通信システム及び通信装置
【課題】質問に対する適切な回答と講義の円滑な進行の両立を図る。
【解決手段】本発明に係るネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200とを備える。受講者端末200は、講義を再生可能であり、講義の進行中に、必要に応じて講義者端末100に対して質問を送信することができる。講義者端末100は、質問を受信すると、その内容に応じた回答を取得し、取得した回答を内容に応じて第1又は第2のグループに分類する。そして、講義者端末100は、回答が第1のグループに分類される場合には、ログイン中のすべての受講者端末200に回答を送信し、回答が第2のグループに分類される場合には、当該回答に対応する質問を送信した受講者端末200のみに回答を送信する。
【解決手段】本発明に係るネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200とを備える。受講者端末200は、講義を再生可能であり、講義の進行中に、必要に応じて講義者端末100に対して質問を送信することができる。講義者端末100は、質問を受信すると、その内容に応じた回答を取得し、取得した回答を内容に応じて第1又は第2のグループに分類する。そして、講義者端末100は、回答が第1のグループに分類される場合には、ログイン中のすべての受講者端末200に回答を送信し、回答が第2のグループに分類される場合には、当該回答に対応する質問を送信した受講者端末200のみに回答を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの要求に応答する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して講義を行う技術が知られている。また、ネットワークを介して講義を行う場合において、質問を受け付け、これに回答するための技術も知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2000−259072号公報
【特許文献2】特開2004−77740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
講義を視聴する者が複数である場合、講義に対する知識や理解力にばらつきが生じる。つまり、ある質問に対する回答は、人によって既知であったり未知であったりする。したがって、ある問題について質問があり、これに回答するために講義が中断された場合、その問題について既知である者にとっては、その中断が講義の妨げとなり得る。また、回答をする者にとっても、同じような質問に何度も個別に回答したりするのは、無駄が多い。
そこで、本発明は、ネットワークを介して講義(講義及びこれに類するもの)を実施する場合において、要求に対する適切な応答と講義の円滑な進行の両立を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る通信システムは、各々が通信手段を介して通信可能である複数の端末と、前記通信手段を介して前記複数の端末と通信可能である通信装置とを備える通信システムであって、前記通信装置は、前記複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、前記要求受信手段により受信された要求に対応する応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを有し、前記端末は、要求を前記通信装置に送信する要求送信手段と、前記応答送信手段により送信された応答を受信する応答受信手段と、前記応答受信手段により受信された応答を再生する応答再生手段とを有し、前記応答送信手段は、送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する構成を特徴とする。
【0005】
また、本発明に係る通信装置は、複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、前記要求受信手段により受信された要求に対する応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、前記応答送信手段は、送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する構成を特徴とする。
【0006】
本発明に係る通信装置は、前記要求が文字又は文字に変換可能な情報を含む場合において、前記第1又は第2のグループのいずれかに対応付けられる文字列であるキーワードを取得するキーワード取得手段を備え、前記分類手段は、前記要求受信手段により受信された要求と前記キーワード取得手段により取得されたキーワードとの比較結果に基づいて対応する応答を分類する構成であってもよい。
【0007】
本発明に係る通信装置において、送信元である端末を識別する識別手段を備え、前記分類手段は、前記応答取得手段により取得された応答を前記識別手段による識別結果に応じて分類する構成であってもよい。
【0008】
本発明に係る通信装置は、前記応答送信手段が前記第1のグループに分類された応答を前記端末に送信する場合に、当該応答を再生するタイミングを示す情報を当該端末に送信する情報送信手段を備える構成であってもよい。
【0009】
本発明に係る通信装置において、前記応答送信手段が応答を送信した回数を記憶する記憶手段であって、同一の応答の送信回数を応答毎に記憶する記憶手段を備え、前記分類手段は、前記記憶手段に記憶された送信回数がある基準より多い応答を前記第1のグループに分類する構成であってもよい。
【0010】
本発明に係る通信システムにおいて、前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、前記講義再生手段は、自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を遅延させ、又は、一時停止させる構成であってもよい。
あるいは、前記講義再生手段は、自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を一時停止させ、講義の再生の一時停止を解除した後に、講義を早送りで再生する構成であってもよい。
【0011】
本発明は、コンピュータを上述した通信装置として機能させるためのプログラムや、かかるプログラムを記憶した記録媒体としても特定され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、質問に対する適切な回答と講義等の円滑な進行の両立を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態のネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200と、ネットワーク300とを備える。
【0014】
講義者端末100及び受講者端末200は、相互に通信可能な通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータである。なお、講義者端末100及び受講者端末200としては、パーソナルコンピュータに限定することなく、後述する動作を実行可能な種々の通信装置を採用し得る。講義者端末100は、本システムにおいて講義を行うユーザが使用する通信装置である。講義者端末100を使用するユーザのことを、以下では「講義者」という。講義者は、講義の実施に際し、必要に応じて、質問を受け付け、これに回答する。受講者端末200は、本システムにおいて講義を受講するユーザが使用する通信装置である。受講者端末200を使用するユーザのことを、以下では「受講者」という。受講者は、本システムにおいては複数であり、各々の受講者端末200を用いて講義を受講するほか、必要に応じて、質問を送信する。
【0015】
ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能にするネットワークであり、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)である。なお、ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能であれば、その具体的な形態を問わず、例えば、いわゆるPeer to Peer型のネットワークであってもよい。また、ネットワーク300は、有線であっても無線であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0016】
図2は、講義者端末100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、講義者端末100は、制御部110と、通信部120と、情報入力部130と、情報出力部140と、記憶部150とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置やメモリを備え、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することによって講義者端末100の動作を制御する。なお、制御部110が実現する機能には、周知の音声認識、形態素解析、音声読み上げなどを含み得る。通信部120は、ネットワーク300を介したデータの送受信を可能にするインタフェースであり、制御部110により供給されたデータをネットワーク300を介して送信するとともに、ネットワーク300を介して受信したデータを制御部110に供給する。情報入力部130は、受講者端末200に送信するデータを入力するためのインタフェースである。本実施形態の情報入力部130は、音声を入力するためのマイクロホンと、文字等を入力するためのキーボードやマウスとを備える。情報出力部140は、受講者端末200から受信したデータを出力するためのインタフェースである。本実施形態の情報出力部140は、音声を放音するためのスピーカと、文字等を含む画像を表示するための表示装置とを備える。なお、情報出力部140が表示する画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、制御部110が参照するデータを記憶する。なお、記憶部150における記憶手段は、光ディスク(DVD等)などのように、講義者端末100と別体に構成されたものであってもよい。記憶部150には、受講者が視聴する講義を記録した講義データが記憶されている。本実施形態の講義データは、あらかじめ録画及び録音されたデータである。
【0017】
また、記憶部150には、キーワードと当該キーワードに対応する説明の組み合わせが複数記述されたデータの集合が記憶されている。このデータの集合、すなわちデータベース(database)のことを、以下では「回答DB」という。
図3は、本実施形態において回答DBとして記述されたデータを例示する図である。同図に示すように、本実施形態の回答DBに含まれるデータは、「キーワード」、「回答」及び「レベル」であり、これらが対応付けられて1の集合として認識される。キーワードデータは、キーワードを1又は複数含むデータである。ここにおいて、キーワードとは、対応する回答データと関連を有する文字列をいい、例えば、講義において用いられる用語などである。なお、キーワードは、1文字であってもよいし、ここでいう「文字」は、数字や記号であってもよい。回答データは、受講者に対して回答として示す文字、画像、音声などを含むデータである。レベルデータは、対応する回答データに割り当てられた程度を表すデータである。ここにおいて、程度とは、回答の重要度や難易度をいい、本実施形態においては「高」と「低」の2通りである。
【0018】
図4は、受講者端末200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、受講者端末200は、制御部210と、通信部220と、情報入力部230と、情報出力部240とを備える。制御部210、通信部220、情報入力部230及び情報出力部240の機能は、それぞれ、講義者端末100の制御部110、通信部120、情報出力部140及び情報入力部130の機能とほぼ同様であるため、説明を省略する。要するに、受講者端末200は、回答DBを記憶した記憶部150を除き、講義者端末100と同様の構成であってよいということである。
【0019】
なお、受講者端末200には、講義者端末100において各々の端末を識別可能にするための識別情報が割り当てられている。この識別情報は、講義者端末100と受講者端末200とで行われるデータの送受信の態様に応じて決定されるものである。例えば、データの送受信が電子メールで行われる場合、識別情報はメールアドレスである。また、データの送受信の態様によっては、IPアドレス、MACアドレス、電話番号などを識別情報として用いることも可能である。
【0020】
本実施形態のネットワーク講義システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ネットワーク講義システム10においては、講義が実施される。受講者は、講義に参加する場合、パスワード入力等の所定の認証処理を行い、ネットワーク講義システム10を利用可能にする。この動作は、いわゆるログインであり、受講者端末200を操作することで行われる。講義者端末100は、ログインが行われた受講者端末200に対し、所定のタイミングで講義データの送信を行う。本実施形態においては、説明の便宜上、あらかじめ決められた日時に複数の受講者端末200に対して同時に講義データの送信を行うとする。すなわち、本実施形態の講義は、ログインを行った受講者の全員について同時に進行する。
【0021】
受講者は、講義中に、講義者に対して質問をすることができる。質問は、受講者端末200の情報入力部230を介して、文字や音声により行われる。受講者端末200の制御部210は、受講者による情報の入力を受け付けると、これを通信可能なデータに変換し、通信部220を介して講義者端末100に送信する。以下では、ここにおいて送信される受講者の質問内容を表すデータのことを、「質問データ」という。なお、制御部210は、自端末の識別情報を、この質問データに対応付けて送信する。この場合において、識別情報は、質問データに含まれていてもよい。
【0022】
講義者端末100は、質問データを受信すると、回答を行うための回答処理を実行する。この回答処理は、具体的には以下のとおりである。
図5は、講義者端末100の制御部110が実行する回答処理を示すフローチャートである。この処理は、ステップS1が示すように、講義者端末100が質問データを受信したことを契機に実行されるものである。制御部110は、ステップS1において質問データを受信すると、質問データの送信元を特定する(ステップS2)。制御部110は、質問データに対応付けられた識別情報を参照することにより、質問データの送信元である受講者端末200を特定する。
【0023】
次に、制御部110は、質問データからキーワードを抽出する(ステップS3)。制御部110は、受講者が文字を入力することで質問を行った場合には、その文字に対して形態素解析を行ってキーワードを抽出し、受講者が音声を入力することで質問を行った場合には、その音声を認識して文字に変換し、変換した文字からキーワードを抽出する。続いて、制御部110は、回答DBを参照し、回答DBのキーワードデータとステップS3において抽出したキーワードとを比較し、抽出したキーワードと一致するキーワードデータがあるか否かを判断する(ステップS4)。
【0024】
抽出したキーワードと一致するキーワードデータがある場合(ステップS4:YES)、制御部110は、当該キーワードデータに対応する回答データ及びレベルデータを取得する(ステップS5)。そして、制御部110は、質問データと、回答DBから取得した回答データ及びレベルデータとが示す内容を情報出力部140に表示させる(ステップS6)。このとき、講義者は、表示された質問や回答を確認し、必要に応じて、回答の内容を変更(修正)してもよい。
【0025】
一方、抽出したキーワードと一致するキーワードデータがない場合や、キーワードが抽出できない場合には(ステップS4:NO)、制御部110は、質問データが示す内容を情報出力部140に表示させる(ステップS7)。この場合には、対応する適当な回答が回答DBに用意されていないため、講義者は、自ら質問の内容を確認し、回答とそのレベルとを入力する。すなわち、このとき制御部110は、講義者により入力された回答とそのレベルとをデータとして取得する(ステップS8)。このようにして、質問に対する回答とそのレベルが得られたら、制御部110は、そのレベルの高低を判断する(ステップS9)。すなわち、制御部110は、回答をレベルにより分類する。
【0026】
ここで、レベルが「高」である場合(ステップS9:YES)、制御部110は、ログイン中であるすべての受講者端末200に対して質問データ及び回答データを送信する(ステップS10)。一方、レベルが「低」である場合(ステップS9:NO)、制御部110は、送信元である受講者端末200(すなわち、ステップS2において特定した受講者端末200)のみに対して回答データを送信する(ステップS11)。
【0027】
講義者端末100において実行される処理は、以上のとおりである。受講者端末200は、このようにして送信された回答データを受信すると、適当なタイミングで回答を再生する。
受講者端末200は、講義の再生を行いながら回答を再生する。例えば、講義と回答とがともに画像として表示される場合、受講者端末200は、表示する画像を複数の領域に分割し、その一つの領域に講義の画像を表示し、別の領域に回答の画像を表示する。なお、講義と回答とがともに音声として放音される場合には、これらが同時に再生されては受講者による聴取を阻害するおそれがあるため、講義の音量を低下させたり、あるいは講義の音声を一時停止させるなどの態様で再生を行ってもよい。また、受講者端末200は、回答データと共に質問データを受信した場合には、質問をあわせて再生する。
【0028】
このように、本実施形態のネットワーク講義システム10においては、回答に対応付けられたレベルの高低に応じて回答データがグループ分けされ、分類されたグループに応じて回答データの送信の態様が決定される。具体的には、講義者端末100は、回答DBに基づき、回答をレベルが高いもの(グループ)と低いもの(グループ)とに分類し、レベルが高い回答はログイン中のすべての受講者端末200に送信し、レベルが低い回答は質問の送信元の受講者端末200のみに送信する。
【0029】
レベルが高い回答とは、上述したように、難易度や重要度が高い回答である。すなわち、レベルが高い回答は、レベルが低い回答に比べ、より多くの受講者が疑問に感じたり、知らないと不利益を生じたりする内容である可能性が高いといえる。よって、かかる回答を全受講者に送信することにより、受講者の講義の理解を促進させることが可能となるとともに、講義者においては、その後に同様の質問を繰り返されることを抑制することが可能となる。一方、レベルが低い回答は、確認する機会を逸しても不利益を生じるおそれが少ないといえるため、かかる回答については送信元、すなわち質問者のみに送信することによって、かかる回答を他の受講者が確認せずに済ませることが可能である。
【0030】
また、本実施形態の講義者端末100は、回答DBを用いることにより、あらかじめ回答が用意された質問については講義者が入力等することなく回答を行うことが可能であるため、講義者の負荷を軽減させることができる。加えて、回答の内容をいったん表示させ、講義者の確認を促すことにより、回答DBにより得られた回答が質問に対して不適当である場合に、その不適当な回答を受講者に送信することを防止することが可能となる。
【0031】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限らず、その他の形態でも実施し得る。本発明に対しては、例えば、以下のような変形を適用することが可能である。なお、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
【0032】
(1)変形例1
回答DBは、図3に例示した構造に限らない。また、回答DBの構造に応じて、回答処理の態様も変わり得る。
図6は、回答DBの他の例を示す図である。本例の回答DBは、まず、関連度データを含む点が図3の回答DBと異なる。また、本例のキーワードデータは、上述した実施形態のキーワードデータと異なり、各々が1語のキーワードに対応している。関連度データは、各々のキーワードデータに対応し、そのキーワードデータが表すキーワードと対応する回答データとの関連の度合いを示す数値のデータであり、ここでは、その数値が大きいほど関連の度合いが高いとする。加えて、本例の回答DBは、1の回答データに対して1又は複数のキーワードデータが対応付けられている。
【0033】
図7は、本例における回答処理を示すフローチャートである。同図に示す処理は、図5に示すステップS4に代わる処理である。なお、本例の回答処理は、その他のステップについては図5に示したものと同様である。また、ここにおいて、ステップS3において抽出されたキーワードを「k(i)」と表記する。ここにおける「i」は、ステップS3において抽出されたキーワードに対して一意的に割り当てられた値を表しており、1以上の整数である。例えば、k(1)であれば、1番目に抽出されたキーワードであり、k(2)であれば、2番目に抽出されたキーワードである。ここでは、ステップS3において抽出されたキーワードの総数を「n」であるとして説明を行う。
【0034】
制御部110は、ステップS3において抽出したキーワードk(i)について、その関連度を特定する(ステップS41)。制御部110は、回答DBを参照し、キーワードk(i)に一致するキーワードデータがあれば、そのキーワードデータに対応付けられた関連度データを関連度の値として用い、キーワードk(i)に一致するキーワードデータがなければ、関連度の値を「0」とする。制御部110は、このような関連度の値を、各々のキーワードk(i)について回答データ毎に特定する。以下では、この関連度の値を「r(i,j)」と表記する。ここにおける「j」は、回答データに対して一意的に割り当てられた値を表しており、1以上の整数である。ここでは、回答データの総数を「N」であるとして説明を行う。
【0035】
続いて、制御部110は、「i」が「n」であるか否かを判断する(ステップS42)。すなわち、制御部110は、ステップS3において抽出したキーワードk(i)のすべてについて関連度r(i,j)を特定したか否かを判断する。制御部110は、「i」が「n」でなければ(ステップS42:NO)、「i」の値をインクリメント、すなわち「1」増加させ(ステップS43)、新たなキーワードについてステップS41の処理を行う。
【0036】
また、制御部110は、「i」が「n」であれば(ステップS42:YES)、関連度r(i,j)を「i」について積算する(ステップS44)。すなわち、制御部110は、「i」が1でなければ、r(1,j)+r(2,j)+…+r(n,j)というように関連度r(i,j)を積算する。以下では、このとき算出される積算値を「R(j)」と表記する。積算値R(j)は、1番目の回答データについてはR(1)、N番目の回答データについてはR(N)、というように、総数が「N」である回答データのそれぞれについて得られる値である。
【0037】
制御部110は、積算値R(j)を算出したら、この積算値R(j)の大小を比較し、その値が最大であるものを特定する(ステップS45)。以下では、このとき特定される積算値を「Rmax」と表記する。続いて、制御部110は、積算値Rmaxが所定の閾値(「Th」とする。)以上であるか否かを判断し(ステップS46)、積算値Rmaxが所定の閾値以上であれば、この積算値Rmaxに対応する回答データをステップS5において取得する。一方、制御部110は、積算値Rmaxが所定の閾値未満であれば、受信した質問データに対応する回答データが回答DBに存在しないとみなし、ステップS7の処理を行う。
【0038】
このように、積算された関連度の比較によって回答データを特定すると、回答DBから得られる回答の信頼性を向上させることが可能である。また、積算値Rmaxが所定の閾値に満たない場合に適当な回答データが存在しないとみなすことにより、取得した質問の内容にそぐわない回答がなされることを抑制することが可能である。
なお、制御部110は、例えばステップS6において、積算値Rmaxを講義者に報知するようにしてもよい。
【0039】
(2)変形例2
本発明において、回答の分類は、2段階に限らず、3段階以上であってもよい。本発明に係る通信装置(講義者端末)は、受講者を3段階以上のレベルや3種類以上のグループに分類可能である場合には、その分類の態様に応じて回答を送信するよう制御を行ってもよい。例えば、受講者をその理解度や修得度に応じて「高」、「低」及びこれらの中間である「中」の3段階に分類できる場合において、難易度として「中」程度のレベルの質問が送信された場合には、質問者に加え、「中」及び「低」に分類される受講者に対して回答を送信するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明において、回答の分類は、回答DBを用いずに講義者が直接行うものであってもよいし、講義者が確認を行うことなく、回答DBのみが用いられるものであってもよい。さらに、回答を分類するためのデータは、回答を分類可能なものであれば、上述した回答DBに限らない。
なお、回答の分類に際しては、その前に質問を分類し、質問の分類結果に応じて回答の分類(グループ)が決定されるようにしてもよい。この場合、質問を分類することは、回答を分類することと同質のことである。
【0041】
(3)変形例3
本発明において、回答の分類に用いる基準は、上述したキーワードやそのレベルに限らない。例えば、本発明に係る通信装置は、上述した識別情報により質問者を識別し、質問者に応じて回答を分類してもよい。これは、全体に有益な質問を行った質問者の識別情報を記録するなどし、過去に有益な質問を行った質問者が再度質問を行った場合には、その質問も全体に有益であると推定し、対応する回答をその他の受講者にも送信する、といった具合で実現される。
【0042】
また、同種の質問が行われた回数、すなわち同種の回答が行われた回数を基準に回答を分類してもよい。これは、多くの受講者が質問することは、その他の受講者も疑問に感じている可能性が高いからである。かかる分類を行う場合、本発明に係る通信装置は、回答の送信回数を回答毎に記憶する手段を設け、送信回数が所定の閾値を上回ったり、あるいは、送信回数が他の回答よりも相対的に多くなった回答については全員に送信し、そうでない回答については質問者のみに送信するような構成としてもよい。
【0043】
(4)変形例4
本発明において、質問に回答する者、すなわち回答者は、講義者に限らない。例えば、講義者と別の者(助手等)を回答者としてもよい。この場合、講義を再生するための構成と回答を行うための構成とは、それぞれ相異なる通信装置に設けられていてもよい。また、過去に質問を行った質問者を記録している場合には、過去に有益な質問を多く行った質問者を回答者とするようにしてもよい。
【0044】
(5)変形例5
本発明に係る通信装置(受講者端末)は、回答が再生される場合に、講義の視聴を妨げぬよう、講義の再生を一時停止するのが望ましい。また、本発明に係る通信装置は、かかる一時停止に代えて、講義の再生速度を遅延させてもよい。このようにすれば、回答を再生する場合において、講義の視聴が阻害されるのを抑制することが可能となる。
【0045】
なお、複数の受講者が同時に講義を視聴する場合において、回答を視聴する受講者とそうでない受講者とが混在すると、上述のように一時停止や遅延を行った後に講義の再生が同時でなくなる。すなわち、回答を視聴した端末においては、回答を視聴していない端末よりも講義の再生が遅れることになる。そこで、このような場合には、回答の再生が終了し、一時停止又は遅延が解除された後に、回答を視聴した端末における講義の再生速度を所定期間増加させ、講義を早送りで再生するとよい。このようにすれば、早送り期間が終了した後に、講義の再生を他の端末と同時に行うことが可能となる。
【0046】
(6)変形例6
本発明に係る通信装置(講義者端末)は、講義をリアルタイムで放送し、これを複数の受講者が同時に視聴する場合において、短時間に多数の質問が集中するときに、講義の中断を促すよう講義者に通知する構成を備えてもよい。短時間に多数の質問が集中する場合は、多くの受講者が講義を十分に理解できていなかったり、あるいは講義の内容に誤りがあったりする場合であることが多いため、かかる場合を講義者が認識できると、講義の円滑な進行に寄与することができる。なお、講義者への通知は、所定の期間に決められた数以上の質問を受信した場合に、画像や音声などによって行うものであるとよい。
【0047】
(7)変形例7
本発明における講義の態様は、上述した実施形態に限らない。例えば、あらかじめ録画及び録音された講義データを用いるのではなく、実際に講義者が講義を行い、これをリアルタイムに放送する態様(いわゆるライブ)でもよい。また、受講者は、同じ場所で同時に講義を視聴してもよいし、各々が異なる場所で講義を視聴してもよい。なお、複数の受講者が教室等において同時に講義を受講する場合には、講義を再生する手段(表示装置、スピーカなど)と回答を再生する手段とを別体としてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態は、講義において、質問を受け付け、これに回答するものであったが、本発明を適用して実施されるものは、講義のみに限らず、各種の説明や陳述なども含まれる。よって、本発明における「講義」とは、このような講義に類するものを包含する概念とみなすことができる。また、ここでいう「講義」は、上述した実施形態からも明らかなように、一方(講義者)から他方(受講者)への一方向の情報伝達にとどまらず、双方向の情報伝達を行い得るものである。
【0049】
さらに、本発明は、「質問」や「回答」に限らず、質問に類するものを行い、これを要求として当該要求に応答する態様において、上述した実施形態と同様の要領で適用可能である。例えば、上述の質問に代えて講義者への意見等を行い、講義者がこの意見に返答するような態様において本発明が適用されてもよい。すなわち、これらの「質問」や「意見」は、本発明における「要求」の一例に相当するものであり、「回答」や「返答」は、本発明における「応答」の一例に相当するものである。
【0050】
(8)変形例8
上述した実施形態において、講義者端末100の制御部110によって実行されるプログラムは、磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等のネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図
【図2】講義者端末の構成を示すブロック図
【図3】回答DBとして記述されたデータを例示する図
【図4】受講者端末の構成を示すブロック図
【図5】講義者端末が実行する回答処理を示すフローチャート
【図6】回答DBとして記述されたデータを例示する図
【図7】講義者端末が実行する回答処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0052】
10…ネットワーク講義システム、100…講義者端末、200…受講者端末、300…ネットワーク、110…制御部、120…通信部、130…情報入力部、140…情報出力部、150…記憶部、210…制御部、220…通信部、230…情報入力部、240…情報出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの要求に応答する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して講義を行う技術が知られている。また、ネットワークを介して講義を行う場合において、質問を受け付け、これに回答するための技術も知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2000−259072号公報
【特許文献2】特開2004−77740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
講義を視聴する者が複数である場合、講義に対する知識や理解力にばらつきが生じる。つまり、ある質問に対する回答は、人によって既知であったり未知であったりする。したがって、ある問題について質問があり、これに回答するために講義が中断された場合、その問題について既知である者にとっては、その中断が講義の妨げとなり得る。また、回答をする者にとっても、同じような質問に何度も個別に回答したりするのは、無駄が多い。
そこで、本発明は、ネットワークを介して講義(講義及びこれに類するもの)を実施する場合において、要求に対する適切な応答と講義の円滑な進行の両立を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る通信システムは、各々が通信手段を介して通信可能である複数の端末と、前記通信手段を介して前記複数の端末と通信可能である通信装置とを備える通信システムであって、前記通信装置は、前記複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、前記要求受信手段により受信された要求に対応する応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを有し、前記端末は、要求を前記通信装置に送信する要求送信手段と、前記応答送信手段により送信された応答を受信する応答受信手段と、前記応答受信手段により受信された応答を再生する応答再生手段とを有し、前記応答送信手段は、送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する構成を特徴とする。
【0005】
また、本発明に係る通信装置は、複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、前記要求受信手段により受信された要求に対する応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、前記応答送信手段は、送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する構成を特徴とする。
【0006】
本発明に係る通信装置は、前記要求が文字又は文字に変換可能な情報を含む場合において、前記第1又は第2のグループのいずれかに対応付けられる文字列であるキーワードを取得するキーワード取得手段を備え、前記分類手段は、前記要求受信手段により受信された要求と前記キーワード取得手段により取得されたキーワードとの比較結果に基づいて対応する応答を分類する構成であってもよい。
【0007】
本発明に係る通信装置において、送信元である端末を識別する識別手段を備え、前記分類手段は、前記応答取得手段により取得された応答を前記識別手段による識別結果に応じて分類する構成であってもよい。
【0008】
本発明に係る通信装置は、前記応答送信手段が前記第1のグループに分類された応答を前記端末に送信する場合に、当該応答を再生するタイミングを示す情報を当該端末に送信する情報送信手段を備える構成であってもよい。
【0009】
本発明に係る通信装置において、前記応答送信手段が応答を送信した回数を記憶する記憶手段であって、同一の応答の送信回数を応答毎に記憶する記憶手段を備え、前記分類手段は、前記記憶手段に記憶された送信回数がある基準より多い応答を前記第1のグループに分類する構成であってもよい。
【0010】
本発明に係る通信システムにおいて、前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、前記講義再生手段は、自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を遅延させ、又は、一時停止させる構成であってもよい。
あるいは、前記講義再生手段は、自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を一時停止させ、講義の再生の一時停止を解除した後に、講義を早送りで再生する構成であってもよい。
【0011】
本発明は、コンピュータを上述した通信装置として機能させるためのプログラムや、かかるプログラムを記憶した記録媒体としても特定され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、質問に対する適切な回答と講義等の円滑な進行の両立を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態のネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200と、ネットワーク300とを備える。
【0014】
講義者端末100及び受講者端末200は、相互に通信可能な通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータである。なお、講義者端末100及び受講者端末200としては、パーソナルコンピュータに限定することなく、後述する動作を実行可能な種々の通信装置を採用し得る。講義者端末100は、本システムにおいて講義を行うユーザが使用する通信装置である。講義者端末100を使用するユーザのことを、以下では「講義者」という。講義者は、講義の実施に際し、必要に応じて、質問を受け付け、これに回答する。受講者端末200は、本システムにおいて講義を受講するユーザが使用する通信装置である。受講者端末200を使用するユーザのことを、以下では「受講者」という。受講者は、本システムにおいては複数であり、各々の受講者端末200を用いて講義を受講するほか、必要に応じて、質問を送信する。
【0015】
ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能にするネットワークであり、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)である。なお、ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能であれば、その具体的な形態を問わず、例えば、いわゆるPeer to Peer型のネットワークであってもよい。また、ネットワーク300は、有線であっても無線であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0016】
図2は、講義者端末100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、講義者端末100は、制御部110と、通信部120と、情報入力部130と、情報出力部140と、記憶部150とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置やメモリを備え、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することによって講義者端末100の動作を制御する。なお、制御部110が実現する機能には、周知の音声認識、形態素解析、音声読み上げなどを含み得る。通信部120は、ネットワーク300を介したデータの送受信を可能にするインタフェースであり、制御部110により供給されたデータをネットワーク300を介して送信するとともに、ネットワーク300を介して受信したデータを制御部110に供給する。情報入力部130は、受講者端末200に送信するデータを入力するためのインタフェースである。本実施形態の情報入力部130は、音声を入力するためのマイクロホンと、文字等を入力するためのキーボードやマウスとを備える。情報出力部140は、受講者端末200から受信したデータを出力するためのインタフェースである。本実施形態の情報出力部140は、音声を放音するためのスピーカと、文字等を含む画像を表示するための表示装置とを備える。なお、情報出力部140が表示する画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、制御部110が参照するデータを記憶する。なお、記憶部150における記憶手段は、光ディスク(DVD等)などのように、講義者端末100と別体に構成されたものであってもよい。記憶部150には、受講者が視聴する講義を記録した講義データが記憶されている。本実施形態の講義データは、あらかじめ録画及び録音されたデータである。
【0017】
また、記憶部150には、キーワードと当該キーワードに対応する説明の組み合わせが複数記述されたデータの集合が記憶されている。このデータの集合、すなわちデータベース(database)のことを、以下では「回答DB」という。
図3は、本実施形態において回答DBとして記述されたデータを例示する図である。同図に示すように、本実施形態の回答DBに含まれるデータは、「キーワード」、「回答」及び「レベル」であり、これらが対応付けられて1の集合として認識される。キーワードデータは、キーワードを1又は複数含むデータである。ここにおいて、キーワードとは、対応する回答データと関連を有する文字列をいい、例えば、講義において用いられる用語などである。なお、キーワードは、1文字であってもよいし、ここでいう「文字」は、数字や記号であってもよい。回答データは、受講者に対して回答として示す文字、画像、音声などを含むデータである。レベルデータは、対応する回答データに割り当てられた程度を表すデータである。ここにおいて、程度とは、回答の重要度や難易度をいい、本実施形態においては「高」と「低」の2通りである。
【0018】
図4は、受講者端末200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、受講者端末200は、制御部210と、通信部220と、情報入力部230と、情報出力部240とを備える。制御部210、通信部220、情報入力部230及び情報出力部240の機能は、それぞれ、講義者端末100の制御部110、通信部120、情報出力部140及び情報入力部130の機能とほぼ同様であるため、説明を省略する。要するに、受講者端末200は、回答DBを記憶した記憶部150を除き、講義者端末100と同様の構成であってよいということである。
【0019】
なお、受講者端末200には、講義者端末100において各々の端末を識別可能にするための識別情報が割り当てられている。この識別情報は、講義者端末100と受講者端末200とで行われるデータの送受信の態様に応じて決定されるものである。例えば、データの送受信が電子メールで行われる場合、識別情報はメールアドレスである。また、データの送受信の態様によっては、IPアドレス、MACアドレス、電話番号などを識別情報として用いることも可能である。
【0020】
本実施形態のネットワーク講義システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ネットワーク講義システム10においては、講義が実施される。受講者は、講義に参加する場合、パスワード入力等の所定の認証処理を行い、ネットワーク講義システム10を利用可能にする。この動作は、いわゆるログインであり、受講者端末200を操作することで行われる。講義者端末100は、ログインが行われた受講者端末200に対し、所定のタイミングで講義データの送信を行う。本実施形態においては、説明の便宜上、あらかじめ決められた日時に複数の受講者端末200に対して同時に講義データの送信を行うとする。すなわち、本実施形態の講義は、ログインを行った受講者の全員について同時に進行する。
【0021】
受講者は、講義中に、講義者に対して質問をすることができる。質問は、受講者端末200の情報入力部230を介して、文字や音声により行われる。受講者端末200の制御部210は、受講者による情報の入力を受け付けると、これを通信可能なデータに変換し、通信部220を介して講義者端末100に送信する。以下では、ここにおいて送信される受講者の質問内容を表すデータのことを、「質問データ」という。なお、制御部210は、自端末の識別情報を、この質問データに対応付けて送信する。この場合において、識別情報は、質問データに含まれていてもよい。
【0022】
講義者端末100は、質問データを受信すると、回答を行うための回答処理を実行する。この回答処理は、具体的には以下のとおりである。
図5は、講義者端末100の制御部110が実行する回答処理を示すフローチャートである。この処理は、ステップS1が示すように、講義者端末100が質問データを受信したことを契機に実行されるものである。制御部110は、ステップS1において質問データを受信すると、質問データの送信元を特定する(ステップS2)。制御部110は、質問データに対応付けられた識別情報を参照することにより、質問データの送信元である受講者端末200を特定する。
【0023】
次に、制御部110は、質問データからキーワードを抽出する(ステップS3)。制御部110は、受講者が文字を入力することで質問を行った場合には、その文字に対して形態素解析を行ってキーワードを抽出し、受講者が音声を入力することで質問を行った場合には、その音声を認識して文字に変換し、変換した文字からキーワードを抽出する。続いて、制御部110は、回答DBを参照し、回答DBのキーワードデータとステップS3において抽出したキーワードとを比較し、抽出したキーワードと一致するキーワードデータがあるか否かを判断する(ステップS4)。
【0024】
抽出したキーワードと一致するキーワードデータがある場合(ステップS4:YES)、制御部110は、当該キーワードデータに対応する回答データ及びレベルデータを取得する(ステップS5)。そして、制御部110は、質問データと、回答DBから取得した回答データ及びレベルデータとが示す内容を情報出力部140に表示させる(ステップS6)。このとき、講義者は、表示された質問や回答を確認し、必要に応じて、回答の内容を変更(修正)してもよい。
【0025】
一方、抽出したキーワードと一致するキーワードデータがない場合や、キーワードが抽出できない場合には(ステップS4:NO)、制御部110は、質問データが示す内容を情報出力部140に表示させる(ステップS7)。この場合には、対応する適当な回答が回答DBに用意されていないため、講義者は、自ら質問の内容を確認し、回答とそのレベルとを入力する。すなわち、このとき制御部110は、講義者により入力された回答とそのレベルとをデータとして取得する(ステップS8)。このようにして、質問に対する回答とそのレベルが得られたら、制御部110は、そのレベルの高低を判断する(ステップS9)。すなわち、制御部110は、回答をレベルにより分類する。
【0026】
ここで、レベルが「高」である場合(ステップS9:YES)、制御部110は、ログイン中であるすべての受講者端末200に対して質問データ及び回答データを送信する(ステップS10)。一方、レベルが「低」である場合(ステップS9:NO)、制御部110は、送信元である受講者端末200(すなわち、ステップS2において特定した受講者端末200)のみに対して回答データを送信する(ステップS11)。
【0027】
講義者端末100において実行される処理は、以上のとおりである。受講者端末200は、このようにして送信された回答データを受信すると、適当なタイミングで回答を再生する。
受講者端末200は、講義の再生を行いながら回答を再生する。例えば、講義と回答とがともに画像として表示される場合、受講者端末200は、表示する画像を複数の領域に分割し、その一つの領域に講義の画像を表示し、別の領域に回答の画像を表示する。なお、講義と回答とがともに音声として放音される場合には、これらが同時に再生されては受講者による聴取を阻害するおそれがあるため、講義の音量を低下させたり、あるいは講義の音声を一時停止させるなどの態様で再生を行ってもよい。また、受講者端末200は、回答データと共に質問データを受信した場合には、質問をあわせて再生する。
【0028】
このように、本実施形態のネットワーク講義システム10においては、回答に対応付けられたレベルの高低に応じて回答データがグループ分けされ、分類されたグループに応じて回答データの送信の態様が決定される。具体的には、講義者端末100は、回答DBに基づき、回答をレベルが高いもの(グループ)と低いもの(グループ)とに分類し、レベルが高い回答はログイン中のすべての受講者端末200に送信し、レベルが低い回答は質問の送信元の受講者端末200のみに送信する。
【0029】
レベルが高い回答とは、上述したように、難易度や重要度が高い回答である。すなわち、レベルが高い回答は、レベルが低い回答に比べ、より多くの受講者が疑問に感じたり、知らないと不利益を生じたりする内容である可能性が高いといえる。よって、かかる回答を全受講者に送信することにより、受講者の講義の理解を促進させることが可能となるとともに、講義者においては、その後に同様の質問を繰り返されることを抑制することが可能となる。一方、レベルが低い回答は、確認する機会を逸しても不利益を生じるおそれが少ないといえるため、かかる回答については送信元、すなわち質問者のみに送信することによって、かかる回答を他の受講者が確認せずに済ませることが可能である。
【0030】
また、本実施形態の講義者端末100は、回答DBを用いることにより、あらかじめ回答が用意された質問については講義者が入力等することなく回答を行うことが可能であるため、講義者の負荷を軽減させることができる。加えて、回答の内容をいったん表示させ、講義者の確認を促すことにより、回答DBにより得られた回答が質問に対して不適当である場合に、その不適当な回答を受講者に送信することを防止することが可能となる。
【0031】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限らず、その他の形態でも実施し得る。本発明に対しては、例えば、以下のような変形を適用することが可能である。なお、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
【0032】
(1)変形例1
回答DBは、図3に例示した構造に限らない。また、回答DBの構造に応じて、回答処理の態様も変わり得る。
図6は、回答DBの他の例を示す図である。本例の回答DBは、まず、関連度データを含む点が図3の回答DBと異なる。また、本例のキーワードデータは、上述した実施形態のキーワードデータと異なり、各々が1語のキーワードに対応している。関連度データは、各々のキーワードデータに対応し、そのキーワードデータが表すキーワードと対応する回答データとの関連の度合いを示す数値のデータであり、ここでは、その数値が大きいほど関連の度合いが高いとする。加えて、本例の回答DBは、1の回答データに対して1又は複数のキーワードデータが対応付けられている。
【0033】
図7は、本例における回答処理を示すフローチャートである。同図に示す処理は、図5に示すステップS4に代わる処理である。なお、本例の回答処理は、その他のステップについては図5に示したものと同様である。また、ここにおいて、ステップS3において抽出されたキーワードを「k(i)」と表記する。ここにおける「i」は、ステップS3において抽出されたキーワードに対して一意的に割り当てられた値を表しており、1以上の整数である。例えば、k(1)であれば、1番目に抽出されたキーワードであり、k(2)であれば、2番目に抽出されたキーワードである。ここでは、ステップS3において抽出されたキーワードの総数を「n」であるとして説明を行う。
【0034】
制御部110は、ステップS3において抽出したキーワードk(i)について、その関連度を特定する(ステップS41)。制御部110は、回答DBを参照し、キーワードk(i)に一致するキーワードデータがあれば、そのキーワードデータに対応付けられた関連度データを関連度の値として用い、キーワードk(i)に一致するキーワードデータがなければ、関連度の値を「0」とする。制御部110は、このような関連度の値を、各々のキーワードk(i)について回答データ毎に特定する。以下では、この関連度の値を「r(i,j)」と表記する。ここにおける「j」は、回答データに対して一意的に割り当てられた値を表しており、1以上の整数である。ここでは、回答データの総数を「N」であるとして説明を行う。
【0035】
続いて、制御部110は、「i」が「n」であるか否かを判断する(ステップS42)。すなわち、制御部110は、ステップS3において抽出したキーワードk(i)のすべてについて関連度r(i,j)を特定したか否かを判断する。制御部110は、「i」が「n」でなければ(ステップS42:NO)、「i」の値をインクリメント、すなわち「1」増加させ(ステップS43)、新たなキーワードについてステップS41の処理を行う。
【0036】
また、制御部110は、「i」が「n」であれば(ステップS42:YES)、関連度r(i,j)を「i」について積算する(ステップS44)。すなわち、制御部110は、「i」が1でなければ、r(1,j)+r(2,j)+…+r(n,j)というように関連度r(i,j)を積算する。以下では、このとき算出される積算値を「R(j)」と表記する。積算値R(j)は、1番目の回答データについてはR(1)、N番目の回答データについてはR(N)、というように、総数が「N」である回答データのそれぞれについて得られる値である。
【0037】
制御部110は、積算値R(j)を算出したら、この積算値R(j)の大小を比較し、その値が最大であるものを特定する(ステップS45)。以下では、このとき特定される積算値を「Rmax」と表記する。続いて、制御部110は、積算値Rmaxが所定の閾値(「Th」とする。)以上であるか否かを判断し(ステップS46)、積算値Rmaxが所定の閾値以上であれば、この積算値Rmaxに対応する回答データをステップS5において取得する。一方、制御部110は、積算値Rmaxが所定の閾値未満であれば、受信した質問データに対応する回答データが回答DBに存在しないとみなし、ステップS7の処理を行う。
【0038】
このように、積算された関連度の比較によって回答データを特定すると、回答DBから得られる回答の信頼性を向上させることが可能である。また、積算値Rmaxが所定の閾値に満たない場合に適当な回答データが存在しないとみなすことにより、取得した質問の内容にそぐわない回答がなされることを抑制することが可能である。
なお、制御部110は、例えばステップS6において、積算値Rmaxを講義者に報知するようにしてもよい。
【0039】
(2)変形例2
本発明において、回答の分類は、2段階に限らず、3段階以上であってもよい。本発明に係る通信装置(講義者端末)は、受講者を3段階以上のレベルや3種類以上のグループに分類可能である場合には、その分類の態様に応じて回答を送信するよう制御を行ってもよい。例えば、受講者をその理解度や修得度に応じて「高」、「低」及びこれらの中間である「中」の3段階に分類できる場合において、難易度として「中」程度のレベルの質問が送信された場合には、質問者に加え、「中」及び「低」に分類される受講者に対して回答を送信するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明において、回答の分類は、回答DBを用いずに講義者が直接行うものであってもよいし、講義者が確認を行うことなく、回答DBのみが用いられるものであってもよい。さらに、回答を分類するためのデータは、回答を分類可能なものであれば、上述した回答DBに限らない。
なお、回答の分類に際しては、その前に質問を分類し、質問の分類結果に応じて回答の分類(グループ)が決定されるようにしてもよい。この場合、質問を分類することは、回答を分類することと同質のことである。
【0041】
(3)変形例3
本発明において、回答の分類に用いる基準は、上述したキーワードやそのレベルに限らない。例えば、本発明に係る通信装置は、上述した識別情報により質問者を識別し、質問者に応じて回答を分類してもよい。これは、全体に有益な質問を行った質問者の識別情報を記録するなどし、過去に有益な質問を行った質問者が再度質問を行った場合には、その質問も全体に有益であると推定し、対応する回答をその他の受講者にも送信する、といった具合で実現される。
【0042】
また、同種の質問が行われた回数、すなわち同種の回答が行われた回数を基準に回答を分類してもよい。これは、多くの受講者が質問することは、その他の受講者も疑問に感じている可能性が高いからである。かかる分類を行う場合、本発明に係る通信装置は、回答の送信回数を回答毎に記憶する手段を設け、送信回数が所定の閾値を上回ったり、あるいは、送信回数が他の回答よりも相対的に多くなった回答については全員に送信し、そうでない回答については質問者のみに送信するような構成としてもよい。
【0043】
(4)変形例4
本発明において、質問に回答する者、すなわち回答者は、講義者に限らない。例えば、講義者と別の者(助手等)を回答者としてもよい。この場合、講義を再生するための構成と回答を行うための構成とは、それぞれ相異なる通信装置に設けられていてもよい。また、過去に質問を行った質問者を記録している場合には、過去に有益な質問を多く行った質問者を回答者とするようにしてもよい。
【0044】
(5)変形例5
本発明に係る通信装置(受講者端末)は、回答が再生される場合に、講義の視聴を妨げぬよう、講義の再生を一時停止するのが望ましい。また、本発明に係る通信装置は、かかる一時停止に代えて、講義の再生速度を遅延させてもよい。このようにすれば、回答を再生する場合において、講義の視聴が阻害されるのを抑制することが可能となる。
【0045】
なお、複数の受講者が同時に講義を視聴する場合において、回答を視聴する受講者とそうでない受講者とが混在すると、上述のように一時停止や遅延を行った後に講義の再生が同時でなくなる。すなわち、回答を視聴した端末においては、回答を視聴していない端末よりも講義の再生が遅れることになる。そこで、このような場合には、回答の再生が終了し、一時停止又は遅延が解除された後に、回答を視聴した端末における講義の再生速度を所定期間増加させ、講義を早送りで再生するとよい。このようにすれば、早送り期間が終了した後に、講義の再生を他の端末と同時に行うことが可能となる。
【0046】
(6)変形例6
本発明に係る通信装置(講義者端末)は、講義をリアルタイムで放送し、これを複数の受講者が同時に視聴する場合において、短時間に多数の質問が集中するときに、講義の中断を促すよう講義者に通知する構成を備えてもよい。短時間に多数の質問が集中する場合は、多くの受講者が講義を十分に理解できていなかったり、あるいは講義の内容に誤りがあったりする場合であることが多いため、かかる場合を講義者が認識できると、講義の円滑な進行に寄与することができる。なお、講義者への通知は、所定の期間に決められた数以上の質問を受信した場合に、画像や音声などによって行うものであるとよい。
【0047】
(7)変形例7
本発明における講義の態様は、上述した実施形態に限らない。例えば、あらかじめ録画及び録音された講義データを用いるのではなく、実際に講義者が講義を行い、これをリアルタイムに放送する態様(いわゆるライブ)でもよい。また、受講者は、同じ場所で同時に講義を視聴してもよいし、各々が異なる場所で講義を視聴してもよい。なお、複数の受講者が教室等において同時に講義を受講する場合には、講義を再生する手段(表示装置、スピーカなど)と回答を再生する手段とを別体としてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態は、講義において、質問を受け付け、これに回答するものであったが、本発明を適用して実施されるものは、講義のみに限らず、各種の説明や陳述なども含まれる。よって、本発明における「講義」とは、このような講義に類するものを包含する概念とみなすことができる。また、ここでいう「講義」は、上述した実施形態からも明らかなように、一方(講義者)から他方(受講者)への一方向の情報伝達にとどまらず、双方向の情報伝達を行い得るものである。
【0049】
さらに、本発明は、「質問」や「回答」に限らず、質問に類するものを行い、これを要求として当該要求に応答する態様において、上述した実施形態と同様の要領で適用可能である。例えば、上述の質問に代えて講義者への意見等を行い、講義者がこの意見に返答するような態様において本発明が適用されてもよい。すなわち、これらの「質問」や「意見」は、本発明における「要求」の一例に相当するものであり、「回答」や「返答」は、本発明における「応答」の一例に相当するものである。
【0050】
(8)変形例8
上述した実施形態において、講義者端末100の制御部110によって実行されるプログラムは、磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等のネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図
【図2】講義者端末の構成を示すブロック図
【図3】回答DBとして記述されたデータを例示する図
【図4】受講者端末の構成を示すブロック図
【図5】講義者端末が実行する回答処理を示すフローチャート
【図6】回答DBとして記述されたデータを例示する図
【図7】講義者端末が実行する回答処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0052】
10…ネットワーク講義システム、100…講義者端末、200…受講者端末、300…ネットワーク、110…制御部、120…通信部、130…情報入力部、140…情報出力部、150…記憶部、210…制御部、220…通信部、230…情報入力部、240…情報出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が通信手段を介して通信可能である複数の端末と、前記通信手段を介して前記複数の端末と通信可能である通信装置とを有する通信システムであって、
前記通信装置は、
前記複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された要求に対応する応答を取得する応答取得手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、
前記端末は、
要求を前記通信装置に送信する要求送信手段と、
前記応答送信手段により送信された応答を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段により受信された応答を再生する応答再生手段とを備え、
前記応答送信手段は、
送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、
送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された要求に対する応答を取得する応答取得手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、
前記応答送信手段は、
送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、
送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記要求は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、
前記第1又は第2のグループのいずれかに対応付けられる文字列であるキーワードを取得するキーワード取得手段を備え、
前記分類手段は、
前記要求受信手段により受信された要求と前記キーワード取得手段により取得されたキーワードとの比較結果に基づいて対応する応答を分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
送信元である端末を識別する識別手段を備え、
前記分類手段は、
前記応答取得手段により取得された応答を前記識別手段による識別結果に応じて分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記応答送信手段が前記第1のグループに分類された応答を前記端末に送信する場合に、当該応答を再生するタイミングを示す情報を当該端末に送信する情報送信手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記応答送信手段が応答を送信した回数を記憶する記憶手段であって、同一の応答の送信回数を応答毎に記憶する記憶手段を備え、
前記分類手段は、
前記記憶手段に記憶された送信回数がある基準より多い応答を前記第1のグループに分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、
前記講義再生手段は、
自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を遅延させ、又は、一時停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、
前記講義再生手段は、
自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を一時停止させ、
講義の再生の一時停止を解除した後に、講義を早送りで再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項1】
各々が通信手段を介して通信可能である複数の端末と、前記通信手段を介して前記複数の端末と通信可能である通信装置とを有する通信システムであって、
前記通信装置は、
前記複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された要求に対応する応答を取得する応答取得手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、
前記端末は、
要求を前記通信装置に送信する要求送信手段と、
前記応答送信手段により送信された応答を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段により受信された応答を再生する応答再生手段とを備え、
前記応答送信手段は、
送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、
送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
複数の端末のうちのある端末を送信元として要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された要求に対する応答を取得する応答取得手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を第1又は第2のグループに分類する分類手段と、
前記応答取得手段により取得された応答を前記分類手段による分類結果に応じて前記端末に送信する応答送信手段とを備え、
前記応答送信手段は、
送信する応答が前記第1のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元でない端末を含む複数の前記端末に当該応答を送信し、
送信する応答が前記第2のグループに分類されたものである場合に、対応する要求の送信元である前記端末に当該応答を送信する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記要求は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、
前記第1又は第2のグループのいずれかに対応付けられる文字列であるキーワードを取得するキーワード取得手段を備え、
前記分類手段は、
前記要求受信手段により受信された要求と前記キーワード取得手段により取得されたキーワードとの比較結果に基づいて対応する応答を分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
送信元である端末を識別する識別手段を備え、
前記分類手段は、
前記応答取得手段により取得された応答を前記識別手段による識別結果に応じて分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記応答送信手段が前記第1のグループに分類された応答を前記端末に送信する場合に、当該応答を再生するタイミングを示す情報を当該端末に送信する情報送信手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記応答送信手段が応答を送信した回数を記憶する記憶手段であって、同一の応答の送信回数を応答毎に記憶する記憶手段を備え、
前記分類手段は、
前記記憶手段に記憶された送信回数がある基準より多い応答を前記第1のグループに分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、
前記講義再生手段は、
自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を遅延させ、又は、一時停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記端末は、講義を再生する講義再生手段を備え、
前記講義再生手段は、
自端末の前記応答再生手段により応答が再生される場合に、講義の再生を一時停止させ、
講義の再生の一時停止を解除した後に、講義を早送りで再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−217151(P2009−217151A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62798(P2008−62798)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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