説明

通信システムにおける通信セッションの起動方法、通信システムおよびアプリケーション・サーバ

通信セッションを備える通信システムにおける方法を提案する。この方法は、データネットワークにユーザ装置を登録する段階と、該データネットワークによりサービス・プロバイダに該ユーザ装置を登録する段階からなる。データセッションは、通信ネットワークを介して、該ユーザ装置と該サービス・プロバイダとの間で起動することが可能である。この起動に引き続いて、少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションのために、要求信号を該ユーザ装置から該サービス・プロバイダに送信することができる。すでに起動している上記データセッションは、該ユーザ装置と上記少なくとも1つの他のパーティとの間の通信に使用することができる。また、上述に対応する処理を実行するために構成される通信システムとアプリケーション・サーバをも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、特に通信システムの中で時間的に厳しいサービスのための起動方法であって、このようなサービスを必要するユーザ装置のためにパケットデータ通信セッション機能を容易にするための起動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、ユーザ装置及び/又は通信システムに関連する他のノードのような2つ以上のエンティティ(entity)の間に存在する通信セッションを動作可能にする施設としてみることができる。例えば、通信には、音声、データの通信、マルチメディア等を含むことができる。通信セッションには、例えばユーザ装置間での通話呼、多重通信による会議用セッション、ユーザ装置とアプリケーション・サーバ(AS:Application Server)間での通信セッションが該当するであろう。なお、アプリケーション・サーバには、サービス・プロバイダによるサーバも存在する。これらのセッションの確立は、一般にユーザに対して種々のサービスを提供することを可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通信システムは、通常は所定の規格または仕様に従って動作する。所定の規格等は、通信システムに関連する種々のエンティティが許可される実行内容、遂行すべき方法を規定している。例えば、規格または仕様は、ユーザ装置について、もっと正確に言えば、ユーザ装置に回線交換サービス及び/又はパケット交換サービスを提供することを規定することができる。また、接続時に使用すべき通信プロトコル及び/又はパラメータを規定することができる。言い換えれば、通信が基礎とすることができる一群の「規則」は、システムによって通信ができるように規定される必要がある。
【0004】
ユーザ装置のために無線通信を提供する通信システムが知られている。無線通信システムの一例は、公衆陸上移動通信ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)である。このPLMNは、通常はセルラー技術を基礎としている。セルラーシステムでは、無線基地局(BTS:Base Transceiver Station)または類似のアクセス・エンティティが、これらのエンティティ間での無線インターフェイスを経由して、移動局(MS:Mobile Station)と呼ばれる無線用ユーザ装置(UE:User Equipment)にサービスを提供する。ユーザ装置と通信ネットワーク要素との間での無線インターフェイスによる通信は、適合した通信プロトコルを基礎にすることができる。無線基地局の設備および通信に必要とされる他の設備の処理は、1つまたはいくつかの制御エンティティにより制御される。種々の制御エンティティは、相互に連結させることが可能である。
【0005】
また、1つ以上のゲートウェイ・ノードは、セルラーネットワークと他のネットワークとを接続するのに設けることが可能である。他のネットワークとは、例えば公衆交換電話ネットワーク(PSTN : Public Switched Telephone Network)及び/又はインターネット・プロトコル(IP:Internet Protocol)のような他の通信ネットワーク及び/又は他のパケット交換データネットワークが該当する。上記のような処理によって、移動通信ネットワークは、ユーザが、無線用ユーザ装置で外部のネットワーク、ホスト計算機、特定のサービス・プロバイダが提供するサービスにアクセスできるようなネットワークアクセスを提供する。さらに、移動通信ネットワークのアクセス・ポイントまたはゲートウェイ・ノードは、外部のネットワークまたは外部のホスト計算機に対するアクセスを付与する。例えば、必要とするサービスが、他のネットワークに存在するサービス・プロバイダによって提供される場合、サービス要求信号は、ゲートウェイを経由して当該サービス・プロバイダに伝達される。このときの伝達経路は、移動通信ネットワークのオペレータによって保有されている移動通信加入者データに関する規定に基づくことが可能である。
【0006】
通信システム加入者であるユーザに提供可能であるサービスの一例が、いわゆるマルチメディア・サービスである。マルチメディア・サービスが提供できる通信システムのいくつかは、インターネット・プロトコル(IP )マルチメディア・ネットワークとして知られている。IPマルチメディア(IM:IP Multimedia)の機能は、IPマルチメディアの基幹回線ネットワーク(CN:Core Network)サブシステム、すなわち短縮してIPマルチメディア・サブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)により提供することができる。このIMSは、マルチメディア・サービスを提供するための種々のネットワーク・エンティティを包含している。IMSサービスは、数あるサービスの中でも、移動通信用ユーザ装置間でのIP接続によるサービスを提供するように用意されている。
【0007】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)は、IMSサービスの提供方法として、一般的パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)の使用を規定している。この結果、GPRSは、IMSサービスを実施できる基幹通信ネットワークの可能な1つの方法例として、引き続き使用されていくことになるであろう。例示されている一般的パケット無線サービス(GPRS)の動作環境は、GPRSの基幹通信ネットワークに相互接続する1つ以上のサブネットワーク・サービスエリアを含む。このサブネットワークは、多数のパケットデータ・サービスノード(SN:Service Node)を含む。この通信アプリケーションでは、サービスノード(SN)はサービングGPRSサポートノード(SGSN:Serving GPRS Support Node)として呼ばれる。このSGSNの各々は、少なくとも1つの移動通信ネットワーク、典型的な例として無線基地局のシステムに接続される。この接続は、無線ネットワークコントローラ(RNC)または無線基地局のコントローラ(BSC)のような別のアクセスシステムコントローラにより、一般にはパケットサービスがいくつかの無線基地局を経由して移動通信のユーザ装置に提供できるような方法で実行される。中間に介在する移動通信ネットワークは、サポートノードと移動通信用ユーザ装置との間で、パケット交換データの伝達を実行する。別のサブネットワークは、順々に外部のデータネットワークに接続して、例えば、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN:Gateway GPRS Support Node)を経由して、公衆交換データネットワーク(PSPDN:Public Switched Data Network)に接続する。GPRSサービスは、移動通信用データ・ターミナルと外部のデータネットワークとの間でのパケットデータ伝送を実行することを可能にする。
【0008】
このようなネットワークで、パケットデータセッションは、ネットワーク上のトラフィック・フローを実行するために確立される。このようなパケットデータセッションは、たびたびパケットデータ・プロトコル(PDP)コンテキスト(context)として引用される。このPDPコンテキストは、ユーザ装置と無線ネットワークコントローラとSGSNとの間に提供される無線アクセスベアラ(bearer)、およびサービングGPRSサポートノードとゲートウェイGPRSサポートノードとの間に提供されるパケット交換データ・チャネルを含むことができる。
【0009】
ユーザ装置と他のパーティとの間でのデータ通信セッションは、確立したPDPコンテキスト上で実行されることになる。各々のPDPコンテキストは、1つの以上のトラフィック・フローで伝送することができるが、しかし1つの特定のPDPコンテキスト内のすべてのトラフィック・フローは、ネットワーク上のこれらの伝送に関して同一の方法で処理される。PDPコンテキスト処理の要求される条件は、トラフィック・フローに関連するPDPコンテキスト処理の特性に、例えば、サービスの品質及び/又は負荷特性に基づくことになる。
【0010】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)は、第3世代(3G)の基幹回線ネットワークの基準となるアーキテクチャを規定した。この基幹回線ネットワークが、ユーザ装置(UE)を所有するユーザに、マルチメディア・サービスへのアクセスを付与することになるであろう。この基幹回線ネットワークは、3つの基本領域(domain)に分割されている。この基本領域とは、回線交換(CS)領域、パケット交換(PS)領域およびインターネットプロトコル・マルチメディア(IM)領域である。3つの領域の最後、すなわちIM領域は、マルチメディア・サービスが適切に運用されることを確実にするためのものである。
【0011】
IM領域は、インターネット技術標準化委員会(IETF:Internet Engineering Task Force)が発展させたセッション・イニシエイション・プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)をサポートしている。セッション・イニシエイション・プロトコル(SIP)は、アプリケーション層の制御プロトコルで、1つ以上の通信参加者(終点)との間でのセッションを形成、修正および終了するためのプロトコルである。SIPは、一般的にこれら終点でのセッション動作を知ることにより、インターネット内で2つ以上の終点の間で、セッションのイニシエイションを可能にすることで発展してきた。SIPをベースにする通信システムに接続したユーザ装置は、標準化されたSIPメッセージをベースとして、通信システムの種々のエンティティと通信することが可能である。ユーザ装置、またはユーザ装置で特定のアプリケーションを利用していたユーザは、特定セッションの起動が、これらの終点に正しく伝達されるように、SIPの基幹回線に登録される。この登録を達成するために、SIPは、登録メカニズムをユーザ装置とユーザに提供し、SIPは、ロケーション・サーバおよびレジスタのメカニズムに作用し、セッション案内を適切に送達する。このようなSIPの信号伝達によって提供が可能となるセッションの例には、インターネットマルチメディア会議、インターネット通話呼、マルチメディア配布が含まれる。
【0012】
種々のタイプのサービスが、IMSシステム上の異なったアプリケーション・サーバ(AS)の方法によって、提供されることが期待されている。これらのサービスのいくつかは、時間的に厳しい可能性がある。IMSシステム上で提供される可能性がある時間的に厳しいサービスの一例としては、いわゆる直接的な音声通信サービスである。この厳しいサービスの中でもより特定すれば、「セルラーを介するによるプッシュ・トゥ・トーク」(PoC:Push-To-Talk over Cellular)サービスで、PTTとして知られているサービスが該当する。直接の音声通信サービスは、移動通信用ユーザ装置と他の通信パーティとの間をIP接続で接続可能にするIPマルチメディア・サブシステム(IMS)の能力を使用するように構成するものである。他の通信パーティとは、例えば別の移動通信用ユーザ装置、またはネットワークに関連するエンティティが該当する。ここでのサービスは、1つ以上の被呼側と瞬時に、ユーザ装置が通信に入れることができるようにする。
【0013】
ユーザ装置とPoCアプリケーション・サーバとの間でのPoCサービス通信が、一方向の通信メディアで生じた場合、ユーザは、タンジェント・キー(tangent key)を単に押すだけで、例えばユーザ装置のキーボード上の任意のボタンを押すだけで、通信メディアをオープンにすることができる。プッシュ・トゥ・トーク用のボタンは、特定のボタンまたはキーボード上の適切なボタンであってもよい。ユーザが話しているとき、他のユーザまたはユーザ自身も聞くことができる。通信セッションに関わるすべてのパーティが、PoCアプリケーション・サーバにより、音声データを同じように通信することが可能となるので、双方向通信を提供することができる。通話するときの順番は、プッシュ・トゥ・トーク用ボタンを押すことによって要求が送信される。通話する順番は、例えば先着順位または優先順位を基礎にして許可することができる。ユーザは、通話したいグループのセッションに参加することができ、通話を開始するときにタンジェント・キーを押すことで参加可能となる。
【0014】
プッシュ・トゥ・トークの瞬時サービスは、このサービスの性質から実時間によるサービスである。したがって、話すために特別なタンジェント・キーまたは別のPoCキーが押された後で、ユーザ面での接続は、ほとんど瞬時に使用できるように対応しなければならない。しかし、セットアップ手順の性質からPDPコンテキストが必要とされるために、要求を実行した時点から適切なデータ接続がユーザ装置に実際用意されるまでに、少し時間がかかることになる。例えば、1対多数の通信におけるPoCグループへの連結、および2つのユーザ装置(1対1の通信)間におけるPoC通信への連結は、制御面におけるSIPセッションが必要とされる。
【0015】
例えば、3GPPリリース5規格のIMSネットワークにおいて、PDPコンテキストの起動と無線アクセス・エンティティの確定とを同時にさせるときの時間は、通常3秒より長い時間がかかる。この時間は、セッションを立ち上げプッシュ・トゥ・トーク型の通信のためのユーザ面の接続を立ち上げるために認められる時間枠からは、余りにも長すぎるかもしれない。特に待ち時間が、上記の3秒より長くなるような場合、発呼側のパーティは、欲求不満になるであろうし、もはやこれ以上は待たないと決断するであろうと予測される。3秒より長い時間を待つことは、サービスレベルの観点から、不適切としてネットワークのオペレータは考えるにちがいない。
【0016】
発呼者が、通話開始の指示を3秒間以内で受け取れないとき、発呼者は呼セッションの要求が成功しなかったと推測するにちがいない。そして、発呼者は、再度タンジェント・キーを押すであろう。再度キーを押すことが、必要である信号伝達と一緒に新規のセッション確立手順を生じさせ、こうしてネットワーク資源を消費し、セッションの立ち上げをさらに遅らせることになる。これは、1対1の通信において特に問題となるにちがいない。
【0017】
上記の問題を解決するために、セッションのセットアップを実質的に短い時間で確立させることで、時間的に厳しいサービス・アプリケーション用のメカニズムを提供することを可能にすることができれば、好都合であるにちがいない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一つの実施例によれば、通信セッションを備える通信システムにおいて、一つの方法が提供される。上記方法は、
ユーザ装置をデータネットワークに登録する段階、
上記データネットワークにより、上記ユーザ装置をサービス・プロバイダに登録する段階、
通信ネットワークを介して、上記ユーザ装置と上記サービス・プロバイダとの間のデータセッションを起動させる段階、
少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションのために、上記ユーザ装置から上記サービス・プロバイダに要求を送信する段階、および
上記ユーザ装置と要求した上記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信のために、すでに起動している上記データセッションを使用する段階を含む。
【0019】
本発明の他の実施例によれば、ユーザにサービスを提供するように構成された通信システムが提供される。上記通信システムは、
ユーザ装置に、少なくとも1つのデータネットワークをアクセスさせる通信ネットワーク、
上記通信ネットワークに接続され、コントローラを提供するデータネットワーク、
上記ユーザ装置による登録内容を受け入れるように構成されるコントローラ、および
上記通信ネットワークに接続され、上記ユーザ装置による登録内容を受け入れるように構成されるコントローラを供給するデータネットワーク、および
上記データネットワークに接続されているアプリケーション・サーバを具備している。
上記アプリケーション・サーバは、上記コントローラに登録されている上記ユーザ装置の登録内容を受け入れるように構成される。
上記通信システムは、少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションの要求を、上記ユーザ装置から上記アプリケーション・サーバに送信する前に、上記通信ネットワークを介してアプリケーション・サーバに登録された上記ユーザ装置と上記アプリケーション・サーバとの間で、データセッションが起動させることができる。
すでに起動しているデータセッションが、上記ユーザ装置と要求する上記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信に使用することができる。
【0020】
本発明のさらに他の実施例によれば、データネットワークに接続するように構成され、通信ネットワークに接続しているユーザ装置にサービスを提供するように構成されるアプリケーション・サーバが提供される。
上記アプリケーション・サーバは、を上記データネットワークに登録された上記ユーザ装置に登録内容を受け入れるように構成され、
少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションの要求が、上記ユーザ装置から上記アプリケーション・サーバに送信される前に、上記通信ネットワークを介して上記アプリケーション・サーバと上記データネットワークに登録されたユーザ装置と上記アプリケーション・サーバとの間で、データセッションが起動できるように機能し、
かつ、データセッションからの要求に対応して、上記ユーザ装置と要求された上記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信のために、すでに起動したデータセッションを使用することができるように構成される。
【0021】
本発明の実施例では、通話またはユーザ装置向けの他のセッションを構成するのに必要な時間を軽減させることができることで、優位点を付与することができる。特に時間的に厳しいサービス・アプリケーションにおいて好都合であろう。実施例では、サービス面での有用性を、特に時間的に厳しいサービス面での有用性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一層の理解のために、添付図面の例を参照して、以下に説明する。
【0023】
本発明のいくつかの具体例を、第3世代(3G)の移動通信システムのアーキテクチャの実証に関連して、実施例として説明する。しかし、本発明のいくつかの具体例は、他のいくつかのネットワークにも適した形で適用できることを理解することができるであろう。移動通信システムは、一般にユーザ装置と通信システムの無線基地局との間にある無線インターフェイスを経由して、通常多数の移動通信のユーザ装置に情報を提供できるように用意される。移動通信システムは、論理的には、無線アクセスネットワーク(RAN)と基幹回線ネットワーク(CN)とに分割することが可能である。
【0024】
ネットワーク・アーキテクチャーの一例を示す図1において、本発明を具体的にすることが可能である。図1は、IPマルチメディア・ネットワーク45の加入者にIPマルチメディア・サービスを提供するIPマルチメディア・ネットワークを示す。IPマルチメディア(IM)の機能は、サービスを提供する種々のエンティティを含む基幹回線ネットワーク(CN)サブシステムによって実現することができる。
【0025】
無線基地局31、43は、移動通信のユーザ装置30、44と、信号を送信することおよび信号を受信することができるように構成されており、すなわち、加入者は、個別の無線インターフェイスを経由して、信号の送受信を行うことになる。同様に、各々の移動通信のユーザ装置は、各々の無線インターフェイスを経由して信号の送受信を行うことができる。図1の表示を簡易化して考えると、無線基地局31、43は、各々の無線アクセスネットワーク(RAN)に属する。図1に示された構成において、移動通信のユーザ装置30、44の各々は、無線基地局31、43が関連している2つのアクセスネットワークを経由して、個別にIMSネットワーク45にアクセスすることができる。次のことは理解されているであろうが、明確にすれば、図1は、2つの無線アクセスの無線基地局と、多数の無線アクセスネットワークを通常包含する典型的な移動通信ネットワークと、を示している。
【0026】
第3世代(3G)無線アクセスネットワーク(RAN)は、適切な無線ネットワークコントローラ(RNC)によって、一般的に制御される。このネットワークコントローラは、ネットワーク構成を明確にするために表記されていない。このネットワークコントローラは、各々の無線基地局に割り当てられている。すなわち多数の無線基地局を制御することができる。各々の無線基地局および無線アクセスネットワークのレベルで多数の無線基地局を制御するために、ネットワークコントローラに付与されている技術的解決方法は周知の内容である。そして、ネットワークコントローラの名称、配置、台数は、システムに依存することは理解されるであろう。
【0027】
無線アクセスネットワーク内のユーザ装置は、一般的に無線アクセスベアラ(RB:Radio Access Bearer)と呼ばれる無線ネットワークチャネルを経由して、無線ネットワークコントローラと通信を行うことができる。各々のユーザ装置は、無線ネットワークコントローラにより、何時でも、1つまたは複数のネットワークチャネルをオープンにすることができる。
【0028】
移動通信のユーザは、ネットワークに接続するために、インターネット・プロトコル(IP)通信を採用する移動用通信装置の中から適切な装置を使用することができる。例えば、移動通信のユーザは、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯端末(PDA)、移動局(MS)などの手段によって、セルラーネットワークにアクセスすることができる。以下の実施例は、移動局(MS)のコンテキストについて記載している。
【0029】
当業者は、典型的な移動局の特性および処理方法に精通している。従って、移動局の特性の詳細について説明する必要はないであろう。タスクにより、ユーザが移動局を使用することが可能であることを記載することで充分であろう。そのタスクには、通話呼出し時の送受信のタスク、ネットワークとのデータ送受信のタスク、および例えばマルチメディア・コンテンツを経験するためのタスクがある。このようなタスクを達成するために、移動局は通常プロセッサとメモリによる手段を備えている。移動局は、移動通信ネットワークの無線基地局との間での無線による信号の送受信用にアンテナ手段を備えることができる。また、移動通信用ユーザ装置を有するユーザのために、移動局は画像または他の図形情報を表示するディスプレイを備えることができる。スピーカ手段もまた備えることができる。移動局の操作は、制御用ボタン、音声コマンドなどの適切なユーザインターフェイスの手段によって、制御することができる。
【0030】
移動局30,44は、プッシュ・トゥ・トークのタイプのサービスに使用することができる。プッシュ・トゥ・トークのタイプのサービスに要求される可能性があるタンジェント機能は、移動局30、44の通常のキーパッド上のボタンの1つ、または特別なタンジェント・キーによって用意することができる。特別なタンジェント・キーは、「携帯用無線電話器(walkie-talkie)」として知られるタンジェント装置が該当する。また、音声による起動も使用することが可能である。この場合、検出された音声は、通話または他のデータの伝送用セッションを開始させるためのトリガに使用することができる。キーを押す代わりに、ユーザ装置は、適切なメニュー選択の方法によって、サービスを起動させることができる。移動局がサービスを起動させる方法は、実装レベルの課題であり、ここではこれ以上の記載はしないことにする。
【0031】
明確にするために、図1には2つの移動局のみを表したが、多数の移動局が、移動通信システムの各々で、同時に通信することが可能であることは理解されるであろう。移動局は、またいくつかの同時動作のセッションを有することが可能で、例えば多数のSIPセッションおよび起動しているPDPコンテキストを有することができる。ユーザ装置は、また通話呼をもつことが可能であり、同時に少なくとも1つの他のサービスにも接続することができる。
【0032】
基幹回線ネットワーク(CN)エンティティは、多数の無線アクセスネットワークを介して通信を可能にする通常種々の制御エンティティとゲートウェイを含む。また、これらの制御エンティティとゲートウェイは、単独の通信システムを他のセルラーシステム及び/又は固定回線のような1つ以上の通信システムに結合させる。図1において、サービングGPRSサポートノード(SGSN)33、42とゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)34、40は、個別にネットワーク内で、GPRSサービス32、41をサポートしている。
【0033】
無線アクセスネットワークコントローラは、通常は適切な基幹回線ネットワーク、または以下のエンティティ、これに限られることではないが、サービングGPRSサポートノード(SGSN)33、42のようなエンティティに接続される。無線アクセスネットワークコントローラは、適切なインターフェイスを介してサービングGPRSサポートノードと結合する。適切なインターフェイスとは、例えばIuインターフェイスが相当する。図示はされていないが、SGSNの各々は、割当てられた加入者のデータベースへのアクセス権を有しており、このデータベースには、各々のユーザ装置からの加入申し込みに関連した情報を記憶するように構成されている。サービングGPRSサポートノード33は、順々にGPRSの基幹ネットワーク32を経由して、ゲートウェイGPRSサポートノード34と通信することができる。このインターフェイスは、通常のパケット交換データインターフェイスである。
【0034】
アクセス・エンティティ状態にあるユーザ装置とゲートウェイGPRSサポートノードとの間での全体通信は、一般にはパケットデータ・プロトコル(PDP)コンテキストによって実行される。各々のPDPコンテキストは、通常特定のユーザ装置とゲートウェイGPRSサポートノードとの間での通信経路を提供し、一度経路が確立すると、典型的なマルチフローを実行することが可能となる。各々のフローは、普通は意味付けられており、例えば特定サービス及び/又は特定サービスのメディア構成要素として意味付けられる。そして、PDPコンテキストは、しばしばネットワークを交差する1つ以上のフローのための論理的な通信経路を意味する。ユーザ装置とサービングGPRSサポートノードとの間にPDPコンテキストを導入するためには、無線アクセスベアラ(RAB)は、ユーザ装置のデータ伝送を通常どちらに許可するかを確立させる必要がある。このような論理的および物理的チャネルの導入は、当業者には既知のことであり、ここでさらに説明をすることはしない。移動局への無線アクセスベアラの割当ての一例を、図4に示す。
【0035】
ユーザ装置30,44は、GPRSネットワークを経由して、一般にIMSに接続しているアプリケーション・サーバに接続することができる。図1において、このようなアプリケーション・サーバは、セルラー(PoC)サービス・サーバ50上のプッシュ・トゥ・トークによって用意される。PoCアプリケーション・サーバは、IMSネットワーク45上のセルラー(PoC)サービス・サーバ上のプッシュ・トゥ・トークによって用意される。プッシュ・トゥ・トークのサービスは、いわゆる直接的な音声通信サービスの一例である。PoCサービスの使用を希望するユーザは、適切なPoCサーバに申し込む必要があるであろう。IMSネットワークに登録した後でのPoCサーバへの登録は、適切なサードパーティによる登録手順によって、IMSネットワーク経由で登録することができる。
【0036】
直接的な音声通信サービスは、GPRSバックボーンの能力を使用するサービスであり、また移動局30,44のためのIP接続を可能とするマルチメディア・サブシステム(IMS)の制御機能を使用するサービスである。PoCサーバは、IMSシステムのオペレータまたはサードパーティのサービス・プロバイダよって運用される可能性がある。移動局30のユーザが移動局44のユーザと瞬時の通信が実行できるサービス方法の詳細な説明については、本明細書の後半部分に記載する。
【0037】
ユーザは、通信セッションをオープンにすることができ、例えば移動局30の特定ボタンを単に押すことによりオープンにすることができる。移動局30のユーザが通話しているとき、移動局44のユーザはオープンすることになる。こうして、移動局44のユーザは、同様な方法で応答することができる。
【0038】
通信システムは、サーバとして知られるネットワーク・エンティティによって処理されるネットワークの種々の機能による手段によって、ユーザ装置に提供できるサービスを発展させてきた。例えば、最近の3世代(3G)無線マルチメディア・ネットワークのアーキテクチャにおいては、種々の異なったサーバが異なった機能を処理するのに使用されるようになったように思われる。これらの機能には、呼セッション制御機能(CSCFs)のような機能も含まれている。呼セッション制御機能は、種々の機能に分類することが可能であり、プロキシ呼セッション制御機能(P−CSCF)、問い合せ呼セッション制御機能(I−CSCF)、サービング呼セッション制御機能(S−CSCF)のような種類がある。
【0039】
類似の機能が、異なったシステムでは異なった名称で表されることは理解されるであろう。例えば、あるアプリケーションでは、呼セッション制御機能(CSCFs)を、呼状態制御機能として表しているかもしれない。
【0040】
バックボーン・ネットワークから必要とする通信資源を提供されているユーザが、通信システム上で希望するサービスを要求する信号を送信することによって、サービスの使用を導入しなければならないように、通信システムは用意されている。例えば、ユーザは、セッション、トランザクションまたは適切なネットワーク・エンティティからの別のタイプの通信を要求することができる。さらに、ユーザは、自分が使用しているユーザ装置をIMSのサービング制御エンティティに登録する必要がある。この登録は、通常はサービング制御エンティティに、ユーザ装置の識別情報を送信することによって実行される。上記説明で例示したネットワーク・エンティティの中では、サービング呼セッション制御機能(S−CSCF)は、IMSシステムでサービスが要求できるようにするために、第3世代のIMSが用意した範囲内で、ユーザが必要とする登録すべきエンティティを形成する。
【0041】
ユーザ装置と適切な呼状態制御機能との間の信号伝達は、GPRSネットワークを介して行われる。ユーザ装置30に対するユーザ面のセッション立ち上げの信号伝達は、PoCアプリケーション・サーバ50を介し、このサーバにより制御される。すなわち、PoCアプリケーション・サーバは、PoCユーザの制御面とユーザ面の両方を制御する。以下で説明するトラフィックの流れは理解されるであろう。PoCアプリケーション・サーバとユーザ装置との間の制御面のトラフィックは、IMS45を経由する。この間に、ユーザ装置とPoCアプリケーション・サーバとの間のユーザ面のトラフィックは、インターフェイス54と56の上を、GPRSシステムからPoCアプリケーション・サーバへ伝達される。
【0042】
一つの実施例によれば、移動局30は、図2の段階100でIMSへの初期登録が実行される。ユーザ装置は、例えばIMSのサービングCSCF36に登録することができる。
【0043】
次に、段階102で、ユーザ装置30は、PoCアプリケーション・サーバに登録される。段階102での登録は、段階100でのIMSへの登録後、すぐ後に実質的に実行することができる。例えば、移動局30がIMSに確実に登録された後で、サードパーティの登録が、段階102で、PoCアプリケーション・サーバ50によって自動的に実行することができる。サードパーティの登録は、IMSとPoCアプリケーション・サーバとの間でのSIPサードパーティの登録手順によって実行することができる。これは、PoCサービスに登録した各ユーザのために実施することができる。こうして、この段階では、ユーザはどのような作業も必要とされないことになるであろう。代わりに、移動局がIMSに登録された後では、ユーザまたは他のどのパーティからも、どの段階でも登録をトリガすることができる。
【0044】
PoCアプリケーション・サーバで確実に登録された後、段階104において、ユーザ装置は、PoCアプリケーション・サーバに対する「常時オン」のセッションを確立することを要求することが可能となる。この段階は、ユーザ装置に対するPDPコンテキストの起動と無線アクセスベアラ(RAB)の立ち上げとを含む。また、この段階は、PoCアプリケーション・サーバに登録した段階102の後で、自動的に生成することが可能となる。この事前に確立させる手順は、例えば「プリセッション」、「早期セッション」「常時オン・セッション」の確立として呼ぶことができる。事前に確立する手順は、ユーザ装置からの通信セッション要求が送信されたときの応答の際に該セッションを早急に立ち上げるために機能するもので、例えばユーザ装置のタンジェント・キーを押すことで実行される。PDPコンテキストを事前に確立させる手順は、PDPコンテキストを起動させるSIPセッションによって実行することが可能となる。
【0045】
実施例で使用が可能である標準のPDPコンテキストの起動手順を、図3に示す。この起動手順は、PDPコンテキストの起動を要求する移動局からのSIPメッセージ1を送信することからなる。図3は、SIPメッセージを送信させるべく第1のPDPコンテキストを起動させるために、任意のアプリケーションで必要とされる第2の起動に関係するものである。
【0046】
図3に示すように、メッセージ1は、無線アクセスネットワークを介してSGSN33に伝えられ、ここで、段階C1において適切な制御処理が続く。このメッセージ1は、SIP INVITEメッセージであってもよい。SGSN33は、GGSN34に対してPDPコンテキストを生成することを要求するメッセージ2を送信する。GGSN34は、その要求に対してメッセージ3により応答する。すべての応答が順序通りであれば、このときSGSN33は、データベアラの確立のために、メッセージ段階4で無線アクセスベアラのセットアップを開始する。任意のプロトコルでは、GGSNがその要求に応答する前に、メッセージ段階2と3の間で、許可(authorization)のような安全確認の手順を要求することもできる。
【0047】
無線アクセスベアラ(RAB)のセットアップは、適切なRAB割当て手順によって行うことができる。RAB割当て手順は、通常は、所定の移動局での新規RABの確立を可能にするため、及び/又は既に立ち上げられた移動局での修正及び/又は開放を可能にするための手順である。図4は、このような割当て手順の実施例を示している。例示した割当て手順の処理は、SGSNから無線アクセスネットワークに少なくとも1つのRABを割当てる要求のメッセージ4aを送信することからなる。こうして段階4bで、無線アクセスネットワークは無線アクセスベアラを確立させることが可能となる。メッセージ4cでは、無線アクセスネットワークは、SGSNへの応答メッセージとして、少なくとも1つのRABを割当てる信号を送信する。
【0048】
無線アクセスベアラが構成された後で、SGSNはさらに段階C2でいくつかの制御処理を行うことができ、メッセージ1の要求が承諾されたことを確認させるために、移動局30に応答信号5を送信することができる。
【0049】
上記で説明し図3と図4に示した2つのメカニズムは、3Gセッションの確立に使用することができる。しかし、これらのメカニズムの使用は、PoCサービスのような時間に厳しいサービスにとっては、多くの時間がかかりすぎることになる。ここで、ユーザにとって簡単で適切なサービスを提供する目的で、段階106で通話セッションのための実際の要求が出される前に、「常時オン・セッション」を移動局30とPoCサーバ50との間に用意しておく。こうして、既に確立した通信セッションは、図2の段階108で通信のために使用することが可能となる。
【0050】
図5は、移動局30とPoCアプリケーション・サーバ50との間で、事前に確立されたデータセッションを起動する実施例を示す図である。この事前に確立させるための起動は、PoCアプリケーション・サーバに適切なメッセージを送信にすることによって開始することができる。ただし、移動局をIMSに登録する段階およびサードパーティによる移動局をPoCアプリケーション・サーバに登録する段階が、完全に実行された後となる。図5の例では、プリセッションによる起動の要求は、移動局30からSIP INVITEメッセージ10として送信される。実行可能なプロキシCSCFとサービングCSCFを経由する該SIP INVITEメッセージの経路は、メッセージ内のPoCに固有の表示内容に基くことができる。PoCアプリケーション・サーバは、SIP INVITEメッセージ12を受信し、SIP 200 OKメッセージ13によって、SIP INVITEメッセージに応答する。こうして、SIP 200 OKメッセージは、移動局30に戻る。SIP 200 OKメッセージ15を受信すると、移動局は、PoCアプリケーション・サーバ50への経路が確立したことをSIP ACKメッセージ16を送信し、これによって、受信確認の肯定応答をすることが可能となる。ここに、「常時オン」が起動され、ユーザ装置30とPoCアプリケーション・サーバ50との間の通信を使用する用意ができたことになる。この段階では、通話が予定されるB−パーティをPoCアプリケーション・サーバに知らせる必要はない。
【0051】
移動局30は、IMS45とPoCアプリケーション・サーバ50との登録手続きを確実にした後で、プリセッションの要求10を自動的に送信することができる。この場合、登録要求に対するSIP 200 OKメッセージは、トリガとして作用することができる。
【0052】
能力に従うと、移動局よりもむしろPoCアプリケーション・サーバの方が、PoCアプリケーション・サーバと移動局との間のPDPコンテキストを起動させる。この起動は、移動局のPoCアプリケーション・サーバへの完全な登録に応答して、生じさせることができる。この場合、PoCアプリケーション・サーバは、事前のINVITE要求(pre-INVITE request)を作成することができる。PoCアプリケーション・サーバに既に登録しているが、何らかの理由により起動したプリセッションを未だ所有していないユーザからの要求を、PoCアプリケーション・サーバが受けたとき、PoCアプリケーション・サーバからの自動トリガを生じさせることもできる。また、PoCアプリケーション・サーバは、Bパーティに向けたプリセッションの確立を開始することができる。
【0053】
セッションの起動が、後でまた必要になる可能性がある。例えば、ユーザ装置の登録を解除する前に、確立したプリセッションが何らかの理由で解除される可能性がある。このとき、移動局30は、通信セッションのセットアップを早急に行うために、新規のプリセッションを生成することが必要になることがある。この場合、ユーザ装置は、事前INVITEメッセージ(pre-INVITE message)の送信をトリガするために、例えば移動局のメニューの中からサービス起動のオプションを選択することができる。
【0054】
事前に確立の「常時オン・セッション」は、最終ユーザとこのユーザの本拠地となるPoCアプリケーション・サーバとの間では、実質的に瞬時となる通信を提供する。移動局30のユーザが移動局のタンジェント・キーを押すことに対応して、ここでの通信は、移動局30からPoCアプリケーション・サーバに伝送することができる。こうして、タンジェント・キーを押すことが、PoCアプリケーション・サーバとの通話接続をオープンにする。PDPコンテキストは既に確立しているので、適切な信号伝達のプロトコルによって、通信要求をPoCアプリケーション・サーバに伝送することができる。
【0055】
これはアプリケーションレベルの課題であり、種々の方法で実現できることが理解できるであろう。3GPPのような通信ネットワークの標準規格は、このような目的のための特定なプロトコルを通常は制限をしていない。一例を挙げれば、リアルタイム伝送プロトコル(RTP:Real Time Protocol)またはRTP制御プロトコル(RTCP:RTP Control Protocol)を、要求信号を送信するために使用することができる。これらのプロトコルは、同時にまたは別々に使用してもよい。また、要求は、SIPによって送信してもよい。パケットは、例えばユーザデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)または伝送制御プロトコル(TCP:Transport Control Protocol)に基づいて伝送することができる。
【0056】
「常時オン・セッション」は、RTP/RTCPパケットをPoCアプリケーション・サーバのいずれのIPアドレスおよびポートに送信するべきかを、移動局が知るようにすることができる。RTP/RTCPのペイロード(payload)は、RTP/RTCPパケットをBパーティの移動局44に伝送するのに充分なアドレス情報を含む。
【0057】
Bパーティは、この段階で、PoCアプリケーション・サーバから識別される必要がある。ユーザ装置は、移動局のメニューから、Bパーティのユーザ装置または目標グループを選択することができ、移動局の「プッシュ・ト・トーク」のキーを押すことが可能となる。こうして、必要とされる認識情報は、PoCアプリケーション・サーバに対する「常時オン・セッション」上のシグナリングに、移動局によって追加される。
【0058】
Bパーティの移動局44がPoCアプリケーション・サーバに登録されていない場合、Aパーティの移動局のユーザ装置は、エラーメッセージを受信することになる。
【0059】
セッションの確立は、実質的にスピードアップすることができる。なぜなら、ユーザが通話を希望する相手の認識情報をユーザ装置にて付与する前に、PDPの起動、メディアでの許可(authorization)、RAB割当て手順がすでに実行されているからである。ダイアリング、呼設定、リンギングまたは応答の段階が無いので、通信は瞬時に行うことができる。セットアップ時間の短縮に加えて、実施例によれば、セルラーの分野における端末製品にプッシュ・トゥ・トーク機能を備える機会を与えることができ、最終ユーザにとっては通話のニーズに最もあった製品を選択する広い自由度を与えることが可能となる。
【0060】
図1および以上の説明では、1台のPoCアプリケーション・サーバだけであったが、このようなサーバが多数あってもよいことは、理解されることであろう。AおよびBパーティのユーザ装置は、異なったPoCアプリケーション・サーバに登録されてもよい。AおよびBパーティのユーザ装置をサービスするPoCアプリケーション・サーバは、異なるネットワークに存在してもよい。
【0061】
以上の説明では、PoCアプリケーション・サーバのような時間的に厳しいサーバのための、一般的アプリケーション・サーバベースの解決策用として記載した。しかし、本発明の精神および範囲から逸脱しなければ、本発明を他のサービスに適用できることも可能であることは理解されるであろう。
【0062】
本発明の実施例を移動局との関係で説明してきたが、本発明の実施例をユーザ装置の適当なタイプにも適用できることは理解されるであろう。
【0063】
本発明の実施例をIMSシステムおよびGPRSネットワークでのコンテキストについて記載してきた。本発明は、また他のアクセス技法にも適用することができる。さらには、説明した実施例は、SIPで使用可能なエンティティとSIPネットワークのコンテキストとで記載している。また、本発明は、他の適切な通信システム、無線システムまたは固定回線システムのいずれかにも適用でき、また標準手順およびプロトコルとしても適用することができる。
【0064】
本発明の実施例は、呼状態制御機能のコンテキストで説明してきたが、本発明の実施例は、適用可能な他のネットワーク・エレメントにも適用することができる。
【0065】
また、上記に本発明の実施例を例示的に説明してきた一方で、同時に提出したクレームで規定している本発明の範囲から逸脱しなければ、開示した解決に対して種々の変形例および修正例があることを、ここに明記しておく。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の適用可能な通信システムを示す図である。
【図2】本発明による一実施例の動作を示すフローチャートである。
【図3】PDPコンテキストの可能な起動手順を示す図である。
【図4】無線アクセスベアラの可能な割当てを示す図である。
【図5】時間に厳しいサービスの登録の要求の送信を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信セッションを備える通信システムにおける方法であって、該方法は、
ユーザ装置をデータネットワークに登録する段階、
前記データネットワークにより、前記ユーザ装置をサービス・プロバイダに登録する段階、
通信ネットワークを介して、前記ユーザ装置と上記サービス・プロバイダとの間のデータセッションを起動させる段階、
少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションのために、前記ユーザ装置から前記サービス・プロバイダに要求を送信する段階、および
前記ユーザ装置と要求した前記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信のために、すでに起動している前記データセッションを使用する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置を前記サービス・プロバイダに登録する前記段階が、前記ユーザ装置をプッシュ・トゥ・トークサービスのアプリケーション・サーバに登録することからなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのセッション・イニシエイション・プロトコルメッセージを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセッション・イニシエイション・メッセージが、セッション・イニシエイション・プロトコルのINVITEメッセージを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ装置を前記データネットワークに登録する前記段階が、前記ユーザ装置をインターネットプロトコル・マルチメディア・サブシステムに登録することを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ装置が、前記インターネットプロトコル・マルチメディア・サブシステムのサービング・コントローラに登録される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ装置を前記サービス・プロバイダに登録する前記段階が、前記ユーザ装置を前記データネットワークに登録することに対応して、自動的に前記ユーザ装置を前記サービス・プロバイダに登録することを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ装置を前記サービス・プロバイダに登録する前記段階が、前記データネットワークによって、前記ユーザ装置をサードパーティに登録することを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記通信ネットワークが一般的パケット無線サービスネットワークからなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記データセッションがパケットデータ・プロトコル・コンテキストを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ装置のタンジェント・キーを起動させるのに対応して、前記ユーザ装置と前記サービス・プロバイダとの間のユーザ面の通信セッションを、実質上瞬時にオープンすることを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ユーザにサービスを提供するように構成された通信システムは、
ユーザ装置に、少なくとも1つのデータネットワークをアクセスさせる通信ネットワーク、
前記通信ネットワークに接続され、前記ユーザ装置による登録内容を受け入れるように構成されるコントローラを備えるデータネットワーク、および
前記データネットワークに接続するアプリケーション・サーバを具備し、
前記アプリケーション・サーバが、前記コントローラに登録された前記ユーザ装置の登録内容を受け入れるように構成される通信システムであって、
少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションの要求を、前記ユーザ装置から前記アプリケーション・サーバに送信する前に、前記通信ネットワークを介して前記アプリケーション・サーバに登録された前記ユーザ装置と前記アプリケーション・サーバとの間で、データセッションを起動することができ、
かつ、すでに起動しているデータセッションが、前記ユーザ装置と要求する前記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信に使用することができるように構成されることを特徴とする通信システム。
【請求項13】
前記アプリケーション・サーバが、プッシュ・トゥ・トークサービスのアプリケーション・サーバからなり、
前記データネットワークがインターネットプロトコル・マルチメディア・サブシステムからなり、
前記通信ネットワークがパケット交換通信ネットワークからなる請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記データネットワークは、前記ユーザ装置を前記データネットワークに登録することができるように構成されたコントローラを含み、
前記通信システムの構成は、前記コントローラでの登録に引き続き、前記ユーザ装置が自動的に前記アプリケーション・サーバに登録されるように構成される請求項12または13に記載の通信システム。
【請求項15】
前記ユーザ装置を前記アプリケーション・サーバに登録するのに引き続き、プリセッション要求を自動的に送信するように構成されている請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記通信ネットワークが一般的パケット無線サービスネットワークからなる請求項1〜15のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項17】
データネットワークに接続するように構成され、通信ネットワークに接続するユーザ装置にサービスを提供するように構成されるアプリケーション・サーバであって、
前記データネットワークに登録された前記ユーザ装置の登録内容を受け入れるように構成され、
少なくとも1つの他のパーティとの通信セッションの要求が、前記ユーザ装置から前記アプリケーション・サーバに送信される前に、前記通信ネットワークを介して前記アプリケーション・サーバと前記アプリケーション・サーバに登録された前記ユーザ装置および前記データネットワークとの間で、データセッションが起動できるように機能し、
かつ、データセッションからの要求に対応して、前記ユーザ装置と要求する前記少なくとも1つの他のパーティとの間での通信のために、すでに起動しているデータセッションを使用することができるように構成されていることを特徴とするアプリケーション・サーバ。
【請求項18】
プッシュ・トゥ・トークサービスのアプリケーション・サーバからなる請求項17に記載のアプリケーション・サーバ。
【請求項19】
インターネットプロトコル・マルチメディア・サブシステムに接続するように構成される請求項17または18に記載のアプリケーション・サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−503142(P2007−503142A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523696(P2006−523696)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002585
【国際公開番号】WO2005/018201
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】