説明

通信装置及びプログラム

【課題】連絡先を含む情報を受け取ったときの状況を知ることのできる仕組みを提供すること。
【解決手段】通信装置100が他の通信装置100から当該他の通信装置100の使用者の連絡先を含む連絡先情報を近距離通信部103により受信した場合に、制御部101は、当該連絡先情報と、当該連絡先情報を受信した時期に対応する自装置の位置情報とを対応付けて記憶部109に記憶させる。制御部101は、連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを記憶部109から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示部108に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対面した相手と電話番号等の連絡先を交換する手段として、例えば、特許文献1では、連絡先を表す電子情報を携帯電話機間で交換する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−164740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、連絡先を交換した後、その連絡先の相手が誰であるのかが思い出せなくなることがある。あるいは、その相手が誰であるのかが判っているとしても、いつ、どこで、どのような目的でその相手に会ったのかというような記憶があいまいになることがある。
本発明は、受け取った連絡先に関連する情報を思い出すことを支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、他の通信装置と通信を行う通信手段と、自装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記通信手段が前記他の通信装置から当該他の通信装置の使用者の連絡先を含む連絡先情報を受信した場合に、当該連絡先情報と、前記位置情報取得手段によって取得された、当該連絡先情報を受信した時期に対応する位置情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを前記記憶手段から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示する表示手段とを有することを特徴とする通信装置を提供する。
請求項2に係る発明は、前記通信アドレス情報は、前記位置情報の記憶の可否を表す許可情報を含み、前記記憶手段は、前記他の通信装置から受信した通信アドレス情報に含まれる許可情報が前記位置情報の記憶の許可を表す場合に、前記位置情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信装置を提供する。
請求項3に係る発明は、前記通信アドレス情報は、前記位置情報の精度を表す精度情報を含み、前記記憶手段は、前記他の通信装置から受信した通信アドレス情報に含まれる精度情報で表される精度で求められた前記位置情報を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置を提供する。
請求項4に係る発明は、使用者の予定を記憶する予定記憶手段を有し、前記記憶手段は、前記通信手段により前記連絡先情報を受信した時期に対応する予定を前記予定記憶手段から読み出し、前記表示手段は、前記連絡先情報と前記位置情報と前記予定記憶手段から読み出された予定とを関連付けて表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通信装置を提供する。
請求項5に係る発明は、前記位置情報取得手段は、前記他の通信装置から、前記連絡先情報を受信した時期に対応する、当該他の通信装置の位置を表す位置情報を取得し、前記記憶手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記他の通信装置の位置を表す位置情報と前記通信アドレス情報と対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信装置を提供する。
請求項6に係る発明は、前記連絡先情報は、前記他の通信装置の使用者の連絡先として、当該他の通信装置の通信アドレスを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の通信装置を提供する。
請求項7に係る発明は、コンピュータを、他の通信装置と通信を行う通信手段と、自装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記通信手段が前記他の通信装置から当該他の通信装置の使用者の連絡先を含む連絡先情報を受信した場合に、当該連絡先情報と、前記位置情報取得手段によって取得された、当該連絡先情報を受信した時期に対応する位置情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを前記記憶手段から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示する表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1及び7に係る発明によれば、受け取った連絡先に関連する情報が思い出しやすくなる。
請求項2に係る発明によれば、位置情報の記憶の可否を連絡先情報の送り手が予め決めることができる。
請求項3に係る発明によれば、通信装置に記憶させる位置情報の精度を連絡先情報の送り手が予め決めることができる。
請求項4に係る発明によれば、連絡先情報に位置情報だけを対応付けて記憶する場合と比べて、連絡先情報に関連する情報を詳しく知ることができる。
請求項5に係る発明によれば、他の通信装置から位置情報を取得することができる。
請求項6に係る発明によれば、他の通信装置から受け取った通信アドレスに関連する情報が思い出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の構成の全体を表す図である。
【図2】通信装置100のハードウェア構成を表す図である。
【図3】連絡先データベース120の内容を表す図である。
【図4】測位装置400のハードウェア構成を表す図である。
【図5】位置情報データベース420の内容を表す図である。
【図6】第1実施形態の動作を表す図である。
【図7】連絡先データベース121の内容を表す図である。
【図8】第2実施形態の動作を表す図である。
【図9】連絡先データベース122の内容を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)第1実施形態
本発明の第1実施形態について説明する。
(1.1)構成
図1は、本実施形態の構成の全体を表す図である。通信システム1は、通信装置100A、100Bと、移動パケット通信網200と、測位衛星300とを有する。実際には、図示した以外にも多数の通信装置が存在するが、以下の説明では、2つの通信装置のみ例示する。通信装置100A、100Bを区別する必要のない場合には、通信装置100と総称する。また、実際には複数の測位衛星が軌道上を周回しているが図示は省略した。
【0009】
通信装置100は、例えばIMT-2000(International Mobile Telecommunication 2000)方式の通信規格に従って通信を行う携帯電話機である。図2は、通信装置100のハードウェア構成を表す図である。通信装置100は、制御部101と、パケット通信部102と、近距離通信部103と、通話部104と、マイクロフォン105と、スピーカ106と、操作部107と、表示部108と、記憶部109と、測位情報受信部110とを備える。
【0010】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備え(いずれも図示省略)、ROMに記憶されているOS(Operating System)をCPUが実行することによって通信装置100の動作を制御する。
パケット通信部102は、通信装置100を移動パケット通信網200に接続するための通信インターフェイスである。通信装置100は、移動パケット通信網200経由で、他の通信装置100や、移動パケット通信網200の網外に存在するコンピュータ(図示省略)との間でパケットの送受信を行うことにより、電子メール等のデータ通信を行う。
近距離通信部103は、例えば、赤外線によってデータの送受信を行う通信手段であり、移動パケット通信網200を介さずに、他の通信装置100との間でデータの送受信を行う。
【0011】
通話部104は、通信装置100を電話回線に接続するための通信インターフェイスである。マイクロフォン105は、音声を入力し、この音声を表す音声信号を通話部104に供給する。スピーカ106は、通話部104が受信した音声信号を音声に変換して出力する。
操作部107は、通信装置100を操作するための操作子群であり、番号、記号、文字等を入力するための操作子や、表示部108に表示されたメニューの項目を選択するための操作子等を有する。表示部108は、例えば液晶表示装置である。
【0012】
記憶部109は、例えば不揮発性の半導体メモリであり、アプリケーションプログラムや、移動パケット通信網200経由で受信したデータ等を記憶する。
また、記憶部109には、連絡先データベース120が記憶される。図3は、連絡先データベース120の内容を表す図である。連絡先データベース120には、電話番号、電子メールアドレス、氏名、住所及び勤務先が書き込まれる。これらの情報群を連絡先情報と呼ぶ。本実施形態では、連絡先情報のうち、電話番号と電子メールアドレスのいずれかが必須であり、他の情報を連絡先データベース120に書き込むか否かは通信装置100の使用者が任意に判断する。連絡先データベース120の最初のレコードとして、当該通信装置100の使用者に関する連絡先情報が予め書き込まれる。2番目以降のレコードは、他の通信装置100から受信した連絡先情報である。他の通信装置100に連絡先情報を送信する場合には、連絡先データベース120の内容を表示部108に表示させ、表示された連絡先情報のいずれかを使用者が指定し、指定された連絡先情報を近距離通信部103により他の通信装置100に送信する。
【0013】
測位情報受信部110は、測位衛星300から測位情報を受信する。測位衛星300は、例えば、GPS(Global Positioning System)を構成する人工衛星であり、測位情報を表す電波信号を常時送信している。測位情報は、当該測位衛星300が周回している軌道に関する情報と、当該測位衛星300が当該測位情報を送信した時刻を表す情報とを含む。測位情報受信部110は、4つの測位衛星300から測位情報を受信し、当該測位情報を受信した時刻を表す情報をこの測位情報に付加してパケット通信部102に供給する。パケット通信部102は、測位情報受信部110から受け取った測位情報を移動パケット通信網200経由で測位装置400に送信する。
【0014】
移動パケット通信網200は、基地局210と、交換機220と、測位装置400とを有する。実際には、図示した以外に多数の基地局210と交換機220が設けられているが、図示は省略した。
基地局210は、基地局210自身が属する位置登録エリアを一意に識別するための識別情報を常時発信している。通信装置100は、受信した識別情報が以前に受信した識別情報と異なる場合に、基地局210に対して位置登録を要求する。すると、当該位置登録エリアを表す識別情報が、当該通信装置100の電話番号と対応付けられて交換機220に登録される。或る電話番号宛ての着信があった場合には、交換機220は、当該電話番号に対応する位置登録エリアに属するすべての基地局210に当該電話番号宛ての着信通知を送信し、これらの基地局210が一斉に当該電話番号宛ての着信通知を送信する。
【0015】
図4は、測位装置400のハードウェア構成を表す図である。測位装置400は、制御部401と、通信部402と、記憶部403とを有する。
制御部401は、CPUと、ROMと、RAMとを備え(いずれも図示省略)、CPUがROMに記憶されているOSを実行することによって通信装置100の動作を制御する。
通信部402は、測位装置400を移動パケット通信網200に接続するための通信インターフェイスである。
【0016】
記憶部403は、通信装置100の位置情報を生成するためのアプリケーションプログラムを記憶している。また、記憶部403は、図5に示す位置情報データベース420を記憶している。位置情報データベース420は、例えば0.1秒刻みの緯度及び経度の組み合わせで表される位置の各々と、その位置に該当する住居表示(都道府県名、市区町村名、町名、街区符号及び住居番号)とを対応付けて記憶したものである。測位装置400は、通信装置100から測位情報を受信すると、この測位情報に基づいて通信装置100の緯度及び経度を計算する。緯度及び経度は、例えば、各測位衛星300が測位情報を送信した時刻と通信装置100が各測位情報を受信した時刻との時間差から各測位衛星300と通信装置100との距離を求め、通信装置100の座標値及び時刻の誤差を変数とした連立方程式を解くことによって求められる。制御部401は、この緯度及び経度に該当する住居表示を位置情報データベース420から抽出し、抽出された住居表示を含む位置情報を生成し、生成された位置情報を通信装置100に送信する。通信装置100は、受信した位置情報を連絡先情報と対応付けて連絡先データベース120に書き込む。
【0017】
(1.2)動作
本実施形態の動作について説明する。
図6は、本実施形態の動作を表す図である。
ここでは、通信装置100Aから通信装置100Bに連絡先情報を送信する場合について説明する。ここでは、通信装置100Aの使用者を使用者A、通信装置100Bの使用者を使用者Bと呼ぶ。通信装置100Aと100Bを区別する場合には、通信装置100Aの各部の符号の末尾に「A」を追加し、通信装置100Bの各部の符号の末尾に「B」を追加する。
【0018】
ステップA01では、連絡先情報を通信装置100Aから通信装置100Bに送信する。具体的には、以下のとおりである。
使用者Bが、通信装置100Bの近距離通信部103Bを起動させる。使用者Aが、連絡先情報の表示を命じる指示を通信装置100Aに入力すると、制御部101Aは、記憶部109Aから連絡先データベース120Aを読み出し、その内容を表示部108Aに表示させる。通信装置100Bに送信する連絡先情報を使用者Aが指定すると、近距離通信部103Aが起動され、指定された連絡先情報に基づいて赤外線を変調し、変調された赤外線を放射する。
ステップA02では、通信装置100Bの近距離通信部103Bが近距離通信部103Aから放射された赤外線を受信し、受信した赤外線を復調して連絡先情報を得る。そして、この連絡先情報を連絡先データベース120Bの末尾のレコードとして書き込む。
要するに、近距離通信部103は、他の通信装置と通信を行う通信手段の一例である。
【0019】
ステップA03では、測位情報受信部110Bが、4つの測位衛星300から測位情報を受信する。
ステップA04では、測位情報受信部110Bが、測位情報を受信した時刻を表す情報を当該測位情報に付加し、この測位情報をパケット通信部102Bに供給する。パケット通信部102Bは、受け取った測位情報を移動パケット通信網200経由で測位装置400に送信する。
ステップA05では、制御部401が、通信装置100Bから受信した測位情報に基づいて通信装置100Bの緯度及び経度を計算し、この緯度及び経度に該当する住居表示を位置情報データベース420から抽出し、抽出された住居表示を含む位置情報を生成する。
【0020】
ステップA06では、制御部401が、生成された位置情報を移動パケット通信網200経由で通信装置100Bに送信する。
ステップA07では、測位装置400から送信された位置情報を通信装置100Bが受信し、制御部101Bが、受信した位置情報を、ステップA02で連絡先データベース120Bに書き込んだ連絡先情報と対応付けて、連絡先データベース120Bに書き込む。
要するに、制御部101、測位情報受信部110及びパケット通信部102は、自装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段の一例である。また、制御部101及び記憶部109は、前記通信手段が前記他の通信装置から当該他の通信装置の使用者の連絡先を含む連絡先情報を受信した場合に、当該連絡先情報と、前記位置情報取得手段によって取得された、当該連絡先情報を受信した時期に対応する位置情報とを対応付けて記憶する記憶手段の一例である。
【0021】
使用者Bが通信装置100Bに連絡先情報の表示を命じる指示を入力すると、制御部101Bは、記憶部109Bから連絡先データベース120Bを読み出し、氏名、電話番号、電子メールアドレス、住所、勤務先とともに、位置情報を表示部108に表示させる。
要するに、制御部101及び表示部108は、前記連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを前記記憶手段から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示する表示手段の一例である。
以上が、本実施形態の動作である。通信装置100Bから通信装置100Aに連絡先情報を送信する場合には、上記の動作の説明における通信装置100Aと通信装置100Bとが入れ替わることになる。
【0022】
本実施形態によれば、通信装置が他の通信装置から連絡先情報を受信したときの当該通信装置の位置情報が表示される。位置情報は、その連絡先の相手を思い出すための補助的な情報として有効である。例えば、電話番号と氏名を表示しただけでは、その電話番号の持ち主が誰であるのかが思い出せない場合があるが、氏名に加えて位置情報を表示することによって、その相手と対面した場所が思い出され、その結果、その相手が誰であるのかが思い出しやすくなる。
また、連絡先の相手が誰であるのかが判っている場合であっても、その相手に関連する記憶を思い出すための情報として位置情報は有効である。例えば、出張先で対面した顧客の電話番号をその出張先の位置情報と対応付けて通信装置に記憶させておけば、その位置情報を表示させることにより出張先を特定することができ、その結果、その電話番号の持ち主と会ったときの用件が思い出しやすくなる。あるいは、旅先で知り合った友人の電話番号をその旅先の位置情報と対応付けて通信装置に記憶させておけば、その位置情報を表示させることによりその旅先を特定することができ、その結果、その友人や旅行に関する思い出を呼び戻すことができる。
【0023】
(2)第2実施形態
第2実施形態は、第1実施形態に変更を加えたものである。ここでは、第2実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
(2.1)構成
図7は、連絡先データベース121の内容を表す図である。本実施形態では、第1実施形態の連絡先データベース120に代えて、連絡先データベース121が記憶部109に記憶される。
【0024】
連絡先データベース121には、電話番号、電子メールアドレス、氏名、住所、勤務先及び位置情報に加えて、許可情報が書き込まれる。許可情報とは、他の通信装置100に連絡先情報を送信した場合に、位置情報を当該連絡先情報と対応付けて当該他の通信装置100の連絡先データベース121に記憶することを許可するか否かを表す情報である。例えば、記憶を許可する場合の許可情報を「1」とし、許可しない場合の許可情報を「0」とする。通信装置100は、連絡先情報を他の通信装置100に送信する際、この許可情報を含めた連絡先情報を送信する。
【0025】
(2.2)動作
図8は、本実施形態の動作を表す図である。
ステップA01、A02の処理内容は第1実施形態と同様であるが、ステップA01で通信装置100Aから送信される連絡先情報には、上述のとおり、許可情報が含まれている。
ステップB01では、制御部101は、通信装置100Aから受信した連絡先情報に含まれる許可情報に基づいて、位置情報を記録するか否かを決定する。許可情報が「1」である場合は、位置情報を記録するため(ステップB01:YES)、ステップA03に進む。許可情報が「0」である場合は、位置情報を記録せず(ステップB01:NO)、処理を終了する。
ステップA03以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0026】
本実施形態では、位置情報の記憶の可否を連絡先の送り手が予め決めることができる。例えば、対面した場所を第三者に知られたくない場合、位置情報の記憶を許可しないことを許可情報によって指定しておけば、仮に、対面した相手の通信装置の記憶内容が第三者に盗み見られた場合であっても、対面した場所をその第三者に知られるのを防ぐことができる。
【0027】
(3)第3実施形態
第3実施形態は、第1実施形態に変更を加えたものである。ここでは、第3実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
(3.1)構成
図9は、連絡先データベース122の内容を表す図である。本実施形態では、第1実施形態の連絡先データベース120に代えて、連絡先データベース122が記憶部109に記憶される。
【0028】
連絡先データベース122には、電話番号、電子メールアドレス、氏名、住所、勤務先及び位置情報に加えて、精度情報が書き込まれる。精度情報とは、測位装置400に生成させる位置情報の精度を表す情報である。例えば、都道府県名、市区町村名、町名、街区符号及び住居番号を含む位置情報を生成させる場合には、精度情報を「0」とし、都道府県名、市区町村名及び町名を含み、街区符号及び住居番号を含まない位置情報を生成させる場合には、精度情報を「1」とし、都道府県名及び市区町村名を含み、町名、街区符号及び住居番号を含まない位置情報を生成させる場合には、精度情報を「2」とする。通信装置100は、連絡先情報を他の通信装置100に送信する際、この精度情報を含めた連絡先情報を送信する。
【0029】
(3.2)動作
本実施形態の動作を図6を用いて説明する。
ステップA01、A02の処理内容は第1実施形態と同様であるが、ステップA01で通信装置100Aから送信される連絡先情報には、上述のとおり、精度情報が含まれている。
ステップA03では、測位情報受信部110Bが、4つの測位衛星300から測位情報を受信する。
ステップA04では、測位情報受信部110Bが、受信した測位情報をパケット通信部102に供給する。また、制御部101Bが、連絡先情報に含まれている精度情報をパケット通信部102Bに供給する。パケット通信部102は、受け取った測位情報及び精度情報を移動パケット通信網200経由で測位装置400に送信する。
【0030】
ステップA05では、制御部401が、通信装置100Bから受信した測位情報に基づいて通信装置100Bの緯度及び経度を計算し、この緯度及び経度に該当する住居表示を位置情報データベース420から抽出し、抽出された住居表示を含む位置情報を生成する。位置情報を生成する際、制御部401は、精度情報に応じた位置情報を生成する。例えば、精度情報が「0」が場合には、都道府県名、市区町村名、町名、街区符号及び住居番号を含む位置情報を生成し、精度情報が「1」の場合には、都道府県名、市区町村名及び町名を含み、街区符号及び住居番号を含まない位置情報を生成し、精度情報が「2」の場合には、都道府県名及び市区町村名を含み、町名、街区符号及び住居番号を含まない位置情報を生成する。
ステップA06以降の処理は、第1実施形態と同様である。
なお、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせもよい。
【0031】
本実施形態によれば、通信装置に記憶させる位置情報の精度を連絡先の送り手が予め決めることができる。例えば、市区町村名が判れば十分な相手である場合には、町名、街区符号及び住居番号を含まない位置情報を生成することにより、情報量を削減することができる。
【0032】
(4)変形例
以下に示す変形例は互いに組み合わせてもよい。
(4.1)変形例1
連絡先情報の送信元の通信装置100が測位装置400から位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、通信装置100Aが連絡先情報を通信装置100Bに送信する前に、測位情報受信部110Aにより測位情報を受信し、この測位情報を測位装置400に送信する。測位装置400から位置情報を受信したならば、この位置情報を連絡先情報に付加して通信装置100Bに送信する。通信装置100Bは、位置情報を連絡先情報と対応付けて連絡先データベース120Bに書き込む。
他の通信装置100から連絡先情報を受信した通信装置100が測位情報受信部110を備えていない場合や、何らかの障害により測位情報を受信できない場合には、当該他の通信装置100経由で位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、通信装置100Bが、通信装置100Aから連絡先情報を受信した後に、その連絡先情報の送信元である通信装置100Aに対して位置情報を要求し、通信装置100Aが測位情報受信部110Aにより測位情報を受信し、この測位情報を測位装置400に送信する。測位装置400から位置情報を受信したならば、この位置情報を通信装置100Bに送信する。通信装置100Bは、位置情報を連絡先情報と対応付けて連絡先データベース120Bに書き込む。
何らかの障害により測位情報を受信できない場合には、測位情報の受信が出来次第、当該測位情報を測位装置400に送信するようにしてもよい。
これらの構成によれば、連絡先情報を受信する側の通信装置が測位情報を受信できない場合でも、連絡先情報を受信する側の通信装置が位置情報を取得することができる。
【0033】
(4.2)変形例2
通信装置100に位置情報を表示させる場合に、次に示す態様で表示させてもよい。例えば、制御部101が特定の市区町村名に該当する位置情報のみを表示部108に一覧表示させ、表示された位置情報のいずれかを使用者が選択した場合に、制御部101が当該位置情報に対応付けられた連絡先情報を連絡先データベース120から読み出して表示させるようにしてもよい。この構成によれば、特定の場所に対応する連絡先情報だけを取得することができる。
通信装置100の現在位置を測位装置400に求めさせ、当該現在位置を表す位置情報を測位装置400から受信し、制御部101が当該現在位置に対応する連絡先情報を連絡先データベース120から読み出して表示させるようにしてもよい。この構成によれば、通信装置の現在位置に対応する連絡先情報だけを取得することができる。
【0034】
(4.3)変形例3
測位衛星300から得られる測位情報に基づいて位置情報を生成する代わりに、基地局210から当該基地局210の識別情報を取得し、この識別情報を測位装置400に送信し、測位装置400がこの識別情報に基づいて通信装置100の位置を求めるようにしてもよい。この場合、位置情報の精度は、当該基地局210のセル(当該基地局210の電波が届く範囲)の大きさになる。
基地局210から当該基地局210が属する位置登録エリアの識別情報を取得し、この識別情報を測位装置400に送信し、測位装置400がこの識別情報に基づいて通信装置100の位置を求めるようにしてもよい。この場合、位置情報の精度は、当該位置登録エリアの大きさになる。
通信装置100が無線LAN(Local Area Network)による通信手段を備えている場合には、無線LANのアクセスポイントから当該アクセスポイントの識別情報を取得し、この識別情報を測位装置400に送信し、測位装置400がこの識別情報に基づいて通信装置100の位置を求めるようにしてもよい。この場合、位置情報の精度は、当該アクセスポイントの電波が届く範囲の大きさになる。
通信装置100が基地局210又はアクセスポイントの通信可能圏外に位置する場合には、通信装置100が通信可能圏内に復帰した時点で基地局210又はアクセスポイントから識別情報を取得するようにしてもよい。
これらの構成によれば、通信装置が測位衛星から測位情報を受信する機能を有しない場合でも、位置情報を取得することができる。
【0035】
(4.4)変形例4
第1実施形態では、連絡先情報を受け取ったことを契機として位置情報を取得するようにしたが、他の事象を契機として位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、制御部101が定期的に位置情報を取得しておき、連絡先情報を受け取った場合に、最新の位置情報を記録するようにしてもよい。あるいは、或る期間内、例えば最初の相手から連絡先情報を受け取ってから5分以内に他の相手から連絡先情報を受け取った場合に、制御部101が最初の相手から連絡先情報を受け取った際に取得した位置情報を当該他の相手の連絡先情報と対応付けて記録するようにしてもよい。これらの構成によれば、位置情報の取得に関する処理を削減することができる。
【0036】
(4.5)変形例5
第2実施形態では、他の通信装置100から受け取った連絡先情報に含まれる許可情報に基づいて位置情報の記録の要否を判断したが、連絡先情報を受け取った通信装置100側で位置情報の記録の要否を決定するようにしてもよい。例えば、他の通信装置100から連絡先情報を受け取った場合に、制御部101が位置情報の記録の要否を選択するための操作子を表示部108に表示させ、使用者が位置情報の記録を命じる指示を入力した場合に、制御部101が測位情報を測位装置400に送信するようにしてもよい。この構成によれば、連絡先情報の受信側の通信装置の使用者が位置情報の記録の要否を決めることができる。
第3実施形態では、他の通信装置100から受け取った連絡先情報に含まれる精度情報に基づく精度の位置情報を生成するようにしたが、通信装置100の記憶部109に予め精度情報を記憶させておき、連絡先情報に含まれる精度情報の代わりに、予め記憶された精度情報に基づいて測位装置400に位置情報を生成させるようにしてもよい。あるいは、他の通信装置100から連絡先情報を受け取った場合に、位置情報の精度を指定するための操作子を表示部108に表示させ、使用者が指定した精度で測位装置400に位置情報を生成させるようにしてもよい。これらの構成によれば、連絡先情報の受信側の通信装置の使用者が位置情報の精度を決めることができる。
【0037】
(4.6)変形例6
第1実施形態では、住居表示を含む位置情報を生成するようにしたが、住居表示以外の情報を含む位置情報を生成するようにしてもよい。例えば、住居表示に該当する建築物や、当該住居表示の近隣の著名な建築物の名称を緯度及び経度と対応付けて位置情報データベース420に記憶させておき、制御部101がこの建築物の名称を含む位置情報を生成するようにしてもよい。また、制御部101が近隣の複数の建築物の名称を含む位置情報を生成して通信装置100に送信し、当該通信装置100でこれら複数の建築物の名称を表示部108に表示させ、使用者がいずれかの名称を選択すると、制御部101が選択された名称のみを連絡先情報と対応付けて連絡先データベース120に書き込むようにしてもよい。また、地方名や国名を表す位置情報を生成するようにしてもよい。これらの構成によれば、使用者にとって利用しやすい位置情報を提供することができる。
通信装置100が連絡先情報を受信した日時や、連絡先情報の受信に用いた通信手段を表す情報等を連絡先情報と対応付けて連絡先データベース120に書き込むようにしてもよい。
【0038】
(4.7)変形例7
通信装置100にスケジュールを記録する機能が備えられている場合には、記録されたスケジュールの内容を連絡先情報と関連付けて表示するようにしてもよい。例えば、日時と予定とを対応付けたスケジュール表が記録されているとすると、制御部101が他の通信装置100から連絡先情報を受信したときの日時に対応する予定をスケジュール表から読み出し、この予定を連絡先情報とともに表示部108に表示させるようにしてもよい。この構成によれば、連絡先情報に位置情報だけを付加する場合と比べて、連絡先情報を受け取ったときの状況を詳しく知ることができる。
【0039】
(4.8)変形例8
各実施形態では、赤外線を用いた近距離通信手段により連絡先情報を交換するようにしたが、電波を用いた近距離通信手段を用いてもよいし、通信装置100同士を通信ケーブルによって1対1で接続することによって連絡先情報を交換するようにしてもよい。これらは、いずれも、通信装置間で通信網を介さずに通信を行う近距離通信手段の範疇に含まれる。近距離通信手段を用いて連絡先情報を交換する場合、位置情報は相手と対面した場所を表す情報に等しいから、連絡先情報を交換した場所を思い出すことができる。
通信装置100間で近距離通信を行うのではなく、移動パケット通信網200等の通信網経由で連絡先情報を交換してもよい。例えば、移動パケット通信網200経由で電子メールにより連絡先を交換するようにしてもよい。例えば、通信装置が近距離通信手段を備えていない場合、対面する相手の電子メールアドレスを口頭で伝え合い、その電子メールアドレス宛で互いの連絡先を交換する場合が考えられる。この場合も、位置情報は相手と対面した場所を表す情報に等しいから、連絡先情報を交換した場所を思い出すことができる。
【0040】
(4.9)変形例9
各実施形態では、予め連絡先データベース120に記憶されている連絡先情報を交換するようにしたが、連絡先情報を交換する際に連絡先情報に他の情報を付加してもよい。例えば、通信装置100にデジタルカメラ等の撮像手段を備え、制御部101が、デジタルカメラで撮影した画像のデータを連絡先情報に付加して他の通信装置100に送信してもよい。あるいは、他の通信装置100から連絡先情報を受信した場合に、制御部101が、デジタルカメラで撮影した画像のデータを連絡先情報に付加して記録してもよい。
通信装置100にIC(Integrated Circuit)レコーダー等の録音手段を備え、制御部101が、ICレコーダーで録音した音声のデータを連絡先情報に付加して他の通信装置100に送信してもよい。あるいは、他の通信装置100から連絡先情報を受信した場合に、制御部101が、ICレコーダーで録音した音声のデータを連絡先情報に付加して記録してもよい。
使用者が操作部107を用いて入力した文字列を制御部101が連絡先情報に付加して他の通信装置100に送信してもよい。あるいは、他の通信装置100から連絡先情報を受信した場合に、使用者が操作部107を用いて入力した文字列を制御部101が連絡先情報に付加して記録してもよい。
これらの構成によれば、連絡先を交換したときの状況を画像や音声や文字列によって知ることができる。
【0041】
(4.10)変形例10
測位装置400で位置情報を生成する代わりに、測位情報が備える位置情報の生成機能を通信装置100に備えることにより、通信装置100が位置情報を生成するようにしてもよい。
測位装置400を移動パケット通信網200内に設ける代わりに、移動パケット通信網200の網外の通信網に測位装置400を接続するようにしてもよい。
CPUがOS及びアプリケーションプログラムを実行することによって通信装置100の動作を制御する代わりに、同様の機能をハードウェア回路で実装するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…通信システム、100A、100B…通信装置、200…移動パケット通信網、300…測位衛星、101…制御部、102…パケット通信部、103…近距離通信部、104…通話部、105…マイクロフォン、106…スピーカ、107…操作部、108…表示部、109…記憶部、110…測位情報受信部、120…連絡先データベース、200…移動パケット通信網、210…基地局、220…交換機、400…測位装置、401…制御部、402…通信部、403…記憶部、420…位置情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置と通信を行う通信手段と、
自装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通信手段が前記他の通信装置から当該他の通信装置の使用者の連絡先を含む連絡先情報を受信した場合に、当該連絡先情報と、前記位置情報取得手段によって取得された、当該連絡先情報を受信した時期に対応する位置情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを前記記憶手段から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示する表示手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信アドレス情報は、前記位置情報の記憶の可否を表す許可情報を含み、
前記記憶手段は、前記他の通信装置から受信した通信アドレス情報に含まれる許可情報が前記位置情報の記憶の許可を表す場合に、前記位置情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信アドレス情報は、前記位置情報の精度を表す精度情報を含み、
前記記憶手段は、前記他の通信装置から受信した通信アドレス情報に含まれる精度情報で表される精度で求められた前記位置情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
使用者の予定を記憶する予定記憶手段を有し、
前記記憶手段は、前記通信手段により前記連絡先情報を受信した時期に対応する予定を前記予定記憶手段から読み出し、
前記表示手段は、前記連絡先情報と前記位置情報と前記予定記憶手段から読み出された予定とを関連付けて表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記位置情報取得手段は、前記他の通信装置から、前記連絡先情報を受信した時期に対応する、当該他の通信装置の位置を表す位置情報を取得し、
前記記憶手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記他の通信装置の位置を表す位置情報と前記通信アドレス情報と対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記連絡先情報は、前記他の通信装置の使用者の連絡先として、当該他の通信装置の通信アドレスを含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
他の通信装置と通信を行う通信手段と、
自装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通信手段が前記他の通信装置から当該他の通信装置の使用者の連絡先を含む連絡先情報を受信した場合に、当該連絡先情報と、前記位置情報取得手段によって取得された、当該連絡先情報を受信した時期に対応する位置情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記連絡先情報と当該連絡先情報に対応付けられた位置情報とを前記記憶手段から読み出し、当該連絡先情報と当該位置情報とを関連付けて表示する表示手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−105175(P2012−105175A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253611(P2010−253611)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】