説明

通信品質通知装置、及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置

【課題】 本発明は、受信しているデータの種別に最適な通知方法に自動的に切り替えてユーザへ通知することのできる通信品質通知装置及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置を提供する。
【解決手段】 本発明の通信品質通知装置は、受信部11により受信したデータのストリーム種別を判定する通信データ種別判定部15と、通信品質判定部14により通信品質が劣化していると判定した場合、通信データ種別判定部15により判定したストリーム種別に応じて特定される、掲示部13による出力形態に基づいて、通知部17による出力形態を決定する通知方法決定部16と、を備え、通知部17が、通知方法決定部16により決定した出力形態により、通信品質の劣化をユーザに通知する、ものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線でデータ通信を行う際に、データ通信の通信品質が劣化したとき、その通信品質が劣化したことをユーザに通知する通信品質通知装置、及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線でデータ通信を行う携帯電話などの移動通信装置が注目され普及しつつある。このような移動通信装置においては、音声データもしくは映像データはパケットで転送されており、パケットの遅延や損失、電波状況などから、通信品質の劣化が発生する可能性がある。通信品質の劣化によって、通話品質もしくは映像品質が悪化することがあり、ユーザの視聴に悪影響を与えることもある。
【0003】
この課題に対して、通信品質が劣化し始まった早い段階で、その通信品質の劣化をユーザに通知し、ユーザに通信状況の良いところへの移動を促すことにより、通信品質を回復することが考えられる。これを実現する従来の電子機器としては、無線通信を行う電子機器間の通信異常を検出し、ユーザに報知する機能を備えたものがある。
【0004】
この電子機器として、例えば、特開2002−16539号公報(特許文献1)に開示された無線通信異常検出機能付き電子機器及びシステムがある。従来の無線通信異常検出機能を備えた電子機器の構成例を図16に示す。電子機器1700は、受信部1701、提示部1702、通信品質判定部1703、及び通知部1704を備えて構成される。通信品質判定部1703が受信部1701で受信された信号の品質が劣化したと判定すると、通知部1704に通知命令を送出し、通知部1704が通信異常をユーザに通知する。通知手段としては、LCDや、スピーカや、バイブレータなどがある。
【0005】
【特許文献1】特開2002−16539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無線通信異常検出機能を備えた電子機器においては、各種の手段で異常を通知することができるが、通信しているデータのストリーム種別(音声、映像など)に応じて適切な通知方法を自動的に切り替えることができないので、例えば、LCDによる通知を選択した場合、何らかの映像信号を再生しているときにその再生画面上に通知情報を表示すると、その通知はユーザの視聴に邪魔になる可能性がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、受信しているデータの種別に最適な通知方法に自動的に切り替えてユーザへ通知することのできる通信品質通知装置及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信品質通知装置は、データ通信を行う通信手段と、前記通信手段により受信したデータを再生出力する掲示手段と、前記通信手段によるデータ通信の通信品質を判定する通信品質判定手段と、前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、通信品質の劣化をユーザに通知する通知手段と、を備える通信品質通知装置であって、前記通信手段により受信したデータのストリーム種別を判定する通信データ種別判定手段と、前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、前記通信データ種別判定手段により判定したストリーム種別に応じて特定される、前記掲示手段による出力形態に基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する通知方法決定手段と、を備え、前記通知手段が、前記通知方法決定手段により決定した出力形態により、通信品質の劣化をユーザに通知する、ものである。
【0009】
この構成により、通信データの種別により、通信データの再生の邪魔にならない最適な通知方法に自動的に切り替えることができ、ユーザの視聴に悪影響を与えない通知方法で通信品質が劣化したことをユーザに通知することができる。
【0010】
また、本発明の通信品質通知装置は、前記通信品質判定手段により判定した通信品質の時間的変化に基づき、通信品質の変化傾向を判定する通信品質傾向判定手段を備え、前記通知方法決定手段が、前記通信品質傾向判定手段により通信品質が劣化傾向にあると判定した場合、前記掲示手段による出力形態に基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する、ものを含む。
【0011】
この構成により、通信品質判定部が取得された通信品質レベルは閾値より高くないと判定した場合、さらに通信品質の変化傾向を判定し、通信品質の傾向はよい方向に変化していると判定したとき、通信品質の劣化をユーザに通知しないが、通信品質の傾向は悪い方向に変化していると判定したときのみ、通信品質の劣化をユーザに通知する。これにより、ユーザに通知する回数を減らすことができ、より効率的に通信状態をユーザに通知することができる。
【0012】
さらに、本発明の通信品質通知装置は、前記通知方法決定手段が、前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、前記掲示手段による出力形態と当該通信品質とに基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する、ものを含む。
【0013】
この構成により、通信品質の劣化程度が変化しても最適な通知方法で通信品質をユーザに通知することができる。また、通信品質レベルにより通知頻度あるいは強度を決定することができるので、通信品質の劣化程度をユーザに通知することができる。
【0014】
本発明の移動通信装置は、本発明の通信品質通知装置を用いるものである。
【0015】
この構成により、移動通信装置も本発明の各通信品質通知装置と同様な機能を持つことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、受信しているデータの種別に最適な通知方法に自動的に切り替えてユーザへ通知することのできるという効果を有する通信品質通知装置及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の通信品質通知装置について、図面を用いて説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図である。
【0019】
図1において、通信品質通知装置10は、通信データを受信する受信部11と、受信した通信データを復号する復号部12と、復号したデータを再生提示する提示部13と、通信品質レベルを判定する通信品質判定部14と、受信した通信データの種別を判定する通信データ種別判定部15と、通信データ種別及び通信品質レベルより通知方法を決定する通知方法決定部16と、決定された通知方法により通信品質が劣化したことをユーザに通知する通知手段17とを有する構成である。
【0020】
受信部11は、アンテナを介して図示しない相手の通信機器と所定の周波数帯域による無線でデータ通信を行い、無線で通信データの受信を行うものである。
【0021】
復号部12は、受信された無線通信データを提示部13により再生できるように復号するものである。
【0022】
提示部13は、LCDやスピーカなど、復号された無線通信データを再生提示するものである。
【0023】
通信品質判定部14は、受信された無線通信データの欠落や電波状況などから通信品質レベルを判定するものである。
【0024】
通信品質の要因と通信品質レベルとの関連は表1に示す。
【表1】

【0025】
通信データ種別判定部15は、受信された無線通信データの種別を判定するものである。無線通信データの種別は、例えば、映像データや音声データなどがある。
【0026】
通知方法決定部16は、通信データ種別よりどのような通知手段を用いて通知するかという通知種別を決定し、通信品質レベルより通知頻度あるいは強度などを通知方法として決定するものである。ここで、通信データの再生の邪魔にならないように、通知種別を決定する。例えば、音声データを再生している際に、その音声データの再生に影響を与えないため、LEDの点滅やLCDへの警告表示などの通知種別を決定する。逆に、映像データを再生しているとき、LCDへの警告表示を利用した場合、そのLCDへの警告表示は映像データの再生の邪魔になるので、この時、LCDへの警告表示ではなく、アラーム音の鳴動による通知する通知種別を決定する。また、通信品質レベルより、LCDへの警告表示やLED点滅の頻度、アラーム音の強度を決定する。例えば、音声データの通信品質レベルは低いほど、LED点滅の間隔が短くなり、映像データの通信品質レベルは低いほど、アラーム音の鳴動が強くなる。これにより、通信品質レベルの低下程度をユーザに通知する。
【0027】
通知手段17は、通知方法決定部16で決定された通知方法により通信品質をユーザに通知する。具体的な通知手段としては、例えば、LCDやLEDやスピーカやバイブレータなどがある。
【0028】
次に、本発明の第1の実施形態に係る通信品質通知装置10について、通知方法決定部16を中心とした受信された通信データ種別が異なるときの通信品質通知動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
まず、受信部11は、アンテナを介して無線で通信データを受信し、通信データ種別判定部15は受信された通信データの種別を取得する(ステップS201)。
【0030】
通信品質判定部14は受信された通信データの欠落や電波状況などから通信品質を判定し、通信品質レベルを取得し(ステップS202)、取得した通信品質レベルは予め設定した閾値より高いかを判断し(ステップS203)、通信品質レベルは閾値より高いと判定した場合、通信品質の劣化が再生に悪影響を与える程度ではなく、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS201に戻り、再度通信データの種別を取得する。
【0031】
一方、ステップS203において、取得した通信品質レベルは閾値より高くないと判定した場合、通信品質判定部14は通信品質レベルを通知方法決定部16に通知し、通知方法決定部16はステップS201で取得された通信データの種別及び通信品質判定部14からの通信品質レベルにより、通知種別及び通知頻度あるいは強度という通知方法を決定し、通知部17に通知命令を送出する(ステップS204)。ここで、通知種別を決定するとき、通信データの種別により通信データの再生の邪魔にならない通知種別を決定し、通知頻度あるいは強度を決定するとき、通信品質レベルが低いほど通知頻度あるいは強度が高くなるように設定する。
【0032】
通知部17は、ステップS204で決定した通知種別及び通知頻度あるいは強度により、ユーザへ通知する(ステップS205)。
【0033】
以上説明したように、通信品質判定部14が通信品質レベルを検出し、通信データ種別判定部15が通信データの種別を判定し、通知方法決定部16が通信データ種別及び通信品質レベルに基づいて、最適な通知方法を自動的に決定する。
【0034】
このため、通信データの種別が変化しても最適な通知方法で通信品質をユーザに通知することができる。
【実施例1】
【0035】
本実施例は、第1の実施形態の具体例を説明するものである。すなわち、通信データはストリームであり、通信品質が劣化したと判定した場合、ストリームの種別により、ストリームの再生の邪魔にならない通知方法を自動的に決定し、その通知方法を用いて通信品質が劣化したことをユーザに通知する具体例である。ここで、ストリームの種別として、音声のみと、映像のみと、音声+映像とを例として説明する。
【0036】
図3は、本実施例に係る通信品質通知装置30の構成を示すブロック図である。
本実施例の通信品質通知装置30は、図1に示す通信品質通知装置10において、復号部12としてメディアプレーヤー121を設け、提示部13として、LCD131とスピーカ132を設け、通信データ種別判定部15の代わりにストリーム種別判定部151を設け、通知部17としてLED171とバイブレータ172を設けた。なお、図1に示した通信品質通知装置10と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
メディアプレーヤー121は、受信した映像ストリームあるいは音声ストリームをLCD131あるいはスピーカ132で再生できるように復号するものである。
【0038】
LCD131は、メディアプレーヤー121で復号した映像信号を再生表示するものである。
【0039】
スピーカ132は、メディアプレーヤー121で復号した音声信号を再生するものである。
【0040】
ストリーム種別判定部151は、メディアプレーヤー121で復号したストリームの種別を判定するものである。ここで、ストリームの種別は音声のみと、映像のみと、音声+映像とがある。
【0041】
LED171は、点滅により、通信品質レベルをユーザに通知するものである。
【0042】
バイブレータ172は、振動により、通信品質レベルをユーザに通知するものである。
【0043】
本実施例に係る通信品質通知装置30について、受信したストリーム種別が異なるときの通信品質通知動作を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
まず、受信部11は、アンテナを介してストリームを受信し、通信品質判定部14は、受信したストリームの通信品質レベルを取得し(ステップS401)、取得したストリーム通信品質レベルは閾値より高いかを判断し(ステップS402)、取得したストリーム通信品質レベルは閾値より高いと判定した場合、通信品質の劣化が再生に悪影響を与える程度ではなく、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS401に戻り、再度受信ストリーム通信品質レベルを取得する。
【0045】
一方、ステップS402において、取得した受信ストリーム通信品質レベルは閾値より高くないと判定した場合、通信品質判定部14は通信品質レベルを通知方法決定部16に通知し、ストリーム種別判定部151は受信部11で受信されたストリームの種別を取得し、通知方法決定部16に渡し(ステップS403)、通知方法決定部16はストリームの種別は映像+音声であるかを判断する(ステップS404)。
【0046】
ステップS404において、受信されたストリームの種別は映像+音声であると判定した場合、通知方法決定部16が通知種別をLED171の点滅及びバイブレータ172の振動に決定し(ステップS405)、LED171点滅の頻度及びバイブレータ172振動の強度は通信品質判定部14からの通信品質レベルにより決定する(ステップS406)。ここで、ストリームは映像+音声であるので、この映像+音声の再生の邪魔にならないため、映像及び音声による通知を避ける必要がある。映像及び音声以外の通知種別として、LED171の点滅とバイブレータ172の振動を利用する。また、LED171点滅の頻度とバイブレータ172振動の強度は通信品質レベルにより決定し、通信品質レベルは低いほどLED171点滅の頻度とバイブレータ172振動の強度は高くなり、これにより通信品質レベル低下の程度をユーザに通知する。
【0047】
図5は、通信品質レベルによってLEDの点滅間隔の例を示す図である。この図5において、通信品質レベルは低いほどLEDの点滅間隔は短くなり、点滅の頻度は高くなる。
【0048】
LED171の点滅とバイブレータ172の振動は5秒間隔で行いながら(ステップS407)、ステップS401に戻り、通信品質レベルを取得する。通信品質が回復した場合、継続的に通信品質の劣化を通知する必要がないので、ここで、5秒間隔で通知しながら、通信品質の回復状況を監視する。
【0049】
一方、ステップS404において、ストリームは映像+音声ではないと判定した場合、ストリームは音声であるかを判断し(ステップS408)、ストリームは音声であると判定した場合、通知種別をLCD131による警告表示に決定し(ステップS409)、常時LCD131による通知しながら(ステップS410)、ステップS401に戻り、通信品質レベルを取得する。ここで、ストリームは音声であるので、LCD131による警告を表示する場合、音声の再生の邪魔にならないので、通知種別として利用可能である。
【0050】
一方、ステップS408において、ストリームは音声ではないと判定した場合、ストリームは映像であるかを判断し(ステップS412)、ストリームは映像であると判定した場合、通知種別をアラーム鳴動に決定し(ステップS413)、アラーム鳴動の頻度は通信品質判定部14からの通信品質レベルにより決定し(ステップS414)、5秒間隔でスピーカ132によるアラーム鳴動で通知しながら(ステップS415)、ステップS401に戻り、通信品質レベルを取得する。ここで、ストリームは映像であるので、アラームの鳴動は映像の再生の邪魔にならないため、通知方法として適切である。
【0051】
一方、ステップS412において、ストリームは映像ではないと判定した場合、ステップS401に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0052】
このような本発明の第1の実施形態に係る通信品質通知装置によれば、通信データの種別により、通信データの再生の邪魔にならない最適な通知方法に自動的に切り替えることができ、ユーザの視聴に影響を与えない通知方法で通信品質が劣化したことをユーザに通知することができる。
【0053】
また、通信品質レベルにより通知頻度あるいは強度を決定するので、通信品質の劣化程度をユーザに通知することができる。
【0054】
なお、上記の説明では、通知方法として、LEDの点滅やバイブレータの振動などを説明したが、時間軸通信品質レベルグラフで表示して通知してもよい。図6は、時間軸通信品質レベルグラフで表示して通知する例を示す。
【0055】
また、通信品質通知装置が移動通信装置に搭載される場合、その移動通信装置が操作部としての数字キーを用いるとき、通信品質レベルと一致する数字のテンキーを点灯、点滅させて通信品質レベルを通知してもよい。図7は、通信品質レベルと一致する数字のテンキーを点灯、点滅させて通信品質レベルを通知する例を示す。
【0056】
また、音声ストリーム再生中に、BGMを重畳して、通信品質が低くなるとBGMのボリュームが大きくなって通知してもよい。図8は、BGMを重畳して通知する例を示す。
【0057】
さらに、LED点滅の頻度ではなく、LEDの色を変化して通信品質の変化を通知してもよい。
【0058】
また、上記の説明では、通信データをストリームとする例を説明したが、本発明は、それに限定されたものではなく、例えば、テキストや静止画像などに対しても同様な効果が得られる。
【0059】
また、本発明の通信品質通知装置を移動通信装置に搭載することにより、移動通信装置にも同様な効果が得られる。
【0060】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図である。
【0061】
本実施形態は、通信品質判定部より通信品質が劣化したと判定した場合、さらに通信品質の変化傾向を判断し、通信品質はよい方向に変化している場合に、通信品質の劣化をユーザに通知する必要がなく、通信品質は悪い方向に変化している場合に、通信品質の劣化をユーザに通知する例である。
【0062】
第2の実施形態の通信品質通知装置100は、図1に示す通信品質通知装置10において、通信品質傾向判定部18を設けた。なお、図1に示した通信品質通知装置10と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
通信品質傾向判定部18は、通信品質の統計をとり、通信品質がよくなっている等の傾向を判定する。通信品質傾向判定部18による通信品質傾向の判定方法の1例としては、通信品質傾向判定部18は、通信品質判定部14が連続的に取得している通信品質レベルの変化量が負の場合、通信品質の傾向は良い方向に変化していると判定し、逆にその変化量が正の場合、通信品質の傾向は悪い方向に変化していると判定する方法が挙げられる。
【0064】
本実施形態に係る通信品質通知装置100の通信品質通知動作について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0065】
まず、受信部11は、アンテナを介して無線で通信データを受信し、通信品質判定部14は受信された通信データの欠落や電波状況などから通信品質を判定し、通信品質レベルを取得し(ステップS1101)、取得した通信品質レベルは閾値より高いかを判断し(ステップS1102)、通信品質レベルは閾値より高いと判定した場合、通信品質の劣化が再生に悪影響を与える程度ではなく、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS1101に戻り、再度通信品質レベルを取得する。
【0066】
一方、ステップS1102において、通信品質判定部14が取得した通信品質レベルは閾値より高くないと判定した場合、通信品質傾向判断部18が通信品質の統計をとり、通信品質の傾向を取得し(ステップS1103)、通信品質の傾向はよい方向に変化しているかを判定する(ステップS1104)。
【0067】
ステップS1104において、通信品質の傾向はよい方向に変化していると判定した場合、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS1101に戻り、再度通信品質レベルを取得する。
【0068】
一方、ステップS1104において、通信品質の傾向は悪い方向に変化していると判定した場合、通信品質傾向判断部18が通信品質レベルを通知方法決定部16に送出し、通信データ種別判定部15は受信部11で受信された通信データの種別を取得する(ステップS1105)。
【0069】
通知方法決定部16はステップS1105で取得した通信データの種別及び通信品質傾向判断部18からの通信品質レベルにより、通知種別及び通知頻度あるいは強度という通知方法を決定する(ステップS1106)。ここで、通知種別を決定するとき、通信データの再生の邪魔にならない通知種別を決定し、通知頻度あるいは強度を決定するとき、通信品質レベルが低いほど通知頻度あるいは強度が高くなるように設定する。
【0070】
通知部17は、ステップS1106で決定した通知種別及び通知頻度あるいは強度により、ユーザへ通知する(ステップS1107)。
【0071】
このような本発明の第2の実施形態に係る通信品質通知装置によれば、通信品質判定部が取得した通信品質レベルは閾値より高くないと判定した場合、さらに通信品質の変化傾向を判定し、通信品質の傾向は良い方向に変化していると判定したとき、通信品質の劣化をユーザに通知しないが、通信品質の傾向は悪い方向に変化していると判定したときのみ、通信品質の劣化をユーザに通知する。これにより、ユーザに通知する回数を減らすことができ、より効率的に通信状態をユーザに通知することができる。
【0072】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図である。
【0073】
本実施形態は、閾値2とその閾値2より低い閾値1とを設け、通信品質レベルは閾値2より低い場合に、データの再生の邪魔にならない通知方法を選択し、通信品質レベルがさらに低下し、閾値1より低くなると、視聴できないくらいの通信品質になるとみなして注目している通知方法を用いて通知する例である。
【0074】
第3の実施形態の通信品質通知装置120は、図1に示す通信品質通知装置10において、通信品質判定部14の代わりに機能が若干異なる通信品質判定部141を設け、通知方法決定部16の代わりに機能が若干異なる通知方法決定部161を設けた。なお、図1に示した通信品質通知装置10と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0075】
通信品質判定部141は、閾値2と閾値1を用いて通信品質を判定するものである。
【0076】
通知方法決定部161は、通信データ種別と通信品質レベルより、通知種別と通知頻度あるいは強度などを通信方法として決定するものである。ここで、通信種別を決定する時、まず通信品質レベルは閾値2より低いが閾値1より高い場合、通信データの再生の邪魔にならない通知方法を決定し、通信品質がさらに劣化し、通信品質レベルは閾値1より低くなる場合、注目し易い通知方法を決定する。通信データの再生の邪魔にならない通知方法としては、例えば、音声データを再生した際に、その音声データの再生に影響を与えないため、LEDの点滅などの通知方法を決定する。注目し易い通知方法としては、例えば、音声データを再生した際に、アラーム鳴動による通知方法を決定する。
【0077】
本実施形態に係る通信品質通知装置120の通信品質通知動作について、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0078】
まず、受信部11は、アンテナを介して無線で通信データを受信し、通信品質判定部141は受信された通信データの欠落や電波状況などから通信品質を判定し、通信品質レベルを取得し(ステップS1301)、取得した通信品質レベルは閾値2より高いかを判断し(ステップS1302)、通信品質レベルは閾値2より高いと判定した場合、通信品質の劣化が再生に影響を与える程度ではなく、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS1301に戻り、再度通信品質レベルを取得する。
【0079】
一方、ステップS1302において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値2より高くないと判定した場合、さらに取得された通信品質レベルは閾値1より高いかを判断する(ステップS1303)。
【0080】
ステップS1303において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値1より高いと判定した場合、通信品質レベルを通知方法決定部161に送出し、通信データ種別判定部15が通信データの種別を取得し(ステップS1304)、通知方法決定部161が通信品質判定部141からの通信品質レベル及び通信データ種別判定部15からの通信データの種別より通信データの再生の邪魔にならない通知種別及び通知の頻度や強度などの通知方法を決定し(ステップS1305)、通知部17が決定された通知種別及び通知方法により通知する(ステップS1306)。
【0081】
一方、ステップS1303において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値1より高くないと判定した場合、通信品質レベルを通知方法決定部161に送出し、通信データ種別判定部15が通信データの種別を取得し(ステップS1307)、通知方法決定部161が通信品質判定部141からの通信品質レベル及び通信データの種別から注目し易い通知方法を決定し(ステップS1308)、通知部17が決定された通知方法により通知する(ステップS1306)。
【0082】
以上説明したように、通信品質判定部141が閾値2とその閾値2より低い閾値1を用いて、通信品質の劣化程度を判定し、通信品質レベルは閾値2より低い場合に、データの再生の邪魔にならない通知方法を選択し、通信品質レベルはさらに低下し、閾値1より低くなると、視聴できないくらいの通信品質になるとみなして注目し易い通知方法を用いて通知する。
【0083】
このため、通信品質の劣化程度が変化しても最適な通知方法で通信品質をユーザに通知することができる。
【実施例2】
【0084】
本実施例は、第3の実施形態の具体例を説明するものである。すなわち、通信データはストリームであり、通信品質が劣化したと判定した場合、ストリームの種別により、ストリームの再生の邪魔にならない通知方法を自動的に決定し、その通知方法を用いて通信品質が劣化したことをユーザに通知し、通信品質がさらに視聴できなくなるまで劣化した場合に、ストリームの種別により、注目し易い通知方法を自動的に決定し、その通知方法を用いて通信品質が劣化したことをユーザに通知する具体例である。ここで、ストリームの種別として、音声のみと、映像のみと、音声+映像とを例として説明する。
【0085】
図13は、本実施例に係る通信品質通知装置140の構成を示すブロック図である。
本実施例の通信品質通知装置140は、図3に示す通信品質通知装置30において、通信品質判定部14の代わりに機能が若干異なる通信品質判定部141を設け、通知方法決定部16の代わりに機能が若干異なる通知方法決定部161を設け、LED171を削除した。なお、図3に示した通信品質通知装置30と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
本実施例に係る通信品質通知装置140の通信品質通知動作について、図14及び16に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0087】
まず、受信部11は、アンテナを介して無線で通信データを受信し、通信品質判定部141は受信された通信データの欠落や電波状況などから通信品質を判定し、通信品質レベルを取得し(ステップS1501)、取得した通信品質レベルは閾値2より高いかを判断し(ステップS1502)、通信品質レベルは閾値2より高いと判定した場合、通信品質の劣化が再生に影響を与える程度ではなく、ユーザに通知する必要がないとみなして、ステップS1501に戻り、再度通信品質レベルを取得する。
【0088】
一方、ステップS1502において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値2より高くないと判定した場合、さらに取得された通信品質レベルは閾値1より高いかを判断する(ステップS1503)。
【0089】
ステップS1503において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値1より高いと判定した場合、通信品質レベルを通知方法決定部161に送出し、ストリーム種別判定部151がストリーム種別を取得し(ステップS1504)、通知方法決定部161がストリーム種別は映像+音声であるかを判断し(ステップS1505)、ストリーム種別は映像+音声であると判定した場合、通知種別をバイブレータ171の弱振動に決定し(ステップS1506)、5秒間隔で振動し通知しながら(ステップS1507)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0090】
一方、ステップS1505において、ストリーム種別は映像+音声ではないと判定した場合、ストリーム種別は音声であるかを判断し(ステップS1508)、ストリーム種別は音声であると判定した場合、通知種別をバイブレータ171の弱振動及びLCDによる注意表示に決定し(ステップS1509)、5秒間隔で振動し、5秒間隔で1秒間LCDに注意表示し通知しながら(ステップS1510)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0091】
一方、ステップS1508において、ストリーム種別は音声ではないと判定した場合、ストリーム種別は映像であるかを判断し(ステップS1511)、ストリーム種別は映像であると判定した場合、通知種別をアラーム鳴動に決定し(ステップS1512)、5秒間隔で鳴動し通知しながら(ステップS1513)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0092】
一方、ステップS1503において、通信品質判定部141が取得した通信品質レベルは閾値1より高くないと判定した場合、視聴できないくらい通信品質が劣化しているとみなして、視聴のため注目している通知種別を用いて通知する。ここで、注目している通知種別としては、例えば、映像信号の再生中におけるLCDへの警告表示、または、音声信号の再生中におけるアラーム鳴動などの通知方法がある。
【0093】
具体的は、ストリーム種別判定部151がストリーム種別を取得し(ステップS1514)、通知方法決定部161がストリーム種別は映像+音声であるかを判断し(ステップS1515)、ストリーム種別は映像+音声であると判定した場合、通知種別をLCDに警告表示とアラーム鳴動に決定し(ステップS1516)、常時通知しながら(ステップS1517)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0094】
一方、ステップS1515において、ストリーム種別は映像+音声ではないと判定した場合、ストリーム種別は音声であるかを判断し(ステップS1518)、ストリーム種別は音声であると判定した場合、通知種別をアラーム鳴動に決定し(ステップS1519)、常時通知しながら(ステップS1520)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0095】
一方、ステップS1518において、ストリーム種別は音声ではないと判定した場合、ストリーム種別は映像であるかを判断し(ステップS1521)、ストリーム種別は映像であると判定した場合、通知種別をLCDに警告表示に決定し(ステップS1522)、常時通知しながら(ステップS1523)、ステップS1501に戻り、通信品質レベルを取得する。
【0096】
このような本発明の第3の実施形態に係る通信品質通知装置によれば、通信品質判定部が閾値2とその閾値2より低い閾値1を用いて、通信品質の劣化程度を判定し、通信品質レベルは閾値2より低い場合に、データの再生の邪魔にならない通知方法を選択し、通信品質レベルはさらに低下し、閾値1より低くなると、視聴できないくらいの通信品質になるとみなして注目している通知方法を用いて通知する。これにより、通信品質の劣化程度が変化しても最適な通知方法で通信品質をユーザに通知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明にかかる通信品質通知装置は、受信しているデータの種別に最適な通知方法に自動的に切り替えてユーザへ通知することのできる通信品質通知装置及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置を提供することができるという効果を有し、無線でデータ通信を行う際に、データ通信の通信品質が劣化したとき、その通信品質が劣化したことをユーザに通知する通信品質通知装置、及びその通信品質通知装置を用いる移動通信装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図3】本発明の第1の実施形態の実施例に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態の実施例における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図5】通信品質レベルによってLEDの点滅間隔の例を示す図
【図6】時間軸通信品質レベルグラフで表示して通知する例を示す図
【図7】通信品質レベルと一致する数字のテンキーを点灯、点滅させて通信品質レベルを通知する例を示す図
【図8】BGMを重畳して通知する例を示す図
【図9】本発明の第2の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図
【図10】本発明の第2の実施形態における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図11】本発明の第3の実施形態に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図
【図12】本発明の第3の実施形態における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図13】本発明の第3の実施形態の実施例に係る通信品質通知装置の全体構成を示すブロック図
【図14】本発明の第3の実施形態の実施例における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図15】本発明の第3の実施形態の実施例における通信品質通知装置の動作を説明するためのフローチャート図
【図16】従来の無線通信異常検出機能を備えた電子機器の構成例を示す図
【符号の説明】
【0099】
10、30、100、120、140 通信品質通知装置
11 受信部
12 復号部
13 提示部
14、141 通信品質判定部
15 通信データ種別判定部
16、161 通知方法決定部
17 通知部
18 通信品質傾向判定部
121 メディアプレーヤー
131 LCD
132 スピーカ
151 ストリーム種別判定部
171 LED
172 バイブレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信を行う通信手段と、
前記通信手段により受信したデータを再生出力する掲示手段と、
前記通信手段によるデータ通信の通信品質を判定する通信品質判定手段と、
前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、通信品質の劣化をユーザに通知する通知手段と、を備える通信品質通知装置であって、
前記通信手段により受信したデータのストリーム種別を判定する通信データ種別判定手段と、
前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、前記通信データ種別判定手段により判定したストリーム種別に応じて特定される、前記掲示手段による出力形態に基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する通知方法決定手段と、を備え、
前記通知手段は、前記通知方法決定手段により決定した出力形態により、通信品質の劣化をユーザに通知する、
通信品質通知装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信品質通知装置であって、
前記通信品質判定手段により判定した通信品質の時間的変化に基づき、通信品質の変化傾向を判定する通信品質傾向判定手段を備え、
前記通知方法決定手段は、前記通信品質傾向判定手段により通信品質が劣化傾向にあると判定した場合、前記掲示手段による出力形態に基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する、
通信品質通知装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の通信品質通知装置であって、
前記通知方法決定手段は、前記通信品質判定手段により通信品質が劣化していると判定した場合、前記掲示手段による出力形態と当該通信品質とに基づいて、前記通知手段による出力形態を決定する、
通信品質通知装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載の通信品質通知装置を搭載する移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−340094(P2006−340094A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162984(P2005−162984)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】