説明

通信端末機及びその製造方法

【課題】本発明はアンテナがケースと一体に形成される通信端末機及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明による通信端末機は、通信端末機の外形を形成し、内部面に複数の固定突起が形成されたケースと、上記固定突起の間に嵌め込まれて上記ケースと結合されるアンテナとを含み、上記アンテナは上記固定突起の端で断面積が拡張されて形成される拡張部により上記ケースと一体に固定されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナがケースと一体に形成される通信端末機及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、GPS、PDA、携帯電話、無線ノート型パンコンのような通信端末機が広く普及され、これらの携帯性が強調されるにつれ、軽薄短小化がさらに求められている。そして、このような要求を満たすため、多様な機能を保持しながらも通信端末機の体積を減らすための多様な技術が開発されている。
【0003】
これに応じて、通信端末機の必須部品の1つであるアンテナも通信端末機の体積を減らすために、多様に試されている。
【0004】
一般的に通信端末機のアンテナのうちロッドアンテナやヘリカルアンテナのような外装型アンテナは端末機の外部に一定長さ分だけ突出されるため、端末機の小型化が困難である上、携帯性も低下するという問題がある。また、通信端末機の落下時、破損し得るという短所がある。
【0005】
通信端末機の内部に実装される内蔵型アンテナは、外装型アンテナと異なって破損危険を減少させることができるが、これもその物理的なサイズにより小型化が困難であるという問題がある。
【0006】
従って、最近では、アンテナの放射体を直接端末機ケースと一体化させるための研究が活発に行われている。一例に、端末機のケースにアンテナを接着剤で付着したり、アンテナフィルムを器具物のケース内にモールディングする方法などが提示されている。
【0007】
しかし、接着剤を利用してアンテナを付着する方法は接着剤の接着力が弱くなると、アンテナがケースから分離するという問題がある。
【0008】
また、アンテナをモールディングする方法においても、モールディング過程で射出物が曲がったり、アンテナが移動して正確な位置に配置されないという問題がある。
【0009】
このような問題は相対的にサイズの大きい低周波アンテナを利用する場合、より深化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、アンテナがケースと一体に形成される通信端末機及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、サイズの大きい低周波アンテナを容易にケースと一体に形成できる通信端末機及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施例による通信端末機は通信端末機の外形を形成し、一面に複数の固定突起が形成されたケースと、上記固定突起の間に嵌め込まれて上記ケースと結合されるアンテナとを含み、上記アンテナは上記固定突起の端で断面積が拡張されて形成される拡張部により上記ケースと一体に固定されることができる。
【0013】
本実施例における上記拡張部は、上記固定突起の端が軟化溶融されて形成されることができる。
【0014】
本実施例における上記拡張部は、超音波融着により形成されることができる。
【0015】
本実施例における上記アンテナは、金属のパターン状に形成された放射体であることができる。
【0016】
本実施例において、上記ケースは上記一面に結合溝が形成され、上記アンテナは上記結合溝内に装着されて結合されることができる。
【0017】
本発明の他の実施例による通信端末機は、一面に複数の固定突起が形成される支持板と、上記支持板の一面を覆って上記支持板と一体に形成される射出物を含んで形成されるケースと、上記支持板と上記射出物の間に介在され、上記ケースの内部に埋め込まれるアンテナとを含み、上記アンテナは上記支持板の上記固定突起の間に嵌め込まれ、上記固定突起の端で断面積が拡張されて形成される拡張部により上記支持板と一体に固定されることができる。
【0018】
本実施例における上記拡張部は、上記固定突起の端が軟化溶融されて形成されることができる。
【0019】
本実施例における上記拡張部は、超音波融着により形成されることができる。
【0020】
本実施例における上記支持板と上記射出物は同じ材質で形成されることができる。
【0021】
本発明のさらに他の実施例による通信端末機の製造方法は、通信端末機の外形を形成し、一面に複数の固定突起が形成されたケースを用意する段階と、上記固定突起の間に嵌め込まれるようにアンテナを上記ケースと結合する段階と、上記固定突起の端の断面積を拡張させて上記アンテナの上部面を支持する拡張部を形成する段階とを含むことができる。
【0022】
本実施例における上記拡張部を形成する段階は、超音波融着により上記固定突起の端を軟化溶融させて上記拡張部を形成する段階であることができる。
【0023】
本発明のさらに他の実施例による通信端末機の製造方法は、一面に複数の固定突起が形成される支持板を用意する段階と、上記支持板の上記固定突起の間に嵌め込まれるようにアンテナを上記支持板と結合する段階と、上記支持板の一面を射出物で覆って上記アンテナを埋め込む段階とを含むことができる。
【0024】
本実施例において、上記支持板と結合する段階の後、上記固定突起端の断面積を拡張させて上記アンテナの上部面を支持する拡張部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0025】
本実施例における上記拡張部を形成する段階は、超音波融着により上記固定突起の端を軟化溶融させて上記拡張部を形成する段階であることができる。
【0026】
本実施例における上記アンテナを埋め込む段階は、上記アンテナが上部を向くように上記支持板を金型内に配置する段階と、上記金型内に樹脂を注入する段階と、上記樹脂を硬化させて上記射出物を形成する段階とを含むことができる。
【0027】
本実施例における上記支持板と上記射出物は同じ材質で形成されることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明による通信端末機及びその製造方法は、アンテナを通信端末機のケースに埋め込んでケースと一体型に形成するため、従来の外装型アンテナの有する外部衝撃に対する脆弱性の問題及び内蔵型アンテナの有する体積増加の問題を解決することができる。
【0029】
また、本発明による通信端末機及びその製造方法は、接着剤や接着テープなどのような別途の接着部材を用いなくても、カバーや支持板に形成される固定突起を利用してアンテナをカバーや支持板に容易に固定締結することができる。
【0030】
従って、別途の接着部材を用いる従来より、製造費用及び製造工程を最小化することができる。
【0031】
また、本実施例による通信端末機は、低周波用アンテナのように相対的にサイズの大きいアンテナを利用する場合にも、必要に応じて、多様な位置に多様な個数の固定突起を形成して利用することができる。
【0032】
従って、アンテナを容易にカバーに固定締結することができる。また、アンテナを支持板に固定締結した後、二重射出を行う場合にもアンテナが金型内で動いたり、射出物が曲がるなどの問題を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施例による通信端末機を部分切開して示した斜視図である。
【図2】図1に示された通信端末機の部分分解斜視図である。
【図3】図2のA部分を拡大して示した拡大斜視図である。
【図4】図3のB−B'による断面図である。
【図5a】本発明の第1実施例による通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図5b】本発明の第1実施例による通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図5c】本発明の第1実施例による通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図6】本発明の第2実施例による通信端末機のカバーの断面を示した断面図である。
【図7】本発明の第3実施例による通信端末機のカバーを部分的に切開して示した斜視図である。
【図8a】本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図8b】本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図8c】本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図8d】本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【図8e】本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を詳しく説明するに先立ち、以下で説明する本明細書及び請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づき、本発明の技術的思想に適する意味と概念で解釈されるべきである。従って、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においては、これらに代わる多様な均等物と変形例があり得る。
【0035】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。このとき、添付の図面における同じ構成要素はできる限り同じ符号で示す。また、本発明の要旨を不明確にし得る公知機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。同様の理由で、添付の図面における一部の構成要素は誇張、または省略されたり、概略的に図示されており、各構成要素のサイズは実際のサイズを完全に反映したものではない。
【0036】
以下、本発明の実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の第1実施例による通信端末機を部分切開して示した斜視図であり、図2は図1に示された通信端末機の部分分解斜視図である。
【0038】
図1及び図2を参照すると、本発明の第1実施例による通信端末機100は端末機本体110、アンテナ200及びカバー120を含むことができる。
【0039】
端末機本体110は通信端末機100の主な構成要素が結合されて形成され、通信端末機100の主な機能を行う。そのために、端末機本体110はその内部に回路基板115を備えることができる。
【0040】
回路基板115には通信端末機100を駆動するための様々な素子が実装されることができ、特に、外部に電波を送受信するための無線モジュール(不図示)が実装されることができる。また、回路基板115には無線モジュールと後述するアンテナ200を電気的に連結するための連結端子116が形成されることができる。
【0041】
アンテナ200は特定のパターン状に形成される金属の放射体のみで構成されることができ、必要に応じて、金属の放射体の外部に絶縁層を成形して用いることもできる。また、柔軟性フィルム上に金属パターンを形成して用いることもできる。
【0042】
従って、本実施例によるアンテナ200は金属薄板をプレスして形成することができ、フィルム(例えば、柔軟性基板など)上にスパッタリング(sputtering)、プリンティング(printing)、メッキ(plating)、スタンピング(stamping)、ドローイング(drawing)及びディスペンシング(dispensing)などの方法により金属パターンを形成して利用することができる。
【0043】
また、アンテナ200はそのパターンの端に上記回路基板115の連結端子116と電気的に連結されるための接触部201を備えることができる。
【0044】
本実施例によるアンテナ200は低周波アンテナであって、高周波用アンテナより大きく形成される。また、本実施例によるアンテナ200はカバー120に固定締結されることができる。
【0045】
カバー120は通信端末機100のケースの一部分を形成し、端末機本体110と結合されて通信端末機100を完成する。カバー120は端末機本体110からバッテリー(不図示)を分離したり、交換するために備えられるバッテリーカバー120であることができる。しかし、本発明によるカバー120はこれに限定されず、通信端末機100を形成するケースであれば、様々な部分が適用されることができる。
【0046】
カバー120の一面には上述のアンテナ200が固定されることができる。
【0047】
図3は、図2のA部分を拡大して示した拡大斜視図であり、図4は図3のB−B'による断面図である。
【0048】
図3及び図4をともに参照すると、本実施例によるカバー120はプレート123と複数の固定突起125を含んで構成される。
【0049】
プレート123はカバー120の胴体を形成する部分であって、全体的に平らな板状に形成されることができ、具体的な形状は通信端末機100の全体形状に対応して形成される。
【0050】
固定突起125はプレート123の内部面から突出して形成される。本実施例による固定突起125はアンテナ200のパターンの間にアンテナ200のパターン状に沿って長く直線状に形成される。このように固定突起125が直線状に形成されると、固定突起125によりプレート123の剛性が補強されるという効果がある。
【0051】
しかし、本発明による固定突起125はこのような形状に限定されず、円筒状や円錐状など、必要に応じて、多様な形状に形成されることができる。
【0052】
また、固定突起125の端には固定突起125の断面が拡張される形態で拡張部126が形成される。このとき、拡張部126はプレート123と平行方向に沿った断面が拡張されることができる。
【0053】
固定突起125はアンテナ200を固定するために備えられる。図4に示されたように、本実施例によるアンテナ200は各パターンが固定突起125の間に配置される。即ち、アンテナ200はその一面がプレート123の内部面に接触するように配置され、他面は拡張部126により支持されて固定される。
【0054】
従って、アンテナ200はプレート123の内部面に堅固に固定され、プレート123から分離しなくなる。
【0055】
このように本実施例によるカバー120は固定突起125と拡張部126を利用してアンテナ200をカバー120に固定締結する。従って、固定突起125はアンテナ200の形状やサイズに対応し、多様な位置に、多様な個数が形成されることができる。
【0056】
本実施例では四角のスパイラル状に形成されたアンテナ200の形状に対応し、対向する4つの辺に複数の固定突起125が一列に配置されるように形成された場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限定されず、四角の頂点部分に固定突起125を形成することもでき、さらに多い固定突起125が多様な形態に配置されるよう構成するなど多様な応用が可能である。
【0057】
このように構成される本実施例による通信端末機100は、接着剤や接着テープなどのような別途の接着部材を用いなくても、カバー120に形成される固定突起125を利用してアンテナ200をカバー120に固定締結することができる。
【0058】
従って、別途の接着部材と、これをカバー120に付着するために必要な工程を省略することができるため、製造費用及び製造工程を減らすことができる。
【0059】
また、本実施例による通信端末機100は、低周波用アンテナのように相対的にサイズの大きいアンテナを用いても、必要に応じて、多様な位置に、多様な個数の固定突起125を形成してアンテナを堅固に固定することができる。
【0060】
次に、本発明の第1実施例による通信端末機の製造方法を詳しく説明する。製造方法に対する以下の説明により上述の通信端末機100の構成もさらに明確になるだろう。
【0061】
本実施例による通信端末機100は、アンテナ200が固定締結されてアンテナ200と一体型に形成されるカバー120の結合構造に特徴がある。従って、一般的に公知された通信端末機100の製造方法に対する説明は省略し、カバー120とアンテナ200を結合して一体型に製造する方法を中心に説明する。
【0062】
図5aから図5cは、本発明の第1実施例による通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【0063】
図5aから図5cをともに参照すると、本実施例による通信端末機100の製造方法は図5aに示されたように、先ず、固定突起125が形成されたカバー120を用意する段階が行われる。この段階で用意されるカバー120のプレート123は内部面に複数の固定突起125のみが形成されており、固定突起125の断面積を拡張する拡張部(図3の126)は形成されていない状態である。
【0064】
ここで、固定突起125の突出長さは、カバー120に結合されるアンテナ200の厚さより長く突出される。
【0065】
また、図5cに点線で示されているように、固定突起125は端の断面積が他の部分の断面積より縮小される形態で形成されることができる。例えば、固定突起125の垂直断面は端に向かうほどその断面積が縮小されるよう台形に形成されることができる。しかし、これに限定されず、断面を三角形や半円形に形成するなど多様な応用が可能である。
【0066】
次いで、図5bに示されたように、カバー120にアンテナ200を結合する段階が行われる。アンテナ200はパターンの間の空間に固定突起125が挿入される形態でカバー120に結合される。このとき、上述したように、固定突起125は端の断面積が縮小されている。従って、固定突起125はアンテナ200のパターンの間の空間に容易に挿入されることができる。
【0067】
また、本実施例は、アンテナ200の四方に全部固定突起125が挿入されるように構成されるため、カバー120に結合されたアンテナ200は固定突起125によりX、Y軸方向への動きが封鎖される。
【0068】
一方、上述したように、固定突起125がアンテナ200の厚さより長く突出されているため、カバー120にアンテナ200が結合されると、固定突起125の端がアンテナ200のパターンの間の空間を貫通してアンテナ200の上部に突出する。
【0069】
次に、拡張部126を形成する段階が行われる。図5cは図5bのC−C'による断面図であり、これを参照すると、本実施例による拡張部126は超音波融着(溶着)により形成されることができる。即ち、アンテナ200の上部に突出された固定突起125の端に超音波を加えると、固定突起125の端は軟化溶融されその断面積が拡張される形態で拡張部126が形成されることができる。
【0070】
この過程では、拡張部126がアンテナ200と密着するように重力を利用することができ、別途の部材で固定突起125の端を加圧して拡張部126を形成することもできる。
【0071】
これにより、アンテナ200は上部面が拡張部126により支持されるため、Z軸方向への動きも封鎖される。従って、アンテナ200はカバー120に固定締結されてカバー120と一体に形成される。
【0072】
一方、本実施例では拡張部126を形成するために超音波融着を利用する場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されない。即ち、固定突起125の端に直接熱を加えて軟化溶融させるなど、固定突起125の端に拡張部126を形成することができる方法であれば、広く利用することができる。
【0073】
以上で説明した本発明による通信端末機及びその製造方法は、上述の実施例に限定されず、多様な応用が可能である。
【0074】
以下で説明する実施例による通信端末機は、上述した実施例の通信端末機(図1の100)と類似する構造で構成され、カバーの構造のみに差がある。従って、同じ構成要素に対しては同じ図面符号を使用し、詳細な説明は省略し、カバーの構造を中心により詳細に説明する。
【0075】
図6は本発明の第2実施例による通信端末機のカバーの断面を示した断面図である。
【0076】
本実施例によるカバー220はプレート123の内部面にアンテナ200が装着される結合溝124を備える。また、固定突起125は結合溝の底面から突出するように形成される。
【0077】
図6は、結合溝124がアンテナ200の厚さより深く形成される例を示しているが、本発明はこれに限定されず、プレート123の厚さに対応し、結合溝124をアンテナ200の厚さより浅く形成したり、同じ深さで形成するなど多様な応用が可能である。
【0078】
図6に示されたように結合溝124がアンテナ200の厚さより深く形成されると、固定突起125と拡張部126はプレート123の外部に突出されず、結合溝124内に全て収容されることができる。従って、このような場合、アンテナ200が結合されたカバー220の全体厚さを最小化することができるという利点がある。
【0079】
図7は本発明の第3実施例による通信端末機のカバーを部分的に切開して示した斜視図であり、図8aから図8eは本発明の第3実施例による移動通信端末機の製造方法を説明するための図面である。
【0080】
図7を参照すると、本実施例によるカバー320はプレート123の内部にアンテナ200が埋め込まれる。従って、上述の実施例のように固定突起(図3の125)がプレート123の一面から外部に突出して形成されない。
【0081】
以下、図8aから図8eをともに参照して本実施例によるカバー320の製造方法を説明する。
【0082】
本実施例によるカバー320の製造方法は、図8aに示されたように、先ず固定突起125が形成された支持板122を用意する段階が行われる。この段階で用意される支持板122は射出により形成された樹脂材質の平らな板であることができ、その一面には複数の固定突起125が形成される。このとき、固定突起125の端には断面積を確張する拡張部126が形成されていない状態である。また、上述の実施例と同様に、固定突起125はアンテナ200のパターンの間の空間に容易に挿入されるように端の断面積が他の部分の断面積より縮小される形態で形成されることができる。
【0083】
次いで、図8bに示されたように、支持板122にアンテナ200を結合する段階が行われる。アンテナ200はパターンの間の空間に固定突起125が挿入される形態で支持板122に結合される。本実施例の場合、アンテナ200の四つの辺に全て固定突起125が挿入されるように構成されるため、支持板122に結合されたアンテナ200は固定突起125によりX、Y軸方向への動きが封鎖される。
【0084】
一方、本実施例によるアンテナ200は支持板122の一面に固定されるが、アンテナ200の接触部(不図示)は支持板122の他面に形成されるように構成されることができる。この場合、接触部は支持板122の角を経由して支持板122の他面に繰越されたり、支持板122に別途の貫通孔(不図示)を形成し、これを通じて支持板122の他面に繰越されるように構成することができる。
【0085】
次に、図8cに示されたように拡張部126を形成する段階が行われる。上述の実施例と同様に、拡張部126は超音波融着により形成されることができる。従って、アンテナ200は拡張部126によりZ軸方向への動きも封鎖され、支持板122と一体に形成される。
【0086】
一方、その後の製造工程を行いながらアンテナ200がZ軸方向へと動く可能性が些細たる場合は、上記の拡張部を形成する段階は省略することができる。
【0087】
次いで、図8dに示されたように、アンテナ200が結合された支持板122を金型300内に配置する段階が行われる。
【0088】
図8dは金型300内にアンテナ200が結合された支持板122が装着された断面を示している。本実施例による金型300は射出金型であり、射出を通じて本実施例による通信端末機100のカバー320を形成する。
【0089】
金型300は上部金型300aと下部金型300bを含むことができる。上部金型300aと下部金型300bにより金型300の内部にはカバー状の内部空間310が形成され、本実施例による支持板122は該内部空間310内に配置される。
【0090】
また、金型300は外部から注入されるモールディング材、即ち、樹脂が金型の内部空間へと移動する流入路312を備えることができる。
【0091】
また、本実施例による金型300には支持板122が実装される位置に支持板固定部(不図示)が形成されることができる。支持板固定部は支持板122が金型300内で動くことを防止するために備えられる。より具体的には、支持板固定部は下部金型300bの内部面301b上に形成されることができ、支持板122の周辺に沿って突出される突起や、支持板122状に形成される溝の形態で形成されることができる。しかし、本発明の支持板固定部の形状はこれに限定されない。
【0092】
一方、金型300の内部空間310は支持板122より厚く形成される。従って、支持板122が金型300の内部空間310内に配置されると、支持板122は下部面のみが下部金型300bの内部面301bと接触し、支持板122の上部面は上部金型300aの内部面301aと一定間隔離隔された状態を保持する。
【0093】
また、支持板122はアンテナ200が上部に位置するように金型300内に装着される。これにより、支持板122の上部面に配置されたアンテナ200は上部金型300aの内部面301aと接触せず、金型300の内部空間310に配置される。
【0094】
金型300の内部空間310に支持板122が装着されると、図8eに示されたように流入路312を通じて金型300内に樹脂128を注入しカバー320を完成する段階が行われる。このとき、金型300内に注入された樹脂128は支持板122上のアンテナ200を覆ってカバー320を形成する。
【0095】
従って、樹脂128が完全に硬化すると、支持板122と硬化された樹脂128(以下、射出物)の間に配置されたアンテナ200はカバー320の内部に完全に埋め込まれ、図7に示された本実施例によるカバー320を完成する。
【0096】
ここで、金型300の内部に注入される樹脂128は、支持板122と同じ材質で形成されることができる。このような場合、図7に示されたように、完成したカバー320は支持板122と射出物128により形成された部分の境界が分からないほど一体に形成されることができる。
【0097】
しかし、本発明はこれに限定されず、必要に応じて、支持板122と金型300の内部に注入される樹脂128を異なる材質で形成するなど多様な応用が可能である。
【0098】
以上で説明した本実施例に開示された通信端末機及びその製造方法は、接着剤や接着テープなどのような別途の接着部材を利用しなくても、固定突起を利用してアンテナをカバーや支持板に容易に固定締結することができる。
【0099】
従って、別途の接着部材を利用する従来より、製造費用及び製造工程を最小化することができる。
【0100】
また、本発明による通信端末機は、低周波用アンテナのように相対的にサイズの大きいアンテナを利用する場合も、必要に応じて、多様な位置に多様な個数の固定突起を形成して利用することができる。
【0101】
従って、アンテナを容易にカバーと一体に形成することができる。また、アンテナを支持板に固定締結した後、二重射出を行う場合も、アンテナが金型内で動いたり、射出物が曲がるなどの問題を防止することができる。
【0102】
一方、本発明による通信端末機及びその製造方法は上述の実施例に限定されず、多様な応用が可能である。例えば、上述の実施例では支持板にアンテナを結合した後、二重射出によりカバーを形成する場合を例に挙げたが、逆に、カバーにアンテナを結合した後、二重射出によりアンテナを埋め込むように構成するなど多様な構成を適用することができる。
【0103】
また、上述の実施例では、カバーにアンテナが結合されたり、埋め込まれる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。即ち、カバーを含んで端末機本体を形成するケースの何れにも容易に適用されることができる。
【0104】
さらに、本実施例では通信端末機にアンテナが備えられる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、アンテナを備える全ての電子装置に幅広く適用されることができる。
【符号の説明】
【0105】
100 移動通信端末機
110 端末機本体
120、220、320 カバー
122 支持板
124 結合溝
125 固定突起
126 拡張部
200 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末機の外形を形成し、一面に複数の固定突起が形成されたケースと、
前記複数の固定突起の間に嵌め込まれて前記ケースと結合されるアンテナと
を含み、
前記複数の固定突起の各々の端は、断面積が拡張されて形成された拡張部であり、
前記アンテナは前記拡張部の各々により前記ケースと一体に固定される、通信端末機。
【請求項2】
前記アンテナは、金属のパターン状に形成された放射体である請求項1に記載の通信端末機。
【請求項3】
前記ケースは前記一面に結合溝が形成され、前記アンテナは前記結合溝内に装着されて結合される請求項1または2に記載の通信端末機。
【請求項4】
一面に複数の固定突起が形成される支持板、及び前記支持板の一面を覆って前記支持板と一体に形成される射出物を含んで形成されるケースと、
前記支持板と前記射出物の間に介在されて前記ケースの内部に埋め込まれるアンテナと
を含み、
前記複数の固定突起の各々の端は、断面積が拡張されて形成された拡張部であり、
前記アンテナは、前記支持板の前記複数の固定突起の各々の間に嵌め込まれ、前記拡張部の各々により前記支持板と一体に固定される、通信端末機。
【請求項5】
前記支持板と前記射出物は、同じ材質で形成される請求項4に記載の通信端末機。
【請求項6】
前記拡張部の各々は、前記複数の固定突起の各々の端が軟化溶融されて形成された請求項1から5の何れか1項に記載の通信端末機。
【請求項7】
前記拡張部の各々は、前記複数の固定突起の各々の端が超音波により軟化溶融されて形成された請求項1から6の何れか1項に記載の通信端末機。
【請求項8】
通信端末機の外形を形成し、一面に複数の固定突起が形成されたケースを用意する段階と、
前記複数の固定突起の間に嵌め込まれるようにアンテナを前記ケースと結合する段階と、
前記複数の固定突起の各々の端の断面積を拡張させて前記アンテナの上部面を支持する拡張部を形成する段階と
を含む通信端末機の製造方法。
【請求項9】
一面に複数の固定突起が形成される支持板を用意する段階と、
前記支持板の前記複数の固定突起の各々の間に嵌め込まれるようにアンテナを前記支持板と結合する段階と、
前記支持板の一面を射出物で覆って前記アンテナを埋め込む段階と
を含む通信端末機の製造方法。
【請求項10】
前記支持板と結合する段階の後、前記複数の固定突起の各々の端の断面積を拡張させて前記アンテナの上部面を支持する拡張部を形成する段階をさらに含む請求項9に記載の通信端末機の製造方法。
【請求項11】
前記アンテナを埋め込む段階は、
前記アンテナが上部を向くように前記支持板を金型内に配置する段階と、
前記金型内に樹脂を注入する段階と、
前記樹脂を硬化させて前記射出物を形成する段階と
を含む請求項9または10に記載の通信端末機の製造方法。
【請求項12】
前記支持板と前記射出物は、同じ材質で形成される請求項9から11の何れか1項に記載の通信端末機の製造方法。
【請求項13】
前記拡張部を形成する段階は、超音波により前記複数の固定突起の各々の端を軟化溶融させて前記拡張部を形成する請求項8、及び10から12の何れか1項に記載の通信端末機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【公開番号】特開2012−239151(P2012−239151A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190995(P2011−190995)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】