説明

通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム

【課題】ハンドオーバの失敗や不要なハンドオーバの低減および負荷分散効果を図る。
【解決手段】通信制御装置1は、基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となる調整セルについて、基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、基準セルの受信品質を基準とした閾値より基準セルに接続されている端末装置における基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、基準セルの受信品質を基準とした閾値より調整セルに接続されている端末装置における基準セルの受信品質が大きいという条件を設定する条件設定部111と、前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する通信部103−1〜103−Nと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
まず、ハンドオーバについて説明する。
携帯電話の通信規格の一つであるLTE(Long Term Evolution)では、下りリンクのパイロット信号における受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality、もしくは、RSRP:Reference Signal Received Power)(非特許文献1参照。)に基づき端末装置が送信する測定情報(MR情報:Measurement Report 情報)を、基地局装置が受信することを契機として、ハンドオーバ処理が実施される。
【0003】
具体的には、端末装置は、基地局装置が送信する下りリンクのパイロット信号であるCRS(Cell−Specific Reference Signal)を元に下りリンクにおける受信品質を測定し、「測定値が一定閾値より大きくなる」、「測定値が一定閾値より小さくなる」、または「隣接セルの測定値と接続セルの測定値との差が一定閾値より大きくなる」などの所定の条件を満たした場合に、MR情報を接続セルに通知する(非特許文献2参照。)。
これらの条件はMR情報の種類により異なる。
【0004】
ここで、MR情報を送信する条件の一例(7種類の例)を示す。この例は、LTEの仕様である。
この例において、Msは接続セルの受信品質であり、Hysはヒステリシス値であり、Mnは隣接セルの受信品質であり、Ofnは特定の隣接セルに対する周波数に応じたオフセット値であり、Ocnは特定の隣接セルに対するセルに応じたオフセット値であり、Ofsは接続セルに対する周波数に応じたオフセット値であり、Ocsは接続セルに対するセルに応じたオフセット値である。
【0005】
また、a1_Thresholdは(A1 MR)の情報の送信を決定する閾値であり、a2_Thresholdは(A2 MR)の情報の送信を決定する閾値であり、a3_Offsetは隣接セルに対するオフセットであり、a4_Thresholdは(A4 MR)の情報の送信を決定する閾値であり、a5_Threshold1とa5_Threshold2はそれぞれ(A5 MR)の情報の送信を決定する閾値であり、b1_Thresholdは(B1 MR)の情報の送信を決定する閾値であり、b2_Threshold1とb2_Threshold2はそれぞれ(B2 MR)の情報の送信を決定する閾値である。
【0006】
(A1 MR)の条件
Ms−Hys > a1_Threshold ・・(1)
【0007】
(A2 MR)の条件
Ms+Hys < a2_Threshold ・・(2)
【0008】
(A3 MR)の条件
Mn+Ofn+Ocn−Hys > Ms+Ofs+Ocs+a3_Offset
・・(3)
【0009】
(A4 MR)の条件
Mn+Ofn+Ocn−Hys > a4_Threshold ・・(4)
【0010】
(A5 MR)の条件
Ms+Hys < a5_Threshold1 ・・(5)
且つ
Mn+Ofn+Ocn−Hys > a5_Threshold2 ・・(6)
【0011】
(B1 MR)の条件
Mn+Ofn−Hys > b1_Threshold ・・(7)
【0012】
(B2 MR)の条件
Ms+Hys < b2_Threshold1 ・・(8)
且つ
Mn+Ofn−Hys > b2_Threshold2 ・・(9)
【0013】
なお、それぞれのMR情報の送信を決定する閾値などは、各セルから端末装置に通知することができる。また、端末装置から送信されるMR情報には、端末装置が測定した自セルの受信品質情報、他セルの受信品質情報などを付加することができる。
【0014】
次に、セル選択について説明する。
LTEでは、ハンドオーバに失敗したときや、通信が確立していない端末装置(RRC_IDLE状態の端末装置)で接続セルの下りリンクのパイロット信号における受信品質が低下したときなどに、接続すべきセルを選択するセル選択を行う。セル選択は、端末装置において実施され、測定した下りリンクの受信品質に基づく(非特許文献3参照。)。
例えば、端末装置は、常に、下りリンクのパイロット信号における受信品質を検出する。
【0015】
ここで、セル選択において、端末装置が接続セルを選択する条件の一例(1種類の例)を示す。
条件
(Srxlev > 0) 且つ (Squal > 0) ・・(10)
【0016】
ここで、
Srxlev = Qrxlevmeas
− (Qrxlevmin + Qrxlevminoffset)
− Pcompensation
・・(11)
Squal = Qqualmeas
− (Qqualmin + Qqualminoffset)
・・(12)
である。
【0017】
また、Qrxlevmeasは下りリンクのパイロット信号のRSRPであり、Qrxlevminは最低限必要な受信電力であり、QrxlevminoffsetはQrxlevminに対するオフセット値である。
また、Qqualmeasは下りリンクのパイロット信号のRSRQであり、Qqualminは最低限必要な通信品質であり、QqualminoffsetはQqualminに対するオフセット値である。
【0018】
また、Pcompensationは補正値であり、次のように表される。
Pcompensation
= max (P_EMAX_H−P_PowerClass,0)
・・(13)
【0019】
ここで、P_EMAX_Hは上位レイヤから通知される端末装置の最大送信電力であり、P_PowerClassは帯域に基づく端末装置の無線区間における最大送信電力である。
また、max(α,β)は、αとβとで大きい方をとる。
【0020】
なお、Qrxlevmin、Qrxlevminoffset、Qqualmin、Qqualminoffsetなどの設定値は、基地局装置から端末装置に通知することができる。
【0021】
次に、異バンド/異システムのサーチについて説明する。
異バンドサーチでは、例えば、800MHzと1.5GHzのように同一のシステムにおいて異なるバンドがあり、端末装置による通信に使用するバンドを選択する。
異システムサーチでは、例えば、LTEのシステムとCDMA(Code Division Multiple Access)のシステムのように異なるシステムがあり、端末装置による通信に使用するシステムを選択する。
【0022】
LTEでは、基地局装置から端末装置に対し、接続セルが使用している周波数帯(バンド)とは異なるバンドの測定(異バンドサーチ)や、接続セルのシステム(例えば、LTEなど)とは異なるシステムの測定(異システムサーチ)を指示する。端末装置は、これらの指示に従い、異バンドや異システムの受信品質を測定し、MR情報を送信する。
【0023】
ここで、端末装置の消費電力の観点から、異バンドや異システムを常にサーチすることは好ましくなく、一般的には、接続セルとの受信品質が一定値より小さくなったときに異バンドや異システムのサーチを指示する。例えば、基地局装置は、接続セルの受信品質が一定値より小さいことを通知する(A2 MR)情報を端末装置から受信した場合に、当該端末装置に対して、異バンドサーチもしくは異システムサーチを指示する。端末装置は、このような指示を受信したことに応じて、異バンドサーチもしくは異システムサーチを実施する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】3GPP TS36.214, v9.2.0.2010−06.
【非特許文献2】3GPP TS36.331, v9.3.0.2010−06.
【非特許文献3】3GPP TS36.304, v9.3.0.2010−06.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
ハンドオーバの失敗や不要なハンドオーバの低減、もしくは負荷分散効果を目指し、MR情報の送信条件の閾値を調整することが検討されているが、これらを同時に満たす具体的な方法の検討は行われていなかった。
【0026】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ハンドオーバの失敗や不要なハンドオーバの低減、および負荷分散効果を図ることができる通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
(1)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御装置は、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定する条件設定部と、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する通信部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
(2)本発明に係る通信制御装置は、上記した(1)に記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さく、且つ、前記基準セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0029】
(3)本発明に係る通信制御装置は、上記した(1)または上記した(2)に記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0030】
(4)本発明に係る通信制御装置は、上記した(1)から上記した(3)のいずれか1つに記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さく、且つ、前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が最低限の通信を許容する隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0031】
(5)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御装置は、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定する条件設定部と、前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信する通信部と、を備えたことを特徴とする。
【0032】
(6)本発明に係る通信制御装置は、上記した(5)に記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さく、且つ、前記基準セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0033】
(7)本発明に係る通信制御装置は、上記した(5)または上記した(6)に記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0034】
(8)本発明に係る通信制御装置は、上記した(5)から上記した(7)のいずれか1つに記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さく、且つ、前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が最低限の通信を許容する隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、ことを特徴とする。
【0035】
(9)本発明に係る通信制御装置は、上記した(1)から上記した(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、セル選択の条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値を前記基準セルにおけるセル選択の閾値とする条件を設定し、前記通信部は、前記条件設定部により設定したセル選択の条件を端末装置に設定するための情報を送信する、ことを特徴とする。
【0036】
(10)本発明に係る通信制御装置は、上記した(1)から上記した(9)のいずれか1つに記載の通信制御装置において、前記条件設定部は、さらに、異バンドサーチと異システムサーチのうちの一方または両方に関して、前記基準セルに接続している端末装置における基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値に一定値を加算したものより前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記通信部は、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する、ことを特徴とする。
【0037】
(11)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御方法は、通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定し、前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する、ことを特徴とする。
【0038】
(12)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御方法は、通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定し、前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信する、ことを特徴とする。
【0039】
(13)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御プログラムは、通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定するステップと、前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0040】
(14)上記の課題を解決するために、本発明に係る通信制御プログラムは、通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定するステップと、前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、ハンドオーバの失敗や不要なハンドオーバの低減、および負荷分散効果を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信制御装置のハンドオーバ制御に関する構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0044】
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る無線通信システムは、通信制御装置(集中制御装置)1と、複数(N個)のセル装置2−1〜2−Nと、複数(M個)の端末装置3−1〜3−Mと、を備える。
また、図1には、各セル装置2−1〜2−Nのセル(通信エリア)11−1〜11−Nを示してある。
【0045】
ここで、本実施形態では、1個の基地局装置が1個のセルを形成する構成を示してあり、各セル装置2−1〜2−Nは各基地局装置により構成される。
なお、他の構成例として、1個の基地局装置が2個以上のセルを形成する構成(例えば、セクタ構成)が用いられてもよく、この場合、各セルを形成する機能部分により各セル装置が構成される。
【0046】
通信制御装置1と各セル装置2−1〜2−Nとは、有線の通信回線または無線により、通信可能に接続される。
通信制御装置1は、各セル装置2−1〜2−Nと通信し、無線通信システムにおける通信を制御する。ここで、通信制御装置1は、複数の基地局装置(本実施形態では、複数のセル装置2−1〜2−N)を束ねる上位装置である。
各セル装置2−1〜2−Nは、通信制御装置1と通信し、また、端末装置3−1〜3−Mと無線により通信する。
端末装置3−1〜3−Mは、セル装置2−1〜2−Nと無線により通信する。
【0047】
ここで、本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mは、いずれのセル装置2−1〜2−Nにも接続されていない状態において、接続するセル装置2−1〜2−Nを選択する。これにより、この端末装置3−1〜3−Mは、選択したセル装置2−1〜2−Nに接続され、該当する基地局装置(本実施形態では、当該セル装置2−1〜2−N)により管理される。
なお、このような管理は、例えば、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)で行われずに、通信制御装置1により行われてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mは、いずれかのセル装置2−1〜2−Nに接続されている状態において、あらかじめ定められた測定情報の送信条件を満たしたことを判定した場合には、あらかじめ定められた測定情報(例えば、MR情報)を基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)に無線送信する。そして、この基地局装置は、この測定情報を受信したことに応じて、この端末装置3−1〜3−Mに対してハンドオーバすること(他のセル装置2−1〜2−Nに接続する状態へ移行すること)を指示する信号を無線送信する。この端末装置3−1〜3−Mは、この信号を受信したことに応じて、ハンドオーバを実行する。
【0049】
例えば、端末装置3−1〜3−Mは、いずれかのセル装置2−1〜2−Nに接続されている状態(LTEでは、RRC_CONNECTED状態)において、任意の基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)から無線送信されて当該端末装置3−1〜3−Mに到来する下りリンクの信号を受信し、受信した下りリンクの信号に含まれるパイロット信号に基づいて、当該下りリンクにおける受信品質を測定する。そして、端末装置3−1〜3−Mは、あらかじめ定められたタイミングで、この測定結果の情報(測定情報)を、例えば、当該端末装置3−1〜3−Mが接続される基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に無線送信(通知)する。
なお、端末装置3−1〜3−Mは、いずれのセル装置2−1〜2−Nにも接続されていない状態(LTEでは、RRC_IDLE状態)においては、下りリンクにおける受信品質を測定するが、その測定結果の情報(測定情報)を基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に無線送信(通知)することはせず、隣接セルの品質の方が良いと判定した場合には、当該隣接セルと下りリンクの同期をとる(Cell Reselection)。
【0050】
なお、各基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)から無線送信される下りリンクの信号には当該各基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)を識別する情報(識別情報)が含められる。そして、端末装置3−1〜3−Mは、受信した下りリンクの信号に含まれる当該識別情報に基づいて、当該下りリンクの信号を送信した基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)を識別することができる。
【0051】
図2は、本発明の実施形態に係る通信制御装置1のハンドオーバ制御に関する構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る通信制御装置1は、ハンドオーバ制御に関する構成部として、条件設定部111と、複数(N個)の通信部103−1〜103−Nと、を備える。
条件設定部111は、判定閾値決定部101と、閾値変換部102と、を備える。
【0052】
ここで、各通信部103−1〜103−Nは、各セル装置2−1〜2−Nと対応する。
なお、他の構成例として、複数(N個)の通信部103−1〜103−Nの代わりに、これら全体の機能と同様な機能を有する1個の通信部を備えてもよい。
【0053】
判定閾値決定部101により行われる処理について説明する。
判定閾値決定部101には、基準セル情報と、調整セル情報と、期待受信品質情報が入力される。
そして、判定閾値決定部101は、入力された基準セル情報と、調整セル情報と、期待受信品質情報に基づいて、判定閾値の情報(判定閾値情報)を決定し、決定した判定閾値情報を閾値変換部102に出力する。
【0054】
ここで、本実施形態では、基準セル情報と、調整セル情報と、期待受信品質情報は、別の装置(これら3つの情報について、必ずしも同一の装置でなくてもよく、2個以上の装置であってもよい)により取得されて、当該別の装置から通信制御装置1の判定閾値決定部101に入力される。
なお、このような別の装置としては、任意の装置が用いられてもよい。
【0055】
また、他の構成例として、このような別の装置の機能(3つの情報のうちの一部の情報に関する機能のみでもよい)を通信制御装置1内に備えてもよく、この場合、例えば、基準セル情報と、調整セル情報と、期待受信品質情報(これらのうちの一部の情報のみでもよい)は、通信制御装置1内で取得されて、判定閾値決定部101に入力される。
【0056】
基準セル情報は、基準となるセル(基準セル)の情報である。基準セル情報により、例えば、基準セルが特定される。
本実施形態では、基準セルは、複数のセル装置2−1〜2−Nにより形成される複数のセル11−1〜11−Nのうちのいずれかとなり、以下の説明では、セル装置2−1(本実施形態で、セル装置Aとも称する)により形成されるセル11−1(本実施形態で、セルAとも称する)が基準セルであるとする。
【0057】
また、本実施形態では、基準セルとして、例えばリソースの使用量が最も高い1個のセルを設定する。そして、この基準セルに対するリソースの負荷を下げるように(改善するように)制御を行う。
【0058】
なお、多数のセルが存在する現実のシステムにおいては、互いに遠く離れて障害とならないような2個以上のセルが基準セルとして設定されてもよい。つまり、2個以上のセルが基準セルとして設定されても、それぞれの基準セルごとに独立した制御が行われるような状況であればよい。
具体例として、ある基準セルの隣接セル(調整セル)に対して、この調整セルを別の基準セルに設定するようなことは、好ましくないと考えられる。
【0059】
調整セル情報は、基準セルの隣接セル(調整セル)の情報である。調整セル情報により、例えば、調整セルが特定される。ここで、基準セルの隣接セルが1個のみである場合にはこの1個のセルのみが調整セルとなり、基準セルの隣接セルが2個以上である場合にはこれら2個以上のセルが調整セルとなる。
本実施形態では、調整セルは、複数のセル装置2−1〜2−Nにより形成される複数のセル11−1〜11−Nのうちのいずれか1個以上となり、以下の説明では、1個のセル装置2−2(本実施形態で、セル装置Bとも称する)により形成される1個のセル11−2(本実施形態で、セルBとも称する)が調整セルであるとする。
【0060】
ここで、あるセルの隣接セルとは、当該あるセルのハンドオーバの対象となる他のセルのことであり、一般的には、各基地局装置に記憶される隣接セルリストに登録されているセルのことである。あるセルの隣接セルは、必ずしも当該あるセルに物理的に隣接していなくてもよく、例えば、当該あるセルに物理的に隣接していなくても、当該あるセルに存在する端末装置において基地局装置(他のセル)からの電波が届いてハンドオーバすることが可能な他のセルであれば含まれ得る。
【0061】
期待受信品質情報は、例えば、オペレータのポリシーに従って決定され、具体的には、基準セル(本実施形態では、セルA)と調整セル(本実施形態では、セルB)の負荷状態やハンドオーバ失敗率などに基づいて決定される。この期待受信品質情報は、基準セル(本実施形態では、セルA)の受信品質の閾値(期待受信品質)の情報である。本実施形態では、この期待受信品質情報は、セルAに関する情報となる。
【0062】
判定閾値決定部101は、次の式に従って、基準セル(本実施形態では、セルA)の判定閾値と調整セル(本実施形態では、セルB)の判定閾値を算出する。そして、算出した基準セルの判定閾値の情報および算出した調整セルの判定閾値の情報を、判定閾値情報として、閾値変換部102に出力する。
【0063】
基準セルの判定閾値 = (基準セルの期待受信品質 + Hys1)
・・(14)
調整セルの判定閾値 = (基準セルの期待受信品質 − Hys2)
・・(15)
ここで、Hys1=Hys2=Hys3
【0064】
ここで、Hys1、Hys2(本実施形態では、いずれも、Hys3)は、ヒステリシスの値であり、不要なハンドオーバを防ぐために設定される。このHys1、Hys2の値としては、例えば、外部から入力された値を使用してもよく、または、あらかじめ設定された特定の値を使用してもよい。
また、本実施形態では、基準セルに関するHys1と調整セルに関するHys2とを同じ値(Hys3)にしているが、必ずしも同じ値でなくてもよい。
【0065】
このように、本実施形態では、基準セルの判定閾値と調整セルの判定閾値の両方について、基準セルの期待受信品質を基準とした値を用いることで、不要なハンドオーバの発生を抑制することができる。
【0066】
閾値変換部102により行われる処理について説明する。
閾値変換部102には、基準セル情報と、調整セル情報と、判定閾値情報が入力される。
ここで、基準セル情報と、調整セル情報は、判定閾値決定部101に入力される情報と同じである。
また、判定閾値情報は、判定閾値決定部101から入力される。
【0067】
閾値変換部102は、入力された基準セル情報と、調整セル情報と、判定閾値情報に基づいて、あらかじめ定められた設定情報を決定し、決定した設定情報を通信部103−1〜103−Nに出力する。
なお、閾値変換部102により決定される設定情報が、複数の通信部103−1〜103−Nのうちの一部のみの通信部で必要な場合には、閾値変換部102は決定した設定情報を当該一部のみの通信部に出力する。
【0068】
ここで、本実施形態では、この設定情報として、端末装置3−1〜3−Mにおける測定情報通知機能に関する設定情報を用いる。
この測定情報通知機能は、例えば、LTEの場合には、端末装置3−1〜3−Mが基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に対してMR情報(測定情報)を送信(通知)する機能に相当する。そして、設定情報では、このような測定情報の通知を行う条件を規定する。
【0069】
本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mにおいて、特定の条件(設定情報により規定される条件)を満たした場合に、そのときの測定情報を基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に通知する。そして、このような測定情報の通知が行われることに応じて、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)から端末装置3−1〜3−Mに指示がなされて、ハンドオーバが行われる。
【0070】
閾値変換部102は、端末装置3−1〜3−Mにより測定情報の通知を行う条件式として、式(16)や式(17)を決定し、決定した条件式の情報を設定情報として通信部103−1〜103−Nに出力する。
なお、閾値変換部102は、基準セル(本実施形態では、セルA)に関する条件式の情報(設定情報A)を対応するセルAの通信部103−1(本実施形態で、通信部Aとも称する)に出力し、調整セル(本実施形態では、セルB)に関する条件式の情報(設定情報B)を対応するセルBの通信部103−2(本実施形態で、通信部Bとも称する)に出力する。
【0071】
(基準セルに関する条件式)
基準セルのセル装置に接続している端末装置が当該基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 基準セルの判定閾値
・・(16)
【0072】
(調整セルに関する条件式)
調整セルのセル装置に接続している端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 調整セルの判定閾値
・・(17)
【0073】
通信部103−1〜103−Nにより行われる処理について説明する。
各通信部103−1〜103−Nは、閾値変換部102から入力された設定情報を、それぞれに対応するセル装置2−1〜2−Nに送信する。
具体例として、通信部103−1(通信部A)は、設定情報Aを、対応するセル装置2−1(セル装置A)に送信し、通信部103−2(通信部B)は、設定情報Bを、対応するセル装置2−2(セル装置B)に送信する。
【0074】
そして、本実施形態では、各セル装置2−1〜2−Nは、対応する各通信部103−1〜103−Nから受信した設定情報を、自己に接続されている端末装置に対して無線送信する。そして、端末装置は、自己が接続されているセル装置2−1〜2−Nから受信した設定情報をメモリに記憶して、当該設定情報に基づいて測定情報の通知を行うようにする。
具体例として、基準セルのセル装置Aに接続されている端末装置では基準セルに関する設定情報Aの条件式に基づいて測定情報の通知を行い、調整セルのセル装置Bに接続されている端末装置では調整セルに関する設定情報Bの条件式に基づいて測定情報の通知を行う。
【0075】
このように、通信部103−1〜103−Nは、ネットワークなどを介して基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に設定情報を通知し、基地局装置は通信部103−1〜103−Nから通知された設定情報に従って設定を行う。
【0076】
ここで、本実施形態では、式(16)や式(17)に示される条件式の情報を設定情報として、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに通知するが、他の構成が用いられてもよい。
【0077】
他の構成の一例として、基準セルの判定閾値と調整セルの判定閾値を除いて、式(16)や式(17)に示される条件式を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mとの間で事前に定めて、この条件式の情報を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mにあらかじめ記憶しておき、そして、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに、対応する条件式(使用する条件式)を識別する情報および判定閾値(基準セルの判定閾値や調整セルの判定閾値)の情報を設定情報として、通知してもよい。この場合、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mでは、通知された条件式を識別する情報に基づいて使用する条件式を決定することができ、決定した条件式において、通知された判定閾値(基準セルの判定閾値や調整セルの判定閾値)を代入することにより、使用する条件式(判定閾値が定まったもの)の情報を得ることができる。
なお、使用する条件式が一定に定められている場合には、条件式(使用する条件式)を識別する情報は用いられなくてもよい。
【0078】
具体例として、LTEの場合には、A1〜A5、B1、B2などのように、測定情報通知の条件式が定められており、これを利用して、式(18)や式(19)を用いて設定情報を定めることもできる。
ここで、a5_Threshold1は式(5)の条件式に表されるものであり、a4_Thresholdは式(4)の条件式に表されるものである。この例では、式(4)や式(5)の条件式の情報が、あらかじめ、通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mに設定される。
【0079】
(基準セルに関する設定)
a5_Threshold1 = 基準セルの判定閾値 ・・(18)
(調整セルに関する設定)
a4_Threshold = 調整セルの判定閾値 ・・(19)
【0080】
本実施形態のように、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)で接続されている端末装置における基準セル(本実施形態では、セルA)に関する受信品質と、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質を基準として判定閾値決定部101で決定された閾値を、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)に関する測定情報通知の条件式に適用することで、不要なハンドオーバの発生を抑えつつ、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質に応じた負荷分散効果を得ることができる。
【0081】
なお、ハンドオーバの具体的な例としては、基準セルのセル装置Aに接続されている端末装置について、式(16)の条件式のような所定の条件式が満たされて、ハンドオーバすることが判定された場合には、当該端末装置が調整セルのセル装置Bに接続される状態へ移行するハンドオーバを実行することや、あるいは、調整セルのセル装置Bに接続されている端末装置について、式(17)の条件式のような所定の条件式が満たされて、ハンドオーバすることが判定された場合には、当該端末装置が基準セルのセル装置Aに接続される状態へ移行するハンドオーバを実行することができる。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る通信制御装置1では、ハンドオーバを実施する基準セル(本実施形態では、セルA)と調整セル(本実施形態では、セルB)のペアにおいて、基準セルに接続している端末装置における基地局装置への測定結果の通知条件として、基準セルの受信品質を基準とした判定閾値より、基準セルに接続されている端末装置において測定した基準セルの受信品質が小さいという条件を使用し、また、調整セルに接続している端末装置における基地局装置への測定結果の通知条件として、基準セルの受信品質を基準とした判定閾値より、調整セルに接続されている端末装置において測定した基準セルの受信品質が大きいという条件を使用する。
【0083】
本実施形態に係る通信制御装置1によると、受信品質の低下によるハンドオーバの失敗を防ぎ、期待する受信品質に基づいた負荷分散を実現することができる。また、不要なハンドオーバ(ハンドオーバ完了後にすぐにハンドオーバ元に再接続されるハンドオーバ)を低減することができる。また、例えば、ハンドオーバの判定を行うためのパラメータの設定を、セルの負荷状況やハンドオーバの失敗率などに応じて実施することが可能である。
このように、本実施形態に係る通信制御装置1によると、ハンドオーバの失敗や不要なハンドオーバの低減、および負荷分散効果を図ることができる。
【0084】
<第1実施形態における他の例>
以下で、他の例について説明する。
他の例として、上記した式(16)と式(17)の代わりに、式(20)と式(21)を用いることもできる。
この例では、式(20)と式(21)に示される許容受信品質の情報(隣接セルの許容受信品質情報および調整セルの許容受信品質情報)が、通信制御装置1の閾値変換部102に入力される。
ここで、隣接セルの許容受信品質情報や調整セルの許容受信品質情報は、例えば、別の装置により取得されて、当該別の装置から通信制御装置1の閾値変換部102に入力されてもよく、または、通信制御装置1内の機能によって取得されてもよい。
【0085】
閾値変換部102は、入力される情報に基づいて、端末装置3−1〜3−Mにより測定情報の通知を行う条件式として、式(20)や式(21)を決定し、決定した条件式の情報を設定情報として通信部103−1〜103−Nに出力する。
なお、閾値変換部102は、基準セル(本実施形態では、セルA)に関する条件式の情報(設定情報A)を対応するセルAの通信部103−1(通信部A)に出力し、調整セル(本実施形態では、セルB)に関する条件式の情報(設定情報B)を対応するセルBの通信部103−2(通信部B)に出力する。
【0086】
(基準セルに関する条件式)
{基準セルのセル装置に接続している端末装置が当該基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 基準セルの判定閾値}
または
{基準セルのセル装置に接続している端末装置が当該基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 基準セルの判定閾値
且つ
基準セルのセル装置に接続している端末装置が調整セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 隣接セルの許容受信品質}
・・(20)
【0087】
(調整セルに関する条件式)
{調整セルのセル装置に接続している端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 調整セルの判定閾値}
または
{調整セルのセル装置に接続している端末装置が当該調整セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 調整セルの許容受信品質
または
調整セルのセル装置に接続している端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 調整セルの判定閾値}
または
{{{調整セルのセル装置に接続している端末装置が当該調整セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 調整セルの許容受信品質}
且つ
{調整セルのセル装置に接続している端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 隣接セルの許容受信品質}}
または
{調整セルのセル装置に接続している端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 > 調整セルの判定閾値}}
・・(21)
【0088】
なお、式(20)において、「または」の前後の条件式(2つの条件式)は、例えば、両方が用いられてもよく、または、いずれか一方のみが用いられてもよい。また、これら2つの条件式は、あらかじめ定められた方法で、切り替えられて用いられてもよい。
同様に、式(21)において、「または」で区切られた条件式(3つの条件式)は、例えば、全てが用いられてもよく、または、1つあるいは2つのみが用いられてもよい。また、これら3つの条件式は、あらかじめ定められた方法で、切り替えられて用いられてもよい。
【0089】
ここで、許容受信品質情報は、許容受信品質を特定する情報である。許容受信品質は、通信を確立することができる最低限の受信品質であり、例えば、最小の割当無線リソース、および最低の符号化方式と変調方式にて特定の誤り率を満たすSINR(Signal to Interference and Noise power Ratio)やRSRQなどを用いることができる。
許容受信品質としては、様々な値が用いられてもよく、例えば、あらかじめ定められた値が用いられてもよく、または、過去に通信断が発生した際における受信品質に基づいて、その受信品質の平均値、最小値、CDF−x%値、あるいは中央値などを用いて求められてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、基準セルと調整セルが各1個である場合を示すが、他の例として、隣接セルが複数個存在する場合には、調整セルに対する許容受信品質としては、例えば、複数個のうちのいずれか1個の調整セルの許容受信品質、または、複数個の調整セルの許容受信品質の平均値あるいは最小値などを用いることができる。
【0091】
ここで、この例では、式(20)や式(21)に示される条件式の情報を設定情報として、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに通知するが、他の構成が用いられてもよい。
【0092】
他の構成の一例として、基準セルの判定閾値、調整セルの判定閾値、隣接セルの許容受信品質、および調整セルの許容受信品質を除いて、式(20)や式(21)に示される条件式を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mとの間で事前に定めて、この条件式の情報を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mにあらかじめ記憶しておき、そして、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに、対応する条件式(使用する条件式)を識別する情報および判定閾値(基準セルの判定閾値や調整セルの判定閾値)の情報と許容受信品質(隣接セルの許容受信品質や調整セルの許容受信品質)の情報を設定情報として、通知してもよい。この場合、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mでは、通知された条件式を識別する情報に基づいて使用する条件式を決定することができ、決定した条件式において、通知された判定閾値(基準セルの判定閾値や調整セルの判定閾値)と許容受信品質(隣接セルの許容受信品質や調整セルの許容受信品質)を代入することにより、使用する条件式(判定閾値と許容受信品質が定まったもの)の情報を得ることができる。
【0093】
具体例として、LTEの場合には、A1〜A5、B1、B2などのように、測定情報通知の条件式が定められており、これを利用して、式(22)や式(23)を用いて設定情報を定めることもできる。
ここで、a5_Threshold1は式(5)の条件式に表されるものであり、a5_Threshold2は式(6)の条件式に表されるものであり、a4_Thresholdは式(4)の条件式に表されるものである。この例では、式(4)や式(5)や式(6)の条件式の情報が、あらかじめ、通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mに設定される。
【0094】
(基準セルに関する設定)
a5_Threshold1 = 基準セルの判定閾値
a5_Threshold2 = 隣接セルの許容受信品質
・・(22)
(調整セルに関する設定)
a4_Threshold = 調整セルの判定閾値
a5_Threshold1 = 調整セルの許容受信品質
a5_Threshold2 = 隣接セルの許容受信品質
・・(23)
【0095】
ここで、基準セルに関する式(22)については、a5_Threshold1の設定は必須であるが、a5_Threshold2の設定は必要な場合に行われればよい。
また、調整セルに関する式(23)については、a4_Thresholdの設定は必須であるが、a5_Threshold1の設定は必要な場合に行われればよい。また、これについて、a5_Threshold1の設定が行われるときに、さらに、a5_Threshold2の設定は必要な場合に行われればよい。
【0096】
この例のように、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)で接続されている端末装置における受信品質と、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質を基準として判定閾値決定部101で決定された閾値と、隣接セルや調整セルの許容受信品質を、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)に関する測定情報通知の条件式に適用することで、受信品質不足によるハンドオーバの失敗が発生しない範囲で、負荷分散の効果を得ることができる。
【0097】
以上のように、この例に係る通信制御装置1では、ハンドオーバを実施する基準セル(本実施形態では、セルA)と調整セル(本実施形態では、セルB)のペアにおいて、調整セルに接続している端末装置における基地局装置への測定結果の通知条件として、調整セルに接続されている端末装置において測定した調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する調整セルの許容受信品質より小さく、且つ、調整セルに接続されている端末装置において測定した基準セルの受信品質が、最低限の通信を許容する隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を使用する。
【0098】
[第2実施形態]
本実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成は図1に示されるものと同様であり、本実施形態に係る通信制御装置1の概略的な構成は図2に示されるものと同様である。
このため、本実施形態では、図1および図2を参照して、説明する。
また、本実施形態では、第1実施形態とは異なる点について詳しく説明する。
【0099】
本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mは、いずれかのセル装置2−1〜2−Nに接続されている状態において、例えば、定期的なタイミングなどで、あらかじめ定められた測定情報を基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)に無線送信する。そして、この基地局装置は、この測定情報を受信すると、受信した測定情報に基づいて、この端末装置3−1〜3−Mを他のセル装置2−1〜2−Nに接続する状態へ移行させる(ハンドオーバさせる)か否かを判定し、ハンドオーバさせることを判定した場合には、この端末装置3−1〜3−Mに対してハンドオーバすることを指示する信号を無線送信する。この端末装置3−1〜3−Mは、この信号を受信したことに応じて、ハンドオーバを実行する。
【0100】
つまり、第1実施形態では、端末装置3−1〜3−Mが所定の測定情報を基地局装置に送信することを判定することにより、同時に、ハンドオーバを実施するが、本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mは、測定情報を基地局装置に送信し、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)が受信した測定情報に基づいてハンドオーバさせるか否かを判定する。
そして、本実施形態では、ハンドオーバの判定の条件として、第1実施形態において端末装置3−1〜3−Mによる測定情報の送信条件として示したものと同様な条件を用いる。
【0101】
一例として、閾値変換部102は、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)により測定情報に基づいてハンドオーバの判定を行う条件式として、式(16)や式(17)を決定し、決定した条件式の情報を設定情報として通信部103−1〜103−Nに出力する。
なお、閾値変換部102は、基準セル(本実施形態では、セルA)に関する条件式の情報(設定情報A)を対応するセルAの通信部103−1(通信部A)に出力し、調整セル(本実施形態では、セルB)に関する条件式の情報(設定情報B)を対応するセルBの通信部103−2(通信部B)に出力する。
【0102】
各通信部103−1〜103−Nは、閾値変換部102から入力された設定情報を、それぞれに対応するセル装置2−1〜2−Nに送信する。
具体例として、通信部103−1(通信部A)は、設定情報Aを、対応するセル装置2−1(セル装置A)に送信し、通信部103−2(通信部B)は、設定情報Bを、対応するセル装置2−2(セル装置B)に送信する。
【0103】
そして、本実施形態では、各セル装置2−1〜2−Nは、対応する各通信部103−1〜103−Nから受信した設定情報をメモリに記憶して、当該設定情報に基づいてハンドオーバの判定を行うようにする。
具体例として、基準セルのセル装置Aでは基準セルに関する設定情報Aの条件式に基づいてハンドオーバの判定を行い、調整セルのセル装置Bでは調整セルに関する設定情報Bの条件式に基づいてハンドオーバの判定を行う。
【0104】
このように、本実施形態では、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)において、端末装置3−1〜3−Mから受信した測定情報について、特定の条件(設定情報により規定される条件)を満たした場合に、当該端末装置3−1〜3−Mに指示を通知して、当該端末装置3−1〜3−Mによりハンドオーバを実行させる。
【0105】
本実施形態のように、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)で接続されている端末装置における基準セル(本実施形態では、セルA)に関する受信品質と、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質を基準として判定閾値決定部101で決定された閾値を、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)に関するハンドオーバの判定の条件式に適用することで、不要なハンドオーバの発生を抑えつつ、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質に応じた負荷分散効果を得ることができる。
【0106】
なお、第1実施形態の場合と同様に、条件式の全体の情報を通信せずに、条件式のうちの一部の値以外の情報をあらかじめ基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−M)に設定しておいて、いずれの条件式を使用するかを特定する情報や当該一部の値の情報を通信制御装置1から基地局装置に送信してもよい。
【0107】
以上のように、本実施形態に係る通信制御装置1では、ハンドオーバを実施する基準セル(本実施形態では、セルA)と調整セル(本実施形態では、セルB)のペアにおいて、基準セルから調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、基準セルの受信品質を基準とした判定閾値より、基準セルに接続されている端末装置から通知される基準セルの受信品質が小さいという条件を使用し、また、調整セルから基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、基準セルの受信品質を基準とした判定閾値より、調整セルに接続されている端末装置から通知される基準セルの受信品質が大きいという条件を使用する。
【0108】
<第2実施形態における他の例>
以下で、他の例について説明する。
第1実施形態の場合と同様に、他の例として、上記した式(16)と式(17)の代わりに、式(20)と式(21)を用いることもできる。
【0109】
この例のように、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)で接続されている端末装置における受信品質と、基準セル(本実施形態では、セルA)の期待受信品質を基準として判定閾値決定部101で決定された閾値と、隣接セルや調整セルの許容受信品質を、各セル(本実施形態では、セルA、セルB)に関するハンドオーバの判定の条件式に適用することで、受信品質不足によるハンドオーバの失敗が発生しない範囲で、負荷分散の効果を得ることができる。
【0110】
[第3実施形態]
本実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成は図1に示されるものと同様であり、本実施形態に係る通信制御装置1の概略的な構成は図2に示されるものと同様である。
このため、本実施形態では、図1および図2を参照して、説明する。
また、本実施形態では、第1実施形態または第2実施形態と同様な構成を有しており、さらに、セル選択機能の構成について特定するものである。
以下では、本実施形態に係るセル選択機能について詳しく説明する。
【0111】
セル選択機能は、端末装置3−1〜3−Mにおいて、接続するセル11−1〜11−N(セル装置2−1〜2−N)を決定する機能である。
本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mは、いずれのセル装置2−1〜2−Nにも接続されていない状態において、接続するセル装置2−1〜2−Nを選択する。これにより、この端末装置3−1〜3−Mは、選択したセル装置2−1〜2−Nに接続され、該当する基地局装置(本実施形態では、当該セル装置2−1〜2−N)により管理される。
【0112】
通信制御装置1の閾値変換部102は、入力される情報に基づいて、式(24)を、基準セル(本実施形態では、セルA)におけるセル選択の条件式として決定する。
ここで、基準セルの判定閾値は、式(14)に示されるものと同じである。
【0113】
(基準セルにおけるセル選択の条件式)
ある端末装置が基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質
> 基準セルの判定閾値
・・(24)
【0114】
閾値変換部102は、端末装置3−1〜3−Mによりセル選択を行う条件式として、式(24)を決定し、決定した条件式の情報を設定情報として通信部103−1〜103−Nに出力する。
【0115】
ここで、本実施形態に係るセル選択に関する設定情報は、例えば、第1実施形態に係る設定情報あるいは第2実施形態に係る設定情報に含められてもよく、または、第1実施形態に係る設定情報あるいは第2実施形態に係る設定情報とは別の情報として処理(通信など)されてもよい。
【0116】
各通信部103−1〜103−Nは、閾値変換部102から入力された設定情報を、それぞれに対応するセル装置2−1〜2−Nに送信する。
【0117】
そして、本実施形態では、各セル装置2−1〜2−Nは、対応する各通信部103−1〜103−Nから受信した設定情報を、端末装置に対して無線送信する。そして、端末装置は、セル装置2−1〜2−Nから受信した設定情報をメモリに記憶しておき、以降にセル選択を行うときには、当該設定情報に基づいてセル選択を行うようにする。
【0118】
本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mにおいて、セル選択に関する特定の条件(設定情報により規定される条件)を満たした場合に、セル選択を行う。
具体例として、端末装置3−1〜3−Mは、式(24)の条件式が満たされたことを判定した場合に、基準セルを接続対象として選択し、基準セルのセル装置に接続するように処理を行う。
【0119】
ここで、本実施形態では、式(24)に示される条件式の情報を設定情報として、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに通知するが、他の構成が用いられてもよい。
【0120】
他の構成の一例として、基準セルの判定閾値を除いて、式(24)に示される条件式を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mとの間で事前に定めて、この条件式の情報を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mにあらかじめ記憶しておき、そして、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに、対応する条件式(使用する条件式)を識別する情報および判定閾値(基準セルの判定閾値)の情報を設定情報として、通知してもよい。この場合、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mでは、通知された条件式を識別する情報に基づいて使用する条件式を決定することができ、決定した条件式において、通知された判定閾値(基準セルの判定閾値)を代入することにより、使用する条件式(判定閾値が定まったもの)の情報を得ることができる。
なお、使用する条件式が一定に定められている場合には、条件式(使用する条件式)を識別する情報は用いられなくてもよい。
【0121】
具体例として、LTEの場合には、セル選択の条件式が定められており、これを利用して、式(25)を用いて設定情報を定めることもできる。
ここで、QqualminおよびQqualminoffsetは式(12)の条件式に表されるものである。この例では、式(12)の条件式の情報が、あらかじめ、通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mに設定される。
【0122】
(基準セルにおけるセル選択に関する設定)
Qqualmin + Qqualminoffset = 基準セルの判定閾値
・・(25)
【0123】
本実施形態では、基準セルの期待受信品質に応じたセル選択を実現することができる。
また、本実施形態に係る端末装置3−1〜3−Mにおけるセル選択の機能と、第1実施形態に係る端末装置3−1〜3−Mにおける測定情報通知の機能あるいは第2実施形態に係る基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)におけるハンドオーバ判定の機能とを連動することで、不必要なハンドオーバを抑制することができる。
ここで、本実施形態では、セル選択に関する条件式で使用する値(基準セルの判定閾値)と、測定情報通知或いはハンドオーバ判定に関する条件式で使用する値(基準セルの判定閾値)とをそろえている。
【0124】
具体例として、このような連動が無い場合には、ある端末装置がセル選択機能により負荷分散効果が得られるセルに接続(LTEでは、RRC_IDLE状態)されても、通信を始める際(LTEでは、RRC_CONNECTED状態に移行)には、負荷分散効果が得られないセルにすぐにハンドオーバする事象が発生する可能性が考えられる。このような事象は、セル端(ハンドオーバ境界)に存在する端末装置でよく発生し得る。
但し、このような連動が無い場合においても、本実施形態に係るセル選択では、基準セルの期待受信品質に応じたセル選択を行うという点で、効果が得られる。
【0125】
以上のように、本実施形態に係る通信制御装置1では、基準セル(本実施形態では、セルA)の受信品質を基準とした判定閾値(基準セルの判定閾値)を、基準セルにおけるセル選択の閾値として設定する。
【0126】
本実施形態に係る通信制御装置1によると、基準セルの判定閾値をセル選択に適用することにより、受信品質を一定に保ち、端末装置3−1〜3−Mを負荷分散効果が得られるセルに接続させることができる。また、本実施形態に係るセル選択に関する閾値を、第1実施形態に係る測定情報通知に関する閾値あるいは第2実施形態に係るハンドオーバ判定に関する閾値と合わせて適用することにより、端末装置3−1〜3−Mがセル選択の直後に他のセルに接続することを低減させる(好ましくは、防止する)ことができる。また、例えば、セル選択の判定を行うためのパラメータの設定を、セルの負荷状況やハンドオーバの失敗率などに応じて実施することが可能である。
【0127】
[第4実施形態]
本実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成は図1に示されるものと同様であり、本実施形態に係る通信制御装置1の概略的な構成は図2に示されるものと同様である。
このため、本実施形態では、図1および図2を参照して、説明する。
また、本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態と同様な構成を有しており、さらに、異バンド/異システムのサーチ機能の構成について特定するものである。
以下では、本実施形態に係る異バンド/異システムのサーチ機能について詳しく説明する。
【0128】
異バンドサーチでは、例えば、800MHzと1.5GHzのように同一のシステムにおいて異なるバンドがあり、端末装置3−1〜3−Mによる通信に使用するバンドを選択する。
異システムサーチでは、例えば、LTEのシステムとCDMAのシステムのように異なるシステムがあり、端末装置3−1〜3−Mによる通信に使用するシステムを選択する。
【0129】
なお、以下では、異バンドサーチと異システムサーチをまとめて異バンド/異システムサーチとして説明するが、本実施形態の構成は、例えば、異バンドサーチと異システムサーチのうちのいずれか一方のみに適用されてもよく、または、異バンドサーチと異システムサーチの両方に適用されてもよい。
【0130】
異バンド/異システムサーチでは、端末装置3−1〜3−Mにおいて、特定の条件(設定情報により規定される条件)を満たした際に、そのときの測定情報を基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)に通知する。そして、このような測定情報の通知が行われることに応じて、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)から、この特定の条件を満たした端末装置3−1〜3−Mに対して、異バンド/異システムの測定開始を指示する。これにより、この端末装置3−1〜3−Mでは、異バンド/異システムサーチを行う。
【0131】
通信制御装置1の閾値変換部102は、入力される情報に基づいて、式(26)を、端末装置3−1〜3−Mにおける測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)の条件式として決定する。
ここで、基準セルの判定閾値は、式(14)に示されるものと同じである。
【0132】
(基準セルにおける異バンド/異システムサーチの条件式)
基準セルのセル装置に接続している端末装置が当該基準セルのセル装置から受信した信号の受信品質 < 基準セルの判定閾値 + offset
・・(26)
【0133】
なお、offsetとしては、様々な値が用いられてもよく、例えば、固定の値が用いられてもよく、または、通信制御装置1の外部の装置から入力される値が用いられてもよい。
具体的には、例えば、固定の値のoffsetが用いられる場合には、その値があらかじめ通信制御装置1の閾値変換部102などのメモリに記憶される。また、外部から入力される値のoffsetが用いられる場合には、その値が外部の装置から通信制御装置1に入力されて当該通信制御装置1の閾値変換部102に入力される。
【0134】
閾値変換部102は、端末装置3−1〜3−Mにより測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)を行う条件式として、式(26)を決定し、決定した条件式の情報を設定情報として通信部103−1〜103−Nに出力する。
【0135】
ここで、本実施形態に係る測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)に関する設定情報は、例えば、第1実施形態に係る設定情報、第2実施形態に係る設定情報あるいは第3実施形態に係る設定情報に含められてもよく、または、第1実施形態に係る設定情報、第2実施形態に係る設定情報あるいは第3実施形態に係る設定情報とは別の情報として処理(通信など)されてもよい。
【0136】
各通信部103−1〜103−Nは、閾値変換部102から入力された設定情報を、それぞれに対応するセル装置2−1〜2−Nに送信する。
【0137】
そして、本実施形態では、各セル装置2−1〜2−Nは、対応する各通信部103−1〜103−Nから受信した設定情報を、自己に接続されている端末装置に対して無線送信する。そして、端末装置は、自己が接続されているセル装置2−1〜2−Nから受信した設定情報をメモリに記憶して、当該設定情報に基づいて測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)を行うようにする。
【0138】
本実施形態では、端末装置3−1〜3−Mにおいて、測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)に関する特定の条件(設定情報により規定される条件)を満たした場合に、測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)を行う。
具体例として、端末装置3−1〜3−Mは、式(26)の条件式が満たされたことを判定した場合に、測定情報通知(異バンド/異システムサーチに関する測定情報通知)を行う。
【0139】
ここで、本実施形態では、式(26)に示される条件式の情報を設定情報として、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに通知するが、他の構成が用いられてもよい。
【0140】
他の構成の一例として、基準セルの判定閾値(または、基準セルの判定閾値とoffset)を除いて、式(26)に示される条件式を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mとの間で事前に定めて、この条件式の情報を通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mにあらかじめ記憶しておき、そして、通信制御装置1の通信部103−1〜103−Nから基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mに、対応する条件式(使用する条件式)を識別する情報および判定閾値(基準セルの判定閾値)の情報(または、判定閾値とoffsetの情報)を設定情報として、通知してもよい。この場合、基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)や端末装置3−1〜3−Mでは、通知された条件式を識別する情報に基づいて使用する条件式を決定することができ、決定した条件式において、通知された判定閾値(基準セルの判定閾値)を代入すること(または、通知された判定閾値とoffsetを代入すること)により、使用する条件式(判定閾値(または、判定閾値とoffset)が定まったもの)の情報を得ることができる。
なお、使用する条件式が一定に定められている場合には、条件式(使用する条件式)を識別する情報は用いられなくてもよい。
【0141】
具体例として、LTEの場合には、A2などのように、測定情報通知の条件式が定められており、これを利用して、式(27)を用いて設定情報を定めることもできる。
ここで、a2_Thresholdは式(2)の条件式に表されるものである。この例では、式(2)の条件式の情報が、あらかじめ、通信制御装置1と基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)と端末装置3−1〜3−Mに設定される。
【0142】
(基準セルにおける異バンド/異システムサーチに関する設定)
a2_Threshold = 基準セルの判定閾値 + offset
・・(27)
【0143】
以上のように、本実施形態に係る通信制御装置1では、基準セル(本実施形態では、セルA)に接続している端末装置における基地局装置(本実施形態では、セル装置2−1〜2−N)への測定結果通知(本実施形態では、異バンド/異システムサーチに関する測定結果通知)の条件として、基準セルの受信品質を基準とした判定閾値(本実施形態では、基準セルの判定閾値)に一定値(本実施形態では、offset)を加算したものより測定した基準セルの受信品質が小さいという条件を使用する。
【0144】
本実施形態に係る通信制御装置1によると、基準セルの判定閾値を異バンド/異システムサーチに適用することにより、端末装置3−1〜3−Mにおける不要な測定を抑えることができ、端末装置3−1〜3−Mにおける消費電力の低減を実現することができる。また、例えば、異バンド/異システムサーチを行うためのパラメータの設定を、セルの負荷状況やハンドオーバの失敗率などに応じて実施することが可能である。
【0145】
なお、本実施形態に係る異バンド/異システムサーチは、例えば、基準セル(本実施形態では、セルA)とその隣接セル(本実施形態では、例えば、セルBなど)とが、異なるバンドのセルである場合、または、異なるシステムのセルである場合に、特に有効であると考えられる。
【0146】
また、本実施形態に係る異バンド/異システムサーチの構成は、例えば、第1実施形態に係る測定情報通知の構成、第2実施形態に係るハンドオーバ判定の構成、あるいは第3実施形態に係るセル選択の構成と連動させると、より好ましいが、このような連動が無い場合においても有効なものである。
【0147】
(以上の実施形態のまとめ)
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0148】
また、以上に示した各実施形態に係る各装置の機能(例えば、通信制御装置1における判定閾値決定部101、閾値変換部102あるいは通信部103−1〜103−Nのうちの1つ以上の機能)を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
【0149】
なお、ここで言う「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(Operating System;OS)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを言う。
【0150】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことを言う。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0151】
1…通信制御装置、2−1〜2−N…セル装置、3−1〜3−M…端末装置、11−1〜11−N…セル(通信エリア)、101…判定閾値決定部、102…閾値変換部、103−1〜103−N…通信部、111…条件設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定する条件設定部と、
前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する通信部と、
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
前記条件設定部は、さらに、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さく、且つ、前記基準セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記条件設定部は、さらに、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記条件設定部は、さらに、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さく、且つ、前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が最低限の通信を許容する隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定する条件設定部と、
前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信する通信部と、
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項6】
前記条件設定部は、さらに、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さく、且つ、前記基準セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記条件設定部は、さらに、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記条件設定部は、さらに、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記調整セルに接続されている端末装置における前記調整セルの受信品質が最低限の通信を許容する前記調整セルの許容受信品質より小さく、且つ、前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が最低限の通信を許容する隣接セルの許容受信品質より大きいという条件を設定する、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記条件設定部は、さらに、セル選択の条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値を前記基準セルにおけるセル選択の閾値とする条件を設定し、
前記通信部は、前記条件設定部により設定したセル選択の条件を端末装置に設定するための情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記条件設定部は、さらに、異バンドサーチと異システムサーチのうちの一方または両方に関して、前記基準セルに接続している端末装置における基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値に一定値を加算したものより前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、
前記通信部は、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項11】
通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定し、
前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項12】
通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定し、
前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項13】
通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルに接続している端末装置におけるハンドオーバを行うための基地局装置への測定結果の通知条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定するステップと、
前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記測定結果の通知条件を端末装置に設定するための情報を送信するステップと、
をコンピュータに実行させるための通信制御プログラム。
【請求項14】
通信制御装置の条件設定部が、基準のセルである基準セルと当該基準セルのハンドオーバ対象となるセルである調整セルについて、前記基準セルから前記調整セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記基準セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が小さいという条件を設定し、前記調整セルから前記基準セルへのハンドオーバの実施を決定する条件として、前記基準セルの受信品質を基準とした閾値より前記調整セルに接続されている端末装置における前記基準セルの受信品質が大きいという条件を設定するステップと、
前記通信制御装置の通信部が、前記条件設定部により設定した前記ハンドオーバの実施を決定する条件を基地局装置に設定するための情報を送信するステップと、
をコンピュータに実行させるための通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−77964(P2013−77964A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216432(P2011−216432)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】