説明

通信装置および方法

【課題】
利用可能な複数の通信手段のいずれを利用しているかを容易に確認することのできる通信装置および方法を提供する。
【解決手段】
IP網および公衆交換回線網を含む複数の通信手段のうち通信に利用している若しくは利用した通信手段を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および方法に関し、特に、公衆交換回線網やIP網等の複数の通信手段を用いて通信を行うことのできる通信装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話機やファクシミリ装置等の通信装置は、公衆交換回線網を利用した通信に加え、VoIP(Voice over Internet Protocol)によってIP(Internet Protocol)網を利用した通信が可能となっている。また、ファクシミリ装置においては、IP網に特化したプロトコルを用いることによって、音声信号を介さずにIP網を利用した通信を行うこともできる。
【0003】
ところで、公衆交換回線網を利用した通信やIP網を利用した通信は、それぞれ、特徴を有している。例えば、公衆交換回線網は、一定以上の品質で通信が可能である反面、通信距離に応じた通信コストが生じることが一般的であり、IP網は、その通信品質が保証されていないことが多い反面、通信コストが低いといった特徴を有している。
【0004】
また、通信装置が通信を行う相手先によっては、複数の通信手段に対応しているとは限らず、利用可能な通信手段が、公衆交換回線網等に限定されてしまう場合もある。
【0005】
このため、利用者にとっては、実行中の通信や過去の通信において、どの通信手段を利用しているかといった情報を得ることは、通信手段の選択や予期できるトラブルへの対処などを行う上で有益となる。
【0006】
なお、特許文献1には、短縮ダイヤル情報として回線種別を表示する構成が記載されている。
【特許文献1】特開平6−291914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、複数の通信手段が利用可能な通信装置では、実行中の通信や過去の通信において、どの通信手段を利用しているかといった情報を得ることによる利点がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、短縮ダイヤル情報の登録内容確認を容易とすることは可能であるが、実行中の通信や過去の通信において、どの通信手段を利用しているかといった情報を得るには不十分である。
【0009】
そこで、本発明は、利用可能な複数の通信手段のいずれを利用しているかを容易に確認することのできる通信装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、請求項1の発明は、IP網および公衆交換回線網を含む複数の通信手段を選択的に利用して通信を行う通信装置において、前記通信手段のうち通信に利用している若しくは利用した通信手段を通知する通知手段を具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を、該通信中に画面表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって送信する画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用した通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって受信した画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記通知手段は、通信を行う毎に該通信で利用した通信手段を通信履歴として記録し、該記録した通信履歴を画面表示若しくは印刷表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、IP網および公衆交換回線網を含む複数の通信手段を選択的に利用して通信を行う通信方法において、通知手段が、前記通信手段のうち通信に利用している若しくは利用した通信手段を利用者に通知することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を、該通信中に画面表示することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって送信する画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項6の発明において、前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用した通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって受信した画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする。
【0019】
また、請求項10の発明は、請求項6の発明において、前記通知手段は、通信を行う毎に該通信で利用した通信手段を通信履歴として記録し、該記録した通信履歴を画面表示若しくは印刷表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、利用者は、利用可能な複数の通信手段のいずれを利用しているかを容易に確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る通信装置および方法の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明を適用したファクシミリ装置の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、ファクシミリ装置1は、制御部11と、操作表示部12、画像読取部13、画像形成部14、記憶部15、ネットワーク制御部16、MODEM(MOdulator DEModulator)17、CODEC(COder DECoder)18、回線制御部19を有している。
【0023】
制御部11は、ファクシミリ装置1の全体を制御するとともに、後述する通信手段の表示等の本発明を適用したことによる特有の動作を実行する。操作表示部12は、利用者に対して情報を表示するとともに利用者の操作指示を受け付け、ユーザインタフェイスとして動作する。画像読取部13は、原稿を読み取って画像データを生成する。画像形成部14は、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。記憶部15は、画像データ等を記憶する。ネットワーク制御部16は、IP網の一部であるLANとの接続を制御する。MODEM17は、送信する画像データを変調して音声データに変換するとともに、その逆変換を行う。CODEC18は、MODEM17が変調した音声データをVoIPに適応するデジタル信号に符号化するとともに、その逆の復号化を行う。回線制御部19は、公衆交換回線網(PSTN)との接続を制御する。
【0024】
このファクシミリ装置1では、公衆交換回線網を利用したファクシミリ送信を行う場合には、画像読取部13で生成されて記憶部15に記憶された画像データを、MODEM17でT.30に従った音声データに変調して回線制御部19から相手先に送出する。
【0025】
IP網を利用したみなし音声でファクシミリ送信を行う場合には、画像読取部13で生成されて記憶部15に記憶された画像データを、MODEM17でT.30に従った音声データに変調し、さらにCODEC18で符号化してネットワーク制御部16から相手先に送出する。
【0026】
IP網を利用したT.38によるIP−FAXでファクシミリ送信を行う場合には、画像読取部13で生成されて記憶部15に記憶された画像データを、制御部11がT.38に従ったデータに変換して、ネットワーク制御部16から相手先に送出する。
【0027】
また、公衆交換回線網を利用したファクシミリ受信、IP網を利用したみなし音声でのファクシミリ受信、IP網を利用したT.38によるIP−FAXでのファクシミリ受信を行う場合には、それぞれ、送信時と逆の処理が行われる。
【0028】
次に、ファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作について説明する。図2は、ファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0029】
ファクシミリ装置1は、利用者によりファクシミリ送信が指示されると、まず、画像読取部13が原稿を読み取って画像データを生成して生成した画像データを記憶部15に記憶する(ステップ101)。そして、利用者が通信手段を指定していなかった場合には(ステップ102でNO)、制御部11が予め指定された優先順位等にしたがって通信手段を特定する(ステップ103)。
【0030】
ここで、利用者が通信手段を特定し(ステップ102でYES)、その通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合には(ステップ104でYES)、制御部11は、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行するとともに(ステップ105)、操作表示部12に公衆回線網を利用してファクシミリ送信を行っている旨を表示させる(ステップ106)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(a)に示すようなものとなる。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ107でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ108)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0031】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ104でNO、ステップ109でYES)、制御部11は、MODEM17およびCODEC18、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行するとともに(ステップ110)、操作表示部12にIP網を経由したみなし音声を利用してファクシミリ送信を行っている旨を表示させる(ステップ111)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(b)に示すようなものとなる。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ107でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ108)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0032】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ104でNO、ステップ109でNO)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ送信処理を実行するとともに(ステップ112)、操作表示部12にIP網を経由したIP−FAXでファクシミリ送信を行っている旨を表示させる(ステップ113)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(c)に示すようなものとなる。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ107でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ108)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0033】
なお、ここでは、ファクシミリ送信時にエラーが発生した場合の処理を省略しているが、ステップ103で特定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、ステップ103に戻って異なる通信手段を特定し、利用者が指定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、その旨をステップ108で表示する通信結果に表示する。また、相手先が話中等でファクシミリ送信が行えなかった場合には、自動で再送信を行う。
【0034】
また、前述の説明では、操作表示部12に通信手段を画面表示していたが、図4に示すように、操作表示部12の一部であるコントロールパネル120に、LED(Light Emitting Diode)121、LED122、LED123を配設し、通信手段に応じていずれかを点灯させることで、利用者に通信手段を通知するようにしてもよく、音声により利用者に通信手段を通知するようにしてもよい。
【0035】
続いて、ファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作について説明する。図5は、ファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0036】
ファクシミリ装置1は、相手先からの着信があると受信処理を開始し、当該着信が公衆交換回線網からの着信であった場合には(ステップ151でYES)、制御部11は、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行するとともに(ステップ152)、操作表示部12に公衆回線網を利用してファクシミリ受信を行っている旨を表示させる(ステップ153)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(a)に示した画面中の「送信中」を「受信中」に代えたようなものとなる。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ154でYES)、制御部11は、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ155)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ156)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0037】
また、着信がIP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ151でNO、ステップ157でYES)、制御部11は、MODEM17およびCODEC18、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行するとともに(ステップ158)、操作表示部12にIP網を経由したみなし音声を利用してファクシミリ受信を行っている旨を表示させる(ステップ159)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(b)に示した画面中の「送信中」を「受信中」に代えたようなものとなる。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ154でYES)、制御部11は、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ155)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ156)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0038】
また、着信がIP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ151でNO、ステップ157でNO)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ受信処理を実行するとともに(ステップ160)、操作表示部12にIP網を経由したIP−FAXでファクシミリ受信を行っている旨を表示させる(ステップ161)。このとき、操作表示部12に表示される画面は、例えば、図3(c)に示した画面中の「送信中」を「受信中」に代えたようなものとなる。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ154でYES)、制御部11は、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ155)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ156)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0039】
なお、ステップ155の印刷処理とステップ156の通信結果表示処理の順序は、前述の順序と逆でもよく、ステップ155の印刷処理をファクシミリ受信処理の中で行わずに、別途、行うようにしてもよい。
【0040】
また、前述の説明では、操作表示部12に通信手段を画面表示していたが、図4に示すように、操作表示部12の一部であるコントロールパネル120に、LED121、LED122、LED123を配設し、通信手段に応じていずれかを点灯させることで、利用者に通信手段を通知するようにしてもよく、音声により利用者に通信手段を通知するようにしてもよい。
【実施例2】
【0041】
実施例2では、ファクシミリ送信で送信する画像データに通信手段を示す情報を含ませる例を説明する。なお、実施例2で説明するファクシミリ装置は、一部の処理動作が異なるのみで基本的な構成は図1に示したファクシミリ装置1の構成と同様であるため、構成についての説明は省略する。
【0042】
図6は、実施例2におけるファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0043】
ファクシミリ装置1は、利用者によりファクシミリ送信が指示されると、まず、画像読取部13が原稿を読み取って画像データを生成して生成した画像データを記憶部15に記憶する(ステップ201)。そして、利用者が通信手段を指定していなかった場合には(ステップ202でNO)、制御部11が予め指定された優先順位等にしたがって通信手段を特定する(ステップ203)。
【0044】
ここで、利用者が通信手段を特定し(ステップ202でYES)、その通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合には(ステップ204でYES)、制御部11は、公衆回線網を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像を生成して送信する画像データに合成するとともに(ステップ205)、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ206)。公衆回線網を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。ただし、図7においては、みなし音声でファクシミリ通信を行った旨を示す画像を例示している。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ207でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ208)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0045】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ204でNO、ステップ209でYES)、制御部11は、IP網を経由したみなし音声を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像を生成して送信する画像データに合成するとともに(ステップ210)、MODEM17およびCODEC18、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ211)。IP網を経由したみなし音声を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ207でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ208)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0046】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ204でNO、ステップ209でNO)、制御部11は、IP網を経由したIP−FAXでファクシミリ送信を行った旨を示す画像を生成して送信する画像データに合成するとともに(ステップ212)、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ213)。IP網を経由したIP−FAXでファクシミリ送信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。ただし、図7においては、みなし音声でファクシミリ通信を行った旨を示す画像を例示している。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ207でYES)、制御部11は、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ208)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0047】
なお、ここでは、ファクシミリ送信時にエラーが発生した場合の処理を省略しているが、ステップ203で特定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、ステップ203に戻って異なる通信手段を特定し、利用者が指定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、その旨をステップ208で表示する通信結果に表示する。また、相手先が話中等でファクシミリ送信が行えなかった場合には、自動で再送信を行う。
【実施例3】
【0048】
実施例3では、ファクシミリ受信で受信した画像データに通信手段を示す情報を含ませる例を説明する。なお、実施例3で説明するファクシミリ装置は、一部の処理動作が異なるのみで基本的な構成は図1に示したファクシミリ装置1の構成と同様であるため、構成についての説明は省略する。
【0049】
図8は、実施例3におけるファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0050】
ファクシミリ装置1は、相手先からの着信があると受信処理を開始し、当該着信が公衆交換回線網からの着信であった場合には(ステップ301でYES)、制御部11は、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ302)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ303でYES)、制御部11は、公衆回線網を利用してファクシミリ受信を行った旨を示す画像を生成して受信した画像データに合成する(ステップ304)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ305)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ306)、ファクシミリ受信処理を終了する。公衆回線網を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。ただし、図7においては、みなし音声でファクシミリ通信を行った旨を示す画像を例示している。
【0051】
また、着信がIP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ301でNO、ステップ307でYES)、制御部11は、MODEM17およびCODEC18、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ308)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ303でYES)、制御部11は、IP網経由のみなし音声でファクシミリ受信を行った旨を示す画像を生成して受信した画像データに合成する(ステップ304)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ305)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ306)、ファクシミリ受信処理を終了する。IP網経由のみなし音声でファクシミリ受信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。
【0052】
また、着信がIP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ301でNO、ステップ307でNO)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ309)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ303でYES)、制御部11は、IP網経由のIP−FAXでファクシミリ受信を行った旨を示す画像を生成して受信した画像データに合成する(ステップ304)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ305)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ306)、ファクシミリ受信処理を終了する。公衆回線網を利用してファクシミリ送信を行った旨を示す画像は、図7(a)に示すようにバナーページとなる画像であってもよく、図7(b)に示すように各ページに付されるヘッダ情報となる画像であってもよい。ただし、図7においては、みなし音声でファクシミリ通信を行った旨を示す画像を例示している。
【0053】
なお、ステップ305の印刷処理とステップ306の通信結果表示処理の順序は、前述の順序と逆でもよく、ステップ306の印刷処理をファクシミリ受信処理の中で行わずにステップ304で画像を合成した状態の画像データを記憶部15に記憶しておき、後に、印刷処理を行うようにしてもよい。
【実施例4】
【0054】
実施例4では、ファクシミリ通信を行うごとに、利用した通信手段を示す情報を含む履歴情報を記録し、記録した履歴を用いて利用者に通信手段を通知する例を説明する。なお、実施例3で説明するファクシミリ装置は、一部の処理動作が異なるのみで基本的な構成は図1に示したファクシミリ装置1の構成と同様であるため、構成についての説明は省略する。
【0055】
最初に、ファクシミリ送信時のファクシミリ1の動作を説明する。図9は、実施例4におけるファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0056】
ファクシミリ装置1は、利用者によりファクシミリ送信が指示されると、まず、画像読取部13が原稿を読み取って画像データを生成して生成した画像データを記憶部15に記憶する(ステップ401)。そして、利用者が通信手段を指定していなかった場合には(ステップ402でNO)、制御部11が予め指定された優先順位等にしたがって通信手段を特定する(ステップ403)。
【0057】
ここで、利用者が通信手段を特定し(ステップ402でYES)、その通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が公衆交換回線網の利用であった場合には(ステップ404でYES)、制御部11は、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ405)。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ406でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶し(ステップ407)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ408)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0058】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ404でNO、ステップ409でYES)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ410)。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ406でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶し(ステップ407)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ408)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0059】
また、利用者が特定した通信手段、若しくは、優先順位等にしたがって特定された通信手段が、IP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ404でNO、ステップ409でNO)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ送信処理を実行する(ステップ411)。そして、ファクシミリ送信が終了すると(ステップ406でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶し(ステップ407)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ408)、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0060】
なお、ここでは、ファクシミリ送信時にエラーが発生した場合の処理を省略しているが、ステップ403で特定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、ステップ403に戻って異なる通信手段を特定し、利用者が指定した通信手段が利用できない等の致命的なエラーの場合には、その旨をステップ408で表示する通信結果に表示する。また、相手先が話中等でファクシミリ送信が行えなかった場合には、自動で再送信を行う。
【0061】
次に、ファクシミリ受信時のファクシミリ1の動作を説明する。図10は、実施例4におけるファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ファクシミリ装置1は、相手先からの着信があると受信処理を開始し、当該着信が公衆交換回線網からの着信であった場合には(ステップ431でYES)、制御部11は、MODEM17および回線制御部19を動作させて、公衆交換回線網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ432)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ433でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶する(ステップ434)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ435)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ436)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0063】
また、着信がIP網経由のみなし音声の利用であった場合には(ステップ431でNO、ステップ437でYES)、制御部11は、MODEM17およびCODEC18、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.30に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ438)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ433でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶する(ステップ434)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ435)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ436)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0064】
また、着信がIP網経由のIP−FAXの利用であった場合には(ステップ431でNO、ステップ437でNO)、制御部11は、ネットワーク制御部16を動作させて、IP網経由でT.38に従ったファクシミリ受信処理を実行する(ステップ439)。そして、ファクシミリ受信が終了すると(ステップ433でYES)、制御部11は、通信履歴を生成して記憶部15に記憶する(ステップ434)。続いて、制御部11は、、画像形成部14を動作させて受信した画像データに基づく印刷処理を実行し(ステップ435)、操作表示部12に通信結果を表示させ(ステップ436)、ファクシミリ受信処理を終了する。
【0065】
なお、ステップ435の印刷処理とステップ436の通信結果表示処理の順序は、前述の順序と逆でもよく、ステップ436の印刷処理をファクシミリ受信処理の中で行わずに受信したデータを記憶部15に記憶し、後に、印刷処理を行うようにしてもよい。
【0066】
次に、待機状態から通信履歴を利用した処理を含む各種処理を実行する際のファクシミリ装置1の動作を説明する。図11は、待機状態から各種処理を実行する際のファクシミリ装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0067】
ファクシミリ装置1は、待機状態において、利用者による操作表示部12を介しての通信履歴の表示要求を受け付けると(ステップ461でYES)、制御部11が、記憶部15に記憶している通信履歴を操作表示部12に表示させる(ステップ462)。操作表示部12に表示される通信履歴は、例えば、図12に示すようなものであり、ファクシミリ通信毎に利用した通信手段が表示される。
【0068】
また、ファクシミリ装置1は、待機状態において、一定時間の経過や実行したファクシミリ通信の数が一定数に達する等の通信レポート生成条件に合致した状態となると(ステップ463でYES)、制御部11が、記憶部15に記憶している通信履歴に基づいて通信レポートを作成し(ステップ464)、画像形成部14を動作させて通信レポートの印刷処理を実行する(ステッ465)。この通信レポートは、図12に示した画面に表示される通信履歴と同様のものをレポート形式で印刷したものである。
【0069】
また、ファクシミリ装置1は、待機状態において、利用者による操作表示部12を介してのファクシミリ送信指示を受け付けると(ステップ466でYES)、前述のファクシミリ送信処理を実行し(ステップ467、図9参照)、着信があった場合には(ステップ468でYES)、前述のファクシミリ受信処理を実行する(ステップ469、図10参照)。
【0070】
なお、実施例1乃至4の各説明では、それぞれ異なる方法で通信手段を利用者に通知する例を説明したが、これらは、任意に組み合わせて利用することが可能であり、実施例1乃至4で説明した全てを組み合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明を適用したファクシミリ装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】ファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】通信手段を通知する表示画面の例を示した図である。
【図4】LEDにより通信手段を通知する例を示した図である。
【図5】ファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例2におけるファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ送信を行った旨を示す画像の例を示した図である。
【図8】実施例3におけるファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例4におけるファクシミリ装置1のファクシミリ送信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施例4におけるファクシミリ装置1のファクシミリ受信時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】待機状態から各種処理を実行する際のファクシミリ装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】通信履歴を表示する表示画面の例を示した図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ファクシミリ装置
11 制御部
12 操作表示部
13 画像読取部
14 画像形成部
15 記憶部
16 ネットワーク制御部
17 MODEM
18 CODEC
19 回線制御部
120 コントロールパネル
121 LED
122 LED
123 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP網および公衆交換回線網を含む複数の通信手段を選択的に利用して通信を行う通信装置において、
前記通信手段のうち通信に利用している若しくは利用した通信手段を通知する通知手段を具備することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を、該通信中に画面表示することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって送信する画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用した通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって受信した画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記通知手段は、通信を行う毎に該通信で利用した通信手段を通信履歴として記録し、該記録した通信履歴を画面表示若しくは印刷表示することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
IP網および公衆交換回線網を含む複数の通信手段を選択的に利用して通信を行う通信方法において、
通知手段が、前記通信手段のうち通信に利用している若しくは利用した通信手段を利用者に通知することを特徴とする通信方法。
【請求項7】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を、該通信中に画面表示することを特徴とする請求項6記載の通信方法。
【請求項8】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用している通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって送信する画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする請求項6記載の通信方法。
【請求項9】
前記通知手段は、前記通信手段のうち通信に利用した通信手段を示す通知画像データを生成し、該通信によって受信した画像データに該生成した通知画像データを合成することを特徴とする請求項6記載の通信方法。
【請求項10】
前記通知手段は、通信を行う毎に該通信で利用した通信手段を通信履歴として記録し、該記録した通信履歴を画面表示若しくは印刷表示することを特徴とする請求項6記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−311996(P2007−311996A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137799(P2006−137799)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】