説明

通信システム、符号化装置、および復号化装置

【課題】マルチキャスト転送を行う既存の通信システムを構成する通信装置を高機能化することなくネットワークコーディングを実現することができる通信システム、符号化装置、および復号化装置を提供する。
【解決手段】送信者側コーディング装置4は、マルチキャスト(S1,G1)で送信されるコンテンツデータaと、マルチキャスト(S2,G2)で送信されるコンテンツデータbとを受信する。また、送信者側コーディング装置4は、コンテンツデータa,bに基づいて符号化処理を行い、符号化データa+bを生成し、マルチキャスト(C1,G3)で送信する。受信者側コーディング装置5は、コンテンツデータaおよび符号化データa+bを受信する。また、受信者側コーディング装置5は、コンテンツデータaおよび符号化データa+Bに基づいて復号化処理を行いコンテンツデータbを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する複数の通信装置と、コンテンツデータを符号化し符号化データを生成する符号化装置と、符号化データを復号化する復号化装置とを備えた通信システムに関する。また、本発明は、本通信システムが備える符号化装置および復号化装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドの発達によって、大容量な映像コンテンツをIP網上で配信する要求が高まっている。このようなコンテンツの一部は、同報性の高いものであり、マルチキャストを用いて配信することで、ネットワーク帯域を大幅に削減することが可能である。他方、このような1対多通信において、ネットワーク内のノードで異なるパスから到着したパケットに対して、コーディング(符号化)を施すことで、マルチキャスト通信における最大フローを、各受信ノードの1対1通信時の最大フローの値のうち最小にする方法である「ネットワークコーディング」が示されている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
以下、ネットワークコーディングについて説明する。一例として、図5(a)に示す構成およびリンク容量(帯域)を想定する。このネットワークは送信ノードS、受信ノードR1,R2、およびノードN1,N2,N3,N4で構成されている。また、各ノード間のリンク近傍に記載された数字はリンク容量を示している。例えば、送信ノードS−ノードN1間のリンク容量は1である。
【0004】
通常のマルチキャスト通信では、容量1を消費するコンテンツaは、図5(b)に示す経路で受信ノードR1,R2へ配信される。しかし、リンク容量の限界により、容量1を消費する別のコンテンツデータbは配信できない。これに対して、ネットワークコーディングを利用すると、コンテンツデータa,b両方の配信が可能となる。図4(c)に示すように、ノードN3はコンテンツデータa,bの符号化を実施し、符号化データa+bを生成する。受信ノードR1は、送信ノードSから配信されたコンテンツデータaと、ノードN3で生成された符号化データa+bを受信すれば、デコーディング(復号化)によりコンテンツデータa,b両方を得ることができる。同様に、受信ノードR2もコンテンツデータa,b両方を得ることができる。
【非特許文献1】R.Ahlswede, et al., "Network Information Flow," IEEE Transactions on Information Theory, Vol. 46, No. 4, pp-1204-1216, Jul. 2000.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常のルータは上記のようなコーディング機能を備えていないため、ネットワークコーディングをIPマルチキャストへ適用することは困難である。ルータの高機能化が可能な、例えばアクティブネットワークの技術を利用することにより、ネットワークコーディングを実現することは可能であるが、既存のルータの高機能化が必須となり、コストが増大する問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、マルチキャスト転送を行う既存の通信システムを構成する通信装置を高機能化することなくネットワークコーディングを実現することができる通信システム、符号化装置、および復号化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する複数の通信装置と、前記コンテンツデータを符号化し符号化データを生成する符号化装置と、前記符号化データを復号化する復号化装置とを備えた通信システムであって、前記符号化装置は、第1の通信装置に接続されており第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータと、第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータとを前記第1の通信装置から受信する第1のデータ受信手段と、前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行い、符号化データを生成する符号化手段と、前記符号化データを第3のマルチキャストで前記第1の通信装置へ送信する第1のデータ送信手段とを有し、前記復号化装置は、第2の通信装置に接続されており、前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータと前記符号化データとを前記第2の通信装置から受信する第2のデータ受信手段と、前記第1のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第2のコンテンツデータを生成する、もしくは前記第2のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第1のコンテンツデータを生成する復号化手段とを有することを特徴とする通信システムである。
【0008】
また、本発明の通信システムにおいて、前記復号化装置はさらに、前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストの送信装置までの通信経路が前記復号化装置の方向であることを前記第2の通信装置に認識させるため、当該送信装置までの経路に関する経路情報を前記第2の通信装置へ送信する経路情報送信手段と、前記復号化手段によって生成された前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータを、当該第1のコンテンツデータまたは当該第2のコンテンツデータに対応した前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストで前記第2の通信装置へ送信する第2のデータ送信手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する通信装置に接続された符号化装置であって、第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータと、第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータとを前記通信装置から受信するデータ受信手段と、前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行い、符号化データを生成する符号化手段と、前記符号化データを第3のマルチキャストで前記通信装置へ送信するデータ送信手段とを備えたことを特徴とする符号化装置である。
【0010】
また、本発明は、送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する通信装置に接続された復号化装置であって、第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータ、または第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータを前記通信装置から受信すると共に、前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行うことによって生成された符号化データを前記通信装置から受信するデータ受信手段と、前記第1のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第2のコンテンツデータを生成する、もしくは前記第2のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第1のコンテンツデータを生成する復号化手段とを備えたことを特徴とする復号化装置である。
【0011】
また、本発明の復号化装置において、前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストの送信装置までの通信経路が自装置の方向であることを前記通信装置に認識させるため、当該送信装置までの経路に関する経路情報を前記通信装置へ送信する経路情報送信手段と、前記復号化手段によって生成された前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータを、当該第1のコンテンツデータまたは当該第2のコンテンツデータに対応した前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストで前記通信装置へ送信するデータ送信手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1のコンテンツデータおよび第2のコンテンツデータの符号化を行い符号化データを生成する符号化装置と、符号化データを復号化し第1のコンテンツデータまたは第2のコンテンツデータを生成する復号化装置とを既存の通信装置とは別個に設けることによって、通信装置を高機能化することなくネットワークコーディングを実現することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態による通信システムの構成を示している。この通信システムは配信サーバ1(送信装置)、受信装置2,3、送信者側コーディング装置4(エンコーダ)、受信者側コーディング装置5(デコーダ)、およびルータ6,7,8,9,10,11で構成されている。また、図2はリンク容量を示しており、各リンクの近傍に記載された数字がリンク容量である。例えば、配信サーバ1−ルータ6間のリンク容量は1である。
【0014】
本通信システムの上流端には配信サーバ1が設置されている。配信サーバ1は2種類のコンテンツデータa,bをマルチキャストで配信する。コンテンツデータaは、ソースアドレスS1、マルチキャストグループアドレスG1のマルチキャスト(S1,G1)として配信される。また、コンテンツデータbは、ソースアドレスS2、マルチキャストグループアドレスG2のマルチキャスト(S2,G2)として配信される。
【0015】
受信装置2はルータ10に接続され、受信装置3はルータ11に接続されている。受信装置2,3はマルチキャストに参加し各種データを受信する。また、本実施形態の受信装置3は、後述する符号化データa+bを復号化し、コンテンツデータaを生成する機能を有する。
【0016】
ネットワークコーディングを実施する区間の両端に位置するルータには送信者側コーディング装置4および受信者側コーディング装置5が接続されている。送信者側コーディング装置4はルータ8に接続され、受信者側コーディング装置5はルータ10に接続されている。
【0017】
送信者側コーディング装置4は、マルチキャスト(S1,G1)および(S2,G2)に参加し、コンテンツデータa,bをルータ8から受信すると共に、コンテンツデータa,bに対して符号化処理(本実施形態ではパケット同士のビット単位での排他的論理和演算)を行い、符号化データa+bを生成する。また、送信者側コーディング装置4は、符号化データa+bをソースアドレスC1、マルチキャストグループアドレスG3のマルチキャスト(C1,G3)としてルータ8へ送信する。
【0018】
受信者側コーディング装置5は、マルチキャスト(S1,G1)および(C1,G3)に参加し、コンテンツデータaおよび符号化データa+bをルータ10から受信すると共に、コンテンツデータaおよび符号化データa+bに基づいて復号化処理(本実施形態ではパケット同士のビット単位での排他的論理和演算)を行い、コンテンツデータbを生成する。また、受信者側コーディング装置5は、コンテンツデータbをマルチキャスト(S2,G2)としてルータ10へ送信する。
【0019】
図3は送信者側コーディング装置4の構成を示している。送受信部41は、マルチキャストの参加に必要なJoinメッセージの送信、コンテンツデータa,bの受信、符号化データa+bの送信を行う。符号化部42は、送受信部41で受信されたコンテンツデータa,bに対して符号化(冗長化)処理を行い、符号化データa+b(冗長データ)を生成する。記憶部43は、コンテンツデータa,bや符号化データa+b等を一時的に記憶する。制御部44は、必要に応じて情報処理を行うと共に、送信者側コーディング装置4内の各部の動作を制御する。
【0020】
図4は受信者側コーディング装置5の構成を示している。送受信部51は、Joinメッセージの送信、コンテンツデータaおよび符号化データa+bの受信、符号化データa+bを復号化して得られたコンテンツデータbの送信を行う。復号化部52は、送受信部51で受信された符号化データa+bを復号化し、コンテンツデータbを生成する。記憶部53は、コンテンツデータa,bや符号化データa+bを一時的に記憶する。制御部54は、必要に応じて情報処理を行うと共に、受信者側コーディング装置5内の各部の動作を制御する。
【0021】
次に、送信者側コーディング装置4および受信者側コーディング装置5の動作を中心に、本通信システムの動作を説明する。受信装置2が、マルチキャスト(S1,G1)および(S2,G2)に参加しコンテンツデータa,bを受信するためのJoinメッセージを上流側へ向けて送信すると、各ルータによってコンテンツデータa,bのマルチキャストパケットが転送される。同様に受信装置3は、マルチキャスト(S2,G2)および(C1,G3)に参加しコンテンツデータaおよび符号化データa+bを受信するためのJoinメッセージを上流側へ向けて送信する。
【0022】
送信者側コーディング装置4はマルチキャスト(S1,G1)および(S2,G2)に参加し、コンテンツデータa,bを受信する。より具体的には、送信者側コーディング装置4において、制御部44は、マルチキャスト(S1,G1)および(S2,G2)に参加するためのJoinメッセージ(受信要求)を生成する。送受信部41はルータ8へ向けてJoinメッセージを送信する。Joinメッセージを受信したルータ8によって、コンテンツデータa,bのマルチキャストパケットが送信者側コーディング装置4へ転送されるようになる。
【0023】
送受信部41はコンテンツデータa,bのマルチキャストパケットをルータ8から受信する。符号化部42は、受信されたコンテンツデータa,bのマルチキャストパケットに基づいて符号化処理を行い、符号化データa+bを生成する。送受信部41は符号化データa+bのマルチキャストパケットをルータ8へ送信する。前述したように、符号化データa+bはマルチキャスト(C1,G3)として配信される。
【0024】
受信者側コーディング装置5はマルチキャスト(S1,G1)および(C1,G3)に参加し、コンテンツデータaのマルチキャストパケットを受信すると共に、送信者側コーディング装置4から送信された符号化データa+bのマルチキャストパケットを受信する。より具体的には、受信者側コーディング装置5の制御部54は、マルチキャスト(S1,G1)および(C1,G3)に参加するためのJoinメッセージを生成する。送受信部51はルータ10へ向けてJoinメッセージを送信する。Joinメッセージを受信したルータ10によって、コンテンツデータaおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットが受信者側コーディング装置5へ転送されるようになる。
【0025】
受信者側コーディング装置5において、送受信部51はコンテンツデータaおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットをルータ10から受信する。復号化部52は、受信されたコンテンツデータaおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットに基づいて復号化処理を行い、コンテンツデータbを生成する。送受信部51はコンテンツデータbのマルチキャストパケットをルータ10へ送信する。前述したように、コンテンツデータbは、マルチキャスト(S2,G2)として配信される。
【0026】
ルータ10はコンテンツデータa,bのマルチキャストパケットを受信装置2へ転送する。受信装置2はコンテンツデータa,bのマルチキャストパケットをルータ10から受信する。一方、ルータ11はコンテンツデータbおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットを受信装置3へ送信する。受信装置3はコンテンツデータbおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットをルータ11から受信する。前述したように、受信装置3は復号化機能を有しており、受信したコンテンツデータbおよび符号化データa+bのマルチキャストパケットに基づいて復号化処理を行い、コンテンツデータaを生成する。上記のようにして、受信装置2,3はコンテンツデータa,bを取得することができる。
【0027】
RPF (Reverse-Path Forwarding)によれば、マルチキャストパケットを受信したルータは、マルチキャストパケットが適切なインタフェースで受信されたか否かのチェック(RPFチェック)を行う。このチェックにおいて、マルチキャストのソースアドレスと受信インタフェースの対応関係を規定したルーティングテーブルが参照される。受信したマルチキャストパケットのソースアドレスとルーティングテーブル上で対応するインタフェースが、受信したインタフェースと同一の場合、ルータはマルチキャストパケットを転送する。また、受信したマルチキャストパケットのソースアドレスとルーティングテーブル上で対応するインタフェースが、受信したインタフェースと異なる場合、ルータはマルチキャストパケットを破棄する。
【0028】
受信者側コーディング装置5のインタフェースのアドレスがS2である場合、ルータ10はソースアドレスS2方向の経路が受信者側コーディング装置5の方向であることを認識することが可能である。一方、受信者側コーディング装置5のインタフェースのアドレスがS2ではない場合、以下のようにルータ10に対して、ソースアドレスS2方向の経路が配信サーバ1の方向ではなく受信者側コーディング装置5の方向であることを認識させる必要がある。
【0029】
本実施形態の受信者側コーディング装置5では、制御部54が、配信サーバ1までの経路に関する複数リンクのコスト情報(経路情報)を生成し、送受信部51がコスト情報をルータ10へ送信する。このコスト情報には、受信者側コーディング装置5−ルータ10間のリンクのコストと、受信者側コーディング装置5−配信サーバ1間の仮想的なリンクのコストとが含まれる。
【0030】
ルータ10はコストの小さい経路を選択するので、ルータ10から配信サーバ1までの通常経路(ルータ10−ルータ9−ルータ7−配信サーバ1)のコストよりも仮想経路(ルータ10−受信者側コーディング装置5−配信サーバ1)のコストの方を小さくする必要がある(第1の条件)。また、ルータ8やルータ9等が認識する配信サーバ1までの経路を変更しないようなコストを設定する必要がある(第2の条件)。したがって、受信者側コーディング装置5−配信サーバ1間の仮想的なリンクのコストは、上記の第1の条件および第2の条件を満たす適当な大きさのコストに設定される。
【0031】
上記のコスト情報に基づいて、ルータ10は、配信サーバ1までの通信経路が受信者側コーディング装置5の方向であることを認識する。これによって、受信者側コーディング装置5から送信されたコンテンツデータbのマルチキャストパケットがルータ10で破棄されることなく、受信装置2へ転送される。
【0032】
また、受信装置2から送信された、コンテンツデータbに係るJoinメッセージはルータ10から受信者側コーディング装置5へ転送される。このJoinメッセージを受信した受信者側コーディング装置5は、前述したようにマルチキャスト(S1,G1)および(C1,G3)への参加を開始する。
【0033】
なお、上記では受信者側コーディング装置5がコスト情報をルータ10へ送信しているが、ルータ10上で人為的に経路の設定を変更してもよい。また、上記では、受信装置3が復号化機能を有しているものとしているが、受信装置3が復号化機能を有していない場合には、受信者側コーディング装置5と同様の装置をルータ11に接続すればよい。さらに、受信装置2が復号化機能を有している場合には、受信者側コーディング装置5を設けなくてよい。
【0034】
上述したように、本実施形態によれば、送信者側コーディング装置4および受信者側コーディング装置5を既存のルータとは別個に設けることによって、マルチキャスト転送を行う既存の通信システムを構成するルータを高機能化することなくネットワークコーディングを実現することができる。
【0035】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態による通信システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による通信システムのリンク容量を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態による通信システムが備える送信者側コーディング装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による通信システムが備える受信者側コーディング装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ネットワークコーディングを説明するための構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・配信サーバ、2,3・・・受信装置、4・・・送信者側コーディング装置、5・・・受信者側コーディング装置、6,7,8,9,10,11・・・ルータ、41,51・・・送受信部、42・・・符号化部、43,53・・・記憶部、44,54・・・制御部、52・・・復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する複数の通信装置と、前記コンテンツデータを符号化し符号化データを生成する符号化装置と、前記符号化データを復号化する復号化装置とを備えた通信システムであって、
前記符号化装置は、第1の通信装置に接続されており
第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータと、第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータとを前記第1の通信装置から受信する第1のデータ受信手段と、
前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行い、符号化データを生成する符号化手段と、
前記符号化データを第3のマルチキャストで前記第1の通信装置へ送信する第1のデータ送信手段とを有し、
前記復号化装置は、第2の通信装置に接続されており、
前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータと前記符号化データとを前記第2の通信装置から受信する第2のデータ受信手段と、
前記第1のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第2のコンテンツデータを生成する、もしくは前記第2のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第1のコンテンツデータを生成する復号化手段とを有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記復号化装置はさらに、
前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストの送信装置までの通信経路が前記復号化装置の方向であることを前記第2の通信装置に認識させるため、当該送信装置までの経路に関する経路情報を前記第2の通信装置へ送信する経路情報送信手段と、
前記復号化手段によって生成された前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータを、当該第1のコンテンツデータまたは当該第2のコンテンツデータに対応した前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストで前記第2の通信装置へ送信する第2のデータ送信手段とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する通信装置に接続された符号化装置であって、
第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータと、第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータとを前記通信装置から受信するデータ受信手段と、
前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行い、符号化データを生成する符号化手段と、
前記符号化データを第3のマルチキャストで前記通信装置へ送信するデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とする符号化装置。
【請求項4】
送信装置から受信装置へマルチキャストで送信されるコンテンツデータを転送する通信装置に接続された復号化装置であって、
第1のマルチキャストで送信される第1のコンテンツデータ、または第2のマルチキャストで送信される第2のコンテンツデータを前記通信装置から受信すると共に、前記第1のコンテンツデータおよび前記第2のコンテンツデータに基づいて符号化処理を行うことによって生成された符号化データを前記通信装置から受信するデータ受信手段と、
前記第1のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第2のコンテンツデータを生成する、もしくは前記第2のコンテンツデータおよび前記符号化データに基づいて復号化処理を行い前記第1のコンテンツデータを生成する復号化手段と、
を備えたことを特徴とする復号化装置。
【請求項5】
前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストの送信装置までの通信経路が自装置の方向であることを前記通信装置に認識させるため、当該送信装置までの経路に関する経路情報を前記通信装置へ送信する経路情報送信手段と、
前記復号化手段によって生成された前記第1のコンテンツデータまたは前記第2のコンテンツデータを、当該第1のコンテンツデータまたは当該第2のコンテンツデータに対応した前記第1のマルチキャストまたは前記第2のマルチキャストで前記通信装置へ送信するデータ送信手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の復号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−302737(P2009−302737A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152916(P2008−152916)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】