説明

通信装置、通信方法、および通信プログラム

【課題】
ネットワーク上の通信経路の端点間のMTU値を高精度かつ高速に導出する。
【解決手段】
本発明による通信装置は、受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送手段と、前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算手段と、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送手段に転送する通知手段と、前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送手段に転送する再送信手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークの保守・管理機能を備える通信装置、通信方法、および通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新たなパケットトランスポート技術として、IETF(Internet Engineering Task Force)によって、MPLS−TP(Multiprotocol Label Switching−Transport Profile)という技術の標準化が進められている。
【0003】
MPLS−TPは、SONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)技術によるトランスポートネットワークに対して、パケットサービスの収容に最適なパケットトランスポートネットワークを実現することを目的としている。MPLS−TPは、既存のMPLS(Multiprotocol Label Switching)技術から抽出したサブセットの機能と新たな追加機能から構成されている。
【0004】
MPLS−TPのネットワークアーキテクチャは、Data−Plane(D−Plane)、Management−Plane(M−Plane)、Control−Plane(C−Plane)の3つのPlaneから構成される。M−Planeでは、MPLS−TP網を構成する装置、LSP(Label Switch Path)の監視、制御などを行う。C−Planeでは、装置間のシグナリングによってM−Plane制御下ではないLSPのセットアップ、メンテナンスなどを行う。D−Planeでは、既存MPLSのラベルスイッチング処理、カプセル化処理に準じ、データ転送を行うと共に、OAM(Operations、Administration、Maintenance)と呼ばれる、ネットワークの保守・管理機能を備える。
【0005】
MPLS−TPは、これら3つのPlaneを論理的(または物理的)に分離し、D−PlaneがC/M−Planeに対して独立に動作するアーキテクチャである。このアーキテクチャにより、MPLS−TPは、IP(Internet Protocol)レイヤへの依存性、複雑さを排除し、トランスポートネットワークに要求される堅牢性を確保している。また、既存MPLSのOAMはIPレイヤに依存しているため、MPLS−TPのD−PlaneのOAM機能には、IPレイヤに依存しない新たなOAM機能が追加されている。
【0006】
また、MPLS−TPのレイヤ構造は3階層からなり、IETF標準のMPLSと、MPLSネットワーク上に仮想的なPoint−to−Pointのパスを構成するPWE3(Pseudo Wire Emulation Edge to Edge)技術を利用して構成されるMPLS−TPのトランスポートレイヤをTransport Network Layerと呼ぶ。Transport Network Layerの上位レイヤをClient Layerと呼び、PWE3技術によって様々なレイヤ技術の収容を可能としている。下位レイヤはServer Layerと呼び、既存MPLSと同様にMPLS−TP網内のノード間の伝送で各種レイヤ技術を利用可能としている。
【0007】
このMPLS−TP機能を持つ装置によって構成されるMPLS−TP網では、PWE3技術とMPLS技術によって、網のエッジノードであるLER(Label Edge Router)間にEnd−Endのパスが2階層(PWパスとLSPパス)構築されている。Client Layerから受信したフレームは2段のMPLSラベル(PWラベルとLSPラベル)でカプセル化され、パス上を転送される。また、パスの特定の区間でMPLSラベルをスタックして、LSPパスを階層化することで、OAM機能によってその区間の監視や保守などを行うことができる。
【0008】
上記のように、OAM機能によりパスの特定の区間でLSPパスを階層化して区間の監視や保守を行う場合、OAMフレームを送る際のMTU(1回で転送できるデータ量の最大値:Maximum Transmission Unit)の検出方法が課題となっている。
【0009】
上記の場合のパケット転送動作を図16、図17に示す。図16では、通信装置10と通信装置30の間にPWパス61とLSPパス41が構築されている。さらに、通信装置20と通信30の区間にさらにもう一階層、監視用のLSPパス81が構築されている。このLSPパス81の区間を転送する際には、もう一段のMPLSラベルがスタックされる構成となっている。この場合のMPLSラベルとは、パケットが監視用のLSPパス81を通過したことを示すラベルである。
【0010】
ここで、図16のネットワークにおけるパケット転送動作の例を図17に示す。図17では、Client LayerおよびServer LayerがEthernet(登録商標)である。また、通信装置10から20、および通信装置20から30の間のデータリンクのMTUが1500バイトである場合を想定している。
【0011】
まず、通信装置10では、PWE3技術によって、Client Layerで受信したEthernetフレームのFCS(Frame Check Sequence)を除くすべてのフィールドがPWラベルとLSPラベルでカプセル化される。このカプセル化を考慮し、Client LayerのMTUを1478バイトに設定したとする。
【0012】
以下、通信装置10が、ペイロードが1478バイトのEtherフレームを受信した場合の動作について詳細に説明する。まず、通信装置10は、Client Layerからの1478バイトのペイロードのEtherフレームを受信する(図17(1))。Etherフレームは、PWラベルとLSPラベルでカプセル化される(図17(2))。Etherヘッダは14バイトであり、PWラベルとLSPラベルは、それぞれ4バイトであるため、Etherフレームは1500バイトとなる。このEtherフレームには、Server LayerのEtherヘッダが付与され、ペイロードが1500バイトのEtherフレームとして転送される(図17(3))。通信装置10から20の間のMTUは1500バイトのため、このフレームは、通信装置20まで到達することができる。
【0013】
通信装置20では、まず受信したEtherフレームのServer LayerのEtherヘッダを削除する。次に、Etherフレームの次の転送先が通信装置30であることを認識する。Etherフレームを通信装置30に転送するには、監視用LSPパス81を通過する必要があるので、さらにもう1つ、LSPラベルが付与される(図17(4))。このLSPラベルは4バイトであるため、通信装置20から送信するEtherフレームのペイロードは1504バイトになる(図17(5))。
【0014】
ここで、通信装置20から30の間のMTUは1500バイトのため、EtherフレームはMTUオーバーとなり、通信装置30へ転送することができなくなる。
【0015】
このように、パスの送信元ノード(上記の例では通信装置10)では、パスの途中で想定より余分にラベルスタックされることを予測することができない。従って、経路の途中であっても、MTUオーバーが発生するようなサイズで送信してしまい、End−Endでのフレーム転送が不可能となってしまう問題が発生する。
【0016】
IPレイヤでは、同類の問題に対する解決手段として、特許文献1に記載されているような、Path MTU Discoveryプロトコルが存在する。Path MTU Discoveryプロトコルは、IPレイヤにて、ある通信装置(ルータ)がMTU値を超えるフレームを受信した際に動作する。通信装置は、ICMP(Internet Control Message Protocol)の宛先到達不能通知(Destination Unreachable Message)に、適切なMTU値を記載し、フレームの送信元へ返信する。フレームの送信元の通信装置は、宛先到達不能通知を受け、記載されたMTU値に自動修正する。
【0017】
また、特許文献2では、IEEE802.1agやITU−T Y.1731で勧告化されているEtherOAMのCC(Continuity Check)機能を利用する技術が記載されている。具体的には、CCM(Continuity Check Message)フレームのサイズを1バイトずつ変えて送信し、CCMを受信する通信装置で到達/未達のフレーム長をチェックするという方法が開示されている。これにより、End−Endでの転送が不可能なフレーム長を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2007−180686号公報
【特許文献2】特許第4340300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなPath MTU Discoveryプロトコルは、IPレイヤでの使用が前提となっている。さらに、Path MTU Discoveryを単純にMPLS−TPに適用することは難しい。
【0020】
Path MTU Discoveryでは、各通信装置が各区間のMTU値をあらかじめ把握しておくことが前提となっている。そのため、Path MTU DiscoveryをMPLS−TPに適用しようとする場合には、パスの全区間のラベルスタック段数とMTUサイズを考慮のうえ、End−Endで転送不可が発生しないように、送信元ノードのClient LayerのMTUを調整する作業が必要となる。もし、送信元ノードがラベルスタック段数やMTUを知ることができない区間が存在した場合には、この問題を解決することはできない。
【0021】
特許文献2に記載の技術によれば、End−Endでの転送が不可能なフレーム長を検出することが可能である。しかしながら、特許文献2に記載の技術には、以下に挙げるような課題が存在する。
(1)転送不可能なフレーム長を高精度で検出するためには、上述のようにCCMフレームのサイズを1バイトずつ変えて送信する必要があるが、検出するまでに時間がかかってしまう。
(2)CCMフレームサイズを1バイト以上ずつ(例えば2バイトずつ、4バイトずつ等)変更していけば、検出までにかかる時間は短くなるが、検出精度は低くなってしまう。
【0022】
従って、転送可能なフレーム長を検出する精度を高精度に保ったまま、検出にかかる時間を短くすることが課題であるといえる。
【0023】
本発明の目的は、上述した課題を解決することが可能な、通信装置、通信方法、通信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明による通信装置は、受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送手段と、前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算手段と、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送手段に転送する通知手段と、前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送手段に転送する再送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明による通信方法は、受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送ステップと、前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算ステップと、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送ステップにより転送する通知ステップと、前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送ステップにより転送する再送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明による通信プログラムは、受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送処理と、前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算処理と、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送処理により転送する通知処理と、前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送処理により転送する再送信処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、高精度、かつ高速に通信経路の端点間のMTU値を求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のMTU検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の概要を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図5】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図6】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図7】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図8】第1の実施形態の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第1の実施形態の通信装置が保持するテーブルを示す図である。
【図11】第1の実施形態の通信装置が保持するテーブルを示す図である。
【図12】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図13】第1の実施形態の動作概要を示す図である。
【図14】第2の実施形態の動作概要を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態の通信装置の構成を示すブロック図である。
【図16】背景技術の動作概要を示す図である。
【図17】背景技術の動作概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
<第1の実施形態>
(構成と動作概要)
図1は、本発明の第1の実施形態による通信装置の構成を示すブロック図である。図1の通信装置10は、フレーム転送部11、ラベルテーブル12、OAM処理部13、MEPテーブル14、MTU検出部15、MTU管理テーブル16、ポート17、ポート18を含む。なお、各機能の詳細については後述する。
【0031】
図3は、図1に示した通信装置を用いて構築したMPLS−TP網を示すブロック図である。図3のMPLS−TP網は、3個の通信装置、通信装置10、通信装置20、通信装置30を含んでいる。なお、これらの通信装置は、すべて図1に示す通信装置10と同様の構成である。
【0032】
各通信装置は、それぞれ送信装置、中継装置、受信装置として動作することができ、各々が伝送媒体を介して接続している。通信装置10と通信装置30との間に中継装置を介して、論理的なパス40およびパス50を張ることにより、MPLS−TP網を構築している。
【0033】
具体的には、通信装置10と通信装置20の間には、パス40−1とパス50−1が張られている。同様に、通信装置20と通信装置30の間には、パス40−2とパス50−2が張られている。
【0034】
パス40−1およびパス40−2は、通信装置10(送信側)から通信装置30(受信側)の方向にトラフィックを転送する際に使用するパスである。パス50−1およびパス50−2は、通信装置30(受信側)から通信装置10の方向にトラフィックを転送する際に使用するパスである。
【0035】
また、通信装置10、通信装置20、通信装置30の間を接続する伝送媒体はServer Layerの伝送媒体である。一方、通信装置10および通信装置30とMPLS−TP網の外部の通信装置(図では非表示)と接続している伝送媒体がClient Layerの伝送媒体である。
【0036】
なお、図3において、中継装置として動作する通信装置を通信装置20の1個のみ図示しているが、中継装置が複数存在していても、同様に動作する。
【0037】
また、図3において、通信装置10を送信装置、通信装置30を受信装置としているが、いずれもその用途に限られない。つまり、通信装置10が受信装置、通信装置30が送信装置としても動作することができる。
【0038】
通信装置10の各機能について、以下、詳細に説明する。なお、以下の機能は通信装置20、通信装置30においても同様であるため、説明は省略する。
【0039】
まず、フレーム転送部11とラベルテーブル12について、図8および図9を用いて詳細に説明する。
【0040】
フレーム転送部11は、PW処理部111とMPLS処理部112とを含む。PW処理部111とMPLS処理部112は、それぞれ既存PWE3とMPLSの規格に準じたラベル処理を行う。このラベルの処理とは、例えば、ラベルの検索、付与(Push)、削除(Pop)、変更(Swap)を含む。また、送受信フレームに対して、MTU管理テーブル16を参照してのMTUチェック、ユーザーデータフレームとOAMフレームの判別、Server Layer、Client Layerの伝送媒体のヘッダの付与および削除を行う。
【0041】
なお、図9に示すように、通信装置20および通信装置30は、通信装置10と同様に、PW処理部211、311、MPLS処理部212、312を含む。
【0042】
ラベルテーブル12は、PWラベルテーブル121とLSPラベルテーブル122とを含む。PWラベルテーブル121は、フレームのヘッダやポートの情報とPWラベルの情報が対応付けられたエントリを持ち、PW処理部111から参照される。LSPラベルテーブル122は、入力ラベルの情報と出力ラベルの情報、ラベルの処理アクションおよび出力ポートが対応付けられたエントリを持ち、MPLS処理部112から参照される。
【0043】
PWラベルテーブル121とLSPラベルテーブル122の構成例を図10、図11に示す。なお、図9に示すように、通信装置20および通信装置30は、通信装置10と同様にPWラベルテーブル221、321、LSPラベルテーブル222、322を含む。
【0044】
OAM処理部13は、OAMフレームの生成、終端を行う。具体的には、MPLS−TPの規格のなかで定義されている標準的なOAM機能に加えて、パスMTUの検出を行う機能を有する。
【0045】
ここで、パスMTUとは、あるパスの端点間で通信を行うために必要なMTUを示す。MTU確認/応答フレームの処理は、パスMTUの検出機能を有するMTU検出部15を介して行われる。
【0046】
図2は、通信装置10のMTU検出部15、通信装置20のMTU検出部25、通信装置30のMTU検出部35の詳細な構成を示すブロック図である。通信装置10のMTU検出部15は、計算部151、通知部152、送信可否判断部153、フレーム生成部154を含んで構成される。同様に、通信装置20のMTU検出部25は、計算部251、通知部252、送信可否判断部253、フレーム生成部254を含んで構成される。通信装置30のMTU検出部35は、計算部351、通知部352、送信可否判断部353、フレーム生成部354を含んで構成される。MTU検出部15と、MTU検出部25およびMTU検出部35は、いずれもその構成および動作は同様のものであるので、以下では適宜説明を省略する。
【0047】
MTU検出部15は、通信装置10が、送信装置か、中継装置か、もしくは受信装置か、によってその動作が異なっている。以下、送信装置を通信装置10、中継装置を通信装置20、受信装置を通信装置30として、本実施形態の動作概要について説明する。
【0048】
まず、パスの端点ノードである通信装置10(送信側)では、OAM処理部13が特定のフレームサイズのMTU確認フレームを生成し、通信装置30(受信側)宛に送信する。
【0049】
通信装置20(中継)では、送信可否判断部253が、受信したMTU確認フレームがMTUオーバーかどうかを判断する。MTU確認フレームがMTUオーバーと判断された場合には、通知部252が、転送不可のMTU応答フレームを生成し、転送可能なフレームサイズの情報を付加する。転送不可のMTU応答フレームを送信装置10に返信する。
【0050】
受信装置30では、通信装置30までMTUオーバーとならずにMTU確認フレームが到達した場合には、通知部352が転送可能のMTU応答フレームを通信装置10に返信する。また、各通信装置では、これらの処理により得られたMTUに関する情報をMTU管理テーブル16、26、36の「パスMTU」に登録する。中継装置20から転送不可のMTU応答フレームを受信した送信装置10の計算部151は、そのフレーム内に格納されている転送可能なフレームサイズの情報を抽出する。フレーム生成部154において、転送可能なフレームサイズのMTU確認フレームを生成して、再度、通信装置30へ送信する。この確認/応答処理を繰り返すことで、End−End(通信装置10−通信装置30)の転送可能なフレームサイズ(パスMTU)の検出を行う。
【0051】
MEP(Maintenance End Point)テーブル14は、パスの端点に定義される自MEPと対向MEPの識別子、OAMフレームに付与すべきパスのラベル情報とを対応付けたエントリを持ち、OAM処理部13から参照される。
【0052】
MTU管理テーブル16は、Client/Server Layerの伝送媒体と接続しているポートとそのMTU、パスの識別子とそのパスMTUとを対応付けたエントリが登録されている。
【0053】
MEPテーブル14とMTU管理テーブル16の構成例を図10、11に示す。
【0054】
(動作の詳細説明)
本発明の第1の実施形態の各通信装置の動作について、以下詳細に説明する。
【0055】
図4は、図1にある通信装置を用い、MPLS−TP網を構築した本発明の実施形態によるネットワークを示す図である。
【0056】
図4のネットワークにおいて、通信装置10、20、30は伝送媒体を介して、それぞれポート18、27、28、37で接続されている。また、通信装置10、通信装置30は、それぞれポート17、38で外部のネットワークと接続されている。
【0057】
以下では、通信装置10、20、30がそれぞれ、送信装置、中継装置、受信装置として働く場合の例を示す。なお、上述したように通信装置10、20、30はそれぞれ受信装置、中継装置、送信装置として逆方向に動作することも可能である。
【0058】
通信装置10と通信装置30の間には、通信装置10から通信装置30の方向にLSPパス41とPWパス61が張られている。また、通信装置30から通信装置10の方向にLSPパス51とPWパス71が張られている。通信装置20は、これらのパスを通過するフレームまたはパケットを中継する。LSPパス41およびPWパス61と、LSPパス51およびPWパス71とが双方向に2階層で対に張られることで、MPLS−TP網が構築されている。さらに、通信装置20から通信装置30の方向には、通信装置20から通信装置30の区間を監視するための監視用LSPパス81が張られているとする。
【0059】
通信装置10、20、30の間の伝送媒体のMTU92、MTU93は1500バイトであるとする。また、通信装置10、30と外部を接続している伝送媒体のMTU91、MTU94のMTUは、別途設定されている場合もあるが、本実施形態においては、各通信装置のMTU検出部15、25、35によって得られたパスMTUに基づいて設定される。
【0060】
通信装置10、20、30は図1および図3と同様の構成であり、それぞれ、フレーム転送部11、21、31、ラベルテーブル12、22、32、OAM処理部13、23、33、MEPテーブル14、24、34、MTU検出部15、25、35、MTU管理テーブル16、26、36を備える。なお、各通信装置の詳細の構成については、図1および図3と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0061】
それぞれのラベルテーブル、MEPテーブル、MTU管理テーブルは固定的に登録されるものであり、本実施形態では既に設定されているものとする。ただし、MTU管理テーブルのパスMTUの値は、MTU検出部の処理結果に応じて、更新される。また、ラベルテーブル中のPWラベルテーブル121、221、321は、Client Layerの伝送技術によっては、フレームのヘッダとポート、PWラベルの関係を学習し、動的に登録する動作が必要な場合もある。本実施形態では、動的な動作も許容する。以下では、フレームの転送に必要なエントリは既に登録済みであることとして説明する。
【0062】
各通信装置のLSPラベルテーブル、PWラベルテーブル、MTU管理テーブル、MEPテーブルの構成例を図10、図11に示す。図10および図11に示した例を用いて、PWパス61のパスMTUを検出する動作について説明する。図12にその動作例を示す。
【0063】
図12(1)の動作について以下に説明する。通信装置10のMTU検出部15のフレーム生成部154は、PWパス61に対してMTU確認フレームを生成する。このMTU確認フレームを送信するタイミングは、様々なものが考えられる。例えば、ネットワークのオペレータの命令をトリガとしてMTU確認フレームを送信する方法が挙げられる。また、ネットワーク上の各通信装置が立ち上がり、何らかのプロトコルにより通信装置間のパスが確立され、通信装置間での通信が可能になった時点で、送信装置として動作する通信装置がMTU確認フレームを送信しても良い。
【0064】
また、上記の例のようなタイミングでMTU確認フレームを送信した後、周期的にMTU確認フレームを送信する方法も考えられる。この場合には、定期的にパスMTUサイズを監視することが出来るため、パスが突然変更となった場合でも、自動で対応することが可能となる。
【0065】
まず、MTU検出部15のフレーム生成部154は、MTU管理テーブル16(図10)を参照し、PWパス61に関連付けられたパスMTUを読み出す。初期状態では、このパスMTUには、ポート18の伝送媒体のMTU92の値1500からLSPラベルのサイズ4を引いた値(1496=1500−4)が格納されている。次に、MEPテーブル14から、PWパス61に関連付けられた自MEP ID(M1)と対向MEP ID(M2)とPWラベル(A)を読み出す。
【0066】
さらに、フレーム生成部154は、パスMTU、自MEP ID、対向MEP IDに加えて、ユーザーデータフレームとOAMフレームの区別と、MTU確認/応答フレームと他のOAMフレームの区別を行うためのACH(Associated Channel)ヘッダを格納する。フレーム生成部154は、合計1492バイトにパディングしたMTU確認フレームを生成する。このMTU確認フレームをPWラベル(A)でカプセル化し、フレーム転送部11のMPLS処理部112に転送する。なお、PWラベル(A)でカプセル化された時点でのMTU確認フレームのサイズは合計1496バイトである。
【0067】
フレーム転送部11のMPLS処理部112では、既存のMPLSの規格に準じて処理が行われる。具体的には、PWラベル(A)に基づいてLSPラベルテーブル122から対応するLSPラベル(C)を検索し、LSPラベル(C)の付与(Push)と出力するポート(18)を決定する。LSPラベル(C)をPushされたMTU確認フレームのサイズは合計1500バイトである。MTU確認フレームのサイズ1500は、ポート18の伝送媒体のMTU92(1500)を超えないため、ポート18の伝送媒体のヘッダ(図12ではEtherヘッダ)を付与して、通信装置20に送信される。
【0068】
続いて、図12(2)の動作について以下に説明する。MTU確認フレームを受信した通信装置20では、まずフレーム転送部21にて、伝送媒体のヘッダ(Etherヘッダ)を削除する。
【0069】
続いて、MPLS処理部212で、LSPラベル(C)をキーにLSPラベルテーブル222を検索する(図10)。ここでは、通信装置20と通信装置30との間に監視用LSPパス81が張られているため、送信時のLSPラベル(E)、処理アクション(Push)、出力ポート(28)が得られる。
【0070】
これに従って、MTU確認フレームにLSPラベル(E)をPushした後、MTU検出部15の送信可否判断部153は、MTU管理テーブル26を参照して、出力ポート28のMTU93(1500)と比較する。LSPラベル(E)のPushにより、MTU確認フレームのサイズは1504バイトになっているため、MTU93を上回り、MTUオーバーとなる。
【0071】
MTUオーバーの場合には、ACHヘッダの有無で、OAMフレームかユーザーデータフレームかが判定される。ACHヘッダを含まない場合は、ユーザーデータフレームであり、この場合は廃棄される。MTU確認フレームはACHヘッダを含むため、OAMフレームと判定され、OAM処理部23へ転送される。
【0072】
OAM処理部23のMTU検出部25の通知部252では、MTUオーバーのMTU確認フレームを受信した場合、MTU確認フレーム送信元である通信装置10に応答するためのMTU応答フレームを生成する。
【0073】
最初に、出力ポート28から送信可能なフレームのサイズを、ポート28のMTU93(1500)からLSPラベル(C)のサイズ(4)と監視用LSPラベル(E)のサイズ(4)を引いて求める。この値は1492(=1500−4−4)となる。この値を、MTU応答フレーム内のパスMTUフィールドに格納する。MTU応答フレームには、MTU確認フレームが転送不可であったことを示す情報(転送可否ビット=1:不可)と、この通信装置の識別子(20)と、MTU確認フレーム内の自MEP ID(M1)、対向MEP ID(M2)、ACHヘッダを格納する。
【0074】
次に、MTU確認フレーム内の自MEP ID(M1)を対向MEP IDとして、MEPテーブル24を検索し、通信装置10の方向に転送するためのPWラベル(B)を読み出して、MTU応答フレームをこのPWラベル(B)でカプセル化し、フレーム転送部21のMPLS処理部212へ転送する。
【0075】
フレーム転送部21のMPLS処理部212は、PWラベル(B)をキーにLSPラベルテーブル222からLSPラベル(D’)と出力ポート27を検索し、LSPラベル(D’)の付与(Push)を行い、ポート27の伝送媒体のヘッダ(Etherヘッダ)を付与して、通信装置10に送信する。
【0076】
図12(3)の動作について、以下に説明する。通信装置10は、転送不可(NG)のMTU応答フレームを受信する。フレーム転送部11は、MTU応答フレームの伝送媒体のヘッダ(Etherヘッダ)を削除する。その後、ACHヘッダからMTU応答フレームがOAMフレームかどうかを判定し、OAMフレームの場合には、OAM処理部13へ転送する。ユーザーデータフレームの場合には、MPLS処理部112で、LSPラベル(D’)をキーにLSPラベルテーブル122を検索する。検索結果から、LSPラベル(D’)を削除(Pop)後、PWラベル(B)をキーにPWラベルテーブル121を検索する。検索結果から出力ポート17を決定して、PWラベル(B)を削除(Pop)し、出力ポート17の伝送媒体のヘッダ(Etherヘッダ)を付与して送信する。
【0077】
OAM処理部13のMTU検出部15の計算部151は、MTU応答フレームに格納されている転送可否ビットが不可の場合、自MEP ID(M1)をキーにMEPテーブル14から関連するPWパスの番号(61)を求める。次に、MTU管理テーブル16内のPWパス61に関連付けられたパスMTU(1496)をMTU応答フレームに格納されているパスMTUの値(1492)に更新する。
【0078】
ここで、MTU応答フレームに格納してある通信装置の識別子を読み出すことで、パス上のどの装置でMTUオーバーとなったかを判断することができる。この例では、通信装置の識別子として「20」が格納されているので、通信装置20においてMTUオーバーとなったことがわかる。
【0079】
MTU確認/応答フレームをカプセル化しているLSPラベル、PWラベルのTTL(Time To Live)は、パスの端点装置間のホップ数より大きい値を設定しておく必要がある。なお、ホップ数は、どのようにして設定しても良いが、代表的な方法としては、ネットワークのオペレータが各通信装置に対してあらかじめ設定しておくことが挙げられる。もしくは、各通信装置間でホップ数を通知し合うような一般的なプロトコルを動作させ、通信装置各々が自動的に取得したものを用いる方法も考えられる。
【0080】
ここまでのMTU確認/応答フレームの転送経路を図5に示す。通信装置10は、PWパス61のパスMTUを求めるために、MTU確認フレームを送信した。通信装置20はMTU確認フレームを受信することができた。しかし、監視用LSPパス81のラベルを付与するとMTUオーバーとなってしまうため、通信装置30に向けてMTU確認フレームを送信することはできなかった。その後、通信装置20は、MTU確認フレームの送信元である通信装置10に向けて、MTU応答フレームを送信している。
【0081】
今回のMTU確認/応答フレームの処理では、PWパス61の終端点である通信装置30までのパスMTUを求めることができなかったため、図12(2)までの動作で新たに得られたパスMTUの値を使用して、再度、MTU確認フレームを生成し、PWパス61のパスMTUの検出を試みる。この再送処理は、転送不可の情報を持つMTU応答フレームを受信したら自動的に開始するようにしても良いし、オペレータからの命令により開始するようにしても良い。
【0082】
再び図12を用いて、本実施形態の動作について説明する。まず、図12(3)の動作について説明する。通信装置10のMTU検出部15のフレーム生成部154では、前回のMTU確認フレーム送信時と同様に、MTU管理テーブル16からPWパス61に関連付けられたパスMTUを読み出す。今回は、前回の処理で更新された1492という値を読み出す。パスMTUが1492であることから、PWラベル(A)のサイズ4バイトを考慮し、前回のMTU確認フレーム送信時と同じ情報を格納した合計1488バイトのMTU確認フレームを生成する。その後、PWラベル(A)でカプセル化して1492バイトとしたMTU確認フレームをフレーム転送部11のMPLS処理部112に転送する。MPLS処理部112でも、前回と同様にLSPラベル(C)のPushを行い、1496バイトになったフレームに出力ポート18の伝送媒体のヘッダを付与して通信装置20に送信する。
【0083】
MTU確認フレームを受信した通信装置20では、フレーム転送部21のMPLS処理部212にて、前回と同様に、監視用LSPラベル(E)のPushを行う。監視用LSPラベル(E)をPushしたときのMTU確認フレームは1500バイトである。従って、MTU確認テーブル26の出力ポート28のMTU93(1500)と比較しても、MTUオーバーにはならない。そのため、ラベル処理で決定した出力ポート28から伝送媒体のヘッダを付与して、通信装置30に送信する。
【0084】
続いて、図12(4)の動作について説明する。通信装置30は、フレームの受信後、フレーム転送部31にて、ポート37の伝送媒体のヘッダ情報を削除する。次に、ACHヘッダから、受信したフレームがユーザーデータフレームかOAMフレームかを判定し、OAMフレームの場合には、OAM処理部33へ転送する。ユーザーデータフレームの場合にはPW処理部311、MPLS処理部312でPWラベルテーブル321とLSPラベルテーブル322を参照して出力ポート38を決定し、PWラベル(A)、LSPラベル(E、C)を削除(Pop)後、ポート38の伝送媒体のヘッダ情報を付与して、次の通信装置に送信する。
【0085】
通信装置30が受信したフレームがOAMフレームである場合の処理について、以下に説明する。OAM処理部33は、フレーム転送部31からMTU確認フレームを受信する。OAM処理部33のMTU検出部35の通知部352では、MTU確認フレーム内の対向MEP ID(M2)と自装置が持つMEP ID(M2)を比較する。対向MEP IDと自装置が持つMEP IDが一致している場合には、MTU確認フレームがパスの終端点まで到達したと判定し、MTU応答フレームを生成する。
【0086】
MTU応答フレームには、MTU確認フレームが転送可能であったことを示す情報(転送可否ビット=0:可)と、この通信装置の識別子(30)と、MTU確認フレーム内のパスMTU(1492)、自MEP ID(M1)、対向MEP ID(M2)、ACHヘッダを格納する。
【0087】
次に、通知部352は、MTU確認フレーム内の自MEP ID(M1)を対向MEP IDとして、MEPテーブル34を検索し、通信装置10方向に転送するためのPWラベル(B)を読み出す。MTU応答フレームをこのPWラベル(B)でカプセル化し、フレーム転送部31のMPLS処理部312へ転送する(図12(4))。
【0088】
フレーム転送部31のMPLS処理部312では、PWラベル(B)をキーにLSPラベルテーブル322からLSPラベル(D)を検索する。続いて、検索結果に基づき、LSPラベル(D)の付与(Push)を行い、ポート37の伝送媒体のヘッダを付与して、MTU応答フレームを通信装置20に送信する。
【0089】
通信装置20では、フレーム転送部21にて通常のラベル処理を行う。通信装置20が受信したMTU応答フレームのLSPラベルはDであるので、入力ラベルDをキーにLSPラベルテーブル222を検索する。その結果、出力ラベル(D’)、処理Swap、ポート27が得られる。これに従い、LSPラベルをDからD’にSwapして、ポート27から通信装置10に向けて転送する。
【0090】
通信装置10では、図12(2)の動作と同様に、MTU応答フレームを受信後、フレーム転送部11にて、伝送媒体のヘッダを削除する。次に、ACHヘッダからOAMフレームかユーザーフレームかを判定し、OAMフレームの場合には、MTU応答フレームをOAM処理部13へ転送する。ユーザーフレームの場合の処理は、図12(2)の動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0091】
OAM処理部13がMTU応答フレームを受信した場合の動作を以下に説明する。OAM処理部13のMTU検出部15の計算部151は、MTU応答フレームに格納されている転送可否ビットが可のため、自MEP ID(M1)をキーにMEPテーブル14から関連するPWパスの番号(61)を求める。次に、MTU管理テーブル16内のPWパス61に関連付けられたパスMTU(1492)とMTU応答フレームに格納されているパスMTUの値(1492)が一致していることを確認し、処理を終了する。
【0092】
ここで、MTU応答フレームに格納してある通信装置の識別子(30)を読み出すことで、応答した通信装置がパスの終端点の装置であることを確認することができる。
【0093】
ここまでのMTU確認/応答フレームの転送経路を図6に示す。通信装置10から送信されたMTU確認フレームは、通信装置20において通信装置30へ転送可能と判断されたため、通信装置30へ転送された。通信装置30は、MTU確認フレームを受信し、パスMTUの値等の情報とともにMTU応答フレームとして通信装置10に向けて送信した。ここで、通信装置10は、通信装置20を通過したMTU応答フレームを受信することで、自身が記憶しているパスMTUの値でフレームを送信可能であることがわかる。
【0094】
以上がPWパス61のパスMTUを検出する動作である。このように、MTU確認フレームとMTU応答フレームの送受信を繰り返すことでPWパス61のパスMTUを検出することができる。同様に、この処理をPWパス71に対しても実施することで、双方向のパスのMTUを検出することができる。また、LSPパス41、LSPパス51のパスMTUは、PWパス61、PWパス71にPWラベルの4バイト分を足した値となるため、各LSPパスに対して、別途、MTU検出を行う必要はない。
【0095】
ここで、ポート17からユーザーデータフレームを受信した場合の転送処理について説明する。この場合のフレーム転送経路を図7に、動作例を図13に示す。
【0096】
ポート17の伝送媒体のMTU91は、パスMTUからPWヘッダと伝送媒体のヘッダを引いたサイズとして求めることができる。例えば、伝送媒体がEthernetの場合、Etherヘッダのサイズは14バイト(MAC SA(6)+MAC DA(6)+Type(2))のため、MTU91は1474バイト(=1492−4−14)となる。このサイズまでのフレームであれば、PWパス61上を途中でMTUオーバーとなることなく、転送できる。
【0097】
通信装置10では、ポート17からユーザーデータフレームを受信すると、MTU管理テーブル16を参照し、ポート17のMTU91(1474)を読み出す。受信したユーザーデータフレームのペイロードのサイズとMTU91を比較し、ペイロードの方が大きければ、ユーザーデータフレームを廃棄し処理を終了する。受信したユーザーデータフレームのペイロードのサイズがMTU91より小さい場合、このユーザーデータフレームは通信装置30までのPWパス61上をMTUオーバーとなることなく転送できることが保証されるため、フレーム転送部11が転送処理を行う。
【0098】
以降のパス上の通信装置20、通信装置30においては、通常のMPLSフレームの転送処理を行う。最終的に、通信装置30がポート38からClient Layerの伝送媒体へユーザーデータフレームを送信する。
【0099】
(効果)
以上の通り、本実施形態によれば、パスMTUの検出精度を高精度に保ちつつ、OAMフレームの送信回数を減らし、効率的にパスMTUの検出を行うことが可能となる。
【0100】
本実施形態が上記の効果を奏する理由を以下に述べる。まず、仮に、特許文献2に記載されているような、OAMフレームのサイズを1バイトずつ変更しながらパスMTUを検出する方法を用いる場合を考える。この場合には、OAMフレームのパス端点間の通信を、MTUが検出できるまで繰り返す必要がある。MTUは最大65535バイトまで許容されているため、最大で65535回の確認が必要となる可能性がある。
【0101】
対して、本実施形態によれば、パス上の通信装置ごとにMTU確認/応答の処理を行うため、MTU確認フレームを送信する回数は、ノード数に依存する。ホップ数の上限を示すTTLの最大値は255であるため、パス上のノード数は最大でも256である。従って、最大でも255回の確認および応答で、パスMTUを検出することが可能になる。
【0102】
また、パス上の通信装置ごとにMTU確認/応答の処理を行うことにより、上記の通りパスMTUの検出時間を削減しつつ最適なパスMTUを検出することが可能である。
【0103】
<第2の実施形態>
以下、図14と図15を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0104】
図15は、本実施形態による通信システムと通信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態による通信システムは、通信装置1000、通信装置2000、通信装置3000を含んで構成されている。
【0105】
通信装置1000の構成について説明する。通信装置1000は、転送部1100、記憶部1200、計算部1501、再送信部1502、通知部1503を含んで構成されている。通信装置2000および通信装置3000は、それぞれ転送部2100、3100、記憶部2200、3200、計算部2501、3501、再送信部2502、3502、通知部2503、3503を含んで構成されている(図15では非表示)。なお、通信装置2000および通信装置3000は、通信装置1000と同様の構成であるので、説明は省略する。
【0106】
転送部1100は、受信したフレームを、受信したフレームに含まれる識別子に基づいて転送する。
【0107】
計算部1501では、受信したフレームが特定のフレームである場合、識別子を付与した後の受信フレームの識別子付与後のサイズを計算する。
【0108】
通知部1503は、受信フレームの識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズより大きい場合には、送信可能なサイズ以下の値を付与して、受信フレームの送信元の通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成する。その後、通知部1503は、生成した送信不可通知フレームを転送部1100に転送する。
【0109】
再送信部1502は、送信不可通知フレームを受信した場合、特定のフレームのサイズが送信可能なサイズ以下になるように修正し、転送部1100を経由して送信する。
【0110】
図14は、本実施形態による動作を示すフローチャートである。以下、図14を用いて本実施形態の動作について説明する。ここでは、一例として、図15の通信装置2000が、通信装置1000から特定のフレームを受信する場合の動作について説明するが、いずれの通信装置も同様の動作を行うことが可能であるので、この例に限られるものではない。
【0111】
まず、通信装置2000は、通信装置1000から特定のフレームを受信する(ステップ S1001)。
【0112】
次に、通信装置2000の計算部2501は、受信フレームに識別子を付与した後の識別子付与後のサイズを計算する(ステップ S1002)。
【0113】
続いて、受信フレームの識別子付与後のサイズが送信可能サイズよりも大きい場合、送信可能サイズ以下の値を付与して送信元である通信装置1000を宛先として、送信不可通知フレームを生成し、転送部1100を経由して送信する(ステップ S1003)。
【0114】
送信元である通信装置1000が、通信装置2000から送信不可通知フレームを受信した場合、特定のフレームのサイズを、送信不可通知フレームに含まれる送信可能サイズ以下の値になるように修正して、転送部1100を経由して送信する(ステップ S1005)。
【0115】
(効果)
本実施形態によれば、特定のフレームの識別子付与後のサイズを計算し、次の転送先に送信不可能な場合は、特定のフレームの送信元通信装置に送信不可通知を行っている。また、送信元通信装置は、送信不可通知を受信した場合、特定のフレームのサイズを送信可能なサイズ以下の値に修正する。以上を通信装置ごとに行うことで、通信経路の送信可能サイズの検出精度を高精度に保ちつつ、特定のフレームの送信回数を抑え、効率的に通信経路の送信可能サイズの検出を行うことが可能となる。
【0116】
<その他の実施形態>
第1の実施形態では、MPLS−TP網への適用について説明したが、MPLS網に適用することも可能である。本実施形態では、MPLS網における動作について説明する。
【0117】
適用するネットワークがMPLS網である場合、PWパスは必ずしも存在せず、LSPパスのみの構成となる可能性がある。これは、PWに関する処理を除くことで実現できる。例えば、送信側装置のMTU検出部において、PWラベルによるカプセル化を考慮せずに、4バイト大きいMTU確認フレームのデータを生成すればよい。
【0118】
また、第1の実施形態では、LSPパス1本に対してPWパス1本の構成を示した。他の実施形態として、1本のLSPパスに複数のPWパスを多重している構成への適用も可能である。これらのPWパスは、転送経路が同一となるため、いずれか1本のPWパスに対して、MTU検出処理を行えば、同じLSPパスに多重している全てのPWパスのMTUを検出することができる。
【0119】
また、第1の実施形態では、通信装置が1対のLSPパスを持つ構成について説明したが、通信装置が構築できるLSPパス、PWパスの数には制限はない。通信装置間でLSPパス、PWパスが多重している場合には、上記と同様、転送経路が同一であるため、いずれか1本のPWパスに対してMTU検出処理を行えば良い。
【0120】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0121】
(付記1)
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送手段と、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算手段と、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送手段に転送する通知手段と、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送手段に転送する再送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0122】
(付記2)
前記通信装置は、さらに、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記送信不可通知フレームに格納されている前記送信可能なサイズ以下の値を記憶する送信可能サイズ記憶手段と、
前記送信可能サイズ記憶手段を参照し、前記送信可能なサイズと前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズとを比較することにより、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズかどうかを判断する送信可否判断手段と、
を備えることを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0123】
(付記3)
前記通信装置は、さらに、
特定のフレームの転送先を示す第1の識別子と第2の識別子とを対応付けて管理する識別子管理手段を備え、
前記計算手段は、前記受信フレームに付与された第1の識別子に基づいて、前記受信フレームに新たに付与する第2の識別子を前記識別子管理手段から検索し、前記受信フレームに前記第2の識別子を付与して、前記識別子付与後のサイズとして計算することを特徴とする付記2に記載の通信装置。
【0124】
(付記4)
前記通知手段は、前記送信可能なサイズから前記第1の識別子のサイズと前記第2の識別子のサイズとを減算して求めた値を前記送信可能なサイズ以下の値とすることを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
【0125】
(付記5)
前記通信装置は、さらに、特定のフレームの送信元通信装置の識別子と宛先通信装置の識別子とを対応付けて管理する送信元および宛先管理手段を備え、
前記再送信手段は、前記送信不可通知フレームに付与された送信元通信装置の識別子に基づき、前記送信元および宛先管理手段から前記通信経路の識別子を求めることを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の通信装置。
【0126】
(付記6)
前記再送信手段は、前記送信可能サイズ記憶手段の前記通信経路の識別子に対応付けられた前記通信経路の送信可能なサイズを、前記送信不可通知フレームに格納された前記送信可能なサイズ以下の値に修正して前記特定のフレームのサイズとする付記1から5のいずれか1つに記載の通信装置。
【0127】
(付記7)
前記通信装置は、さらに、
前記受信フレームに格納されている前記宛先通信装置の識別子と、自通信装置の識別子とを比較し、一致している場合には、前記送信元通信装置を宛先とする送信可能通知フレームを生成して前記転送装置に転送する送信可能通知手段を備えることを特徴とする付記1から6のいずれか1つに記載の通信装置。
【0128】
(付記8)
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送ステップと、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算ステップと、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送ステップにより転送する通知ステップと、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送ステップにより転送する再送信ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【0129】
(付記9)
前記通信方法は、さらに、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記送信不可通知フレームに格納されている前記送信可能なサイズ以下の値を、送信可能サイズ記憶手段に記憶する送信可能サイズ記憶ステップと、
前記送信可能サイズ記憶手段を参照し、前記送信可能サイズと前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズとを比較することにより、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズかどうかを判断する送信可否判断ステップと、
を含むことを特徴とする付記8に記載の通信方法。
【0130】
(付記10)
前記計算ステップは、特定フレームの転送先を示す第1の識別子と第2の識別子とを対応付けて管理する識別子管理手段から、前記受信フレームに付与された第1の識別子に基づいて、前記受信フレームに新たに付与する第2の識別子を検索し、前記受信フレームに前記第2の識別子を付与して、前記識別子付与後のサイズとして計算することを特徴とする付記9に記載の通信方法。
【0131】
(付記11)
前記通知ステップは、前記送信可能なサイズから前記第1の識別子のサイズと前記第2の識別子のサイズとを減算して求めた値を、前記送信可能なサイズ以下の値とすることを特徴とする付記9または10に記載の通信方法。
【0132】
(付記12)
前記再送信ステップは、前記送信不可通知フレームに付与された送信元通信装置の識別子に基づき、特定フレームの送信元通信装置の識別子と宛先通信装置の識別子とを対応付けて管理する送信元および宛先管理手段から、前記通信経路の識別子を求めることを特徴とする付記8から12に記載の通信方法。
【0133】
(付記13)
前記再送信ステップは、前記送信可能サイズ記憶手段の前記通信経路の識別子に対応付けられた前記通信経路の送信可能なサイズを、前記送信不可通知フレームに格納された前記送信可能なサイズ以下の値に修正して前記特定のフレームのサイズとする付記8から12のいずれかの記載の通信方法。
【0134】
(付記14)
前記通信方法は、さらに、
前記受信フレームに格納されている前記宛先通信装置の識別子と、自通信装置の識別子とを比較し、一致している場合には、前記送信元通信装置を宛先とする送信可能通知フレームを生成して前記転送ステップにより転送する送信可能通知ステップを含むことを特徴とする付記8から13に記載の通信方法。
【0135】
(付記15)
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送処理と、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算処理と、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送処理により転送する通知処理と、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送処理により転送する再送信処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。
【0136】
(付記16)
前記通信プログラムは、さらに、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記送信不可通知フレームに格納されている前記送信可能なサイズ以下の値を、送信可能サイズ記憶手段に記憶する送信可能サイズ記憶処理と、
前記送信可能サイズ記憶手段を参照し、前記送信可能サイズと前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズとを比較することにより、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズかどうかを判断する送信可否判断処理と、
を含むことを特徴とする付記15に記載の通信プログラム。
【0137】
(付記17)
前記計算処理は、特定フレームの転送先を示す第1の識別子と第2の識別子とを対応付けて管理する識別子管理手段から、前記受信フレームに付与された第1の識別子に基づいて、前記受信フレームに新たに付与する第2の識別子を検索し、前記受信フレームに前記第2の識別子を付与して、前記識別子付与後のサイズとして計算することを特徴とする付記16に記載の通信プログラム。
【0138】
(付記18)
前記通知処理は、前記送信可能なサイズから前記第1の識別子のサイズと前記第2の識別子のサイズとを減算して求めた値を、前記送信可能なサイズ以下の値とすることを特徴とする付記16または17に記載の通信プログラム。
【0139】
(付記19)
前記再送信処理は、前記送信不可通知フレームに付与された送信元通信装置の識別子に基づき、特定フレームの送信元通信装置の識別子と宛先通信装置の識別子とを対応付けて管理する送信元および宛先管理手段から、前記通信経路の識別子を求めることを特徴とする付記16から19のいずれか1つに記載の通信プログラム。
【0140】
(付記20)
前記再送信処理は、前記送信可能サイズ記憶手段の前記通信経路の識別子に対応付けられた前記通信経路の送信可能なサイズを、前記送信不可通知フレームに格納された前記送信可能なサイズ以下の値に修正して前記特定のフレームのサイズとする付記15から19のいずれか1つに記載の通信プログラム。
【0141】
(付記21)
前記通信プログラムは、さらに、
前記受信フレームに格納されている前記宛先通信装置の識別子と、自通信装置の識別子とを比較し、一致している場合には、前記送信元通信装置を宛先とする送信可能通知フレームを生成して前記転送ステップにより転送する送信可能通知処理を含むことを特徴とする付記15から20に記載の通信プログラム。
【符号の説明】
【0142】
10、20、30、1000、2000、3000 通信装置
11、21、31 フレーム転送部
1100 転送部
111、211、311 PW処理部
112、212、312 MPLS処理部
12、22、32 ラベルテーブル
121、221、321 PWラベルテーブル
122、222、322 LSPラベルテーブル
13、23、33 OAM処理部
14、24、34 MEPテーブル
15、25、35 MTU検出部
151、251、351、1501 計算部
152、252、352、1503 通知部
153、253、353 送信可否判断部
154、254、354 フレーム生成部
1502 再送信部
16、26、36 MTU管理テーブル
17、18、27、28、37、38 ポート
40−1、40−2、50−1、50−2 パス
41、51 LSPパス
61、71 PWパス
81 監視用LSPパス
91、92、93、94 MTU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送手段と、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算手段と、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送手段に転送する通知手段と、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送手段に転送する再送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置は、さらに、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記送信不可通知フレームに格納されている前記送信可能なサイズ以下の値を記憶する送信可能サイズ記憶手段と、
前記送信可能サイズ記憶手段を参照し、前記送信可能なサイズと前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズとを比較することにより、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズかどうかを判断する送信可否判断手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、さらに、
特定のフレームの転送先を示す第1の識別子と第2の識別子とを対応付けて管理する識別子管理手段を備え、
前記計算手段は、前記受信フレームに付与された第1の識別子に基づいて、前記受信フレームに新たに付与する第2の識別子を前記識別子管理手段から検索し、前記受信フレームに前記第2の識別子を付与して、前記識別子付与後のサイズとして計算することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記送信可能なサイズから前記第1の識別子のサイズと前記第2の識別子のサイズとを減算して求めた値を前記送信可能なサイズ以下の値とすることを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、さらに、特定のフレームの送信元通信装置の識別子と宛先通信装置の識別子とを対応付けて管理する送信元および宛先管理手段を備え、
前記再送信手段は、前記送信不可通知フレームに付与された送信元通信装置の識別子に基づき、前記送信元および宛先管理手段から前記通信経路の識別子を求めることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項6】
前記再送信手段は、前記送信可能サイズ記憶手段の前記通信経路の識別子に対応付けられた前記通信経路の送信可能なサイズを、前記送信不可通知フレームに格納された前記送信可能なサイズ以下の値に修正して前記特定のフレームのサイズとする請求項1から5のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、さらに、
前記受信フレームに格納されている前記宛先通信装置の識別子と、自通信装置の識別子とを比較し、一致している場合には、前記送信元通信装置を宛先とする送信可能通知フレームを生成して前記転送装置に転送する送信可能通知手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項8】
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送ステップと、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算ステップと、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送ステップにより転送する通知ステップと、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送ステップにより転送する再送信ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項9】
前記通信方法は、さらに、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記送信不可通知フレームに格納されている前記送信可能なサイズ以下の値を、送信可能サイズ記憶手段に記憶する送信可能サイズ記憶ステップと、
前記送信可能サイズ記憶手段を参照し、前記送信可能サイズと前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズとを比較することにより、前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、送信可能なサイズかどうかを判断する送信可否判断ステップと、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
受信したフレームを、前記受信フレームに含まれる識別子に基づいて転送する転送処理と、
前記受信フレームが特定のフレームである場合、前記識別子を付与した後の前記受信フレームのサイズである識別子付与後のサイズを計算する計算処理と、
前記受信フレームの前記識別子付与後のサイズが、通信経路上の次の転送先通信装置に対して送信可能なサイズより大きい場合には、前記送信可能なサイズ以下の値を付与して前記受信フレームの送信元通信装置を宛先とする送信不可通知フレームを生成し、前記転送処理により転送する通知処理と、
前記送信不可通知フレームを受信した場合、前記特定のフレームのサイズが前記送信可能なサイズ以下の値になるように修正し、前記転送処理により転送する再送信処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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