説明

通信機器、通信方法および通信システム

【課題】サポートセンタのオペレータがユーザ機器の機器情報を効率よく的確に収集する。
【解決手段】1または2以上のユーザ機器の情報と、ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、サポートセンタとの接続方法を示す情報と、を関連付けて記憶している記憶部33と、ユーザ側から通知された連絡先情報が記憶部に記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断する判断部321と、通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報であると判断部321により判断された場合に、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集する収集部322と、ユーザ機器に関連付けられたサポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、収集部322により収集された機器情報をサポートセンタに送信する送信部31と、を備える通信機器が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器、通信方法および通信システムに関し、特に、ユーザ機器の機器情報を収集して送信可能な通信機器、通信方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内の家電機器等にネットワーク接続機能が備えられ、家庭内のローカルネットワークに接続されるホームネットワークが普及しつつある。これにより、家庭内にあるPC(パーソナルコンピュータ)から家電機器等の設定や、家電機器等の機器情報の収集が容易に行えるようになってきている。また、ホームゲートウェイやブロードバンドルータなどを介してインターネットへの常時接続が容易になっている。このため、ホームネットワークからの情報送信にもVoIP(VoiceOverIP)やFoIP(FaxOverIP)など様々な形態が可能となっている。
【0003】
しかしながら、従来の接続機能を有した家電機器(ネットワーク家電)であっても、トラブル時にサポートを受ける手段は電話やFAX、E−Mailなどが中心となっている。このため、サポートセンタのオペレータにネットワーク家電の設定情報や現在の状態を連絡するためには、エンドユーザは必ず一度は該当するネットワーク家電の機器情報を手動で収集しなければならないという問題があった。
【0004】
そこで、自動的に機器情報を収集するために、例えば、定期的にサポートセンタ等の管理コンピュータに送信して機器情報を保存し、ユーザ機器に障害が発生した場合に保存した機器情報に基づいて障害の原因を解析する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−303117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、定期的に機器情報を収集して保存するため、通信トラフィックが増大するとともに大量のデータを保存しなければならないという問題があった。また、ユーザがサポートセンタにユーザ機器についての問い合わせをした場合に、問い合わせ時点のユーザ機器の機器情報を取得していない場合には的確なサポートをすることができないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、サポートセンタのオペレータがユーザ機器の機器情報を効率よく的確に収集することが可能な、新規かつ改良された通信機器、通信方法および通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、1または2以上のユーザ機器の情報と、ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、サポートセンタとの接続方法を示す情報と、を関連付けて記憶している記憶部と、ユーザ側から通知された連絡先情報が記憶部に記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断する判断部と、通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報であると判断部により判断された場合に、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集する収集部と、ユーザ機器に関連付けられたサポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、収集部により収集された機器情報をサポートセンタに送信する送信部と、を備える通信機器が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、上記通信機器は、1または2以上のユーザ機器の情報と、ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、サポートセンタの接続方法を示す情報とが関連付けて記憶部に記憶され、ユーザ側から通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報か否かを判断する。通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡情報であると判断された場合には、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集する。そして、収集した機器情報をサポートセンタとの接続方法にしたがってサポートセンタに送信する。
【0009】
これにより、サポートセンタのオペレータがユーザ機器の機器情報を効率よく的確に収集することが可能となる。また、ユーザがサポートセンタの支援を必要とする場合にのみネットワーク家電から必要な情報を送信することができるため、通信トラフィックの軽減が図れるとともに、サポートセンタのオペレータの負荷集中を低減することが可能となる。
【0010】
また、ユーザ機器は入出力インターフェースを介して通信機器と接続され、収集部は、入出力インターフェースを介してユーザ機器の機器情報を収集するようにしてもよい。また、ユーザ機器は、通信機器とネットワークを介して接続される家電機器であってもよい。
【0011】
また、ユーザ側から通知される連絡先情報は、電話または電子メールにより通知されてもよい。収集部により収集された機器情報は、電子メールまたはFAXによりサポートセンタに送信されてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザ機器と接続された通信機器を用いて実現された通信方法であって、1または2以上のユーザ機器の情報と、ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、サポートセンタとの接続方法を示す情報と、が関連付けて記憶するステップと、ユーザ側から通知された連絡先情報が記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断するステップと、通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報であると判断部により判断された場合に、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集するステップと、ユーザ機器に関連付けられたサポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、収集部により収集された機器情報をサポートセンタに送信するステップと、を含む、通信方法が提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、1または2以上のユーザ機器と接続された通信機器と、通信機器とネットワークを介して通信可能なユーザ機器をサポートするサポートセンタとを備える通信システムが提供される。上記通信機器は、1または2以上のユーザ機器の情報と、ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、サポートセンタとの接続方法を示す情報と、を関連付けて記憶している記憶部と、ユーザ側から通知された連絡先情報が記憶部に記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断する判断部と、通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報であると判断部により判断された場合に、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集する収集部と、ユーザ機器に関連付けられたサポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、収集部により収集された機器情報をサポートセンタに送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、サポートセンタのオペレータがユーザ機器の機器情報を効率よく的確に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
まず、本発明の実施形態の目的について説明する。近年、家庭内の家電機器等にネットワーク接続機能が備えられ、家庭内のローカルネットワークに接続されるホームネットワークが普及しつつある。これにより、家庭内にあるPC(パーソナルコンピュータ)から家電機器等の設定や、家電機器等の機器情報の収集が容易に行えるようになってきている。また、ホームゲートウェイやブロードバンドルータなどを介してインターネットへの常時接続が容易になっている。このため、ホームネットワークからの情報送信にもVoIP(VoiceOverIP)やFoIP(FaxOverIP)など様々な形態が可能となっている。
【0017】
しかしながら、従来の接続機能を有した家電機器(ネットワーク家電)であっても、トラブル時にサポートを受ける手段は電話やFAX、E−Mailなどが中心となっている。このため、サポートセンタのオペレータにネットワーク家電の設定情報や現在の状態を連絡するためには、エンドユーザは必ず一度は該当するネットワーク家電の機器情報を手動で収集しなければならないという問題があった。
【0018】
例えば、電話でサポートセンタに問い合わせする場合には、口頭でサポートセンタのオペレータとやり取りを行うこととなる。このため、エンドユーザはネットワーク家電に接続されたPCなどで該当するネットワーク家電の機器情報を自ら確認しなければならなかった。ユーザは、ネットワーク家電の情報収集機能などにアクセスしてネットワーク家電の機器情報を手動で収集する必要がある。
【0019】
ここで、ネットワーク家電の情報収集は、ネットワーク家電の製品ごとに異なる手順によって収集される。ネットワーク家電の情報収集機能としては、例えば、自動アクセスツールなどでWebブラウザを介してネットワーク家電にアクセスして機器情報を収集したり、TELNETなどを介してコマンドを自動投入して機器情報を収集したり、FTPなどを介して設定データファイルなどを収集したりすることができる。
【0020】
また、FAXでサポートセンタに問い合わせする場合には、ネットワーク家電の情報収集機能を用いてネットワーク家電の機器情報を収集した後、当該機器情報を印刷してサポートセンタにFAXしなければならなかった。
【0021】
また、E−Mailでサポートセンタに問い合わせする場合には、ネットワーク家電の情報収集機能を用いてネットワーク家電の機器情報を収集した後、電子メールに当該機器情報を記載するか当該機器情報のファイルを添付した上でサポートセンタに電子メールを送信しなければならなかった。
【0022】
上記のように、ユーザがネットワーク家電のトラブル時等に電話やFAX、E−Mailを用いてサポートセンタのサポートを受ける場合には、エンドユーザの手動により情報収集がなされることとなる。したがって、ネットワーク家電のトラブル時にエンドユーザに手間や負担がかかったり、エンドユーザから正確な情報を得られなかったりして、的確なサポートをするまでに時間を要するという問題があった。また、サポートセンタのオペレータが電話、FAX、E−Mialによりユーザ対応をしなければならないため、サポートセンタに負荷が集中してしまうという問題があった。
【0023】
そこで、上記のような事情を一着眼点として本発明の実施形態にかかる通信システム1が創作されるに至った。本実施形態にかかる通信システム1によれば、サポートセンタのオペレータがユーザ機器の機器情報を効率よく的確に収集することが可能となる。また、ユーザがサポートセンタの支援を必要とする場合にのみネットワーク家電から必要な情報を送信することができるため、通信トラフィックの軽減が図れるとともに、サポートセンタのオペレータの負荷集中を低減することが可能となる。
【0024】
次に、図1に基づいて、本実施形態にかかる通信システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる通信システム1の機能構成を示すブロック図である。図1に示したように、通信システム1は、サポートセンタ10、公衆回線網20、ホームゲートウェイ30、ネットワーク家電40、ユーザ端末50などを備える。ここで、ホームゲートウェイ30は、本発明の通信機器の一例であり、ネットワーク家電40は本発明のユーザ機器の一例である。
【0025】
ホームゲートウェイ30と、ネットワーク家電40およびユーザ端末50とは例えば、家庭内のローカルネットワークにより接続されている。ネットワーク家電40およびユーザ端末50はホームゲートウェイ30を介して公衆回線網20と接続している。
【0026】
ホームゲートウェイ30は、公衆回線網20を介してサポートセンタ10と接続している。また、ホームゲートウェイ30は、VoIP(VoiceOverIP)やFoIP(FaxOverIP)等サポートセンタとの通信機能を備えている。ホームゲートウェイ30の機能構成については後で詳細に説明する。
【0027】
公衆回線網20は、例えばインターネット,電話回線網,衛星通信網等の公衆回線網や,WAN,LAN,IP−VPN等の専用回線網などで構成されており,有線,無線を問わない。
【0028】
ネットワーク家電40は、例えば、冷蔵庫や洗濯機等家庭内にある家電機器を例示できる。サポートセンタ10は、各ネットワーク家電40の製造元またはサポート先などである。ユーザ端末50は、PC、FAX、電話(TEL)などユーザ操作に応じて外部機器と通信可能な端末を例示できる。以上、通信システム1の構成について説明した。
【0029】
次に、図2を参照して、ホームゲートウェイ30の機能構成について説明する。図2は、ホームゲートウェイ30の機能構成について説明する説明図である。ホームゲートウェイ30は、通信機能部31、情報収集制御部32、サポートセンタ情報DB33、インターフェース(I/F)部34などを備える。サポートセンタ情報DB33は、本発明の記憶部の一例である。また、通信機能部31に本発明の送信部を備えている。
【0030】
サポートセンタ情報DB33は、1または2以上のネットワーク家電40の情報と、ネットワーク家電を支援するサポートセンタ10の連絡先情報と、サポートセンタ10との接続方法を示す情報とを関連付けて記憶している。ここで、図3を参照してサポートセンタ情報DB33に記憶している内容を説明する。図3は、サポートセンタ情報DB33に記憶している内容を説明する説明図である。
【0031】
図3に示したように、サポートセンタ情報DB33には、家庭内のどのネットワーク家電かを識別する家電機器の情報331、家電機器のメーカ332、ユーザ側から通知されるサポートセンタへの連絡方法333、サポートセンタの連絡先情報334、収集された家電機器の機器情報335、サポートセンタとの接続方法を示す収集情報の送信手段336などが記憶されている。サポートセンタ情報DB33に記憶される情報は、予め記憶されていてもよいし、ユーザ入力またはサポートセンタのオペレータにより設定、変更するようにしてもよい。
【0032】
図2に戻り、情報収集制御部32は、判断部321および収集部322などを備え、ネットワーク家電40の情報収集を制御する機能を有する。判断部321は、ユーザ側から通知された連絡先情報がサポートセンタ情報DB33に記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断する機能を有する。
【0033】
上記したように、ホームゲートウェイ30にはVoIPやFoIP等の機能が備えられているため、ユーザによる電話やFAXやE−Mailによる通知により、ユーザが連絡しようとしている連絡先情報を取得することができる。判断部321は、当該連絡先情報がサポートセンタ10の連絡先か否かを判断する。すなわち、図3に示したサポートセンタ情報DB33に記憶されている連絡先情報334に該当する連絡先があるか否かを検索する。判断部321は、ユーザ側から通知された連絡先情報がサポートセンタ情報DB33に記憶されていると判断した場合には、当該判断結果を収集部322に提供する。
【0034】
収集部322は、通知された連絡先情報がサポートセンタの連絡先情報であると判断部321により判断された場合に、サポートセンタの連絡先情報に関連付けられたユーザ機器の機器情報を収集する機能を有する。具体的には、収集部322は、サポートセンタ情報DB33に記憶されているサポートセンタの連絡情報に関連付けられたユーザ機器を特定し、当該ユーザ機器の機器情報をI/F部34を介して収集する。収集部322は、収集したネットワーク家電40の機器情報を通信機能部31に提供する。
【0035】
I/F部34は、ネットワーク家電40の機器情報を収集する機能を有するインターフェースであって、ネットワーク家電40が複数接続されている場合には、ネットワーク家電40ごとにインターフェースが設置される。ネットワーク家電40ごとに設置されたインターフェースは、ネットワーク家電40の機器情報を異なる方式で収集してもよい。
【0036】
通信機能部31は、ネットワーク家電40に関連付けられたサポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、収集部322に提供された機器情報をサポートセンタ10に送信する機能を有する。また、通信機能部31は、収集部322に提供された機器情報にユーザ情報を付加してサポートセンタ10に送信するようにしてもよい。図3に、機器情報に付加されるユーザ情報35の一例を示した。ユーザ情報35は、例えば、ユーザの電話番号、FAX番号、E−Mailのアドレスなどを例示できる。
【0037】
以上、ホームゲートウェイ30の機能構成について説明した。次に、図4を参照して、ホームゲートウェイ30におけるネットワーク家電40の機器情報収集および送信について説明する。図4は、ホームゲートウェイ30におけるネットワーク家電40の機器情報収集および送信について説明するフローチャートである。
【0038】
まず、ホームゲートウェイ30は、ユーザにより通知された連絡先がサポートセンタ情報DB33に登録された連絡先か否かを判定する(S102)。ステップS102において、ユーザにより通知された連絡先がサポートセンタ情報DB33に登録された連絡先であると判定された場合には、連絡先TEL(電話)か否かを判定する(S104)。
【0039】
ステップS104において連絡先がTELではないと判定された場合には、連絡先がFAXか否かを判定する(S106)。ステップS106において連絡先がFAXではないと判定された場合には、連絡先がE−Mailか否かを判定する(S108)。
【0040】
ステップS104において連絡先がTELであると判定された場合、またはステップS106において連絡先がFAXであると判定された場合、またはステップS108において連絡先がE−Mailであると判定された場合には、ステップS110の処理を行う。
【0041】
次に、サポートセンタ情報DB33の登録情報に基づいて、対象となる家電機器(ネットワーク家電40)の機器情報を収集する(S110)。そして、ユーザ端末情報を提供するか否かを判定する(S112)。ステップS112においてユーザ端末情報を提供すると判定された場合には、収集したネットワーク家電40の機器情報にユーザ端末情報を付与する(S114)。上記したように、ユーザ端末情報とは、ユーザの電話番号やFAX番号等の連絡先である。
【0042】
そして、収集したネットワーク家電40の機器情報を送信する送信手段をサポートセンタ情報DB40から選択する(S116)。サポートセンタ情報DB33に、ユーザからサポートセンタ10の連絡先を通知された際の連絡方法と、サポートセンタ10への送信手段が関連付けて記憶している場合には、当該連絡方法に関連付けられたサポートセンタ10への送信手段を選択する。
【0043】
そして、ステップS116において選択された送信手段により、サポートセンタ10にネットワーク家電40の機器情報を送信する(S118)。以上、ホームゲートウェイ30におけるネットワーク家電40の機器情報収集および送信について説明した。
【0044】
次に、図5〜図7を参照して、ユーザが電話によりサポートセンタの連絡先を通知する場合と、ユーザがE−Mailによりサポートセンタの連絡先を通知する場合について説明する。図5は、サポートセンタ情報DB33′の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示したように、サポートセンタ情報DB33′には、連絡方法333と、連絡先情報334と、家電情報収集機能337と、収集情報335と、収集情報の送信手段336などが記憶されている。
【0045】
家電情報収集機能337は、収集対象となるネットワーク家電40の機器情報を収集するインターフェースである。上記したように、家電情報収集機能337は、ネットワーク家電40ごとに異なる方式であってもよい。また収集情報の送信手段336は、使用するサポートセンタごとに異なる通信機能を用いてもよい。以下では、ホームゲートウェイ30がサポートセンタ情報DB33′を有する場合の通信方法について説明する。なお、家電情報収集機能337は図2の情報収集制御部32に含まれる機能である。
【0046】
次に、図6を参照して、ユーザが電話によりサポートセンタの連絡先を通知する場合について説明する。図6は、ユーザが電話を使用する場合の通信システム1の通信処理を説明する説明図である。図6に示したように、ホームゲートウェイ30は複数のネットワーク家電40とパーソナルコンピュータ(PC)50bなどとホームネットワークにより接続され、サポートセンタ(図示せず)とインターネット等により接続されている。ホームゲートウェイ30には、サポートセンタ情報テーブル33′と、複数のネットワーク家電40(40a〜40z)ごとに異なる家電情報収集機能(A〜Z)と、複数の収集情報の送信手段(A〜Z)などを備える。
【0047】
まず、ユーザがネットワーク家電Aの問い合わせを行うために、ネットワーク家電Aをサポートするサポートセンタへの電話番号(0120−xxxx−xxxx)をホームゲートウェイ30に接続された電話機50aからダイヤルする(S200)。
【0048】
ホームゲートウェイ30は、電話機50aから入力された電話番号(0120−xxxx−xxxx)がサポートセンタ情報DB33′に存在するか検索する(S202)。ステップS202においてサポートセンタ情報DB33′に入力された電話番号を発見した場合には、当該電話番号に対応する家電情報収集機能337および収集情報の送信手段336を決定する(S204)。電話番号が「0120−xxxx−xxxx」の場合には、使用する家電情報収集機能337は「A」、収集情報の送信手段336も「A」に決定する。
【0049】
そして、ホームゲートウェイ30は、ステップS204で決定した家電情報収集機能Aを用いてネットワーク家電Aの機器情報を収集する(S206)。家電情報収集機能Aは、上記したように、ネットワーク家電A特有の手順により収集されてもよいし、自動アクセスツールなどを用いてもよいし、TELNETなどを介してコマンドを自動投入して収集してもよいし、FTPなどを介して機器情報の設定データファイルを収集してもよい。
【0050】
そして、ホームゲートウェイ30は、ステップS206において収集した機器情報をステップS204で決定した収集情報の送信手段「A」を用いてサポートセンタ10に送信する(S208)。例えば、収集情報の送信手段「A」により特定される番号に対応するFAX送信やメール送信によって収集した機器情報を送信する。
【0051】
上記ステップS200〜S208に示す通信手順は、ユーザとサポートセンタとの通話中に並行して行うようにしてもよい。また、ホームゲートウェイ30はステップS200〜S208の通信手順の間には接続された電話機に対して特定のトーンやガイダンス音声を聴取させておき、機器情報のサポートセンタへの送信が完了した後に通話状態にしてもよい。
【0052】
以上、ユーザが電話によりサポートセンタの連絡先を通知する場合について説明した。このように、エンドユーザは、サポートセンタへ電話をかけるのみで、家電ネットワークAのサポートを受けるために必要な機器情報を家電ネットワークAをサポートするサポートセンタに通知することが可能となる。ホームゲートウェイ30を介して家電ネットワークAの機器情報を取得したサポートセンタのオペレータは、当該機器情報を元にユーザへのサポート行為を実施することができる。エンドユーザは、サポートセンタに機器情報を自ら調査してオペレータに通知する必要がなく、サポートセンタのオペレータはエンドユーザに機器情報を聴取する必要がない。したがって、サポートセンタのオペレータはネットワーク家電の機器情報を効率よく的確に収集することが可能となる。
【0053】
次に、図7を参照して、ユーザがE−Mailによりサポートセンタの連絡先を通知する場合について説明する。図7は、ユーザがE−Mailを使用する場合の通信システム1の通信処理を説明する説明図である。図7の通信システム1およびホームゲートウェイ30の構成は図6と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
まず、ユーザがネットワーク家電Zの問い合わせを行うために、ネットワーク家電Zをサポートするサポートセンタへのメール(Suport@xxx.com)送信をホームゲートウェイに接続されたパーソナルコンピュータ50bから行う(SステップS300)。
【0055】
ホームゲートウェイ30は、パーソナルコンピュータ50bから入力されたメールの宛先アドレス(Suport@xxx.com)がサポートセンタ情報DB33′に存在するか検索する(S302)。ステップS302においてサポートセンタ情報DB33′に入力されたE−Mailの宛先アドレスを発見した場合には、当該E−Mailアドレスに対応する家電情報収集機能337および収集情報の送信手段336を決定する(S304)。E−Mailアドレスが「Suport@xxx.com」の場合には、使用する家電情報収集機能337は「Z」、収集情報の送信手段336も「Z」に決定する。
【0056】
そして、ホームゲートウェイ30は、ステップS304で決定した家電情報収集機能Zを用いてネットワーク家電Zの機器情報を収集する(S306)。そして、ホームゲートウェイ30は、ステップS306において収集した機器情報を、ステップS304で決定した収集情報の送信手段「Z」を用いてサポートセンタ10に送信する(S308)。例えば、収集情報の送信手段「Z」により特定される番号に対応するFAX送信やメール送信によって収集した機器情報を送信する。例えば、パーソナルコンピュータ50bから送信された電子メールとは別に送信してもよいし、当該電子メールの添付ファイルとして送信してもよい。また、当該電子メールのメール本文に追記するようにしてもよい。
【0057】
以上、ユーザがE−Mailによりサポートセンタの連絡先を通知する場合について説明した。このように、エンドユーザは、サポートセンタへE−Mailを送信するのみで、家電ネットワークZのサポートを受けるために必要な機器情報を家電ネットワークZをサポートするサポートセンタに通知することが可能となる。ホームゲートウェイ30を介して家電ネットワークZの機器情報を取得したサポートセンタのオペレータは、当該機器情報を元にユーザへのサポート行為を実施することができる。エンドユーザは、サポートセンタに機器情報を自ら調査してオペレータに通知する必要がなく、サポートセンタのオペレータはエンドユーザに機器情報を聴取する必要がない。したがって、サポートセンタのオペレータはネットワーク家電の機器情報を効率よく的確に収集することが可能となる。
【0058】
以上、本実施形態について説明した。本実施形態によれば、1または2以上のネットワーク家電40の情報と、ネットワーク家電40を支援するサポートセンタ10の連絡先情報と、サポートセンタ10の接続方法を示す情報(送信手段)とが関連付けてサポートセンタ情報DB33に記憶され、ユーザ側から通知された連絡先情報がサポートセンタ10の連絡先情報か否かを判断する。通知された連絡先情報がサポートセンタ10の連絡情報であると判断された場合には、サポートセンタ10の連絡先情報に関連付けられたネットワーク家電40の機器情報を収集する。そして、収集した機器情報をサポートセンタ10との接続方法にしたがってサポートセンタ10に送信する。
【0059】
これにより、サポートセンタのオペレータがネットワーク家電40の機器情報を効率よく的確に収集することが可能となる。また、ユーザがサポートセンタの支援を必要とする場合にのみネットワーク家電から必要な情報を送信することができるため、通信トラフィックの軽減が図れるとともに、サポートセンタのオペレータの負荷集中を低減することが可能となる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば、上記実施形態では、情報の通信方式としてVoIPやFoIPや電子メールを例示したが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、CTI(Computer Telephony Integration)技術等各メーカ独自のデータ通信方式を利用 してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、機器情報を収集したり送信したりする機能をホームゲートウェイ30に集約したが、これはホームゲートウェイ40に収容される他の端末であるIP電話やIP−FAX機、パーソナルコンピュータに備わるアプリケーションにより実現するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ホームゲートウェイとホームネットワーク家電とを有線で接続するようにしたが、かかる例に限定されず、無線接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態にかかる通信システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態にかかるホームゲートウェイの機能構成について説明する説明図である。
【図3】同実施形態にかかるサポートセンタ情報DBに記憶している内容を説明する説明図である。
【図4】同実施形態にかかるホームゲートウェイにおけるネットワーク家電の機器情報収集および送信について説明するフローチャートである。
【図5】同実施形態にかかるサポートセンタ情報DBの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図6】同実施形態にかかるユーザが電話を使用する場合の通信システムの通信処理を説明する説明図である。
【図7】同実施形態にかかるユーザがE−Mailを使用する場合の通信システムの通信処理を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 通信システム
10 サポートセンタ
20 公衆回線網
30 ホームゲートウェイ
31 通信機能部
32 情報収集制御部
321 判断部
322 収集部
33 サポートセンタ情報DB
34 I/F部
40 ネットワーク家電
50 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または2以上のユーザ機器の情報と、前記ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、前記サポートセンタとの接続方法を示す情報と、を関連付けて記憶している記憶部と、
ユーザ側から通知された連絡先情報が前記記憶部に記憶された前記サポートセンタの連絡先情報か否かを判断する判断部と、
前記通知された連絡先情報が前記サポートセンタの連絡先情報であると前記判断部により判断された場合に、前記サポートセンタの連絡先情報に関連付けられた前記ユーザ機器の機器情報を収集する収集部と、
前記ユーザ機器に関連付けられた前記サポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、前記収集部により収集された前記機器情報を前記サポートセンタに送信する送信部と、
を備える通信機器。
【請求項2】
前記ユーザ機器は入出力インターフェースを介して前記通信機器と接続され、
前記収集部は、前記入出力インターフェースを介して前記ユーザ機器の機器情報を収集する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記ユーザ機器は、前記通信機器とネットワークを介して接続される家電機器である、請求項1に記載の通信機器。
【請求項4】
前記ユーザ側から通知される連絡先情報は、電話または電子メールにより通知される、請求項1に記載の通信機器。
【請求項5】
前記収集部により収集された前記機器情報は、電子メールまたはFAXにより前記サポートセンタに送信される、請求項1に記載の通信機器。
【請求項6】
ユーザ機器と接続された通信機器を用いて実現された通信方法であって、
1または2以上のユーザ機器の情報と、前記ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、前記サポートセンタとの接続方法を示す情報と、が関連付けて記憶するステップと、
ユーザ側から通知された連絡先情報が前記記憶されたサポートセンタの連絡先情報か否かを判断するステップと、
前記通知された連絡先情報が前記サポートセンタの連絡先情報であると前記判断部により判断された場合に、前記サポートセンタの連絡先情報に関連付けられた前記ユーザ機器の機器情報を収集するステップと、
前記ユーザ機器に関連付けられた前記サポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、前記収集部により収集された前記機器情報を前記サポートセンタに送信するステップと、
を含む、通信方法。
【請求項7】
1または2以上のユーザ機器と接続された通信機器と、前記通信機器とネットワークを介して通信可能な前記ユーザ機器をサポートするサポートセンタとを備える通信システムであって、
前記通信機器は、
1または2以上のユーザ機器の情報と、前記ユーザ機器を支援するサポートセンタの連絡先情報と、前記サポートセンタとの接続方法を示す情報と、を関連付けて記憶している記憶部と、
ユーザ側から通知された連絡先情報が前記記憶部に記憶された前記サポートセンタの連絡先情報か否かを判断する判断部と、
前記通知された連絡先情報が前記サポートセンタの連絡先情報であると前記判断部により判断された場合に、前記サポートセンタの連絡先情報に関連付けられた前記ユーザ機器の機器情報を収集する収集部と、
前記ユーザ機器に関連付けられた前記サポートセンタとの接続方法によりサポートセンタに接続して、前記収集部により収集された前記機器情報を前記サポートセンタに送信する送信部と、
を備える、通信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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