説明

通信システム、中継装置、通信装置及びコンピュータプログラム

【課題】ファクシミリ機能を有する通信装置と、該通信装置と通信網を介して接続された中継装置とを備えるシステムにおいて、利用者が通信装置を直接操作することにより、通信装置がシステム全体として非効率な処理を実行することを防止することが可能な通信システム、中継装置、通信装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】中継装置1は、画像データの送受信を可能とする通信が確立した通信装置2のファクシミリ機能を制御する。そして、中継装置1は、通信装置2に対し、自装置から転送した画像データのファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線網を介してファクシミリ通信を行うファクシミリ機能を有する複数の通信装置と、前記電話回線網と異なる通信網を介して前記通信装置と接続された中継装置とを備える通信システム、中継装置、通信装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ機能を有するデジタル複合機をLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )等の閉域通信網に組み込むファクシミリシステムが普及しており、更に様々な構成のファクシミリサーバシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、クライアント装置からLANを介してファクシミリサーバへ文書データを送信し、ファクシミリサーバは、文書データを展開したイメージデータをLANを介してリモートファクシミリ装置へ送信する。そしてリモートファクシミリ装置は、イメージデータを公衆回線を介して他のファクシミリ装置へ送信するというファクシミリサーバシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−233040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステム等の従来のファクシミリサーバシステムでは、利用者の使用状況によっては、十分にその機能を発揮することができない場合があるという問題があった。例えば、利用者がデジタル複合機を操作して、操作を受け付けたデジタル複合機のファクシミリ機能により、ファクシミリサーバを利用せずにファクシミリ送信する場合である。
【0006】
この様な場合、ファクシミリサーバから時刻指定送信の実施に際し、同時刻にファクシミリ用の電話回線網が占有され、送信することができないという問題が生じる。また、送信先と通信距離が最も近いデジタル複合機を選択することで通信料金を抑制する設定としている場合であっても、利用者が操作したデジタル複合機から直接ファクシミリ送信を行うことにより、通信料金を十分に抑制することができないという問題が生じる。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みて成されたものであり、ファクシミリサーバ等の中継装置との通信が確立し、中継装置により制御することが可能となったデジタル複合機等の通信装置に対し、中継装置がファクシミリ機能の実行を制限させることにより、システムの機能を発揮させ、実効性の高いシステムを構築することが可能な通信システム、中継装置、通信装置及びコンピュータプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信システムは、ファクシミリ機能を有する複数の通信装置と、ファクシミリ通信に用いる電話回線網と異なる通信網を介して前記通信装置と接続された中継装置とを備え、該中継装置は、一の通信装置から画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを受信し、受信した画像データ及び送信先データを所定の条件に基づいて選択した通信装置へ転送し、該通信装置は、転送された画像データを送信先データが示す送信先へファクシミリ送信する通信システムにおいて、前記中継装置は、画像データの送受
信を可能とする通信が確立した通信装置に、転送された画像データのファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる制限手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る通信システムは、前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ通信の禁止であることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る通信システムは、前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ送信の禁止であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る通信システムは、前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ送信に代替する前記中継装置への画像データ及び送信先データの送信の実行であり、操作の用に供する操作用画像を表示する表示部と、前記制限手段による制限に際して、前記通信装置によるファクシミリ送信に係る操作用画像を模した前記中継装置への送信の実行のための操作用画像を前記表示部に表示させる手段とを更に備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る通信システムは、前記通信装置は、起動時に前記中継装置に対して通信の確立を要求する手段を更に備え、前記中継装置は、要求元の通信装置に対する認証処理を実行する手段と、認証が成功した通信装置と、画像データ及び送信先データの送受信を可能とする通信を確立する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る通信システムは、前記通信装置は、中継装置との認証が成功しなかった場合であって、ファクシミリ通信の着信を受けた場合に、着信したファクシミリに係る画像データの受信、保存及び印刷を実行する手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る通信システムは、前記中継装置は、選択した通信装置が画像データの送信元である場合に、選択した通信装置に対し、画像データを前記中継装置へ送信させずに、送信先へファクシミリ送信させる手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る中継装置は、画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを通信網を介して受信した場合に、前記通信網と異なる電話回線網を介して送信先へ画像データをファクシミリ送信すべく、ファクシミリ機能を有する他の装置へ前記通信網を介して転送する中継装置において、画像データの送受信を可能とする通信が確立した他の装置に、転送された画像データのファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る通信装置は、ファクシミリ機能を有し、ファクシミリ通信を行う電話回線網と異なる通信網を介して他の装置と通信する通信装置において、ファクシミリ送信すべき画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを前記他の装置へ送信する手段と、前記他の装置から画像データ及び送信先データを受信した場合に、受信した画像データを、送信先データが示す送信先へファクシミリ送信する転送ファクシミリ手段と、前記他の装置からファクシミリ機能の実行を制限する命令を受信した場合に、前記転送ファクシミリ手段によるファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るコンピュータプログラムは、画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを通信網を介して受信した場合に、前記通信網と異なる電話回線網を介して送信先へ画像データをファクシミリ送信すべく、ファクシミリ機能を有する他の装置へ前記通信網を介して転送させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、画像データの送受信を可能とする通信が確立した他の装置に、転送された画像データのファ
クシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる手順を実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明では、中継装置が通信装置のファクシミリ機能の実行を制限することにより、利用者の操作等により、通信装置がシステム全体として非効率な処理を実行することを防止する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る通信システム、中継装置、通信装置及びコンピュータプログラムは、中継装置が、通信装置のファクシミリ機能の実行を制限することにより、例えば、利用者が通信装置を操作してファクシミリ送信することを抑止する。これにより、例えば、中継装置が時刻指定送信を実施する際に、同時刻に電話回線網が占有され送信することができないという問題の発生を防止することができる。また、例えば、送信先の近隣に設置された通信装置があるにもかかわらず、送信先から離れた地域に設置された通信装置を利用者が操作し、直接ファクシミリ送信をして、通信料金を十分に抑制することができないという問題の発生を防止することができる。従って、本発明では、システム全体として効率的な運用を促すことが可能である等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成例を概念的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置が備える管理情報保存部の記録内容の一例を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置が備えるメモリに記録されたファクシミリ機能設定フラグの内容の一例を概念的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置の認証処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の機能選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置の操作部に表示される画像例を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置のファクシミリ送信第1処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置のファクシミリ送信第2処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置のファクシミリ受信第1処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置のファクシミリ受信第2処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信装置の認証処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信装置のファクシミリ受信第1処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態3に係る通信システムにおける通信装置の機能選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態3に係る通信システムにおける中継装置及び通信装置のファクシミリ送信第3処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0022】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成例を概念的に示す説明図である。図1中1は、ファクシミリサーバ装置等のサーバ装置を用いた本発明の中継装置であり、中継装置1は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )等の閉域通信網NW1に接続されている。なお、本実施の形態では閉域通信網NW1として以降の説明を行うが、IPプロトコル等の通信規約に準拠したデジタル通信網であれば良く、インターネット、無線通信網、インターネットを利用したVPN(Virtual Private Network
)網等の様々な通信網を用いることが可能である。
【0023】
閉域通信網NW1には、ファクシミリ機能を有するデジタル複合機等の装置を用いた通信装置2,2,…が複数台接続されている。図1に示すように、本発明の通信システムでは、様々な地域に設置された通信装置2,2,…をWAN等の閉域通信網NW1にて接続し、閉域通信網NW1を介して中継装置1と通信する。
【0024】
各通信装置2,2,…は、公衆電話網NW2に接続し、公衆電話網NW2を介して他のファクシミリ装置3,3,…とファクシミリ送信、受信等のファクシミリ通信を行うファクシミリ機能を有している。
【0025】
また、閉域通信網NW1に対し、直接又は間接的にパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン等の各種端末装置4,4,…が接続することも可能である。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1の構成例を示すブロック図である。中継装置1は、ファクシミリサーバとして用いられるサーバ装置等の各種コンピュータを用いて構成される。中継装置1は、制御部10、記録部11、通信部12等の各種機構を備えている。
【0027】
制御部10は、装置全体を制御し、後述する各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit )等の機構である。
【0028】
記録部11は、各種情報を記録する様々な記録手段を示しており、情報を一時的に記録する各種RAM等の揮発性メモリ、ROM、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ等の機構である。また、外付けのハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、通信網を介して接続されるファイルサーバ等の他の装置についても記録部11として用いるこ
とが可能である。即ち、ここでいう記録部11とは、制御部10からアクセス可能な一又は複数の情報記録媒体の総称である。
【0029】
なお、記録部11には、サーバ装置等のコンピュータを本発明の中継装置1として動作させるための各種手順を含む本発明のコンピュータプログラム110等の様々なプログラム及びデータが記録されている。本発明のコンピュータプログラム110等の記録されているプログラムには、通信装置2に対しユーザーインターフェースとして提供するHTML等のページ記述言語で記述された操作用画面に関する操作用プログラムも含まれている。操作用プログラムにより、中継装置1は、閉域通信網NW1上のウェブサーバとしても機能する。その他、ファクシミリサーバ装置として機能するための各種プログラムが記録部11に記録されている。
【0030】
また、記録部11の記録領域の一部は、中継装置1による管理の対象とする通信装置2,2,…についての各種情報を記録する管理情報保存部111、データ保存部112等の各種情報を記録するデータベースとして用いられている。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1が備える管理情報保存部111の記録内容の一例を概念的に示す説明図である。管理情報保存部111には、通信装置2,2,…に関する各種情報が、通信装置2,2,…に付された識別名称に対応付けてレコード形式で記録されている。各種情報としては、機器ID、パスワード、IPアドレス、設置場所、ファクシミリ番号、利用可否フラグ、機能制限フラグ等の情報である。機器ID及びパスワードは、夫々の通信装置2,2,…に対して設定されている認証情報である。IPアドレスとは、通信装置2,2,…の閉域通信網NW1上の位置を特定する識別情報である。設置場所とは、設置されている事業所、地域等の情報である。なお、ファクシミリ番号の市外局番、市内局番等の情報をもって設置場所を示す情報としても良い。利用可否フラグとは、各通信装置2,2,…が中継装置1の管理下にあり、利用可能であるか否かを示すフラグ形式の情報である。機能制限フラグとは、各通信装置2,2,…に対して設定される機能の制限に関する情報であり、ファクシミリ送信/受信の許可/禁止等の設定内容を示す情報がフラグ形式で記録されている。中継装置1は、管理情報保存部111の記録内容に基づいて通信装置2のファクシミリ機能の実行を制限する。
【0032】
図2に戻り、データ保存部112とは、通信装置2から受信した画像データ及び画像データの送信先を示す送信先データ等のデータを保存するデータベースである。制御部10は、必要に応じて、管理情報保存部111、データ保存部112等の各種データベースにアクセスすることが可能である。
【0033】
通信部12は、閉域通信網NW1に接続するネットワークインターフェースであり、LANポート及びその付属回路等の各種回路を含んでいる。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2の構成例を示すブロック図である。通信装置2は、制御部20、操作部21、原稿読取部22、印刷部23、記録部24、第1通信部25、第2通信部26等の各種機構を備えている。なお、ここでは、ファクシミリ機能を実現するための各種機能を中心に説明するが、通信装置2は、デジタル複合機を用いて構成する場合、ファクシミリ機能以外にも、コピー機能、プリンタ機能等の様々な機能を備えることになる。
【0035】
制御部20は、装置全体を制御するCPU等の機構であり、ハードウェア又はソフトウェアとして構成される各種モジュールを実行する。なお、各種モジュールについては後述する。
【0036】
操作部21は、ユーザーの操作を受け付ける押しボタン、タッチパネル等のユーザーインターフェース、並びに受け付けた操作に基づく情報を制御部20に渡す各種回路及びプログラムを含む機構である。例えば、ユーザーは、操作部21を操作することにより、送信先のファクシミリ番号等の送信先データ、ファクシミリの送信操作、送信に関する各種設定等の入力を行うことができる。
【0037】
原稿読取部22は、送信すべき画像が表された用紙等の被走査媒体を走査して画像データを生成する各種回路及びプログラムを含む機構である。
【0038】
印刷部23は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能等の各種機能により出力すべき画像を、コピー用紙等の画像形成媒体上に形成する各種回路及びプログラムを含む機構である。
【0039】
記録部24は、画像データ、その他、各種情報を記録するハードディスク等の記録媒体を用いて構成される機構である。
【0040】
第1通信部25は、閉域通信網NW1に接続するネットワークインターフェースであり、LANポート及びその付属回路等の各種回路を含んでいる。
【0041】
第2通信部26は、公衆電話網NW2に接続する通信インターフェースであり、電話回線用ポート及びその付属回路等の各種回路を備えている。
【0042】
次に制御部20が備える各種モジュールについて説明する。制御部20は、コピー制御プログラム200、ファクシミリ制御プログラム201、UIプログラム202、認証プログラム203、ウェブブラウザ204、原稿読取部API205、印刷部API206、ファクシミリ通信部API207等の各種モジュールを備えている。
【0043】
コピー制御プログラム200は、コピーに関する機能を実行するための制御プログラムである。
【0044】
ファクシミリ制御プログラム201は、ファクシミリ送信、ファクシミリ受信等のファクシミリ通信に関する機能を実行するための制御プログラムである。
【0045】
UIプログラム202は、操作部21に表示させる各種画面及び操作部21から受け付ける各種入力内容に基づく制御を実行するユーザーインターフェースに関する制御プログラムである。
【0046】
認証プログラム203は、中継装置1にアクセスし、中継装置1に対して認証を要求するプログラムである。
【0047】
ウェブブラウザ204は、HTML等のページ記述言語で記述された操作用画面をユーザーが閲覧可能な形態で操作部21に表示させるプログラムである。
【0048】
原稿読取部API205は、原稿読取部22を制御するための制御プログラムである。例えば、中継装置1等の外部装置から読取条件を示す設定データ、読取原稿に基づく画像データの送信先又は保存先を示す送信先データ又は保存先データ、及び読取命令を受信した場合に、設定データに基づく読取条件にて原稿読取部22に原稿を読み取らせ、読み取った原稿に基づく画像データを、送信先データに基づく送信先へ送信させ又は保存先データに基づく保存先に保存させる制御を実行する。
【0049】
印刷部API206は、印刷部23を制御するための制御プログラムである。例えば、中継装置1等の外部装置から用紙サイズ、排紙トレイ等の印刷条件を示す設定データ、印刷すべき画像データ、及び印刷命令を受信した場合に、設定データに基づく印刷条件で印刷部23を制御し、画像データによる画像を画像形成媒体上に形成させる制御を実行する。
【0050】
ファクシミリ通信部API207は、第2通信部26を制御し、ファクシミリ機能を実行するための制御プログラムである。例えば、中継装置1から解像度、送信先等のファクシミリ送信条件を示す設定データ、ファクシミリ送信すべき画像データ、及び送信命令を受信した場合に、第2通信部26を制御し、設定データに基づくファクシミリ送信条件にて画像データを送信する。また、例えば、中継装置1から転送命令を受信した場合に、記録部24に記録している画像データ及び送信先データを中継装置1へ送信する制御を実行する。
【0051】
また、制御部20は、各種情報を記録するフラッシュメモリ等のメモリ208を有しており、メモリ208には、ファクシミリ機能設定フラグ等の情報が記録されている。図5は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2が備えるメモリ208に記録されたファクシミリ機能設定フラグの内容の一例を概念的に示す説明図である。図5に示すファクシミリ機能設定フラグは、ファクシミリ送信及びファクシミリ受信について、禁止又は許可を示すフラグが設定されることを示している。通信装置2は、中継装置1の制御により、ファクシミリ送信及びファクシミリ受信について、禁止又は許可のいずれかが設定される。
【0052】
次に、通信装置2のユーザーインターフェースについて説明する。図6〜図10は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2の操作部21に表示される画像例を示す説明図である。図6〜図10は、中継装置1によるファクシミリ機能の制限がなされていな状況において、操作部21のタッチパネルに表示される操作用画像の例を示している。
【0053】
操作用画像は、「Copy」、「FAX」及び「拡張機能」と示されたタブにより操作の対象となる機能を選択することができるようになっている。図6は、「Copy」と示されたタブを選択した場合に表示される画像を示しており、利用者がコピー機能を利用する際の操作用画像となっている。図6に示すように、利用者は、操作部21を操作することにより、「原稿サイズ」、「用紙サイズ」、「後処理」及び「片面/両面」についての設定を行うことができる。
【0054】
図7は、「FAX」と示されたタブを選択した場合に表示される画像を示しており、利用者がファクシミリ機能を利用する際の操作用画像となっている。図7に示すように、利用者は、操作部21を操作することにより、「原稿サイズ」、「解像度」及び「送信先」についての設定を行うことができる。
【0055】
図8は、「拡張機能」と示されたタブを選択した場合に表示される画像を示しており、利用者が様々な拡張機能を利用する際の操作用画像となっている。図8に示すように、利用者は、操作部21を操作することにより、拡張機能として「クラウドFAXサービス」又は「名刺管理アプリ」を選択して実行させることができる。「クラウドFAXサービス」とは、中継装置1の管理下でファックス機能を実行するためのネットワークファクシミリ機能である。
【0056】
図9及び図10は、図8に示す状態から「クラウドFAXサービス」を選択した場合に
表示される画像を示しており、利用者が「クラウドFAXサービス」を利用する際の操作用画像となっている。
【0057】
図9は、ユーザーがファクシミリ送信に関する設定を行う際の操作用画像であり、「原稿サイズ」、「解像度」及び「宛先(送信先)」についての設定を行うことができる。
【0058】
図10は、ユーザーがファクシミリ受信した画像データを取得する際の操作用画像であり、受信履歴のうちから所望の画像データを選択し、取得することができる。
【0059】
本発明の通信システムは、上述の各種機能の実行に際し、通信装置2が、第2通信部26から直接ファクシミリ送信するファクシミリ機能の実行を制限し、ファクシミリ通信が必要な場合には、優先的にネットワークファクシミリ機能を利用させる管理を行う。また、ファクシミリ着信が有った場合に、受信したファクシミリデータに基づく画像を直接印刷出力するファクシミリ機能の実行を制限し、画像データとして中継装置1へ転送させる管理を行う。
【0060】
次に本発明の実施の形態1に係る各装置の処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2の認証処理を示すフローチャートである。通信装置2は、電源投入後の起動時、リセット後の再起動時等の起動時に制御部20の制御により、認証処理を開始する。通信装置2の起動時に、制御部20は、ファクシミリ機能設定フラグにて設定されるファクシミリ送信及びファクシミリ受信について、許可を示すフラグを設定する初期設定を行う(S101)。ステップS101の初期設定では、通信装置2のファクシミリ送信及びファクシミリ受信は、いずれも許可となっている。
【0061】
制御部20は、認証プログラム203を実行し、中継装置1に対して通信を確立するログインのための認証処理として、予め記録している機器ID及びパスワードを含む認証情報を第1通信部25から中継装置1へ送信する(S102)。即ち、通信装置2は、起動時に、中継装置1に対して通信の確立を要求する。制御部20は、機器ID及びパスワードを含む認証情報を送信後、認証結果待ちの待機状態となる(S103)。
【0062】
中継装置1は、制御部10の制御により、処理待ちの待機状態から(S104)、通信装置2の通信確立の要求を受けて、通信装置2に対する認証処理を開始する。中継装置1の制御部10は、通信部12により、機器ID及びパスワードを含む認証情報を受信し、受信した機器ID及びパスワードを、管理情報保存部111に記録されている機器ID及びパスワードと照合する認証処理を実行する(S105)。
【0063】
ステップS105において、認証が成功したと判定した場合(S105:YES)、制御部10は、機能制限命令及びファクシミリサーバ送信先アドレスを通信部12から通信装置2へ送信する(S106)。機能制限命令とは、管理情報保存部111に記録されている機能制限フラグの内容に基づき生成される情報であり、「ファクシミリ受信許可,ファクシミリ送信禁止」等の設定内容を示す命令である。なお、ここでは、設定内容が「ファクシミリ受信禁止,ファクシミリ送信禁止」であるものとして以降の説明を行う。また、ファクシミリサーバ送信先アドレスとは、ファクシミリ送信すべき画像データの送信先となるファクシミリサーバを示すIPアドレス等の情報であり、例えば、中継装置1のIPアドレスが、ファクシミリサーバ送信先アドレスとして用いられる。
【0064】
そして、制御部10は、管理情報保存部111の利用可否フラグを「利用可」とし(S107)、ステップS104へ戻り、待機状態となる。このように中継装置1は、ステップS105にて認証処理を実行後、ステップS106〜S107の処理により、認証が成
功した通信装置2を利用可能な装置として、画像データの送受信を可能とする通信を確立する。
【0065】
ステップS105において、認証が失敗したと判定した場合(S105:NO)、制御部10は、認証失敗を示す情報を通信部12から通信装置2へ送信し(S108)、ステップS104へ戻り、待機状態となる。
【0066】
通信装置2の制御部20は、認証結果を受信したか否かを判定する(S109)。ステップS109の判定は、中継装置1から送信される認証成功を示す情報又は認証失敗を示す情報を受信したか否かを判定する処理である。なお、機能制限命令及びファクシミリサーバ送信先アドレスが、認証成功を示す情報となる。
【0067】
ステップS109において、認証結果を受信したと判定した場合(S109:YES)、制御部20は、認証成功か否かを判定する(S110)。前述のように機能制限命令及びファクシミリサーバ送信先アドレスを受信していた場合には、認証成功と判定する。
【0068】
ステップS110において、認証成功と判定した場合(S110:YES)、制御部20は、受信した機能制限命令に基づいてファクシミリ機能設定フラグを設定し(S111)、ファクシミリサーバ送信先アドレスを記録する(S112)。ステップS111の設定により、ファクシミリ機能設定フラグが、「ファクシミリ送信禁止」及び「ファクシミリ受信禁止」に設定される。ステップS112では、例えば制御部20のメモリ又は記録部24にファクシミリ送信先アドレスが記録される。そして、通信装置2は、認証処理を終了する。
【0069】
ステップS109において、認証結果を受信していないと判定した場合(S109:NO)、制御部20は、予め設定されている所定の受信待ち時間を経過したか否かを判定する(S113)。
【0070】
ステップS113において、予め設定されている所定の受信待ち時間が経過していないと判定した場合(S113:NO)、制御部20は、ステップS103へ戻り、待機状態となる。
【0071】
ステップS113において、予め設定されている所定の受信待ち時間が経過していると判定した場合(S113:YES)、制御部20は、認証処理を終了する。
【0072】
ステップS110において、認証失敗と判定した場合(S110:NO)、制御部20は、認証処理を終了する。なお、認証失敗の場合、機能制限フラグは「ファクシミリ受信許可,ファクシミリ送信許可」を示す初期設定のままとなり、通信装置2は、特に制限無くファクシミリ機能を実行することができるようになる。
【0073】
このようにして通信装置2の起動時に認証処理が実行され、認証が成功した場合、通信装置2及び中継装置1間での通信が確立し、通信装置2が中継装置1の管理下におかれ、中継装置1は、ファクシミリ機能の実行が制限されることになる。なお、ここでは認証処理として自動で認証処理を行う形態を示したが、本発明はこれに限らず、管理者が適宜手動で中継装置にアクセスし、機器ID及びパスワードを入力して認証を行いログインするようにしても良い。
【0074】
図12は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2の機能選択処理の一例を示すフローチャートである。ファクシミリ機能の実行が制限された状態で、利用者が通信装置2を操作しようとした場合、通信装置2は、制御部20の制御により、機
能選択処理を実行する。
【0075】
利用者は、操作待ち状態にある通信装置2の操作部21を操作して、例えば、図6〜図10に例示した画像を表示させるべく、機能を選択する入力を行う。操作部21から利用者の操作を受け付けた通信装置2は、制御部20の制御により、コピー機能が選択されたか否かを判定する(S201)。
【0076】
ステップS201において、コピー機能が選択されたと判定した場合(S201:YES)、制御部20は、コピー機能に係る操作用画像を表示する(S202)。ステップS202では、例えば図6に示す操作用画像を表示する。そして、制御部20は、利用者の操作に基づいて、コピー機能を実行する(S203)。コピー機能を実行後、通信装置2は、操作待ち状態となる。
【0077】
ステップS201において、コピー機能は選択されていないと判定した場合(S201:NO)、制御部20は、ファクシミリ機能が選択されたか否かを判定する(S204)。
【0078】
ステップS204において、ファクシミリ機能が選択されたと判定した場合(S204:YES)、制御部20は、ファクシミリ機能設定フラグを読み取り(S205)、ファクシミリ機能の実行が制限されているか否かを判定する(S206)。ステップS206では、読み取ったファクシミリ機能フラグに「ファクシミリ送信禁止」が設定されている場合、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定し、「ファクシミリ送信許可」が設定されている場合、通信機能の実行が制限されていないと判定する。即ち、ステップS206では、ファクシミリ機能の制限として、ファクシミリ送信が禁止されているか否かを判定する。
【0079】
ステップS206において、ファクシミリ機能の実行が制限されていないと判定した場合、即ち、ファクシミリ送信が許可されていると判定した場合(S206:NO)、制御部20は、ファクシミリ機能に係る操作用画像を表示する(S207)。ステップS207では、例えば図7に示す操作用画像を表示する。そして、制御部20は、利用者の操作に基づいて、ファクシミリ機能を実行する(S208)。ファクシミリ機能を実行後、通信装置2は、操作待ち状態となる。
【0080】
ステップS204において、ファクシミリ機能が選択されていないと判定した場合(S204:NO)、制御部20は、拡張機能が選択されたか否かを判定する(S209)。
【0081】
ステップS209において、拡張機能が選択されたと判定した場合(S209:YES)、制御部20は、拡張機能に係る操作用画像を表示する(S210)。ステップS210では、例えば図8に示す操作用画像を表示する。そして、制御部20は、利用者の操作に基づいて、拡張機能を実行する(S211)。拡張機能を実行後、通信装置2は、操作待ち状態となる。ステップS211にて実行される拡張機能のうちの一つが「クラウドFAXサービス」、即ち、ネットワークファクシミリ機能である。
【0082】
ステップS209において、拡張機能が選択されていないと判定した場合(S209:NO)、制御部20は、操作待ち状態に戻る。即ち、受け付けた操作がいずれの機能を選択するものでも無い場合、誤操作、誤検出等の異常があったと判定するのである。この場合、「もう一度操作を行ってください」等の異常状態を示す旨の表示をするようにしてもよい。
【0083】
ステップS206において、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定した場合
(S206:YES)、制御部20は、ファクシミリ機能の実行の制限として、ファクシミリ送信が禁止されていることを示す画像を操作部21に表示する(S212)。
【0084】
図13は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2の操作部21に表示される画像例を示す説明図である。図13は、ファクシミリ送信が禁止されていることを示す画像であり、「拡張機能からクラウドFAXサービスをご利用下さい」との文が示されている。通信装置20は、図13に例示する画像を表示することにより、ファクシミリ送信が禁止されている旨を利用者に通知し、ファクシミリ機能を実行させる操作の受付を禁止する。
【0085】
図12のフローチャートに戻り、制御部20は、ステップS210へ進み、以降の処理を実行する。このように、通信装置20は、ファクシミリ機能の実行が制限されている場合、図13に示す画像を表示してから所定時間経過後、利用者の何らかの操作を受け付け後等の所定の条件を満足後に拡張機能に係る操作画面を表示する。なお、拡張機能の操作画面の表示を省略して、図9に示すネットワークファクシミリ機能に係る操作画面を表示するようにしてもよい。
【0086】
図14は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける通信装置2の操作部21に表示される画像例を示す説明図である。図12のフローチャート及び図13に例示する画像では、ファクシミリ機能の実行の制限によりファクシミリ送信が禁止されている場合で、ファクシミリ機能が選択されたときに、ファクシミリ送信がされている画像を表示する形態を示した。しかし、本発明はこれに限らず、ファクシミリ機能の選択自体を受け付けないように設定してもよい。図14は、そのような設定を行った場合の操作用画像であり、ファクシミリ機能を示す「FAX」と示されたタブがグレーで示され、利用者に視認することができるようにするとともに、当該タブの選択操作を受け付けないように設定される。この場合、図12のフローチャートにおいては、ステップS204でYESの選択肢以降の処理は実行されないことになる。
【0087】
このようにしてファクシミリ機能の実行が制限された状態における機能選択処理が実行される。そして、利用者は、ネットワークファクシミリ機能の実行によるファクシミリ通信を利用することになる。
【0088】
次に、ネットワークファクシミリ機能の実行による処理について説明する。図15は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ送信第1処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すファクシミリ送信第1処理とは、ネットワークファクシミリ機能の実行によるファクシミリ通信に際し、通信装置2により、画像を読み取り、中継装置1又はファクシミリ装置3へ送信する処理である。
【0089】
ネットワークファクシミリ機能が選択された場合、通信装置2は、ネットワークファクシミリ機能が選択されたことを中継装置1へ通知する。通知に対し、中継装置1は、制御部10の制御により、記録部11に記録されている操作用プログラムを、通信部12から通信装置2へ送信する(S301)。ステップS301にて送信する操作用プログラムとは、通信装置2に対しユーザーインターフェースとして提供するHTML等のページ記述言語で記述された操作用画面に関する操作用プログラムである。
【0090】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて操作用プログラムを受信する(S302)。制御部20は、UIプログラム202及びウェブブラウザ204を実行して、操作用プログラムに基づく操作用画像を操作部21に表示する(S303)。ステップS303では、図9及び図10として示した操作用画像が表示される。そして、利
用者は操作用画像を確認しながら操作を行う。
【0091】
制御部20は、UIプログラム202及びウェブブラウザ204を実行して、操作部21にて利用者の操作を受け付け(S304)、受け付けた操作結果を第1通信部25から中継装置1へ送信する(S305)。
【0092】
中継装置1は、制御部10の制御により、操作結果を受信する(S306)。制御部10は、受信した操作結果がネットワークファクシミリ機能によるファクシミリ送信の開始指示であるか否かを判定する(S307)。
【0093】
ステップS307において、開始指示ではないと判定した場合(S307:NO)、制御部10は、ステップS301へ戻り、以降の処理を繰り返す。操作用画像は階層構造をなしており、中継装置1及び通信装置2は、ステップS301〜S307の処理を夫々繰り返し実行することにより、ファクシミリ番号等の送信先を示す送信先データ及び必要な送信条件を示す送信条件データを含む送信開始指示を通信装置2から中継装置1へ通知する。必要な送信条件とは、例えば、解像度、指定送信時刻等のファクシミリ送信に要する情報である。
【0094】
ステップS307において、開始指示であると判定した場合(S307:YES)、制御部10は、開始指示に含まれるファクシミリ番号等の送信先データを読み取る(S308)。
【0095】
制御部10は、読み取った送信先データに基づいて、ファクシミリ送信を実行させる通信装置2を選択する(S309)。ステップS309における通信装置2の選択は、例えばファクシミリ番号における市外局番等の局番を判別し、同一市外局番圏内にある通信装置2を転送先として選択することにより行われる。また、同一市外局番圏内に通信装置2が存在しない場合、最も通信料金が低廉な通信装置2が転送先として選択される。
【0096】
制御部10は、選択した通信装置2(以下、選択通信装置という)が、利用者が操作している開始指示の送信元の通信装置2であるか否かを判定する(S310)。
【0097】
ステップS310において、選択通信装置が、開始指示の送信元の通信装置2であると判定した場合(S310:YES)、制御部10は、通信部12から通信装置2へファクシミリ送信を実行させる制御命令を送信する(S311)。そして、中継装置1は、待機状態に遷移する。
【0098】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて制御命令を受信する(S312)。
【0099】
制御部20は、制御命令に基づく原稿読取部API205及びファクシミリ通信部API207の制御により、画像読取部22にて送信すべき画像を読み取り(S313)、第2通信部26から送信先へファクシミリ送信する(S314)。そして、通信装置2は、送信が完了した旨の表示を行い、待機状態に遷移する。
【0100】
ステップS310において、選択通信装置が、開始指示の送信元の通信装置2とは異なると判定した場合(S310:NO)、制御部10は、通信部12から通信装置2へ画像データを送信させる制御命令を送信する(S315)。そして、中継装置1は、待機状態に遷移する。
【0101】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて制御命令を受信する(S
316)。
【0102】
制御部20は、制御命令に基づく原稿読取部API205の制御により、画像読取部22にて送信すべき画像を読み取り(S317)、読み取った画像に基づく画像データを第1通信部25から中継装置1へ送信する(S318)。そして、通信装置2は、処理が完了した旨の表示を行い、待機状態に遷移する。
【0103】
中継装置1は、制御部10の制御により、通信部12にて画像データを受信する(S319)。そして、制御部10は、受信した画像データを、該画像データの送信先を示す送信先データ及び送信条件データと共にデータ保存部112に保存する(S320)。このようにして、ファクシミリ送信第1処理が実行される。
【0104】
図16は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ送信第2処理の一例を示すフローチャートである。本発明の通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ送信第2処理とは、ファクシミリ送信第1処理にて中継装置1に保存した画像データを通信装置2へ転送し、ファクシミリ送信させる処理である。なお、通信装置2は、ファクシミリ機能について制御されている場合であっても、転送した画像データをファクシミリ送信する処理、即ち、ネットワークファクシミリ機能によるファクシミリ送信は、制限の対象から除外される。ネットワークファクシミリ機能によるファクシミリ送信は、通信装置2から直接行われるのではなく、中継装置1が、通信装置2のファクシミリ通信部API207を制御することにより実行する。中継装置1は、制御部10の制御により、以下に示す処理を実行する。
【0105】
制御部10は、ファクシミリ送信すべき未送信の画像データがデータ保存部112に保存されているか否かを判定する(S401)。
【0106】
ステップS401において、未送信の画像データが保存されていると判定した場合(S401:YES)、制御部10は、通信部12から通信装置2へ、ファクシミリ通信部API207を制御する制御命令を送信し(S402)、更に、画像データを送信する(S403)。制御命令には、送信先データ及び送信条件データに基づく送信先、解像度等の情報が含まれている。ステップS402及びS403にて制御命令及び画像データの送信先となる通信装置2とは、図15を用いて説明したファクシミリ送信第1処理のステップS309にて選択した通信装置2である。
【0107】
そして、制御部10は、ステップS401に戻り、以降の処理を繰り返す。また、ステップS401において、未送信の画像データが保存されていないと判定した場合も(S401:NO)、ステップS402〜S403の処理を実行せずに、ステップS401の処理を繰り返し実行する。
【0108】
中継装置1に選択された通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて、制御命令を受信し(S404)、更に、画像データを受信する(S405)。
【0109】
そして、通信装置2は、受信した制御命令に基づくファクシミリ通信部API207の制御により、受信した画像データを第2通信部26から公衆電話網NW2を介して送信先となるファクシミリ装置3へファクシミリ送信する(S406)。このようにして、中継装置1から転送された画像データを通信装置2から送信先のファクシミリ装置3へファクシミリ送信するファクシミリ送信第2処理が実行される。
【0110】
次に、ファクシミリ受信時の処理について説明する。図17は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ受信第1処理の一
例を示すフローチャートである。通信装置2は、制御部20の制御により、ファクシミリ着信待ちとして待機し(S501)、ファクシミリ着信を受け付けたか否かを判定する(S502)。
【0111】
ステップS502において、ファクシミリ着信を受け付けたと判定した場合(S502:YES)、通信装置2は、制御部20の制御により、ファクシミリ機能設定フラグを読み取り(S503)、ファクシミリ機能の実行が制限されているか否かを判定する(S504)。ステップS504では、読み取ったファクシミリ機能フラグに「ファクシミリ受信禁止」が設定されている場合、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定し、「ファクシミリ受信許可」が設定されている場合、ファクシミリ機能の実行が制限されていないと判定する。即ち、ステップS502では、ファクシミリ機能の制限として、ファクシミリ受信が禁止されているか否かを判定する。なお、ここでは、ファクシミリ受信禁止と表現しているが、ファクシミリ受信そのものを禁止するのではなく、受信したファクシミリデータに基づく印刷出力処理を禁止することを示す。
【0112】
ステップS504において、ファクシミリ機能の実行が制限されていないと判定した場合(S504:NO)、制御部20は、ファクシミリ通信部API207及び印刷部API206の制御により、ファクシミリデータの受信及び印刷処理を実行する(S505)。ステップS505の受信処理とは、他のファクシミリ装置3から公衆電話網NW2を介して送信されるファクシミリデータを第2通信部26にて受信する処理である。また、ファクシミリデータとは、ファクシミリ用の通信規約に則した画像データを示す。ステップS505の印刷処理とは、印刷部23からファクシミリデータに基づく画像データによる画像を画像形成媒体上に形成させる処理を示す。そして、ステップS501へ戻り、ファクシミリ着信待ちとして待機する。
【0113】
ステップS504において、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定した場合(S504:YES)、制御部20は、ファクシミリ通信部API207の制御により、ファクシミリデータの受信及び保存処理を実行する(S506)。ステップS506では、受信したファクシミリデータを画像データとして、例えば制御部20のメモリ208に保存する。
【0114】
制御部20は、認証処理において記録したファクシミリサーバ送信先アドレスを読み取る(S507)。制御部20は、読み取ったファクシミリサーバ送信先アドレスにて示される中継装置1へ、保存したファクシミリデータに基づく画像データを、第1通信部20から送信する(S508)。そして、ステップS501へ戻り、ファクシミリ着信待ちとして待機する。
【0115】
なお、ステップS502において、ファクシミリ着信を受け付けていないと判定した場合(S502:NO)、ステップS501へ戻り、ファクシミリ着信待ちとして待機する。
【0116】
中継装置1は、制御部10の制御により、ファクシミリデータに基づく画像データの着信待ちとして待機しており(S509)、画像データの着信の有無を判定する(S510)。
【0117】
ステップS510において、画像データの着信が有ったと判定した場合(S510:YES)、制御部10は、通信部12にて画像データを受信し(S511)、受信した画像データをデータ保存部112に保存する(S512)。そして、ステップS509の待機状態に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0118】
なお、ステップS510において、画像データの着信が無かったと判定した場合(S510:NO)、ステップS509へ戻り、画像データ着信待ちとして待機する。このようにして、ファクシミリ受信第1処理が実行される。
【0119】
図18は、本発明の実施の形態1に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ受信第2処理の一例を示すフローチャートである。ファクシミリ受信第2処理とは、ファクシミリ受信し、中継装置1に保存した画像データを、利用者の操作により、又は中継装置1の自動処理により、適宜選択された通信装置2から印刷出力する処理である。
【0120】
中継装置1は、制御部10の制御により、記録部11に記録されている操作用プログラムを、通信部12から通信装置2へ送信する(S601)。ステップS601にて送信する操作用プログラムとは、通信装置2に対しユーザーインターフェースとして提供するHTML等のページ記述言語で記述された操作用画面に関する操作用プログラムである。
【0121】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて操作用プログラムを受信する(S602)。制御部20は、UIプログラム202及びウェブブラウザ204を実行して、操作用プログラムに基づく操作用画像を操作部21に表示する(S603)。そして、利用者は操作用画像を確認しながら操作を行う。
【0122】
制御部20は、UIプログラム202及びウェブブラウザ204を実行して、操作部21にて利用者の操作を受け付け(S604)、受け付けた操作結果を第1通信部25から中継装置1へ送信する(S605)。
【0123】
中継装置1は、制御部10の制御により、操作結果を受信する(S606)。制御部10は、受信した操作結果がファクシミリデータに基づく画像データの出力の開始指示であるか否かを判定する(S607)。
【0124】
ステップS607において、開始指示ではないと判定した場合(S607:NO)、制御部10は、ステップS601へ戻り、以降の処理を繰り返す。操作用画像は階層構造をなしており、中継装置1及び通信装置2は、ステップS601〜S607の処理を夫々繰り返し実行することにより、利用者は、画像データの内容確認、選択、出力条件の指示等の各種操作を行う。
【0125】
ステップS607において、開始指示であると判定した場合(S607:YES)、制御部10は、通信部12から通信装置20へ画像データの印刷出力を実行させる制御命令を送信する(S608)。
【0126】
さらに、制御部10は、開始指示にて選択される画像データをデータ保存部112から読み取り、読み取った画像データを通信部12から通信装置20へ送信する(S609)。そして、中継装置1は、待機状態に戻る。
【0127】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて制御命令を受信し(S610)、更に画像データを受信する(S611)。
【0128】
制御部20は、受信した制御命令に基づく印刷部API206の制御により、印刷部23から受信した画像データに基づく画像を画像形成媒体上に形成し、印刷出力を行う処理を実行する(S612)。このようにして、ファクシミリ受信第2処理が実行される。
【0129】
以上のように、本発明に係る通信システムでは、中継装置1と通信装置2との間で通信
が確立した場合、中継装置1の制御下でのネットワークファクシミリ機能の実行以外の通信装置2のファクシミリ機能を実行を制限する。これにより、中継装置1は、通信装置2がファクシミリ機能をローカルで実行することを抑制し、通信料金の抑制、送受信時刻の制御等の管理を行うこととなるので、全体として効率的なシステムを構築することが可能である。
【0130】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、通信装置の起動時に中継装置との通信に際し、認証が失敗した場合において、その後に着信を受け付けたファクシミリデータの受信、保存及び印刷をすることにより、受信内容の確認漏れを防止する形態である。なお、以降の説明において実施の形態1と同様の構成については実施の形態1と同様の符号を付し、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0131】
実施の形態2における通信システムの構成例、中継装置1の構成例及び通信装置2の構成例については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。ただし、通信装置2が備えるメモリ208に記録されたファクシミリ機能設定フラグは、図5を用いて説明した実施の形態1に示した項目以外に「着信時にファクシミリデータの受信、保存及び印刷」を示すフラグが含まれている。
【0132】
次に本発明の実施の形態2に係る各装置の処理について説明する。図19は、本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信装置2の認証処理を示すフローチャートである。実施の形態2に係る認証処理において、認証成功した場合の処理は、実施の形態1の図11に示す処理と同様であるので実施の形態1における図11及びその説明を参照するものとし、その説明を省略する。
【0133】
実施の形態1に係る認証処理のステップS110に対応する処理において、通信装置2は、制御部20の制御により、認証失敗と判定した場合(S110:NO)、制御部20は、ファクシミリ機能設定フラグを「着信時にファクシミリデータの受信、保存及び印刷」する設定に変更する(S701)。即ち、前述のファクシミリ機能設定フラグをオンに設定するのである。そして、制御部20は、認証処理を終了する。
【0134】
また、実施の形態1に係る認証処理のステップS113に対応する処理において、認証結果を受信していないと判定した場合で、予め設定されている所定の受信待ち時間が経過していると判定した場合(S113:YES)、制御部20は、ステップS701へ進み、以降の処理を実行する。
【0135】
このように、実施の形態2に係る認証処理においては、認証が失敗した場合に、単にファクシミリ機能設定フラグの初期設定を維持するのではなく、「着信時にファクシミリデータの受信、保存及び印刷」をする設定に変更する処理を実行する。
【0136】
図20は、本発明の実施の形態2に係る通信システムにおける通信装置2のファクシミリ受信第1処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2では、認証処理において「着信時にファクシミリデータの受信、保存及び印刷」が設定されていることに基づくファクシミリ受信第1処理が実行される。なお、実施の形態2に係るファクシミリ受信第1処理においてファクシミリ機能の実行が制限されていない場合の処理は、実施の形態1の図17に示す処理と同様であるので実施の形態1における図17及びその説明を参照するものとし、その説明を省略する。
【0137】
実施の形態1に係るファクシミリ受信第1処理のステップS504に対応する処理において、通信装置2の制御部20が、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定した
場合(S504:NO)、制御部20は、ファクシミリデータの受信、保存及び印刷処理を実行する(S801)。ステップS801の受信処理とは、他のファクシミリ装置3から公衆電話網NW2を介して送信されるファクシミリデータを第2通信部26にて受信する処理を示す。ステップS801の保存処理とは、受信したファクシミリデータをメモリ208に保存する処理を示す。ステップS801の印刷処理とは、印刷部23からファクシミリデータに基づく画像データによる画像を画像形成媒体上に形成させる処理を示す。
【0138】
そして、通信装置2は、制御部20の制御により、ステップS801の受信、保存及び印刷処理を実行後、ステップS501へ戻り、ファクシミリ着信待ちとして待機する。このようにして実施の形態2に係るファクシミリ受信第1処理が実行される。
【0139】
以上のように実施の形態2では、認証処理において中継装置1との接続を確立することができなかった場合に、ファクシミリ受信第1処理にて、受信したファクシミリデータを印刷するだけでなく、通信装置2内に保存する処理を実行する。保存したファクシミリデータは、次回接続時に中継装置1へ送信することができる。このように中継装置1との接続を確立することができない場合において、受信したファクシミリデータの印刷を行うだけでなく、保存をも行うので、例えば通信異常が発生した場合であっても受信内容の確認が全くできないという様な不具合の発生を防止することができる。
【0140】
なお、実施の形態2として示した上述の処理以外の処理については実施の形態1の処理と同様である。
【0141】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1において、通信装置の機能選択に際し、利用者がファクシミリ機能を選択した場合であっても、ファクシミリ機能に係る操作用画像を模した操作用画像を表示して拡張機能を実行させる形態である。なお、以降の説明において実施の形態1と同様の構成については実施の形態1と同様の符号を付し、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0142】
実施の形態3における通信システムの構成例、中継装置1の構成例及び通信装置2の構成例については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0143】
実施の形態3に係る各装置の処理について説明する。図21は、本発明の実施の形態3に係る通信システムにおける通信装置2の機能選択処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3に係る機能選択処理において、ファクシミリ機能以外の機能が選択された場合の処理は、実施の形態1の図12に示す処理と同様であるので実施の形態1における図12及びその説明を参照するものとし、その説明を省略する。
【0144】
実施の形態1に係る機能選択処理のステップS206に対応する処理において、通信装置2は、制御部20の制御により、ファクシミリ機能の実行が制限されていると判定した場合(S206:YES)、制御部20は、拡張機能に係る操作用画像を表示する(S901)。ステップS901で表示する操作用画像は、ファクシミリ機能に係る操作用画像を模した画像であり、予め通信装置2に記録されている操作用画像を表示する。具体的には、図7に示す様な画像を拡張機能、ここではネットワークファクシミリ機能に係る操作用画像として表示する。なお、通信装置2は、ステップS901で操作用画像を表示するに際し、ファクシミリ機能に代替する拡張機能を実行することを中継装置1に通知し、中継装置1からの指示に基づいて当該操作用画像を表示する。このように、ファクシミリ機能を選択した利用者に対し、拡張機能を実行しながらも、ファクシミリ機能と実質的に同様の操作用画像を提供することにより、利用者の利便性を高めることができる。
【0145】
そして、制御部20は、利用者の操作に基づいて拡張機能を実行する(S902)。拡張機能を実行後、通信装置2は、操作待ち状態となる。
【0146】
なお、ファクシミリ機能の実行が制限されていないと判定した場合の処理は、実施の形態1の図12に示す処理と同様であるので、実施の形態1における図12及びその説明を参照するものとし、その説明を省略する。
【0147】
図22は、本発明の実施の形態3に係る通信システムにおける中継装置1及び通信装置2のファクシミリ送信第3処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すファクシミリ送信処理は、ファクシミリ機能を選択した利用者に、ファクシミリ機能に係る操作用画像を模した拡張機能に係る操作用画像を表示した場合の拡張機能として実施するネットワークファクシミリ機能による送信処理を示す。
【0148】
ファクシミリ機能の選択に対してネットワークファクシミリ機能を提供する場合、通信装置2は、ファクシミリ機能に代替してネットワークファクシミリ機能を実行することを中継装置1へ通知する。通知に対し、中継装置1は、制御部10の制御により、通信装置2内の操作用画像に基づく処理の実行を指示する命令を通信部12から通信装置2へ送信する(S1001)。実施の形態3において、ファクシミリ機能に代替してネットワークファクシミリ機能を実行する場合には、中継装置1から通信装置2への操作用プログラムの送信は行わない。
【0149】
通信装置2は、制御部20の制御により、第1通信部25にて実行指示命令を受信し(S1002)、指示に従い、予め記録しているネットワークファクシミリ機能の操作用画像を表示する(S1003)。ステップS1003にて表示される操作用画像は前述のように、ファクシミリ機能に係る操作用画像を模した画像である。そして、利用者は操作用画像を確認しながら操作を行う。
【0150】
制御部20は、操作部21にて利用者の操作を受け付け(S1004)、受け付けた操作結果を第1通信部25から中継装置1へ送信する(S1005)。
【0151】
中継装置1は、制御部10の制御により、操作結果を受信する(S1006)、制御部10は、受信した操作結果がネットワークファクシミリ機能によるファクシミリ送信の開始指示であるか否かを判定する(S1007)。
【0152】
ステップS1007において、開始指示ではないと判定した場合(S1007:NO)、制御部10は、ステップS1001へ戻り、次の操作用画像を表示させるべく、以降の処理を繰り返す。なお、操作用画像の階層構造は、通信装置2に記録されているので、階層的な画像の表示処理は、通信処理2内で実行するものとし、中継装置1側では、開始指示を受信するまで待機するようにしても良い。また。その場合、通信装置2側は利用者の操作を全て記録しておき、開始指示の入力を受け付けた段階で纏めて通信装置2へ送信するようにしても良い。
【0153】
ステップS1007において、開始指示であると判定した場合(S1007:YES)、制御部10は、送信先データの読み取り等のファクシミリ送信に係る処理を実行する。
【0154】
実施の形態3に係るファクシミリ送信第3処理において、開始指示と判定した以降の処理は、実施の形態1にファクシミリ送信第1処理として示した図15のステップS308以降の処理と同様である。従って、実施の形態1における図15及びその説明を参照するものとし、その説明を省略する。このようにして実施の形態3に係るファクシミリ送信第
3処理が実行される。
【0155】
以上のように実施の形態3では、ファクシミリ機能を制限し、ネットワークファクシミリ機能の実行を強制する場合であっても、ファクシミリ機能の実行時の操作用画像を模した操作用画像を表示する。これにより、利用者は拡張機能を実行していることを意識せずに拡張機能を使用することができるので、利用者の利便性を向上させることが可能である。
【0156】
なお、実施の形態3として示した上述の処理以外の処理については実施の形態1の処理と同様である。
【0157】
前記実施の形態1乃至3では、ネットワークファクシミリ機能を中心として説明を行ったが、当該通信システムは、その他の一般的な構成及び機能を追加することが可能である。例えば、閉域通信網に対し、直接又は間接的にパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン等の各種端末装置により、中継装置又は通信装置と接続し、様々な処理の実行を行うことが可能である。
【0158】
即ち、前記実施の形態1乃至3は、本発明の無数に存在する形態の一部を例示したに過ぎず、各種システム、装置、機構、処理、条件の設定等の構成要件については、目的、用途等に応じて適宜設計することが可能である。
【0159】
例えば、中継装置による通信装置のファクシミリ機能の制御は適宜設定することが可能であり、例えば、ファクシミリが着信した場合に、そのインデックス代わりに、一枚だけ印刷出力する等、適宜設定することが可能である。また、ファクシミリ着信の際に、自動的に他の装置へ転送する制御を行う等、様々な形態に展開することが可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 中継装置
10 制御部
11 記録部
110 コンピュータプログラム
111 管理情報保存部
112 データ保存部
12 通信部
2 通信装置
20 制御部
200 コピー制御プログラム
201 ファクシミリ制御プログラム
202 UIプログラム
203 認証プログラム
204 ウェブブラウザ
205 原稿読取部API
206 印刷部API
207 ファクシミリ通信部API
208 メモリ(ファクシミリ機能設定フラグ保存部)
21 操作部
22 原稿読取部
23 印刷部
24 記録部
25 第1通信部
26 第2通信部
3 ファクシミリ装置
4 端末装置
NW1 閉域通信網
NW2 公衆電話網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ機能を有する複数の通信装置と、ファクシミリ通信に用いる電話回線網と異なる通信網を介して前記通信装置と接続された中継装置とを備え、該中継装置は、一の通信装置から画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを受信し、受信した画像データ及び送信先データを所定の条件に基づいて選択した通信装置へ転送し、該通信装置は、転送された画像データを送信先データが示す送信先へファクシミリ送信する通信システムにおいて、
前記中継装置は、
画像データの送受信を可能とする通信が確立した通信装置に、転送された画像データのファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる制限手段を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ通信の禁止であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ送信の禁止であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記制限手段による制限は、前記通信装置によるファクシミリ送信に代替する前記中継装置への画像データ及び送信先データの送信の実行であり、
操作の用に供する操作用画像を表示する表示部と、
前記制限手段による制限に際して、前記通信装置によるファクシミリ送信に係る操作用画像を模した前記中継装置への送信の実行のための操作用画像を前記表示部に表示させる手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置は、
起動時に前記中継装置に対して通信の確立を要求する手段を更に備え、
前記中継装置は、
要求元の通信装置に対する認証処理を実行する手段と、
認証が成功した通信装置と、画像データ及び送信先データの送受信を可能とする通信を確立する手段と
を更に備える
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかひとつに記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信装置は、中継装置との認証が成功しなかった場合であって、ファクシミリ通信の着信を受けた場合に、着信したファクシミリに係る画像データの受信、保存及び印刷を実行する手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記中継装置は、選択した通信装置が画像データの送信元である場合に、選択した通信装置に対し、画像データを前記中継装置へ送信させずに、送信先へファクシミリ送信させる手段を更に備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれかひとつに記載の通信システム。
【請求項8】
画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを通信網を介して受信した場合に、前記通信網と異なる電話回線網を介して送信先へ画像データをファクシミリ送信すべく、ファクシミリ機能を有する他の装置へ前記通信網を介して転送する中継装置において、
画像データの送受信を可能とする通信が確立した他の装置に、転送された画像データの
ファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる手段を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項9】
ファクシミリ機能を有し、ファクシミリ通信を行う電話回線網と異なる通信網を介して他の装置と通信する通信装置において、
ファクシミリ送信すべき画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを前記他の装置へ送信する手段と、
前記他の装置から画像データ及び送信先データを受信した場合に、受信した画像データを、送信先データが示す送信先へファクシミリ送信する転送ファクシミリ手段と、
前記他の装置からファクシミリ機能の実行を制限する命令を受信した場合に、前記転送ファクシミリ手段によるファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限する手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
画像データ及び該画像データの送信先を示す送信先データを通信網を介して受信した場合に、前記通信網と異なる電話回線網を介して送信先へ画像データをファクシミリ送信すべく、ファクシミリ機能を有する他の装置へ前記通信網を介して転送させるコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
画像データの送受信を可能とする通信が確立した他の装置に、転送された画像データのファクシミリ送信以外のファクシミリ機能の実行を制限させる手順を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−85107(P2013−85107A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223311(P2011−223311)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】