説明

通信システム

【課題】2つの携帯端末間で、リアルタイムで大容量動画像データ及び音声信号データを送受信することを可能とする映像・音声送受信用アダプタを提供する。
【解決手段】第1の映像・音声送受信用アダプタは、発信側移動端末から受信した大容量動画像データ及び音声データ信号をアナログ−ディジタル変換、圧縮等して、第1の無線通信モジュールに送り、第1の無線通信モジュールは、受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を符号化し、変調し、パケット化して、次世代高速無線通信回線及びネットワークを介してリアルタイムで第2の無線通信モジュールに送信し、第2の無線通信モジュールは、受信した大容量動画像データ及び音声データ信号を復調し、復号化して、第2の映像・音声送受信用アダプタに送り、第2の映像・音声送受信用アダプタは、受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を平分化し、伸張等して宛先移動端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信モジュールを挿入して通信機能を具備することにより、次世代高速無線通信回線及びインターネット等のネットワークを介して、移動端末間で音声及び動画像のデータ信号を送受信することを可能とする映像・音声送受信用アダプタを使用して大容量動画像データ及び音声データ信号をリアルタイムで送受信するようにした通信システムに関し、具体的には、送信側の携帯用ビデオカメラ等の移動端末に接続すると共に、受信側の携帯用テレビ等の移動端末に接続し、送信側の移動端末間と受信側の移動端末間でインターネット等のネットワークを介して大容量の画像及び音声データ信号の送受信を可能とする映像・音声送受信用アダプタを使用して大容量動画像データ及び音声データ信号をリアルタイムで送受信するようにした通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第5図は、高速通信回線及びインターネット等のネットワークを介した大容量動画像及び音声データからなるデータ信号を送受信するための従来のシステム100を示す図である。ユーザは、携帯用ビデオカメラ102を使用して、例えば、運動会の動画像等を録画する。ユーザは、携帯用ビデオカメラ102を自宅に持ち帰り、録画した大容量動画像及び音声データを送信するために、携帯用ビデオカメラ102を専用のインターフェイス機器104に接続する。インターフェイス機器104は、一般に、パーソナルコンピュータ、動画・音声インターフェイス(キャプチャボード等)、動画フォーマット変換S/W又はH/Wからなる。インターフェイス機器104は、大容量動画像及び音声データにプリエンファシス(高域強調)等の処理を施した上で、大容量動画像及び音声データをアナログデータからディジタルデータに変換し、圧縮処理を行い、符号化し、符号化し、変調し、パケット化して、高速通信回線106、インターネット等のネットワーク108、高速通信回線110を介して、宛先のインターフェイス機器112に送る。インターフェイス機器112は、受信したデータ信号を復調し、復号化し、復号化し、伸張して、ディジタルデータをアナログデータに変換した上で、ディエンファシスし、宛先の携帯用テレビ114に送る。
【0003】
上記の動作を実行するためには、インターフェイス機器104は、アナログデータをAVI(Audio Video Interleaving)/MPEG(Moving Picture Expert Group)/WMV(Windows(登録商標) Media Video)/SFW/DIVXなどの形式に圧縮処理を行い、符号化したデータをADSLや光回線等の高速通信回線を介してインターネットにアップロードしなければならない。宛先側のインターフェイス機器112は、アップロードされたデータをADSLや光回線等の高速通信回線を介してダウンロードし、携帯用テレビ114で取り扱い可能なアナログデータにデコードしなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターフェイス機器104がアナログデータをAVIフォーマットのディジタルデータに変換し、動画像データをMPEG-4を使用したDVIXコーデックによって圧縮し、WMVによってMPEG-4で圧縮したデータをエンコードするためには、動画・音声インターフェイス(キャプチャボードなど)、動画圧縮および符号化用S/WまたはH/Wを備えたパーソナルコンピュータなどで構成されたインターフェース機器を用意する必要がある。また、エンコードしたデータをADSLや光回線等の高速通信回線を介してインターネットにアップロードするためには、インターフェイス機器104は、ADSLや光回線等が利用可能な場所に位置しなければならない。同様に、アップロードされたデータをADSLや光回線等の高速通信回線を介してダウンロードするためには、インターフェイス機器112は、ADSLや光回線等が利用可能な場所に位置しなければならない。さらに、携帯用テレビ114で取り扱い可能なアナログデータにデコードするためには、上記したように動画・音声インターフェイス(キャプチャボードなど)、動画圧縮および符号化用S/WまたはH/Wを備えたパーソナルコンピュータなどで構成されたインターフェース機器を用意しなければならない。
【0005】
パーソナルコンピュータなどに動画・音声インターフェース(キャプチャーボードなど)を接続し、動画圧縮および符号化用S/WをインストールまたはH/Wを接続し、かつ高速通信回線と接続し、インターフェース機器として利用可能な状態にするためには、複雑な設定操作が必要となり、専門家あるいはマニアのみが実行可能である。また、都市部から遠く離れた地方では、ADSLや光回線等の高速通信回線が利用可能ではないことが多い。さらに、一般に、インターフェイス機器104及び112は、電源を必要とし、大型で移動が困難であることが多く、インターフェイス機器104及び112は、高価である。従って、電源や高速通信回線への接続が困難な場所、例えば校庭や広場などで開催される運動会の会場においては、録画した大容量動画像及び音声データを、その場でリアルタイムに送信することも困難であり、よって、例えば、運動会の内容を撮影した画像を携帯用ビデオカメラ102で再生した映像と音声をネットワーク108を介してリアルタイムに視聴することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的達成のため、本願発明に従った通信システムは、発信側移動端末と宛先移動端末との間でインターネット等のネットワークを介して大容量動画像データ及び音声データ信号をリアルタイムで送受信する通信システムであって、発信側移動端末に着脱可能且つ発信側移動端末と通信可能に接続された第1の映像・音声送受信用アダプタと、第1の映像・音声送受信用アダプタに着脱可能挿入され、第1の映像・音声送受信用アダプタと電気的に接続される第1の無線通信モジュールと、宛先移動端末に着脱可能且つ宛先移動端末と通信可能に接続された第2の映像・音声送受信用アダプタと、第2の映像・音声送受信用アダプタに着脱可能挿入され、第2の映像・音声送受信用アダプタと電気的に接続される第2の無線通信モジュールとを含み、第1の映像・音声送受信用アダプタは、発信側移動端末から受信した大容量動画像データ及び音声データ信号をアナログ-ディジタル変換し、圧縮し、符号化して、第1の無線通信モジュールに送り、第1の無線通信モジュールは、第1の映像・音声送受信用アダプタから受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を符号化し、変調し、パケット化して、次世代高速無線通信回線およびネットワークを介してリアルタイムで第2の無線通信モジュールに送信し、第2の無線通信モジュールは、受信した大容量動画像データ及び音声データ信号を復調し、復号化して、第2の映像・音声送受信用アダプタに送り、第2の映像・音声送受信用アダプタは、第2の無線通信モジュールから受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を復号化し、伸張し、ディジタル-アナログ変換して、宛先移動端末に送信する通信システムである。
【0007】
上記の構成により、本発明の映像・音声送受信用アダプタ単体でエンコード及びデコードを実現することが可能となる。また、携帯端末が、ADSLや光回線等が利用可能な場所に位置するか否かに関わらず、どこに位置していてもリアルタイムで大容量動画像データ及び音声信号データをアップロード及びダウンロードすることが可能である。
【実施例】
【0008】
本発明は、無線通信モジュールを挿入して通信機能を具備することにより、次世代高速無線通信回線及びインターネット等のネットワークを介して、移動端末間で音声及び動画像のデータ信号を送受信することを可能とする映像・音声送受信用アダプタに関する。
【0009】
第1図は、本発明の無線通信システム200を示す図である。携帯用ビデオカメラ102には、本発明の映像・音声受信用アダプタ202が接続されている。映像・音声送受信用アダプタ202は、大容量動画像及び音声データにプリエンファシス等の処理を施した上で、大容量動画像及び音声データをアナログデータからディジタルデータに変換し、圧縮処理を行い、符号化を行う集積回路を具備している。また、映像・音声送受信用アダプタ202には、無線通信モジュール204が挿入されている。無線通信モジュール204は、プリエンファシス等の処理、アナログ-ディジタル変換し、圧縮処理、符号化処理を施した大容量動画像及び音声データを映像・音声送受信用アダプタから受け取る。無線通信モジュール204は、受取った大容量動画像及び音声データを符号化し、変調し、パケット化する集積回路と、送受信用のアンテナ等を具備している。
【0010】
映像・音声送受信用アダプタ202に挿入された無線通信モジュール204は、次世代高速無線通信回線206を介してパケット化された大容量動画像及び音声データをインターネット等のネットワーク108にリアルタイムで送信する。
【0011】
宛先の携帯用テレビ114は、映像・音声送受信用アダプタ210に接続されており、映像・音声送受信用アダプタ210には、無線通信モジュール212が挿入されている。無線通信モジュール212は、受信した大容量動画像及び音声データを復調し、復号化する集積回路を具備している。映像・音声送受信用アダプタ210は、復号化された大容量動画像及び音声データを復号化し、伸張して、ディジタル-アナログ変換した上で、ディエンファシス処理を施す集積回路を具備している。映像・音声送受信用アダプタ202及び210は、同一の構成のものである。従って、映像・音声送受信用アダプタ202及び210は、共に、大容量動画像及び音声データにプリエンファシス等の処理を施した上で、大容量動画像及び音声データをアナログデータからディジタルデータに変換し、圧縮処理を行い、暗号化を行う集積回路と、復号化された大容量動画像及び音声データを復号化し、伸張して、ディジタル-アナログ変換した上で、ディエンファシス処理を施す集積回路とを備えている。また、無線通信モジュール204及び212は、同一の構成のものである。従って、無線通信モジュール204及び212は、共に、受取った大容量動画像及び音声データを符号化し、変調し、パケット化する集積回路と、受信した大容量動画像及び音声データを復調し、復号化する集積回路と、送受信用アンテナとを備えている。
【0012】
インターネット等のネットワーク108に送られたパケット化された大容量動画像及び音声データは、次世代高速無線通信回線208を介して宛先の無線通信モジュール212に送信される。無線通信モジュール212は、受信した大容量動画像及び音声データを復調し、復号化して、映像・音声送受信用アダプタ210に送る。映像・音声送受信用アダプタ210は、復号化された大容量動画像及び音声データを平分化し、伸張して、ディジタル-アナログ変換した上で、ディエンファシス処理を施して、携帯用テレビ114に送る。
【0013】
第2図は、無線通信モジュール204の外観を示す図であり、この無線通信モジュール204には、例えば音声PIN、制御用PIN、電界強度PIN、電源用PIN、I/F切換PINなどを備え、これら各PINに制御用コマンドが入出力されることによって、映像、音声の各信号の送受信が行われる。なお、無線通信モジュール212も同様の構成である。以下、無線通信モジュール204を例として説明する。
【0014】
第3図は、本発明の通信システムで送受信される大容量動画像及び音声データのフレーム構造を示す図である。送受信される大容量動画像及び音声データは、スタートビット402とストップビット404と、スタートビット402とストップビット404との間にあるデータ部406とからなる。データ部406は、音声部分408と、画像部分410と、例えば電界強度等の情報を乗せた部分412とからなる。
【0015】
第4図は、無線通信モジュール204の機能ブロック図である。無線通信モジュール(W−SIM)は、従来の移動通信端末から無線通信部分を取り除いた機器(例えば、PCMコーデック、制御部、マイク、スピーカ、入力装置、ディスプレイ、バッテリ等を具備し、必要なソフトウェア等が実装された機器)であって、当該無線通信モジュール204に対応した機器(ジャケット又はベースユニット)の対応するスロットに挿入して使用される。コンパクトな無線通信モジュールを活用することにより、通信機器を開発するメーカーは無線通信に関わる部分の開発の負担から解放され、ソフトウェア等の開発に専念することができ、開発期間を短縮し機器(ジャケット)の高機能化に注力することが可能となる。
【0016】
無線通信モジュール204は、制御部502と、アンテナ504と、アンテナ504での送受信信号の切換えをするアンテナスイッチ506と、送信部508と、受信部510と、変調部512と、復調部514と、多元接続符号化部516と、多元接続復号化部518と、ADPCM(adaptive differential pulse code modulation)トランスコーダ520と、フラッシュメモリ522と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)524と、電源526からなる。
【0017】
映像・音声送受信用アダプタ202と無線通信モジュール204とは、インターフェイス部528を介して接続されている。インターフェイス部528は、18個のピン(信号線)からなる。そのうちの7個のピンは、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)シリアルインターフェイスとして、制御用データ及びデータ通信時のデータのやり取りの為に、 送信シリアルデータ(TXD)、 受信シリアルデータ(RXD)、送信データレディ(RTS)、送信レディ(CTS)、受信レディ(DTR)、データキャリア検出(DCD)、リングインジケータ(RI)用に使用される。他の4個のピンは、PCMクロック信号(PCMCLK)、PCM同期信号(PCMSYNC)、PCM入力信号(PCMIN)、及びPCM出力信号(PCMOUT)等の音声用の各信号のやり取りのために使用される。他の1個のピンは、検出信号(INS)を使用して無線通信モジュールの挿入を認識する為に使用される。他の3つのピンは、無線通信モジュールへの電源の供給およびアース用として、電源(Vcc)、グラウンド(GND)の2つの信号用に使用される。残りの3個のピンは、電界強度用の各信号の送受信のために、映像・音声送受信用アダプタ202のLCD及びLED等の外部表示デバイスに電界強度表示(アンテナ表示)を行う為に使用され、インターフェイス通知用の信号(IF_SEL)は、現状UARTで使用しているピンをUART以外の別のデータ転送方式でも使えるようにした場合に、UARTなのか、別方式なのかの確認のために使用される。
【0018】
フラッシュメモリ522は、宛先アドレスが格納されたアドレステーブルを持っている。映像・音声送受信用アダプタ202の図示しない制御部からのトリガ信号を受信すると、制御部502は、フラッシュメモリ522のアドレステーブルを検索する。制御部502は、フラッシュメモリ522のアドレステーブルから宛先アドレスを取得し、多元接続符号化部516に送出する。
【0019】
多元接続(multiple access)符号化部516は、移動体通信において基本単位となっている通信エリアであるセル内の複数の携帯用ビデオカメラ102等の携帯端末が基地局に向けてデータを送信する際に、携帯端末から基地局に向かうアップリンクで無線通信を行う環境下で効率良く多重化し通信を行うための符号化を行う。多元接続符号化部516は、タイムスロットを使用してデータを多重化する時分割多元接続(Time Divisional Multiple Access)や、周波数分割多重(Frequency Divisional Multiple Access)や、符号分割多重(Code Divisional Multiple Access)や、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Divisional Multipleing)方式でデータ信号を符号化してもよい。
【0020】
多元接続符号化部516によって符号化されたデータは、変調部512において周知の変調方式によって変調され、送信部508の図示しないバンドパスフィルタによって1.9GHz帯の変調波に変換され、アンテナスイッチ506及びアンテナ504を介してインターネット等のネットワーク108へと無線伝送される。
【0021】
映像・音声送受信用アダプタ202は、大容量動画像データ及び音声データ信号に映像・音声送受信用アダプタ202の位置情報を含めて送信することも可能である。無線通信モジュール204の制御部502は、アンテナ504から大容量動画像データ及ぶ音声データ信号と位置情報信号とを送信するように無線通信モジュール204を制御する。位置情報は、所定の時間的間隔で該無線通信モジュール204がそれらのカバレッジ内に位置する少なくとも3つの基地局から取得することが可能である。具体的には、それぞれの基地局は、その経度緯度情報等の位置情報を保持しており、その少なくとも3つの基地局からの距離を求めることが可能であれば、三角測量法類似の方法により映像・音声送受信用アダプタ202の位置を特定することが可能である。少なくとも3つの基地局からの距離は、映像・音声送受信用アダプタ202が受信する電波の電界強度を検出することで求めることが可能である。
【0022】
携帯用ビデオカメラ102から映像・音声送受信用アダプタ202に送られた音声データ及び動画像データは、AVI(Audio Video Interleaving)/MPEG(Moving Picture Expert Group)/WMV(Windows(登録商標) Media Video)/SFW/DIVXなどの形式に圧縮符号化される。その後、映像・音声送受信用アダプタ202に送られた動画像データは、図示しないバンドパスフィルタによってフィルタリングされ、TXD、RXD、RTS、CTS、DTR、DCD、RI用に使用されるインターフェイス部528の7個のピンを介して、無線通信モジュール204の制御部502に送られる。
【0023】
ADPCMトランスコーダ520の音声データからの誤差データは、多元接続符号化部516に送られる。また、映像・音声送受信用アダプタ202で圧縮符号化された画像データも、制御部502から多元接続符号化部516に送られる。多元接続符号化部では、図示しない結合手段が、音声データと画像データとを組み合わせたデータフレーム400を生成する。音声信号と画像信号との同期は、スタートビット402とストップビット404とを使用して周知の方法によりとることが可能である。
【0024】
多元接続符号化部516によって符号化されたデータは、変調部512において周知の変調方式によって変調され、送信部508、アンテナスイッチ506及びアンテナ504を介してネットワーク108へと無線伝送される。変調方式は、振幅変調(Amplitude Shift Keying(ASK))であっても、周波数変調(Frequency Shift Keying(FSK))であっても、位相変調(BPSK、QPSK、8PSK等)であっても、QAMであってもよい。
【0025】
一方、ネットワーク108から送信された大容量動画像データ及び音声データ信号は、アンテナ504で受信され、アンテナスイッチ504を介して受信部510に送られる。受信信号は、受信部510において増幅及びバンドパスフィルタリングされ、復調部514でベースバンド信号に復調された後、復号化部518でADPCM音声信号あるいはディジタル動画像データ信号に復号される。ADPCM音声信号は、ADPCMトランスコーダ520に送られ、PCM音声信号に変換される。PCM音声信号は、インターフェイス部528の音声信号用のピンを介して映像・音声送受信用アダプタ202に送られ、アナログ信号に変換されて、携帯用テレビ114又は携帯用ビデオカメラ102を介して出力される。一方、復号化部518から制御部502に送られた動画像等のデータ信号は、インターフェイス部528のUART用のピンを介して映像・音声送受信用アダプタ202に送られ、ユーザの要求に応じて携帯用テレビ114又は携帯用ビデオカメラ102のディスプレイを介して表示される。
【0026】
映像・音声送受信用アダプタ202と図示しない基地局との間の通信は、第3世代(3GPP(third generation partnership project))規格に準拠したネットワークを介して行われてもよく、3.5G(いわゆる、beyond3G)規格に準拠したHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)ネットワークを介して行われてもよい。可変拡散率直交周波数符号分割多重(VSF-OFCDM(Variable Spreading Factor - Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing))方式を用いた4G規格に準拠したネットワークを介して行われてもよい。
【0027】
さらに、本実施例の映像・音声送受信用アダプタ202においては、無線通信モジュール204が映像・音声送受信用アダプタ202に挿入されているか否かを確認できる機能が提供される。具体的には、インターフェイス部528の18個のピンのうちの1本「INS」を、挿抜確認用の信号線として使用する。映像・音声送受信用アダプタ202に無線通信モジュール204が挿入されていない状態における信号線上の電圧と、映像・音声送受信用アダプタ202に無線通信モジュール204が挿入された状態における信号線上の電圧とが異なる値となるように構成することにより、映像・音声送受信用アダプタ202が現在の挿抜の状態を検出できるようにする。検出結果に基づいて、映像・音声送受信用アダプタ202は、LDE等で挿抜の状態に関する表示を行い、無線通信モジュール204が挿入されているか否かをユーザに知らせる。無線通信モジュール204が無線通信モジュール挿入部306内に完全に挿入されて映像・音声送受信用アダプタ202の無線通信モジュール挿入部306が閉じられると、外部からは無線通信モジュール204が挿入されているか否かは視認できない。これにより、無線通信モジュール204が挿入されていなくても、ユーザは無線通信モジュール204の不在にすぐに気づく。
なお、上記実施例は無線通信モジュール204,212を使用するものとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、無線通信モジュール204,212の無線通信機能構成を映像音声送受信用アダプタ202,210の内部に完全に内蔵された形態にしてもよい。
【0028】
[効果]
以上のように、本発明の映像・音声送受信用アダプタ単体で、圧縮、符号化、変調、パケット化、複合化、伸張を含めたアナログーデジタル変換およびデジタルーアナログ変換を実現することが可能となる。また、携帯端末が、ADSLや光回線等が利用可能な場所に位置するか否かに関わらず、どこに位置していてもリアルタイムで大容量動画像データ及び音声信号データをアップロード及びダウンロードすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の無線通信システムを示す図である。
【図2】無線通信モジュールの外観を示す図である。
【図3】本発明の通信システムで送受信される大容量動画像及び音声データのフレーム構造を示す図である。
【図4】無線通信モジュールの機能ブロック図である。
【図5】高速通信回線及びインターネット等のネットワークを介した大容量動画像及び音声データからなるデータ信号を送受信するための従来のシステムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信側移動端末と宛先移動端末との間でインターネット等のネットワークを介して大容量動画像データ及び音声データ信号をリアルタイムで送受信する通信システムであって、
該発信側移動端末に着脱可能且つ該発信側移動端末と通信可能に接続された第1の映像・音声送受信用アダプタと、
該第1の映像・音声送受信用アダプタに着脱可能挿入され、該第1の映像・音声送受信用アダプタと電気的に接続される第1の無線通信モジュールと、
該宛先移動端末に着脱可能且つ該宛先移動端末と通信可能に接続された第2の映像・音声送受信用アダプタと、
該第2の映像・音声送受信用アダプタに着脱可能挿入され、該第2の映像・音声送受信用アダプタと電気的に接続される第2の無線通信モジュールとを含み、
該第1の映像・音声送受信用アダプタは、該発信側移動端末から受信した大容量動画像データ及び音声データ信号をアナログ−ディジタル変換し、圧縮し、符号化して、該第1の無線通信モジュールに送り、該第1の無線通信モジュールは、該第1の映像・音声送受信用アダプタから受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を符号化し、変調し、パケット化して、次世代高速無線通信回線および該ネットワークを介してリアルタイムで該第2の無線通信モジュールに送信し、該第2の無線通信モジュールは、受信した大容量動画像データ及び音声データ信号を復調し、復号化して、該第2の映像・音声送受信用アダプタに送り、該第2の映像・音声送受信用アダプタは、該第2の無線通信モジュールから受け取った大容量動画像データ及び音声データ信号を復号化し、伸張し、ディジタル−アナログ変換して、宛先移動端末に送信する通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−284379(P2009−284379A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136250(P2008−136250)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】