説明

通信端末装置および情報表示方法

【課題】サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能な通信端末装置を提供する。
【解決手段】無線通信端末1は、同一コンテンツに対してコンテンツ品質が異なる複数のコンテンツを備え、通信品質に基づいて選択した選択コンテンツ品質のコンテンツを配信するサーバから、選択コンテンツ品質のコンテンツを取得する。また、選択コンテンツ品質を示す情報、最高コンテンツ品質を示す情報を受信する通信部11と、最高コンテンツ品質に対する選択コンテンツ品質の良好度を示すコンテンツ品質良好度を算出するコンテンツ品質測定部13と、コンテンツ品質良好度を示す情報を表示する表示部17とを有する構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバから通信品質に応じて最適なコンテンツ品質でコンテンツを取得することのできる通信端末装置およびその通信端末装置の情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツを配信するサーバから様々なコンテンツを通信端末にダウンロードし、通信端末においてダウンロードしたコンテンツを利用することが行われている。
【0003】
このような従来の通信端末として、通信手段によって通信を行う前に、通信を行う通信先から取得した通信品質情報を通信先識別子に対応させて通知する情報端末装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この情報端末装置によれば、予め通信先との間の通信品質情報を取得して記憶手段に格納しておくことで、情報端末装置からユーザが通信先を指定して情報を送信する前に、通信先毎の通信品質を参照することにより、ユーザは通信品質の良好な通信先を選択することができる。
【0004】
【特許文献1】国際公開第06/103896号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の通信端末では、通信品質を知ることは可能であるものの、その通信品質に応じてどの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することができなかった。そのため、例えば通信品質が改善された場合であっても、既に取得したコンテンツより良好な品質のコンテンツを取得できるかどうかを判断することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能な通信端末装置および情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の通信端末装置は、同一コンテンツに対してコンテンツ品質が異なる複数のコンテンツを備え、通信を行う際の通信品質に基づいて選択した選択コンテンツ品質のコンテンツを配信するサーバから、前記選択コンテンツ品質のコンテンツを取得する通信端末装置であって、前記選択コンテンツ品質を示す情報、前記複数のコンテンツ品質のうち最高のコンテンツ品質を示す情報、および前記選択コンテンツ品質のコンテンツを受信する受信部と、前記最高のコンテンツ品質および前記選択コンテンツ品質に基づいて、前記最高のコンテンツ品質に対する前記選択コンテンツ品質の良好度を示すコンテンツ品質良好度を算出する算出部と、前記コンテンツ品質良好度を示す情報を表示する表示部とを有する構成としている。
【0008】
この構成により、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能である。
【0009】
また、本発明の第2の通信端末装置は、前記選択コンテンツ品質を示す情報および前記最高のコンテンツ品質を示す情報と前記サーバを識別するための通信先識別子とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備える構成としている。
【0010】
この構成により、通信先毎にどの程度の最高のコンテンツ品質、選択コンテンツ品質のコンテンツが備えられているかを確認することが可能である。
【0011】
また、本発明の第3の通信端末装置は、前記受信部が、前記選択コンテンツ品質を示す情報として、前記サーバから前記通信品質に基づいた同一コンテンツの複数の選択コンテンツ品質を示す情報を受信し、前記算出部が、前記コンテンツ品質良好度を算出するための前記選択コンテンツ品質として、受信した前記複数の選択コンテンツ品質の時間平均値を用いる構成としている。
【0012】
この構成により、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能である。
【0013】
また、本発明の第4の通信端末装置は、前記受信部が、前記選択コンテンツ品質を示す情報として、前記サーバから前記通信品質に基づいた同一コンテンツの複数の選択コンテンツ品質を示す情報を定期的に受信し、前記算出部が、前記コンテンツ品質良好度を算出するための前記選択コンテンツ品質として、受信した前記複数の選択コンテンツ品質の平均値を用いる構成としている。
【0014】
この構成により、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能である。
【0015】
また、本発明の第5の通信端末装置は、当該通信端末装置と前記サーバとの間の前記通信品質を測定する通信品質測定部を有し、前記記憶部が、前記通信品質と前記通信先識別子とを対応付けて記憶する構成としている。
【0016】
この構成により、通信品質を確認することが可能となり、おおよそどの程度の品質のコンテンツを取得可能な状態であるかを確認することが可能である。
【0017】
また、本発明の第6の通信端末装置は、前記記憶部が、前記コンテンツ品質良好度をさらに記憶し、当該通信端末装置が、更に、前記記憶部に記憶された通信品質、コンテンツ品質良好度、および前記通信品質測定部によって測定された通信品質とに基づいて、前記通信品質測定部によって測定された通信品質で通信を行う場合の前記選択コンテンツ品質を予測するコンテンツ品質予測部を有する構成としている。
【0018】
この構成により、ユーザは、サーバから取得したコンテンツ毎のコンテンツ品質がどの程度良好なものであるかを知ることができるとともに、通信品質が改善された場合に、既に取得したコンテンツより良好な品質のコンテンツを取得できるか否かを判断することができる。
【0019】
また、本発明の第7の通信端末装置は、前記通信品質測定部が、電波強度、アンテナ強度、および接続網の種類の少なくとも1つに基づいて前記通信品質を測定する構成としている。
【0020】
この構成により、ユーザは、サーバから取得したコンテンツ毎のコンテンツ品質を知ることができるとともに、通信品質が改善された場合に、既に取得したコンテンツより良好な品質のコンテンツを取得できるか否かを判断することができる。
【0021】
また、本発明の第8の通信端末装置は、前記コンテンツを再生する再生部を有する構成としている。
【0022】
この構成により、取得したコンテンツを再生することが可能である。尚、インテリジェントストリーミング機能を有するサーバからコンテンツを取得して再生した場合、取得したコンテンツのコンテンツ品質良好度は、再生品質の良好度と考えることが可能である。
【0023】
また、本発明の第1の情報表示方法は、同一コンテンツに対してコンテンツ品質が異なる複数のコンテンツを備え、通信を行う際の通信品質に基づいて選択した選択コンテンツ品質のコンテンツを配信するサーバから、通前記選択コンテンツ品質のコンテンツを取得する通信端末装置の情報表示方法であって、前記選択コンテンツ品質を示す情報、前記複数のコンテンツ品質のうち最高のコンテンツ品質を示す情報、および前記選択コンテンツ品質のコンテンツを受信するステップと、前記最高のコンテンツ品質および前記選択コンテンツ品質に基づいて、前記最高のコンテンツ品質に対する前記選択コンテンツ品質の良好度を示すコンテンツ品質良好度を算出するステップと、前記コンテンツ品質良好度を示す情報を表示するステップとを有する方法としている。
【0024】
この方法により、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能である。また、複数のコンテンツ品質のコンテンツを用意しているサーバからコンテンツを取得する際に、コンテンツ品質の測定や予測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る通信端末装置および情報表示方法について、図面を用いて説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信端末の概略構成の一例を示す図である。無線通信端末1は、通信部11と、通信先識別子情報管理部12と、コンテンツ品質測定部13と、通信品質測定部14と、情報記憶部15と、コンテンツ品質予測部16と、表示部17と、再生部18と、アンテナ19を有して構成される。尚、ここでは通信端末装置の一例として無線通信端末1について説明するが、有線通信端末であってもよい。
【0028】
通信部11は、通信先識別子が示す通信先との間で、アンテナ19を介して無線通信を行う。通信先とは、例えば、通信網の基地局交換機を介して接続され、コンテンツを配信するサーバであり、通信先識別子には、例えば、URL(Uniform Resource Locator)がある。また、この通信部11は、メディアデータの伝送を行うRTPプロトコルスタック、クライアント(無線通信端末1)とサーバ間でセッションの確立や動画の再生、停止を通知するメッセージのやりとりを行うRTSPプロトコルスタック、パケットロス率やジッタ等の通信品質を伝えるRTCPプロトコルスタックの下で、情報のやりとりを行うことが可能である。尚、通信部11は、「受信部」としての機能を有する。
【0029】
ここで、コンテンツを配信するサーバとしては、例えば、コンテンツ毎にビットレート(品質)の異なる複数のストリームを備え、ユーザと通信を行う際の通信品質によって、最適なビットレートのストリームを選択して配信することが可能なインテリジェントストリーミング機能を有するコンテンツ配信サーバが考えられる。
【0030】
通信先識別子情報管理部12は、通信先から通信部11を介して渡された通信先識別子を情報記憶部15に登録する。
【0031】
コンテンツ品質測定部13は、通信回線を介して通信部11に得られたコンテンツのコンテンツ品質を測定(算出)して、そのコンテンツ品質を情報記憶部15に記憶する。尚、コンテンツ品質測定部13は、「算出部」としての機能を有する。
【0032】
通信品質測定部14は、通信部11から得られた電波強度やアンテナ強度や接続網(例えば、FOMA(登録商標)やHSDPAなど)の種類等に基づいて通信品質を測定し、情報記憶部15に通信先識別子と対応付けて測定した通信品質を記憶する。例えば、一定時間品質を測定し、その平均値から通信品質を求めてもよいし、瞬間的な通信品質を定期的に測定し、その測定回数分の平均値から求めてもよいし、その他の方法で求めてもよい。
【0033】
情報記憶部15は、通信先識別子情報管理部12で得られた通信先識別子と、この通信先識別子に対応させて、コンテンツ品質測定部13で得られたコンテンツ品質と通信品質測定部13で得られた通信品質とを記憶する。また、情報記憶部15は、通信部11で取得したコンテンツを記憶することも可能である。尚、情報記憶部15は、「記憶部」としての機能を有する。
【0034】
コンテンツ品質予測部16は、情報記憶部15を検索して取得した通信先識別子に対応するコンテンツ品質情報および通信品質情報と、通信品質測定部14で測定された現在の通信品質情報とに基づいて、現在コンテンツを取得する場合のコンテンツ品質を予測(算出)する。
【0035】
表示部17は、コンテンツ品質を表示したり、通信品質を表示したり、サーバからダウンロードしたコンテンツの再生履歴情報(例えば後述する図7参照)を表示したりする。尚、図示はしないが、音声出力部による音声出力によって、これらの表示を代用してもよい。また、表示部17は、再生したコンテンツの表示も行う。
【0036】
再生部18は、通信部11で取得したコンテンツや記憶されたコンテンツを再生する。
【0037】
次に、コンテンツ品質測定部13の動作の一例について説明する。
図2は、コンテンツ品質測定部13の動作手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0038】
まず、測定回数nおよびタイマーTのそれぞれの初期値を「0」に設定する(ステップS101)。尚、この測定回数は、サーバから配信されるコンテンツ品質が変更された場合に加算される。
【0039】
続いて、ステップ102では、サーバから通信部11に受信するコンテンツについて、サーバが保有する複数の品質のコンテンツのうち、その最高のコンテンツ品質Cmaxを取得する。
【0040】
続いて、サーバが通信網の通信品質を勘案して配信したコンテンツの実際のコンテンツ品質である実効コンテンツ品質C’nをサーバから取得する(ステップS103)。
【0041】
続いて、ステップS104では、タイマーをTn=0からスタートする。
【0042】
続いて、ステップS105では、サーバから送られるコンテンツについて、コンテンツ品質が変更されたか、又は、通信部11によるコンテンツの取得が終了したかを判定する。
【0043】
コンテンツ品質が変更されていないか、又は、コンテンツの取得が終了していない場合は、ステップS105の処理を繰り返す。尚、コンテンツ品質の変更は、サーバで行われる。
【0044】
一方、コンテンツ品質が変更されたか、又は、コンテンツの取得が終了した場合は、実効コンテンツ品質の時間和C’+を算出する(ステップS106)。実効コンテンツ品質の時間和C’は、C’+=C’n*Tnで表される。
【0045】
続いて、ステップS107では、コンテンツの取得が終了したか否かを判定する。判定の結果、取得が終了していない場合は、ステップS108の手順で測定回数nを加算してステップS103の手順に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0046】
一方、ステップS107の手順でコンテンツの取得が終了したと判定した場合は、実効コンテンツ品質C’nをタイマー時間Tで除算し、実効コンテンツ品質の平均値Caveを算出する(ステップS109)。つまり、Cave=C’n/Tとなる。
【0047】
続いて、実効コンテンツ品質の平均値Caveを最高コンテンツ品質Cmaxで除算することにより、実際に無線通信端末1において取得することができたコンテンツ品質Cを算出する(ステップS110)。この除算は、最高コンテンツ品質Cmaxに対する実行コンテンツ品質の平均値Caveの度合いを算出するための算出方法の一例である。
【0048】
尚、無線通信端末1では、コンテンツのストリーミング再生を行うため、コンテンツの取得とコンテンツの再生のタイミングはほとんど同じであり、例えば上記ステップにおいてコンテンツの取得終了を判定する代わりに、コンテンツの再生終了を判定してもよい。
【0049】
このようにして算出されたコンテンツ品質Cは、サーバの通信先識別子に対応付けて情報記憶部15に記憶される。
【0050】
尚、ここでは、取得したコンテンツの品質の時間平均を用いてコンテンツ品質Cを算出しているが、これはコンテンツ品質を算出するための処理の一例であり、他の方法でコンテンツ品質を算出してもよい。例えば、定期的(例えば10秒毎)に実効コンテンツ品質C’を取得し、その平均値を用いてコンテンツ品質Cを算出してもよい。
【0051】
次に、コンテンツ品質の算出方法の具体例について説明する。
図3は、コンテンツ品質測定部13で測定されるコンテンツ品質の具体例を示す図である。
【0052】
図3において、サーバから配信される所定のコンテンツの最高コンテンツ品質Cmaxは、レベル1000(1000kbps)である。また、無線通信端末1は、コンテンツの受信開始からT0=30の期間は、実効コンテンツ品質C’0のレベルが800(800kbps)でコンテンツを取得し、続くT1=40の期間は、サーバによって変更された実効コンテンツ品質C’1のレベル500(500kbps)でコンテンツを取得し、更に、T2=10の期間で変更された実効コンテンツ品質C’2のレベル250(250kbps)でコンテンツを取得した例を示している。
【0053】
この例において、実効コンテンツ品質の時間和C’は、
C’=(C’0*T0)+(C’1*T1)+(C’2*T2)=46500
となる。
【0054】
そして、実効コンテンツ品質の時間平均値Caveは、
Cave=C’/T=581.25
となる。
【0055】
したがって、無線通信端末1において実際に取得することができたコンテンツ品質Cは、
C=Cave/Cmax=0.58125=58%
と、算出される。
【0056】
このようにして算出されたコンテンツ品質Cの58%は、サーバの通信先識別子とともに情報記憶部15に記憶される。
【0057】
次に、コンテンツ品質の一例について説明する。
図4は、コンテンツ品質の一例を説明するための模式図である。
【0058】
図4(a)に示すケース1は、サーバに用意されたコンテンツAのコンテンツ品質がレベル5のみである場合であり、サーバはコンテンツ品質がレベル5のコンテンツAを通信品質がレベル5の通信網を介してユーザの無線通信端末1(有線通信端末でも可)に配信する。これにより、無線通信端末1は、コンテンツAをサーバに用意されたコンテンツ品質の最高レベル5、すなわちコンテンツ品質100%で取得したことになり、これを記憶する。
【0059】
図4(b)に示すケース2は、サーバに用意されたコンテンツBのコンテンツ品質がレベル8、5、2と3種類ある場合であり、サーバはこの中からコンテンツ品質がレベル5のコンテンツBを通信品質がレベル5の通信網を介してユーザの無線通信端末1(有線通信端末でも可)に配信する。これにより、無線通信端末1は、コンテンツBをレベル5のコンテンツ品質、すなわちサーバに用意されたコンテンツ品質の最高レベル8に対して63%のコンテンツ品質で受信して取得したことになり、これを記憶する。
【0060】
したがって、無線通信端末1は、上記ケース1、2のいずれの場合であっても、例えばコンテンツBについて通信網の通信品質がレベル5以上であれば、コンテンツ品質が63%より向上したものを取得できるだろうと判断することができる。
【0061】
次に、コンテンツ品質の情報の表示例について説明する。
図5は、表示部17によるコンテンツ品質の情報の表示例を示す図である。
【0062】
図5は、図4に示したように、コンテンツAがコンテンツ品質100%で取得され、コンテンツBがコンテンツ品質63%で取得されたことを示すものであり、この情報は例えばコンテンツの取得履歴やコンテンツの再生履歴として無線通信端末1に保持される。ユーザはこの表示を見ることにより、コンテンツBのコンテンツ品質が最高レベルでなかったとして、このコンテンツを通信品質が向上したときに再取得すべきかどうかの判断材料にすることができる。
【0063】
次に、コンテンツ品質予測部16の動作の一例を説明する。
図6は、コンテンツ品質予測部16の動作手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
まず、情報記憶部15を検索して通信先識別子に対応する過去の通信品質情報Rpおよびコンテンツ品質Cpをそれぞれ取得する(ステップS201、S202)。
【0065】
続いて、通信品質測定部14で測定された電波強度やアンテナ強度や接続網の種類等に基づく現在の通信品質情報Rnを取得する(ステップS203)。
【0066】
続いて、ステップS204では、取得した通信品質情報Rp、Rn及びコンテンツ品質Cpに基づいて、次式によりコンテンツ品質の予測値(予測コンテンツ品質)Ceを算出する(ステップS204)。
Ce=Cp×Rn/Rp
尚、予測コンテンツ品質とは、現在の通信品質Rnであればサーバから取得可能であろうコンテンツの品質のことである。
【0067】
続いて、ステップS205では、算出した予測コンテンツ品質Ceが100%を超えたか否かを判定する。その結果、100%を超えていない場合は、予測コンテンツ品質Ceが求められたとして処理を終了する。
【0068】
一方、ステップS205の手順で算出した予測コンテンツ品質Ceが100%を超えたと判定された場合は、Ceを最高コンテンツ品質の100%として(ステップS206)、処理を終了する。
【0069】
このようにして、現在の通信品質を測定することにより、例えば、今コンテンツを取得すると、コンテンツ品質がどのように過去と比較して変わるかを予測することができる。
【0070】
例えば、過去の通信品質のレベルが5で、サーバに用意されたコンテンツの最高コンテンツ品質が10だった場合、今回測定した通信品質が5から7に上がっていれば、コンテンツ品質も向上し、かつ、その向上の程度も予測することができる。
【0071】
次に、予測コンテンツ品質の情報の表示例について説明する。
図7は、表示部17による予測コンテンツ品質の情報の表示例を示す図である。
【0072】
図7(a)は、過去に取得したコンテンツ毎に、現在の通信品質における予測コンテンツ品質を%で表したものであり、括弧内には過去に比較してどの程度向上、或いは低下するかを示している。図7(b)は、予測コンテンツ品質に代わり、コンテンツの品質の予測値を予測伝送速度(ビットレート)で表したものである。このような情報は、例えばコンテンツの取得履歴やコンテンツの再生履歴として無線通信端末1に保持される。
【0073】
図7の表示により、ユーザは、過去におけるコンテンツ品質と予測コンテンツ品質との差異を容易に認識可能であり、より品質のよいコンテンツを取得することが可能である。
【0074】
尚、図7の表示は、予測したコンテンツ品質の情報を表示する場合の一例であり、過去のコンテンツ品質と予測したコンテンツ品質との差異をユーザが認識可能であれば、%やビットレート以外の情報の表示を行っても良い。
【0075】
このように、無線通信端末1は、複数のコンテンツ品質のコンテンツを用意しているサーバから最高コンテンツ品質の情報と、サーバが通信品質に基づいて決定するコンテンツ品質のコンテンツを取得し、コンテンツ取得中に測定した実効コンテンツ品質からその時間平均を求め、最高コンテンツ品質に対する割合を取得したコンテンツ品質として算出し、記憶する。これにより、ユーザは、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを知ることができる。
【0076】
特に、通信端末として無線通信端末1を用いた場合、通信品質はサーバと無線通信端末1とを取り巻く通信環境によって大きく変化する場合がある。したがって、ユーザが取得したコンテンツの品質を知り得ることは、大変有益である。
【0077】
また、サーバからコンテンツを取得する際に、更に通信品質を測定して記憶する。これにより、後に再生履歴を見たときに、記憶した過去に取得したコンテンツのコンテンツ品質および過去の通信品質を検索し、現在測定した通信品質に基づいて比例計算を行い、現在コンテンツを取得する場合のコンテンツ品質を予測することができ、コンテンツを再取得すべきかどうかの判断材料にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、サーバにおいて複数の品質のコンテンツが備えられている場合に、どの程度の品質のコンテンツを取得したかを確認することが可能な通信端末装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信端末の概略構成の一例を示す図
【図2】本発明の実施形態に係るコンテンツ品質測定部の動作手順の一例を説明するためのフローチャート
【図3】本発明の実施形態に係るコンテンツ品質測定部で測定されるコンテンツ品質の具体例を示す図
【図4】(a)本発明の実施形態に係るサーバに用意されたコンテンツのコンテンツ品質が1種類である場合のコンテンツ品質の一例を説明するための模式図(b)本発明の実施形態に係るサーバに用意されたコンテンツのコンテンツ品質が複数種類ある場合のコンテンツ品質の一例を説明するための模式図
【図5】本発明の実施形態に係る表示部によるコンテンツ品質の情報の表示例を示す図
【図6】本発明の実施形態に係るコンテンツ品質予測部の動作手順の一例を説明するためのフローチャート
【図7】本発明の実施形態に係る表示部による予測コンテンツ品質の表示例を示す図
【符号の説明】
【0080】
1 無線通信端末
11 通信部
12 通信先識別子情報管理部
13 コンテンツ品質測定部
14 通信品質測定部
15 情報記憶部
16 コンテンツ品質予測部
17 表示部
18 再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一コンテンツに対してコンテンツ品質が異なる複数のコンテンツを備え、通信を行う際の通信品質に基づいて選択した選択コンテンツ品質のコンテンツを配信するサーバから、前記選択コンテンツ品質のコンテンツを取得する通信端末装置であって、
前記選択コンテンツ品質を示す情報、前記複数のコンテンツ品質のうち最高のコンテンツ品質を示す情報、および前記選択コンテンツ品質のコンテンツを受信する受信部と、
前記最高のコンテンツ品質および前記選択コンテンツ品質に基づいて、前記最高のコンテンツ品質に対する前記選択コンテンツ品質の良好度を示すコンテンツ品質良好度を算出する算出部と、
前記コンテンツ品質良好度を示す情報を表示する表示部と
を有する通信端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信端末装置であって、
前記選択コンテンツ品質を示す情報および前記最高のコンテンツ品質を示す情報と前記サーバを識別するための通信先識別子とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備える通信端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信端末装置であって、
前記受信部は、前記選択コンテンツ品質を示す情報として、前記サーバから前記通信品質に基づいた同一コンテンツの複数の選択コンテンツ品質を示す情報を受信し、
前記算出部は、前記コンテンツ品質良好度を算出するための前記選択コンテンツ品質として、受信した前記複数の選択コンテンツ品質の時間平均値を用いる通信端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通信端末装置であって、
前記受信部は、前記選択コンテンツ品質を示す情報として、前記サーバから前記通信品質に基づいた同一コンテンツの複数の選択コンテンツ品質を示す情報を定期的に受信し、
前記算出部は、前記コンテンツ品質良好度を算出するための前記選択コンテンツ品質として、受信した前記複数の選択コンテンツ品質の平均値を用いる通信端末装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信端末装置であって、更に、
当該通信端末装置と前記サーバとの間の前記通信品質を測定する通信品質測定部を有し、
前記記憶部は、前記通信品質と前記通信先識別子とを対応付けて記憶する通信端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信端末装置であって、
前記記憶部は、前記コンテンツ品質良好度をさらに記憶し、
当該通信端末装置は、更に、前記記憶部に記憶された通信品質、コンテンツ品質良好度、および前記通信品質測定部によって測定された通信品質に基づいて、前記通信品質測定部によって測定された通信品質で通信を行う場合の前記選択コンテンツ品質を予測するコンテンツ品質予測部を有する通信端末装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の通信端末装置であって、
前記通信品質測定部は、電波強度、アンテナ強度、および接続網の種類の少なくとも1つに基づいて前記通信品質を測定する通信端末装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の通信端末装置であって、更に、
前記コンテンツを再生する再生部を有する通信端末装置。
【請求項9】
同一コンテンツに対してコンテンツ品質が異なる複数のコンテンツを備え、通信を行う際の通信品質に基づいて選択した選択コンテンツ品質のコンテンツを配信するサーバから、通前記選択コンテンツ品質のコンテンツを取得する通信端末装置の情報表示方法であって、
前記選択コンテンツ品質を示す情報、前記複数のコンテンツ品質のうち最高のコンテンツ品質を示す情報、および前記選択コンテンツ品質のコンテンツを受信するステップと、
前記最高のコンテンツ品質および前記選択コンテンツ品質に基づいて、前記最高のコンテンツ品質に対する前記選択コンテンツ品質の良好度を示すコンテンツ品質良好度を算出するステップと、
前記コンテンツ品質良好度を示す情報を表示するステップと
を有する情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−117963(P2009−117963A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286216(P2007−286216)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】