説明

通信端末装置及びその送信データのアーカイブ方法

【課題】 スキャナデータや蓄積文書の送信処理において、送信データをUSBメモリなどの着脱自在な外部記憶媒体にアーカイブ可能にする。
【解決手段】 送信データとその送信情報とを、ファイル変換してUSBメモリに転送し、関連づけを持たせて格納させ、アーカイブとして使用可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は通信端末装置及びその送信データのアーカイブ方法とに関し、特に着脱自在な外部記憶媒体への送信データのアーカイブに関する。
【背景技術】
【0002】
受信した画像データを外部記憶装置に記憶させることや、送信原稿などを指定したフォルダなどへ蓄積することは行われている。しかし複合機などの通信端末装置において、送信済みのデータをUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶媒体へアーカイブすることは知られていない。
【特許文献1】特開2005−333275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明の課題は、通信端末装置及びその送信データのアーカイブ方法について、送信データをUSBメモリなどの着脱自在な外部記憶媒体にアーカイブできるようにすることにある(請求項1〜4)。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、画像データを送信データとして送信するための送信機能を有する通信端末装置において、着脱自在な外部記憶媒体が装着されていることを検出するための検出手段と、送信データを前記検出手段で検出した外部記憶媒体にアーカイブするためのアーカイブ手段とを設けたことを特徴とする。
【0005】
好ましくは、前記送信データを自機のスキャナでの読取りデータとする。
また好ましくは、前記送信データの送信に関する情報を、前記アーカイブした送信データと関連づけて前記外部憶媒体にアーカイブする。
【0006】
またこの発明は、画像データを送信データとして送信するための送信機能を有する通信端末装置の外部記憶媒体へのアーカイブ方法において、着脱自在な記憶媒体が装着されていることを検出するためのステップと、送信データを前記検出した外部記憶媒体にアーカイブするためのステップとを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明では、送信データをUSBメモリなどの着脱自在な外部記憶媒体に保存し、ユーザ毎の送信データを蓄積してアーカイブとして使用することができ、さらに蓄積したデータを持ち運びすることができる(請求項1〜4)。
また請求項2の発明では、スキャン文書を送信した場合に、外部記憶媒体に記憶してスキャン文書の送信内容をアーカイブできる。
さらに請求項3の発明では、送信データと、その宛先情報や送信時刻などの送信情報とを関連づけて外部記憶媒体にアーカイブするので、ユーザは送信内容だけでなく、その送信の詳細もアーカイブとして使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0009】
図1〜図4に、実施例を示す。図において、2は複合機で、4は主制御としてのCPUで、6は公衆電話網に対して呼を確立するための網制御装置(NCU)で、8は公衆電話回線を介してG3ファクシミリデータ等を送受信するためのモデムである。また複合機2は、LANインターフェース10で、LAN12を介し管理者のパーソナルコンピュータ14やユーザのパーソナルコンピュータ16等に接続されている。
【0010】
20はコピー機能処理部で、22はスキャナ機能処理部で、スキャナで画像を読取りパーソナルコンピュータなどに画像データを送信するなどの処理を行う。24はプリンタ機能処理部で、プリンタにネットワークプリンタ機能を持たせて、LAN12内のパーソナルコンピュータ14,16などからの依頼に応じてネットワークプリンタとしてのプリント等を行う。また26はG3ファクシミリ機能処理部で、画像データなどを公衆電話回線を用いてファクシミリ送信/受信を行う。28はネットワーク通信部で、電子メールなどの送受信を行う。なお18は、インターネット網である。
【0011】
30はLCDなどの表示パネル、32は操作部で、LCD表示パネルのタッチパネルやキーボード等を用い、原稿をスキャンし他の複合機やパーソナルコンピュータなどへの送信を指示したり、スキャン後送信したデータのアーカイブ先の選択等を行う。実施例では複合機2に備える表示パネル30からのユーザの指示を受付けるが、パーソナルコンピュータ14,16などのディスプレイに送信文書の選択や送信処理の設定を行うための画面を表示させて送信処理の受付や、アーカイブ先のUSBメモリなどの選択を受付けても良い。34はアーカイブのためのプログラム等を記憶するためのROM、36はスキャンした原稿やユーザに送信を指示された文書の送信に関する情報や、その他の各種データ等を記憶するためのRAMである。
【0012】
38はUSBインターフェースで、外部記憶媒体のUSBメモリに接続し、USBメモリを装着していることを検出するためのUSBメモリ装着検出部40と、送信データの送信処理に関する送信情報ファイルを作成するための送信情報ファイル作成部42とを備える。そして送信データをPDFファイルなどに変換して検出したUSBメモリへ転送しアーカイブさせると共に、送信データとその送信情報ファイルとを関連づけるようにUSBメモリへ転送する。なお外部記憶媒体は、USBメモリの他、CF(Compact Flash)や携帯型外部HDD等の着脱自在な記憶媒体であっても良い。
【0013】
図2は、実施例のUSBメモリへデータを転送するためのUSBメモリインターフェースプログラム50の構成を示すブロック図である。実施例のプログラム50には、USBメモリが複合機2に装着されていることを検出するためのUSBメモリ装着検出命令52と、送信データをUSBメモリに転送してアーカイブするためのデータ転送命令54と、データの送信処理に関する送信情報のファイルを作成し、USBメモリに記憶する送信データと関連づけて格納するための送信情報ファイル作成/転送命令56とを設ける。
【0014】
図3を用い、実施例の複合機で送信データとその送信情報とをUSBメモリへ格納する処理を説明する。実施例では、複合機2でスキャンしたデータABCあるいはパーソナルコンピュータ14や16から送信指示された蓄積文書XYZを、他の複合機やパーソナルコンピュータ60に送信する。送信は、G3ファクシミリでの送信の他、インターネットファクシミリでの送信であっても良い。そして実施例では、これらの送信データをPDFファイルへ変換して文書名「ABC.pdf」や「XYZ.pdf」などとし、USBメモリ62に転送する。さらに送信処理に係る送信者情報や、送信先情報、送信時刻等の送信情報を「ABC.txt」や「XYZ.txt」などにテキストファイル化し、USBメモリ62に転送する。USBメモリ62内では、PDFファイルとテキストファイルとを、文書名同一とし関連づけて格納させる。あるいは送信データと送信情報とを同一のフォルダ内に記憶させて、関連づけを行う。
【0015】
図3では、USBメモリ62のフォルダ1に文書ABCとその送信情報とを、フォルダ2に文書XYZとその送信情報とを、それぞれ関連づけて格納していることを示す。複合機2はが送信処理後に送信データを保存しない場合でも、ユーザは自己が送信した送信データ等を蓄積することができる。そして送信データとその送信情報とを蓄積したUSBメモリ62を各々のユーザが保有することで、自己の送信データの内容や送信情報、送信履歴などをアーカイブとして使用することができる。なお図4で説明するように、複合機2に機能設定用フラグ64〜68を設け、それぞれ外部記憶媒体検出フラグ64、原稿をアーカイブするための原稿控え機能設定用のフラグ66、送信ログ情報をアーカイブするための送信ログ情報設定用フラグ68とする。
【0016】
図4に、実施例の複合機2でスキャン原稿を送信しUSBメモリにアーカイブする処理を示す。実施例では、スキャン原稿を送信する場合について説明する。複合機がUSBメモリなどの外部記憶媒体を装着していることを検出すれば「外部記憶媒体有り」のフラグをたて(S1,S2)、装着していることを検出しなければフラグは立てずに原稿を全ページについて通常にスキャンする(S3〜S5)。そしてUSBメモリが装着されており、送信原稿のデータをアーカイブするための原稿控え機能がONに設定されていれば、送信原稿のスキャン処理を行う(S6,S7)。
【0017】
原稿をスキャンし、スキャンデータをPDFファイルへ変換してUSBメモリに転送する処理は、ページ単位に行っても良く、あるいは原稿を全ページスキャンした後に一旦メモリに格納しておき、一括してファイル変換した後に転送しても良い(S7,S8)。PDFファイルには、ファイル名を付与してUSBメモリへ転送する。そして外部記憶媒体が装着されている場合に、送信情報をUSBメモリへ格納するための送信ログ情報ON設定であれば(S9)、送信者情報や宛先情報、送信時刻などの送信情報を文書名を付与してテキストファイル化し、USBメモリへ転送する(S10)。USBメモリではPDFファイルとテキストファイルとの同一文書名で関連づけを行ったり、これらのファイルを同一フォルダへ格納することで、アーカイブとしての利用の便宜を図る。
【0018】
実施例によれば、送信データとその送信情報とをUSBメモリなどの着脱自在な外部記憶媒体にアーカイブする。送信データはスキャンデータや蓄積文書であり、ユーザは自己の送信データを蓄積させることができる。そして送信データはUSBメモリなどに格納するので、複合機への抜き差しが簡単で、ユーザ毎に自己の送信処理に関するデータを持ち運びすることができる。
【0019】
さらにUSBメモリには、送信データ以外に送信処理に関する送信情報を格納し、送信データと送信情報とは、同じファイル名で拡張子をそれぞれ付与したり、同じフォルダに入れるなどの関連づけを行うので、アーカイブ情報として使用することができる。送信情報には、送信データに関する文書名などの情報や、送信者情報や宛先情報や送信時刻などを含むので、ユーザは送信ログとして使用することができる。

【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例の複合機の構成を示すブロック図
【図2】実施例での、送信データ及び送信情報をアーカイブするためのプログラムの構成を示すブロック図
【図3】実施例での、送信データ及び送信情報のUSBメモリへの格納を説明するための図
【図4】実施例での、原稿をスキャンして送信する場合の送信データと送信情報とをアーカイブするための処理アルゴリズムを示すフローチャート
【符号の説明】
【0021】
2 複合機
4 CPU
6 NCU(Network Control Unit)
8 モデム
10 LANインターフェース
12 LAN
14 管理者のパーソナルコンピュータ
16 ユーザのパーソナルコンピュータ
18 コピー機能処理
18 インターネット網
20 コピー機能処理部
22 スキャナ機能処理部
24 プリンタ機能処理部
26 G3ファクシミリ機能処理
28 ネットワーク通信部
30 LCD
32 操作部
34 ROM
36 RAM
38 USBインターフェース
40 USBメモリ装着検出部
42 送信情報ファイル作成部
50 USBメモリインターフェースプログラム
62 USBメモリ
64〜68 機能設定用フラグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを送信データとして送信するための送信機能を有する通信端末装置において、
着脱自在な外部記憶媒体が装着されていることを検出するための検出手段と、
送信データを前記検出手段で検出した外部記憶媒体にアーカイブするためのアーカイブ手段とを設けたことを特徴とする、通信端末装置。
【請求項2】
前記送信データを自機のスキャナでの読取りデータとすることを特徴とする、請求項1の通信端末装置。
【請求項3】
前記送信データの送信に関する情報を、前記アーカイブした送信データと関連づけて前記アーカイブ手段で前記外部憶媒体にアーカイブさせることを特徴とする、請求項1または2の通信端末装置。
【請求項4】
画像データを送信データとして送信するための送信機能を有する通信端末装置の外部記憶媒体へのアーカイブ方法において、
着脱自在な記憶媒体が装着されていることを検出するためのステップと、
送信データを前記検出した外部記憶媒体にアーカイブするためのステップとを設けたことを特徴とする、通信端末装置の送信データのアーカイブ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−118332(P2008−118332A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298655(P2006−298655)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】