説明

通信システム、移動局装置、基地局装置、ランダムアクセス送信方法および集積回路

【課題】基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムにおいて、移動局装置が複数の上りリンク送信タイミングの調整が必要な場合において、効率の良いランダムアクセスを可能とする通信システムを提供する。
【解決手段】複数の在圏セルは、不活性化されない第1の在圏セルと、1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルとで構成されており、基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を第1の在圏セルおよび第2の在圏セルに設定した場合、ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された第2の在圏セルを活性化することによって移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求し(S201)、移動局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された第2の在圏セルが活性化された場合に、ランダムアクセス手順を開始する(S202)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランダムアクセスを効率的に行なう通信システム、基地局装置、移動局装置、ランダムアクセス送信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)通信方式やリソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)の標準化が行なわれた。
【0003】
また、3GPPでは、より高速なデータ伝送を実現し、EUTRAの上位互換性を持つAdvanced EUTRAの議論を行っている。Advanced EUTRAにおける技術として、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation)が提案されている。キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数(コンポーネントキャリア(Component Carrier)とも称する)を集約して使用することで伝送レートを向上させる技術である。また、キャリア・アグリゲーションを用いて基地局装置と通信中の移動局装置が、周波数毎またはコンポーネントキャリア毎に複数の上りリンク送信タイミング(Timing Advance)を持つことが提案されている(非特許文献1、非特許文献2)。
【0004】
EUTRAでは、移動局装置の上りリンク送信タイミングを調整するために、ランダムアクセス手順が用意されている。ランダムアクセス手順は、移動局装置が自律的にランダムアクセス手順の必要性を判断して開始する方法のほかに、基地局装置が、特定の移動局装置にランダムアクセス手順を開始させるために下りリンク制御チャネルにランダムアクセス手順の開始を示す情報を設定して送信するという方法がある。
【0005】
また、基地局装置は、1つの下りリンクのコンポーネントキャリアと1つの上りリンクのコンポーネントキャリアを組み合わせて1つのセルを構成する。なお、基地局装置は、1つの下りリンクコンポーネントキャリアのみでも1つのセルを構成できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】R2−101567、NTT DOCOMO、3GPP TSG−RAN WG2#69、22−26 February 2010、San Francisco,USA
【非特許文献2】R2−101196、Ericsson、ST Ericsson、3GPP TSG−RAN WG2#69、22−26 February 2010、San Francisco,USA
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1で提案されているように複数の上りリンク送信タイミングを持ち、それぞれの上りリンク送信タイミングを上りリンクコンポーネントキャリア毎(または上りリンクコンポーネントキャリアグループや上りリンク周波数毎)に調整するような場合、移動局装置は、上りリンクコンポーネントキャリア毎にランダムアクセス手順を行う必要がある。非特許文献1や非特許文献2には、ランダムアクセスを開始させるために、下りリンク制御チャネルを用いる方法と、上位レイヤのシグナリング(RRCシグナリング、RRCメッセージ)を用いる方法とが示されている。
【0008】
しかしながら、新規に追加されたコンポーネントキャリアは、データの送受信を行わない不活性化の状態(詳細は後述)であり、下りリンク制御チャネルを不活性化の状態のコンポーネントキャリアへ送信することができない。そのため、ランダムアクセスを移動局装置に開始させるために下りリンク制御チャネルを使用するというEUTRAの方法は、そのままではAdvanced EUTRAには適用できないという問題に関し、その具体的な解決方法は非特許文献1や非特許文献2には何ら示されていない。
【0009】
また、RRCシグナリングを用いる方法は、ランダムアクセスを開始させるために必要なメッセージサイズが増加し、複数の上りリンクコンポーネントキャリアでランダムアクセスを行う必要がある場合などに、繰り返し上りリンク送信タイミングの調整を行うことによって移動局装置の処理が複雑になるばかりでなく、ランダムアクセス手順の増加によるランダムアクセスの衝突確率が増加するという別の問題が発生する。
【0010】
上記の課題を鑑みて、本発明の目的は、移動局装置が複数の上りリンク送信タイミングの調整が必要な場合において、効率の良いランダムアクセスを可能とする通信システム、基地局装置、移動局装置、ランダムアクセス送信方法および集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信システムは、基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムであって、前記複数の在圏セルは、不活性化されない第1の在圏セルと、1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルとで構成されており、
前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を前記第1の在圏セルおよび前記第2の在圏セルに設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求し、前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする。
【0012】
(2)また、本発明の通信システムにおいて、前記基地局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化すると共に非競合ベースのランダムアクセスに必要な制御情報を通知することによって前記移動局装置に非競合ベースのランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする。
【0013】
(3)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化されると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報が通知された場合に前記制御情報を用いて非競合ベースのランダムアクセス手順を開始することを特徴とする。
【0014】
(4)また、本発明の通信システムにおいて、前記第2の在圏セルの活性化はL2メッセージで通知することを特徴とする。
【0015】
(5)また、本発明の基地局装置は、基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの基地局装置であって、前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルにそれぞれ設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする。
【0016】
(6)また、本発明の基地局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化すると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報を通知することによって前記移動局装置に非競合ベースランダムのランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする。
【0017】
(7)また、本発明の基地局装置は、前記第2の在圏セルの活性化はL2メッセージで通知することを特徴とする。
【0018】
(8)また、本発明の移動局装置は、基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの移動局装置であって、前記基地局装置からランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルに設定された場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする。
【0019】
(9)また、本発明の移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化されると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報が通知された場合に前記制御情報を用いて非競合ベースのランダムアクセス手順を開始することを特徴とする。
【0020】
(10)また、本発明の移動局装置のランダムアクセス送信方法は、基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの移動局装置におけるランダムアクセス送信方法であって、前記複数の在圏セルは、不活性化されない第1の在圏セルと、1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルとで構成されており、前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を前記第1の在圏セルおよび前記第2の在圏セルに設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求するステップと、前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始するステップを備えることを特徴とする。
【0021】
(11)また、本発明の移動局装置の集積回路は、基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムにおける移動局装置のランダムアクセスを行う集積回路であって、前記基地局装置からランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルに設定された場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする。
【0022】
本明細書では、移動局装置と基地局装置が複数の周波数を用いて接続される場合における通信システム、基地局装置、移動局装置およびランダムアクセス送信方法の改良という点において本発明を開示するが、本発明が適用可能な通信方式は、EUTRAまたはAdvanced EUTRAのようにEUTRAと上位互換性のある通信方式に限定されるものではない。例えば、本発明はUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)にも適用することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、複数の周波数を用いて基地局装置と接続可能な移動局装置が複数の上りリンク送信タイミングの調整が必要な場合において、効率の良いランダムアクセスを可能とする通信システム、基地局装置、移動局装置、ランダムアクセス送信方法および集積回路を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明における移動局装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明における基地局装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明における移動局装置に設定されるコンポーネントキャリアと上りリンクの物理チャネルについて説明するための図の一例である。
【図4】本発明におけるセカンダリセルの追加手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるランダムアクセス手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるランダムアクセス手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるランダムアクセス手順の選択方法について説明するためのフローチャート図である。
【図8】Contention based Random Access手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【図9】Non-contention based Random Access手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【図10】本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る移動局装置に対するコンポーネントキャリアの設定の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関わるキャリア・アグリゲーション、物理チャネル、ランダムアクセス手順について簡単に説明する。
【0026】
[キャリア・アグリゲーション]
キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数(コンポーネントキャリア、または周波数帯域)を集約(アグリゲーション)して一つの周波数(周波数帯域)のように扱う技術である。例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、移動局装置はこれらを一つの100MHzの周波数帯域幅とみなしてアクセスすることが可能となる。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数であってもよい。例えば、使用可能な周波数が800MHz帯、2.4GHz帯、3.4GHz帯である場合、ある一つのコンポーネントキャリアが800MHz帯、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯、さらに別のコンポーネントキャリアが3.4GHz帯で送信されていてもよい。
【0027】
また、同一周波数帯、例えば2.4GHz帯内の連続または不連続のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は20MHzより狭い周波数帯域幅であっても良く、各々周波数帯域幅が異なっていても良い。基地局装置は、滞留しているデータバッファ量や移動局装置の受信品質、セル内の負荷やQoSなどの種々の要因に基づいて、移動局装置に割り当てる上りリンクまたは下りリンクのコンポーネントキャリアの数を増減することができる。なお、基地局装置が割り当てる上りリンクコンポーネントキャリアの数は、下りリンクコンポーネントキャリアの数と同じか少ないことが望ましい。
【0028】
[物理チャネル]
EUTRA及びAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。チャネルとは信号の送信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送信に用いられる物理的な媒体を意味する。物理チャネルは、EUTRA、及びAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造が変更される可能性もあるが、変更された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
【0029】
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(セルID:Physical Cell Identity; PCI)と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。移動局装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
【0030】
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、物理下りリンク共用チャネルによってレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)で送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス制御情報などが通知される。
【0031】
下りリンクリファレンスシグナルは、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンクリファレンスシグナルは、所定の規則に基づき周波数・時間位置で周期的に繰り返される既知の信号である。移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルと同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクリファレンスシグナルを使用する。下りリンクリファレンスシグナルに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。なお、下りリンクリファレンスシグナルはセル固有RS(Cell-specific reference signals)と記載される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
【0032】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH; Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自局宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自局宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。
【0033】
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH; Physical Uplink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信されたデータの受信確認応答(ACK/NACK:Acknowledgement/Negative Acknowledgement)や下りリンクの伝搬路情報(CQI:Channel Quality Indicator)、上りリンクの無線リソース要求であるスケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)を行なうために使用される。
【0034】
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージとしてページングや報知情報を通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
【0035】
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
【0036】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。プリアンブル系列は、64種類のシーケンスを用意して6ビットの情報を表現するように構成されている。物理ランダムアクセスチャネルは、移動局装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。移動局装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の無線リソース要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(TA:Timing Advance)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するために物理ランダムアクセスチャネルを用いる。具体的には、移動局装置は、基地局装置より設定された物理ランダムアクセスチャネル用の無線リソースを用いてプリアンブル系列を送信する。送信タイミング調整情報を受信した移動局装置は、送信タイミング調整情報の有効時間を計時する送信タイミングタイマー(TA timer)を設定し、有効時間中は送信タイミング調整状態、有効期間外は、送信タイミング非調整状態として状態を管理する。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
【0037】
[ランダムアクセス手順]
ランダムアクセスに伴う一連の手順のことをランダムアクセス手順と称す。EUTRAにおいて、ランダムアクセス手順には、Contention based Random Access(競合ベースランダムアクセス)手順とNon-contention based Random Access(非競合ベースランダムアクセス)手順の2つの手順があり、ともに物理ランダムアクセスチャネルを用いて行われる。
【0038】
Contention based Random Access手順は、異なる移動局装置が送信したプリアンブル系列が衝突(contention)する可能性のあるランダムアクセス手順であり、移動局装置が基地局装置と接続(通信)していない状態からの初期アクセスのためや、移動局装置が基地局装置と接続している状態からの上りリンクの送信リソースを要求するスケジューリングリクエストのためなどに使用される。プリアンブル系列が衝突するということは、複数の移動局装置が同じプリアンブル系列を用いて物理ランダムアクセスチャネルを同一の周波数・時間リソースを用いて送信することを意味する。なお、プリアンブル系列の衝突は、ランダムアクセスの衝突とも称される。
【0039】
Non-contention based Random Access手順は、異なる移動局装置が送信したプリアンブル系列に衝突が発生しないランダムアクセス手順であり、移動局装置が基地局装置と接続している状態であり、かつ上りリンクの同期が外れている状態で、基地局装置の指示により開始される。Non-contention based Random Access手順は、RRC(Radio Resource Control:Layer3)層のメッセージおよび物理下りリンク制御チャネルPDCCHの制御データにより指示される。
【0040】
Non-contention based Random Access手順で使用するプリアンブル系列(個別プリアンブル(dedicated preamble))は、基地局装置より個別に移動局装置に通知される。Contention based Random Access手順で使用されるプリアンブル系列は、個別プリアンブルとして使用されないプリアンブル系列から移動局装置がランダムアクセス時にランダムに一つ選択して使用する。あるセルで移動局装置が使用可能なプリアンブル系列のうち、Contention based Random Access手順とNon-contention based Random Access手順でそれぞれ使用されるプリアンブル系列の数は基地局装置から通知される。
【0041】
図8を用いて、Contention based Random Access手順を簡単に説明する。まず、移動局装置1は、下りリンクの無線伝搬路状態(パスロス)やメッセージ3(ステップS3で送信されるメッセージ)のサイズに基づいて選択したプリアンブル系列(ランダムアクセスプリアンブル)を基地局装置2に送信する(ステップS1)。ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置2は、ランダムアクセスプリアンブルから移動局装置1と基地局装置2との間の送信タイミングのずれ量を算出し、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)に送信タイミングのずれを調整するための送信タイミング調整情報を含めて移動局装置1に送信する(ステップS2)。
【0042】
移動局装置1は、ランダムアクセスレスポンスの中身を確認し、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するプリアンブル番号がランダムアクセスレスポンスに含まれている場合、送信タイミング調整情報から上りリンク送信タイミングを調整する。移動局装置1は、送信タイミングを調整した場合に、調整した送信タイミングが有効である送信タイミングタイマー(TA timer)をスタートする。
【0043】
また、移動局装置1は、ランダムアクセスレスポンスに含まれているスケジューリング情報を元に上位レイヤのメッセージ(上位レイヤメッセージ)を基地局装置2に送信する(ステップS3)。基地局装置2は、ステップS3の上位レイヤメッセージを受信できた移動局装置1に衝突確認メッセージ(コンテンションレゾリューション、Contention resolution)を送信し(ステップS4)、手順を完了する。
【0044】
図9を用いて、Non-contention based Random Access手順を簡単に説明する。まず、基地局装置2は、個別プリアンブルの番号と使用する物理ランダムアクセスチャネルの番号(ランダムアクセスチャネル番号)を移動局装置1に通知(ランダムアクセスプリアンブル割り当て)する(ステップS11)。ランダムアクセスチャネル番号とは、基地局装置2が移動局装置1に通知する番号の個別プリアンブルが送信されてもよい物理ランダムアクセスチャネルを示す番号である。例えば、あるランダムアクセスチャネル番号は全ての物理ランダムアクセスチャネルで個別プリアンブルが送信されてもよいことを示し、あるランダムアクセスチャネル番号は時間方向で2個毎の物理ランダムアクセスチャネルで個別プリアンブルが送信されてもよいことを示す。移動局装置1は、指定されたプリアンブルの番号に対応するプリアンブル系列(個別プリアンブル)を、ランダムアクセスチャネル番号により示され、個別プリアンブルの送信が許可される物理ランダムアクセスチャネルで送信する(ステップS12)。個別プリアンブルを受信した基地局装置2は、個別プリアンブルから移動局装置1と基地局装置2との間の送信タイミングのずれ量を算出し、個別プリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)に送信タイミングのずれを調整するための送信タイミング調整情報を含めて移動局装置1に送信し(ステップS13)、手順を完了する。
【0045】
ただし、基地局装置2から通知されたプリアンブル番号の値が0の場合は、移動局装置1はNon-contention based Random Access手順ではなくContention based Random Access手順を行なう。この場合、移動局装置1は図8のステップS1〜ステップS4の手順に従って手順を完了する。
【0046】
[本発明の通信ネットワーク構成の例]
図10は、本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数の周波数(コンポーネントキャリア、Band1~Band3)を同時に用いて基地局装置2と無線接続することが可能な場合、通信ネットワーク構成としては、ある一つの基地局装置2が複数の周波数毎に送信装置11〜13(及び図示しない受信装置21〜23)を備えており、各周波数の制御を一つの基地局装置2で行なう構成が制御の簡略化の観点から好適である。基地局装置2の構成は図10に限定されない。ただし、複数の周波数が連続する周波数であるなどの理由で、基地局装置2が一つの送信装置で複数の周波数の送信を行なう構成であっても構わない。さらには、周波数毎に送受信のタイミングが異なるような構成であっても良い。送信装置と受信装置の数や送受信可能な周波数が異なっていてもよい。基地局装置2の送信装置によって制御される各周波数の通信可能範囲はセルとしてみなされる。このとき、各周波数がカバーするエリア(セル)はそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。
【0047】
ただし、後述する記載において、基地局装置2が構成するコンポーネントキャリアの周波数でカバーされるエリアのことをそれぞれセルと称して説明するが、これは実際に運用される通信システムにおけるセルの定義とは異なる可能性があることに注意する。例えば、ある通信システムでは、キャリア・アグリゲーションによって用いられるコンポーネントキャリアの一部のことを、セルではなく単なる追加の無線リソースと定義するかもしれない。また、従来のセルとは異なる拡張セルとして定義するかもしれない。本発明でコンポーネントキャリアをセルと称することで、実際に運用される通信システムにおけるセルの定義と異なる場合が発生したとしても、本発明の主旨には影響しない。なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のコンポーネントキャリアを用いた複数のセルによる通信であり、セルアグリゲーションとも称される。なお、移動局装置1は、周波数毎にリレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置2と無線接続されても良い。すなわち、本発明の基地局装置2は、リレー局装置に置き換えることが出来る。
【0048】
なお、3GPPが規定する第3世代の基地局装置2はノードB(NodeB)と称され、EUTRA及びAdvanced EUTRAにおける基地局装置はイーノードB(eNodeB)と称される。なお、3GPPが規定する第3世代の移動局装置1はユーイー(UE:User Equipment)と称される。基地局装置2は移動局装置1が通信可能なエリアであるセルを管理し、セルは移動局装置1と通信可能なエリアの大きさに応じてマクロセルやフェムトセルやピコセル、ナノセルとも称される。また、移動局装置1がある基地局装置2と通信可能であるとき、その基地局装置2のセルのうち、移動局装置1との通信に使用しているセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他のセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。つまり、キャリア・アグリゲーションを用いて移動局装置1と基地局装置2が複数のセルを用いて通信している場合、在圏セルは複数存在することになる。
【0049】
[コンポーネントキャリアの構成の設定例]
図11は、本発明の実施形態に係る移動局装置1がキャリア・アグリゲーションを行なう場合に、基地局装置2が移動局装置1に対して設定する下りリンクコンポーネントキャリアと、上りリンクコンポーネントキャリアの対応関係の一例を示した図である。図11では、2個の下りリンクコンポーネントキャリア(下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC1、下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC2)と2個の上りリンクコンポーネントキャリア(上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC1、上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2)の対応関係について示すが、本発明が2個のコンポーネントキャリアの場合に限定されるということではない。図11中の下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC1と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC1、及び下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC2と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2がセル固有接続(Cell Specific Linkage)している。
【0050】
セル固有接続とは、例えば、移動局装置1がキャリア・アグリゲーションしていない場合に、基地局装置2にアクセス可能な上りリンクと下りリンクの周波数帯域の対応関係(連携関係)であり、典型的には報知情報の一部(SIB2:System Information Block Type2)でその対応関係が示される。セル固有接続は、SIB2 linkageとも称される。セルにおける上りリンクと下りリンクの周波数の対応関係は、報知情報に周波数情報として明示的に指示されるか、または明示的に指示されない場合に運用周波数毎に一意に決められる上りリンクと下りリンクの規定の周波数差の情報を用いるなどして暗黙的に指示される。これらの方法に限らず、セル毎に上りリンクと下りリンクの周波数帯域の対応関係を示すことが可能であれば、これ以外の方法を用いて指示されても良い。
【0051】
これに対し、基地局装置2は、下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアの対応関係を、セル固有接続とは別に移動局装置1毎に個別に設定(個別接続;UE Specific Linkage)することも可能である。このとき、個別接続の設定はRRCメッセージで示される。基地局装置2は、物理ランダムアクセスチャネルの送信に必要な設定(コンフィギュレーション)を上りリンクコンポーネントキャリア毎、または上りリンク周波数毎に複数割り当てることも可能である。
【0052】
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の説明において、本発明に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0053】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
本実施形態は、移動局装置1のキャリア・アグリゲーション時におけるランダムアクセス送信方法に関し、特に、移動局装置1が複数の上りリンク送信タイミングを管理している場合のランダムアクセス送信方法について示す。
【0054】
図1は、本発明の第1の実施形態による移動局装置1の一例を示すブロック図である。本移動局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104、制御部105、ランダムアクセス制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、タイミング管理部110、上位レイヤ111から構成される。上位レイヤ111は、無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)を含む。また、ランダムアクセス制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)の一部として機能する。
【0055】
受信に先立ち、上位レイヤ111より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、受信に関する制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力される。移動局装置制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される移動局装置1の無線通信制御に必要な情報であり、基地局装置2やシステムパラメータにより設定され、上位レイヤ111が必要に応じて制御部105へ入力する。また、受信制御情報は、受信周波数帯域の情報の他に、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
【0056】
受信信号は、受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で指定された周波数帯域で信号を受信する。受信された信号は、復調部102へと入力される。復調部102は、受信信号の復調を行い、復号部103へと信号を入力して下りリンクデータと下りリンク制御データとを正しく復号し、復号された各データを上位レイヤへと入力する。測定処理部104は、セル(コンポーネントキャリア)毎の下りリンクリファレンスシグナルの受信品質(SIR、SINR、RSRP、RSRQ、RSSI、パスロスなど)の測定や、物理下りリンク制御チャネルまたは物理下りリンク共用チャネルの受信誤り率の測定結果に基づいて下りリンク測定情報を生成し、下りリンク測定情報を上位レイヤ111へと出力する。下りリンク測定情報は、上位レイヤ111において、無線リンク再確立を伴う無線リンク障害(Radio link failure)の検出、および上りリンク送信の停止を伴う無線リンク監視(Radio link monitoring)の実施のために用いられる。
【0057】
また、送信に先立ち、上位レイヤ111より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、送信に関する制御情報が送信制御情報として、ランダムアクセス制御部106、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力される。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。ランダムアクセス制御情報は上位レイヤ111からランダムアクセス制御部106に入力される。ランダムアクセス制御情報には、プリアンブル情報や物理ランダムアクセスチャネル送信用の無線リソース情報などが含まれる。上位レイヤ111は、必要に応じてタイミング管理部110へ上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを設定する。タイミング管理部110は、設定された情報に基づき上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。
【0058】
符号部107には、上位レイヤ111より上りリンクデータと上りリンク制御データが入力されるほか、ランダムアクセス制御部106から、物理ランダムアクセスチャネルの送信に関するランダムアクセスデータ情報が入力される。符号部107は、ランダムアクセスデータ情報に基づき物理ランダムアクセスチャネルで送信されるプリアンブル系列を生成する。また、符号部107は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部に出力する。変調部108は、符号部107からの出力を変調する。送信部109は、変調部108の出力を周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。さらに、タイミング管理部110より入力された送信タイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整して送信する。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を構成する。図1において、その他の移動局装置1の構成要素は本実施の形態に関係ないため省略してある。
【0059】
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置は、受信部201、復調部202、復号部203、制御部204、符号部205、変調部206、送信部207、上位レイヤ208、ネットワーク信号送受信部209から構成される。
【0060】
上位レイヤ208は、下りリンクデータと下りリンク制御データを符号部へ入力する。符号部205は、入力されたデータを符号化し、変調部206へ入力する。変調部206は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部206から出力される信号は送信部207に入力される。送信部207は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行い送信する。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
【0061】
また、受信部201は、移動局装置から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。デジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて符号部203へ入力されて復号され、正しく復号された上りリンク制御データや上りリンクデータを上位レイヤ208へと出力する。これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要な情報であり、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置)やシステムパラメータにより設定され、上位レイヤ208が必要に応じて制御部204へ入力する。制御部204は、送信に関連する基地局装置制御情報を、送信制御情報として符号部205、変調部206、送信部207の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報を、受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。基地局装置2のRRCは、上位レイヤ208の一部として存在する。
【0062】
一方、ネットワーク信号送受信部209は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置と基地局装置2との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素は本実施の形態に関係ないため省略してある。
【0063】
また、本移動局装置1と本基地局装置2が配置される通信システムのネットワーク構成は、図10に示したものと同様のものを適用できる。
【0064】
図3は、本発明における、キャリア・アグリゲーション可能な移動局装置1に設定されているセル(コンポーネントキャリア)の構成と、上りリンクの物理チャネル設定の一例を示したものである。図3では、2個のセル、つまり2個の下りリンクコンポーネントキャリア(DL_CC1、DL_CC2)と2個の上りリンクコンポーネントキャリア(UL_CC1、UL_CC2)が移動局装置1に設定されている例を示している。図3の例では、セルの構成として、移動局装置1に対して、DL_CC1とUL_CC1、およびDL_CC2とUL_CC2をペアとしてセル固有接続されたコンポーネントキャリアが設定されている。また、基地局装置2からこれらのコンポーネントキャリアの活性化(activation)が明示的または暗黙的に指示されている場合、移動局装置1は下りリンク受信と上りリンク送信に、それぞれ2つの周波数を使用することができる。一方、コンポーネントキャリアの不活性化(deactivation)が明示的または暗黙的に指示されている場合、移動局装置1は不活性化されたコンポーネントキャリアで下りリンク受信と上りリンク送信を行うことはできない。不活性化は、下りリンクと上りリンクとをペアとして管理しても良いし、独立して管理しても良い。
【0065】
ここで、コンポーネントキャリアの活性化、または不活性化は、レイヤ2の構成タスクで解釈可能なL2メッセージ(レイヤ2メッセージ)によって制御されるように構成される。すなわち、物理層(レイヤ1)でデコードされた後にレイヤ2で認識される制御コマンドによって活性化または不活性化が制御される。なお、EUTRAならびにAdvanced EUTRAにおけるL2メッセージは、MAC層で解釈される制御コマンド(MAC制御要素:MAC Control Element)によって通知される。
【0066】
さらに、上りリンクの物理チャネル設定として、無線リソース要求に用いられる物理上りリンク制御チャネルの送信設定(無線リソース要求用上りリンク制御チャネル設定)が、UL_CC1のみに設定されている。また、UL_CC1とUL_CC2のそれぞれの上りリンクコンポーネントキャリアには、異なる物理ランダムアクセスチャネルの送信設定(ランダムアクセスチャネル設定)がされている。すなわち、移動局装置1は、UL_CC1とUL_CC2の送信タイミング調整情報、TA timer、送信タイミング調整状態/送信タイミング非調整状態について、上りリンクコンポーネントキャリア毎に独立して管理する必要がある。
【0067】
無線リソース要求用上りリンク制御チャネル設定の行われる上りリンクコンポーネントキャリアと、当該上りリンクコンポーネントキャリアとセル固有接続される下りリンクコンポーネントキャリアから構成されるセルは、プライマリセル(Primary cell)と称される。また、プライマリセル以外のコンポーネントキャリアから構成されるセルは、セカンダリセル(Secondary cell)と称される。プライマリセルは活性化/不活性化の制御の対象外であるが(つまり必ず活性化しているとみなされる)、セカンダリセルは活性化/不活性化という状態を持ち、これらの状態の変更は、基地局装置2から明示的に指定されるほか、コンポーネントキャリア毎に移動局装置1に設定されるタイマーに基づいて状態が変更される。
【0068】
また、移動局装置1は、プライマリセルでは、基地局装置2より指定されたパラメータに基づき無線リンク障害の検出を行い、少なくとも活性化されたセカンダリセルでは、同パラメータを用いた無線リンク監視を実施する。
【0069】
移動局装置1は、不活性化されたコンポーネントキャリア(セカンダリセル)のスケジューリングに用いる上りリンクグラント、および下りリンクグラントのモニタを停止してよい。また、移動局装置1は、不活性化されたコンポーネントキャリア(セカンダリセル)の上りリンクに関して、サウンディングリファレンスシグナル(SRS:Sounding reference signal)と呼ばれる上りリンクパイロットチャネルの送信を停止してもよい。また、移動局装置1は、不活性化されたコンポーネントキャリア(セカンダリセル)の下りリンクに関して、活性化した状態よりも低いサンプリングレートで測定を実施してもよい。
【0070】
なお、本発明の範囲は図3の例に限らず、キャリア・アグリゲーションとして上りリンクコンポーネントキャリアが移動局装置1に複数設定されており、かつ複数のランダムアクセスチャネル設定が別の上りリンクコンポーネントキャリアに設定されていれば適用できる。例えば、セカンダリセルを構成する上りリンクと下りリンクのコンポーネントキャリアのペア(または、下りリンクのみのセカンダリセル)は、セル固有ではなく基地局装置2が移動局装置1毎に個別に設定しても良い。
【0071】
図4は、第1の実施形態における移動局装置1と基地局装置2とが、キャリア・アグリゲーションによって複数セルで通信を開始するために、セカンダリセルを追加するための手順について説明するためのシーケンスチャート図である。
【0072】
図4では、移動局装置1は最適なセルを選択するセルサーチ手順を行うことで基地局装置2の適切なセル(suitable cell)を選択し、当該セルにキャンプしている状態(アイドルモード)から手順が開始される。すなわち、移動局装置1の端末情報(UE context)は基地局装置2を経由してすでにネットワークに登録されており、MMEは、移動局装置1の情報を保持している。このとき、移動局装置1がページングによる着呼の呼び出し処理や発呼処理によって、基地局装置2のセルと接続状態(コネクティッドモード)へ移行する場合、移動局装置1は、図8で説明したContention based Random Access手順を開始する(ステップS101)。この時のContention based Random Access手順は、必ずプライマリセルで実行される。
【0073】
Contention based Random Access手順を完了した移動局装置1は、移動局装置能力情報メッセージを基地局装置2へ送信する(ステップS102)。移動局装置能力情報メッセージには、少なくとも、移動局装置1が複数のコンポーネントキャリア(セル)を用いるキャリア・アグリゲーションが可能であること、キャリア・アグリゲーションで使用する周波数バンドと受信可能な帯域幅またはコンポーネントキャリアの数、及び、複数のランダムアクセスを行うための設定であるランダムアクセス設定について複数のランダムアクセス設定が可能であること、を含んでいる。基地局装置2は、移動局装置能力情報メッセージを受信することで、当該移動局装置1が複数のランダムアクセス設定が可能であることを知ることができ、適切なランダムアクセス設定を行うことができる。
【0074】
続いて、移動局装置1は、在圏セルの周波数と異なる異周波数を含む周辺セルの測定するための測定設定(measurement configuration)が基地局装置2から設定された場合、測定設定に従って周辺セルの測定を開始する。そして、移動局装置1は、設定された測定設定に基づいて測定した結果をメッセージ(測定報告メッセージ)に含めて送信する(ステップS103)。基地局装置2は、測定報告メッセージで報告された測定結果や、現在の自装置の負荷やトラフィック量などを総合的に判断し、移動局装置1に対してセカンダリセルの追加を指示するセカンダリセル追加メッセージを送信する(ステップS104)。
【0075】
セカンダリセル追加メッセージには、少なくともセカンダリセルを同定する下りリンク周波数IDとセルID、セカンダリセルID、帯域幅などを示す情報が設定される。また、基地局装置2は、追加するセカンダリセルが移動局装置1のプライマリセルの上りリンク送信タイミングと異なる上りリンク送信タイミングで運用されるセルであった場合、ランダムアクセス設定(ランダムアクセスリソース、プリアンブル系列など)、パスロスの計算に用いる下りリンクコンポーネントキャリア、送信タイミングタイマー情報などのランダムアクセス手順に必要な情報をセカンダリセル追加メッセージに設定するように構成される。
【0076】
移動局装置1は、受信したセカンダリセル追加メッセージを確認し、正しくパラメータ設定がされていることが確認された場合、設定されたパラメータに基づきセカンダリセルを追加する。このとき、追加したセカンダリセルは、不活性化の状態で追加される。そして、セカンダリセルの追加が完了した場合、移動局装置1は基地局装置2に対してセカンダリセル追加完了メッセージを送信し、処理を完了する(ステップS105)。
【0077】
図4における各制御メッセージは、EUTRAで既存のRRCメッセージを再利用しても良い。例えば、移動局装置能力通知メッセージはUE Capability Informationメッセージ、測定報告メッセージはMeasurement Reportメッセージ、セカンダリセル追加メッセージはRRC Connection Reconfigurationメッセージ、セカンダリセル追加完了メッセージはRRC Connection Reconfiguration Completeメッセージにそれぞれ必要なパラメータを追加するのみで再利用が可能である。
【0078】
ここで、移動局装置1は、基地局装置2から追加が指示されたセカンダリセルがプライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングを持つセルの場合であって、プライマリセルの上りリンク送信タイミングが調整されている状態で新たにセカンダリセルを用いた通信を開始する際に、ランダムアクセス手順を行うことでセカンダリセルの上りリンク送信タイミングを調整し、プライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングの管理を開始する必要がある。
【0079】
図5は、本実施形態の基地局装置2が、移動局装置1のプライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングを持つセカンダリセル(またはセカンダリセルグループ)でランダムアクセス手順を開始させるための方法について示したシーケンスチャート図である。基地局装置2は、上りリンク送信タイミングが同一であるかどうかを移動局装置1へ通知するために、同一の上りリンク送信タイミングを示す送信タイミンググループID(TAグループID)をセカンダリセルの追加時に設定するように構成されていても良い。
【0080】
移動局装置1は、セカンダリセルの追加時に通知されるTAグループIDが保持しているTAグループIDと異なる場合、追加されたセカンダリセルの上りリンク送信タイミングが異なると判断する。プライマリセルを含むTAグループIDの値は、固定値(例えばゼロ)を割り振ることで、複数の上りリンク送信タイミングの管理が必要になるまで移動局装置1へ通知されないような構成であっても良い。
【0081】
基地局装置2は、移動局装置1に対してセカンダリセルを活性化させるためのコマンドを通知し、セカンダリセルの活性化を要求する(ステップS201)。以降、セカンダリセルを活性化させることをセカンダリセル活性化と称す。このとき、活性化されるセルは同時に複数のセカンダリセルが指定されるように構成されていても良い。また、活性化と不活性化が同時に指定されるように構成されていても良い。セカンダリセル活性化のコマンドはL2メッセージで通知される。セカンダリセル活性化のコマンドは、MAC制御要素を用いて示されるのが好適である。基地局装置2は、セカンダリセル活性化のコマンドを移動局装置1のプライマリセルで送信しても、すでに活性化されている任意のセカンダリセルで送信しても良い。
【0082】
基地局装置2より異なる上りリンク送信タイミングを持つセカンダリセルの活性化を指示された移動局装置1は、当該セカンダリセルを活性化させると共にContention based Random Access手順を開始する(ステップS202)。Contention based Random Access手順は、図8で説明した手順と同じで良い。ただし、このときのContention based Random Access手順における各ステップ(ステップS1〜ステップS4)は、当該セカンダリセルの上りリンク並びに下りリンクで送受信される。
【0083】
図5のステップS201で送信されるセカンダリセル活性化に係るL2メッセージは、従来のセカンダリセル活性化に用いるL2メッセージと同じで良い。ここで、具体的な制御方法として、(1)下りリンクコンポーネントキャリアの活性化と対応する上りリンクコンポーネントキャリアの活性化が同時に実施される場合、(2)下りリンクコンポーネントキャリアの活性化と上りリンクコンポーネントキャリアの活性化が別々に実施される場合を例に説明する。
【0084】
例(1)のような場合、基地局装置2からL2メッセージでセカンダリセルの下りリンクの活性化が通知されたとき、移動局装置1は、活性化するセカンダリセルに対してランダムアクセス設定が存在した場合、当該下りリンクに対応する上りリンクにおいてランダムアクセス手順が要求されたと判断し、ランダムアクセス手順を開始する。下りリンクに対応する上りリンクの対応関係は、報知情報によるセル固有接続またはRRCメッセージによる個別接続によって示される。
【0085】
例えば、個別接続は上りリンクコンポーネントキャリアの送信電力制御に必要なパスロスの計算に用いる下りリンクコンポーネントキャリアとの関係を示す。また例えば、個別接続は、上りリンクコンポーネントキャリアの送信スケジュールに必要な物理下りリンク制御チャネルを受信する下りリンクコンポーネントキャリアとの関係を示す。
【0086】
移動局装置1は、プライマリセルと異なる送信タイミングのセカンダリセルに対して活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルに対応するランダムアクセス設定が存在しない場合、受信したL2メッセージを無視するように構成されていても良いし、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行うように構成されていても良い。
【0087】
また、移動局装置1は、プライマリセルと異なる送信タイミングのセカンダリセルに対して活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルに対応するランダムアクセス設定が存在するが、当該セカンダリセルが送信タイミング調整状態である場合、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行うように構成されていても良い。つまり、基地局装置2からL2メッセージでセカンダリセルの下りリンクの活性化が通知されたとき、移動局装置1は、活性化するセカンダリセルに対してランダムアクセス設定が存在し、かつ送信タイミング非調整状態である場合、当該下りリンクに対応する上りリンクにおいてランダムアクセス手順が要求されたと判断し、ランダムアクセス手順を開始するようにしてもよい。
【0088】
また、移動局装置1は、セカンダリセルの活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応するランダムアクセス設定が存在し、かつ送信タイミング非調整状態である場合に、上記条件を満たすと判断しても良い。
【0089】
例(2)のような場合、基地局装置2からL2メッセージでセカンダリセルの下りリンクの活性化が通知されたとき、移動局装置1は、下りリンクの活性化のみを行い、当該下りリンクに対応する上りリンクに対しては何ら制御を行わない。一方、セカンダリセルの上りリンクの活性化が通知された場合であって、当該上りリンクに対応する下りリンクにランダムアクセス設定が存在した場合、ランダムアクセス手順が要求されたと判断し、当該上りリンクに対応する下りリンクのランダムアクセス設定に従ってランダムアクセス手順を開始する。上りリンクに対応する下りリンクの対応関係は、報知情報によるセル固有接続またはRRCメッセージによる個別接続によって示される。
【0090】
例えば、個別接続は上りリンクコンポーネントキャリアの送信電力制御に必要なパスロスの計算に用いる下りリンクコンポーネントキャリアとの関係を示す。また例えば、個別接続は、上りリンクコンポーネントキャリアの送信スケジュールに必要な物理下りリンク制御チャネルを受信する下りリンクコンポーネントキャリアとの関係を示す。
【0091】
移動局装置1は、プライマリセルと異なる送信タイミングのセカンダリセルの上りリンクに対して活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応する下りリンクにランダムアクセス設定が存在しない場合、受信したL2メッセージを無視するように構成されていても良いし、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行っても良い。
【0092】
また、移動局装置1は、プライマリセルと異なる送信タイミングのセカンダリセルの上りリンクに対して活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応する下りリンクにランダムアクセス設定が存在するが、当該セカンダリセルの上りリンクが送信タイミング調整状態である場合、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの上りリンクの活性化のみを行うように構成されていても良い。つまり、基地局装置2からL2メッセージでセカンダリセルの上りリンクの活性化が通知されたとき、移動局装置1は、当該上りリンクに対応する下りリンクに対してランダムアクセス設定が存在し、かつ当該上りリンクが送信タイミング非調整状態である場合、ランダムアクセス手順が要求されたと判断し、当該上りリンクに対応する下りリンクのランダムアクセス設定に従ってランダムアクセス手順を開始するようにしてもよい。
【0093】
また、移動局装置1は、セカンダリセルの活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応するランダムアクセス設定が存在し、かつ送信タイミング非調整状態である場合に、上記条件を満たすと判断しても良い。
【0094】
さらに、移動局装置1は、例(1)と例(2)における上記条件を満たしているが、ランダムアクセス手順を行う上りリンクのセカンダリセルがパスロスの計算のために参照するセカンダリセルの下りリンクの受信品質が劣化している場合、受信したL2メッセージを無視するように構成されていても良いし、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行うように構成されていても良い。受信品質が劣化しているとは、当該セカンダリセルの下りリンクリファレンスシグナルが所定の受信品質を満たさなくなってから一定時間経過している状態のことを示す。
【0095】
また、移動局装置1は、例(1)と例(2)における上記条件を満たしているが、ランダムアクセス手順を行うセカンダリセルにおいて上りリンクの送信が禁止されている場合、受信したL2メッセージを無視するように構成されていても良いし、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行うように構成されていても良い。上りリンクの送信が禁止されているとは、SRSや物理上りリンク制御チャネル、物理上りリンク共用チャネルなどの設定がされているが、これらの物理チャネルの送信が上位レイヤ(典型的にはRRC)より停止されている状態のことを示す。
【0096】
また、図5のステップS201で送信されるセカンダリセル活性化に係るL2メッセージには、活性化または不活性化を示す制御コマンドが含まれていることを示すインデックス番号と、活性化または不活性化するセカンダリセルを示す情報とが少なくとも設定される。一例として、セカンダリセルを示す情報はビットマップテーブルで示される。このとき、移動局装置1は、受信したビットマップテーブルが「1」であった場合は当該セカンダリセルの活性化を行い、「0」であった場合、当該セカンダリセルの不活性化を行う。ビットマップで示される活性化と不活性化の意味は逆であっても良い。ビットマップテーブルのビット位置とセカンダリセルとの対応付けは、RRCメッセージで通知されていても良い。また、ビットマップテーブルのビットの順番がセカンダリセルIDの順番(昇順または降順)に一致していても良い。
【0097】
また、別の一例として、セカンダリセルを示す情報は活性化または不活性化を示す1ビットの情報と、セカンダリセルIDを含むように構成される。このとき、移動局装置1は、指示されたセカンダリセルIDに対して活性化または不活性化のいずれか一方の制御を行う。
【0098】
このように、第1の実施形態によれば、基地局装置2は、移動局装置1に上りリンク送信タイミングの異なる複数の上りリンク周波数(上りリンクコンポーネントキャリア)が設定されている場合に、レイヤ2メッセージを使用して上りリンク送信タイミングの調整の開始を要求する。また、移動局装置1は、基地局装置2が送信したレイヤ2メッセージにより、指定されたコンポーネントキャリア(セル)の活性化を行うと同時に、ランダムアクセスの開始の有無を判断し、必要であればランダムアクセス手順を開始する。
【0099】
以上のように、従来のEUTRAで用いられていた方法では不活性化されたセカンダリセルでランダムアクセス手順の開始を指示できないという問題を解決することができる。すなわち、移動局装置1が、物理下りリンク制御チャネルによってプライマリセル以外のセルでランダムアクセス手順を開始することができないという問題を解決することできる。さらに、基地局装置2がコンポーネントキャリア(セル)の活性化に使用されるL2メッセージをランダムアクセス手順の開始コマンドとしても用いるため、L2メッセージを拡張することなく再利用することができる。コンポーネントキャリア(セル)の活性化は、基地局装置2が移動局装置1のバッファ量やサービスのQoSに応じて移動局装置1毎に適切なタイミングで実行するものであるため、セカンダリセルにおける不必要なランダムアクセス手順の発生を抑制することも可能となる。
【0100】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、L2メッセージを用いてセカンダリセルでNon-contention based Random Access手順を開始するランダムアクセス送信方法について説明する。本実施形態に用いる移動局装置1と基地局装置2の構成は、それぞれ図1と図2と同じ構成で良いため説明を省略する。
【0101】
また、移動局装置1に設定されているセル(コンポーネントキャリア)の構成と、上りリンクの物理チャネル設定は図3と同じで良い。
【0102】
図6は、本実施形態の基地局装置2が、移動局装置1のプライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングを持つセカンダリセル(またはセカンダリセルグループ)でランダムアクセス手順を開始させるための方法について示したシーケンスチャート図である。基地局装置2は、上りリンク送信タイミングが同一であるかどうかを移動局装置1へ通知するために、同一の上りリンク送信タイミングを示す送信タイミンググループID(TAグループID)をセカンダリセルの追加時に設定するように構成されていても良い。なお、図6へ至るまでのセカンダリセルの追加に係るシーケンスチャートは、図4と同じであるため説明を省略する。
【0103】
移動局装置1は、セカンダリセルの追加時に通知されるTAグループIDが保持しているTAグループIDと異なる場合、追加されたセカンダリセルの上りリンク送信タイミングが異なると判断する。プライマリセルを含むTAグループIDの値は、固定値(例えばゼロ)を割り振ることで、複数の上りリンク送信タイミングの管理が必要になるまで移動局装置1へ通知されないような構成であっても良い。
【0104】
基地局装置2は、移動局装置1に対してセカンダリセル活性化のコマンドとNon-contention based Random Access指定情報をセットとして通知し、セカンダリセルの活性化を要求する(ステップS301)。このとき、活性化されるセルは同時に複数のセカンダリセルが指定されるように構成されていても良い。また、活性化と不活性化が同時に指定されるように構成されていても良い。セカンダリセル活性化のコマンドとNon-contention based Random Access指定情報は共に一つのL2メッセージで通知される。セカンダリセル活性化のコマンドとNon-contention based Random Access指定情報は、MAC制御要素を用いて示されるのが好適である。基地局装置2は、セカンダリセル活性化のコマンドとNon-contention based Random Access指定情報を移動局装置1のプライマリセルで送信しても、すでに活性化されている任意のセカンダリセルで送信しても良い。
【0105】
ここで、基地局装置2は、個別プリアンブルの番号と使用するランダムアクセスチャネル番号とを少なくともNon-contention based Random Access指定情報に含めて送信する。
【0106】
基地局装置2より異なる上りリンク送信タイミングを持つセカンダリセルの活性化を指示された移動局装置1は、当該セカンダリセルを活性化させると共に通知されたNon-contention based Random Access指定情報を用いたNon-contention based Random Access手順を開始する(ステップS302)。Non-contention based Random Access手順は、図9で説明した手順と同じで良い。ただし、このときのNon-contention based Random Access手順における各ステップ(ステップS11〜ステップS13)は、当該セカンダリセルの上りリンク並びに下りリンクで送受信される。
【0107】
図6のステップS301で送信されるセカンダリセル活性化に係るL2メッセージは、従来のセカンダリセル活性化に用いるL2メッセージと同じで良い。具体的な制御方法と含まれる制御コマンドの構成は第1の実施形態で説明したため詳細を省く。
【0108】
また、図6のステップS301で送信されるNon-contention based Random Access手順に係るL2メッセージは、Non-contention based Random Access手順に必要な情報が含まれていることを示すインデックス番号と、Non-contention based Random Access手順に用いる個別プリアンブルの番号とランダムアクセスチャネル番号とを示す情報とが少なくとも設定される。
【0109】
ここで、1つのセカンダリセル活性化のコマンドによって同時に複数のセカンダリセルが活性化される場合には、Non-contention based Random Access指定情報に、移動局装置1がランダムアクセス手順を開始するセルを示す情報としてセカンダリセルIDが含まれてもよい(付加されてもよい)。または、基地局装置2が、同じTAグループIDを設定された複数のセカンダリセルの中で1つのセカンダリセルにのみランダムアクセス手順に必要な情報を設定し、Non-contention based Random Access指定情報にランダムアクセス手順を開始するセルを示す情報としてTAグループIDを含めてもよい(付加してもよい)。これにより、基地局装置2が移動局装置1に対して複数のセカンダリセルを活性化するよう指示する際に、基地局装置2が移動局装置1にNon-contention based Random Access手順を開始させるセカンダリセルを指示することができる。
【0110】
なお、基地局装置2が、異なる上りリンク送信タイミングを持つ1つのセカンダリセルにのみランダムアクセス手順に必要な情報を設定する場合には、Non-contention based Random Access指定情報にセカンダリセルIDまたはTAグループIDを含める必要はない、または移動局装置1はNon-contention based Random Access指定情報に含まれる(付加される)セカンダリセルIDまたはTAグループIDを確認する必要はない。
【0111】
なお、基地局装置2は、移動局装置1が同時に1つのランダムアクセス手順のみを実行できる場合には、1つのセカンダリセル活性化のコマンドに1つのセルに対するNon-contention based Random Access指定情報が含まれるようにしてもよい。このとき、移動局装置1は、1つのセカンダリセル活性化のコマンドに複数のセルに対するNon-contention based Random Access指定情報が含まれている場合、受信したL2メッセージを無視するように構成されていても良いし、ランダムアクセス手順を開始せずにセカンダリセルの活性化のみを行うように構成されていても良い。あるいは、任意の一つのセルに対してNon-contention based Random Access手順を開始しても良い。
【0112】
なお、基地局装置2は、移動局装置1が同時に複数のランダムアクセス手順を実行できる場合には、1つのセカンダリセル活性化のコマンドに複数のセルに対するNon-contention based Random Access指定情報が含まれるようにしてもよい。このとき、移動局装置1は、指定された複数のセカンダリセルを活性化すると共にNon-contention based Random Access手順を指定されたセカンダリセルにおいてそれぞれ開始する。
【0113】
図7は、本実施形態の移動局装置1が、プライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングを持つセカンダリセルを活性化する際に、Contention based Random Access手順とNon-contention based Random Access手順のどちらのランダムアクセス手順を選択するかの判断に用いるフローチャート図の一例である。
【0114】
移動局装置1は、L2メッセージでセカンダリセル活性化のコマンドを基地局装置2から受信したかどうかを判断している(ステップS401)。移動局装置1は、L2メッセージでセカンダリセル活性化のコマンドを受信していない場合は、ステップS401に戻って処理を繰り返す。移動局装置1は、L2メッセージでセカンダリセル活性化のコマンドを受信した場合(ステップS401でYes)はステップS402へ移る。移動局装置1は、ステップS402で、プライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングのセカンダリセルの活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応するランダムアクセス設定が存在するかどうかを判断する。上記条件を満たさない場合(ステップS402でNo)、ランダムアクセス手順は不要であるため処理を終了する。移動局装置1は、ステップS402において、プライマリセルと異なる上りリンク送信タイミングのセカンダリセルの活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応するランダムアクセス設定が存在し、かつ送信タイミング非調整状態である場合に、上記条件を満たすと判断しても良い。
【0115】
また、移動局装置1は、ステップS402において、セカンダリセルの活性化が要求された場合であって、当該セカンダリセルの上りリンクに対応するランダムアクセス設定が存在し、かつ送信タイミング非調整状態である場合に、上記条件を満たすと判断しても良い。
【0116】
一方、上記条件を満たす場合(ステップS402でYes)、ステップS403でNon-contention based Random Access手順が要求されているかどうかの判断を行う。移動局装置1は、L2メッセージで当該セカンダリセルの活性化と共にNon-contention based Random Access指定情報が通知されており、かつNon-contention based Random Access指定情報に含まれる個別プリアンブルの番号が0でない場合、Non-contention based Random Access手順が要求されていると判断し、Non-contention based Random Access手順を実施(ステップS404)し、処理を終了する。
【0117】
移動局装置1は、L2メッセージで当該セカンダリセルの活性化のみが指定されている場合、または、Non-contention based Random Access指定情報に含まれる個別プリアンブルの番号が0である場合、Contention based Random Accessが要求されていると判断し、Contention based Random Access手順を実施(ステップS405)し、処理を終了する。
【0118】
このように、第2の実施形態によれば、基地局装置2は、移動局装置1に上りリンク送信タイミングの異なる複数の上りリンク周波数(上りリンクコンポーネントキャリア)が設定されている場合に、レイヤ2メッセージを使用してNon-contention based Random Access手順を用いた上りリンク送信タイミングの調整の開始を要求する。また、移動局装置1は、基地局装置2が送信したレイヤ2メッセージにより、指定されたコンポーネントキャリア(セル)の活性化を行うと同時に、ランダムアクセス手順の開始の有無を判断し、必要であればContention based Random Access手順とNon-contention based Random Access手順の一方を選択して開始する。
【0119】
以上のように、第1の実施形態に加え、移動局装置1が、Non-contention based Random Access手順を実施することが可能となるため、ランダムアクセスの衝突確率が削減され、上りリンクのコンポーネントキャリア(セル)の活性化に必要な時間が短縮される。基地局装置2は、無線リソースの利用効率や自局や移動局装置1の負荷状況などを総合的に判断し、移動局装置1に対してContention based Random Access手順とNon-contention based Random Access手順のいずれか一方を指定することが可能となるため、効率的なスケジューリングを行うことが可能となる。
【0120】
また、セカンダリセルの活性化と同時に行なうランダムアクセス手順をNon-contention based Random Access手順に限定してもよい。移動局装置1は、レイヤ2メッセージでセカンダリセル活性化のコマンドのみが通知された場合はランダムアクセス手順を実行せず、レイヤ2メッセージでセカンダリセル活性化のコマンドとNon-contention based Random Access指定情報が通知された場合はランダムアクセス手順を実行するようにしてもよい。なお、この場合に移動局装置1は、Non-contention based Random Access指定情報によりContention based Random Access手順を実行することが示された場合にのみ、Contention based Random Access手順を実行するようにしてもよい。例えば、移動局装置1は、Non-contention based Random Access指定情報に含まれるプリアンブル番号の値が0の場合にのみ、Non-contention based Random Access手順ではなくContention based Random Access手順を行なうようにしてもよい。
【0121】
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、本上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、各実施形態において、下りリンクコンポーネントキャリアの測定値としてパスロスを用いた例について説明したが、それ以外の測定値(SIR、SINR、RSRP、RSRQ、RSSI、BLER)を代わり用いても良いし、これらの測定値の複数を組み合わせて使用することも可能である。
【0122】
また、説明の便宜上、実施形態の移動局装置1及び基地局装置2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1及び基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置1や基地局装置2の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0123】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0124】
また、上記各実施形態に用いた移動局装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、典型的にはIC(集積回路)であるLSIを含む回路内で構成されてもよい。その場合、LSIの集積密度はどのような密度で実現されていても良い。各機能ブロックおよび諸特徴は個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0125】
以上、この発明の実施形態について特定の具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これら特定の具体例に限定されないことは明らかである。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明に対して何ら制限を加えるものではない。
【符号の説明】
【0126】
1…移動局装置
2…基地局装置
11〜13…送信装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104…測定処理部
105、204…制御部
106…ランダムアクセス処理部
107、205…符号部
108、206…変調部
109、207…送信部
110…タイミング管理部
111、208…上位レイヤ
209…ネットワーク信号送受信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムであって、
前記複数の在圏セルは、不活性化されない第1の在圏セルと、1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルとで構成されており、
前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を前記第1の在圏セルおよび前記第2の在圏セルに設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求し、
前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記基地局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化すると共に非競合ベースのランダムアクセスに必要な制御情報を通知することによって前記移動局装置に非競合ベースのランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化されると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報が通知された場合に前記制御情報を用いて非競合ベースのランダムアクセス手順を開始することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2の在圏セルの活性化はL2メッセージで通知することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの基地局装置であって、
前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルにそれぞれ設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする基地局装置。
【請求項6】
前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化すると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報を通知することによって前記移動局装置に非競合ベースランダムのランダムアクセス手順の開始を要求することを特徴とする請求項5に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記第2の在圏セルの活性化はL2メッセージで通知することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の基地局装置。
【請求項8】
基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの移動局装置であって、
前記基地局装置からランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルに設定された場合、
前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする移動局装置。
【請求項9】
前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化されると共に非競合ベースランダムアクセスに必要な制御情報が通知された場合に前記制御情報を用いて非競合ベースのランダムアクセス手順を開始することを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
【請求項10】
基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムの移動局装置におけるランダムアクセス送信方法であって、
前記複数の在圏セルは、不活性化されない第1の在圏セルと、1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルとで構成されており、
前記基地局装置は、ランダムアクセス手順に必要な情報を前記第1の在圏セルおよび前記第2の在圏セルに設定した場合、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルを活性化することによって前記移動局装置にランダムアクセス手順の開始を要求するステップと、
前記移動局装置は、前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始するステップを備えることを特徴とするランダムアクセス送信方法。
【請求項11】
基地局装置と移動局装置とが複数の在圏セルと同時に接続して通信を行う通信システムにおける移動局装置のランダムアクセスを行う集積回路であって、
前記基地局装置からランダムアクセス手順に必要な情報を不活性化されない第1の在圏セルおよび1つ以上の活性化または不活性化される第2の在圏セルに設定された場合、
前記ランダムアクセス手順に必要な情報が設定された前記第2の在圏セルが活性化された場合に、前記ランダムアクセス手順を開始することを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−70134(P2012−70134A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211934(P2010−211934)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】