説明

通信端末装置及びデータ処理装置

【課題】バーコード照合機能を搭載した通信端末装置と、それを含むデータ処理装置において、厳重なセキュリティを可能にする。
【解決手段】バーコードが表示された撮影対象の画像を取得する撮影手段と、外部の管理装置から送信される操作指示情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された操作指示情報を作業者に示す指示手段と、前記指示手段により指示される操作指示情報に従って前記撮影手段により取得されたバーコードを解読するバーコード解読手段と、前記バーコード解読手段により解読されたバーコードと前記操作指示情報により指示された識別コードとを照合する照合手段と、前記照合手段による照合の結果、両者が一致する場合に、前記撮影手段に前記撮影対象物の撮影命令を出力する撮影指示手段と、前記撮影対象物の撮影画像を前記管理装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能を搭載した通信端末装置と、その通信端末装置を含むデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流通しているほとんどの商品には、バーコードが付されており、商品を識別するための情報が取得できるようになっている。このバーコードには、さまざまな種類があり、商品管理に限らず、セキュリティ機能としても活用されるようになっている。
【0003】
例えば、ブローニーフィルムを使用するカメラにおいて、使用するブローニーフィルムには、そのバーコードにフィルム感度情報が記載されていることが必須であり、この記載がなければ、露出過剰や露出不足になる可能性が高く、撮影が失敗してしまう。特許文献1には、バーコード検出手段を搭載しているため、バーコードが検出できなければ、フィルム感度の入力を促すとともに、撮影ができないように、レリーズスイッチの操作を無効にすることにより、問題を回避できるカメラが開示されている。
【0004】
また、無線通信が可能なデジタルカメラの開発が進んでいるが、このような無線データ通信において問題となるのがセキュリティである。そこで、特許文献2には、カメラの撮像部により認証情報を表すバーコードを読み取り、読み取った情報によりセキュリティ可能なデジタルカメラが開示されている。
【特許文献1】特開平11−119291号公報
【特許文献2】特開2004−15284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術によれば、バーコードを検出することにより、システム制御や情報認識を行っているが、バーコードのみの照合であるため、実際の撮影データを視覚的に確認することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、バーコード照合機能を搭載した通信端末装置と、それを含むデータ処理装置において、撮影対象に対して厳重なセキュリティチェックを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、バーコードが表示された撮影対象の画像を取得する撮影手段と、外部の管理装置から送信される操作指示情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された操作指示情報を作業者に示す指示手段と、前記指示手段により指示される操作指示情報に従って前記撮影手段により取得されたバーコードを解読するバーコード解読手段と、前記バーコード解読手段により解読されたバーコードと前記操作指示情報により指示された識別コードとを照合する照合手段と、前記照合手段による照合の結果、両者が一致する場合に、前記撮影手段に前記撮影対象物の撮影命令を出力する撮影指示手段と、前記撮影対象物の撮影画像を前記管理装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の通信端末装置に通信ネットワークを介して管理装置が接続されたデータ処理装置において、前記管理装置は、前記撮影対象物の特徴データを識別コードに対応付けて参照画像として記憶する記憶手段と、前記通信端末装置に操作指示情報を送信する送信手段と、前記通信端末装置から撮影対象物の撮影画像を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した撮影対象物の撮影画像からその撮影対象物の特徴を抽出して前記参照画像と照合する照合手段と、前記照合手段による照合の結果、不一致である場合に前記送信手段に前記操作指示情報を再度送信させる制御手段とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、指示された識別コードと、バーコード解読手段により読み取ったバーコード(図9参照)とを照合し、一致したときのみ撮影指示をし、さらに、取得した画像データも照合することにより、厳重なセキュリティが可能なデータ処理装置を提供することが可能となる。 なお、撮影の対象物を識別する識別コードとしては、商品コード、部品コードや材料コード等があり、本実施例では商品コードを用いる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下、本実施形態に係るデータ処理装置は、例えば、小売店等の店舗の在庫管理等に使用される場合とし、通信端末装置は作業者により操作され、管理装置としてのサーバは管理者により遠隔で操作される構成として説明するがこれに限らない。
【0011】
まず、本発明の実施形態における構成について説明する。図1に、実施形態に係るデータ処理装置100のシステム構成を示す。図1に示すように、データ処理装置100は、サーバ10、通信端末装置20により構成される。
【0012】
サーバ10は、例えば、PC(Personal Computer)等により構成され、HDD(ハードディスク)等のDB(データベース)格納手段を備えている(図示省略)。このDB格納手段は、複数の商品それぞれの画像データや、各商品の詳細な特徴等を記憶する記憶手段である。また、この記憶手段が記憶するデータには、各商品に付されている商品コードを含み、サーバ10は、この商品コードを通信端末装置20に送信することにより通信端末装置20に撮影させる商品を指示する。さらに、サーバ10は、通信端末装置20により撮影された画像データから商品の特徴を抽出し、抽出した特徴と、記憶手段に記憶されている当該商品の画像データ及び商品の特徴を照合する照合手段を有する。
【0013】
通信端末装置20は、ハンディーターミナルの様な携帯情報端末であり、バーコード解読機能を備え、読み取ったバーコードとサーバ10により指示された商品コードとが一致するか否かを照合する手段を有する。また、通信端末装置20が有する撮影手段は、セキュリティ機能により撮影が制限されており、照合手段により照合が一致した場合にのみ撮影を許可し、撮影命令を出力する撮影指示手段を備えている。
【0014】
上述したサーバ10と通信端末装置20は、通信ネットワーク3を介して接続され、データ処理装置100を構成する。なお、1台のサーバ10に通信ネットワーク3を介して接続される通信端末装置20の台数は特に限定されない。ここで、通信ネットワーク3は、例えば、公衆回線、電話回線、ISDN回線、無線通信回線、専用機、CATV回線等のネットワークである。この通信ネットワーク3は、情報管理の信頼性の観点から、特定のユーザのみにアクセス可能なセキュリティ機能を確保していることが望ましい。
【0015】
次に、図2を参照して、データ処理装置100を構成するサーバ10の主要部構成について説明する。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、V−RAM(Video Random Access Memory)14、キー入力部15、表示部16、画像照合部17、記憶部18、通信インターフェース19により構成される。
【0016】
CPU11は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送を行う中央演算装置である。具体的にCPU11は、キー入力部15から入力される操作信号に応じて、ROM12に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果を表示部16に表示させる。例えば、通信端末装置20により撮影された画像データを取得すると、その画像データから商品の特徴を抽出するためのプログラムを実行する。そして、抽出した特徴と、予め記憶されている商品情報に含まれる特徴とを照合した結果を、表示部16に表示する。
【0017】
ROM12は、データ処理装置100の動作に必要なプログラムの実行に係るデータを格納する。これらのプログラムは、書き換える必要のないプログラムや、書き換えてはいけないプログラムである。
【0018】
RAM13は、CPU11によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。またRAM13は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。
【0019】
V−RAM14は、表示部16の画面に表示される内容を保持するメモリである。
【0020】
キー入力部15は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーを備え、キーの押下操作に対応する操作信号をCPU11に出力する。例えば、通信端末装置20に対して、画像を撮影する指示を入力する。
【0021】
表示部16は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイにより構成される。例えば、通信端末装置20から送信された撮影画像データを受信すると、その撮影された画像が表示部16に表示されることにより、管理者は作業者により撮影された商品を視覚的に確認する。
【0022】
画像照合部17は、通信端末装置20により撮影された画像データと、予め記憶部18に記憶されている各商品の画像データや商品の特徴とを照合する照合手段である。この照合により、指示した商品が間違いなく撮影されたか否かを確認する。
【0023】
記憶部18は、商品情報を記憶する記憶手段であり、HDD(ハードディスク)等のDB(データベース)格納手段を備える。その格納手段には、各商品のバーコードや価格などの情報、商品の特徴を記憶したデータテーブル等を格納するファイル18aや、各商品の画像データを格納した画像DB18bを格納する。
【0024】
通信インターフェース(I/F)19は、サーバ10と通信端末装置20との情報やデータのやり取りを仲介する。
【0025】
図3に、データ処理装置100を構成する通信端末装置20の主要部構成について説明する。図3に示すように、通信端末装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、V−RAM24、入力部25、表示部26、バーコード読取部27、カメラ撮像部28、通信インターフェース29等により構成される。
【0026】
CPU21は、CPU11と同様に、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送を行う中央演算装置である。具体的にCPU21は、入力部25から入力される信号に応じて、ROM22に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果を表示部26に表示させる。例えば、サーバ10からの指示を受信し、指示された商品のバーコードがスキャンされると、ROMに記憶されたプログラムに従って、バーコード読取部の動作を制御すると共に、他の各部の動作を制御する。
【0027】
ROM22は、データ処理装置100の動作に必要なプログラムの実行に係るデータを格納する。これらのプログラムは、書き換える必要のないプログラムや、書き換えてはいけないプログラムである。
【0028】
RAM23は、CPU21によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。またRAM23は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。
【0029】
V−RAM24は、表示部26の画面に表示される内容を保持するメモリである。
【0030】
入力部25は、ボタンキー25aやタッチパネル25bを備える。これらのキーの押下操作に対応する操作信号をCPU21に出力する。
【0031】
表示部26は、液晶ディスプレイにより構成される。サーバ10からの指示や、撮影した画像データ等を表示する。撮影の際には、ファインダーとして対象物を写し出す。
【0032】
バーコード読取部27は、レーザー光をバーコードに照射し、その反射光を捉えることによりバーコードを読み取る。そして読み取ったデータをCPU21に出力する。なお、このレーザー方式に限らず、CCD方式やペン方式による構成としてもよい。
【0033】
カメラ撮像部28は、サーバ10により撮影が許可されると、指定された商品を撮影し、取得した画像データをCPU21に出力する。当該画像データがCPU21に出力されると、当該画像データは、サーバ10へ送信される。
【0034】
通信インターフェース(I/F)29は、サーバ10と通信端末装置20との情報やデータのやり取りを仲介する。
【0035】
次に、図4に通信端末装置20の概略外観図を示す。各部機能の説明は、図3と同様であるため省略する。サーバ10から送信された指示が通信端末装置20の表示部26に表示されると、その指示に従って、作業者により通信端末装置20が操作され、作業が開始される。通信端末装置20の入力部25には操作手段として、ボタンキー25a及びタッチパネル25bを備える。タッチパネル25bの操作は、直接、表示部26を触れることにより操作信号を送信するとしてもよいし、例えば、ペンなどを用いて操作信号を送信する構成としてもよい。表示部26には、サーバ10からの指示の他に、例えば、撮影する際にファインダーとしての機能を有し、さらに、撮影により取得した画像データを表示する。バーコード読み取り部27は、レーザー光を点灯し、そのレーザー光をバーコードにあてることによりバーコードを読み取り、読み取った情報をCPU21へ出力する。
【0036】
図5にデータ処理装置100を構成するサーバ10及び通信端末装置20のブロック構成図を示し、処理の流れについて説明する。
【0037】
まず、管理者により商品が指定され、サーバ10のキー入力部15から当該商品を撮影する指示が当該商品の商品コードと共に通信端末装置20へ送信されると、通信端末装置20の表示部26(以下、表示画面)にその旨が表示される。作業者は、その表示画面を確認した後、通信端末装置20のバーコード読取部27により、当該商品に付されたバーコードの読み取りを開始し、取得したデータをCPU21へ出力する。CPU21は、通信端末装置20により読み取られたデータを取得すると、そのデータと、サーバ10から送信された商品コードとを照合し、スキャンされたバーコードに対応する商品が、サーバ10により撮影するよう指示された商品であるか否かを判定する。この判定により、管理者の指示通りに作業者が撮影対象である商品を特定したことが確認される。
【0038】
CPU21は、作業者によりスキャンされたバーコードに対応する商品が、管理者により指示された商品と一致すると判定すると、その旨を表示画面に表示する。また、この照合一致の判定結果に伴って、CPU21は、カメラ撮像部28のセキュリティ機能を解除させ、撮影可能な状態に制御する。カメラ撮像部28による撮影が可能となった旨が表示されると、作業者は撮影を開始し、その撮影された画像データがCPU21へ出力される。CPU21は、撮影画像データが出力されると、そのデータを通信インターフェース29及び19を介してサーバ10のCPU11へ出力する。
【0039】
サーバ10のCPU11は、画像データが入力されると、記憶部18から撮影するよう指示した商品の画像データ及びデータテーブルを読み出し、それらのデータを画像照合部17へ出力する。画像照合部17は、これらのデータを基に、作業者により撮影された商品と管理者が指示した商品とが一致するか否かを判定する。そして、その判定結果をCPU11へ出力すると、CPU11は取得した判定結果をサーバ10の表示部16へ表示させる。管理者により、サーバ10の表示部16に表示された判定結果が確認されると、その旨がキー入力部15より入力される。CPU11は、その操作信号を通信インターフェース19及び29を介して通信端末装置20のCPU21へ出力する。通信端末装置20のCPU11は、サーバ10から送信された判定結果を表示部26に表示させる。なお、画像照合部17による照合の結果、画像が一致しなかった場合は、再度撮影指示を通信端末装置20へ送信する。
【0040】
なお、画像データの照合は、サーバ10により自動的に行われるとしたが、管理者がサーバ10を操作することにより照合作業を行うとしてもよい。
【0041】
図6に、サーバ10の記憶部18が格納するファイル18aが記憶するデータテーブルの一例を示す。図6に示すように、ファイル18aのデータテーブルには、商品テーブル、画像テーブル、特徴テーブルが記憶されている。画像テーブルには、各商品の画像が登録されており、この画像データに関連付けて商品テーブル及び特徴テーブルが記憶されている。商品テーブルには、各画像データに対応する商品の商品コード、商品名、規格名及びメーカ名等の商品情報が詳細に記憶される。特徴テーブルには、各画像データに対応する商品の形、色、文字、絵等の特徴が詳細に登録され、これらの特徴データは画像データを照合するための必須データである。作業者により撮影された画像データを取得すると、画像照合部17は、取得した画像データの特徴を抽出し、データテーブルの情報と照合することにより、撮影された商品が指定した商品であるか否かを判定する。この特徴抽出による画像の照合で、指定商品が確実に撮影されているかを確認する。なお、このデータテーブルの構成は一例であり、必要に応じて構成項目は追加してもよいし、変更してもよい。
【0042】
次に、図7のフローチャートと図8の表示部26に表示される画面(以下、表示画面)の一例を参照して、データ処理装置100により実行される処理について説明する。
【0043】
まず、管理者はサーバ10を操作することにより、通信端末装置20に対して所望する商品を撮影するよう撮影指示メールを送信する(ステップS1)。このメールには、撮影対象となる商品の商品コードが格納されたファイルが添付されて送信される。このとき、ファイルを複数添付することが可能であり、管理者は複数の商品を撮影するよう指示することも可能である。ステップS1において、指定商品の商品コードが添付された撮影指示メールが送信され、通信端末装置20がその指示メールを受信すると(ステップS2)、通信端末装置20の表示画面にその旨が表示される(図8(a))。作業者はこの表示画面を見て、作業を開始する。
【0044】
通信端末装置20のカメラ撮像部28は、むやみに撮影されることを防止するために、セキュリティ機能を搭載している。このセキュリティ機能によりロックされている状態は、以下の方法で解除されることにより撮影を開始することが可能となる。
【0045】
まず、サーバ10からの撮影指示メールを確認し、作業者がカメラを起動させようとすると、セキュリティ機能によりロックされている状態であるため、カメラは起動されず、添付ファイルの商品コードをインポートするよう指示が表示される(図8(b))。作業者は、通信端末装置20の入力部25の操作により、商品コードをインポートするファイルを指定し、インポートを開始させる(図8(c))。商品コードのインポートが終了すると、指定商品のバーコードをスキャンするよう指示が表示される(図8(d))。その表示を確認すると、作業者は通信端末装置20により、指定商品のバーコードをスキャンする。商品のバーコードがスキャンされると、通信端末装置20のバーコード読取部は、スキャンされたバーコードの読み取りを開始する(ステップS3)。ステップS3において、バーコードの読み取りを開始し、読み取ったバーコードと、添付ファイルにて送信された商品コードとが一致するか否かを判定するために、それらの照合を開始する(ステップS4)。
【0046】
ステップS4において、商品コードとスキャンされたバーコードとの照合を開始し、それらが一致するか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において、送信された商品コードとスキャンされたバーコードとが一致しなかったと判定すると(ステップS5;NO)、ステップS3に戻り、再度、ステップS3〜S5の処理を繰り返す。ステップS5において、送信された商品コードとスキャンされたバーコードとが一致したと判定すると(ステップS5;YES)、カメラ撮像部28のセキュリティ機能を解除し、その旨を表示画面に表示する(図8(e))。作業者は、図8(e)の表示画面を見て、セキュリティロックが解除され、撮影できる状態になったことを確認すると、カメラ撮像部28により表示画面に指定商品を表示させ(図8(f))、撮影を開始する(ステップS6)。
【0047】
ステップS6において、指定商品の撮影が終了すると、撮影した画像データをサーバ10へ送信する(ステップS7)。サーバ10は、通信端末装置20からの画像データを受信すると(ステップS8)、当該画像データの特徴を抽出する(ステップS9)。ステップS9において、当該画像データの特徴を抽出すると、予め記憶部18に記憶されているデータテーブル18aから、指定した商品の画像データや形、色等の特徴を呼び出し、画像照合部17により撮影画像照合チェックを開始する(ステップS10)。
【0048】
ステップS10において、撮影された画像データの特徴と、指定した商品の特徴の照合を開始すると、その判定結果をメールにて通信端末装置20へ送信する(ステップS11)。この判定結果のメールは、判定により画像が一致した場合も、画像が一致しなかった場合も送信する。通信端末装置20は、サーバ10からの判定結果メールを受信し(ステップS12)、画像が一致した場合は処理を終了し、次に新たな指示を受信するまで待機する。サーバ10の画像照合により、画像が一致しなかった旨の結果を受信すると(ステップS12)、再度撮影指示を受信するまで処理を終了し待機する。
【0049】
ステップS11において、サーバ10は通信端末装置20に対して判定結果を送信すると、その判定結果が画像一致であったか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において、判定結果が画像一致であったと判定すると(ステップS13;YES)、処理が終了する。ステップS13において、判定結果が画像一致ではなかった、つまり、画像が不一致であったと判定すると(ステップS13;NO)、ステップS1に戻り、再度、通信端末装置20に撮影指示を送信する。
【0050】
以上のように、通信端末装置20のカメラにセキュリティ機能を搭載し、管理者から指示された商品コードと作業者が通信端末装置20を用いて入力した商品に付されたバーコードとが一致した場合にのみ、撮影可能とすることにより、他の商品をむやみに撮影されることを防止でき、例えば、新商品などの情報の流出を回避することが可能である。また、確実に指定された商品を撮影することができるため、撮影された後の管理者による確認の際に、指定商品とは違う商品であることが発見され、撮影をしなおさなければいけないという事態を避けることが可能である。従って、確実且つ迅速に作業を実施することができ、作業効率の向上が期待できる。
【0051】
さらに、撮影された画像データの特徴を抽出し、予め記憶されている当該商品の画像データやその他の詳細な商品情報とを照合させて画像データを確認することにより、指定したものが正確に撮影されたかを確認することができる。また、図8(f)のように、指定商品以外の商品が一緒に撮影されてしまった場合でも、詳細な商品情報が記憶されているため、商品の詳細な特徴を抽出でき、画像データの確認を正確に行える。従って、対象商品が企業秘密である場合など、不正に商品が撮影されてしまうことを確実に防止でき、高いセキュリティの下で正確な作業を進めることができる。
【0052】
また、指定した商品コードと端末装置によりスキャンされたバーコードが一致するにもかかわらず、画像データの照合により、商品が不一致であると判定された場合、バーコードの付け間違いなどが考えられ、その他の手違いを見つけ出すことができ、作業効率の向上のみならず、確実な商品管理も実現できる。
【0053】
図9に、各商品に付された識別標識としてのバーコードの一例を示す。なお、識別標識はこれに限らず、JANコード、NW7、CODE39等の各種バーコードのいずれでもよい。また、バーコードの代用として二次元コードやRFID(Radio Frequency Identification System)を用いる構成としても同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、サーバ10と通信端末装置20とのデータ転送はメールで行う構成としたが、これに限定されず、専用のアプリケーションプログラムにより行う構成としても、同様の効果をえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係るデータ処理装置のシステム構成を示す。
【図2】図1のデータ処理装置を構成するサーバの主要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のデータ処理装置を構成する通信端末装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図4】図1のデータ処理装置を構成する通信端末装置の概略外観図である。
【図5】本実施形態に係るデータ処理装置で実行される処理の流れを示すブロック構成図である。
【図6】図1のデータ処理装置を構成するサーバが記憶するデータテーブルの一例である。
【図7】本実施形態のデータ処理装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態のデータ処理装置において実行される処理中に通信端末装置に表示される表示画面の一例である。
【図9】各商品に付されるバーコードの一例である。
【符号の説明】
【0056】
10 サーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 V−RAM
15 キー入力部
16 表示部
17 画像照合部
18 記憶部
18a ファイル
18b 画像DB
19 通信インターフェース
20 通信端末装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 V−RAM
25 入力部
25a ボタンキー
25b タッチパネル
26 表示部
27 バーコード読取部
28 カメラ撮像部
29 通信インターフェース
30 記憶部
100 データ処理装置
3 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードが表示された撮影対象の画像を取得する撮影手段と、
外部の管理装置から送信される操作指示情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された操作指示情報を作業者に示す指示手段と、
前記指示手段により指示される操作指示情報に従って前記撮影手段により取得されたバーコードを解読するバーコード解読手段と、
前記バーコード解読手段により解読されたバーコードと前記操作指示情報により指示された識別コードとを照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果、両者が一致する場合に、前記撮影手段に前記撮影対象物の撮影命令を出力する撮影指示手段と、
前記撮影対象物の撮影画像を前記管理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の通信端末装置に通信ネットワークを介して管理装置が接続されたデータ処理装置において、
前記管理装置は、前記撮影対象物の特徴データを識別コードに対応付けて参照画像として記憶する記憶手段と、
前記通信端末装置に操作指示情報を送信する送信手段と、
前記通信端末装置から撮影対象物の撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した撮影対象物の撮影画像からその撮影対象物の特徴を抽出して前記参照画像と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果、不一致である場合に前記送信手段に前記操作指示情報を再度送信させる制御手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−270719(P2006−270719A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88059(P2005−88059)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】