説明

通信装置及び情報収集方法

【課題】送信元が特定のエリア内のユーザ装置に一斉に配信した配信情報を、どの程度のユーザ装置が適切に受信できたかを送信元が分析できるようにすること。
【解決手段】通信装置は、特定の配信情報について記録をとるべきことを指示する指示信号を、特定の配信情報の送信元から受信する受信部と、送信元から一斉に配信された特定の配信情報を受信部が受信した場合に、特定の配信情報についての記録を保持する記憶部と、特定の配信情報についての記録を保持していることを示す通知信号を、送信元に送信する送信部とを有し、通知信号に応答して送信元が送信した要求信号を受信部が受信した場合に、送信部は、特定の配信情報を識別する識別子が少なくとも含まれている報告信号を、送信元に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び情報収集方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
地震のような災害が生じた際に、携帯電話を通じて緊急情報をユーザに通知する技術がある。そのような技術の具体例は、セルブロードキャストサービス(CBS)や、地震津波警報システム(ETWS)である。この点については、非特許文献1及び2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS25.331 v8.14.0(2011−03),§8.1.17
【非特許文献2】3GPP TS36.331 v8.13.0(2011−03),§5.2.1.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
緊急情報をユーザに通知する従来の方法の場合、基地局等の送信元は、緊急情報を一斉にユーザ装置に配信する。このような一斉配信型の通信の場合、個々のユーザ装置から送信元へ、ACK又はNACKのような送達確認情報は送信されない。このため、緊急情報を配信した送信元は、緊急情報を全てのユーザに適切に通知できたか否かを正確に知ることはできない。これは、ユーザが通信するエリアを適切に構築する等の観点からは好ましくない。緊急情報は、典型的には自然災害時に配信されるが、自然災害だけでなく、国際紛争等のような人為的な状況において配信されてもよい。
【0005】
本発明の課題は、送信元が特定のエリア内のユーザ装置に一斉に配信した緊急情報(より一般的には、配信情報)を、どの程度のユーザ装置が適切に受信できたかを送信元が分析できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例による通信装置は、
特定の配信情報について記録をとるべきことを指示する指示信号を、前記特定の配信情報の送信元から受信する受信部と、
前記送信元から一斉に配信された前記特定の配信情報を前記受信部が受信した場合に、前記特定の配信情報についての記録を保持する記憶部と、
前記特定の配信情報についての記録を保持していることを示す通知信号を、前記送信元に送信する送信部と
を有し、前記通知信号に応答して前記送信元が送信した要求信号を前記受信部が受信した場合に、前記送信部は、前記特定の配信情報を識別する識別子が少なくとも含まれている報告信号を、前記送信元に送信する、通信装置である。
【発明の効果】
【0007】
一実施例によれば、送信元が特定のエリア内のユーザ装置に一斉に配信した配信情報を、どの程度のユーザ装置が適切に受信できたかを送信元が分析できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施例において使用することが可能な通信システムを示す図。
【図2】動作例を示すシーケンス図。
【図3】ユーザ装置に保持される記録の一例を示す図。
【図4】送信元の通信装置の機能ブロック図。
【図5】ユーザ装置の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の観点から実施例を説明する。
【0010】
1.通信システム
2.動作例
3.送信元の通信装置
4.ユーザ装置
5.変形例
【実施例1】
【0011】
<1.通信システム>
図1は、一実施例において使用することが可能な通信システムを示す。図1は通信システムに備わる様々なノードのうち実施例に特に関連するものを示している。通信システムは、セルブロードキャストエンティティCBE11、セルブロードキャストセンタCBC12、交換局MME13、無線ネットワークコントローラRNC14、LTEシステムの基地局eNB15、3Gシステムの基地局BS(又はNodeB)15、ユーザ装置16を少なくとも含む。
【0012】
セルブロードキャストエンティティ(Cell Broadcast Entity:CBE)11は、災害時における緊急情報のような情報を提供する情報元である。具体的には、気象庁等がCBEに該当する。
【0013】
セルブロードキャストセンタ(Cell Broadcast Center:CBC)12は、CBE11から提供された情報に基づいて、実際にユーザ装置に配信する配信情報を作成する。CBC12は、CBE11から提供された情報に基づいて、配信情報を配信する地域又はエリアを決定してもよい。例えば、地震が生じた場合に、津波の危険が懸念される地域が具体的に特定されてもよい。
【0014】
交換局MME13は、一般的にはユーザ装置の呼処理を行い、例えば、LTE方式の移動通信システムにおけるユーザ装置に関し、加入者情報の管理、移動管理、発着信制御、課金制御、QoS制御等を行う。本実施例における交換局MME13は、緊急情報を表す配信情報を、CBC12により指定された地域の基地局に転送する。
【0015】
無線ネットワークコントローラRNC14は、一般的にはユーザ装置の呼処理を行う。例えば、第3世代の移動通信システムにおけるユーザ装置に関し、加入者情報の管理、移動管理、発着信制御、課金制御、QoS制御等を行う。本実施例における無線ネットワークコントローラRNC14は、緊急情報を表す配信情報を、CBC12により指定された地域の基地局に転送する。
【0016】
LTEシステムの基地局eNB15は、LTE方式の移動通信システムにおける基地局である。基地局eNB15は、ユーザ装置16と無線通信を行う場合における無線リソースの割り当て制御等を行う。
【0017】
3Gシステムの基地局BS(又はNodeB)15は、第3世代方式の移動通信システムにおける基地局である。
【0018】
ユーザ装置16は、LTE方式及び第3世代方式の双方又は一方の移動通信システムにおいて、ユーザによる無線通信を可能にすることに加えて、ETWSのような緊急情報を受信することが可能な適切な如何なる通信装置でもよい。ユーザ装置は、典型的には携帯電話であるが、他の装置でもよい。例えば、ユーザ装置は、情報端末、高機能携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ等でもよい。
【0019】
図1では、図示の簡明化のため、第3世代方式及びLTE方式の移動通信システムしか描かれていないが、他の通信システムが含まれていてもよい。例えば、LTEアドバンスト方式の通信システム等が含まれていてもよい。
【0020】
<2.動作例>
図2は、図1に示される通信システムにおいて、送信元の通信装置とユーザ装置との間で行われる動作例を示す。LTE方式の移動通信システムの場合、送信元の通信装置は、典型的には基地局eNB15であるが、交換局MME13や何らかの情報管理サーバ(図示せず)等でもよい。第3世代方式の移動通信システムの場合、送信元の送信装置は、典型的には無線ネットワークコントローラRNC14であるが、交換局(図示せず)や何らかの情報管理サーバ(図示せず)等でもよい。一例として、MDT(Minimization of Drive Test)によるRRCメッセージを使用する場合を説明するが、実施例はこの形態に限定されない。
【0021】
ステップS201において、送信元の通信装置(例えば、基地局)は、指示信号をユーザ装置に通知する。指示信号は、送信元の通信装置が指定した配信情報についてユーザ装置がそれを受信した場合に記録をとることを、ユーザ装置に指示するものである。ステップS201が行われる時点では災害は起こっていないものであってもよいし、災害発生に伴う情報配信ステップS203やS205と同時に実施してもよい。送信元の通信装置は、エリア、時間、内容等を指定する条件とともに指示信号を送信してもよい。ユーザ装置は、条件に合致する場合に記録をとる。例えば、特定のエリアに在圏するユーザ装置に対して指示信号が送信されてもよい。その場合、その特定のエリアに在圏しているユーザ装置が配信情報を受信すると記録をとるが、他のエリアに在圏するユーザ装置は、配信情報を受信しても記録をとらない。また、指示信号が特定の期間を指定し、ユーザ装置がその特定の期間内に配信情報を受信した場合に記録をとるようにしてもよい。さらに、指示信号が特定の内容(津波等)を指定し、ユーザ装置が特定の内容の配信情報を受信した場合に記録をとるようにしてもよい。MDTのメッセージが使用可能である場合、ステップS201は「LOGGED MEASUREMENT CONFIGURATION」というメッセージにより実行可能である。
【0022】
なお、ステップS201による指示信号の送受信は、ユーザ装置がコネクションが確立されていない状態(アイドル状態)において行われてもよいし、コネクションが確立されている間に行われてもよい。
【0023】
ステップS201による指示信号がユーザ装置に通知された後(直後であるとは限らず、任意の期間が経過した後)、地震のような災害が実際に起こったとする。この場合、気象庁のような機関(CBE)が、初期微動であるP波(Primary Wave)を検知することで緊急情報を作成し、それをセルブロードキャストセンタCBCに通知し、CBCが配信先のエリアを特定して実際に配信する配信情報を作成する。そして、配信情報は送信元の通信装置に至る。
【0024】
ステップS203において、送信元の通信装置は、「地震」、「津波」又は「地震+津波」のような最低限の情報部分を含む第1通知信号(Primary Notification)をユーザ装置に一斉に配信する。LTE方式の移動通信システムのETWSの場合、第1通知信号は、報知信号としてユーザ装置に通知される。第3世代方式の移動通信システムの場合、第1通知信号は、ページング信号としてユーザ装置に通知される。いずれにせよ、第1通知情報は、緊急情報の内、最低限の情報部分しか含んでいないので、ユーザ装置に迅速に通知することができる。
【0025】
図示の便宜上、ステップS201による指示信号がユーザ装置に通知された後に、ETWSの第1通知信号がユーザ装置に通知されているように描かれているが、このことは本実施例に必須ではない。ステップS201による指示信号とステップS203の第1通知信号とが同時に送信されてもよい。
【0026】
ステップS205において、送信元の通信装置は第2通知信号(Secondary Notification)をユーザ装置に通知する。第2通知信号は、「地震」のような最低限の情報部分以外の補足的な情報を含む。例えば、地震の場合、各地の震度や震源地等の情報が第2通知信号に含まれる。LTE方式の移動通信システムのETWSの場合、第2通知信号は、報知信号としてユーザ装置に通知される。第3世代方式の移動通信システムの場合、第1通知信号は、報知信号又はBMCによるブロードキャスト信号としてユーザ装置に通知される。
【0027】
ステップS207において、ユーザ装置は配信情報の記録(ログ)をとる。記録はユーザ装置の記憶部に記憶される。このユーザ装置は、ステップS203やS205で受信したような配信情報を取得した場合に、記録をとるようにステップS201において指示されていたものである。ステップS201においてユーザ装置が受信した指示信号に何らかの条件が指定されていた場合、このユーザ装置及び配信情報は、指定されていた条件に合致しているものとする。条件に合致していなかった場合、配信情報の記録は行われなくてもよい。
【0028】
図3は、ユーザ装置の記憶部に記憶される記録(ログ)の一例を示す。記録(ログ)は、様々な情報項目を含んでいてよい。図示の例の場合、ログ番号、情報種別、ワーニングタイプ、ネットワーク(PLMN)、無線アクセス技術(RAT)、日付、時刻、セル識別子(セルID)、メッセージ識別子(メッセージID)、シリアル番号、場所という情報項目毎に記録が行われる。
【0029】
ログ番号は、ユーザ装置が記録を行う際に配信情報毎に付与する識別番号である。
【0030】
情報種別は、配信された情報がどのような方式で配信されたものであるかを示す。図示の例の場合、ログ番号#0の配信情報はETWS方式で通知されたものであり、ログ番号#1の配信情報はセルブロードキャストサービス(CBS)方式で通知されたものである。概して、ETWS方式は、緊急情報を第1通知信号と第2通知信号に分離し、第1通知信号を速やかに配信するのに対して、CBS方式ではそのような情報の分割は行われずに配信される。
【0031】
ワーニングタイプは、配信情報の種類又はカテゴリを示す。図示の例の場合、ログ番号#0の配信情報は地震に関するものであり、ログ番号#1の配信情報は津波に関するものである。
【0032】
ネットワーク(PLMN)は、配信情報の配信が行われた通信網(地上波公共移動通信ネットワーク)が何であるかを示す。ネットワークを運営するオペレータ名が記載されてもよい。
【0033】
無線アクセス技術(RAT)は、配信情報の配信を行った通信網において使用されている無線アクセス技術を示す。図示の例では、ログ番号#0の配信情報は、UTRA方式の通信網を経由して配信されている。
【0034】
日付は、配信情報が配信された日付を示す。
【0035】
時刻は、配信情報が配信された時刻又はユーザ装置が配信情報を受信した時刻を示す。
【0036】
セル識別子(セルIdentity)は、ユーザ装置が配信情報を受信したセルの識別子を示す。
【0037】
メッセージ識別子(メッセージID)は、配信情報の情報元を示す。例えば、気象庁がメッセージ識別子として指定される。
【0038】
シリアル番号は、配信情報のバージョンを示す。例えば、配信情報を受信したユーザ装置は、メッセージ識別子とシリアル番号を確認し、双方が同一の配信情報を既に受信していた場合は、受信したばかりの配信情報を破棄する。シリアル番号が古い配信情報が受信されていた場合は、受信したばかりの配信情報が、ユーザに表示される。配信情報が保存される場合は上書きされる。
【0039】
場所は、配信情報を受信した際のユーザ装置の位置を示す。図示の例の場合、北緯30度及び東経145度の場所が示されている。このような位置情報は、例えばGPS受信機により取得した信号に基づいて決定されてもよい。
【0040】
情報項目の種類は図示のものに限定されず、他の情報項目が記録されてもよい。例えば、保存される情報項目の中に、配信情報の内容が含まれてもよい。配信情報の内容は、具体的には図2のステップS203及びS205により通知されたものである。何れにせよ、ユーザ装置は指定された配信情報を受信した場合、その配信情報についての記録を保存する。配信情報についての記録は、配信情報に対するメタデータ(緊急情報に付随する情報)と言及されてもよい。
【0041】
図2のステップS207において、配信情報についての記録が行われた後の何らかの時点において(ステップS205から任意の期間経過後に)、ユーザ装置が送信元の通信装置にアクセスしようとしたとする。例えば、ユーザ装置がコネクションを確立しようとしたとする。この場合、ユーザ装置は共通制御チャネルを用いて例えば基地局のような送信元の通信装置にアクセスする。このアクセスの時点において、ユーザ装置は、配信情報について記録を保持していることを、送信元の通信装置に通知する(ステップS209)。この通知は、例えば、記録を保持しているか否かを示す1ビットにより表現されてもよい。MDTのメッセージが使用可能である場合、ステップS209は「RRC CONNECTION REQUEST」というメッセージにより実行可能である。
【0042】
ステップS211において、送信元の通信装置は、ユーザ装置からの通知に応答して、ユーザ装置が保持している記録を要求する。MDTのメッセージが使用可能である場合、ステップS211は「UE INFORMATION REQUEST」というメッセージにより実行可能である。
【0043】
ステップS213において、ユーザ装置は、送信元の通信装置からの要求に応答して、保持している情報項目の内の1つ以上を含む報告信号を、送信元の通信装置に送信する。例えば、報告信号は、メッセージID及びシリアル番号を含んでいてもよい。配信情報はこれらの情報により特定できるからである。あるいは、報告信号は、メッセージID及びシリアル番号に加えて、他の任意の情報項目を含んでもよい。具体的には、報告信号は、メッセージID及びシリアル番号に加えて、図3に示されているような他の任意の情報項目を1つ以上含んでもよい。MDTのメッセージが使用可能である場合、ステップS213は「UE INFORMATION RESPONSE」というメッセージにより実行可能である。
【0044】
ステップS215において、送信元の通信装置は、様々なユーザ装置から収集した配信情報についての記録を分析する。例えば、ユーザ装置からの報告信号が、メッセージID及びシリアル番号を含んでいたとする。この場合、そのユーザ装置は、メッセージID及びシリアル番号により特定される配信情報を適切に受信できている。したがって、図2のステップS201において、配信情報の記録をとるように指示を受けたユーザ装置の総数が既知であった場合、その総数Nと報告を行ったユーザ装置数nとの比率(n/N)を求めることで、配信情報の受信率を知ることができる。報告信号が、メッセージID及びシリアル番号に加えて、場所の情報(例えば、セルIDや緯度経度等)を含んでいた場合、セル毎又は場所毎の受信率を知ることができる。報告信号が、メッセージID及びシリアル番号に加えて、受信時刻の情報を含んでいた場合、配信情報の受信率を時系列で知ることができる。
【0045】
送信元の通信装置は、収集した報告信号を分析することで、配信情報がどの程度のユーザに適切に届いたか否か等を知ることができる。その結果、例えば、受信率が低い地域に対して、受信率が向上するように対策を講じることができる。例えば、配信情報の反復的な送信回数を増やすこと、送信電力を増やすこと、チャネル符号化率を下げること、データ変調方式の変調多値数を小さくすること、指向性を調整すること、配信情報を送信する基地局を増やすこと等の対策を講じることで、次回送信する配信情報の受信率を改善することができる。
【0046】
<3.送信元の通信装置>
図4は、送信元の通信装置の機能ブロック図を示す。上述したように、送信元の通信装置は、基地局(eNB、NodeB)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、交換局(MME)、ネットワークサーバ等でもよい。図4には通信装置に備わる様々な機能部又は処理部のうち実施例に特に関連するものが示されている。通信装置は、網側通信部41、UE側通信部42、ログ収集部43及び制御部44を少なくとも有する。
【0047】
網側通信部41は、上位のノードから配信情報を受信する。配信情報は配信する地域を指定する情報とともに受信されてもよい。送信元の通信装置が基地局であった場合、上位のノードは、無線ネットワークコントローラ(RNC)又は交換局(MME)である。送信元の通信装置が無線ネットワークコントローラRNCであった場合、上位のノードは、セルブロードキャストセンタCBCである。
【0048】
UE側通信部42は、ユーザ装置に向けて信号を送信する機能と、ユーザ装置からの信号を受信する機能とを有する。ユーザ装置に向けて送信する信号は、配信情報について記録を行うことを指示する指示信号、配信情報を含む信号、及び配信情報についての記録を要求する信号等を含む。ユーザ装置から受信する信号は、記録を保持していることを示す通知信号、及びユーザ装置が保持していた記録の内容を含む報告信号等である。
【0049】
ログ収集部43は、ユーザ装置から受信した報告信号により収集した記録(ログ)を保持する。
【0050】
制御部44は、送信元の通信装置における動作を制御する。制御部44は図2を参照しながら説明した動作のうち、送信元の通信装置に関する部分を通信装置が実行できるようにする。
【0051】
<4.ユーザ装置>
図5は、ユーザ装置の機能ブロック図を示す。図5にはユーザ装置に備わる様々な機能部又は処理部のうち実施例に特に関連するものが示されている。ユーザ装置は、通信部51、ログ記憶部52及び制御部53を少なくとも有する。
【0052】
通信部51は、送信元の通信装置からの信号を受信する機能と、送信元の通信装置に向けて信号を送信する機能とを有する。送信元の通信装置から受信する信号は、配信情報について記録を行うことを指示する指示信号、配信情報を含む信号、及び配信情報についての記録を要求する信号等を含む。送信元の通信装置に向けて送信する信号は、記録を保持していることを示す通知信号、及び保持していた記録の内容を含む報告信号等である。
【0053】
ログ記憶部52は、配信情報から取得した記録(ログ)を保持する。
【0054】
制御部53は、ユーザ装置における動作を制御する。制御部53は図2を参照しながら説明した動作のうちユーザ装置に関する部分をユーザ装置が実行できるようにする。
【0055】
<5.変形例>
図1に示す通信システムは、LTE方式の移動通信システム及び第3世代方式の移動通信システムを含むが、このことは必須ではない。より一般的には、図1に示す通信システムは、無線アクセス技術(RAT)が異なる任意の移動通信システムを含んでいてもよい。複数の無線アクセス技術(RAT)の何れにおいても動作することが可能なユーザ装置の場合、指示信号を受ける際の無線アクセス技術(RAT)と、記録を報告する際の無線アクセス技術(RAT)とは、同一でもよいし、異なっていてもよい。例えば、図2のステップS201により指示を受けた際の移動通信システムの無線アクセス技術(RAT)(例えば、LTE方式)が、ステップS209−S213により記録を報告する際の移動通信システムの無線アクセス技術(RAT)(例えば、WCDMA方式)と異なっていてもよい。
【0056】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、一斉に情報を配信する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。例えば本発明は、W−CDMA方式のシステム、HSDPA/HSUPA方式のW−CDMAシステム、LTE方式のシステム、LTE−Advanced方式のシステム、IMT−Advanced方式のシステム、WiMAX、Wi−Fi方式のシステム等に適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0057】
11 セルブロードキャストエンティティCBE
12 セルブロードキャストセンタCBC
13 交換局MME
14 無線ネットワークコントローラRNC
15 LTEシステムの基地局eNB、3Gシステムの基地局BS
16 ユーザ装置
41 網側通信部
42 UE側通信部
43 ログ収集部
44 制御部
51 通信部
52 ログ記憶部
53 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の配信情報について記録をとるべきことを指示する指示信号を、前記特定の配信情報の送信元から受信する受信部と、
前記送信元から一斉に配信された前記特定の配信情報を前記受信部が受信した場合に、前記特定の配信情報についての記録を保持する記憶部と、
前記特定の配信情報についての記録を保持していることを示す通知信号を、前記送信元に送信する送信部と
を有し、前記通知信号に応答して前記送信元が送信した要求信号を前記受信部が受信した場合に、前記送信部は、前記特定の配信情報を識別する識別子が少なくとも含まれている報告信号を、前記送信元に送信する、通信装置。
【請求項2】
特定の配信情報について記録をとるべきことを指示する指示信号を、ユーザ装置に送信した後に、前記特定の配信情報を特定のエリアのユーザ装置に一斉に配信する送信部と、
前記特定の配信情報についての記録を保持していることを示す通知信号を、前記ユーザ装置から受信する受信部と
を有し、前記送信部が送信した要求信号に応答するユーザ装置から、前記受信部が、前記特定の配信情報を識別する識別子が少なくとも含まれている報告信号を受信する、通信装置。
【請求項3】
前記指示信号が、前記特定の配信情報の識別子に加えて、前記特定の配信情報を受信した時刻及び場所の内の少なくとも1つを指定している、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記報告信号が、前記特定の配信情報の識別子に加えて、前記特定の配信情報を受信した時刻、場所及び内容の内の少なくとも1つを指定している、請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記指示信号が、所定の時刻に所定のエリアに送信されたものである、請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記送信元が、基地局、基地局を制御する無線ネットワークコントローラ、交換局又はネットワークサーバである、請求項1記載の通信装置。
【請求項7】
当該通信装置が基地局、基地局を制御する無線ネットワークコントローラ、交換局又はネットワークサーバである、請求項2記載の通信装置。
【請求項8】
特定の配信情報について記録をとるべきことを指示する指示信号を、前記特定の配信情報の送信元からユーザ装置に通知し、
前記送信元が前記特定の配信情報を一斉に配信し、
前記特定の配信情報を受信した前記ユーザ装置が、前記特定の配信情報についての記録を保持し、
前記特定の配信情報についての記録を保持していることを示す通知信号を、前記ユーザ装置が前記送信元に送信し、
前記通知信号に応答して前記送信元が要求信号を前記ユーザ装置に送信し、
前記特定の配信情報を識別する識別子が少なくとも含まれている報告信号を、前記ユーザ装置が前記送信元に送信する、情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−248099(P2012−248099A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120839(P2011−120839)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】