説明

通信システム及び通信装置

【課題】通信端末装置から複合機を介して画像データを送信する際に、送信証を要するか否かを通信装置端末で適宜選択することができるファクシミリ通信システムを提供する。
【解決手段】画像データを送信する通信端末装置3と、通信端末装置3から送信された画像データを受信し、受信した画像データをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する複合機1とを備えるファクシミリ通信システムにおいて、通信端末装置3が画像データの送信開始、及び送信証を要するか否かを受け付け、受付結果に基づいて送信証を要するか否かを示す要否データを複合機1へ送信するように構成し、複合機1に、要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する判定手段と、画像データがファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信され、判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証を記録する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信し、データを送信した場合、データが送信されたことを示す送信証を記録する通信システム及び該通信システムを構成する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータのような通信端末装置から画像データを直接ファクシミリ通信にて送信する「PC−FAX機能」を備えたファクシミリ通信システムが実現されている。ファクシミリ通信システムは、通信端末装置、及びファクシミリ機能を有する複合機からなり、通信端末装置が複合機へ画像データを送信した場合、複合機が該画像データをファクシミリ通信にて送信し、送信に成功した場合、送信されたことを示す送信証を印刷するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係るファクシミリ通信システムにおいては、通信端末装置で作成した画像データを、通信端末装置から直接ファクシミリ送信し、画像データが送信されたことを示す送信証を印刷することができる。
【特許文献1】特開平9−153971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係るファクシミリ通信システムにおいては、通信端末装置からデータを送信する際に、送信証を要するか否かを適宜選択することができず、送信証が不要な場合であっても送信証が印刷されるという問題があった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、第1通信装置がデータの送信開始及び送信証を要するか否かを受け付け、送信開始を受け付けた場合、送信証を要するか否かを示す要否データを第2通信装置へ送信し、第2通信装置が要否データを受信して、送信証を要すると判定し、データの送信を終えた場合、送信証を記録するように構成することにより、第1通信装置からデータを送信する際に、使用者が送信証を要するか否かを適宜選択し、送信証を記録することができる通信システム及び該通信システムを構成する通信装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、送信証を要するか否かを示す要否データをハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hyper Text Transfer Protocol)にて送信及び受信するように構成することにより、第1通信装置のブラウザ上にて、送信証を要するか否かを受け付けることができる通信システム及び該通信システムを構成する通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明の他の目的は、データの送信元を特定するための送信元特定データを受信し、受信した送信元特定データに基づいて、送信元を示す送信証を生成及び記録するように構成することにより、使用者が送信証に基づいて送信元の外部装置を特定することができる通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る通信システムは、データを送信する第1通信装置と、該第1通信装置が送信したデータを受信し、受信したデータをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する第2通信装置とを備える通信システムにおいて、前記第1通信装置は、データの送信開始及び該データが送信されたことを示す送信証を要するか否かを受け付ける受付手段と、該受付手段が送信開始を受け付けた場合、前記受付手段の受付結果に基づいて送信証を要するか否かを示す要否データを前記第2通信装置へ送信する送信手段とを備え、前記第2通信装置は、前記送信手段が送信した要否データを受信する受信手段と、該受信手段が受信した要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する判定手段と、データが送信され、前記判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証を記録する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る通信システムは、前記送信手段及び前記受信手段が、要否データをハイパーテキスト転送プロトコルにて送信及び受信するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る通信装置は、外部装置が送信したデータを受信し、受信したデータをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する通信装置において、データの送信開始及び該データが送信されたことを示す送信証を要するか否かを示す要否データを受信する受信手段と、該受信手段が受信した要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する判定手段と、データが送信され、前記判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証を記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る通信装置は、前記受信手段が、要否データをハイパーテキスト転送プロトコルにて受信するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る通信装置は、データの送信元を特定するための送信元特定データを受信する手段と、受信した送信元特定データに基づいて送信元を示す送信証を生成する生成手段とを備え、前記記録手段は、前記生成手段が生成した送信証を記録するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第1及び第3発明にあっては、第1通信装置の受付手段は、画像データの送信開始及び送信証を要するか否かを受け付ける。つまり、受付手段は、送信開始を受け付けると共に、送信証を要するか否かを受け付ける。従って、通信システムの使用者は、データを送信する際に、送信証を要するか否かを適宜選択することができる。
そして、第1通信装置の送信手段は、画像データの送信開始を受け付けた場合、送信証を要するか否かを示す要否データ及び送信対象のデータを第2通信装置へ送信する。
第2通信装置の受信手段は、第1送信装置から送信された要否データ及びデータを受信し、判定手段は、要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する。そして、第2通信装置は、データをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する。データが送信され、判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証が記録される。判定手段が送信証を不要であると判定した場合、送信証は記録されない。
【0014】
特に、前記受付手段が、データの送信開始及び送信証を要するか否かを受け付けるための送信受付画面を表示する表示手段を備え、該表示手段が表示した単一の送信受付画面にて、送信開始及び送信証を要するか否かを受け付けるように構成した場合、使用者は、単一の送信受付画面にて送信証を要するか否かを選択し、送信開始を指示することができるため、送信証を要するか否かを選択し忘れる虞はない。従って、不要な送信証が記録されることを防ぎ、且つ必要な送信証を漏れなく記録することができる。
【0015】
第2及び第4発明にあっては、第1通信装置は、送信証を要するか否かを示す要否データをハイパーテキスト転送プロトコル、例えばハイパーテキスト転送プロトコルのpostメソッドにて送信し、第2通信装置は、前記データをハイパーテキスト転送プロトコルにて受信する。従って、ハイパーテキスト転送プロトコルにてデータを送信するためのブラウザを第1通信装置で利用することができる場合、第1通信装置は、ブラウザ上で画像データの送信開始及び送信証を要するか否かを受け付け、要否データを第2通信装置へ送信することができる。
【0016】
第5発明にあっては、通信装置は、データの送信元を特定するための送信元特定データを受信する。そして、生成手段は、受信した送信元特定データに基づいて送信元を示す送信証を生成する。
データがファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信され、判定手段が送信証を要すると判定した場合、記録手段は、生成手段が生成した送信証、つまり送信元を示す送信証を記録する。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、使用者は、第1通信装置から画像データを送信する際に、送信証を要するか否かを適宜選択し、送信証を記録することができる。
【0018】
本発明にあっては、第1通信装置のブラウザ上にて、送信証を要するか否かを受け付けることができる。
【0019】
本発明にあっては、使用者が送信証に基づいて送信元の外部装置を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るファクシミリ通信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態に係るファクシミリ通信システムは、ファクシミリ機能、コピー機能、HTTPサーバ機能等を有する複合機1及びHTTPクライアント機能を有するパーソナルコンピュータのような通信端末装置3から構成されており、画像データを通信端末装置3から複合機1を介して直接ファクシミリ又は電子メール送信するように構成されている。
【0021】
複合機1は、CPUを有する制御部11、原稿を読み取り、原稿の画像データを取得する読取部13、取得した画像データを一時的に蓄積する画像メモリ16、及び画像メモリ16に蓄積された画像データに基づいて、画像を用紙に記録、つまり印刷するプリンタ部15を備えている。制御部11は、バス24を介して画像データの取得及び記録を制御することで、コピー機能を実現するように構成されている。
【0022】
バス24には、ROM18及びRAM20が接続されている。ROM18は、フラッシュメモリからなり、複合機1の動作に必要な各種制御プログラムを格納している。制御部11は、ROM18に格納されている制御プログラムをRAM20に読み出して実行することにより、複合機1のコピー機能、ファクシミリ機能等の各種機能を実現する。
【0023】
読取部13は、原稿に光を照射する光源、原稿で反射された反射光を電気信号に変換するラインCCD等の光学素子を備えており、ラインCCDが変換した電気信号に基づいて原稿の画像データを取得する。そして、読取部13は、取得した画像データを画像メモリ16に与える。
【0024】
プリンタ部15は、感光ドラム、定着器等を備える電子写真方式のプリンタ装置であって、印刷処理用のプログラムを格納した図示しないフラッシュROMを備えており、フラッシュROMに格納されたプログラムに従って、画像データに係る画像を用紙に印刷する。
【0025】
また、複合機1は、ファクシミリ通信により画像データを送受信するためのNCU(Network Control Unit)12及びモデム14、並びに送受信される画像データを所定の符号化方式、例えばMH,MR,MMR等の符号化方式に従って符号化及び復号化する符号化・復号化部22を備えており、制御部11は、画像データの送受信、原稿の読み取り、画像の印刷を制御することで、ファクシミリ機能を実現する。
【0026】
モデム14は、バス24に接続されており、公衆電話回線網(PSTN:Public Switched Telephone Network)から入力されたアナログの画像データをデジタルの画像データに復調し、また制御部11の制御によってバス24を介して画像メモリ16から与えられた画像データをアナログの信号に変調する機能を備えている。
【0027】
NCU12は、公衆電話回線網との回線5の閉結及び開放の動作を行うハードウェアであり、制御部11の制御に応じてモデム14とPSTNとを接続する。
【0028】
符号化・復号化部22は、制御部11の制御に応じて、読取部13が読み取った画像データを符号化して、符号化した画像データをモデム14に与える。また、符号化・復号化部22は、ファクシミリ通信にて受信した画像データを復号化して、画像メモリ16に蓄える。
【0029】
更に、複合機1は、バス24に接続されたLANインタフェース21を備えている。LANインタフェース21は、LAN4を介して、外部の通信端末装置3から送信された画像データ、画像データの送信先を示すファクシミリ番号、メールアドレス、送信元を特定するための送信元特定データ、画像データが送信されたことを示す送信証を要するか否かを示す要否データ等を受信するためのインタフェースである。
【0030】
制御部11は、通信端末装置3から送信された画像データをTIFF又はPDF形式の画像データに変換する機能を備えており、送信先としてファクシミリ番号を受信した場合、変換した画像データを符号化・復号化部22にて符号化し、符号化した画像データをモデム14に与えることで、該画像データを、ファクシミリ通信にて送信するように構成されている。また、制御部11は、送信先としてメールアドレスを受信した場合、変換した画像データを添付したメールを電子メール通信にて送信することで、前記画像データを送信するように構成されている。
【0031】
また、バス24には、複合機1を操作するための操作部19、表示部17、及び日時を計時する時計部23が接続されている。表示部17は、複合機1の動作状態、複合機1を操作するためのソフトキーを表示する液晶ディスプレイを備えている。
【0032】
操作部19は、表示部17に対向配置された抵抗膜方式、又は静電容量方式のタッチパネルを備え、表示部17に表示されたソフトキーの操作を受け付け、制御部11がタッチパネルの操作状態を検出することができるように構成されている。
また、操作部19は、押しボタン式のキー、例えば印刷部数を設定するためのテンキー、印刷部数等の各種設定を初期化するためのリセットキー等を備えている。
【0033】
図2は、通信端末装置3を示すブロック図である。
通信端末装置3は、制御部31、ROM32、RAM34、及び記憶装置33を備えており、ROM32、RAM34及び記憶装置33は、バス38を介して制御部31に接続されている。
記憶装置33は、通信端末装置3のホスト名、グループ名等の送信元を示す送信元特定データを記憶している。
ROM32及び記憶装置33は、制御部31の動作に必要なプログラムを記憶しており、制御部31は、ROM32及び記憶装置33が記憶しているプログラムをRAM34に読み出して実行することにより、画像データ、並びに該画像データの送信先、送信元、及び送信証を要するか否かを示すデータをハイパーテキスト転送プロトコルのpostメソッドにて送信するHTTPクライアント機能を実現する。
【0034】
また、バス38には、液晶ディスプレイ等の表示装置6が接続される第1インタフェース36と、マウス、キーボード等の入力装置7が接続される第2インタフェース37と、が接続されている。
【0035】
図3は、複合機1への画像データの送信に係る制御部31の処理手順を示すフローチャート、図4及び図5は、画像データの送信に係る送信受付画面8の模式図である。
通信端末装置3の制御部31は、図4及び図5に示すように、送信先のファクシミリ番号、メールアドレス、送信する画像データ、送信証を要するか否かを受け付けるための送信受付画面8をブラウザ上に表示する(ステップS11)。具体的には、制御部31は、送信の受付を複合機1に要求し、要求に応じて複合機1から送信された送信受付画面8を表示するためのHTMLデータを、ハイパーテキスト転送プロトコルにて受信し、受信したHTMLデータに基づいて送信受付画面8をブラウザに表示する。
送信受付画面8は、送信先のファクシミリ番号及び電子メールを入力するためのテキストエリア80,81、送信する画像データを選択するためのメニュー82、送信証を要するか否かを示すラジオボタン83、送信ボタン、取り消しボタン等をフォームに配して構成されている。
【0036】
次いで、制御部31は、送信先のファクシミリ番号及びメールアドレスを受け付ける(ステップS12)。そして、制御部31は、送信する画像データを受け付ける(ステップS13)。また、制御部31は、送信証を要するか否かを受け付ける(ステップS14)。送信証を要することを受け付けた場合、制御部31は、図4に示すように、送信証を要することが選択された状態にあることを示す送信受付画面8を表示する。また、送信証を要しないことを受け付けた場合、制御部31は、図5に示すように、送信証を要しないことが選択された状態にあることを示す送信受付画面8を表示する。
【0037】
次いで、制御部31は、送信ボタンの操作状態を検出することで、送信ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS15)。つまり、制御部31は、送信ボタン上にカーソルがある状態でマウスのボタンがクリックされたことを検出した場合、送信ボタンが操作されたと判定する。
送信ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップS15:NO)、制御部31は、処理をステップS11に戻す。
送信ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS15:YES)、制御部31は、ステップS13で受け付けた画像データを、ハイパーテキスト転送プロトコルのpostメソッドにて複合機1へ送信する(ステップS16)。
【0038】
次いで、制御部31は、ステップS12で受け付けたファクシミリ番号、メールアドレス、記憶装置33が記憶している送信元特定データ、及びステップS14で受け付けた送信証の有無を示す要否データを、ハイパーテキスト転送プロトコルにて、複合機1へ送信する(ステップS17)。制御部31は、ステップS17の処理を終えた場合、画像データの送信に係る処理を終える。
【0039】
図6及び図7は、ファクシミリ通信に係る制御部11の処理手順を示すフローチャートである。
複合機1の制御部11は、LANインタフェース21を介して、ハイパーテキスト転送プロトコルのpostメソッドにてデータを受信したか否かを判定する(ステップS51)。データを受信していないと判定した場合(ステップS51:NO)、制御部11は、処理をステップS51に戻す。
【0040】
データを受信したと判定した場合(ステップS51:YES)、制御部11は、画像データを受信したか否かを判定する(ステップS52)。画像データを受信していないと判定した場合(ステップS52:NO)、制御部11は、処理をステップS51に戻す。画像データを受信したと判定した場合(ステップS52:YES)、制御部11は、受信した画像データを画像メモリ16に記憶させる(ステップS53)
【0041】
ステップS53の処理を終えた場合、制御部11は、ファクシミリ番号、メールアドレス、送信元特定データ、及び送信証を要するか否かを示す要否データを受信したか否かを判定する(ステップS54)。ファクシミリ番号、メールアドレス等を受信したと判定した場合(ステップS54:YES)、制御部11は、ファクシミリ番号、メールアドレス、送信元特定データ及び要否データを記憶する(ステップS55)。ファクシミリ番号、メールアドレス等を受信していないと判定した場合(ステップS54:NO)、制御部11は、処理をステップS51に戻す。
【0042】
ステップS55の処理を終えた場合、制御部11は、ファクシミリ番号又はメールアドレスに基づいて、画像データを送信する(ステップS56)。送信先としてファクシミリ番号を受信した場合、制御部11は、画像データを、符号化・復号化部22にて符号化し、符号化した画像データをモデム14に与えることで、画像データをファクシミリ通信にて送信する。送信先としてメールアドレスを含む場合、制御部11は、画像データをTIFF又はPDF形式の画像データに変換し、変換した画像データを、メールアドレスで特定される送信先へ、電子メール通信にて送信する。
【0043】
次いで、制御部11は、送信完了の信号を検出することで、画像データの送信に成功したか否かを判定する(ステップS57)。送信に失敗したと判定した場合(ステップS57:NO)、制御部11は、後述の画像データ削除に係るステップS62の処理を実行する。送信に成功した場合(ステップS57:YES)、制御部11は、要否データに基づいて、送信証を要するか否かを判定する(ステップS58)。
【0044】
送信証を要すると判定した場合(ステップS58:YES)、制御部11は、時計部23から送信日時を取得し(ステップS59)、送信先のファクシミリ番号及びメールアドレス、送信元特定データで特定される送信元、送信日時等を含む送信証の画像データを生成する(ステップS60)。
【0045】
そして、制御部11は、ステップS60で生成した画像データをプリンタ部15に与えることにより、送信証の画像を用紙に印刷する(ステップS61)。
【0046】
ステップS61の処理を終えた場合、ステップS58で送信証は不要であると判定した場合(ステップS58:NO)、制御部11は、送信証の画像データを画像メモリ16から削除し(ステップS62)、ファクシミリ通信に係る処理を終える。
【0047】
図8は、複合機1が印刷した通信証の模式図である。
送信証は、送信元特定データで特定されるホスト名、例えば「Murata」、送信先のファクシミリ番号又はメールアドレス、送信日時、及びファクシミリ通信にて画像データを送信したことを示す「PC−FAX」の文字が用紙に印刷されたものである。
【0048】
このように構成されたファクシミリ通信システムにおいては、通信端末装置3から複合機1を介して画像データを送信する際に、ファクシミリ通信システムの使用者は、送信証を要するか否かを適宜選択し、必要に応じて送信証を複合機1に印刷させることができる。従って、不要な送信証が印刷されることを防ぐことができる。
【0049】
また、ファクシミリ番号又はメールアドレス等の送信先、送信開始、送信証を要するか否かを、単一の送信受付画面で受け付けるように構成しているため、使用者は、画像データを送信する際に、送信証を要するか否かを忘れることなく確認することができる。従って、不要な送信証が印刷されることを防ぎ、且つ必要な送信証を漏れなく印刷することができる。
【0050】
更に、送信証を要するか否かをラジオボタン83で受け付けるように構成しているため、使用者は、送信証を要するか否かのいずれが選択されているかを視認することができ、送信証が印刷されるか否かをより誤りなく認識することができる。
【0051】
更にまた、使用者に馴染みあるブラウザ上で送信先のファクシミリ番号、メールアドレス、送信開始、送信証を要するか否かを受け付けるように構成してあるため、使用者は、簡易に送信証を要するか否かを選択し、実施の形態に係るファクシミリ送信を利用することができる。
【0052】
更にまた、通信端末装置3は、複合機1から送信された送信受付画面のHTMLデータを受信して、送信受付画面をブラウザに表示し、ファクシミリ番号、メールアドレス、送信証を要するか否かを受け付ける。従って、専用のクライアントソフトを通信端末装置3にインストールすることなく、通信端末装置3は、送信証を要するか否かを受け付けて、画像データを複合機1へ送信することができる。つまり、ブラウザを利用可能なHTTPクライアント機能を有する通信端末装置3をLAN4に接続した場合、直ちに本実施の形態に係るファクシミリ送信を利用することができる。
【0053】
本発明にあっては、送信元のホスト名を含む送信証が印刷されるため、送信証から送信元の外部装置を特定することができる。
【0054】
なお、実施の形態にあっては、ファクシミリ通信機能及び電子メール送信機能を有する複合機にてシステムを構成するように構成してあるが、他の通信装置、例えばファクシミリ通信機能を有するファクシミリ装置にてシステムを構成しても良い。
【0055】
また、画像データを送信する送信元として、パーソナルコンピュータを説明したが、これに限らず、他の通信装置にてシステムを構成しても良い。
【0056】
更に、ラジオボタンで送信証の要否を受け付けるように構成してあるが、他の方法、例えばメニュー又はチェックボックスを用いて送信証の要否を受け付けるように構成しても良い。
【0057】
更にまた、通信端末装置から複合機を介して、画像データを送信するように構成してあるが、画像データに限らず、テキスト形式の文書データを送信するように構成しても良い。
【0058】
更にまた、ハイパーテキスト転送プロトコルにて要否データを送受信するように構成してあるが、他のプロトコルにて要否データを送受信するように構成しても良い。
【0059】
更にまた、送信元特定データが通信端末装置のホスト名を示す実施の形態を説明したが、送信元を示すことができるのであれば、他の情報、例えば通信端末装置で認証されているユーザの名称、グループ名等を送信元特定データとして複合機へ送信し、ユーザ名、グループ名等を送信証に印刷するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係るファクシミリ通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】通信端末装置を示すブロック図である。
【図3】複合機への画像データの送信に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】画像データの送信に係る送信受付画面の模式図である。
【図5】画像データの送信に係る送信受付画面の模式図である。
【図6】ファクシミリ通信に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ通信に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】通信証の模式図である。
【符号の説明】
【0061】
1 複合機
3 通信端末装置
4 LAN
6 表示装置
7 入力装置
11 制御部
12 NCU
13 読取部
14 モデム
15 プリンタ部
16 画像メモリ
21 LANインタフェース
22 符号化・復号化部
23 時計部
31 制御部
33 記憶装置
35 LANインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを送信する第1通信装置と、該第1通信装置が送信したデータを受信し、受信したデータをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する第2通信装置とを備える通信システムにおいて、
前記第1通信装置は、
データの送信開始及び該データが送信されたことを示す送信証を要するか否かを受け付ける受付手段と、
該受付手段が送信開始を受け付けた場合、前記受付手段の受付結果に基づいて送信証を要するか否かを示す要否データを前記第2通信装置へ送信する送信手段と
を備え、
前記第2通信装置は、
前記送信手段が送信した要否データを受信する受信手段と、
該受信手段が受信した要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する判定手段と、
データが送信され、前記判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証を記録する手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記送信手段及び前記受信手段は、
要否データをハイパーテキスト転送プロトコルにて送信及び受信するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
外部装置が送信したデータを受信し、受信したデータをファクシミリ通信又は電子メール通信にて送信する通信装置において、
データの送信開始及び該データが送信されたことを示す送信証を要するか否かを示す要否データを受信する受信手段と、
該受信手段が受信した要否データに基づいて送信証を要するか否かを判定する判定手段と、
データが送信され、前記判定手段が送信証を要すると判定した場合、送信証を記録する記録手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記受信手段は、
要否データをハイパーテキスト転送プロトコルにて受信するようにしてある
ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
データの送信元を特定するための送信元特定データを受信する手段と、
受信した送信元特定データに基づいて送信元を示す送信証を生成する生成手段と
を備え、
前記記録手段は、
前記生成手段が生成した送信証を記録するようにしてある
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−194858(P2007−194858A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10370(P2006−10370)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】