context Responseに含まれるNSAPIと、ステップC102のIKE-AUTH RequestでFAP(new)から受信したNSAPIとを比較するNSAPIチェックを行う。SGSN(new)は、この比較によりNSAPIが一致した場合、NSAPIチェックOKと判定し、受信したSGSN context Responseに含まれるPDPコンテキストの構成情報に基づいて、既存3G網のSGSNと同様のPDPコンテキストの引き継ぎを行う。
【0273】
次に、PSサーバ(new)は、SGSN(old)に、SGSN Context Acknowledgeを返信する(ステップC114)。PSサーバ(new)は、SGSN Context Acknowledgeに、IMSI.UEを含めて送信する。
【0274】
また、PSサーバ(new)は、GTP:Update PDP context RequestをGGSNに送信する(ステップC115)。GGSNは、GTP:Update PDP context Requestを受信した場合、通信経路情報の更新を行い、GTP:Update PDP context ResponseをPSサーバ(new)に送信する(ステップC116)。
【0275】
PSサーバ(new)は、GTP:Update PDP context Responseを受信した場合、MAP-Update GPRS LocationをHLRに送信する(ステップC117)。PSサーバ(new)は、IMSI.UEをMAP-Update GPRS Locationに含めて送信する。
【0276】
HLRは、MAP-Update GPRS Locationを受信した場合、MAP-Cancel LocationをSGSN(old)に送信する(ステップC118)。HLRは、IMSI.UEをMAP-Cancel Locationに含めて送信する。
【0277】
SGSN(old)は、MAP-Cancel Locationを受信した場合、IMSI.UEで特定されるUEの加入者情報(PS)を削除し、HLRにMAP-Cancel Location ackを送信する(ステップC119)。
【0278】
HLRは、MAP-Cancel Location ackを受信した場合、MAP-Insert Subscriber DataをPSサーバ(new)に送信する(ステップC120)。MAP-Insert Subscriber Dataには、IMSI.UEの加入者情報が含まれている。
【0279】
PSサーバ(new)は、MAP-Insert Subscriber Dataを受信した場合、IMSI.UEの加入者情報に基づいて加入者プロファイル(PS)を作成し、PS-VLRとして格納する。そして、PSサーバ(new)は、MAP-Insert Subscriber Data ackをHLRに返信する(ステップC121)。
【0280】
HLRは、MAP-Insert Subscriber Data ackを受信した場合、MAP-Update GPRS Location ackをPSサーバ(new)に送信する(ステップC122)。
【0281】
PSサーバ(new)は、MAP-Update GPRS Location ackを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC123)。PSサーバ(new)は、EAP-Request/SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0282】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップC124)。
【0283】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP(new)に送信する(ステップC125)。
【0284】
FAP(new)は、Security Mode Completeを受信した場合に、3G無線秘匿を行い、IKE-AUTH RequestをPSサーバ(new)に送信する(ステップC126)。3G無線秘匿は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0285】
PSサーバ(new)は、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP(new)に送信する(ステップC127)。
【0286】
FAP(new)は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、FAP(new)とPSサーバ(new)との間でIPsec Tunnel(4)を確立し(ステップC128)、Routing Area Update AcceptをUEに送信する(ステップC129)。FAP(new)は、Routing Area Update AcceptにP-TMSIを含めて送信する。ここでRouting Area Update Acceptに含めるP-TMSIは、FAP(new)がUEに対して発行するものであり、3GPPの規格に定められた条件を満たすものであればよい。すなわち、例えばP-TMSIに含まれるNRIの領域部分は、予め定められた固定値など、設計に応じた各種の値としてよい。
【0287】
UEは、Routing Area Update Acceptを受信した場合、P-TMSIを自装置内に記憶し、Routing Area Update CompleteをFAP(new)に送信する(ステップC130)。
【0288】
FAP(new)は、Routing Area Update Completeを受信した場合に、IMS-Femto網のDB装置に、P-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する(ステップC131)。ここでDB装置に送信しているP-TMSIは、ステップC129でFAP(new)がUEに対して発行したものである。
【0289】
IMS-Femto網のDB装置は、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とのセットを登録情報として受信した場合、P-TMSIに、RAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(new)のアドレス情報とを関連付けてデータベースとして格納する。
【0290】
なお、上述したステップC131でのDB装置への登録動作は、FAP(new)がPSサーバ(new)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(new)と通信を行った後、PDP確立までの間であれば、上述したタイミングに限定されず、予め定められた任意のタイミングで行うこととしてよい。
この場合、上述した動作例では、FAP(new)がステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にP-TMSIを発行することとして説明したが、DB装置への登録動作が上記ステップC129よりも前である場合、そのDB装置への登録動作の前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0291】
また、上述したステップC131でのDB装置への登録動作は、FAP(new)からDB装置に登録要求を送信する動作に限定されず、FAP(new)がPSサーバ(new)に登録情報を送信した後、PSサーバ(new)からDB装置に登録要求を送信する動作であってもよい。
この場合、FAP(new)がPSサーバ(new)のアドレス情報をIMS-Femto網のDNSから受信してPSサーバ(new)と通信を行った後、FAP(new)が、そのPSサーバ(new)のアドレス情報と、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとを含む登録情報をPSサーバ(new)に送信し、PSサーバ(new)が、その登録情報を受信してからPDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
また、FAP(new)が登録情報をPSサーバ(new)に送信するタイミングが上述したステップC129よりも前である場合、そのPSサーバ(new)への登録情報送信前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0292】
また、FAP(new)が、P-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(new)に送信し、PSサーバ(new)が、その受信情報に自装置のアドレス情報を含めた登録情報を、PDP確立までの間の予め定められた任意のタイミングでDB装置に登録要求を送信することとしてもよい。
この場合、FAP(new)がP-TMSIと、RAIと、IMSI_UEとをPSサーバ(new)に送信するタイミングが上述したステップC129よりも前である場合、そのPSサーバ(new)への送信タイミングの前にFAP(new)がP-TMSIを同様に発行し、上記ステップC129でRouting Area Update AcceptをUEに送信する際にそのP-TMSIを含めて送信することとしてよい。
【0293】
FAP(new)からPSサーバ(new)への登録情報または登録情報の一部の送信は、例えば上述したステップC90、C92、C102、C126の何れかの信号に含めることが好ましい。
【0294】
こうしてPSハンドオーバによる移動後のPDPが確立され、UEから移動先のFAP(new)を介して通信相手先装置との間で通信可能な状態となる。その後、通信の行われない状態が所定時間継続すると、自動的にUEとFAP(new)の間での無線区間だけが開放され、Preservation状態となる(ステップC132)。
【0295】
<実施形態による効果>
以上のように、上述した本発明の実施形態によるIMS-Femto網では、PSハンドオーバの際にもPDPコンテキストの引き継ぎを実現できる。このため、本実施形態によるIMS-Femto網では、既存3G網など既存の移動通信網との間でPSハンドオーバが行われる場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを行うことができる。
【0296】
より詳述すると、まず、本実施形態のIMS-Femto網から既存3G網へのPSハンドオーバの場合、UEの移動前に、FAP(old)またはPSサーバ(old)が、IMS-Femto網のDB装置にP-TMSIと、自装置のRAIと、IMSI_UEと、PSサーバ(old)のアドレス情報とのセットを送信し、DB装置のデータベースに登録する。
そして、UEの移動後にステップB145でSGSN Context Requestを受信した代表PSサーバは、そのSGSN Context Requestに含まれるP-TMSIを少なくとも含めて、DB装置に移動前のPSサーバ(old)のアドレス要求を行う。DB装置は、少なくともP-TMSIをキーとして用いてデータベースを検索し、検索ヒットしたPSサーバ(old)のアドレス情報を代表PSサーバに送信する。
このことにより、代表PSサーバは、移動前のPSサーバ(old)のアドレス情報を取得し、受信したSGSN Context Requestをその特定されたPSサーバ(old)のアドレス宛てに転送することができる。このため、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様に実現することができる。
【0297】
また、既存3G網から本実施形態のIMS-Femto網へのPSハンドオーバの場合、移動後のPSサーバ(new)は、3GPP技術仕様におけるIu-Flex機能により移動前のSGSN(old)を特定する特定情報(NRI)が含められたold P-TMSIを、上述したステップC109でSGSN Context Requestに含めて、移動元SGSNが含まれる既存3G網の代表SGSNに送信する。
このことにより、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、既存3G網における代表SGSNから移動元SGSNへとSGSN Context Requestを転送させることができる。このため、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様に実現することができる。
【0298】
本実施形態によれば、以上のようにPDPコンテキストの引き継ぎを実現するため、PSハンドオーバでの移動先でPDPコンテキストを再確立する必要なく、既存3G網内でのPSハンドオーバと同様のPSハンドオーバを実現できる。
このため、パケット通信の途中や、パケット通信状態のまま無通信状態が所定時間続いたPreservation状態でPSハンドオーバが行われた場合であっても、既存3G網内でのPSハンドオーバの場合と同様に、パケット通信を継続させることができる。
【0299】
また、本実施形態では、PSサーバが仮想的にSGSN機能部を構成することにより、IMS-Femto網以外のネットワークに属する装置(既存3G網のSGSNなど)との間で、既存3G網のSGSNによる信号送受信と同様の信号送受信を実現している。このように、本実施形態では、既存3G網などIMS-Femto網以外のネットワークからPSサーバをSGSNとして認識させ、3GPP TS23.236等の標準化規格に定められた信号送受信の流れに沿って、PSハンドオーバにおけるPDPコンテキストの引き継ぎを実現できる。
このため、既存3G網など既存の移動通信網における各装置の改良を必要とせず、上述した各効果を得ることができる。
【0300】
また、上述した説明では、既存3G網とIMS-Femto網との間でのPSハンドオーバについて説明したが、IMS-Femto網のPSサーバによるSGSN機能部は上述のように他のネットワークに属する装置からSGSNとして認識されるよう動作する。このため、LTE網など各種の移動通信網からもIMS-Femto網のPSサーバは、既存3G網におけるSGSNと同様に判別されることとなり、LTE網など各種の移動通信網とIMS-Femto網との間のPSハンドオーバの場合についても、上述した実施形態と同様の手順により、3GPP等の規格に定められた動作に沿ってPSハンドオーバを行い、PDPコンテキストの引き継ぎを実現することができる。
【0301】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0302】
例えば、本明細書で提示した非特許文献1は、一例であり、本実施形態における通信システムは、非特許文献1に記載されている3GPPのVersionには依存せずに行うことも可能である。
【0303】
また、上述した実施形態では、Preservation状態で位置移動が行われることとして説明したが、位置移動の時点でPreservation状態であってもなくても、結局、ハンドオーバの一連の動作に伴ってUEとFAPまたはNode-Bとの間の無線区間は解放されることとなる。すなわち、PS通信が確立された後の位置移動によるPSハンドオーバであれば、位置移動の時点でPreservation状態であるか否かにかかわらず、同様の動作により上述した実施形態による各機能が実現されることとなる。
【0304】
また、上述した実施形態では、SGSN機能部がPSサーバにより実現される構成例について説明したが、機能として実現可能であればその機能を実装する装置はこのPSサーバに限定されず、例えばPDGなど他の装置が上述した実施形態におけるSGSN機能部を備えるサービス制御装置として機能する構成であっても本発明は同様に実現することができる。
【0305】
また、上述した実施形態では、DB装置9を単体の装置として実現した構成例について説明したが、機能として実現可能であればその機能を実装する装置はこのDB装置9に限定されず、例えばIMS-Femto網のDNS7など他の装置の何れかがDB装置9におけるデータベース機能を備える構成であっても本発明は同様に実現することができる。
【0306】
このように、上述した実施形態における各装置が実現する各機能は、それら機能を実現可能であればその機能を実装する装置は上述した実施形態のものに限定されず、他の装置がそれら機能を備える構成であっても本発明は同様に実現することができる。
すなわち、本明細書における各種装置やシステムは、各種機能を実現する機能部(特定の機能を実現する機能モジュールや装置など)論理的に集合したもののことであり、各機能部が何れの装置内に設けられているか、また、単一の筐体内にあるか否かは特に問われるものではない。
【0307】
また、上述した本実施形態における通信システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0308】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0309】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0310】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0311】
また、本実施形態における通信システムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。
【0312】
また、本実施形態における通信システムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0313】
1 UE
2 FAP
3 PDG
4 PSサーバ(サービス制御装置の一例)
5 AAA
6 HSS
7 DNS
8 IMSコア
9 DB装置
93 SGSN
94 GGSN
95 HLR
96 DNS
97 MSC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムであって、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記サービス制御装置は、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記サービス制御装置は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の登録要求手段は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記フェムトセル用基地局は、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の登録要求手段は、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項5記載の通信システム。
【請求項7】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置であって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備えたことを特徴とするデータベース装置。
【請求項8】
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項7記載のデータベース装置。
【請求項9】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置であって、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記サービス制御装置は、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とするサービス制御装置。
【請求項10】
自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求手段を備え、
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項9記載のサービス制御装置。
【請求項11】
前記第1の登録要求手段は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項10記載のサービス制御装置。
【請求項12】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局であって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記フェムトセル用基地局は、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とするフェムトセル用基地局。
【請求項13】
前記第2の登録要求手段は、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項12記載のフェムトセル用基地局。
【請求項14】
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムにおける通信方法であって、
前記IMS網は、フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置が、UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納工程と、
前記代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信工程と、
前記代表サービス制御装置から前記データベース装置がP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納工程で格納されたアドレス情報を検索する検索工程と、
前記検索工程で検索されたアドレス情報を前記データベース装置が前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信工程と、を備え、
前記代表サービス制御装置が、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信工程で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御工程と、を備えたことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
前記格納工程では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを前記データベース装置が登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記サービス制御装置が、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求工程を、前記格納工程の前に備えたことを特徴とする請求項14または15記載の通信方法。
【請求項17】
前記第1の登録要求工程では、前記サービス制御装置が、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項16記載の通信方法。
【請求項18】
前記フェムトセル用基地局が、前記UEに対してP-TMSIを発行する発行工程と、
前記フェムトセル用基地局が、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行工程により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求工程と、を前記格納工程の前に備えたことを特徴とする請求項14または15記載の通信方法。
【請求項19】
前記第2の登録要求工程では、前記フェムトセル用基地局が、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項18記載の通信方法。
【請求項20】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置のコンピュータに、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納処理と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索する検索処理と、
前記検索処理により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信処理と、を実行させることを特徴とするデータベース装置のプログラム。
【請求項21】
前記格納処理では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項20記載のデータベース装置のプログラム。
【請求項22】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索して前記代表サービス制御装置に送信し、
前記サービス制御装置のコンピュータを、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部として機能させると共に、
前記サービス制御装置のコンピュータに、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信処理と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信処理で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御処理と、を実行させることを特徴とするサービス制御装置のプログラム。
【請求項23】
前記サービス制御装置のコンピュータに、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求処理を実行させ、
前記格納処理では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項22記載のサービス制御装置のプログラム。
【請求項24】
前記第1の登録要求処理では、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項23記載のサービス制御装置のプログラム。
【請求項25】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索して前記代表サービス制御装置に送信し、
前記フェムトセル用基地局のコンピュータに、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行処理と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行処理により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求処理と、を実行させることを特徴とするフェムトセル用基地局のプログラム。
【請求項26】
前記第2の登録要求処理では、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項25記載のフェムトセル用基地局のプログラム。
【請求項1】
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムであって、
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記サービス制御装置は、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記サービス制御装置は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の登録要求手段は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記フェムトセル用基地局は、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の登録要求手段は、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項5記載の通信システム。
【請求項7】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置であって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備えたことを特徴とするデータベース装置。
【請求項8】
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項7記載のデータベース装置。
【請求項9】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置であって、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記サービス制御装置は、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信手段と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信手段により受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御手段と、を備えたことを特徴とするサービス制御装置。
【請求項10】
自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求手段を備え、
前記格納手段は、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項9記載のサービス制御装置。
【請求項11】
前記第1の登録要求手段は、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項10記載のサービス制御装置。
【請求項12】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局であって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納手段と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納手段に格納されたアドレス情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信手段と、を備え、
前記フェムトセル用基地局は、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行手段と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行手段により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求手段と、を備えたことを特徴とするフェムトセル用基地局。
【請求項13】
前記第2の登録要求手段は、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項12記載のフェムトセル用基地局。
【請求項14】
IMS(IP Multimedia subsystem)網を構成する通信システムにおける通信方法であって、
前記IMS網は、フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備え、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置が、UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納工程と、
前記代表サービス制御装置が、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信工程と、
前記代表サービス制御装置から前記データベース装置がP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納工程で格納されたアドレス情報を検索する検索工程と、
前記検索工程で検索されたアドレス情報を前記データベース装置が前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信工程と、を備え、
前記代表サービス制御装置が、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信工程で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御工程と、を備えたことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
前記格納工程では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを前記データベース装置が登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記サービス制御装置が、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求工程を、前記格納工程の前に備えたことを特徴とする請求項14または15記載の通信方法。
【請求項17】
前記第1の登録要求工程では、前記サービス制御装置が、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項16記載の通信方法。
【請求項18】
前記フェムトセル用基地局が、前記UEに対してP-TMSIを発行する発行工程と、
前記フェムトセル用基地局が、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行工程により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求工程と、を前記格納工程の前に備えたことを特徴とする請求項14または15記載の通信方法。
【請求項19】
前記第2の登録要求工程では、前記フェムトセル用基地局が、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項18記載の通信方法。
【請求項20】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるデータベース装置のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置のコンピュータに、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納する格納処理と、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索する検索処理と、
前記検索処理により検索されたアドレス情報を前記代表サービス制御装置に送信するアドレス送信処理と、を実行させることを特徴とするデータベース装置のプログラム。
【請求項21】
前記格納処理では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項20記載のデータベース装置のプログラム。
【請求項22】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるサービス制御装置のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索して前記代表サービス制御装置に送信し、
前記サービス制御装置のコンピュータを、
通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部として機能させると共に、
前記サービス制御装置のコンピュータに、
前記代表サービス制御装置として用いられ、規格に定められたハンドオーバの通信手順でPDP(Packet Data Protocol)コンテキストの引き継ぎ要求信号を受信した場合、当該受信したPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号に含まれるP-TMSIを前記データベース装置にアドレス要求として送信する要求送信処理と、
前記代表サービス制御装置として用いられ、前記データベース装置からサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、当該受信したアドレス宛てに、前記要求送信処理で受信されたPDPコンテキストの引き継ぎ要求信号を転送する転送制御処理と、を実行させることを特徴とするサービス制御装置のプログラム。
【請求項23】
前記サービス制御装置のコンピュータに、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した場合に、当該受信されたP-TMSIと、自装置のアドレス情報とを登録要求として前記データベース装置に送信する第1の登録要求処理を実行させ、
前記格納処理では、P-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを登録要求として受信した場合に、当該受信されたP-TMSIとサービス制御装置のアドレス情報とを関連付けて格納することを特徴とする請求項22記載のサービス制御装置のプログラム。
【請求項24】
前記第1の登録要求処理では、自装置の管理下にあるフェムトセル用基地局からP-TMSIを受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項23記載のサービス制御装置のプログラム。
【請求項25】
フェムトセル用基地局と、サービス制御装置と、呼制御を行うコア装置と、データベース装置と、を備えたIMS(IP Multimedia subsystem)網に用いられるフェムトセル用基地局のプログラムであって、
前記サービス制御装置は、通信手順の異なる他のネットワークからの送信信号に対して、SGSN(Serving GPRS Support Node)と同様の信号返信を行うSGSN機能部を備え、前記IMS網に複数設けられ、
該複数のサービス制御装置の内の1台は、代表サービス制御装置として予め設定され、
前記データベース装置は、
UE(user equipment)に発行されたP-TMSI(Packet - Temporary Mobile Subscriber Identity)に、該UEの帰属先フェムトセル用基地局を管理するサービス制御装置のアドレス情報を関連付けて格納し、
前記代表サービス制御装置からP-TMSIを受信した場合に、当該受信したP-TMSIに関連付けられて前記格納処理で格納されたアドレス情報を検索して前記代表サービス制御装置に送信し、
前記フェムトセル用基地局のコンピュータに、
前記UEに対してP-TMSIを発行する発行処理と、
自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した場合、前記発行処理により発行されたP-TMSIおよび該受信されたアドレス情報を登録要求として前記データベース装置に送信する第2の登録要求処理と、を実行させることを特徴とするフェムトセル用基地局のプログラム。
【請求項26】
前記第2の登録要求処理では、自装置を管理するサービス制御装置のアドレス情報を受信した後、PDPが確立されるまでの間に、前記データベース装置へと登録要求を送信することを特徴とする請求項25記載のフェムトセル用基地局のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−66068(P2013−66068A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203628(P2011−203628)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
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