通信品質評価装置
【課題】 CPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにスループットを測定できる通信品質評価装置を提供する。
【解決手段】 受信したパケットが受信確認を返送すべきパケットである受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送要求部11と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認を送出する受信確認送出部12と、受信確認返送要求部11が最初の受信確認返送認対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が予め定められた品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間の計時を停止するダウンロード時間計時部13と、受信確認返送要求部11および受信確認送出部12をパケット通信回線3に接続する接続部14とを含む。
【解決手段】 受信したパケットが受信確認を返送すべきパケットである受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送要求部11と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認を送出する受信確認送出部12と、受信確認返送要求部11が最初の受信確認返送認対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が予め定められた品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間の計時を停止するダウンロード時間計時部13と、受信確認返送要求部11および受信確認送出部12をパケット通信回線3に接続する接続部14とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質評価装置に係り、特に、ウエッブサーバからパケット通信回線を介してデータをダウンロードする際のダウンロードスループットを計測することによって、パケット通信回線の通信品質を評価することのできる通信品質評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パケット通信回線の通信品質を評価する方法として、ウエッブサーバからパケット通信回線を介してデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータ量(例えばデータのバイト数)をダウンロードに要した時間で除したダウンロードスループットによって評価することが一般的である。
【0003】
従来は、パーソナルコンピュータ(以下PCと記す)に品質評価プログラムをインストールすること等により構成された通信品質評価装置を特定のウエッブサーバに接続し、ウエッブサーバからバイト数が既知のデータをダウンロードし、ダウンロードに要した時間でダウンロードしたバイト数を除することによりダウンロードスループットを測定していた。
【0004】
ウエッブサーバと通信品質評価装置との間の通信のプロトコルとしては、一般的にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用されるが、このプロトコルでは受信側が所定数のパケットを受信するたびに送信側に受信確認(Acknowledgement、以下Ackと記す)を送信する必要がある。
【0005】
従来の通信品質評価装置では受信確認の返送処理をソフトウエアで実行しているので、処理速度は通信品質評価装置に搭載されたCPUの演算速度およびCPUの動作状態に依存することとなる。
【0006】
従って、ダウンロードスループットを測定する場合にも、通信品質評価装置に搭載されているCPUの演算速度および動作状態によってダウンロード時間が影響を受けることを回避できない。
【0007】
そこで、受信側から受信確認を返送しないプロトコルであるUDP(User Datagram Protocol)にパケットが欠落した場合の処理を追加することにより、ダウンロードスループットおよび通信品質を高めたプロトコルが既に提案されており(例えば特許文献1参照)、このプロトコルを使用することによりCPUの演算速度および動作状態の影響を削減することも考えられる。
【特許文献1】特開平10−56479号公報([0007]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記提案に係るプロトコルは、受信側だけでなく送信側にも適用する必要があり、TCP/IPを採用する通常のウエッブサーバからのダウンロードスループットの測定には適用できないという課題がある。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであって、TCP/IPを採用する通常のウエッブサーバからのダウンロードスループットを測定することによってパケット通信回線の通信品質を評価する際にも、CPUの演算速度および動作状態の影響を排除することのできる通信品質評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る通信品質評価装置は、パケット通信回線を介してウエッブサーバに受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部と、前記受信確認返送要求に応じて前記ウエッブサーバに受信確認を送出する受信確認送出部と、前記受信確認返送要求部が通信品質評価開始後に最初の前記受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときに前記ダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部と、前記受信確認返送要求部と前記受信確認送出部とを前記パケット通信回線に接続する接続部とを含む。
【0011】
この構成により、CPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できることとなる。
【0012】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記パケット通信回線を介して受信したパケットが前記受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路と、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路と、前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路と、前記受信確認返送対象パケットの受信確認番号に基づいて受信確認送出時のシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路と、前記受信確認返送対象パケットのシーケンス番号と前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数とに基づいて受信確認送出時の受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路とを含んでいてもよい。
【0013】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記受信確認を送出後予め定められた受信確認タイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達しなかったときに、タイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路を含み、前記受信確認返送要求発生回路が、前記タイムアウト時受信確認返送要求または前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生するものであってもよい。
【0014】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記受信確認を送出後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットを受信しなかったときに受信確認返送対象パケットタイムアウトを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路を含んでいてもよい。
【0015】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認送出部が、前記シーケンス番号計算回路で計算された最新のシーケンス番号および前記受信確認番号計算回路で計算された最新の受信確認番号を受信確認パケットデータとして記憶する受信確認パケットデータ記憶回路と、前記受信確認パケットデータに基づいてパケットチェックサムを計算するパケットチェックサム計算回路と、前記受信確認返送要求を受信したときに前記最新のシーケンス番号および前記最新の受信確認番号をシーケンス番号および受信確認番号とし前記パケットチェックサムを格納した受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路とを含んでいてもよい。
【0016】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記ダウンロード計時部が、前記受信確認返送対象パケット判定回路が最初の前記受信確認返送対象パケットを検出したときに前記ダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路と、前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路と、前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数の積算値が予め定められた前記通信品質評価データバイト数に到達したときに前記ダウンロード時間計時部に前記ダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路とを含んでいてもよい。
【0017】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記品質評価バイト数を前記ダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出するダウンロードスループット算出部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、TCP/IPで必要となる受信確認を専用ハードウエアから送出することにより、CPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できるという効果を有する通信品質評価装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図面を参照しつつ、本発明に係る通信品質評価装置の実施形態を説明する。
【0020】
まず、本発明に係る通信品質評価装置の構成を説明する。
【0021】
本発明に係る通信品質評価装置1は、図1に示すように、パケット通信回線3を介してウエッブサーバ2に受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部11と、受信確認返送要求に応じてウエッブサーバ2に受信確認を送出する受信確認送出部12と、受信確認返送要求部11が通信品質評価開始後に最初の受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部13と、受信確認返送要求部11と受信確認送出部12とをパケット通信回線3に接続する接続部14とを含む。
【0022】
図2は、本発明に係る通信品質評価装置1のハードウエア構成を示すブロック線図であって、通信品質評価装置1はパケット通信回線3を介してウエッブサーバ2と接続されている。
【0023】
通信品質評価装置1は、OSI参照モデルに準拠して構成されており、物理層41、データリンク層42およびトランスポート/ネットワーク層43は専用ハードウエアにより構成されており、上位層44(セッション層、プレゼンテーション層、およびアプリケーション層)はソフトウエアにより構成される。
【0024】
物理層41は、パケット通信回線3に接続される接続回路411と、パケット通信回線3から受信した受信信号を接続回路411から抽出し、パケット通信回線3に送信すべき送信信号を接続回路411に出力し接続回路411から受信信号を受信する物理I/F(インターフェイス)412と、送信すべきイーサネット(登録商標)パケットを物理I/F412に出力する送信物理I/F413と、受信信号からイーサネット(登録商標)パケットを生成する受信物理I/F414とを含む。
【0025】
データリンク層42は、送信すべきTCP/IPパケットのフレームチェックシーケンス(FCS)を計算してイーサネット(登録商標)パケットを生成するFCS計算回路421と、受信したイーサネット(登録商標)パケットから後流の処理で必要となる制御信号およびTCP/IPパケットを生成する制御信号生成回路422とを含む。
【0026】
トランスポート/ネットワーク層43は、上位層44からデータのストリーム送信の要求があったときにストリーム通信用のパケットを生成するストリームパケット生成回路431と、送信すべきパケットを選択する送信パケット選択回路432とを含む。
【0027】
トランスポート/ネットワーク層43は、さらに、受信確認返送要求部11、受信確認送出部12およびダウンロード時間計時部13を含む。
【0028】
なお、接続部14は、物理層41と、データリンク層42と、トランスポート/ネットワーク層43中の送信パケット選択回路432により構成される。
【0029】
通信品質評価装置1の上位層44は、ハードウエア的には、プログラムを実行するCPU441、プログラムおよび処理結果を記憶するメモリ442、および周辺機器I/F443がバスに接続された構成を有する。
【0030】
なお、ストリームパケット生成回路431にストリームパケット用データを出力するデータメモリ444、CPU441から送信すべきデータのパケットを生成する送信パケットI/F445、CPU441に転送すべきパケットをバスに出力する受信パケットI/F446、受信確認返送要求部11をCPU441に接続する受信確認返送要求部I/F447、受信確認送出部12をCPU441に接続する受信確認送出部I/F448、およびダウンロード時間計時部13をCPU441に接続するダウンロード時間計時部I/F449も上位層44に含まれる。
【0031】
また、周辺機器I/F443には、表示パネル451、キーボード452およびマウス453で構成される周辺機器が接続される。なお、これらの周辺機器は通信品質評価装置1に含まれていてもよい。
【0032】
図3は受信確認返送要求部11の構成を示すブロック線図であって、制御信号生成回路422から出力されるイーサネット(登録商標)パケットが受信確認返送の対象となるパケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路111と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路112と、到達時受信確認返送要求およびその他の条件で受信確認返送要求が発生したときに受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路113と、受信確認返送対象パケットに含まれるシーケンス番号および受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数に基づいてウエッブサーバ2に返送する受信確認パケットの受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路114と、受信確認返送対象パケットに含まれる受信確認番号に基づいてウエッブサーバ2に返送する受信確認パケットのシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路115とを含む。
【0033】
なお、受信確認返送要求部11は、受信確認返送後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットを受信しないことを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116と、受信確認返送後予め定められた受信確認条件成立タイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が受信確認返送バイト数に到達しないときにタイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路117とを含んでいてもよい。
【0034】
受信確認返送要求発生回路113は、タイムアウト時受信確認返送要求に応答して受信確認返送要求を発生する。
【0035】
図4は受信確認返送対象パケット判定回路111の回路図であって、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先MACアドレスが予め定められた通信品質評価装置MACアドレスと一致しているか否かを判定するMACアドレス一致検出回路511と、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先IPアドレスが予め定められた通信品質評価装置IPアドレスと一致しているか否かを判定するIPアドレス一致検出回路512と、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先ポートアドレスが予め定められたウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致しているか否かを判定するポートアドレス一致検出回路513と、MACアドレス一致検出回路511、IPアドレス一致検出回路512、およびポートアドレス一致検出回路513のすべてで一致が検出されたときに受信確認返送対象パケット受信を出力する受信確認返送対象パケット受信出力回路514とを含む。
【0036】
受信確認返送対象パケット判定回路111は、さらに、CPU441からダウンロードスループット計測開始指令を受信した後に、最初に受信確認返送対象パケットを検出したときに計時開始指令を出力する計時開始指令出力回路510を含む。
【0037】
なお、受信確認返送対象パケット判定回路111は、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、ウエッブサーバ閲覧ポートアドレスおよびダウンロードスループット計測開始指令を、受信確認返送要求部I/F447を介してCPU441から受信する。
【0038】
図5は到達時受信確認返送要求発生回路112の回路図であって、受信したTCP/IPパケットのペイロードに含まれるデータのバイト数を積算する積算回路515と、積算結果が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する発生回路516とを含む。なお、受信確認返送バイト数は、CPU441から受信確認返送要求部I/F447を介して送信される。
【0039】
図6は受信確認返送要求発生回路113の回路図であって、到達時受信確認返送要求発生回路112が到達時受信確認返送要求を発生したとき、またはタイムアウト時受信確認返送要求発生回路117がタイムアウト時受信確認返送要求を発生したときに受信確認返送要求を発生する発生回路517を含む。
【0040】
図7は受信確認番号計算回路114の回路図であって、受信したTCP/IPパケットのTCPヘッダに含まれるシーケンス番号と受信したTCP/IPパケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数とを加算して受信確認番号を計算する加算回路518を含む。
【0041】
また、シーケンス番号計算回路115は、受信したTCP/IPパケットのTCPヘッダに含まれる受信確認番号をそのままシーケンス番号として出力する。
【0042】
図8は受信確認送出部12(図2)のブロック図であって、受信確認番号計算回路114で計算された受信確認番号およびシーケンス番号計算回路115で計算されたシーケンス番号を記憶する受信確認パケットデータ記憶回路121と、受信確認パケットを返送するときにTCPチェックサムおよびIPチェックサムであるパケットチェックサム(誤り検出ビット)を計算するパケットチェックサム計算回路122と、受信確認返送要求発生回路113から受信確認返送要求を受信したときに受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている受信確認番号およびシーケンス番号ならびにパケットチェックサム計算回路122で計算されたパケットチェックサムに基づいて受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路123とを含む。
【0043】
図9はダウンロード時間計時部13(図2)のブロック図であって、受信確認返送対象パケット判定回路111(図3および図4)が計時開始指令を出力したときにダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路131と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路132と、抽出データバイト数積算値が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間計時回路131に対してダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路133とを含む。
【0044】
以下本発明に係る通信品質評価装置1の動作を説明するが、通信品質評価装置1で取り扱う受信確認返送対象パケットは、図10に示すように、パケットの先頭から末尾に向かってイーサネット(登録商標)ヘッダ、IPヘッダ、TCPヘッダ、ペイロードおよびイーサネット(登録商標)トレーラの順にならんでいる。
【0045】
そして、通信評価パケットのイーサネット(登録商標)ヘッダおよびイーサネット(登録商標)トレーラは、データリンク層42に属するFCS計算回路421で付加され、同じくデータリンク層42に属する制御信号生成回路422で検査される。イーサネット(登録商標)ヘッダは宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスを含み、イーサネット(登録商標)トレーラはFCSを含む。
【0046】
また、通信評価パケットのIPヘッダおよびTCPヘッダは、トランスポート/ネットワーク層43に属する受信確認送出部12で付加され、同じくトランスポート/ネットワーク層43に属する受信確認返送要求部11で検査される。IPヘッダは、宛先IPアドレス、送信元IPアドレスおよびIPチェックサムを含み、TCPヘッダは、送信元ポートアドレス、宛先ポートアドレス、シーケンス番号、受信確認番号およびTCPチェックサムを含む。
【0047】
図11は、本発明に係る通信品質評価装置1を使用してウエッブサーバ2(図2)から通信品質評価データをダウンロードするときのダウンロードスループット測定手順を示すフローチャートであって、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2にスループット測定に使用される通信品質評価データのサイズである通信品質評価バイト数を問い合わせる(ステップS111)。次に、通信品質評価装置1からのダウンロードの要求に応答してウエッブサーバ2は通信品質評価装置1に通信品質評価データをダウンロードし、通信品質評価装置1はダウンロードに要した時間を計時する(ステップS112)。そして、通信品質評価バイト数のダウンロードが終了すると、通信品質評価装置1は通信品質評価バイト数およびダウンロード時間に基づいてダウンロードスループットを計算する(ステップS113)。
【0048】
図12は通信品質評価バイト数問い合わせの手順を示すシーケンス図であって、通信品質評価バイト数問い合わせ手順は、接続ステップ、通信品質評価バイト数取得ステップ、および切断ステップの3つのステップを含む。
【0049】
通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続ステップはTCPの3ウエイハンドシェークに従って行われ、まず通信品質評価装置1がウエッブサーバ2に接続開始要求パケットを送信する(SEQ121)。次に、接続開始要求パケットを受信したウエッブサーバ2は通信品質評価装置1に受信確認を送信する(SEQ122)。通信品質評価装置1は、この受信確認に対する受信確認をウエッブサーバ2に返送することにより(SEQ123)、通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続が確立する。
【0050】
接続が確立すると、通信品質評価バイト数取得ステップが実行されるが、通信品質評価装置1はHTTPのHEADコマンドを使用してウエッブサーバ2に通信品質評価バイト数を問い合わせる(SEQ124)。ウエッブサーバ2は、この問い合わせに対してダウンロードスループット測定時にウエッブサーバ2からダウンロードする通信品質評価データのバイト数である通信品質評価バイト数を通信品質評価装置1に送信する(SEQ125)。
【0051】
通信品質評価装置1は通信品質評価バイト数を受信すると、いったん通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続を切断するために、切断ステップを実行する。即ち、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2に切断要求パケットを送信し(SEQ126)、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2から受信確認を受信した後にウエッブサーバ2との接続を切断する(SEQ127)。
【0052】
通信品質評価バイト数問い合わせは通信品質評価装置1にインストールされたソフトウエアによって実行される。
【0053】
図13は通信品質評価データダウンロードの手順を示すシーケンス図であって、通信品質評価データダウンロード手順は、接続ステップ、設定ステップ、データダウンロードステップ、および切断ステップの4つのステップを含む。この4つのステップのうち、接続ステップおよび切断ステップは品質評価バイト数問い合わせ手順で既に詳述したので、再度の説明を省略する。
【0054】
設定ステップでは、通信品質評価条件を設定する。
【0055】
通信品質評価装置1は、前述した通信品質評価バイト数問い合わせ手順で取得した通信品質評価バイト数をダウンロード時間計時部I/F449(図2)を介して計時停止指令出力回路133(図9)に設定するほか、受信確認送出部I/F448(図2)を介して受信確認返送対象フレーム判定回路111(図3)に通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスを設定するとともに、受信確認送出部12(図2)に受信確認送出部I/F448(図2)を介して受信確認番号およびシーケンス番号の初期値を設定する(SEQ131)。
【0056】
次に、通信品質評価装置1はHTTPのGETコマンドをデータメモリ444(図2)に書き込む(SEQ132)。データメモリ444に書き込まれたGETコマンドは、ストリームパケット生成回路431(図2)でストリームパケットに格納され、接続部14(図2)を介してウエッブサーバ2に送信される(SEQ133)。
【0057】
ウエッブサーバ2はGETコマンドを受信すると、予め定められた受信確認返送バイト数のデータをパケットの形式で通信品質評価装置1に送信する(SEQ134)。
【0058】
ウエッブサーバ2から送信されたパケットは、パケット通信回線3、接続部14、および制御信号生成回路422(図2)を介して受信確認返送要求部11に導かれる。
【0059】
受信確認返送要求部11は、まず、パケットを受信確認返送対象パケット判定回路111(図3)に送信する。受信確認返送対象パケット判定回路111は、パケットの宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、および宛先ポートアドレスが、それぞれ、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致するか否かを判定する。
【0060】
パケットの宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、および宛先ポートアドレスが、それぞれ、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致すると、受信確認返送対象パケット判定回路111は、受信したパケットは通信品質評価パケットであるとして、通信品質評価パケットのペイロードからデータを抽出する。
【0061】
受信確認返送対象パケット判定回路111は、CPU441からダウンロードスループット計測開始指令を受信した後に最初に通信品質評価パケットを検出したときは、計時開始指令を出力する。
【0062】
到達時受信確認返送要求発生回路112(図3)に含まれる積算回路515(図5)は、今回受信した通信品質評価パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数を積算する。積算回路515の積算値が予め定められた受信確認返送バイト数に到達すると到達時受信確認返送要求発生回路112は到達時受信確認返送要求を発生する。
【0063】
受信確認返送要求発生回路113(図3)は、到達時受信確認返送要求発生回路112の発生した到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を受信確認送出部12(図2)に出力する。
【0064】
受信確認送出部12が受信確認をウエッブサーバ2に送出して予め定められた所定時間経過してもウエッブサーバ2から通信品質評価パケットが送信されないときは、受信確認返送要求発生回路113(図3)は、タイムアウト時受信確認返送要求発生回路117(図2)からタイムアウト時受信確認返送要求を受信し、受信確認返送要求を受信確認送出部12(図2)に出力する。
【0065】
なお、受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116が受信確認返送後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットを受信しないことを検出したときは、受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116は受信確認返送対象パケットタイムアウトを受信確認送出部I/F448(図2)を介してCPU441に送る。CPU441は表示パネル451に「ダウンロードスループットの測定に失敗した」旨のメッセージを表示する。なお、受信確認送出部12の動作は後述する。
【0066】
受信確認番号計算回路114およびシーケンス番号計算回路115は、通信品質評価パケットに含まれる受信確認番号およびシーケンス番号に基づいて、それぞれ、受信確認返送時の受信確認番号およびシーケンス番号を計算する。
【0067】
図14は受信確認番号およびシーケンス番号の計算手順を示すシーケンス図であって、設定ステップにおいて通信品質評価装置1はGETコマンドとともにシーケンス番号(Seq. No.)の初期値(=100)および受信確認番号(Ack. No.)の初期値(=500)ならびに25バイトのデータをウエッブサーバ2に送信する。
【0068】
なお、前述したように、通信品質評価バイト数問い合わせステップ(図12)において一度通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続を切断した後に、通信品質評価データダウンロードステップ(図12)で通信品質評価装置1とウエッブサーバ2とを再度接続する理由は、シーケンス番号および受信確認番号の初期値を通信品質評価装置1で設定することが可能となるからである。
【0069】
ウエッブサーバ2は、通信品質評価装置1に200バイトのデータを送信する際のシーケンス番号および受信確認番号をTCPに従いソフトウエアで計算する。
【0070】
即ち、ウエッブサーバ2は、受信した受信確認番号(=500)を通信品質評価装置1へのデータ送信時のシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=100)と受信したデータのバイト数(=25)の和(=125)を受信確認番号として、通信品質評価装置1へ200バイトのデータを送信する。
【0071】
200バイトのデータを受信した通信品質評価装置1は、シーケンス番号計算回路115により受信した通信品質評価パケットに含まれる受信確認番号(=125)をウエッブサーバ2への受信確認送信時のシーケンス番号に設定し、受信確認番号計算回路114により受信した通信品質評価パケットに含まれるシーケンス番号(=500)と受信した通信品質評価パケットから抽出したデータのバイト数(=200)の和(=700)を受信確認番号に設定する。通信品質評価装置1は、シーケンス番号計算回路115で計算されたシーケンス番号および受信確認番号計算回路114で計算された受信確認番号を受信確認パケットに格納してウエッブサーバ2へ送出する。この際、通信品質評価装置1はウエッブサーバにデータを送信しない(即ち、データのバイト数=0)。
【0072】
ウエッブサーバ2は、受信した受信確認番号(=700)をシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=125)と受信したデータのバイト数(=0)の和(=125)を受信確認番号として、通信品質評価装置1へ1000バイトのデータを送信する。
【0073】
1000バイトのデータを受信した通信品質評価装置1は、受信した受信確認番号(=125)をシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=700)と受信したデータのバイト数(=1000)の和(=1700)を受信確認番号としてウエッブサーバ2へ受信確認を送信する。この際、通信品質評価装置1からウエッブサーバにデータは送信されない(即ち、データのバイト数=0)。
【0074】
次に、受信確認送出部12(図8)の動作を説明する。
【0075】
受信確認返送要求部11の受信確認番号計算回路114およびシーケンス番号計算回路115で計算された受信確認番号およびシーケンス番号は、受信確認パケットデータ記憶回路121にいったん記憶される。なお、受信確認パケットデータ記憶回路121は受信確認番号およびシーケンス番号を受信するたびに記憶を更新するので、受信確認パケットデータ記憶回路121には最新の受信確認番号およびシーケンス番号が記憶されている。
【0076】
受信確認パケット生成回路123は、受信確認返送要求部11の受信確認返送要求発生回路113が発生した受信確認返送要求を受信すると、受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている最新の受信確認番号およびシーケンス番号に基づいてパケットチェックサム計算回路122において計算されたチェックサムを受信確認パケットに格納するとともに、受信確認パケットの受信確認番号およびシーケンス番号を受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている最新の受信確認番号およびシーケンス番号に設定する。
【0077】
そして、受信確認パケット生成回路123は、この受信確認パケットを、接続部14およびパケット通信回線3を介してウエッブサーバ2に送出する(図13のSEQ135)。
【0078】
上述したSEQ133からSEQ135を繰り返して、品質評価データのダウンロードを実行する。
【0079】
最後にダウンロード時間計時部13(図9)の動作を説明する。
【0080】
ダウンロード時間計時部13のダウンロード時間計時回路131は、受信確認返送要求部11が出力する計時開始指令によりダウンロード時間の計時を開始する。
【0081】
抽出データバイト数積算回路132は、受信確認返送対象パケットのペイロードに含まれるデータのバイト数を積算する。この積算結果は計時停止指令出力回路133に送信され、計時停止指令出力回路133は積算結果がダウンロード時間計時部I/F449(図2)を介して設定された通信品質評価バイト数に到達したときに、ダウンロード時間計時回路131に計時停止指令を出力し、ダウンロード時間の計時を停止する。
【0082】
CPU441は、ソフトウエアで計時停止指令をポーリングしており、ダウンロード時間計時部13が計時停止指令を出力すると、CPU441はダウンロード時間計時部I/F449を介してダウンロード時間を読み込み、通信品質評価バイト数をダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出する。
【0083】
なお、上記の実施の形態においては、本発明に係る通信品質評価装置はハードワイヤード論理回路で構成されているものとしているが、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプログラマブル論路回路で構成することもできることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明に係る通信品質評価装置は、TCP/IPで必要となる受信確認返送を処理する専用ハードウエアを設けることにより、通信品質評価装置に搭載されるCPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できるという効果を有し、パケット通信回線の通信品質評価装置等として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る通信品質評価装置のブロック図
【図2】本発明に係る通信品質評価装置のハードウエア構成を示すブロック線図
【図3】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の詳細な構成を示すブロック線図
【図4】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認返送対象パケット判定回路の回路図
【図5】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の到達時受信確認返送要求発生回路の回路図
【図6】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認返送要求発生回路の回路図
【図7】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認番号計算回路の回路図
【図8】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認送出部の回路図
【図9】本発明に係る通信品質評価装置のダウンロード時間計時部の回路図
【図10】通信評価パケットのブロック図
【図11】本発明に係る通信品質評価装置によるスループット測定手順を示すフローチャート
【図12】本発明に係る通信品質評価装置による通信品質評価バイト数問い合わせの手順を示すシーケンス図
【図13】本発明に係る通信品質評価装置による通信品質評価パケットダウンロードの手順を示すシーケンス図
【図14】本発明に係る通信品質評価装置による受信確認番号およびシーケンス番号の計算手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0086】
1 通信品質評価装置
2 ウエッブサーバ
3 パケット通信回線
11 受信確認返送要求部
12 受信確認送出部
13 ダウンロード時間計時部
14 接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質評価装置に係り、特に、ウエッブサーバからパケット通信回線を介してデータをダウンロードする際のダウンロードスループットを計測することによって、パケット通信回線の通信品質を評価することのできる通信品質評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パケット通信回線の通信品質を評価する方法として、ウエッブサーバからパケット通信回線を介してデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータ量(例えばデータのバイト数)をダウンロードに要した時間で除したダウンロードスループットによって評価することが一般的である。
【0003】
従来は、パーソナルコンピュータ(以下PCと記す)に品質評価プログラムをインストールすること等により構成された通信品質評価装置を特定のウエッブサーバに接続し、ウエッブサーバからバイト数が既知のデータをダウンロードし、ダウンロードに要した時間でダウンロードしたバイト数を除することによりダウンロードスループットを測定していた。
【0004】
ウエッブサーバと通信品質評価装置との間の通信のプロトコルとしては、一般的にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が使用されるが、このプロトコルでは受信側が所定数のパケットを受信するたびに送信側に受信確認(Acknowledgement、以下Ackと記す)を送信する必要がある。
【0005】
従来の通信品質評価装置では受信確認の返送処理をソフトウエアで実行しているので、処理速度は通信品質評価装置に搭載されたCPUの演算速度およびCPUの動作状態に依存することとなる。
【0006】
従って、ダウンロードスループットを測定する場合にも、通信品質評価装置に搭載されているCPUの演算速度および動作状態によってダウンロード時間が影響を受けることを回避できない。
【0007】
そこで、受信側から受信確認を返送しないプロトコルであるUDP(User Datagram Protocol)にパケットが欠落した場合の処理を追加することにより、ダウンロードスループットおよび通信品質を高めたプロトコルが既に提案されており(例えば特許文献1参照)、このプロトコルを使用することによりCPUの演算速度および動作状態の影響を削減することも考えられる。
【特許文献1】特開平10−56479号公報([0007]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記提案に係るプロトコルは、受信側だけでなく送信側にも適用する必要があり、TCP/IPを採用する通常のウエッブサーバからのダウンロードスループットの測定には適用できないという課題がある。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであって、TCP/IPを採用する通常のウエッブサーバからのダウンロードスループットを測定することによってパケット通信回線の通信品質を評価する際にも、CPUの演算速度および動作状態の影響を排除することのできる通信品質評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る通信品質評価装置は、パケット通信回線を介してウエッブサーバに受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部と、前記受信確認返送要求に応じて前記ウエッブサーバに受信確認を送出する受信確認送出部と、前記受信確認返送要求部が通信品質評価開始後に最初の前記受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときに前記ダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部と、前記受信確認返送要求部と前記受信確認送出部とを前記パケット通信回線に接続する接続部とを含む。
【0011】
この構成により、CPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できることとなる。
【0012】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記パケット通信回線を介して受信したパケットが前記受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路と、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路と、前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路と、前記受信確認返送対象パケットの受信確認番号に基づいて受信確認送出時のシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路と、前記受信確認返送対象パケットのシーケンス番号と前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数とに基づいて受信確認送出時の受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路とを含んでいてもよい。
【0013】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記受信確認を送出後予め定められた受信確認タイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達しなかったときに、タイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路を含み、前記受信確認返送要求発生回路が、前記タイムアウト時受信確認返送要求または前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生するものであってもよい。
【0014】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認返送要求部が、前記受信確認を送出後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットを受信しなかったときに受信確認返送対象パケットタイムアウトを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路を含んでいてもよい。
【0015】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記受信確認送出部が、前記シーケンス番号計算回路で計算された最新のシーケンス番号および前記受信確認番号計算回路で計算された最新の受信確認番号を受信確認パケットデータとして記憶する受信確認パケットデータ記憶回路と、前記受信確認パケットデータに基づいてパケットチェックサムを計算するパケットチェックサム計算回路と、前記受信確認返送要求を受信したときに前記最新のシーケンス番号および前記最新の受信確認番号をシーケンス番号および受信確認番号とし前記パケットチェックサムを格納した受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路とを含んでいてもよい。
【0016】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記ダウンロード計時部が、前記受信確認返送対象パケット判定回路が最初の前記受信確認返送対象パケットを検出したときに前記ダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路と、前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路と、前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数の積算値が予め定められた前記通信品質評価データバイト数に到達したときに前記ダウンロード時間計時部に前記ダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路とを含んでいてもよい。
【0017】
本発明に係る通信品質評価装置は、前記品質評価バイト数を前記ダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出するダウンロードスループット算出部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、TCP/IPで必要となる受信確認を専用ハードウエアから送出することにより、CPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できるという効果を有する通信品質評価装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図面を参照しつつ、本発明に係る通信品質評価装置の実施形態を説明する。
【0020】
まず、本発明に係る通信品質評価装置の構成を説明する。
【0021】
本発明に係る通信品質評価装置1は、図1に示すように、パケット通信回線3を介してウエッブサーバ2に受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部11と、受信確認返送要求に応じてウエッブサーバ2に受信確認を送出する受信確認送出部12と、受信確認返送要求部11が通信品質評価開始後に最初の受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部13と、受信確認返送要求部11と受信確認送出部12とをパケット通信回線3に接続する接続部14とを含む。
【0022】
図2は、本発明に係る通信品質評価装置1のハードウエア構成を示すブロック線図であって、通信品質評価装置1はパケット通信回線3を介してウエッブサーバ2と接続されている。
【0023】
通信品質評価装置1は、OSI参照モデルに準拠して構成されており、物理層41、データリンク層42およびトランスポート/ネットワーク層43は専用ハードウエアにより構成されており、上位層44(セッション層、プレゼンテーション層、およびアプリケーション層)はソフトウエアにより構成される。
【0024】
物理層41は、パケット通信回線3に接続される接続回路411と、パケット通信回線3から受信した受信信号を接続回路411から抽出し、パケット通信回線3に送信すべき送信信号を接続回路411に出力し接続回路411から受信信号を受信する物理I/F(インターフェイス)412と、送信すべきイーサネット(登録商標)パケットを物理I/F412に出力する送信物理I/F413と、受信信号からイーサネット(登録商標)パケットを生成する受信物理I/F414とを含む。
【0025】
データリンク層42は、送信すべきTCP/IPパケットのフレームチェックシーケンス(FCS)を計算してイーサネット(登録商標)パケットを生成するFCS計算回路421と、受信したイーサネット(登録商標)パケットから後流の処理で必要となる制御信号およびTCP/IPパケットを生成する制御信号生成回路422とを含む。
【0026】
トランスポート/ネットワーク層43は、上位層44からデータのストリーム送信の要求があったときにストリーム通信用のパケットを生成するストリームパケット生成回路431と、送信すべきパケットを選択する送信パケット選択回路432とを含む。
【0027】
トランスポート/ネットワーク層43は、さらに、受信確認返送要求部11、受信確認送出部12およびダウンロード時間計時部13を含む。
【0028】
なお、接続部14は、物理層41と、データリンク層42と、トランスポート/ネットワーク層43中の送信パケット選択回路432により構成される。
【0029】
通信品質評価装置1の上位層44は、ハードウエア的には、プログラムを実行するCPU441、プログラムおよび処理結果を記憶するメモリ442、および周辺機器I/F443がバスに接続された構成を有する。
【0030】
なお、ストリームパケット生成回路431にストリームパケット用データを出力するデータメモリ444、CPU441から送信すべきデータのパケットを生成する送信パケットI/F445、CPU441に転送すべきパケットをバスに出力する受信パケットI/F446、受信確認返送要求部11をCPU441に接続する受信確認返送要求部I/F447、受信確認送出部12をCPU441に接続する受信確認送出部I/F448、およびダウンロード時間計時部13をCPU441に接続するダウンロード時間計時部I/F449も上位層44に含まれる。
【0031】
また、周辺機器I/F443には、表示パネル451、キーボード452およびマウス453で構成される周辺機器が接続される。なお、これらの周辺機器は通信品質評価装置1に含まれていてもよい。
【0032】
図3は受信確認返送要求部11の構成を示すブロック線図であって、制御信号生成回路422から出力されるイーサネット(登録商標)パケットが受信確認返送の対象となるパケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路111と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路112と、到達時受信確認返送要求およびその他の条件で受信確認返送要求が発生したときに受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路113と、受信確認返送対象パケットに含まれるシーケンス番号および受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数に基づいてウエッブサーバ2に返送する受信確認パケットの受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路114と、受信確認返送対象パケットに含まれる受信確認番号に基づいてウエッブサーバ2に返送する受信確認パケットのシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路115とを含む。
【0033】
なお、受信確認返送要求部11は、受信確認返送後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットを受信しないことを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116と、受信確認返送後予め定められた受信確認条件成立タイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が受信確認返送バイト数に到達しないときにタイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路117とを含んでいてもよい。
【0034】
受信確認返送要求発生回路113は、タイムアウト時受信確認返送要求に応答して受信確認返送要求を発生する。
【0035】
図4は受信確認返送対象パケット判定回路111の回路図であって、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先MACアドレスが予め定められた通信品質評価装置MACアドレスと一致しているか否かを判定するMACアドレス一致検出回路511と、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先IPアドレスが予め定められた通信品質評価装置IPアドレスと一致しているか否かを判定するIPアドレス一致検出回路512と、制御信号生成回路422から出力されるTCP/IPパケットに含まれる宛先ポートアドレスが予め定められたウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致しているか否かを判定するポートアドレス一致検出回路513と、MACアドレス一致検出回路511、IPアドレス一致検出回路512、およびポートアドレス一致検出回路513のすべてで一致が検出されたときに受信確認返送対象パケット受信を出力する受信確認返送対象パケット受信出力回路514とを含む。
【0036】
受信確認返送対象パケット判定回路111は、さらに、CPU441からダウンロードスループット計測開始指令を受信した後に、最初に受信確認返送対象パケットを検出したときに計時開始指令を出力する計時開始指令出力回路510を含む。
【0037】
なお、受信確認返送対象パケット判定回路111は、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、ウエッブサーバ閲覧ポートアドレスおよびダウンロードスループット計測開始指令を、受信確認返送要求部I/F447を介してCPU441から受信する。
【0038】
図5は到達時受信確認返送要求発生回路112の回路図であって、受信したTCP/IPパケットのペイロードに含まれるデータのバイト数を積算する積算回路515と、積算結果が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する発生回路516とを含む。なお、受信確認返送バイト数は、CPU441から受信確認返送要求部I/F447を介して送信される。
【0039】
図6は受信確認返送要求発生回路113の回路図であって、到達時受信確認返送要求発生回路112が到達時受信確認返送要求を発生したとき、またはタイムアウト時受信確認返送要求発生回路117がタイムアウト時受信確認返送要求を発生したときに受信確認返送要求を発生する発生回路517を含む。
【0040】
図7は受信確認番号計算回路114の回路図であって、受信したTCP/IPパケットのTCPヘッダに含まれるシーケンス番号と受信したTCP/IPパケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数とを加算して受信確認番号を計算する加算回路518を含む。
【0041】
また、シーケンス番号計算回路115は、受信したTCP/IPパケットのTCPヘッダに含まれる受信確認番号をそのままシーケンス番号として出力する。
【0042】
図8は受信確認送出部12(図2)のブロック図であって、受信確認番号計算回路114で計算された受信確認番号およびシーケンス番号計算回路115で計算されたシーケンス番号を記憶する受信確認パケットデータ記憶回路121と、受信確認パケットを返送するときにTCPチェックサムおよびIPチェックサムであるパケットチェックサム(誤り検出ビット)を計算するパケットチェックサム計算回路122と、受信確認返送要求発生回路113から受信確認返送要求を受信したときに受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている受信確認番号およびシーケンス番号ならびにパケットチェックサム計算回路122で計算されたパケットチェックサムに基づいて受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路123とを含む。
【0043】
図9はダウンロード時間計時部13(図2)のブロック図であって、受信確認返送対象パケット判定回路111(図3および図4)が計時開始指令を出力したときにダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路131と、受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路132と、抽出データバイト数積算値が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときにダウンロード時間計時回路131に対してダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路133とを含む。
【0044】
以下本発明に係る通信品質評価装置1の動作を説明するが、通信品質評価装置1で取り扱う受信確認返送対象パケットは、図10に示すように、パケットの先頭から末尾に向かってイーサネット(登録商標)ヘッダ、IPヘッダ、TCPヘッダ、ペイロードおよびイーサネット(登録商標)トレーラの順にならんでいる。
【0045】
そして、通信評価パケットのイーサネット(登録商標)ヘッダおよびイーサネット(登録商標)トレーラは、データリンク層42に属するFCS計算回路421で付加され、同じくデータリンク層42に属する制御信号生成回路422で検査される。イーサネット(登録商標)ヘッダは宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスを含み、イーサネット(登録商標)トレーラはFCSを含む。
【0046】
また、通信評価パケットのIPヘッダおよびTCPヘッダは、トランスポート/ネットワーク層43に属する受信確認送出部12で付加され、同じくトランスポート/ネットワーク層43に属する受信確認返送要求部11で検査される。IPヘッダは、宛先IPアドレス、送信元IPアドレスおよびIPチェックサムを含み、TCPヘッダは、送信元ポートアドレス、宛先ポートアドレス、シーケンス番号、受信確認番号およびTCPチェックサムを含む。
【0047】
図11は、本発明に係る通信品質評価装置1を使用してウエッブサーバ2(図2)から通信品質評価データをダウンロードするときのダウンロードスループット測定手順を示すフローチャートであって、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2にスループット測定に使用される通信品質評価データのサイズである通信品質評価バイト数を問い合わせる(ステップS111)。次に、通信品質評価装置1からのダウンロードの要求に応答してウエッブサーバ2は通信品質評価装置1に通信品質評価データをダウンロードし、通信品質評価装置1はダウンロードに要した時間を計時する(ステップS112)。そして、通信品質評価バイト数のダウンロードが終了すると、通信品質評価装置1は通信品質評価バイト数およびダウンロード時間に基づいてダウンロードスループットを計算する(ステップS113)。
【0048】
図12は通信品質評価バイト数問い合わせの手順を示すシーケンス図であって、通信品質評価バイト数問い合わせ手順は、接続ステップ、通信品質評価バイト数取得ステップ、および切断ステップの3つのステップを含む。
【0049】
通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続ステップはTCPの3ウエイハンドシェークに従って行われ、まず通信品質評価装置1がウエッブサーバ2に接続開始要求パケットを送信する(SEQ121)。次に、接続開始要求パケットを受信したウエッブサーバ2は通信品質評価装置1に受信確認を送信する(SEQ122)。通信品質評価装置1は、この受信確認に対する受信確認をウエッブサーバ2に返送することにより(SEQ123)、通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続が確立する。
【0050】
接続が確立すると、通信品質評価バイト数取得ステップが実行されるが、通信品質評価装置1はHTTPのHEADコマンドを使用してウエッブサーバ2に通信品質評価バイト数を問い合わせる(SEQ124)。ウエッブサーバ2は、この問い合わせに対してダウンロードスループット測定時にウエッブサーバ2からダウンロードする通信品質評価データのバイト数である通信品質評価バイト数を通信品質評価装置1に送信する(SEQ125)。
【0051】
通信品質評価装置1は通信品質評価バイト数を受信すると、いったん通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続を切断するために、切断ステップを実行する。即ち、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2に切断要求パケットを送信し(SEQ126)、通信品質評価装置1はウエッブサーバ2から受信確認を受信した後にウエッブサーバ2との接続を切断する(SEQ127)。
【0052】
通信品質評価バイト数問い合わせは通信品質評価装置1にインストールされたソフトウエアによって実行される。
【0053】
図13は通信品質評価データダウンロードの手順を示すシーケンス図であって、通信品質評価データダウンロード手順は、接続ステップ、設定ステップ、データダウンロードステップ、および切断ステップの4つのステップを含む。この4つのステップのうち、接続ステップおよび切断ステップは品質評価バイト数問い合わせ手順で既に詳述したので、再度の説明を省略する。
【0054】
設定ステップでは、通信品質評価条件を設定する。
【0055】
通信品質評価装置1は、前述した通信品質評価バイト数問い合わせ手順で取得した通信品質評価バイト数をダウンロード時間計時部I/F449(図2)を介して計時停止指令出力回路133(図9)に設定するほか、受信確認送出部I/F448(図2)を介して受信確認返送対象フレーム判定回路111(図3)に通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスを設定するとともに、受信確認送出部12(図2)に受信確認送出部I/F448(図2)を介して受信確認番号およびシーケンス番号の初期値を設定する(SEQ131)。
【0056】
次に、通信品質評価装置1はHTTPのGETコマンドをデータメモリ444(図2)に書き込む(SEQ132)。データメモリ444に書き込まれたGETコマンドは、ストリームパケット生成回路431(図2)でストリームパケットに格納され、接続部14(図2)を介してウエッブサーバ2に送信される(SEQ133)。
【0057】
ウエッブサーバ2はGETコマンドを受信すると、予め定められた受信確認返送バイト数のデータをパケットの形式で通信品質評価装置1に送信する(SEQ134)。
【0058】
ウエッブサーバ2から送信されたパケットは、パケット通信回線3、接続部14、および制御信号生成回路422(図2)を介して受信確認返送要求部11に導かれる。
【0059】
受信確認返送要求部11は、まず、パケットを受信確認返送対象パケット判定回路111(図3)に送信する。受信確認返送対象パケット判定回路111は、パケットの宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、および宛先ポートアドレスが、それぞれ、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致するか否かを判定する。
【0060】
パケットの宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、および宛先ポートアドレスが、それぞれ、通信品質評価装置MACアドレス、通信品質評価装置IPアドレス、およびウエッブサーバ閲覧ポートアドレスと一致すると、受信確認返送対象パケット判定回路111は、受信したパケットは通信品質評価パケットであるとして、通信品質評価パケットのペイロードからデータを抽出する。
【0061】
受信確認返送対象パケット判定回路111は、CPU441からダウンロードスループット計測開始指令を受信した後に最初に通信品質評価パケットを検出したときは、計時開始指令を出力する。
【0062】
到達時受信確認返送要求発生回路112(図3)に含まれる積算回路515(図5)は、今回受信した通信品質評価パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数を積算する。積算回路515の積算値が予め定められた受信確認返送バイト数に到達すると到達時受信確認返送要求発生回路112は到達時受信確認返送要求を発生する。
【0063】
受信確認返送要求発生回路113(図3)は、到達時受信確認返送要求発生回路112の発生した到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を受信確認送出部12(図2)に出力する。
【0064】
受信確認送出部12が受信確認をウエッブサーバ2に送出して予め定められた所定時間経過してもウエッブサーバ2から通信品質評価パケットが送信されないときは、受信確認返送要求発生回路113(図3)は、タイムアウト時受信確認返送要求発生回路117(図2)からタイムアウト時受信確認返送要求を受信し、受信確認返送要求を受信確認送出部12(図2)に出力する。
【0065】
なお、受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116が受信確認返送後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間を経過しても受信確認返送対象パケットを受信しないことを検出したときは、受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路116は受信確認返送対象パケットタイムアウトを受信確認送出部I/F448(図2)を介してCPU441に送る。CPU441は表示パネル451に「ダウンロードスループットの測定に失敗した」旨のメッセージを表示する。なお、受信確認送出部12の動作は後述する。
【0066】
受信確認番号計算回路114およびシーケンス番号計算回路115は、通信品質評価パケットに含まれる受信確認番号およびシーケンス番号に基づいて、それぞれ、受信確認返送時の受信確認番号およびシーケンス番号を計算する。
【0067】
図14は受信確認番号およびシーケンス番号の計算手順を示すシーケンス図であって、設定ステップにおいて通信品質評価装置1はGETコマンドとともにシーケンス番号(Seq. No.)の初期値(=100)および受信確認番号(Ack. No.)の初期値(=500)ならびに25バイトのデータをウエッブサーバ2に送信する。
【0068】
なお、前述したように、通信品質評価バイト数問い合わせステップ(図12)において一度通信品質評価装置1とウエッブサーバ2との接続を切断した後に、通信品質評価データダウンロードステップ(図12)で通信品質評価装置1とウエッブサーバ2とを再度接続する理由は、シーケンス番号および受信確認番号の初期値を通信品質評価装置1で設定することが可能となるからである。
【0069】
ウエッブサーバ2は、通信品質評価装置1に200バイトのデータを送信する際のシーケンス番号および受信確認番号をTCPに従いソフトウエアで計算する。
【0070】
即ち、ウエッブサーバ2は、受信した受信確認番号(=500)を通信品質評価装置1へのデータ送信時のシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=100)と受信したデータのバイト数(=25)の和(=125)を受信確認番号として、通信品質評価装置1へ200バイトのデータを送信する。
【0071】
200バイトのデータを受信した通信品質評価装置1は、シーケンス番号計算回路115により受信した通信品質評価パケットに含まれる受信確認番号(=125)をウエッブサーバ2への受信確認送信時のシーケンス番号に設定し、受信確認番号計算回路114により受信した通信品質評価パケットに含まれるシーケンス番号(=500)と受信した通信品質評価パケットから抽出したデータのバイト数(=200)の和(=700)を受信確認番号に設定する。通信品質評価装置1は、シーケンス番号計算回路115で計算されたシーケンス番号および受信確認番号計算回路114で計算された受信確認番号を受信確認パケットに格納してウエッブサーバ2へ送出する。この際、通信品質評価装置1はウエッブサーバにデータを送信しない(即ち、データのバイト数=0)。
【0072】
ウエッブサーバ2は、受信した受信確認番号(=700)をシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=125)と受信したデータのバイト数(=0)の和(=125)を受信確認番号として、通信品質評価装置1へ1000バイトのデータを送信する。
【0073】
1000バイトのデータを受信した通信品質評価装置1は、受信した受信確認番号(=125)をシーケンス番号とし、受信したシーケンス番号(=700)と受信したデータのバイト数(=1000)の和(=1700)を受信確認番号としてウエッブサーバ2へ受信確認を送信する。この際、通信品質評価装置1からウエッブサーバにデータは送信されない(即ち、データのバイト数=0)。
【0074】
次に、受信確認送出部12(図8)の動作を説明する。
【0075】
受信確認返送要求部11の受信確認番号計算回路114およびシーケンス番号計算回路115で計算された受信確認番号およびシーケンス番号は、受信確認パケットデータ記憶回路121にいったん記憶される。なお、受信確認パケットデータ記憶回路121は受信確認番号およびシーケンス番号を受信するたびに記憶を更新するので、受信確認パケットデータ記憶回路121には最新の受信確認番号およびシーケンス番号が記憶されている。
【0076】
受信確認パケット生成回路123は、受信確認返送要求部11の受信確認返送要求発生回路113が発生した受信確認返送要求を受信すると、受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている最新の受信確認番号およびシーケンス番号に基づいてパケットチェックサム計算回路122において計算されたチェックサムを受信確認パケットに格納するとともに、受信確認パケットの受信確認番号およびシーケンス番号を受信確認パケットデータ記憶回路121に記憶されている最新の受信確認番号およびシーケンス番号に設定する。
【0077】
そして、受信確認パケット生成回路123は、この受信確認パケットを、接続部14およびパケット通信回線3を介してウエッブサーバ2に送出する(図13のSEQ135)。
【0078】
上述したSEQ133からSEQ135を繰り返して、品質評価データのダウンロードを実行する。
【0079】
最後にダウンロード時間計時部13(図9)の動作を説明する。
【0080】
ダウンロード時間計時部13のダウンロード時間計時回路131は、受信確認返送要求部11が出力する計時開始指令によりダウンロード時間の計時を開始する。
【0081】
抽出データバイト数積算回路132は、受信確認返送対象パケットのペイロードに含まれるデータのバイト数を積算する。この積算結果は計時停止指令出力回路133に送信され、計時停止指令出力回路133は積算結果がダウンロード時間計時部I/F449(図2)を介して設定された通信品質評価バイト数に到達したときに、ダウンロード時間計時回路131に計時停止指令を出力し、ダウンロード時間の計時を停止する。
【0082】
CPU441は、ソフトウエアで計時停止指令をポーリングしており、ダウンロード時間計時部13が計時停止指令を出力すると、CPU441はダウンロード時間計時部I/F449を介してダウンロード時間を読み込み、通信品質評価バイト数をダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出する。
【0083】
なお、上記の実施の形態においては、本発明に係る通信品質評価装置はハードワイヤード論理回路で構成されているものとしているが、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプログラマブル論路回路で構成することもできることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明に係る通信品質評価装置は、TCP/IPで必要となる受信確認返送を処理する専用ハードウエアを設けることにより、通信品質評価装置に搭載されるCPUの演算速度および動作状態の影響を受けずにダウンロード時間を測定できるという効果を有し、パケット通信回線の通信品質評価装置等として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る通信品質評価装置のブロック図
【図2】本発明に係る通信品質評価装置のハードウエア構成を示すブロック線図
【図3】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の詳細な構成を示すブロック線図
【図4】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認返送対象パケット判定回路の回路図
【図5】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の到達時受信確認返送要求発生回路の回路図
【図6】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認返送要求発生回路の回路図
【図7】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認返送要求部の受信確認番号計算回路の回路図
【図8】本発明に係る通信品質評価装置の受信確認送出部の回路図
【図9】本発明に係る通信品質評価装置のダウンロード時間計時部の回路図
【図10】通信評価パケットのブロック図
【図11】本発明に係る通信品質評価装置によるスループット測定手順を示すフローチャート
【図12】本発明に係る通信品質評価装置による通信品質評価バイト数問い合わせの手順を示すシーケンス図
【図13】本発明に係る通信品質評価装置による通信品質評価パケットダウンロードの手順を示すシーケンス図
【図14】本発明に係る通信品質評価装置による受信確認番号およびシーケンス番号の計算手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0086】
1 通信品質評価装置
2 ウエッブサーバ
3 パケット通信回線
11 受信確認返送要求部
12 受信確認送出部
13 ダウンロード時間計時部
14 接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット通信回線を介してウエッブサーバに受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部(11)と、
前記受信確認返送要求に応じて前記ウエッブサーバに受信確認を送出する受信確認送出部(12)と、
前記受信確認返送要求部が通信品質評価開始後に最初の前記受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときに前記ダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部(13)と、
前記受信確認返送要求部と前記受信確認送出部とを前記パケット通信回線に接続する接続部(14)とを含む通信品質評価装置。
【請求項2】
前記受信確認返送要求部が、
前記パケット通信回線を介して受信したパケットが前記受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路(111)と、
前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路(112)と、
前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路(113)と、
前記受信確認返送対象パケットの受信確認番号に基づいて受信確認送出時のシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路(115)と、
前記受信確認返送対象パケットのシーケンス番号と前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数とに基づいて受信確認送出時の受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路(114)とを含む請求項1に記載の通信品質評価装置。
【請求項3】
前記受信確認返送要求部が、
前記受信確認を送出後予め定められた受信確認タイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達しなかったときに、タイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路(117)を含み、
前記受信確認返送要求発生回路が、前記タイムアウト時受信確認返送要求または前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生するものである請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項4】
前記受信確認返送要求部が、
前記受信確認を送出後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットを受信しなかったときに受信確認返送対象パケットタイムアウトを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路(116)を含む請求項3に記載の通信品質評価装置。
【請求項5】
前記受信確認送出部が、
前記シーケンス番号計算回路で計算された最新のシーケンス番号および前記受信確認番号計算回路で計算された最新の受信確認番号を受信確認パケットデータとして記憶する受信確認パケットデータ記憶回路(121)と、
前記受信確認パケットデータに基づいてパケットチェックサムを計算するパケットチェックサム計算回路(122)と、
前記受信確認返送要求を受信したときに、前記最新のシーケンス番号および前記最新の受信確認番号をシーケンス番号および受信確認番号とし、前記パケットチェックサムを格納した受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路(123)とを含む請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項6】
前記ダウンロード時間計時部が、
前記受信確認返送対象パケット判定回路が最初の前記受信確認返送対象パケットを検出したときにダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路(131)と、
前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路(132)と、
前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数の積算値が、前記通信品質評価データバイト数に到達したときに、前記ダウンロード時間計時回路に前記ダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路(133)とを含む請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項7】
前記通信品質評価バイト数を前記ダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出するダウンロードスループット算出部を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の通信品質評価装置。
【請求項1】
パケット通信回線を介してウエッブサーバに受信確認を返送すべき受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた受信確認返送バイト数に到達したときに受信確認返送を要求する受信確認返送要求部(11)と、
前記受信確認返送要求に応じて前記ウエッブサーバに受信確認を送出する受信確認送出部(12)と、
前記受信確認返送要求部が通信品質評価開始後に最初の前記受信確認返送対象パケットを受信したときにダウンロード時間の計時を開始し、前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が予め定められた通信品質評価バイト数に到達したときに前記ダウンロード時間の計時を終了するダウンロード時間計時部(13)と、
前記受信確認返送要求部と前記受信確認送出部とを前記パケット通信回線に接続する接続部(14)とを含む通信品質評価装置。
【請求項2】
前記受信確認返送要求部が、
前記パケット通信回線を介して受信したパケットが前記受信確認返送対象パケットであるか否かを判定する受信確認返送対象パケット判定回路(111)と、
前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達したときに到達時受信確認返送要求を発生する到達時受信確認返送要求発生回路(112)と、
前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生する受信確認返送要求発生回路(113)と、
前記受信確認返送対象パケットの受信確認番号に基づいて受信確認送出時のシーケンス番号を計算するシーケンス番号計算回路(115)と、
前記受信確認返送対象パケットのシーケンス番号と前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出したデータのバイト数とに基づいて受信確認送出時の受信確認番号を計算する受信確認番号計算回路(114)とを含む請求項1に記載の通信品質評価装置。
【請求項3】
前記受信確認返送要求部が、
前記受信確認を送出後予め定められた受信確認タイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットのペイロードから抽出されたデータのバイト数が前記受信確認返送バイト数に到達しなかったときに、タイムアウト時受信確認返送要求を発生するタイムアウト時受信確認返送要求発生回路(117)を含み、
前記受信確認返送要求発生回路が、前記タイムアウト時受信確認返送要求または前記到達時受信確認返送要求に基づいて受信確認返送要求を発生するものである請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項4】
前記受信確認返送要求部が、
前記受信確認を送出後予め定められた受信確認返送対象パケットタイムアウト時間以内に前記受信確認返送対象パケットを受信しなかったときに受信確認返送対象パケットタイムアウトを検出する受信確認返送対象パケットタイムアウト検出回路(116)を含む請求項3に記載の通信品質評価装置。
【請求項5】
前記受信確認送出部が、
前記シーケンス番号計算回路で計算された最新のシーケンス番号および前記受信確認番号計算回路で計算された最新の受信確認番号を受信確認パケットデータとして記憶する受信確認パケットデータ記憶回路(121)と、
前記受信確認パケットデータに基づいてパケットチェックサムを計算するパケットチェックサム計算回路(122)と、
前記受信確認返送要求を受信したときに、前記最新のシーケンス番号および前記最新の受信確認番号をシーケンス番号および受信確認番号とし、前記パケットチェックサムを格納した受信確認パケットを生成する受信確認パケット生成回路(123)とを含む請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項6】
前記ダウンロード時間計時部が、
前記受信確認返送対象パケット判定回路が最初の前記受信確認返送対象パケットを検出したときにダウンロード時間の計時を開始するダウンロード時間計時回路(131)と、
前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数を積算する抽出データバイト数積算回路(132)と、
前記受信確認返送対象パケットから抽出されたデータのバイト数の積算値が、前記通信品質評価データバイト数に到達したときに、前記ダウンロード時間計時回路に前記ダウンロード時間の計時停止指令を出力する計時停止指令出力回路(133)とを含む請求項2に記載の通信品質評価装置。
【請求項7】
前記通信品質評価バイト数を前記ダウンロード時間で除してダウンロードスループットを算出するダウンロードスループット算出部を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の通信品質評価装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−174324(P2006−174324A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367198(P2004−367198)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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