説明

通信システムおよびプログラム

【課題】
相互通信が可能な通信装置との間に確立した通信路を利用して取得した情報を元に、情報処理装置同士がデータ通信を行えるようにする通信システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】
通信装置(100A、100B)間で第1通信路を確立し、各通信装置がこの第1通信路によって共有した当該通信装置の近傍に存在して相互通信が可能なネットワークノードのネットワーク情報を用いて、各通信装置に搭載するサービス制御装置同士が当該ノード間で第2通信路を確立する。この第2通信路を用いてノード同士による情報通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
装置間の相互通信では通信相手となる端末を通信上、認識することによりその相手先となる端末との間で送受信を行う。このため、通信相手となる端末を認識する方法が必要となり、予め通信相手の識別情報や通信方法を設定しておく若しくは一覧として示される通信相手から所望の相手を選択することで当該通信相手の情報を取得する。
【0003】
また、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などのプロトコルに対応する端末の場合、ブロードキャストすることにより該当する通信先より応答を得ることができ、通信相手となる端末の情報を取得することも可能である。通信相手を識別する情報として、例えばIPアドレスや電話番号、端末識別情報等がある。
【0004】
特許文献1に開示された従来技術では、移動端末にコンテキストを転送するコンテキスト転送マネージャが移動端末から位置情報を受信し、該位置情報に基づき移動端末の近傍アクセスネットワークを決定でき、さらに、コンテキスト転送マネージャは、近傍アクセスネットワークおよび移動端末に対し少なくとも1つのコンテキストを生成し、近傍アクセスネットワークおよび移動端末の各々にコンテキストを送信することも可能にしている。
【0005】
この技術では、移動端末が2つの異なるアクセス技術を採用するアクセスネットワーク間でハンドオーバを実行した場合においても、コンテキスト転送を可能にしている。また、移動端末が移動できるアクセスネットワーク(すなわち、近傍アクセスネットワーク)候補において使用されるアクセス技術を考慮する際、異なるアクセス技術により使用されるそれぞれのプロトコルに適合できる動的なコンテキストを生成することも可能である。
【特許文献1】特開2007−511147
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来技術では、予め管理対象となる装置やネットワークの情報を記憶しておき、移動端末の位置情報を受信することでその位置情報に基づく最適な情報をその移動端末に提供することで移動端末が装置やネットワークと通信できるようにしている。
【0007】
しかしながら、GPS(Global Positioning System)等の現行の位置情報を取得する方法では、地図上での建物の位置などは取得可能であるものの、それよりも詳細な精度の情報を取得することは技術的に難しい。また、オフィスビル内部などはその情報が公開されておらず、移動端末の位置情報だけでは通信対象の装置やネットワークを特定することは困難である。
【0008】
本発明は、相互通信が可能な通信装置との間に確立した通信路を利用して取得した情報を元に、情報処理装置同士がデータ通信を行えるようにする通信システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、第1の通信装置と、前記第1の通信装置と第1の網を介して通信可能な第2の通信装置と、前記第1の通信装置の周辺に位置する1または複数の第1の周辺装置と、前記第2の通信装置の周辺に位置し、前記第1の周辺装置と第2の網を介して通信可能な1または複数の第2の周辺装置とを備え、前記第1の通信装置は、前記第1の周辺装置から前記第2の網における通信識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した前記通信識別情報を前記第2の通信装置に通知する通知手段とを具備し、前記第2の周辺装置は、前記第2の通信装置から前記通信識別情報を取得して、該通信識別情報に基づき前記第1の周辺装置との間に前記第2の網を介する通信路を確立する通信路確立手段を具備する。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の通信装置は、前記1または複数の第1の周辺装置の中の所望の第1の周辺装置を該第1の周辺装置との間の近距離通信により検索する検索手段を具備し、前記取得手段は、前記検索手段によって検索した第1の周辺装置に対して前記通信識別情報の取得要求を送信することにより該第1の周辺装置の前記通信識別情報を取得する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第1の周辺装置と前記第2の周辺装置は、ネットワークを介して接続され、前記通信識別情報は、前記ネットワークのアドレス情報である。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、携帯電話機であり、前記第1の周辺機器は、プリンタであり、前記第2の周辺機器は、前記プリンタに対して印刷情報を送信するコンピュータである。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、ネットワークを介して接続されるコンピュータであり、前記第1の周辺機器および前記第2の周辺機器は、電話回線を介して接続される電話会議装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、相互通信が可能な通信装置との間に確立した通信路を利用して取得した情報を元に、情報処理装置同士がデータ通信を行えるようになるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項2によれば、有効な情報処理装置を特定して情報通信が可能になるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項3によれば、ネットワーク上にある第1の周辺装置と第2の周辺装置がネットワークのアドレス情報を用いて相互通信できるようになるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項4によれば、携帯電話機同士で交換した情報を用いてプリンタとそのプリンタに対して印刷情報を送信するコンピュータとが通信できるようになるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項5によれば、ネットワークを介して接続されるコンピュータ間で交換した情報を用いて電話会議装置間で通信ができるようになるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係わる通信システムおよびプログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施の形態における通信システムおよびプログラムを適用して構成した通信システムのシステム構成図の一例である。
【0021】
図1において、この通信システムは、音声通話やデータ通信などにより情報交換を行う通信装置(100A、100B)が2台接続された構成であり、有線若しくは無線によって相互通信可能である。
【0022】
さらに、各通信装置(100A、100B)の近傍には通信ネットワークが存在し、通信装置100Aの近傍には、クライアントPC1(102)、撮影通信機器A103、プリンタA104を有するネットワークAが構築され、また通信装置100Bの近傍には、複合機B105、クライアントPC2(106)、撮影通信機器B107を有するネットワークBが構築されている。
【0023】
通信装置100Aは、ネットワークAに属するクライアントPC1(102)、撮影通信機器A103、プリンタA104の各ノードと相互通信が可能であり、通信装置100Bは、ネットワークBに属する複合機B105、クライアントPC2(106)、撮影通信機器B107の各ノードと相互通信が可能である。
【0024】
また、ネットワークAとネットワークBは、公衆回線網などによって接続されており、すなわちLAN(Local Area Network)およびWAN(Wide Area Network)などを構成する。
【0025】
通信装置100A、通信装置100Bは、携帯電話、ノードPC、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末のほか、カメラ機能を有する撮影通信装置、電話会議装置などによって構成されており、各通信装置(100A、100B)間で交換した情報を元にネットワークAとネットワークBに属するノード間の通信を行えるようにしたサービス制御装置を搭載する。
【0026】
このサービス制御装置は、通信装置間で接続して確立した通信路を利用して交換した情報を、ネットワークAのノードおよびネットワークBのノードに提供することにより各ノード間で通信路を確立できるようにしている。ノード間の通信路が確立されると、通信装置を介さずノード間で情報交換を行う。
【0027】
例えば、ネットワークAに属するノードのクライアントPC1とネットワークBに属するノードの複合機B105との間に通信路が確立されると、この場合クライアントPC1(102)をホスト装置として複合機B105から印刷出力を行うことによる情報交換が可能になる。
【0028】
このとき、サービス制御装置は各ネットワークのノードと情報交換を行うために無線通信や赤外線通信などの通信によってノード発見要求を各ノードへと送信し、これらを受信した各ノードからのノード発見応答を受信する。
【0029】
なお、通信装置100Aと通信装置100Bとの通信路を「第1通信路」と示し、この第1通信路を介して取得した情報を元に、ネットワークAに接続されたノードとネットワークBに接続されたノードとが通信を行う通信路を「第2通信路」と示す。
【0030】
「第1通信路」は、電話通信網やデータ通信網などの通信網によって確立される通信路であり、「第2通信路」は、ネットワークAとネットワークBとのデータ通信が可能なデータ通信網によって確立される通信路である。
【0031】
また、各通信路は複数の通信方式によって同時に複数のセションを確立するマルチセション構成とすることも可能である。すなわち、第1通信路では電話通信網による音声通話のセションとともにデータ通信路によるデータ送受信のセションを確立する構成とすることも可能である。
【0032】
通信装置100Aと通信装置100Bとの間に確立された第1通信路を用いて、ネットワークAおよびネットワークBとの間で通信を行うノード間の情報が交換されると、この情報を用いて第2通信路を確立し、ノード間の通信を行う。
【0033】
このときの通信装置100Aおよび通信装置100Bに搭載されたサービス制御装置の詳細な機能構成を図2に示し、以下で説明する。
【0034】
図2は、本発明の実施の形態における通信システムを構成する通信装置に設けられたサービス制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すサービス制御装置は、図1に示す各通信装置(通信装置100A、通信装置100B)に搭載されており、通信部20、通信確立部21、デバイス検索制御部22、記憶部23、デバイス間通信情報設定部24、サービス制御部25、操作部26、表示部27を具備して構成する。
【0036】
すなわち、図2に示すような構成からなるサービス制御装置間(図1に示す例ではサービス制御装置101Aとサービス制御装置101B)で相互に通信を行う。以下では、サービス制御装置101Bを搭載する通信装置100Bの近傍のネットワークBに属するノードの複合機Bに対して、サービス制御装置101Aを搭載する通信装置100Aの近傍のネットワークAに属するノードのクライアントPC1から印刷出力する場合の例を用いて当該サービス制御装置の構成について説明する。
【0037】
まず、サービス制御装置101Aとサービス制御装置101Bの通信部20は、他方の通信装置のサービス制御装置に設けられた通信部20との間で通信処理を行い、サービス制御装置間における通信インターフェースである。この通信部20は、有線および無線で情報通信が可能である。
【0038】
相互の通信部20で通信が行われると、通信確立部21が通信を確立し、また保持する(セションを保持する)。これにより、サービス制御装置間で通信路が確立された状態となり、この通信路を上記の図1を用いた説明では「第1通信路」と示している。
【0039】
このようにして第1通信路が確立された状態で、サービス制御装置101Bの操作部26を操作することによりネットワーク上のノード間での通信を可能にするサービスの開始を指示すると、サービス制御装置101Bのサービス制御部25は、通信部20を介してサービスの開始要求をサービス制御装置101Aの通信部20へと送信する。
【0040】
これを受信したサービス制御装置101Aの通信部20は、デバイス間通信情報設定部24に設定されている当該サービス制御装置101Aを搭載する通信装置100Aの近傍にあるネットワークAのクライアントPC1に関するネットワーク情報を含んだ、サービス制御装置101Bの近傍にあるネットワークBにあるノードのうちクライアントPC1と通信を行うノードのネットワーク情報の取得要求をサービス制御装置101Bのサービス制御部25へと応答する。
【0041】
このとき、サービス制御装置101Bのサービス制御部25では、デバイス検索制御部22へとデバイスの検索要求を行い、デバイス検索制御部22は、記憶部23に記憶するサービス制御装置101BのネットワークBに存在するデバイスに関するネットワーク情報若しくは通信部20を介してネットワークBに存在するデバイスの検索して取得したネットワーク情報をサービス制御部25へと応答する。
【0042】
これによって、サービス制御部25が取得したネットワークBに存在するデバイスのネットワーク情報を、クライアントPC1と通信を行うデバイス(複合機B)のネットワーク情報としてサービス制御装置101Aのサービス制御部25へと応答する。
【0043】
これによって、サービス制御装置101Aおよびサービス制御装置101Bそれぞれは通信相手となるノードのネットワーク情報を共有した状態になる。
【0044】
図3は、本発明の実施の形態における通信システムを構成するサービス提供装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すサービス提供装置は、図1に示すクライアントPC、プリンタ、撮影通信装置などを示し、通信部30、要求制御部31、ネットワーク情報管理部32、通信確立部33、サービス確認部34、通信情報登録部35、サービス処理部36を具備して構成する。
【0046】
上記の図2を用いた説明と同様、図1のネットワークAのクライアントPC1(102)とネットワークBの複合機B105とが情報通信を行う場合を例に説明する。
【0047】
なお、サービス処理部36は、提供する処理機能を示し、例えば複合機であればファクシミリ送信機能や画像読取機能等、またクライアントPCであれば演算や表示等の情報処理機能、またプリンタであれば印刷機能等を示す。さらに、通信部30は、情報通信の通信インターフェースを示しており、イーサネット(登録商標)などのネットワーク通信インターフェースや無線LAN技術による無線通信インターフェースなどの複数の規格によって構成される。もちろんこれ以外にも、赤外線通信インターフェースなどを装備するような構成であってもよい。
【0048】
まず、この通信部30によって、図2に示すような構成からなるサービス制御装置を搭載する通信装置(100A、100B)からネットワーク情報の取得要求を受信すると、要求制御部31に通知し、要求制御部31がその要求内容を解析する。ネットワーク情報の取得要求(ポーリング)であると判断すると、ネットワーク情報管理部32で管理するネットワーク情報を取得して要求元のサービス制御装置へと応答する。
【0049】
ネットワーク情報管理部32で管理するネットワーク情報は、当該サービス提供装置をネットワーク上で識別する情報であって、例えばIPアドレスやMACアドレス、装置名称等である。
【0050】
通信確立部33は、ネットワーク上にある他のノードとの通信路を確立する処理を行う。ネットワークA上のクライアントPC1の通信確立部33は、第1通信路の確立によって取得した通信相手となるネットワークB上の複合機Bのネットワーク情報を元に接続要求を行う。このときの接続要求には、ネットワーク情報管理部32で管理する自機のネットワーク情報(この場合、クライアントPC1のネットワーク情報)が含まれる。
【0051】
接続要求を受信したネットワークB上の複合機Bの通信確立部33は、受信した接続要求に含まれるネットワーク情報を通信情報記憶部35に記憶するとともに、サービス確認部34へと複合機Bにおける処理機能を提供するサービス処理部36の動作確認を行う。サービス確認部34によってサービス処理部36が提供するサービスの動作確認が行われると、接続応答を行う。
【0052】
このときの動作確認として、例えば、クライアントPC1による印刷要求に対して複合機Bが処理するための対応するプリンタドライバがインストールされている状態にあるか等を確認する。
【0053】
これによって、ネットワークA上のクライアントPC1とネットワークB上の複合機Bとの間で通信路が確立され、これを上記では第2通信路と示している。
【0054】
なお、通信情報記憶部35に記憶したネットワーク情報によって通信相手を認証する処理を行うような構成であってもよい。この場合、認証サーバ(図示せず)へ当該ネットワーク情報を送信し、その認証結果を受信することにより認証できた場合に通信を開始する。
【0055】
以上のようにして第2通信路が確立されると、クライアントPC1から印刷ジョブを複合機Bへと送信して印刷処理を行う。
【0056】
図4は、本発明の実施の形態における通信システムの処理遷移を示すシーケンス図である。
【0057】
図4に示すシーケンスは、図1に示すシステム構成における処理遷移であって、通信装置であるモバイル端末AがネットワークAに接続されたクライアントPC1と相互通信可能であり、同様に通信装置であるモバイル端末BがネットワークBに接続された複合機Bと相互通信可能である構成における処理の遷移を示している。
【0058】
通信装置であるモバイル端末Aとモバイル端末Bとの間でデータ通信路(以下、「第1通信路」という)を確立する(401)。この第1通信路の確立は、例えばモバイル端末Bがモバイル端末Aに対してポーリングを行い、これにモバイル端末Aが応答することにより第1通信路を確立する方法や音声通話回線の接続による通信路をデータ通信回線の第1通信路とする方法がある。
【0059】
このようにして確立された通信路を維持した状態で、モバイル端末Aは、クライアントPC1に対してネットワークBに接続された複合機Bとデータ送信を行うことを指示する通信要求を行う(402)。
【0060】
この通信要求を受信したクライアントPC1は、予め確立されている第1通信路を介してネットワークBに接続された複合機Bからネットワーク情報を取得するためにモバイル端末Aに対してネットワーク情報の取得要求を送信する(403)。
【0061】
この取得要求を受信したモバイル端末Aは、モバイル端末Bとの間で確立された第1通信路を介してクライアントPC1からのネットワーク情報の要求を転送する(404)。このネットワーク情報の要求には、要求元のクライアントPC1をネットワーク上で識別する識別情報、例えば装置名称、IPアドレス、MACアドレスのほか、確立後の通信路を識別する情報(「セションID」ともいう)等が含まれる。
【0062】
そして、この取得要求を受信したモバイル端末Bは、複合機Bに対してポーリング等を行うことにより複合機Bを検索する(405)。ポーリング等によって複合機Bから応答があったモバイル端末Bは、モバイル端末Aから受信したネットワーク情報の要求を転送する。これを受信した複合機Bは、記憶するネットワーク情報をモバイル端末Bへ応答する(406)。
【0063】
このとき、複合機Bでは、ネットワーク情報の要求に含まれる情報を用いて要求元を認証する処理を行う構成であってもよい。この場合、複合機Bが認証サーバ(図示せず)に認証要求を行い、認証サーバが要求元であるクライアントPC1が不正な要求元でないことを認証する。この認証によって承認された場合に複合機Bがネットワーク情報を送信する。
【0064】
モバイル端末Bでは、ネットワーク情報を複合機Bから受信すると、そのネットワーク情報をモバイル端末Aへと確立した通信路を介して送信する(407)。また、モバイル端末Aは、クライアントPC1へとネットワーク情報を送信する(408)。
【0065】
これによってクライアントPC1は、複合機Bのネットワーク情報を有することとなり、また、複合機BもクライアントPC1のネットワーク情報を有することとなる。
【0066】
それぞれが相互のネットワーク情報を用いて情報処理における第2通信路の確立処理を行う(409)。この第2通信路の確立処理においてもクライアントPC1がホストとなり、複合機Bに対してポーリングを行うことによって確立する。
【0067】
この第2通信路の確立とともに、動作確認の処理をも行う。具体的には、複合機Bを認識して処理を要求するドライバソフトウェア等がクライアントPC1にインストールされているかどうかを確認する。
【0068】
これによって、動作確認されると、クライアントPC1は、第2通信路を介して複合機Bに印刷ジョブを送信する(410)。印刷ジョブを受信した複合機Bは、その印刷ジョブの印刷処理を行い(411)、その結果および処理完了通知をクライアントPC1へと応答する(412)。
【0069】
また、図5には、図4で示すクライアントPC1と複合機Bに代えてテレビ会議システム等に設けられる撮影通信機器を設け、また、モバイル端末に代えて表示デバイスを備えるクライアントPCを設けた構成における処理遷移を示している。
【0070】
図5に示す処理遷移のクライアントPC1とクライアントPC2との通信路である第1通信路を確立する処理(401)から撮影通信機器Aと撮影通信機器Bとの通信路である第2通信路を確立する処理(409)までは図4に示す処理と同様である。
【0071】
図5では、第2通信路が確立された後に、撮影通信機器間でリアルタイム通信処理を行う(501)。
【0072】
撮影通信機器は、カメラおよび画像データ処理装置から構成されており、カメラで撮影した画像データを画像データ処理装置が処理した後に表示デバイスを備えるクライアントPCへと転送して表示させるリアルタイム通信処理である。
【0073】
なお、本発明は、通信機能を備えた通信システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する通信システムを構成することも可能である。通信システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0074】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0075】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態における通信システムおよびプログラムを適用して構成した通信システムのシステム構成図の一例。
【図2】本発明の実施の形態における通信システムを構成する通信端末の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態における通信システムを構成するサービス提供装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態における通信システムの処理遷移を示すシーケンス図。
【図5】本発明の実施の形態における通信システムの処理遷移を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0077】
100 通信装置
101 サービス制御装置
102 クライアントPC1
103 撮影通信装置A
104 プリンタA
105 複合機B
106 クライアントPC2
107 撮影通信機器B
20 通信部
21 通信確立部
22 デバイス検索制御部
23 記憶部
24 デバイス間通信情報設定部
25 サービス制御部
26 操作部
27 表示部
30 通信部
31 要求制御部
32 ネットワーク情報管理部
33 通信確立部
34 サービス確認部
35 通信情報登録部
36 サービス処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と、
前記第1の通信装置と第1の網を介して通信可能な第2の通信装置と、
前記第1の通信装置の周辺に位置する1または複数の第1の周辺装置と、
前記第2の通信装置の周辺に位置し、前記第1の周辺装置と第2の網を介して通信可能な1または複数の第2の周辺装置と
を備え、
前記第1の通信装置は、
前記第1の周辺装置から前記第2の網における通信識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した前記通信識別情報を前記第2の通信装置に通知する通知手段と
を具備し、
前記第2の周辺装置は、
前記第2の通信装置から前記通信識別情報を取得して、該通信識別情報に基づき前記第1の周辺装置との間に前記第2の網を介する通信路を確立する通信路確立手段
を具備する通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置は、
前記1または複数の第1の周辺装置の中の所望の第1の周辺装置を該第1の周辺装置との間の近距離通信により検索する検索手段
を具備し、
前記取得手段は、
前記検索手段によって検索した第1の周辺装置に対して前記通信識別情報の取得要求を送信することにより該第1の周辺装置の前記通信識別情報を取得する請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の周辺装置と前記第2の周辺装置は、
ネットワークを介して接続され、
前記通信識別情報は、
前記ネットワークのアドレス情報である請求項1記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、
携帯電話機であり、
前記第1の周辺機器は、
プリンタであり、
前記第2の周辺機器は、
前記プリンタに対して印刷情報を送信するコンピュータである請求項1記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、
ネットワークを介して接続されるコンピュータであり、
前記第1の周辺機器および前記第2の周辺機器は、
電話回線を介して接続される電話会議装置である請求項1記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−225166(P2009−225166A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68153(P2008−68153)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】