説明

通信端末装置

【課題】発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データ送信を有効に防止することができる通信端末装置を提供する。
【解決手段】接続された相手先端末から受信した非表示機能識別信号に基づいて、同相手側端末が自端末と同じメーカ製であるか否かが判定される。そして、その判定結果を示すメッセージと、画像データ送信の実行又は中止の選択操作を送り手側の操作者に促すメッセージとが表示部に表示される。また、画像データ送信の実行又は中止を同操作者に選択操作させるための機能キーが表示部に表示される。そして、この機能キーに対する選択操作に基づき、画像データの送信が実行又は中止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データ送信のために接続された相手先端末が自端末と同じメーカ製であるか否かを判別できるようにした通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の通信端末装置には、例えば特許文献1に記載されたファクシミリ装置がある。このファクシミリ装置においては、ファックス送信時に、発呼番号の入力に基づいて回線接続された相手先端末からメーカコードを受信し、このメーカコードと同じメーカコードが記憶部に登録されているか否かを制御部が判定する。そして、メーカコードが記憶部に登録されていたときには、メーカコードに対応して記憶部に登録されているメーカ名が制御部によって表示部に表示される。このため、送り手側の操作者は、表示部に表示されるメーカ名を見ることにより、現在接続されている相手先端末がファックス送信の正しい相手先端末であるか否かを判断することができる。そして、表示された相手先端末のメーカ名が、ファックス送信の正しい相手先端末のメーカ名と異なる場合には、操作パネルのストップキーを押すことにより画像データの送信を中止することができるようになっている。
【特許文献1】特開平5−3521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1のファクシミリ装置において、相手先端末のメーカ名を表示部に表示させるには、相手先端末のメーカコード及びメーカ名を記憶部に予め登録しておく必要がある。このため、初めて接続された相手先端末にファックスを送信しようとするときには、相手先端末のメーカコード又はメーカ名が記憶部に登録されていないことから、ファックス送信時に相手先端末のメーカ名が表示部に表示されない。従って、送り手側の操作者は、初めて接続された相手先端末にファックスを送信しようとするときには、接続された相手先端末がファックス送信しようとする正しい相手先端末であるか否かを判断することができない。
【0004】
しかも、上記のファクシミリ装置においては、表示部にメーカ名が表示された状態で操作者が操作パネル上のストップキーを押さないと、その相手先端末が正しい相手先端末であると制御部が判断してそのまま画像データを送信するようになっている。このため、初めて接続された相手先端末へファックス送信を行なおうとする場合、操作者が相手先端末のメーカ名を表示部で確認できないまま、画像データが誤った相手先端末に送信されてしまう虞があった。
【0005】
この発明の目的は、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データ送信を有効に防止することができる通信端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像データ送信のために接続された相手先端末から受信したコードデータに基づいて同相手側端末が自端末と同じメーカ製であるか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果を送り手側の操作者に報知するとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を同操作者に促す報知手段と、画像データ送信の実行又は中止を前記操作者に選択操作させるための操作手段と、前記報知手段によって選択操作が促されている状態における前記操作手段に対する選択操作に基づき、画像データ送信を実行又は中止させる送信制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、送り手側の操作者は、画像データを送信するために接続された相手先端末が初めて接続する相手先端末であっても、その相手側端末が自端末と同じメーカ製であるか否かを画像データの送信前に知ることができる。そして、同操作者は、その相手先端末が正しい相手先端末であるか否かをその情報から判断するとともに、その判断結果に基づいて画像データ送信の実行又は中止を選択することができる。従って、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データの送信が有効に防止される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コードデータに基づいて前記相手先端末が自端末と同じ製造国製であるか否かを判別する副判別手段を備え、
前記報知手段は、前記副判別手段による判別結果を操作者に報知するとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を同操作者に促すことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、送り手側の操作者は、接続された相手側端末が初めて接続する相手先端末であっても、その相手側端末が自端末と同じ製造国製であるか否かを画像データの送信前に知ることができる。そして、操作者は、その相手先端末が正しい相手先端末であるか否かをその情報から判断するとともに、その判断結果に基づいて画像データ送信の実行又は中止を選択することができる。従って、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データの送信が有効に防止される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記送信制御手段は、前記操作手段に対する選択操作が行われない状態における経過時間が設定時間を超えたときには、画像データ送信を中止させることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、接続された相手先端末が自端末と同じメーカ製であるか否かを送り手側の操作者が知っても、画像データの送信の実行又は中止を同操作者が即座に判断できないときには、送り手側の操作者が不用意に画像データを送信しないようにすることができる。従って、誤って接続された相手先端末への画像データの誤送信がより有効に防止される。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、接続された相手側端末から受信したパスコードを、自端末に予め登録されているパスコードと照合し、両パスコードが一致したときに画像データの送信を許可する送信制限手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、接続された相手側端末のパスコードと、自端末に予め登録されているパスコードとが一致するか否かに基づいて、その相手側端末が正しい相手側端末であるか否かが判断される。そして、その相手側端末が正しい相手側端末であったときにのみ、画像データの送信が許可される。誤って接続された相手先端末への画像データの送信がより有効に防止される。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データ送信を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明に係る通信端末装置を複合機に具体化した一実施形態について、図1〜図5に従って説明する。この複合機は、コピー機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を備えている。
【0016】
図4に示すように、複合機10は、MPU(Micro Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、ワークメモリ13、読取部14、記録部15、操作部16、表示部17、画像メモリ18、コーデック(CODEC;Coder-Decoder )19、モデム(MODEM;Modulator-Demodulator)20及びネットワーク制御装置(NCU;Network Control Unit)21等から構成され、これら各部11〜21はバス22を介してそれぞれ接続されている。この実施形態では、MPU11及び表示部17により報知手段が構成されるとともに、MPU11及び操作部16により操作手段が構成されている。また、MPU11は、判別手段、送信制御手段、副判別手段及び送信制限手段である。
【0017】
MPU11は、ROM12に記憶されているプログラムや各種情報に基づき、複合機10の各部を制御する。ワークメモリ13はフラッシュメモリ等からなり、複合機10に関する各種情報を一時的に記憶する。フラットベッドスキャナ等から構成される読取部14は、フラットベッドスキャナのプラテンガラス上に載置された原稿の画像を読み取って白黒二値のイメージデータを出力する。電子写真方式のプリンタよりなる記録部15は、ファックス受信した画像や、コピーモードにおいて読取部14で読み取った原稿の画像を、複数の用紙カセットのいずれかから引き出した用紙に記録する。
【0018】
操作者により操作される操作部16には、コピーモード、スキャナモード及びファックスモードを切り替えるモードキー(図示せず)、コピー動作、スキャナ動作又はファックス送信動作を開始させるためのスタートボタン(図示せず)、及び、電話番号等の数字を入力するためのテンキー(図示せず)が設けられている。また、操作部16には、モード毎に各種設定を行うための機能キーを表示するタッチパネルディスプレィが設けられている。このタッチパネルディスプレィからなる表示部17は、複合機10の動作状態等の各種表示を行う。画像メモリ18には、ファックス受信された画像データ、又は、ファックスモードにおいて読取部14により原稿から読み取られた画像データが一時的に記憶される。また、画像メモリ18には、コピーモード又はスキャナモードにおいて読取部14により原稿から読み取られた画像データが一時的に記憶される。
【0019】
コーデック19は、ファックス送受信等のためにイメージデータの圧縮符号化及び復号を行う。モデム20は、ファックス伝送制御手順に基づいて送信データの変調及び受信データの復調を行う。ネットワーク制御装置21は、公衆電話回線との間の接続を制御するとともに、相手先端末の電話番号に対応したダイヤル信号を送出する機能、及び、着信を検出するための機能を備えている。
【0020】
次に、ROM12に記憶されているプログラムによってMPU11が実行するファックス送信処理を図1〜図3に示すフローチャートに従って説明する。このファックス送信処理は、ファックスモードにおいて原稿の画像が読取部14によって読み取られるとともにその画像データが画像メモリ18に蓄積された後に実行される。
【0021】
ファックス送信処理においては、まず、ステップS(以下、単にSと略記する。)100において、閉域通信モードが設定されたか否かが判定される。この閉域通信モードとは、ファックス送信時に、回線接続された相手先通信端末に予め登録されているパスコードと、送り手側の通信端末、すなわち自端末に予め登録されているパスコードとを照合した上で画像データの送信を行うものである。すなわち、この閉域通信モードは、同一のパスコードが予め登録されている通信端末間だけで画像データの送受信を行うことができるようにすることにより、送り手側の操作者による発呼番号の入力間違いや通信上の原因によって回線接続された誤った相手先端末への画像データ送信を防止しようとするものである。
【0022】
S100で閉域通信モードが設定されていると判定されたときには、次にS101において、操作者のテンキー操作により発呼番号又は短縮番号が入力されたか否かが判定される。
【0023】
S101において発呼番号又は短縮番号が入力されると、次にS102において、操作者によりスタートキーが押されたか否かが判定される。S102でスタートキーが押されたと判定されると、次にS103において、前記S101で指定された発呼番号が回線に送り出される。S103の終了後、次に、S104において、相手先端末からの被呼局識別信号(CED信号)の受信の有無に基づき、相手先端末に接続されたか否かが判断される。S104で相手先端末に接続されていないと判断されると、次にS105において相手先端末が話中であるか否かが判断されるとともに、話中であったときにはこの処理が一旦終了される。この場合には、その終了時点から所定時間経過後にS103からの処理が繰り返し実行される。そして、このS103からの処理を所定回数だけ実行しても自端末が相手先端末に接続されないときには、この処理が終了される。
【0024】
また、S104で相手先端末に接続されたと判断されると、次にS106において、相手側端末に予め登録されているパスコードを同相手側端末から受信したか否かが判定される。そして、相手側端末からパスコードを受信すると、次にS107において、自端末に予め登録されているパスコードと、相手側端末から受信したパスコードとが照合される。そして、両パスコード同士が一致しなかったときには、接続された相手先端末が正しい相手側端末とは異なると判断され、このファックス送信処理が終了される。
【0025】
一方、S107において、両パスコード同士が一致したときには、接続された相手先端末が正しい相手側端末であると判断される。この場合、次にS200において、相手先端末からコードデータとしての非標準機能識別信号(以下、NSF信号)を受信したか否かが確認される。S200でNSF信号の受信を確認しないときには、S201とS200との実行により、相手先端末に接続された時点からNSF信号を受信していない経過時間が所定の設定時間T1を超えたか否かが監視される。そして、その経過時間が設定時間T1を超えたときには、次にS209において、このファックス送信処理が送信エラーとなったことを示す表示が表示部17においてなされた後に、このファックス送信処理が終了される。
【0026】
一方、S200でNSF信号の受信を確認したときには、次に、S202において、前記NSF信号に含まれる相手先端末のメーカコード及び製造国コードが、自端末のメーカコード及び製造国コードと同じであるか否かが判別される。そして、相手先端末のメーカコード及び製造国コードが共に自端末のメーカコード及び製造国コードと一致したときには、例えば図5(a)に示すように、相手先端末の製造国及びメーカが自端末の製造国及びメーカと同じである旨のメッセージ17aが表示部17に表示される。同時に表示部17には、この相手先端末に対して画像データを送信するか否かの選択操作を送り手側の操作者に促すメッセージ17aが表示される。このとき、表示部17には、画像データの送信の実行を送り手側の操作者に選択操作させるための機能キー17bと、画像データの送信の中止を同じく送り手側の操作者に選択操作させるための機能キー17cとが表示される。
【0027】
また、S202において、相手先端末のメーカコードが自端末のメーカコードと一致しなかったときには、例えば図5(b)に示すように、相手先端末のメーカが自端末のメーカと一致しない旨のメッセージ17aが表示部17に表示される。同時に、表示部17には、この相手先端末に対して画像データを送信するか否かの選択操作を操作者に促すメッセージ17aが表示される。このとき、表示部17には、画像データの送信の実行を操作者に選択させるための機能キー17bと、画像データの送信の中止を操作者に選択させるための機能キー17cとが表示される。また、S202において、メーカコードは一致したものの相手先端末の製造国コードが自端末の製造国コードと一致しなかったときには、図5(b)と同様に、相手先端末の製造国コードが自端末の製造国コードと一致しない旨のメッセージと、機能キー17b,17cとが表示部17に表示される。さらに、S202において、メーカコードと製造国コードが共に自端末のメーカコード及び製造国コードと一致しなかったときには、メーカコード及び製造国コードが自端末のメーカコード及び製造国コードと一致しない旨のメッセージと、機能キー17b,17cとが表示部17に表示される。
【0028】
次にS203において、表示部17に表示されたメッセージ17aによって画像データ送信の実行又は中止の選択操作が送り手側の操作者に促されている状態において、表示部17に表示されている機能キー17b,17cのいずれかが押されたか否かが判定される。そして、機能キー17b,17cのいずれも押されていないと判定されると、次にS204において、S202でメッセージを表示した時点からの経過時間が、予め設定されている設定時間T2を超えたか否かが判定される。そして、S204において経過時間が設定時間T2を超えたと判定されると、前記S209が実行された後にこのファックス送信処理が終了され、画像データ送信が中止される。
【0029】
一方、S203において、機能キー17b,17cのいずれかが押されたと判断されると、次に、S205において、機能キー17b,17cのうちのいずれが押されたかが判定される。そして、送信のための機能キー17bが押されたと判定されたときには、送り手側の操作者が画像データを送ろうとした相手先端末と、現在接続されている相手先端末とが同一であると送り手側の操作者が判断したというように判定される。この場合、次にS206において、画像データが相手先端末に送信される。次に、S207において、相手先端末に手順終了信号(EOP信号)を送信した後、相手先端末からのメッセージ確認信号(MCF信号)の受信の有無が確認される。次に、S208において、相手先端末に切断命令信号(DCN信号)が送信されて回線が切断される。
【0030】
また、前記S205において、非送信のための機能キー17cが送り手側の操作者によって押されたと判定されると、同操作者が画像データを送ろうとした相手先端末と、現在接続されている相手先端末とが異なっていると同操作者が判断したというように判定される。この場合、次に、前記S209の処理が実行された後、このファックス送信処理が終了され、画像データ送信が中止される。
【0031】
また、前記S100で閉域通信モードが設定されなかったときには図3にフローチャートを示す通常通信モードとなり、閉域通信モードにおけるS101〜S105,S200〜S209において実行される処理と同じ処理がS300〜S314において実行される。但し、この通常通信モードにおいては、閉域通信モードとは異なり、そのS106,S107において実行される自端末と相手先端末との間におけるパスコードの照合は行なわれない。この通常通信モードにおいても、閉域通信モードにおけるS202と同様に、相手先端末から受信したNSF信号から同相手先端末が自端末と同じメーカ製及び製造国製であるか否かを判別する処理と、その判別結果の表示及び画像データ送信の実行又は中止の選択操作を促す表示とがS307において実行される。また、閉域通信モードにおけるS203,S205と同様に、表示部17にメッセージ17aを表示するとともに機能キー17b,17cに対する選択操作に基づいて画像データ送信を実行又は中止させる処理がS308,S310において実行される。
【0032】
以上のように、この実施形態の複合機10においては、接続された相手先端末から受信したNSF信号(コードデータ)に基づき、同相手側端末が自端末と同じメーカ製及び製造国製であるか否かをMPU11が判定する。そして、この判別結果を示すとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を促すメッセージ17aが表示部17に表示される。また、画像データ送信の実行又は中止を選択操作するための機能キー17b,17cが表示部17に表示される。そして、この機能キー17b,17cに対する選択操作に基づいて、画像データ送信の実行又は中止が行われる。このため、送り手側の操作者は、画像データ送信を送信するために接続された相手側端末が初めて接続する相手側端末であっても、この相手先端末が自端末と同じメーカ製及び製造国製であるか否を画像データの送信前に知ることができる。そして、送り手側の操作者は、その相手先端末が正しい相手先端末であるか否かをその情報から判断するとともに、その判断結果に基づいて画像データ送信の実行又は中止を選択することができる。従って、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データ送信を有効に防止することができる。
【0033】
また、画像データ送信の実行又は中止の選択操作を促すメッセージ17aを表示部17に表示した時点から機能キー17b,17cに対する操作が行われない状態における経過時間が設定時間T2を超えたときには、MPU11により画像データの送信が中止される。このため、相手先端末が自端末と同じメーカ製及び製造国製であるか否かを送り手側の操作者が知っても、画像データの送信の実行又は中止を即座に判断できないときには、同操作者が不用意に画像データを送信しないようにすることができる。従って、誤って接続された相手先端末への画像データの送信をより有効に防止することができる。
【0034】
さらに、上記実施形態の複合機10においては、送り手側の操作者により閉域通信モードが設定されると、回線接続された相手先端末から受信したパスコードと、自端末に予め登録されているパスコードとが照合される。そして、相手先端末から受信したパスコードが自端末のパスコードとが一致したとき、すなわち、その相手側端末が正しい相手側端末であったときにのみ、MPU11が画像データの送信を実行する。従って、誤って接続された相手先端末への画像データの送信をより有効に防止することができる。
【0035】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 報知手段を、表示部17に代えて、相手先端末が自端末と同じメーカ製及び製造国製であるか否かを合成音声により送り手側の操作者に報知する音声生成部としてもよい。
【0036】
・ 相手先端末の製造国コードのみを自端末の製造国コードと照合する構成としてもよい。また、相手先端末のメーカコードのみを自端末のメーカコードと照合する構成としてもよい。
【0037】
次に、上記各実施形態から把握される技術的思想を記載する。
・ 画像データ送信のために接続された相手先端末から受信したコードデータに基づいて同相手側端末が自端末と同じ製造国製であるか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果を送り手側の操作者に報知するとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を同操作者に促す報知手段と、画像データ送信の実行又は中止を前記操作者に選択操作させるための操作手段と、前記報知手段によって選択操作が促されている状態における前記操作手段に対する選択操作に基づき、画像データ送信を実行又は中止させる送信制御手段とを備えたことを特徴とする通信端末装置。このような構成によれば、発呼番号の入力間違いや通信上の原因により誤って接続された相手先端末への画像データ送信を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一実施形態の複合機が実行するファックス送信処理の一部を示すフローチャート。
【図2】同じくファックス送信処理の一部を示すフローチャート。
【図3】同じくファックス送信処理の一部を示すフローチャート。
【図4】複合機の構成を示すブロック図。
【図5】(a),(b)は共にメッセージ及び機能キーが表示された表示部を示す正面図。
【符号の説明】
【0039】
10…通信端末装置としての複合機、11…報知手段及び操作手段を構成する判別手段、送信制御手段、副判別手段及び送信制限手段としてのMPU、16…操作手段を構成する操作部、17…報知手段を構成する表示部、T2…設定時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ送信のために接続された相手先端末から受信したコードデータに基づいて同相手側端末が自端末と同じメーカ製であるか否かを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果を送り手側の操作者に報知するとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を同操作者に促す報知手段と、
画像データ送信の実行又は中止を前記操作者に選択操作させるための操作手段と、
前記報知手段によって選択操作が促されている状態における前記操作手段に対する選択操作に基づき、画像データ送信を実行又は中止させる送信制御手段とを備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記コードデータに基づいて前記相手先端末が自端末と同じ製造国製であるか否かを判別する副判別手段を備え、
前記報知手段は、前記副判別手段による判別結果を操作者に報知するとともに画像データ送信の実行又は中止の選択操作を同操作者に促すことを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、前記操作手段に対する選択操作が行われない状態における経過時間が設定時間を超えたときには、画像データ送信を中止させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
接続された相手側端末から受信したパスコードを、自端末に予め登録されているパスコードと照合し、両パスコードが一致したときに画像データの送信を許可する送信制限手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−184901(P2007−184901A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310544(P2006−310544)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】