通信教育システム,並びに該システムに適用される端末装置,通信教育用プログラム,記録媒体,通信教育用プログラム記憶装置,通信教育方法
【課題】 通信教育システムにおいて配信されたコンテンツの再生場所を一定の条件の下で規制することにより,上記コンテンツの不正流出や不正複製を防止する一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツの利用可能性を高めること。
【解決手段】教師用端末2側で,生徒用端末3によるコンテンツの再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツに関連付け,その後,上記コンテンツを上記生徒用端末3にLAN1を介して送信する処理を実行する。また,上記生徒用端末3側で,上記教師用端末2から送信されたコンテンツを受信し,受信したコンテンツに関連付けられた再生場所制限情報と上記LAN1に対する当該生徒用端末3の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツの再生が制限されるかどうかを判定し,その判定結果に応じて当該生徒用端末3における上記コンテンツの再生を許可又は制限する処理を実行する。
【解決手段】教師用端末2側で,生徒用端末3によるコンテンツの再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツに関連付け,その後,上記コンテンツを上記生徒用端末3にLAN1を介して送信する処理を実行する。また,上記生徒用端末3側で,上記教師用端末2から送信されたコンテンツを受信し,受信したコンテンツに関連付けられた再生場所制限情報と上記LAN1に対する当該生徒用端末3の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツの再生が制限されるかどうかを判定し,その判定結果に応じて当該生徒用端末3における上記コンテンツの再生を許可又は制限する処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,LANなどのネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,該端末装置の利用者に教育サービスを提供する通信教育システムに関し,特に,上記ネットワークに対する上記端末装置の接続位置や接続情報に応じてコンテンツの再生場所を一定の条件の下で規制することにより,上記コンテンツの不正流出や不正複製を防止する一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツの利用可能性を高めることが可能な通信教育システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの高速化,インターネット等の情報通信ネットワークの普及に伴い,これらを利用した通信教育システムの開発が盛んに行われるようになってきた。近年,このような通信教育システムは様々な分野で利用されるようになり,学生や社会人を対象とする資格学習,企業の研修或いは学校教育現場において実用化されるに至っている。例えば,インターネット等のネットワークを介して広く実施されている「e−Learning」と呼ばれるシステムは上記通信教育システムの一形態である。
【0003】
特に,学校教育現場においては,上記通信教育システムの導入によって,通信教育に用いられるデジタルコンテンツ(以下,「コンテンツ」と略す)を活用した教育(授業)が頻繁に行われるようになってきている。これに伴い,学校教育にターゲットを絞った通信教育システムや該システムに用いられるコンテンツが多数開発され,市場に投入されている。その一例が,特許文献1に記載の履歴情報活用型教育システムである。このシステムは,学習者が作成した論文情報など学習情報(コンテンツに相当)を教師による評価情報と共に共有のデータベースに記憶管理することにより,これらの情報を教育現場において有効に活用できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2004−126401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公知の履歴情報活用型教育システムや従来周知の通信教育システムには,一般に,大容量の記憶領域を備えたサーバへのアクセスに応じてコンテンツの機能のみを利用可能とする所謂機能提供型と,コンテンツそのものを生徒(受講者)の端末装置に転送して利用させる所謂ダウンロード型とがある。
しかしながら,学校教育現場においては,前者の機能提供型の通信教育システムでは,コンテンツそのものがデータという形で配信されないため,教育コンテンツを学校内の閉塞的なネットワーク外(例えば生徒の自宅)に持ち出すことができず,コンテンツを用いた学校教育を家庭内に展開することができないという問題がある。
一方,後者のダウンロード型の通信教育システムでは,コンテンツそのものがデータとして配信されるため,学校内の閉塞的なネットワーク環境の下で配信されたコンテンツをネットワーク外に持ち出すことが可能である。しかしながら,多額の費用を投じて開発された教育コンテンツ等の情報の不正流出,不正複製などを防止するため,通常は,コンテンツの再生終了などの時点で該コンテンツを一律に消去するようにしている。そのため,現状では,コンテンツの持ち出しは実質的に許されていない状況となっている。なお,このダウンロード型のシステムの場合は,時間的制限を与えて所定時間の間だけ自由に教育用コンテンツの再生,利用を可能とすることも考えられるが,特定の生徒だけでなく不特定の者により上記教育コンテンツが利用される蓋然性があるため好ましくない。
また,いずれの通信教育システムにおいても,システムの構成に必要なネットワークを学校内に限らず,広範囲な地域をカバーするインターネット等にすることにより,自宅の端末装置からも通信教育システムを利用することが可能となるが,生徒が受講しているのか不特定の者が受講しているのかのが不明であるため,コンテンツの実質的な不正流出,不正利用を招くことになり問題である。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置の利用者にコンテンツを配信して教育サービスを提供する通信教育システムにおいて,配信されたコンテンツの再生場所を一定の条件の下で規制することにより,上記コンテンツの不正流出や不正複製を防止する一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツの利用可能性を高めることが可能な通信教育システム,並びに該システムに適用される端末装置,通信教育用プログラム,記録媒体,通信教育用プログラム記憶装置,通信教育方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は,講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システム及びこの通信教育システムに適用される通信教育方法として構成される。
この通信教育システム及び通信教育方法では,上記講師用端末装置のコンピュータが,上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付け,上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信する処理を実行する。また,上記受講者端末装置のコンピュータが,上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信し,受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定し,その判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限する処理を実行する。
このように構成されることで,コンテンツ情報に応じた上記再生場所制限情報を予め設定することにより,例えば著作権などを有するため不正複製が禁止されるコンテンツ情報については再生場所を学校内や教室内といった狭小範囲に制限することが可能となる。また,例えば複製ライセンスの許諾を受けているコンテンツ情報については再生場所を学校内だけでなく学校外に広げることが可能となる。即ち,コンテンツ情報の利用場所を一定の条件の下で規制することが可能となる。その結果,上記コンテンツ情報の不正流出や不正複製を個別的に防止することができ,その一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツ情報の利用可能性を高めることができる。これにより,学校での学習活動を自宅に展開することが可能となるため,学校と家庭とが連携した教育環境が実現することになる。
【0006】
ここで,上記講師用端末装置側で,上記コンテンツ情報を上記再生場所制限情報に応じて予め定められた暗号鍵で暗号し,上記受講者端末装置側で,上記コンテンツ情報の再生が制限されないと判定された場合に,暗号化されたコンテンツ情報の復号化に用いられる復号鍵を検索し,検索された復号鍵で上記暗号化されたコンテンツ情報を復号化すれば,コンテンツ情報の秘匿性を高めることができる。
この場合,予め上記受講者端末装置に配布された第1の復号鍵及び/又は上記ネットワーク上で公開された第2の復号鍵を検索することが考えられる。例えば,ネットワーク外での再生を認める場合には,上記受講者端末装置に予め復号鍵を配布しておけば復号化が容易となる。また,ネットワーク内での再生しか認めない場合は,ネットワーク上でしか復号鍵を取得することができないようにすることで,コンテンツ情報の不正流出を効果的に防止することができる。
また,複数の復号鍵が検索された場合は,検索された複数の復号鍵を用いて予め定められた優先順などの所定の順番で上記暗号化されたコンテンツ情報の復号化を試行するようにすれば,復号化処理が単純化されるため,処理負担が軽減される。
【0007】
また,上記受講者端末装置側で,所定の条件を満足した場合に,上記コンテンツ情報再生許可制限手段により再生が許可されたコンテンツ情報を消去することが考えられる。この場合,暗号化されたコンテンツ情報が上記第2の復号鍵で復号化された場合には,復号化されたコンテンツ情報と共に該コンテンツ情報の復号化に用いた上記第2の復号鍵を消去することが望ましい。
コンテンツ情報の消去はもとより,復号鍵をも消去することにより,たとえ暗号化されたコンテンツ情報が端末装置に保管されていても,復号鍵が無いため復号化できない。したがって,ネットワーク外へのコンテンツ情報の流出が防止され得る。
なお,上記所定の条件としては,上記コンテンツ情報の再生が終了したことが挙げられる。
【0008】
また,上記コンテンツ情報の再生回数を制限するための再生回数制限情報及び/又は再生時間を制限するための再生時間制限情報に基づいて上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するものであってもよい。再生場所に加えて再生回数,再生時間を規制することにより,コンテンツ情報の緻密な再生規則を構築することができる。
【0009】
ここで,上記受講者端末装置側で,上記受講者に予め配布された課題に対して行った該受講者の学習活動に関する学習活動情報を上記講師用端末装置に上記ネットワークを介して送信し,上記講師用端末装置側で,上記受講者端末装置から送信された学習活動情報を受信することにより,上記受講者端末装置から受信した上記学習活動情報に対する評価情報や支援情報或いはその両方を上記コンテンツ情報として上記受講者端末装置に送信することが可能となる。
これにより,講師及び受講者の双方が学習活動やその評価を相互に確認し合いながら通信教育を行うことが可能となり,ネットワークを通じて,学習活動と評価とが一体化した教育を展開することが可能となる。
ここに,上記評価情報とは,個々の受講者に対して講師がする評価を示す情報(データ)を含む概念である。また,上記支援情報とは,必要に応じて講師が受講者に配信する模範解答や模範演技などの情報(データ)を含む概念である。これら情報は,テキストデータや画像データ或いは動画データなどの種々のデータ形式で構成されるものである。
【0010】
ここで,本発明を,上記通信教育システムに用いられる端末装置と捉えることもできる。
即ち,講師が利用する端末装置と捉えた場合は,上記通信教育システムを構成する端末装置のコンピュータが,上記教育サービスの受講者が利用する受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付け,この関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信する処理を実行するものとして構成される。
また,受講者が利用する端末装置と捉えた場合は,上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記ネットワーク上の他の端末装置から受信し,この受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定し,そして,その判定結果に応じて当該端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限する処理を実行するものとして構成される。
このように構成された端末装置であっても,上記通信教育システムと同様の効果が奏される。
【0011】
また,本発明を,上記端末装置のコンピュータに上記各手段を機能させるための通信教育用プログラム,或いはこの通信教育用プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することもできる。
更にまた,上記通信教育用プログラムが記憶された記録媒体を含んで構成され,端末装置と通信可能に接続する通信接続手段を備えた通信教育用プログラム記憶装置として本発明を捉えてもよい。この場合,上記通信接続手段としては,上記端末装置とUSB接続するものが該当する。即ち,上記通信教育用プログラム記憶装置が,端末装置とUSB接続可能であり,小型で携帯に便利なフラッシュメモリなどの記録媒体を内蔵する携帯型ストレージであることが考えられる。
これにより,上記記録媒体或いは上記通信教育用プログラム記憶装置を携帯して持ち運び,他の端末装置でプログラムを読み込ませるなどすることにより,上記通信教育システムによる教育サービスの提供を容易に受けることが可能となる。もちろん,このような記録媒体や通信教育用プログラム記憶装置は小型であるため,持ち運びにも便利である。
【発明の効果】
【0012】
上述した通信教育システムによれば,コンテンツ情報に応じた上記再生場所制限情報を予め設定することにより,コンテンツ情報の利用場所を一定の条件の下で規制することが可能となる。これにより,上記コンテンツ情報の不正流出や不正複製を個別的に防止することができ,その一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツ情報の利用可能性を高めることができる。その結果,学校での学習活動を自宅に展開することが可能となるため,学校と家庭とが連携した教育環境が実現することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本実施形態に係る通信教育システムX(以下「システムX」と略す)は,図1に示すように,学校などの教育現場に構築された有線或いは無線からなるLAN1(ネットワークの一例)を介して相互に通信可能に接続された複数のパーソナルコンピュータ(パソコン)などの端末装置2,3を有して構成される。本実施の形態では,符号2で示すデスクトップ型の端末装置を教師が利用する教師用端末2(講師用端末装置の一例)とし,符号3で示すノート型の端末装置を生徒が利用する生徒用端末3(受講者端末装置の一例)として説明していく。なお,図1には端末装置の代表例であるパソコンを表しているが,もちろん,パソコン以外の,例えばPDA端末,携帯電話機などのように内部にコンピュータを有する端末装置で本システムXを構成してもかまわない。
【0014】
本システムXは,図1に示すネットワーク環境下において,上記教師用端末2と上記生徒用端末3との間で,教育に用いるコンテンツ(コンテンツ情報に相当)を送受信することにより教育サービスを提供する通信教育システムである。
なお,図1中の符号4,5は上記教師用端末2,上記生徒用端末3に接続して使用される所謂USBメモリであるが,これについては後述する。
ここに,図1は上記システムXが適用されるネットワーク接続構成の一例を示すネットワーク図,図2は上記システムXの概略構成を示すブロック図,図3は上記教師用端末2に接続されて使用される教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータを説明する図,図4は上記生徒用端末3に接続された使用される生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータを説明する図,図5は上記教師用端末2の制御部21により実行される学習コンテンツ配信処理の手順の一例を説明するフローチャート,図6は上記生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツ再生処理の手順の一例を説明するフローチャート,図7は図6のステップS170の再生許可/制限判定処理の手順の一例を説明するフローチャート,図8〜図11は上記教師用端末2或いは生徒用端末3のモニタに表示される画面の一例を示す表示画面図である。
【0015】
ここで,図2を用いて,上記教師用端末2及び生徒用端末3の概略構成について説明する。
図2に示すように,上記教師用端末2は,CPU21a,ROM21b,RAM21cなどの制御素子(制御機器)を有する制御部21と,液晶表示装置などの表示部22と,キーボードやタブレットなどの入力部23と,上記教師用端末2のOS(Operation System)を作動させるプログラムや種々のデータが格納されたHDD24と,LAN1と通信接続するためのLANアダプタ等のNIC25(Network Interface Card)と,後述する教師用USBメモリ4(通信教育用プログラム記憶装置の一例)が接続可能なUSBポート26と,を備えて構成される。
【0016】
上記HDD24には,OS用プログラムのほかに周知のUSB自動起動プログラム(AUTORUNプログラム)が格納されている。このUSB自動起動プログラムの起動中は,上記制御部21により上記教師用USBメモリ4が上記USBポート26に接続されたかどうかが常時監視され,接続されたことが検出されると,上記教師用USBメモリ4内のデータや後述する通信教育用のモジュールプログラムなどが読み出されて自動起動(AUTORUN)される。
また,上記生徒用端末3も,上記教師用端末2と同様に構成されており,CPU,ROM,RAMなどの制御素子(制御機器)を有する制御部31と,表示部32と,入力部33と,HDD24と,NIC25と,USBポート36とを備えて構成される。
【0017】
上記教師用端末2の上記USBポート26には教師用USBメモリ4が接続される。また,上記生徒用端末3の上記USBポート36には生徒用USBメモリ5が接続される。本システムXは,上記教師用USBメモリ4及び上記生徒用USBメモリ5がそれぞれの端末装置に接続されることによって所定のプログラムが起動することにより具現化される。
上記教師用USBメモリ4及び生徒用USBメモリ5は,上記USBポート26,36に接続して使用される記憶装置である。このUSBメモリ4,5は小型であるため,携帯して持ち運び可能であり,近年,FD(フロッピー(登録商標)ディスク)などのメディアにとって代わる存在となりつつなる。
【0018】
本システムXに使用される各USBメモリ4,5は,上記USBポート26,36と通信可能に接続する図示しないUSBコネクタ(通信接続手段の一例)と,フラッシュメモリに代表される半導体メモリ等の記録媒体40,50(図3,4参照)と,記録媒体40,50からのデータの転送を制御する図示しない制御基板とを備え,これらの各要素がABS樹脂などのプラスチック製筐体に収容されて構成されている。
本実施の形態では,上記教師用USBメモリ4は,本システムXを利用する教師毎に予め配布されており,上記生徒用USBメモリ5は生徒毎に予め配布されている。
なお,この実施の形態では,上記USBメモリを用いたシステムXを例示して説明するが,上記USBメモリに代えて,HDDがパッケージされた携帯型のHDD記憶装置,フラッシュメモリがカード型にパッケージされたメモリカード,外付けのFDD(FDドライブ),CD−ROMドライブなどを採用することも可能である。
また,上記教師用端末2や上記生徒用端末3に各種メディア(FD,CD−ROM,DVD−ROM,フラッシュメモリなど)を読み込むことができるドライブやメモリスロットが搭載されている場合は,少なくとも,上記記録媒体40,50等のメディアを教師或いは生徒に配布しておけばよい。
【0019】
ここで,図3を用いて,上記教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータ構成について説明する。
上記記録媒体40は図示するように,少なくとも秘密領域41と,プログラム領域42と,データ領域43とを有する。
上記データ領域43には,生徒に実施させるための学習コンテンツ(課題に相当)431や,上記学習コンテンツに対して生徒が行った解答やその採点結果又は実演(以下「学習活動」という)などの学習活動データ432(学習活動情報に相当)や,生徒が行った学習活動に対する教師による評価情報や該学習活動に応じた種々の学習支援用コンテンツ433(支援情報に相当)などが記憶されている。
ここに,上記学習コンテンツ431とは,生徒に対して実施させるための小テスト(のテキストデータ)や授業に関する種々の課題などを含む概念である。ここで,図8に,学習コンテンツの一例である小テスト問題が表示された出題画面80の一例を示す。この出題画面80には,図示するように入力部81が表示される。この入力部81は,1〜12の数字キー,答え合わせの実行を指示するための答え合わせキー,表示画面を前の問題或いは次の問題へ移行させるためのキーなどにより構成されており,マウス等を用いていずれかのキーが選択(クリック)されることによりキー入力が実行される。なお,図8中の符号82は問題文章の一例であり,符号83は問題の一例を示す。
また,上記学習活動データ432とは,例えば,生徒がした小テストの解答結果や採点結果,又は課題に対して行った生徒の実技を収録した動画データなどを含む概念である。図9に,小テスト問題の解答に対する採点結果が表示された採点結果表示画面90の一例を示す。この採点結果表示画面90は,図8に示す出題画面80において生徒が小テストの解答を上記入力部81に設けられたキーや図示しないキーボードなどから入力し,そして,上記入力部81の答え合わせキーがマウス等で選択されることにより答え合わせが実行され,その後表示される。なお,上記採点結果表示画面90には,図示するように,解答に再挑戦する場合に再度出題画面80を表示させるためのキー91や学習結果を表示するためのキー92などが表示される。
また,上記学習支援用コンテンツ433とは,生徒が行った小テストの解答の採点結果に応じた種々の模範解答や,出題された課題に対する模範演技を収録した種々の動画データを含む概念である。
なお,上述した小テストや課題などの具体的事例は単なる一例であり,教育・授業に用いられるデジタルデータ(コンテンツデータ)であれば如何なるものであってもかまわない。例えば,音楽の授業で用いるオーディオデータや美術の授業で用いる画像データもコンテンツデータとなり得る。
上記データ領域43は,データの書き換え,更新などが行われる記憶領域であるため,データの書き換え可能なフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリであることが望ましい。
【0020】
上記プログラム領域42には,インターネットやWWWの技術を利用したWBT(Web Based Training)システムを実現するためのWWWサーバモジュール421と,本システムXにおいて上記生徒用端末3との間でコンテンツ等の情報を送受信することにより生徒に対して通信教育を行うためのe−コーチングシステムを実現するe−コーチングモジュール422(通信教育プログラムの一例)とが格納されている。
上記WWWサーバモジュール421及びe−コーチングモジュール422は,上記教師用USBメモリ4が教師用端末2に接続されることで,該教師用端末2のOSや前記USB自動起動プログラムにより読み出されることにより,上記教師用端末2において上記e−コーチングシステムが起動される。
このようなプログラムが不注意により改変されることを防止する観点からすれば,上記プログラム領域42は,ROMなどの揮発性メモリであることが望ましい。
【0021】
上記e−コーチングモジュール422は,教育情報送受信モジュール422aと,学習活動分析モジュール422bと,学習活動支援モジュール422cとに分かれる。
上記教育情報送受信モジュール422aは,生徒用端末3から送信された学習結果を含む学習活動データ(学習活動情報に相当)を前記NIC25(図2参照)で受信する機能,受信した学習活動データを上記データ領域43に格納する機能,上記データ領域43に保存されている学習支援用コンテンツ433を生徒用端末3に前記NIC25から送信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,送受信するコンテンツを暗号化/復号化する機能もこのモジュールにより実現される。
上記学習活動分析モジュール422bは,データ領域43に蓄積された上記学習活動記録データ432を集計処理し,生徒全体又は生徒個別に学習進捗状況や内容理解状況に基づいて分析した評価情報の入力を受け付けた後に生徒用端末3に返信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。この学習活動分析モジュール422bによって,例えば,図10に示すような全生徒の学習状況を確認するための学習状況確認画面100や,図11に示すような生徒別の小テストに対する学習結果や理解状況等を確認する学習結果確認画面110などを表示部22に表示することが可能となる。なお,上記学習状況確認画面100では,教室における生徒及び教卓の位置が表示され,各生徒の学習の進捗状況が色彩の濃淡で表される。例えば,学習が進んでいる生徒は淡い色で表され,学習が進んでいない生徒は濃い色で表される。また,上記学習状況確認画面100では,授業を受けている生徒全体の各問題後との理解状況が上述と同様に色彩の濃淡で表される。例えば,正解率の高い問題は淡い色で表され,正解率の低い問題は濃い色で表される。
上記学習活動支援モジュール422cは,学習内容の理解促進や次の課題提示を目的として,生徒の学習結果に応じた学習支援用コンテンツ433をデータ領域43から選択する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,このモジュールは,後述する再生場所制限情報や再生回数制限情報,再生時間制限情報を選択する機能,そして,選択した学習支援用コンテンツ433に,上記再生場所制限情報や再生回数制限情報,再生時間制限情報などを関連付ける機能を実現するためのものでもある。
【0022】
このようなモジュールプログラムで構成される上記e−コーチングモジュール422よるe−コーチングシステムは,WWWサーバモジュール421を経由してWWWサーバやWebブラウザ或いはCGIなどの拡張モジュールにより実現される。
【0023】
上記秘密領域41には,教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が格納されている。
上記教師用固有ID411は,教師用USBメモリ4が配布された教師毎に定められた識別コードである。これらの教師用固有ID411,上記学内ID412及び上記共通ID413は,教師用端末2における後記する暗号化及び生徒用端末3における後記する復号化に用いられる。
上記秘密領域41は,LAN1上で上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413を公開することを目的として,上記LAN1に接続された他の端末装置からアクセス可能な状態とされている。例えば,上記秘密領域41は上記LAN1上で共有されている。なお,必ずしも上記秘密領域41が共有されている必要はなく,少なくとも,上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が公開(共有)されていればよい。
ここに,上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が暗号鍵及び復号鍵の一例である。また,上記教師用固有ID411及び学内ID412が第2の復号鍵の一例である。
【0024】
また,上記秘密領域41には,学習支援用コンテンツ433別に区分されたライセンス情報414も格納されている。このライセンス情報414とは,生徒用端末3に配信するコンテンツの再生場所を制限するための再生場所制限情報,再生回数や再生時間を制限するための再生回数制限情報,再生時間制限情報を含むものである。これらの制限情報は,教師の判断により或いは当該システムXの供給者との契約などに応じて定められている。例えば,不正流出を厳格に禁止する必要のあるコンテンツに対しては,「再生場所は教室内に限定」,「再生回数は1回」或るいは「再生時間は1時間」といった内容の制限情報が格納されており,そうでないコンテンツに対しては,「再生場所の制限なし」「再生回数の制限なし」或るいは「再生時間の制限なし」といった内容の制限情報が格納されている。要するに,上記ライセンス情報414は,コンテンツの種類(重要度やライセンスの有無)に応じた制限情報であると換言できる。
ここで,コンテンツの重要度及びその属性に応じた上記各制限情報の一例を表1に例示する。表1中の授業用データとは授業にのみ用いるデータを意味し,そのため,その再生場所は教室内に制限される。また,学内共有データは学校内でのみ再生可能なデータを意味し,そのため,その再生場所は学校内に制限される。更に,生徒共有データは特に再生場所が制限されないデータであって,学校内に限らず自宅等の学校外のパソコン等でも再生が許容されるデータを意味する。なお,再生制限回数や再生制限時間は表1に示すように予め定められている。
なお,下記表1は単なる一例であり,その組み合わせや内容はコンテンツの種別や重要度に応じて適宜定められる。
【表1】
【0025】
次に,図4を用いて,上記生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータについて説明する。
上記記録媒体50も,上記記録媒体40と同じように,少なくとも秘密領域51と,プログラム領域52と,データ領域53とを有する。以下,上記各領域に格納されるデータについて説明するが,前記記録媒体40と同内容の項目についてはその詳細な説明を省略する。
上記データ領域53には,教師用端末2などから予め配信された小テスト問題などの学習コンテンツ531,小テストの解答結果や採点結果などの学習活動データ532(学習活動情報に相当),教師用端末2から送信された学習支援用コンテンツ533などが記憶される。
【0026】
上記プログラム領域52には,WWWサーバモジュール521と,本システムXにおいて上記教師用端末2との間でコンテンツ等の情報を送受信することにより通信教育を受講するためのe−ラーニングシステムを実現するe−ラーニングモジュール522(通信教育プログラムの一例)とが格納されている。
このようなWWWサーバモジュール521やe−ラーニングモジュール522が生徒用端末3のOSや前記USB自動起動プログラムにより読み出されることにより,上記生徒用端末3において上記e−ラーニングシステムが起動される。
【0027】
上記e−ラーニングモジュール522は,教育情報送受信モジュール522aと,学習履歴管理モジュール522bと,学習制御モジュール522cとに分かれる。
上記教育情報送受信モジュール522aは,教師用端末2から送信された学習コンテンツや学習支援用コンテンツなどのコンテンツを受信する機能,受信したコンテンツをデータ領域53に格納する機能,データ領域53に保存されている学習コンテンツ531に対する学習活動データ(学習活動情報に相当)を教師用端末3に送信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,送受信するコンテンツを暗号化/復号化する機能もこのモジュールにより実現される。
上記学習履歴管理モジュール522bは,上記データ領域53に格納された種々のコンテンツを管理する機能,選択されたコンテンツを再生(参照)する機能を実現するためのモジュールプログラムである。例えば,コンテンツが動画データである場合はそれを生徒用端末3の表示部32(図2参照)に表示させるアプリケーションプログラム,音楽データである場合はそれを上記生徒用端末3が具備するスピーカへ出力する処理を行うアプリケーションプログラムなどがこのモジュールに該当する。なお,再生の際には,コンテンツに上記ライセンス情報414(再生場所制限情報,再生回数制限情報,再生時間制限情報)が関連付加されて入る場合は,それぞれの情報に基づいてその再生が制限される。このような制限機能も上記学習履歴管理モジュール522bにより実現される。
また,上記学習制御モジュール522cは,データ領域53に格納されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを生徒に学習させる機能を実現するためのモジュールプログラムである。
【0028】
このようなモジュールプログラムで構成される上記e−ラーニングモジュール522よるe−ラーニングシステムも,前記e−コーチングシステムと同様に,WWWサーバモジュール521を経由してWWWサーバやWebブラウザ或いはCGIなどの拡張モジュールにより実現される。
【0029】
上記秘密領域51には,生徒の氏名や生年月日などの生徒個人情報510,生徒個別に与えられる識別コードである生徒用固有ID511,予め全生徒に配布された共通ID512などが格納されている。この生徒用固有ID511或いは共通ID512は,教師用端末2における後記する暗号化及び生徒用端末3における後記する復号化に用いられる。
ここで,上記生徒用固有ID511及び共通ID512は第1の復号鍵の一例である。
上記秘密領域51は,前記秘密領域41とは異なり,上記生徒用固有ID511などを公開しないため共有されていない。従って,秘密領域51が外部から無断でアクセスされることはない。
また,上記秘密領域51には,上記教師用端末2から受信した学習支援用コンテンツに関連付加されたライセンス情報514が上記学習支援用コンテンツ毎に区分されて一時的に格納される。
【0030】
次に,上述の如く構成された教師用端末2,生徒用端末3,教師用USBメモリ4,生徒用USBメモリ5,及びLAN1により構築されたシステムXにおいて実行されるコンテンツの配信(送信)処理及び受信処理の手順について,以下に説明する。ここに,S10,S20,・・・は処理手順(ステップ)番号を示す。
まず,図5のフローチャートを用いて,上記教師用端末2の制御部21により実行されるコンテンツの配信(送信)処理の手順の一例について説明する。かかる配信処理は,教師用端末2のOSや前記USB自動起動プログラムが作動していることを前提としてステップS10から開始される。
【0031】
ステップS10では,教師用USBメモリ4が教師用端末2に接続されたことを条件に,e−コーチングシステムが制御部21によって起動される。
その後,教師用USBメモリ4の秘密領域41に教師用固有ID411が登録(記憶)されているかどうかにより,上記教師用USBメモリ4が本システムXにおいて利用可能なものであるかどうかが判断される(ステップS20)。
ここで,教師用固有ID411が登録されている場合は(ステップS20のYes),上記教師用端末2の利用者,つまり,教師により入力されたID番号と予め登録された教師用固有ID411とを照合する処理が行われる(ステップS30)。
上記ステップS20において登録なしと判断された場合(ステップS20のNo),或いはステップS30において不一致と判断された場合は,e−コーチングシステムが有効でないと判断され,その後の処理はステップS21へ進む。このステップS21では,例えば,e−コーチングシステムの停止処理,ID番号の再入力を促すダイアログを表示させる処理,ID番号が一致しない旨を表示する処理などの中断処理が制御部21によって実行される。
【0032】
ステップS30において一致すると判断された場合は,e−コーチングシステムが正常に作動して,ネットワークを介した通信教育が可能な状態となる。ここで,教師が生徒に対して所定の学習支援用コンテンツを送信する処理について説明する。
まず,ステップS40では,送信する学習支援用コンテンツが前記したデータ領域43から選択されたかどうかが判定される。このコンテンツは,例えば生徒から受信した学習活動データに基づいて分析された生徒個人のレベルに応じて教師により選択されるものである。
送信する学習支援用コンテンツが選択されると(ステップS40のYes),続いて,そのコンテンツの種類や重要度に応じた送信処理が実行される。以下の説明では,前記した表1に記載のコンテンツ(授業用データ,学内共有データ,生徒共有データ)ごとに応じた送信処理について述べる。
【0033】
まず,ステップS50において,選択されたコンテンツが授業用データであるかどうかの判断が制御部21によって行われる。また,このステップS50で,選択されたコンテンツが授業用データでないと判断されると,続いて,ステップS60で,選択したコンテンツが学内共有データであるかどうかが判断される。これらの判断は,上記データ領域43を予めコンテンツの種別ごとに区分しておき,いずれの区分から選択されたかどうかを判定することにより行われる。もちろんこのような判断手法には限られない。
上記ステップS50において,授業用データであると判断されると,その授業用データが暗号され(ステップS51),その後,制限場所が教室内であることを示す情報(以下「教室情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS52)。上記ステップS51の暗号化に用いる暗号鍵としては,教師用固有ID411が用いられる。
【0034】
ステップS50で授業用データでないと判断された後に(ステップS50のNo),ステップS60で学内共有データであると判断されると(ステップS60のYes),その学内共有データが暗号化され(ステップS61),その後,制限場所が学校内であることを示す情報(以下「学内情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS62)。上記ステップS61の暗号化に用いる暗号鍵としては,学内ID413が用いられる。この学内ID413は予め秘密領域41に格納されたものであってもよいし,或いは,LAN1に接続されたネットワーク管理サーバから取得したものであってもよい。
【0035】
ステップS60で学内共有データではないと判断されると(ステップS60のNo),選択されたコンテンツはその他のデータ(ここでは生徒共有データとする)であると判断される。選択されたコンテンツが生徒共有データである場合は,その後,その生徒共有データが暗号化され(ステップS70),更に,再生場所が制限されない旨を示す情報(以下「制限なし情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS71)。上記ステップS70の暗号化に用いる暗号鍵としては,共通ID413や予め生徒用端末3に配布された生徒用固有ID511が用いられる。この生徒用固有ID511は,生徒用端末3がLAN1に接続された際に予め該生徒用端末3から取得しておいたものであってもよいし,上記生徒用固有ID511を一元管理するネットワーク管理サーバから取得するものであってもよい。
【0036】
ステップS52,S62,S71で暗号化されたコンテンツに制限情報が付加されると,その後,処理はステップS80に進み,ここで,上記制限情報が関連付加されたコンテンツを指定されたLAN1上のアドレスに送信する処理が前記制御部21や前記NIC25によって実行される。
【0037】
次に,図6及び図7のフローチャートを用いて,上記生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツの受信処理の手順の一例について説明する。かかる受信処理は,前記配信処理と同様に,生徒用端末3のOSや前記USB自動起動プログラムが作動していることを前提としてステップS110から開始される。
まず,ステップS110において,生徒用USBメモリ5が生徒用端末2に接続されたことを条件に,e−ラーニングシステムが制御部31によって起動される。
その後,生徒用USBメモリ5の秘密領域51に生徒用固有ID511が登録(記憶)されているかどうかにより,上記生徒用USBメモリ5が本システムXにおいて利用可能なものであるかどうかが判断される(ステップS120)。
ここで,生徒用固有ID511が登録されている場合は(ステップS120のYes),上記生徒用端末3の利用者,つまり,生徒により入力されたID番号と予め登録された生徒用固有ID511とを照合する処理が行われる(ステップS130)。
上記ステップS120において登録なしと判断された場合(ステップS120のNo),或いはステップS130において不一致と判断された場合は,e−ラーニングシステムが有効でないと判断され,前記ステップS21(図5参照)と同様の中断処理が実行される(ステップS121)。
【0038】
ステップS30において一致すると判断された場合は,e−ラーニングシステムが正常に作動して,ネットワークを介した通信教育を受けることが可能な状態となる。ここで,教師から送信された所定の学習支援用コンテンツを再生する処理について説明する。
まず,ステップS140では,生徒により再生したいコンテンツが選択されたかどうかが判断される。コンテンツの選択は,生徒が入力部33から入力した指示に基づいて上記データ領域53に記憶されたデータから一のデータを選択することにより行われる。
【0039】
続いて,ステップS140で選択されたコンテンツが学習支援用コンテンツであるかどうかが判定される。
ここで学習支援用コンテンツではないと判定されると(ステップS150のNo),処理はステップS200に進み,選択されたコンテンツを再生する処理が行われる。なお,この再生とは,コンテンツが画像データやテキストデータである場合はそれを生徒用端末3の表示部32に表示させることをいい,コンテンツが動画データである場合はそれを表示部32上で再生することをいい,オーディオデータである場合はそれをスピーカ等から再生出力することをいう。
【0040】
上記ステップS150で学習支援用コンテンツであると判定されると(ステップS150のYes),処理はステップS160に進む。
このステップS160では,選択された学習支援用コンテンツに再生場所制限情報が関連付加されているかどうかが判定される。具体的には,上記学習支援用コンテンツに,前記した教室情報,学内情報,制限なし情報が関連付けられているかどうかが判定される。
ここで,上記再生場所制限情報が付加されている場合は(ステップS160のYes),選択された上記学習支援用コンテンツの再生が許可されるか或いはその再生場所が制限されるかを判定する再生許可/制限判定処理が実行される(ステップS170)。なお,この再生許可/制限判定処理の手順については図7のフローチャートを用いて後述する。
【0041】
上記ステップS170で,再生場所が制限されると判定された場合は,再生処理が行われないまま一連の処理が終了する。また,再生が許可された場合は,処理はステップS180に進む。
【0042】
処理がステップS180に進むと,ここでは,選択された学習支援用コンテンツに再生回数制限情報や再生時間制限情報が関連付けられているかどうかが判定される。例えば,選択された学習支援用コンテンツが表1に示す学内共有データに属するものである場合は,再生回数を5回に制限する情報,再生時間を3時間に制限する情報が付加されていることになる。
従って,このような制限情報が付加されている場合は,ステップS181において,コンテンツの再生にあたり,上記各制限情報により再生が許可されるか或いは制限されるかどうかが判定される。具体的には,予め上記コンテンツが選択された回数や再生された回数をカウントして前記秘密領域51に保存しておき,そのカウント値と上記再生回数制限情報とを比較することにより判定する。また,最初に再生された時からそのトータル的な再生時間をカウントして保存しておき,そのカウント値と上記再生時間制限情報とを比較することにより判定する。
ここで,再生が許可されず制限されると判定された場合は,再生処理が行われないまま一連の処理が終了する。また,再生が許可された場合は,処理はステップS190に進む。
【0043】
処理がステップS190に進むと,ここでは上記学習支援用コンテンツを既定の復号鍵で復号化する処理が実行される(上述したように,上記学習支援用コンテンツは教師用端末2で暗号化されて送信される為)。その後,ステップS200において,復号化されたコンテンツを再生する処理が実行される。なお,上記既定の復号鍵とは,後述するステップS340,S350,S360で検索されるIDのことを指す。
【0044】
次に,図7のフローチャートを用いて,上記ステップS170の再生許可/制限判定処理の手順について説明する。処理はステップS310から開始される。
まず,ステップS310において,ネットワーク上における生徒用端末3の接続場所を特定するために,ネットワーク上における生徒用端末3の接続位置や接続状態などの接続情報が取得される。かかる処理は,例えば,教室内,学校内などのように学校が管轄する管理地域を複数に区別してIPアドレスやサブネットアドレスを生徒用端末3に割り振っておけば,このアドレスを参照することにより実行可能である。また,所定エリアごと(例えば教室ごと)に親局が配置されている場合は,生徒用端末3の属する親局の情報(接続情報)を取得して判定することによっても,生徒用端末3の接続場所を特定することが可能である。
【0045】
ステップS310で上記生徒用端末3の接続場所が特定されると,続いてステップS320において,関連付けられていた再生場所制限情報と上記接続情報とに基づいて,現在,生徒用端末3が接続されている場所において,選択された学習支援用コンテンツが再生可能かどうかが判定される。
例えば,選択された学習支援用コンテンツが学内共有データ(表1参照)に属するものである場合は,上記生徒用端末3が学校内でLAN1に接続されている場合は再生可能と判定される。また,授業用データ(表1参照)に属するものである場合は,上記生徒用端末3が教室内でLAN1に接続されている場合は再生可能と判定される。
かかる判定処理において,再生可能と判定された場合は,処理はステップS330に進む。また,再生不可と判定された場合は,コンテンツの再生がされないまま一連の処理が終了する。
【0046】
処理がステップS330に進むと,ここでは再生場所制限情報の種別が判別される。この実施の形態では,前記した教室情報,学内情報,制限なし情報のいずれかに判別されるものとする。もちろん,このような種別に限られることはない。
上記ステップS330において,関連付加された再生場所制限情報が教室情報であると判定されると,処理はステップS340に進む。また,学内情報であると判定されると,処理はステップS350に進み,制限なし情報であると判定されると,処理はステップS360に進む。
【0047】
処理がステップS340に進むと,ここでは上記教室情報に対応した復号鍵を検索する処理が行われる。例えば,再生場所制限情報の種別に応じた復号鍵を示す情報を各生徒用端末3のデータ領域53などに記憶させておけば,それに応じた復号鍵の検索が可能となる。具体的には,下記表2のような関係を予め記憶させておく。
【表2】
従って,ステップS340の検索処理としては,例えば,LAN1上に接続された教師用端末2にアクセスして,そこで公開している教師用固有IDを検索する処理が該当する。なお,この場合は,LAN1に教師用端末2が接続されておれば復号鍵である教師用固有IDは検索されるが,接続されていなければ当然に検索されない。すなわち,このことは,教師用端末2がLAN1に接続されていなければ,生徒用端末3において復号鍵を取得することができないことを意味し,つまりは,教師用端末2が接続されていなければコンテンツを再生することができないことを意味する。従って,生徒用端末3がLAN1に接続されていなければ復号鍵を取得することができず,結果的に再生もできない。
上記復号鍵である教師用固有IDが検索された場合は(ステップS341のYes),処理はステップS180(図6)に進み,検索されなかった場合は,再生処理がなされないまま一連の処理が終了する。
【0048】
なお,処理がステップS350及びS360に進んだ場合も,基本的にステップS340,S341と同じような処理が行われる。しかし,ステップS350で検索される復号鍵が学内IDである点で異なる。この学内IDはLAN1を管理するネットワーク管理サーバ(不図示)に格納されているため,上記教師用端末2がLAN1に接続されていなくてもサーバが起動さえしておれば検索可能である。ただし,ネットワーク管理サーバから復号鍵を検索して取得しなければ再生ができないため,LAN1に接続していない状態ではコンテンツの再生はできない。
また,処理がステップS360に進んだ場合は,該ステップS360で検索される復号鍵が生徒用固有IDである点で異なる。この場合は,生徒用端末3ごとに生徒用固有IDが配布されているため,或いは予め共通IDが配布されているため,復号鍵の検索は生徒用端末3内で完結する。即ち,生徒用端末3がLAN1に接続されているかどうかに関わりなく,復号鍵が検索されることになる。従って,この場合は,LAN1に接続されているかどうかにかかわらず,他の制限を満足すれば,コンテンツの再生がどの端末においても許可されることになる。
なお,本実施の形態では,再生場所が制限されるコンテンツとして学習支援用コンテンツを例にとって説明したが,もちろんこれ以外のコンテンツやデータの再生場所を制限するようにしてもよい。例えば,教師用端末2から生徒用端末3に配信される学習コンテンツや,生徒用端末3から教師用端末2に送信される学習活動データに再生場所制限情報を関連付けることにより,再生場所を制限するようにしてもかまわない。
【実施例1】
【0049】
上述の実施の形態では,図7の再生許可/制限判定処理において,表2に示す情報を予め生徒用端末3のデータ領域53などに記憶させておくことで,検索対象を特定することができるが,このような情報が記憶されていなければ復号鍵を容易に検索することはできない。
この場合は,上記先生用端末2,上記生徒用端末3,そしてネットワーク管理サーバの全ての装置にアクセスして復号化に用いられる復号鍵を全て検索そして抽出し,その上で,検索された複数の復号鍵を順番に適用して順次復号処理を試行することが考えられる。これにより,上記表2のような関係情報が記憶されていなくても比較的スムーズにコンテンツの復号処理が可能となる
また,検索された復号鍵に予め優先順を付けておき,その順序に従って復号処理を行うようにしてもよい。上記優先順としては,例えば,コンテンツのファイル数の多い順に優先度を高くすることが考えられる。
【実施例2】
【0050】
また,上述の実施の形態では,コンテンツの再生後に該コンテンツの取り扱いについては触れなかったが,従来と同じように,コンテンツの再生終了時にコンテンツを消去するようにしてもよい。これにより,コンテンツの不正流出や不正複製が防止される。もちろん上記コンテンツの消去時期は再生終了時に限定されることはなく,前記した再生回数や再生時間が満了したとき,その他所定の条件を満足した時でもよい。
なお,コンテンツの消去と同時に,LAN1上から検索した教師用固有IDや学内IDなどの復号鍵も消去すれば,暗号化されたコンテンツを所持していたとしても復号化ができなくなるので,好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信教育システムXが適用されるネットワーク接続構成の一例を示すネットワーク図。
【図2】通信教育システムXの概略構成を示すブロック図。
【図3】教師用端末2に接続されて使用される教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータを説明する図。
【図4】生徒用端末3に接続された使用される生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータを説明する図。
【図5】教師用端末2の制御部21により実行される学習コンテンツ配信処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図6】生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツ再生処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図7】図6のステップS170の再生許可/制限判定処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図8】小テスト問題が表示された出題画面の一例を示す表示画面図。
【図9】小テスト問題の解答に対する採点結果が表示された採点結果表示画面の一例を示す表示画面図。
【図10】全生徒の学習状況を確認するための学習状況確認画面。
【図11】生徒別の小テストに対する学習結果や理解状況等を確認するための学習結果確認画面。
【符号の説明】
【0052】
1…LAN(ネットワークの一例)
2…教師用端末(講師側端末装置の一例)
3…生徒用端末(受講者端末装置の一例)
4…教師用USBメモリ(記憶装置の一例)
5…生徒用USBメモリ(記憶装置の一例)
【技術分野】
【0001】
本発明は,LANなどのネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,該端末装置の利用者に教育サービスを提供する通信教育システムに関し,特に,上記ネットワークに対する上記端末装置の接続位置や接続情報に応じてコンテンツの再生場所を一定の条件の下で規制することにより,上記コンテンツの不正流出や不正複製を防止する一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツの利用可能性を高めることが可能な通信教育システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの高速化,インターネット等の情報通信ネットワークの普及に伴い,これらを利用した通信教育システムの開発が盛んに行われるようになってきた。近年,このような通信教育システムは様々な分野で利用されるようになり,学生や社会人を対象とする資格学習,企業の研修或いは学校教育現場において実用化されるに至っている。例えば,インターネット等のネットワークを介して広く実施されている「e−Learning」と呼ばれるシステムは上記通信教育システムの一形態である。
【0003】
特に,学校教育現場においては,上記通信教育システムの導入によって,通信教育に用いられるデジタルコンテンツ(以下,「コンテンツ」と略す)を活用した教育(授業)が頻繁に行われるようになってきている。これに伴い,学校教育にターゲットを絞った通信教育システムや該システムに用いられるコンテンツが多数開発され,市場に投入されている。その一例が,特許文献1に記載の履歴情報活用型教育システムである。このシステムは,学習者が作成した論文情報など学習情報(コンテンツに相当)を教師による評価情報と共に共有のデータベースに記憶管理することにより,これらの情報を教育現場において有効に活用できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2004−126401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公知の履歴情報活用型教育システムや従来周知の通信教育システムには,一般に,大容量の記憶領域を備えたサーバへのアクセスに応じてコンテンツの機能のみを利用可能とする所謂機能提供型と,コンテンツそのものを生徒(受講者)の端末装置に転送して利用させる所謂ダウンロード型とがある。
しかしながら,学校教育現場においては,前者の機能提供型の通信教育システムでは,コンテンツそのものがデータという形で配信されないため,教育コンテンツを学校内の閉塞的なネットワーク外(例えば生徒の自宅)に持ち出すことができず,コンテンツを用いた学校教育を家庭内に展開することができないという問題がある。
一方,後者のダウンロード型の通信教育システムでは,コンテンツそのものがデータとして配信されるため,学校内の閉塞的なネットワーク環境の下で配信されたコンテンツをネットワーク外に持ち出すことが可能である。しかしながら,多額の費用を投じて開発された教育コンテンツ等の情報の不正流出,不正複製などを防止するため,通常は,コンテンツの再生終了などの時点で該コンテンツを一律に消去するようにしている。そのため,現状では,コンテンツの持ち出しは実質的に許されていない状況となっている。なお,このダウンロード型のシステムの場合は,時間的制限を与えて所定時間の間だけ自由に教育用コンテンツの再生,利用を可能とすることも考えられるが,特定の生徒だけでなく不特定の者により上記教育コンテンツが利用される蓋然性があるため好ましくない。
また,いずれの通信教育システムにおいても,システムの構成に必要なネットワークを学校内に限らず,広範囲な地域をカバーするインターネット等にすることにより,自宅の端末装置からも通信教育システムを利用することが可能となるが,生徒が受講しているのか不特定の者が受講しているのかのが不明であるため,コンテンツの実質的な不正流出,不正利用を招くことになり問題である。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置の利用者にコンテンツを配信して教育サービスを提供する通信教育システムにおいて,配信されたコンテンツの再生場所を一定の条件の下で規制することにより,上記コンテンツの不正流出や不正複製を防止する一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツの利用可能性を高めることが可能な通信教育システム,並びに該システムに適用される端末装置,通信教育用プログラム,記録媒体,通信教育用プログラム記憶装置,通信教育方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は,講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システム及びこの通信教育システムに適用される通信教育方法として構成される。
この通信教育システム及び通信教育方法では,上記講師用端末装置のコンピュータが,上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付け,上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信する処理を実行する。また,上記受講者端末装置のコンピュータが,上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信し,受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定し,その判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限する処理を実行する。
このように構成されることで,コンテンツ情報に応じた上記再生場所制限情報を予め設定することにより,例えば著作権などを有するため不正複製が禁止されるコンテンツ情報については再生場所を学校内や教室内といった狭小範囲に制限することが可能となる。また,例えば複製ライセンスの許諾を受けているコンテンツ情報については再生場所を学校内だけでなく学校外に広げることが可能となる。即ち,コンテンツ情報の利用場所を一定の条件の下で規制することが可能となる。その結果,上記コンテンツ情報の不正流出や不正複製を個別的に防止することができ,その一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツ情報の利用可能性を高めることができる。これにより,学校での学習活動を自宅に展開することが可能となるため,学校と家庭とが連携した教育環境が実現することになる。
【0006】
ここで,上記講師用端末装置側で,上記コンテンツ情報を上記再生場所制限情報に応じて予め定められた暗号鍵で暗号し,上記受講者端末装置側で,上記コンテンツ情報の再生が制限されないと判定された場合に,暗号化されたコンテンツ情報の復号化に用いられる復号鍵を検索し,検索された復号鍵で上記暗号化されたコンテンツ情報を復号化すれば,コンテンツ情報の秘匿性を高めることができる。
この場合,予め上記受講者端末装置に配布された第1の復号鍵及び/又は上記ネットワーク上で公開された第2の復号鍵を検索することが考えられる。例えば,ネットワーク外での再生を認める場合には,上記受講者端末装置に予め復号鍵を配布しておけば復号化が容易となる。また,ネットワーク内での再生しか認めない場合は,ネットワーク上でしか復号鍵を取得することができないようにすることで,コンテンツ情報の不正流出を効果的に防止することができる。
また,複数の復号鍵が検索された場合は,検索された複数の復号鍵を用いて予め定められた優先順などの所定の順番で上記暗号化されたコンテンツ情報の復号化を試行するようにすれば,復号化処理が単純化されるため,処理負担が軽減される。
【0007】
また,上記受講者端末装置側で,所定の条件を満足した場合に,上記コンテンツ情報再生許可制限手段により再生が許可されたコンテンツ情報を消去することが考えられる。この場合,暗号化されたコンテンツ情報が上記第2の復号鍵で復号化された場合には,復号化されたコンテンツ情報と共に該コンテンツ情報の復号化に用いた上記第2の復号鍵を消去することが望ましい。
コンテンツ情報の消去はもとより,復号鍵をも消去することにより,たとえ暗号化されたコンテンツ情報が端末装置に保管されていても,復号鍵が無いため復号化できない。したがって,ネットワーク外へのコンテンツ情報の流出が防止され得る。
なお,上記所定の条件としては,上記コンテンツ情報の再生が終了したことが挙げられる。
【0008】
また,上記コンテンツ情報の再生回数を制限するための再生回数制限情報及び/又は再生時間を制限するための再生時間制限情報に基づいて上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するものであってもよい。再生場所に加えて再生回数,再生時間を規制することにより,コンテンツ情報の緻密な再生規則を構築することができる。
【0009】
ここで,上記受講者端末装置側で,上記受講者に予め配布された課題に対して行った該受講者の学習活動に関する学習活動情報を上記講師用端末装置に上記ネットワークを介して送信し,上記講師用端末装置側で,上記受講者端末装置から送信された学習活動情報を受信することにより,上記受講者端末装置から受信した上記学習活動情報に対する評価情報や支援情報或いはその両方を上記コンテンツ情報として上記受講者端末装置に送信することが可能となる。
これにより,講師及び受講者の双方が学習活動やその評価を相互に確認し合いながら通信教育を行うことが可能となり,ネットワークを通じて,学習活動と評価とが一体化した教育を展開することが可能となる。
ここに,上記評価情報とは,個々の受講者に対して講師がする評価を示す情報(データ)を含む概念である。また,上記支援情報とは,必要に応じて講師が受講者に配信する模範解答や模範演技などの情報(データ)を含む概念である。これら情報は,テキストデータや画像データ或いは動画データなどの種々のデータ形式で構成されるものである。
【0010】
ここで,本発明を,上記通信教育システムに用いられる端末装置と捉えることもできる。
即ち,講師が利用する端末装置と捉えた場合は,上記通信教育システムを構成する端末装置のコンピュータが,上記教育サービスの受講者が利用する受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付け,この関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信する処理を実行するものとして構成される。
また,受講者が利用する端末装置と捉えた場合は,上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記ネットワーク上の他の端末装置から受信し,この受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定し,そして,その判定結果に応じて当該端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限する処理を実行するものとして構成される。
このように構成された端末装置であっても,上記通信教育システムと同様の効果が奏される。
【0011】
また,本発明を,上記端末装置のコンピュータに上記各手段を機能させるための通信教育用プログラム,或いはこの通信教育用プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することもできる。
更にまた,上記通信教育用プログラムが記憶された記録媒体を含んで構成され,端末装置と通信可能に接続する通信接続手段を備えた通信教育用プログラム記憶装置として本発明を捉えてもよい。この場合,上記通信接続手段としては,上記端末装置とUSB接続するものが該当する。即ち,上記通信教育用プログラム記憶装置が,端末装置とUSB接続可能であり,小型で携帯に便利なフラッシュメモリなどの記録媒体を内蔵する携帯型ストレージであることが考えられる。
これにより,上記記録媒体或いは上記通信教育用プログラム記憶装置を携帯して持ち運び,他の端末装置でプログラムを読み込ませるなどすることにより,上記通信教育システムによる教育サービスの提供を容易に受けることが可能となる。もちろん,このような記録媒体や通信教育用プログラム記憶装置は小型であるため,持ち運びにも便利である。
【発明の効果】
【0012】
上述した通信教育システムによれば,コンテンツ情報に応じた上記再生場所制限情報を予め設定することにより,コンテンツ情報の利用場所を一定の条件の下で規制することが可能となる。これにより,上記コンテンツ情報の不正流出や不正複製を個別的に防止することができ,その一方で,上記ネットワーク外における上記コンテンツ情報の利用可能性を高めることができる。その結果,学校での学習活動を自宅に展開することが可能となるため,学校と家庭とが連携した教育環境が実現することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本実施形態に係る通信教育システムX(以下「システムX」と略す)は,図1に示すように,学校などの教育現場に構築された有線或いは無線からなるLAN1(ネットワークの一例)を介して相互に通信可能に接続された複数のパーソナルコンピュータ(パソコン)などの端末装置2,3を有して構成される。本実施の形態では,符号2で示すデスクトップ型の端末装置を教師が利用する教師用端末2(講師用端末装置の一例)とし,符号3で示すノート型の端末装置を生徒が利用する生徒用端末3(受講者端末装置の一例)として説明していく。なお,図1には端末装置の代表例であるパソコンを表しているが,もちろん,パソコン以外の,例えばPDA端末,携帯電話機などのように内部にコンピュータを有する端末装置で本システムXを構成してもかまわない。
【0014】
本システムXは,図1に示すネットワーク環境下において,上記教師用端末2と上記生徒用端末3との間で,教育に用いるコンテンツ(コンテンツ情報に相当)を送受信することにより教育サービスを提供する通信教育システムである。
なお,図1中の符号4,5は上記教師用端末2,上記生徒用端末3に接続して使用される所謂USBメモリであるが,これについては後述する。
ここに,図1は上記システムXが適用されるネットワーク接続構成の一例を示すネットワーク図,図2は上記システムXの概略構成を示すブロック図,図3は上記教師用端末2に接続されて使用される教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータを説明する図,図4は上記生徒用端末3に接続された使用される生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータを説明する図,図5は上記教師用端末2の制御部21により実行される学習コンテンツ配信処理の手順の一例を説明するフローチャート,図6は上記生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツ再生処理の手順の一例を説明するフローチャート,図7は図6のステップS170の再生許可/制限判定処理の手順の一例を説明するフローチャート,図8〜図11は上記教師用端末2或いは生徒用端末3のモニタに表示される画面の一例を示す表示画面図である。
【0015】
ここで,図2を用いて,上記教師用端末2及び生徒用端末3の概略構成について説明する。
図2に示すように,上記教師用端末2は,CPU21a,ROM21b,RAM21cなどの制御素子(制御機器)を有する制御部21と,液晶表示装置などの表示部22と,キーボードやタブレットなどの入力部23と,上記教師用端末2のOS(Operation System)を作動させるプログラムや種々のデータが格納されたHDD24と,LAN1と通信接続するためのLANアダプタ等のNIC25(Network Interface Card)と,後述する教師用USBメモリ4(通信教育用プログラム記憶装置の一例)が接続可能なUSBポート26と,を備えて構成される。
【0016】
上記HDD24には,OS用プログラムのほかに周知のUSB自動起動プログラム(AUTORUNプログラム)が格納されている。このUSB自動起動プログラムの起動中は,上記制御部21により上記教師用USBメモリ4が上記USBポート26に接続されたかどうかが常時監視され,接続されたことが検出されると,上記教師用USBメモリ4内のデータや後述する通信教育用のモジュールプログラムなどが読み出されて自動起動(AUTORUN)される。
また,上記生徒用端末3も,上記教師用端末2と同様に構成されており,CPU,ROM,RAMなどの制御素子(制御機器)を有する制御部31と,表示部32と,入力部33と,HDD24と,NIC25と,USBポート36とを備えて構成される。
【0017】
上記教師用端末2の上記USBポート26には教師用USBメモリ4が接続される。また,上記生徒用端末3の上記USBポート36には生徒用USBメモリ5が接続される。本システムXは,上記教師用USBメモリ4及び上記生徒用USBメモリ5がそれぞれの端末装置に接続されることによって所定のプログラムが起動することにより具現化される。
上記教師用USBメモリ4及び生徒用USBメモリ5は,上記USBポート26,36に接続して使用される記憶装置である。このUSBメモリ4,5は小型であるため,携帯して持ち運び可能であり,近年,FD(フロッピー(登録商標)ディスク)などのメディアにとって代わる存在となりつつなる。
【0018】
本システムXに使用される各USBメモリ4,5は,上記USBポート26,36と通信可能に接続する図示しないUSBコネクタ(通信接続手段の一例)と,フラッシュメモリに代表される半導体メモリ等の記録媒体40,50(図3,4参照)と,記録媒体40,50からのデータの転送を制御する図示しない制御基板とを備え,これらの各要素がABS樹脂などのプラスチック製筐体に収容されて構成されている。
本実施の形態では,上記教師用USBメモリ4は,本システムXを利用する教師毎に予め配布されており,上記生徒用USBメモリ5は生徒毎に予め配布されている。
なお,この実施の形態では,上記USBメモリを用いたシステムXを例示して説明するが,上記USBメモリに代えて,HDDがパッケージされた携帯型のHDD記憶装置,フラッシュメモリがカード型にパッケージされたメモリカード,外付けのFDD(FDドライブ),CD−ROMドライブなどを採用することも可能である。
また,上記教師用端末2や上記生徒用端末3に各種メディア(FD,CD−ROM,DVD−ROM,フラッシュメモリなど)を読み込むことができるドライブやメモリスロットが搭載されている場合は,少なくとも,上記記録媒体40,50等のメディアを教師或いは生徒に配布しておけばよい。
【0019】
ここで,図3を用いて,上記教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータ構成について説明する。
上記記録媒体40は図示するように,少なくとも秘密領域41と,プログラム領域42と,データ領域43とを有する。
上記データ領域43には,生徒に実施させるための学習コンテンツ(課題に相当)431や,上記学習コンテンツに対して生徒が行った解答やその採点結果又は実演(以下「学習活動」という)などの学習活動データ432(学習活動情報に相当)や,生徒が行った学習活動に対する教師による評価情報や該学習活動に応じた種々の学習支援用コンテンツ433(支援情報に相当)などが記憶されている。
ここに,上記学習コンテンツ431とは,生徒に対して実施させるための小テスト(のテキストデータ)や授業に関する種々の課題などを含む概念である。ここで,図8に,学習コンテンツの一例である小テスト問題が表示された出題画面80の一例を示す。この出題画面80には,図示するように入力部81が表示される。この入力部81は,1〜12の数字キー,答え合わせの実行を指示するための答え合わせキー,表示画面を前の問題或いは次の問題へ移行させるためのキーなどにより構成されており,マウス等を用いていずれかのキーが選択(クリック)されることによりキー入力が実行される。なお,図8中の符号82は問題文章の一例であり,符号83は問題の一例を示す。
また,上記学習活動データ432とは,例えば,生徒がした小テストの解答結果や採点結果,又は課題に対して行った生徒の実技を収録した動画データなどを含む概念である。図9に,小テスト問題の解答に対する採点結果が表示された採点結果表示画面90の一例を示す。この採点結果表示画面90は,図8に示す出題画面80において生徒が小テストの解答を上記入力部81に設けられたキーや図示しないキーボードなどから入力し,そして,上記入力部81の答え合わせキーがマウス等で選択されることにより答え合わせが実行され,その後表示される。なお,上記採点結果表示画面90には,図示するように,解答に再挑戦する場合に再度出題画面80を表示させるためのキー91や学習結果を表示するためのキー92などが表示される。
また,上記学習支援用コンテンツ433とは,生徒が行った小テストの解答の採点結果に応じた種々の模範解答や,出題された課題に対する模範演技を収録した種々の動画データを含む概念である。
なお,上述した小テストや課題などの具体的事例は単なる一例であり,教育・授業に用いられるデジタルデータ(コンテンツデータ)であれば如何なるものであってもかまわない。例えば,音楽の授業で用いるオーディオデータや美術の授業で用いる画像データもコンテンツデータとなり得る。
上記データ領域43は,データの書き換え,更新などが行われる記憶領域であるため,データの書き換え可能なフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリであることが望ましい。
【0020】
上記プログラム領域42には,インターネットやWWWの技術を利用したWBT(Web Based Training)システムを実現するためのWWWサーバモジュール421と,本システムXにおいて上記生徒用端末3との間でコンテンツ等の情報を送受信することにより生徒に対して通信教育を行うためのe−コーチングシステムを実現するe−コーチングモジュール422(通信教育プログラムの一例)とが格納されている。
上記WWWサーバモジュール421及びe−コーチングモジュール422は,上記教師用USBメモリ4が教師用端末2に接続されることで,該教師用端末2のOSや前記USB自動起動プログラムにより読み出されることにより,上記教師用端末2において上記e−コーチングシステムが起動される。
このようなプログラムが不注意により改変されることを防止する観点からすれば,上記プログラム領域42は,ROMなどの揮発性メモリであることが望ましい。
【0021】
上記e−コーチングモジュール422は,教育情報送受信モジュール422aと,学習活動分析モジュール422bと,学習活動支援モジュール422cとに分かれる。
上記教育情報送受信モジュール422aは,生徒用端末3から送信された学習結果を含む学習活動データ(学習活動情報に相当)を前記NIC25(図2参照)で受信する機能,受信した学習活動データを上記データ領域43に格納する機能,上記データ領域43に保存されている学習支援用コンテンツ433を生徒用端末3に前記NIC25から送信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,送受信するコンテンツを暗号化/復号化する機能もこのモジュールにより実現される。
上記学習活動分析モジュール422bは,データ領域43に蓄積された上記学習活動記録データ432を集計処理し,生徒全体又は生徒個別に学習進捗状況や内容理解状況に基づいて分析した評価情報の入力を受け付けた後に生徒用端末3に返信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。この学習活動分析モジュール422bによって,例えば,図10に示すような全生徒の学習状況を確認するための学習状況確認画面100や,図11に示すような生徒別の小テストに対する学習結果や理解状況等を確認する学習結果確認画面110などを表示部22に表示することが可能となる。なお,上記学習状況確認画面100では,教室における生徒及び教卓の位置が表示され,各生徒の学習の進捗状況が色彩の濃淡で表される。例えば,学習が進んでいる生徒は淡い色で表され,学習が進んでいない生徒は濃い色で表される。また,上記学習状況確認画面100では,授業を受けている生徒全体の各問題後との理解状況が上述と同様に色彩の濃淡で表される。例えば,正解率の高い問題は淡い色で表され,正解率の低い問題は濃い色で表される。
上記学習活動支援モジュール422cは,学習内容の理解促進や次の課題提示を目的として,生徒の学習結果に応じた学習支援用コンテンツ433をデータ領域43から選択する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,このモジュールは,後述する再生場所制限情報や再生回数制限情報,再生時間制限情報を選択する機能,そして,選択した学習支援用コンテンツ433に,上記再生場所制限情報や再生回数制限情報,再生時間制限情報などを関連付ける機能を実現するためのものでもある。
【0022】
このようなモジュールプログラムで構成される上記e−コーチングモジュール422よるe−コーチングシステムは,WWWサーバモジュール421を経由してWWWサーバやWebブラウザ或いはCGIなどの拡張モジュールにより実現される。
【0023】
上記秘密領域41には,教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が格納されている。
上記教師用固有ID411は,教師用USBメモリ4が配布された教師毎に定められた識別コードである。これらの教師用固有ID411,上記学内ID412及び上記共通ID413は,教師用端末2における後記する暗号化及び生徒用端末3における後記する復号化に用いられる。
上記秘密領域41は,LAN1上で上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413を公開することを目的として,上記LAN1に接続された他の端末装置からアクセス可能な状態とされている。例えば,上記秘密領域41は上記LAN1上で共有されている。なお,必ずしも上記秘密領域41が共有されている必要はなく,少なくとも,上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が公開(共有)されていればよい。
ここに,上記教師用固有ID411,学内ID412,共通ID413が暗号鍵及び復号鍵の一例である。また,上記教師用固有ID411及び学内ID412が第2の復号鍵の一例である。
【0024】
また,上記秘密領域41には,学習支援用コンテンツ433別に区分されたライセンス情報414も格納されている。このライセンス情報414とは,生徒用端末3に配信するコンテンツの再生場所を制限するための再生場所制限情報,再生回数や再生時間を制限するための再生回数制限情報,再生時間制限情報を含むものである。これらの制限情報は,教師の判断により或いは当該システムXの供給者との契約などに応じて定められている。例えば,不正流出を厳格に禁止する必要のあるコンテンツに対しては,「再生場所は教室内に限定」,「再生回数は1回」或るいは「再生時間は1時間」といった内容の制限情報が格納されており,そうでないコンテンツに対しては,「再生場所の制限なし」「再生回数の制限なし」或るいは「再生時間の制限なし」といった内容の制限情報が格納されている。要するに,上記ライセンス情報414は,コンテンツの種類(重要度やライセンスの有無)に応じた制限情報であると換言できる。
ここで,コンテンツの重要度及びその属性に応じた上記各制限情報の一例を表1に例示する。表1中の授業用データとは授業にのみ用いるデータを意味し,そのため,その再生場所は教室内に制限される。また,学内共有データは学校内でのみ再生可能なデータを意味し,そのため,その再生場所は学校内に制限される。更に,生徒共有データは特に再生場所が制限されないデータであって,学校内に限らず自宅等の学校外のパソコン等でも再生が許容されるデータを意味する。なお,再生制限回数や再生制限時間は表1に示すように予め定められている。
なお,下記表1は単なる一例であり,その組み合わせや内容はコンテンツの種別や重要度に応じて適宜定められる。
【表1】
【0025】
次に,図4を用いて,上記生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータについて説明する。
上記記録媒体50も,上記記録媒体40と同じように,少なくとも秘密領域51と,プログラム領域52と,データ領域53とを有する。以下,上記各領域に格納されるデータについて説明するが,前記記録媒体40と同内容の項目についてはその詳細な説明を省略する。
上記データ領域53には,教師用端末2などから予め配信された小テスト問題などの学習コンテンツ531,小テストの解答結果や採点結果などの学習活動データ532(学習活動情報に相当),教師用端末2から送信された学習支援用コンテンツ533などが記憶される。
【0026】
上記プログラム領域52には,WWWサーバモジュール521と,本システムXにおいて上記教師用端末2との間でコンテンツ等の情報を送受信することにより通信教育を受講するためのe−ラーニングシステムを実現するe−ラーニングモジュール522(通信教育プログラムの一例)とが格納されている。
このようなWWWサーバモジュール521やe−ラーニングモジュール522が生徒用端末3のOSや前記USB自動起動プログラムにより読み出されることにより,上記生徒用端末3において上記e−ラーニングシステムが起動される。
【0027】
上記e−ラーニングモジュール522は,教育情報送受信モジュール522aと,学習履歴管理モジュール522bと,学習制御モジュール522cとに分かれる。
上記教育情報送受信モジュール522aは,教師用端末2から送信された学習コンテンツや学習支援用コンテンツなどのコンテンツを受信する機能,受信したコンテンツをデータ領域53に格納する機能,データ領域53に保存されている学習コンテンツ531に対する学習活動データ(学習活動情報に相当)を教師用端末3に送信する機能を実現するためのモジュールプログラムである。また,送受信するコンテンツを暗号化/復号化する機能もこのモジュールにより実現される。
上記学習履歴管理モジュール522bは,上記データ領域53に格納された種々のコンテンツを管理する機能,選択されたコンテンツを再生(参照)する機能を実現するためのモジュールプログラムである。例えば,コンテンツが動画データである場合はそれを生徒用端末3の表示部32(図2参照)に表示させるアプリケーションプログラム,音楽データである場合はそれを上記生徒用端末3が具備するスピーカへ出力する処理を行うアプリケーションプログラムなどがこのモジュールに該当する。なお,再生の際には,コンテンツに上記ライセンス情報414(再生場所制限情報,再生回数制限情報,再生時間制限情報)が関連付加されて入る場合は,それぞれの情報に基づいてその再生が制限される。このような制限機能も上記学習履歴管理モジュール522bにより実現される。
また,上記学習制御モジュール522cは,データ領域53に格納されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを生徒に学習させる機能を実現するためのモジュールプログラムである。
【0028】
このようなモジュールプログラムで構成される上記e−ラーニングモジュール522よるe−ラーニングシステムも,前記e−コーチングシステムと同様に,WWWサーバモジュール521を経由してWWWサーバやWebブラウザ或いはCGIなどの拡張モジュールにより実現される。
【0029】
上記秘密領域51には,生徒の氏名や生年月日などの生徒個人情報510,生徒個別に与えられる識別コードである生徒用固有ID511,予め全生徒に配布された共通ID512などが格納されている。この生徒用固有ID511或いは共通ID512は,教師用端末2における後記する暗号化及び生徒用端末3における後記する復号化に用いられる。
ここで,上記生徒用固有ID511及び共通ID512は第1の復号鍵の一例である。
上記秘密領域51は,前記秘密領域41とは異なり,上記生徒用固有ID511などを公開しないため共有されていない。従って,秘密領域51が外部から無断でアクセスされることはない。
また,上記秘密領域51には,上記教師用端末2から受信した学習支援用コンテンツに関連付加されたライセンス情報514が上記学習支援用コンテンツ毎に区分されて一時的に格納される。
【0030】
次に,上述の如く構成された教師用端末2,生徒用端末3,教師用USBメモリ4,生徒用USBメモリ5,及びLAN1により構築されたシステムXにおいて実行されるコンテンツの配信(送信)処理及び受信処理の手順について,以下に説明する。ここに,S10,S20,・・・は処理手順(ステップ)番号を示す。
まず,図5のフローチャートを用いて,上記教師用端末2の制御部21により実行されるコンテンツの配信(送信)処理の手順の一例について説明する。かかる配信処理は,教師用端末2のOSや前記USB自動起動プログラムが作動していることを前提としてステップS10から開始される。
【0031】
ステップS10では,教師用USBメモリ4が教師用端末2に接続されたことを条件に,e−コーチングシステムが制御部21によって起動される。
その後,教師用USBメモリ4の秘密領域41に教師用固有ID411が登録(記憶)されているかどうかにより,上記教師用USBメモリ4が本システムXにおいて利用可能なものであるかどうかが判断される(ステップS20)。
ここで,教師用固有ID411が登録されている場合は(ステップS20のYes),上記教師用端末2の利用者,つまり,教師により入力されたID番号と予め登録された教師用固有ID411とを照合する処理が行われる(ステップS30)。
上記ステップS20において登録なしと判断された場合(ステップS20のNo),或いはステップS30において不一致と判断された場合は,e−コーチングシステムが有効でないと判断され,その後の処理はステップS21へ進む。このステップS21では,例えば,e−コーチングシステムの停止処理,ID番号の再入力を促すダイアログを表示させる処理,ID番号が一致しない旨を表示する処理などの中断処理が制御部21によって実行される。
【0032】
ステップS30において一致すると判断された場合は,e−コーチングシステムが正常に作動して,ネットワークを介した通信教育が可能な状態となる。ここで,教師が生徒に対して所定の学習支援用コンテンツを送信する処理について説明する。
まず,ステップS40では,送信する学習支援用コンテンツが前記したデータ領域43から選択されたかどうかが判定される。このコンテンツは,例えば生徒から受信した学習活動データに基づいて分析された生徒個人のレベルに応じて教師により選択されるものである。
送信する学習支援用コンテンツが選択されると(ステップS40のYes),続いて,そのコンテンツの種類や重要度に応じた送信処理が実行される。以下の説明では,前記した表1に記載のコンテンツ(授業用データ,学内共有データ,生徒共有データ)ごとに応じた送信処理について述べる。
【0033】
まず,ステップS50において,選択されたコンテンツが授業用データであるかどうかの判断が制御部21によって行われる。また,このステップS50で,選択されたコンテンツが授業用データでないと判断されると,続いて,ステップS60で,選択したコンテンツが学内共有データであるかどうかが判断される。これらの判断は,上記データ領域43を予めコンテンツの種別ごとに区分しておき,いずれの区分から選択されたかどうかを判定することにより行われる。もちろんこのような判断手法には限られない。
上記ステップS50において,授業用データであると判断されると,その授業用データが暗号され(ステップS51),その後,制限場所が教室内であることを示す情報(以下「教室情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS52)。上記ステップS51の暗号化に用いる暗号鍵としては,教師用固有ID411が用いられる。
【0034】
ステップS50で授業用データでないと判断された後に(ステップS50のNo),ステップS60で学内共有データであると判断されると(ステップS60のYes),その学内共有データが暗号化され(ステップS61),その後,制限場所が学校内であることを示す情報(以下「学内情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS62)。上記ステップS61の暗号化に用いる暗号鍵としては,学内ID413が用いられる。この学内ID413は予め秘密領域41に格納されたものであってもよいし,或いは,LAN1に接続されたネットワーク管理サーバから取得したものであってもよい。
【0035】
ステップS60で学内共有データではないと判断されると(ステップS60のNo),選択されたコンテンツはその他のデータ(ここでは生徒共有データとする)であると判断される。選択されたコンテンツが生徒共有データである場合は,その後,その生徒共有データが暗号化され(ステップS70),更に,再生場所が制限されない旨を示す情報(以下「制限なし情報」という)や,所定の他の制限情報(表1参照)が関連付けて付加される(ステップS71)。上記ステップS70の暗号化に用いる暗号鍵としては,共通ID413や予め生徒用端末3に配布された生徒用固有ID511が用いられる。この生徒用固有ID511は,生徒用端末3がLAN1に接続された際に予め該生徒用端末3から取得しておいたものであってもよいし,上記生徒用固有ID511を一元管理するネットワーク管理サーバから取得するものであってもよい。
【0036】
ステップS52,S62,S71で暗号化されたコンテンツに制限情報が付加されると,その後,処理はステップS80に進み,ここで,上記制限情報が関連付加されたコンテンツを指定されたLAN1上のアドレスに送信する処理が前記制御部21や前記NIC25によって実行される。
【0037】
次に,図6及び図7のフローチャートを用いて,上記生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツの受信処理の手順の一例について説明する。かかる受信処理は,前記配信処理と同様に,生徒用端末3のOSや前記USB自動起動プログラムが作動していることを前提としてステップS110から開始される。
まず,ステップS110において,生徒用USBメモリ5が生徒用端末2に接続されたことを条件に,e−ラーニングシステムが制御部31によって起動される。
その後,生徒用USBメモリ5の秘密領域51に生徒用固有ID511が登録(記憶)されているかどうかにより,上記生徒用USBメモリ5が本システムXにおいて利用可能なものであるかどうかが判断される(ステップS120)。
ここで,生徒用固有ID511が登録されている場合は(ステップS120のYes),上記生徒用端末3の利用者,つまり,生徒により入力されたID番号と予め登録された生徒用固有ID511とを照合する処理が行われる(ステップS130)。
上記ステップS120において登録なしと判断された場合(ステップS120のNo),或いはステップS130において不一致と判断された場合は,e−ラーニングシステムが有効でないと判断され,前記ステップS21(図5参照)と同様の中断処理が実行される(ステップS121)。
【0038】
ステップS30において一致すると判断された場合は,e−ラーニングシステムが正常に作動して,ネットワークを介した通信教育を受けることが可能な状態となる。ここで,教師から送信された所定の学習支援用コンテンツを再生する処理について説明する。
まず,ステップS140では,生徒により再生したいコンテンツが選択されたかどうかが判断される。コンテンツの選択は,生徒が入力部33から入力した指示に基づいて上記データ領域53に記憶されたデータから一のデータを選択することにより行われる。
【0039】
続いて,ステップS140で選択されたコンテンツが学習支援用コンテンツであるかどうかが判定される。
ここで学習支援用コンテンツではないと判定されると(ステップS150のNo),処理はステップS200に進み,選択されたコンテンツを再生する処理が行われる。なお,この再生とは,コンテンツが画像データやテキストデータである場合はそれを生徒用端末3の表示部32に表示させることをいい,コンテンツが動画データである場合はそれを表示部32上で再生することをいい,オーディオデータである場合はそれをスピーカ等から再生出力することをいう。
【0040】
上記ステップS150で学習支援用コンテンツであると判定されると(ステップS150のYes),処理はステップS160に進む。
このステップS160では,選択された学習支援用コンテンツに再生場所制限情報が関連付加されているかどうかが判定される。具体的には,上記学習支援用コンテンツに,前記した教室情報,学内情報,制限なし情報が関連付けられているかどうかが判定される。
ここで,上記再生場所制限情報が付加されている場合は(ステップS160のYes),選択された上記学習支援用コンテンツの再生が許可されるか或いはその再生場所が制限されるかを判定する再生許可/制限判定処理が実行される(ステップS170)。なお,この再生許可/制限判定処理の手順については図7のフローチャートを用いて後述する。
【0041】
上記ステップS170で,再生場所が制限されると判定された場合は,再生処理が行われないまま一連の処理が終了する。また,再生が許可された場合は,処理はステップS180に進む。
【0042】
処理がステップS180に進むと,ここでは,選択された学習支援用コンテンツに再生回数制限情報や再生時間制限情報が関連付けられているかどうかが判定される。例えば,選択された学習支援用コンテンツが表1に示す学内共有データに属するものである場合は,再生回数を5回に制限する情報,再生時間を3時間に制限する情報が付加されていることになる。
従って,このような制限情報が付加されている場合は,ステップS181において,コンテンツの再生にあたり,上記各制限情報により再生が許可されるか或いは制限されるかどうかが判定される。具体的には,予め上記コンテンツが選択された回数や再生された回数をカウントして前記秘密領域51に保存しておき,そのカウント値と上記再生回数制限情報とを比較することにより判定する。また,最初に再生された時からそのトータル的な再生時間をカウントして保存しておき,そのカウント値と上記再生時間制限情報とを比較することにより判定する。
ここで,再生が許可されず制限されると判定された場合は,再生処理が行われないまま一連の処理が終了する。また,再生が許可された場合は,処理はステップS190に進む。
【0043】
処理がステップS190に進むと,ここでは上記学習支援用コンテンツを既定の復号鍵で復号化する処理が実行される(上述したように,上記学習支援用コンテンツは教師用端末2で暗号化されて送信される為)。その後,ステップS200において,復号化されたコンテンツを再生する処理が実行される。なお,上記既定の復号鍵とは,後述するステップS340,S350,S360で検索されるIDのことを指す。
【0044】
次に,図7のフローチャートを用いて,上記ステップS170の再生許可/制限判定処理の手順について説明する。処理はステップS310から開始される。
まず,ステップS310において,ネットワーク上における生徒用端末3の接続場所を特定するために,ネットワーク上における生徒用端末3の接続位置や接続状態などの接続情報が取得される。かかる処理は,例えば,教室内,学校内などのように学校が管轄する管理地域を複数に区別してIPアドレスやサブネットアドレスを生徒用端末3に割り振っておけば,このアドレスを参照することにより実行可能である。また,所定エリアごと(例えば教室ごと)に親局が配置されている場合は,生徒用端末3の属する親局の情報(接続情報)を取得して判定することによっても,生徒用端末3の接続場所を特定することが可能である。
【0045】
ステップS310で上記生徒用端末3の接続場所が特定されると,続いてステップS320において,関連付けられていた再生場所制限情報と上記接続情報とに基づいて,現在,生徒用端末3が接続されている場所において,選択された学習支援用コンテンツが再生可能かどうかが判定される。
例えば,選択された学習支援用コンテンツが学内共有データ(表1参照)に属するものである場合は,上記生徒用端末3が学校内でLAN1に接続されている場合は再生可能と判定される。また,授業用データ(表1参照)に属するものである場合は,上記生徒用端末3が教室内でLAN1に接続されている場合は再生可能と判定される。
かかる判定処理において,再生可能と判定された場合は,処理はステップS330に進む。また,再生不可と判定された場合は,コンテンツの再生がされないまま一連の処理が終了する。
【0046】
処理がステップS330に進むと,ここでは再生場所制限情報の種別が判別される。この実施の形態では,前記した教室情報,学内情報,制限なし情報のいずれかに判別されるものとする。もちろん,このような種別に限られることはない。
上記ステップS330において,関連付加された再生場所制限情報が教室情報であると判定されると,処理はステップS340に進む。また,学内情報であると判定されると,処理はステップS350に進み,制限なし情報であると判定されると,処理はステップS360に進む。
【0047】
処理がステップS340に進むと,ここでは上記教室情報に対応した復号鍵を検索する処理が行われる。例えば,再生場所制限情報の種別に応じた復号鍵を示す情報を各生徒用端末3のデータ領域53などに記憶させておけば,それに応じた復号鍵の検索が可能となる。具体的には,下記表2のような関係を予め記憶させておく。
【表2】
従って,ステップS340の検索処理としては,例えば,LAN1上に接続された教師用端末2にアクセスして,そこで公開している教師用固有IDを検索する処理が該当する。なお,この場合は,LAN1に教師用端末2が接続されておれば復号鍵である教師用固有IDは検索されるが,接続されていなければ当然に検索されない。すなわち,このことは,教師用端末2がLAN1に接続されていなければ,生徒用端末3において復号鍵を取得することができないことを意味し,つまりは,教師用端末2が接続されていなければコンテンツを再生することができないことを意味する。従って,生徒用端末3がLAN1に接続されていなければ復号鍵を取得することができず,結果的に再生もできない。
上記復号鍵である教師用固有IDが検索された場合は(ステップS341のYes),処理はステップS180(図6)に進み,検索されなかった場合は,再生処理がなされないまま一連の処理が終了する。
【0048】
なお,処理がステップS350及びS360に進んだ場合も,基本的にステップS340,S341と同じような処理が行われる。しかし,ステップS350で検索される復号鍵が学内IDである点で異なる。この学内IDはLAN1を管理するネットワーク管理サーバ(不図示)に格納されているため,上記教師用端末2がLAN1に接続されていなくてもサーバが起動さえしておれば検索可能である。ただし,ネットワーク管理サーバから復号鍵を検索して取得しなければ再生ができないため,LAN1に接続していない状態ではコンテンツの再生はできない。
また,処理がステップS360に進んだ場合は,該ステップS360で検索される復号鍵が生徒用固有IDである点で異なる。この場合は,生徒用端末3ごとに生徒用固有IDが配布されているため,或いは予め共通IDが配布されているため,復号鍵の検索は生徒用端末3内で完結する。即ち,生徒用端末3がLAN1に接続されているかどうかに関わりなく,復号鍵が検索されることになる。従って,この場合は,LAN1に接続されているかどうかにかかわらず,他の制限を満足すれば,コンテンツの再生がどの端末においても許可されることになる。
なお,本実施の形態では,再生場所が制限されるコンテンツとして学習支援用コンテンツを例にとって説明したが,もちろんこれ以外のコンテンツやデータの再生場所を制限するようにしてもよい。例えば,教師用端末2から生徒用端末3に配信される学習コンテンツや,生徒用端末3から教師用端末2に送信される学習活動データに再生場所制限情報を関連付けることにより,再生場所を制限するようにしてもかまわない。
【実施例1】
【0049】
上述の実施の形態では,図7の再生許可/制限判定処理において,表2に示す情報を予め生徒用端末3のデータ領域53などに記憶させておくことで,検索対象を特定することができるが,このような情報が記憶されていなければ復号鍵を容易に検索することはできない。
この場合は,上記先生用端末2,上記生徒用端末3,そしてネットワーク管理サーバの全ての装置にアクセスして復号化に用いられる復号鍵を全て検索そして抽出し,その上で,検索された複数の復号鍵を順番に適用して順次復号処理を試行することが考えられる。これにより,上記表2のような関係情報が記憶されていなくても比較的スムーズにコンテンツの復号処理が可能となる
また,検索された復号鍵に予め優先順を付けておき,その順序に従って復号処理を行うようにしてもよい。上記優先順としては,例えば,コンテンツのファイル数の多い順に優先度を高くすることが考えられる。
【実施例2】
【0050】
また,上述の実施の形態では,コンテンツの再生後に該コンテンツの取り扱いについては触れなかったが,従来と同じように,コンテンツの再生終了時にコンテンツを消去するようにしてもよい。これにより,コンテンツの不正流出や不正複製が防止される。もちろん上記コンテンツの消去時期は再生終了時に限定されることはなく,前記した再生回数や再生時間が満了したとき,その他所定の条件を満足した時でもよい。
なお,コンテンツの消去と同時に,LAN1上から検索した教師用固有IDや学内IDなどの復号鍵も消去すれば,暗号化されたコンテンツを所持していたとしても復号化ができなくなるので,好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信教育システムXが適用されるネットワーク接続構成の一例を示すネットワーク図。
【図2】通信教育システムXの概略構成を示すブロック図。
【図3】教師用端末2に接続されて使用される教師用USBメモリ4の記録媒体40に格納されたデータを説明する図。
【図4】生徒用端末3に接続された使用される生徒用USBメモリ5の記録媒体50に格納されたデータを説明する図。
【図5】教師用端末2の制御部21により実行される学習コンテンツ配信処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図6】生徒用端末3の制御部31により実行されるコンテンツ再生処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図7】図6のステップS170の再生許可/制限判定処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図8】小テスト問題が表示された出題画面の一例を示す表示画面図。
【図9】小テスト問題の解答に対する採点結果が表示された採点結果表示画面の一例を示す表示画面図。
【図10】全生徒の学習状況を確認するための学習状況確認画面。
【図11】生徒別の小テストに対する学習結果や理解状況等を確認するための学習結果確認画面。
【符号の説明】
【0052】
1…LAN(ネットワークの一例)
2…教師用端末(講師側端末装置の一例)
3…生徒用端末(受講者端末装置の一例)
4…教師用USBメモリ(記憶装置の一例)
5…生徒用USBメモリ(記憶装置の一例)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムであって,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段と,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段と,を備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段と,
上記判定手段による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段と,を備えてなることを特徴とする通信教育システム。
【請求項2】
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記コンテンツ情報を上記再生場所制限情報に応じて予め定められた暗号鍵で暗号化する暗号化手段を更に備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記判定手段によって上記コンテンツ情報の再生が制限されないと判定された場合に,暗号化されたコンテンツ情報の復号化に用いられる復号鍵を検索する復号鍵検索手段と,
上記復号鍵検索手段により検索された復号鍵で上記暗号化されたコンテンツ情報を復号化する復号化手段と,を更に備えてなる請求項1に記載の通信教育システム。
【請求項3】
上記復号鍵検索手段が,予め上記受講者端末装置に配布された第1の復号鍵及び/又は上記ネットワーク上で公開された第2の復号鍵を検索するものである請求項2に記載の通信教育システム。
【請求項4】
上記復号鍵検索手段により複数の復号鍵が検索された場合は,上記復号化手段が,上記復号鍵検索手段により検索された複数の復号鍵を用いて所定の順番で上記暗号化されたコンテンツ情報の復号化を試行するものである請求項2又は3のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項5】
上記所定の順番が,予め定められた優先順である請求項4に記載の通信教育システム。
【請求項6】
上記受講者端末装置のコンピュータが,
所定の条件を満足した場合に,上記コンテンツ情報再生許可制限手段により再生が許可されたコンテンツ情報を消去するコンテンツ情報消去手段を更に具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項7】
上記暗号化されたコンテンツ情報が上記復号化手段によって上記第2の復号鍵で復号化された場合は,上記コンテンツ情報消去手段が,上記復号化手段により復号化されたコンテンツ情報と共に該コンテンツ情報の復号化に用いた上記第2の復号鍵を消去するものである請求項6に記載の通信教育システム。
【請求項8】
上記所定の条件が,上記コンテンツ情報の再生が終了したことである請求項6又は7のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項9】
上記コンテンツ情報再生許可制限手段が,上記コンテンツ情報の再生回数を制限するための再生回数制限情報及び/又は再生時間を制限するための再生時間制限情報に基づいて上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するものである請求項1〜8のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項10】
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記受講者に予め配布された課題に対して行った該受講者の学習活動に関する学習活動情報を上記講師用端末装置に上記ネットワークを介して送信する学習活動情報送信手段を更に備え,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置から送信された学習活動情報を受信する学習活動情報受信手段を更に備え,
上記コンテンツ情報送信手段が,上記受講者端末装置から受信した上記学習活動情報に対する評価情報及び/又は支援情報を上記コンテンツ情報として上記受講者端末装置に送信するものである請求項1〜9のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項11】
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,上記端末装置の利用者にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに用いられる端末装置であって,
上記端末装置のコンピュータが,
上記教育サービスの受講者が利用する受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段と,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段と,
を具備してなることを特徴とする端末装置。
【請求項12】
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,上記端末装置の利用者にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに用いられる端末装置であって,
上記端末装置のコンピュータが,
当該端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記ネットワーク上の他の端末装置から受信するコンテンツ情報受信手段と,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段と,
上記判定手段による判定結果に応じて当該端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段と,を備えてなることを特徴とする端末装置。
【請求項13】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムを構成する上記講師用端末装置に適用される通信教育用プログラムであって,
上記講師用端末装置のコンピュータを,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段,として機能させるための通信教育用プログラム。
【請求項14】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムを構成する上記受講者端末装置に適用される通信教育用プログラムであって,
上記受講者端末装置のコンピュータを,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記講師用端末装置から受信するコンテンツ情報受信手段,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段,
上記判定手段による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段,として機能させるための通信教育用プログラム。
【請求項15】
上記請求項13又は14のいずれかに記載の通信教育用プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
上記請求項15に記載の記録媒体を含んで構成され,端末装置と通信可能に接続する通信接続手段を備えてなる通信教育用プログラム記憶装置。
【請求項17】
上記通信接続手段が上記端末装置とUSB接続するものである請求項16に記載の通信教育用プログラム記憶装置。
【請求項18】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに適用される通信教育方法であって,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け工程と,
上記関連付け工程により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信工程と,を備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信工程と,
上記コンテンツ情報受信工程により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定工程と,
上記判定工程による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限工程と,を備えてなることを特徴とする通信教育方法。
【請求項1】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムであって,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段と,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段と,を備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段と,
上記判定手段による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段と,を備えてなることを特徴とする通信教育システム。
【請求項2】
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記コンテンツ情報を上記再生場所制限情報に応じて予め定められた暗号鍵で暗号化する暗号化手段を更に備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記判定手段によって上記コンテンツ情報の再生が制限されないと判定された場合に,暗号化されたコンテンツ情報の復号化に用いられる復号鍵を検索する復号鍵検索手段と,
上記復号鍵検索手段により検索された復号鍵で上記暗号化されたコンテンツ情報を復号化する復号化手段と,を更に備えてなる請求項1に記載の通信教育システム。
【請求項3】
上記復号鍵検索手段が,予め上記受講者端末装置に配布された第1の復号鍵及び/又は上記ネットワーク上で公開された第2の復号鍵を検索するものである請求項2に記載の通信教育システム。
【請求項4】
上記復号鍵検索手段により複数の復号鍵が検索された場合は,上記復号化手段が,上記復号鍵検索手段により検索された複数の復号鍵を用いて所定の順番で上記暗号化されたコンテンツ情報の復号化を試行するものである請求項2又は3のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項5】
上記所定の順番が,予め定められた優先順である請求項4に記載の通信教育システム。
【請求項6】
上記受講者端末装置のコンピュータが,
所定の条件を満足した場合に,上記コンテンツ情報再生許可制限手段により再生が許可されたコンテンツ情報を消去するコンテンツ情報消去手段を更に具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項7】
上記暗号化されたコンテンツ情報が上記復号化手段によって上記第2の復号鍵で復号化された場合は,上記コンテンツ情報消去手段が,上記復号化手段により復号化されたコンテンツ情報と共に該コンテンツ情報の復号化に用いた上記第2の復号鍵を消去するものである請求項6に記載の通信教育システム。
【請求項8】
上記所定の条件が,上記コンテンツ情報の再生が終了したことである請求項6又は7のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項9】
上記コンテンツ情報再生許可制限手段が,上記コンテンツ情報の再生回数を制限するための再生回数制限情報及び/又は再生時間を制限するための再生時間制限情報に基づいて上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するものである請求項1〜8のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項10】
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記受講者に予め配布された課題に対して行った該受講者の学習活動に関する学習活動情報を上記講師用端末装置に上記ネットワークを介して送信する学習活動情報送信手段を更に備え,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置から送信された学習活動情報を受信する学習活動情報受信手段を更に備え,
上記コンテンツ情報送信手段が,上記受講者端末装置から受信した上記学習活動情報に対する評価情報及び/又は支援情報を上記コンテンツ情報として上記受講者端末装置に送信するものである請求項1〜9のいずれかに記載の通信教育システム。
【請求項11】
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,上記端末装置の利用者にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに用いられる端末装置であって,
上記端末装置のコンピュータが,
上記教育サービスの受講者が利用する受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段と,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段と,
を具備してなることを特徴とする端末装置。
【請求項12】
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の端末装置を有して構成され,上記端末装置の利用者にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに用いられる端末装置であって,
上記端末装置のコンピュータが,
当該端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記ネットワーク上の他の端末装置から受信するコンテンツ情報受信手段と,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段と,
上記判定手段による判定結果に応じて当該端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段と,を備えてなることを特徴とする端末装置。
【請求項13】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムを構成する上記講師用端末装置に適用される通信教育用プログラムであって,
上記講師用端末装置のコンピュータを,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け手段,
上記関連付け手段により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信手段,として機能させるための通信教育用プログラム。
【請求項14】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムを構成する上記受講者端末装置に適用される通信教育用プログラムであって,
上記受講者端末装置のコンピュータを,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記講師用端末装置から受信するコンテンツ情報受信手段,
上記コンテンツ情報受信手段により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定手段,
上記判定手段による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限手段,として機能させるための通信教育用プログラム。
【請求項15】
上記請求項13又は14のいずれかに記載の通信教育用プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
上記請求項15に記載の記録媒体を含んで構成され,端末装置と通信可能に接続する通信接続手段を備えてなる通信教育用プログラム記憶装置。
【請求項17】
上記通信接続手段が上記端末装置とUSB接続するものである請求項16に記載の通信教育用プログラム記憶装置。
【請求項18】
講師が利用する講師用端末装置と受講者が利用する受講者端末装置とがネットワークを介して相互に通信可能に接続されて構成され,上記講師用端末装置から上記受講者端末装置にコンテンツ情報を配信することにより教育サービスを提供する通信教育システムに適用される通信教育方法であって,
上記講師用端末装置のコンピュータが,
上記受講者端末装置による上記コンテンツ情報の再生場所を制限するための再生場所制限情報を上記コンテンツ情報に関連付ける関連付け工程と,
上記関連付け工程により上記再生場所制限情報が関連付けられた上記コンテンツ情報を上記受講者端末装置に上記ネットワークを介して送信するコンテンツ情報送信工程と,を備え,
上記受講者端末装置のコンピュータが,
上記講師用端末装置から送信されたコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信工程と,
上記コンテンツ情報受信工程により受信された上記コンテンツ情報に関連付けられた再生場所制限情報と上記ネットワークに対する当該受講者端末装置の接続状態及び/又は接続位置に関する接続情報とに基づいて上記コンテンツ情報の再生が制限されるかどうかを判定する判定工程と,
上記判定工程による判定結果に応じて当該受講者端末装置における上記コンテンツ情報の再生を許可又は制限するコンテンツ情報再生許可制限工程と,を備えてなることを特徴とする通信教育方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−313275(P2006−313275A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136498(P2005−136498)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
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