通信装置及び通信方式
【課題】 複数の異なる周波数を使用して通信する通信装置において、送信側では複数の異なる周波数を多重化して送信データにより変調し、受信側では多重化された搬送波から信号を抽出して受信データを復調することにより、キャリアノイズやフェージングに強く、且つ安価な回路構成を実現することができる通信装置を提供する。
【解決手段】 この送信装置13は、基本周波数を発振する発振器2と、発振出力信号23を所定の分周比で分周する分周器3と、発振器2及び分周器3の発振出力信号23、22を合成するAND回路4と、発振出力信号24を送信データ20により変調する変調器5と、アンテナ6aと、を備え、また受信装置14は、アンテナ6bと、所定の周波数帯域を通過させるBPF7と、低周波成分を通過させるLPF9と、論理信号に整形する波形整形器11と、を備えて構成されている。
【解決手段】 この送信装置13は、基本周波数を発振する発振器2と、発振出力信号23を所定の分周比で分周する分周器3と、発振器2及び分周器3の発振出力信号23、22を合成するAND回路4と、発振出力信号24を送信データ20により変調する変調器5と、アンテナ6aと、を備え、また受信装置14は、アンテナ6bと、所定の周波数帯域を通過させるBPF7と、低周波成分を通過させるLPF9と、論理信号に整形する波形整形器11と、を備えて構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置及び単一周波数を使用して通信する通信装置の回路構成とその通信方式の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単一の周波数を使用して通信を行う場合、電波伝搬経路中にある様々な要因によって、受信電界の強度が時間的に変動するフェージングという現象が現れる。フェージングには、数100msという短周期のものから、数時間の周期のものまであり、無線通信の通信品質を劣化させる大きな要因の一つとなっている。実際には、複数の要因が重なってフェージングが発生する場合が多い。
フェージングから通信品質を維持するために、従来から複数の周波数により通信する通信方式が提案されている。例えば、特許文献1には、電力線へ信号を重畳するデータの送信器側では逆フーリエ変換回路により送信信号を合成し、受信器側ではフーリエ変換回路により受信した信号からデータを抽出することにより周波数軸上に通信キャリアを複数設け、また、逆フーリエ変換回路による送信用データの変換時に複数の送信キャリアのうち、エラーレートの小さい周波数の信号を送信用に選択する技術について開示されている。
また特許文献2に開示された従来例では、送信装置は、変調回路がクロック信号発生回路の発生するサブキャリアを送信データ列で変調し、インパルス列信号発生回路がインパルス列信号をキャリア信号として発生し、周波数変換回路がインパルス列信号であるキャリア信号を周波数変換してアンテナから送信する。受信装置は、周波数変換回路がインパルス列信号で受信信号を周波数変換し、中間周波フィルタ回路が中間周波信号を抽出し、復調回路がそれを復調することによって受信データ列を出力する。
【0003】
【特許文献1】特開2000−165304号公報
【特許文献2】特開平11−341086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、送信器側は、逆フーリエ変換回路により送信信号を生成し、受信器側はフーリエ変換回路により受信した信号からデータを抽出することにより、周波数軸上に通信キャリアを複数設けている。即ち、この従来技術にあっては逆フーリエ変換やフーリエ変換を行う機能が必要であり、専用ハードウェア(ASIC)やDSPなど、高速な積和演算を実現するハードウェアが必要であるため、高コストとなり、容易に実現することができないという問題があった。
【0005】
また特許文献2に開示されている従来技術は、キャリア信号を周波数変換してアンテナから送信し、受信側ではインパルス列信号で受信信号を周波数変換して復調するため、送信側及び受信側の回路構成が複雑となるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置において、送信側では複数の異なる周波数を多重化して送信データにより変調し、受信側では多重化された搬送波から信号を抽出して受信データを復調することにより、キャリアノイズやフェージングに強く、且つ安価な回路構成を実現することができる通信装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、複数の異なる周波数、又は単一周波数を使用して通信する通信方式において、送信時には他の通信装置からの応答信号を認識するまで周波数を順次低くして送信し、応答信号を認識した時点での周波数により以後の通信を継続することにより、キャリアノイズやフェージングに強い通信方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、送信時には、発振器から出力される発振出力信号と、この発振出力信号を分周した信号とを論理積して搬送波を生成し、この搬送波を送信データで変調して送信する。受信時には、受信装置により基本周波数と分周した周波数を抽出して論理信号に変換し、該論理信号を処理して受信データを取得する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送信装置において、発振器から出力される発振出力信号と、この発振出力信号を分周した信号とを多重化して送信することにより、容易に複数の周波数を用いて送信することができる。また、受信側では、送信装置に用いた発振出力信号の基本周波数と、発振出力信号を分周した周波数の両者の帯域を通過させるバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを介して抽出した信号をローパスフィルタに通過させることにより、容易に複数の周波数の信号を受信することが可能になる。これにより、ノイズやフェージングに強い通信方式を安価に開発することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0009】
図1は本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
図1に示した通信システム100は、2台の通信装置30a、30bにより通信する構成例を示している。通信装置30aはアンテナ6aを備えた送信装置13と、アンテナ6bを備えた受信装置14と、送信装置13と受信装置14を制御するMPU(Micro Processing Unit)1と、を備えて構成される。同じく通信装置30bはアンテナ6aを備えた送信装置13と、アンテナ6bを備えた受信装置14と、送信装置13と受信装置14を制御するMPU1と、を備えて構成される。即ち、通信装置30a、30bは全く同じ構成の通信装置である。例えば、通信装置30aが送信側となって通信装置30bと通信を行う場合、通信装置30aの送信装置13からアンテナ6aを介して送信データ32を通信装置30bに送信し、通信装置30bのアンテナ6bを介して受信装置14がその送信データ32を受信する。また通信装置30bが送信側となって通信装置30aと通信を行う場合、通信装置30bの送信装置13からアンテナ6aを介して送信データ31を通信装置30aに送信し、通信装置30aのアンテナ6bを介して受信装置14が送信データ31を受信する。
【0010】
通信装置100が、複数の異なる周波数を多重化して通信するシステムの場合は、送信時には、2種類以上の異なる周波数を合成して送信データにより変調して送信する。また受信時には、他の通信装置が備える送信装置から送信された多重化された周波数から信号を抽出して論理信号に変換し、その論理信号を処理することにより受信データを取得する(詳細は後述する)。これにより、一方の周波数がフェージング等による影響により減衰したとしても、他方の周波数から信号を抽出することにより受信データを復調することが可能となる。
図2は本発明の第1の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、基本周波数(70MHz)を発振する発振器(第1の発振手段)2と、発振器2により発振された発振出力信号23を所定の分周比により分周する分周器(第2の発振手段)3と、発振器2及び分周器3により出力された夫々の発振出力信号23、22を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号24を送信データ20により変調する変調器5と、アンテナ6aと、を備えて構成される。
また受信装置14は、アンテナ6bと、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタ(以下、BPFと記す)(帯域通過フィルタ)7と、BPF7を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるローパスフィルタ(以下、LPFと記す)(低域通過フィルタ)9と、LPF9のフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器(波形整形手段)11と、を備えて構成されている。
またMPU1は、波形整形器11により出力された出力信号を処理することにより受信データを得る。例えば、信号の処理をソフトウェアにより行なう場合、所定の時間間隔でMPU1のポートの状態をリードする。N回ローレベルが続いたら”0”と判定し、N回ハイレベルが続いたら”1”と判定して受信データとして取り込む。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
また、変調器5の回路構成は、例えば2入力のAND回路であり、変調器5に入力されるAND回路4の出力信号24を、MPU1から出力される送信データ20(”H”、”L”の信号)により、搬送波を出力したり、停止したりしている。
【0011】
次に第1の実施形態の動作について説明する。尚、本実施形態の送信装置13の各信号はデジタル信号として処理される。図2のように構成された通信装置において、1つの通信装置から他の通信装置に送信する場合、送信装置13の発振器2の発振周波数を、例えば70MHzとした場合、この発振信号23を分周器3で4分周すると17.5MHzの周波数の発振出力信号22が出力される。この17.5MHzの発振出力信号22と70MHzの発振出力信号23をAND回路4で論理積して出力信号24を得る。この出力信号24は後述するように、分周器3により分周された17.5MHzの発振出力信号22と70MHzの発振出力信号23の論理積の結果であるので、周波数成分として70MHzと17.5MHzが含まれることになる。この2種類の周波数成分を有する信号を変調器5によりMPU1からの送信データ20により論理積して変調すると、分周器3の発振出力信号22がハイレベルの期間だけ波形23が出力される。図3中の”1”、”0”、”1”は、MPU1からの送信データ20を表している。即ち、17.5MHzデジタル信号がAND回路4で論理積されると、このデジタル信号の期間に発振出力信号23(70MHz)がこの例では4周期分含まれることになる。従って、出力信号24は波形22と波形23の論理積された連続した波形である。そして送信データ20が”1”の周期中に変調器5から波形22と波形23の論理積された連続した波形が送信され、送信データ20が”0”の周期中には変調器5からは送信されなくなる。つまり、変調器5の搬送周波数は出力信号24であり、その出力信号24を送信データ20により変調するものである。このように、本願発明の基本的な特徴は、デジタル信号処理により周波数を多重化して通信する点にある。このデジタル信号処理回路を使用することにより、回路構成が簡略化され低コスト等の効果を奏する。
【0012】
図4は図3の波形25を周波数軸で観測した場合の周波数スペクトラムの図である。縦軸に信号強度、横軸に周波数を表す。図4では、17.5MHzと70MHzの周波数の信号27、28が出力されている。ところが、空中線伝搬などでは、フェージングなどにより、一部の周波数(例えば70MHz)が減衰してしまう場合がある。しかし、複数の周波数を多重化して送信しているため、一部の周波数の信号が減衰しても、もう一方の信号(例えば17.5MHz)から、データを再生できるため、フェージングに強い通信方式を実現することができる。
【0013】
次に受信装置14の動作について説明する。受信側では、他の通信装置が備える送信装置からの信号をアンテナ6bで受信し、BPF7でフィルタリングし、送信装置から送信される周波数以外の周波数をカットする。この後、この信号の包絡線20を生成するためLPF9を通過させる。LPF9を通過後、波形を整形するため、シュミットバッファまたは、コンパレータからなる波形整形器11を用いて、波形をデジタル化してMPU1に取り込みデータを復調する。このような送信装置と受信装置により構成した通信装置からなる通信システムを構築することで、安価な回路構成で、フェージングに強い通信システムを得ることが可能となる。
【0014】
以上の通り第1の実施形態によれば、複数の異なる周波数を使用して通信する通信装置において、送信時は、送信装置により複数の異なる周波数を送信データにより変調して送信し、受信時は、受信装置により各信号を抽出して論理信号に変換し、この論理信号を処理して受信データを取得するので、一方の周波数がフェージング等により減衰しても、他方の信号を抽出することにより受信データを復調することができる。
また、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号23と、その信号を所定の分周比により分周した発振出力信号22とを合成し、その合成発振出力信号24を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から所定の周波数帯域のみを通過させ、その信号を論理信号に変換する。そしてこの論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、簡単な回路構成で且つ安価に装置を構成することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
図5は本発明の第2の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、図2の構成と同様であるので説明を省略する。
受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる70MHz(第1の周波数帯域)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7と、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる17.5MHz(第2の周波数帯域)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)8と、BPF7、BPF8を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF9、LPF10と、このフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11、12と、を備えて構成されている。
またMPU1は、波形整形器11、12により出力された夫々の出力信号を処理することにより受信データを得ることができる。例えば、MPU1の信号処理方法として、まずポートの状態を所定の時間間隔によりリードする。そして波形整形器11により出力された出力信号とノイズとを区別するために、N回”1”を連続して検出したデータを”1”として判定してデータを1次バッファに記憶し、またN回”0”を連続して検出したデータを”0”として判定してデータを1次バッファに記憶して受信データを得る。同様にして波形整形器12の出力信号も処理して1次バッファに記憶して受信データを得る。次に1次バッファが1バイト分記憶されると、1次バッファのプリアンブルデータがプリアンブルパターンと一致しているか否かを比較し、一致した場合、そのデータを2次バッファに取り込む。そしてこの2次バッファから生成したFCCコードが、2次バッファの末尾のFCCの値と一致しているか否かを比較して、一致していた場合に正しい受信データとして判断してアプリケーションにてデータを受信する。
このように第1の実施形態の方式では、受信側のBPF7は、1つのBPFで形成されており、帯域が広くなっているため、送信側で未送信の場合にも、空中線上のノイズなどにより、BPF7を通過して、受信判定することなどがあり得る。すなわち、図3における論理”0”を送信している場合にも、受信信号が観測される場合がある。このようなノイズに対する耐性を高めるため、図5のように、送信される2つの周波数の信号それぞれに対応するBPF7、8を用意するものである。
以上の通り第2の実施形態によれば、本発明の受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から第1と第2の周波数帯域に分離して論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、入力された双方の信号を比較することにより更に正確に受信データの検出が可能となる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0015】
図6は本発明の第3の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、図2の構成と同様であるので説明を省略する。
受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる70MHz(第1の周波数帯域)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7と、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる17.5MHz(第2の周波数帯域)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)8と、BPF7、BPF8を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF9、LPF10と、このフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11、12と、波形整形器11、12から出力された出力信号を論理積するAND回路(論理積回路)61と、波形整形器11、12から出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)62と、を備えて構成される。
そしてMPU1は、波形整形器11、12、AND回路61、OR回路62により出力された出力信号を処理する。このようにすることで、フェージングに強く、波形が欠けることが多いような場合にも、OR回路62の出力からは、双方の周波数で補うような出力データが得られ、また、ノイズが多く、論理”0”の検出が難しい場合には、AND回路61の出力を受信するようにすることで、両方の周波数帯から同時に出力されていないノイズ成分は、除去することが可能になる。
【0016】
以上の説明は、2つの異なる周波数を有する搬送波に対して説明したものであるが、分周器を複数用意することで、(分周器の数+1)の搬送波を生成することが可能になることは明らかである。
【0017】
以上の通り第3の実施形態によれば、本発明の受信装置14は、夫々の波形整形器11、12の出力信号の論理積及び論理和をとり、夫々の出力信号と波形整形器11、12の出力信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、フェージングに強く、波形が欠けることが多い場合でも、論理和した出力からは双方の周波数で補うような出力データが得られ、またノイズが多く論理「0」の検出が困難な場合には、論理積した出力を受信することで、両方の周波数から同時に出力されないノイズ成分は除去することが可能となる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0018】
図7は本発明の第4の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。本発明の送信装置13は、基本周波数(70MHz)を発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(発振手段)15と、プログラマブルカウンタ15により出力される発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成されている。
【0019】
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させるBPF7と、BPF7を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10と、LPF10のフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11と、を備えて構成されている。尚、アンテナ6a、6bは省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、発振器2の周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて変更し、この搬送波を用いてデータを変調する。例えば、送信装置13では、70MHzの発振器2をプログラマブルカウンタ15を用いて、2分周、3分周、・・・というように発振器2の基本発振周波数を分周する。この分周した矩形波を搬送波として、変調器5により送信データ20により変調する。変調器5は、搬送波とMPU1からの送信データ20を論理積する回路で構成する。即ち、MPU1からのデータが“0”の場合は、搬送波がない状態であり、送信データ1の場合は、搬送波が存在する状態である。
【0020】
受信装置14は、プログラマブルカウンタ15で設定する搬送波の周波数範囲のBPF7とLPF10からなっており、図1の受信装置の構成と同じである。
以上の通り第4の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を外部から設定した値の分周比により分周した発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から発振出力信号の周波数帯域を通過させ、その信号を論理信号に変換する。そしてこの論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、この場合の通信方式として送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前にプログラマブルカウンタ15が出力した発振出力信号になるように、プログラマブルカウンタ15の分周比を決定することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0021】
図8は図7の通信装置を用いて、端末Aと端末B間で通信するケースを説明するシーケンス図である。図7の通信装置では、同時に送信する搬送波の周波数が1種類のため、フェージングの影響を受けやすい。そこで本発明の通信方式においては、まず端末Aは、端末Bに送信するフレームを周波数f1で送信し、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、端末Bに不達であったと見なし、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値が記載されている箇所の値をf2の値(例えば”0xF2”)に変更したフレームを周波数f2で送信する。(f1の周波数で送信した倍は”0xF1”の記載をしている)なお、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、同様に、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記載する箇所の値をf3の値(例えば”0xF3”)に変更したフレームを、周波数f3で送信する。このように、該当端末と通信できない場合は、周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて切り換えて送信する。
【0022】
一方、端末Bは、受信したフレームのヘッダ部分のプログラマブルカウンタ値を参照し、プログラマブルカウンタ15の設定値を、このカウンタ値に設定して、応答確認フレーム81を送信する。これにより、複数の周波数を用いて通信することができるため、ノイズ、フェージングに強い通信方式を得ることができる。
【0023】
尚、フレームは一例として、同期用パターンである ”10011110”が8バイト分からなるPR(PReamble)と、送信元アドレスであるSA (Source Address)と、送信先アドレスであるDA (Destination Address)と、制御コードCC (Control Code)と、HD (Headder)と、アプリケーションデータと、フレームチェックコードであり、例えばCRCコードが実装されているFCC (Frame Check Code)と、から構成されている。
以上の通り本実施形態によれば、送信側の通信装置は周波数を高い方から送信を開始し、その周波数に対する応答信号が受信側から所定の時間内に返送されるか否かをチェックし、返送されなければ第1の発振手段の分周比を切り換えて周波数が低くなるようにする。これを順次繰り返し、応答信号が受信側から所定の時間内に返送され場合に、そのときの送信側の周波数になるように第1の発振手段の分周比を決定するので、送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前に第1の発振手段が出力した発振出力信号になるように、第1の発振手段の分周比を決定することができ、最良の周波数により通信を行うことができる。
図9は本発明の第5の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。尚、この図では送信装置は図7の構成と同様であるので割愛している。この受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えたBPF7a(70MHz)、7b(35MHz)、7c(23.3MHz)と、BPF7a、7b、7cを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10cと、LPF10a、10b、10cのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11cと、波形整形器11a、11b、11cから出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)91と、を備えて構成される。そしてMPU1は、OR回路91から出力される出力信号92を処理して受信データを得るものである。このように複数のBPF10a、10b、10cを介して受信することにより、ノイズ耐性を高めることができ、また、MPU1の処理においても、複数の入力ポートを同時に観測する必要がなくなり、処理負荷を軽減することが可能になる。尚、アンテナ9bは図示を省略している。
以上の通り第5の実施形態によれば、受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から発振出力信号の周波数帯域を通過させるために、発振出力信号の周波数毎にBPF7a〜7cを備え、その信号を論理信号に変換後、夫々の論理信号を論理和してMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、MPU1のポート数を節約することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0024】
図10は本発明の第6の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。尚、この図では送信装置は図7の構成と同様であるので割愛している。この受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えたBPF7a(70MHz)、7b(35MHz)、7c(23.3MHz)と、BPF7a、7b、7cを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10cと、LPF10a、10b、10cのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11cと、波形整形器11a、11b、11cから出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)91と、BPF7a、7b、7cの夫々のフィルタ出力信号とLPF10a、10b、10cとの間に備えた複数のアナログスイッチ(断接手段)16a、16b、16cと、LPF10a、10b、10cにより出力された出力信号からプリアンブルを検出するプリアンブル検出器(プリアンブル検出手段)17と、を備えて構成される。尚、アンテナ9bは図示を省略している。
尚、プリアンブルとは、フレームの先頭に付加された予め定められたパターンのデータのことであり、このパターンを検出するものがプリアンブル検出器17である。このプリアンブル検出器17により、BPF7a、7b、7cを通過したフレームから、プリアンブルデータが検出された信号線を判定し、その通過してきたBPFの以外の後段にあるアナログスイッチ16をOFFにする。このようにすることで、プリアンブル以降の、データの途中で、他のBPFを介して、ノイズなどによるデータが受信された場合でも、MPU1にまでノイズデータが通知されることがなくなり、図9の方式よりも、ノイズ耐性を高めることができる。尚、プリアンブル検出器17は、簡易的に処理する場合には、データ”1”の回数などで検出しても良い。
以上の通り第6の実施形態によれば、BPF7a〜7cとLPF10a〜10cとの間を断接するアナログスイッチ16a〜16cを備え、どの回路を接続するかを決定するために、各BPF7a〜7cを通過した信号に含まれるプリアンブルが正しいか否かを検出するようにして、正しいプリアンブルが検出された信号線のみを接続するので、OR回路91からはノイズ成分が除去された正しいデータを出力することができると共に、MPU1の処理時間を短縮することができる。
【0025】
図11は本発明の第7の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。本発明の送信装置13は、基本周波数を発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(第1の発振手段)15と、プログラマブルカウンタ15により分周された発振出力信号を更に分周する分周器(第2の発振手段)3と、プログラマブルカウンタ15と分周器3により出力された夫々の発振出力信号を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成される。
【0026】
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域(23MHz〜70MHz)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7aと、同じく他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域(5.8MHz〜18MHz)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)7bと、BPF7a、7bを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10bと、LPF10a、10bのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11bと、を備えて構成される。尚、アンテナ9a、9bは図示を省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、搬送波の周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて変更し、また、分周器3でプログラマブルカウンタ15から出力される周波数を分周し、それらを論理積して搬送波を生成し、この搬送波を用いてデータを変調する。
例えば、送信装置13では、70MHzの発振器2をプログラマブルカウンタ15を用いて、2分周、3分周、・・・というように発振器2の発振周波数を分周する。この分周した矩形波と、さらにこの矩形波を分周した(例えば4分周)した波形を論理積したものを搬送波とする。
この搬送波を、変調器5でデータ変調する。変調器5は、搬送波とMPU1からのデータを論理積する回路で構成する。MPU1からのデータが“0”の場合は、搬送波がない状態であり、データ“1”の場合は、搬送波が存在する状態である。
【0027】
また受信装置14は、プログラマブルカウンタ15で設定する搬送波の周波数範囲のBPF7aと、4分周した周波数範囲のBPF7bと、それぞれにLPF10a、10bが接続されている。このようにして、プログラマブルカウンタ15で生成された周波数と、分周器3で生成された周波数に分離して同時に受信する。これにより、ノイズ耐性、フェージング耐性の強い通信方式を得ることが可能になる。
【0028】
以上の通り第7の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を所定の分周比により分周したプログラマブルカウンタ15と、その信号を更に所定の分周比により分周した分周器3の出力信号とを合成し、その合成発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号からBPF7aの周波数帯域(23MHz〜70MHz)とBPF7bの周波数帯域(5、8MHz〜18MHz)を個別に通過させ、それらの信号を論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、最良の周波数により通信を行うことができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0029】
図12は図11の通信装置を用いて、端末Aと端末B間で通信するケースを説明するシーケンス図である。まず端末Aはフレームをf1とf4からなる周波数で送信し、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、端末Bに不達であったと見なし、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記述する箇所の値を、例えば”0xF2”に変更し(f1とf4で送信する場合は”0xF1”)、f2とf5からなる周波数で送信する。 尚、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、同様に、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記述する箇所の値を、例えば”0xF3”に変更し、f3とf5からなる周波数で送信する。このように、該当端末と通信できない場合は、周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて、切り換えて送信する。
【0030】
端末Bは、受信したフレームのヘッダ部分のプログラマブルカウンタ値を参照し、プログラマブルカウンタ15の設定値をこのカウンタ値に設定して、応答確認フレームを送信する。これにより、複数の周波数を用いて通信することができるため、ノイズ、フェージングに強い通信方式を得ることができる。
【0031】
以上の通り本実施形態によれば、送信側の通信装置は周波数を高い方から送信を開始し、その周波数に対する応答信号が受信側から所定の時間内に返送されるか否かをチェックし、返送されなければ発振手段の分周比を切り換えて周波数が低くなるようにする。これを順次繰り返し、応答信号が受信側から所定の時間内に返送され場合に、そのときの送信側の周波数になるように発振手段の分周比を決定するので、送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前に発振手段が出力した発振出力信号になるように、発振手段の分周比を決定することができ、最良の周波数により通信を行うことができる。
【0032】
図13は本発明の第8の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。本発明の送信装置13は、基本周波数(70MHz)により発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(第1の発振手段)15と、発振器2により発振された発振出力信号を分周する分周器(第2の発振手段)3と、プログラマブルカウンタ15及び分周器3により出力された夫々の発振出力信号を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成される。
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域(70MHz)、(35MHz)を中心に第2の周波数帯域(2.2MHz)を増減させた周波数帯域(70MHz±2.2MHz)、(35MHz±2.2MHz)を通過させるBPF7a、BPF7bと、プログラマブルカウンタ15により分周された発振出力信号とBPF7a、BPF7bを通過したフィルタ出力信号との周波数差分を検出するEXOR回路(差分検出手段)18、19と、EXOR回路18、19と、BPF7a、7bを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10c、10dと、LPF10a、10b、10c、10dのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11c、11dと、を備えて構成される。尚、アンテナ9a、9bは図示を省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、搬送波の周波数を、プログラマブルカウンタ15を用いて変更し、発振器2から出力される矩形波を分周器3で分周し、それらを論理積して、搬送波を生成し、この搬送波を、MPU1からの送信データ20で変調する。
発振器2の周波数を70MHzとし、プログラマブルカウンタ15により、2分周とすれば、プログラマブルカウンタの出力は35MHzとなり、また、分周器3で、発振器2の70MHzを32分周すれば、2.2MHzとなる。これらを論理積すれば、搬送波の周波数は、35MHz、35MHz±2.2MHz及び2.2MHzの周波数が出力され、搬送波としては、4周波数成分を持つ。この搬送波を用いて変調器5でデータ変調する。
【0033】
受信装置14は、プログラマブルカウンタ15から出力される波形を中心周波数として、分周器3から出力される波形の中心周波数の範囲を持ったBPF7a、BPF7bと、EXOR回路18、19とLPF10a、10b、10c、10dで構成されており、BPF7a、BPF7bを通過した信号をLPF10a、10b、10c、10dで、包絡線を生成して受信する。これと同時に、EXOR回路18、19を介した信号で、搬送波の差分の周波数を検出し、これをLPF10a、10b、10c、10dに入力することにより、分周器3から出力される周波数2.2MHzの信号を検出することができる。
このようにすることにより、図12において、f1とf4の周波数間隔、f2とf5の周波数間隔、f3とf6の周波数間隔が常に一定となるため、ノイズによる信号ではなく、正規の受信信号であることが確認できる。これにより、ノイズ耐性、フェージング耐性の強い通信方式を得ることが可能になる。
以上の通り第8の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を外部から設定した値の分周比により分周したプログラマブルカウンタ15と、同じく基本周波数の発振出力信号を所定の分周比により分周した分周器3の出力信号とを合成し、その合成発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号からプログラマブルカウンタ15の周波数帯域(70MHz、35MHz)と分周器3の発振出力信号の周波数帯域(2.2MHz)を通過させ、その信号とプログラマブルカウンタ15の発振出力信号との差分を検出した出力信号とプログラマブルカウンタ15の発振出力信号とを論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、帯域通過フィルタの帯域幅を周波数を中心として少ない帯域幅とすることができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
また、差分検出手段は、排他的論理和回路により構成されているので、簡単な回路構成により確実に2種類の周波数の差分を検出することができる。
また、前述の各実施形態に使用される合成回路は、第1の発振手段と第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を論理積する論理積回路により構成されているので、簡単な回路構成により確実に2種類の周波数を合成することができる。
また、変換回路は、帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させる低域通過フィルタと、この低域通過フィルタのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形手段と、を備えて構成されているので、正しい論理レベルの信号を得ることができる。
また、第1の発振手段及び発振手段は、プログラマブルカウンタにより構成されているので、任意の分周比を外部から設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る時間軸上の送信波形を表す図である。
【図4】図3の送信波形を周波数軸で観測した場合の周波数スペクトラムの図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る通信装置を用いて、端末Aと端末Bで通信するケースを説明するシーケンス図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る通信装置を用いて、端末Aと端末Bで通信するケースを説明するシーケンス図である。
【図13】本発明の第8の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 MPU、2 発振器、3 分周器、4AND回路、5 変調器、6a、6b アンテナ、7、8 バンドパスフィルタ、9、10 ローパスフィルタ、11、12 波形整形器、13 送信装置、14 受信装置、20 送信データ、22、23、24 発振出力信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置及び単一周波数を使用して通信する通信装置の回路構成とその通信方式の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単一の周波数を使用して通信を行う場合、電波伝搬経路中にある様々な要因によって、受信電界の強度が時間的に変動するフェージングという現象が現れる。フェージングには、数100msという短周期のものから、数時間の周期のものまであり、無線通信の通信品質を劣化させる大きな要因の一つとなっている。実際には、複数の要因が重なってフェージングが発生する場合が多い。
フェージングから通信品質を維持するために、従来から複数の周波数により通信する通信方式が提案されている。例えば、特許文献1には、電力線へ信号を重畳するデータの送信器側では逆フーリエ変換回路により送信信号を合成し、受信器側ではフーリエ変換回路により受信した信号からデータを抽出することにより周波数軸上に通信キャリアを複数設け、また、逆フーリエ変換回路による送信用データの変換時に複数の送信キャリアのうち、エラーレートの小さい周波数の信号を送信用に選択する技術について開示されている。
また特許文献2に開示された従来例では、送信装置は、変調回路がクロック信号発生回路の発生するサブキャリアを送信データ列で変調し、インパルス列信号発生回路がインパルス列信号をキャリア信号として発生し、周波数変換回路がインパルス列信号であるキャリア信号を周波数変換してアンテナから送信する。受信装置は、周波数変換回路がインパルス列信号で受信信号を周波数変換し、中間周波フィルタ回路が中間周波信号を抽出し、復調回路がそれを復調することによって受信データ列を出力する。
【0003】
【特許文献1】特開2000−165304号公報
【特許文献2】特開平11−341086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、送信器側は、逆フーリエ変換回路により送信信号を生成し、受信器側はフーリエ変換回路により受信した信号からデータを抽出することにより、周波数軸上に通信キャリアを複数設けている。即ち、この従来技術にあっては逆フーリエ変換やフーリエ変換を行う機能が必要であり、専用ハードウェア(ASIC)やDSPなど、高速な積和演算を実現するハードウェアが必要であるため、高コストとなり、容易に実現することができないという問題があった。
【0005】
また特許文献2に開示されている従来技術は、キャリア信号を周波数変換してアンテナから送信し、受信側ではインパルス列信号で受信信号を周波数変換して復調するため、送信側及び受信側の回路構成が複雑となるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置において、送信側では複数の異なる周波数を多重化して送信データにより変調し、受信側では多重化された搬送波から信号を抽出して受信データを復調することにより、キャリアノイズやフェージングに強く、且つ安価な回路構成を実現することができる通信装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、複数の異なる周波数、又は単一周波数を使用して通信する通信方式において、送信時には他の通信装置からの応答信号を認識するまで周波数を順次低くして送信し、応答信号を認識した時点での周波数により以後の通信を継続することにより、キャリアノイズやフェージングに強い通信方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、送信時には、発振器から出力される発振出力信号と、この発振出力信号を分周した信号とを論理積して搬送波を生成し、この搬送波を送信データで変調して送信する。受信時には、受信装置により基本周波数と分周した周波数を抽出して論理信号に変換し、該論理信号を処理して受信データを取得する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送信装置において、発振器から出力される発振出力信号と、この発振出力信号を分周した信号とを多重化して送信することにより、容易に複数の周波数を用いて送信することができる。また、受信側では、送信装置に用いた発振出力信号の基本周波数と、発振出力信号を分周した周波数の両者の帯域を通過させるバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを介して抽出した信号をローパスフィルタに通過させることにより、容易に複数の周波数の信号を受信することが可能になる。これにより、ノイズやフェージングに強い通信方式を安価に開発することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0009】
図1は本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
図1に示した通信システム100は、2台の通信装置30a、30bにより通信する構成例を示している。通信装置30aはアンテナ6aを備えた送信装置13と、アンテナ6bを備えた受信装置14と、送信装置13と受信装置14を制御するMPU(Micro Processing Unit)1と、を備えて構成される。同じく通信装置30bはアンテナ6aを備えた送信装置13と、アンテナ6bを備えた受信装置14と、送信装置13と受信装置14を制御するMPU1と、を備えて構成される。即ち、通信装置30a、30bは全く同じ構成の通信装置である。例えば、通信装置30aが送信側となって通信装置30bと通信を行う場合、通信装置30aの送信装置13からアンテナ6aを介して送信データ32を通信装置30bに送信し、通信装置30bのアンテナ6bを介して受信装置14がその送信データ32を受信する。また通信装置30bが送信側となって通信装置30aと通信を行う場合、通信装置30bの送信装置13からアンテナ6aを介して送信データ31を通信装置30aに送信し、通信装置30aのアンテナ6bを介して受信装置14が送信データ31を受信する。
【0010】
通信装置100が、複数の異なる周波数を多重化して通信するシステムの場合は、送信時には、2種類以上の異なる周波数を合成して送信データにより変調して送信する。また受信時には、他の通信装置が備える送信装置から送信された多重化された周波数から信号を抽出して論理信号に変換し、その論理信号を処理することにより受信データを取得する(詳細は後述する)。これにより、一方の周波数がフェージング等による影響により減衰したとしても、他方の周波数から信号を抽出することにより受信データを復調することが可能となる。
図2は本発明の第1の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、基本周波数(70MHz)を発振する発振器(第1の発振手段)2と、発振器2により発振された発振出力信号23を所定の分周比により分周する分周器(第2の発振手段)3と、発振器2及び分周器3により出力された夫々の発振出力信号23、22を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号24を送信データ20により変調する変調器5と、アンテナ6aと、を備えて構成される。
また受信装置14は、アンテナ6bと、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタ(以下、BPFと記す)(帯域通過フィルタ)7と、BPF7を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるローパスフィルタ(以下、LPFと記す)(低域通過フィルタ)9と、LPF9のフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器(波形整形手段)11と、を備えて構成されている。
またMPU1は、波形整形器11により出力された出力信号を処理することにより受信データを得る。例えば、信号の処理をソフトウェアにより行なう場合、所定の時間間隔でMPU1のポートの状態をリードする。N回ローレベルが続いたら”0”と判定し、N回ハイレベルが続いたら”1”と判定して受信データとして取り込む。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
また、変調器5の回路構成は、例えば2入力のAND回路であり、変調器5に入力されるAND回路4の出力信号24を、MPU1から出力される送信データ20(”H”、”L”の信号)により、搬送波を出力したり、停止したりしている。
【0011】
次に第1の実施形態の動作について説明する。尚、本実施形態の送信装置13の各信号はデジタル信号として処理される。図2のように構成された通信装置において、1つの通信装置から他の通信装置に送信する場合、送信装置13の発振器2の発振周波数を、例えば70MHzとした場合、この発振信号23を分周器3で4分周すると17.5MHzの周波数の発振出力信号22が出力される。この17.5MHzの発振出力信号22と70MHzの発振出力信号23をAND回路4で論理積して出力信号24を得る。この出力信号24は後述するように、分周器3により分周された17.5MHzの発振出力信号22と70MHzの発振出力信号23の論理積の結果であるので、周波数成分として70MHzと17.5MHzが含まれることになる。この2種類の周波数成分を有する信号を変調器5によりMPU1からの送信データ20により論理積して変調すると、分周器3の発振出力信号22がハイレベルの期間だけ波形23が出力される。図3中の”1”、”0”、”1”は、MPU1からの送信データ20を表している。即ち、17.5MHzデジタル信号がAND回路4で論理積されると、このデジタル信号の期間に発振出力信号23(70MHz)がこの例では4周期分含まれることになる。従って、出力信号24は波形22と波形23の論理積された連続した波形である。そして送信データ20が”1”の周期中に変調器5から波形22と波形23の論理積された連続した波形が送信され、送信データ20が”0”の周期中には変調器5からは送信されなくなる。つまり、変調器5の搬送周波数は出力信号24であり、その出力信号24を送信データ20により変調するものである。このように、本願発明の基本的な特徴は、デジタル信号処理により周波数を多重化して通信する点にある。このデジタル信号処理回路を使用することにより、回路構成が簡略化され低コスト等の効果を奏する。
【0012】
図4は図3の波形25を周波数軸で観測した場合の周波数スペクトラムの図である。縦軸に信号強度、横軸に周波数を表す。図4では、17.5MHzと70MHzの周波数の信号27、28が出力されている。ところが、空中線伝搬などでは、フェージングなどにより、一部の周波数(例えば70MHz)が減衰してしまう場合がある。しかし、複数の周波数を多重化して送信しているため、一部の周波数の信号が減衰しても、もう一方の信号(例えば17.5MHz)から、データを再生できるため、フェージングに強い通信方式を実現することができる。
【0013】
次に受信装置14の動作について説明する。受信側では、他の通信装置が備える送信装置からの信号をアンテナ6bで受信し、BPF7でフィルタリングし、送信装置から送信される周波数以外の周波数をカットする。この後、この信号の包絡線20を生成するためLPF9を通過させる。LPF9を通過後、波形を整形するため、シュミットバッファまたは、コンパレータからなる波形整形器11を用いて、波形をデジタル化してMPU1に取り込みデータを復調する。このような送信装置と受信装置により構成した通信装置からなる通信システムを構築することで、安価な回路構成で、フェージングに強い通信システムを得ることが可能となる。
【0014】
以上の通り第1の実施形態によれば、複数の異なる周波数を使用して通信する通信装置において、送信時は、送信装置により複数の異なる周波数を送信データにより変調して送信し、受信時は、受信装置により各信号を抽出して論理信号に変換し、この論理信号を処理して受信データを取得するので、一方の周波数がフェージング等により減衰しても、他方の信号を抽出することにより受信データを復調することができる。
また、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号23と、その信号を所定の分周比により分周した発振出力信号22とを合成し、その合成発振出力信号24を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から所定の周波数帯域のみを通過させ、その信号を論理信号に変換する。そしてこの論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、簡単な回路構成で且つ安価に装置を構成することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
図5は本発明の第2の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、図2の構成と同様であるので説明を省略する。
受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる70MHz(第1の周波数帯域)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7と、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる17.5MHz(第2の周波数帯域)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)8と、BPF7、BPF8を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF9、LPF10と、このフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11、12と、を備えて構成されている。
またMPU1は、波形整形器11、12により出力された夫々の出力信号を処理することにより受信データを得ることができる。例えば、MPU1の信号処理方法として、まずポートの状態を所定の時間間隔によりリードする。そして波形整形器11により出力された出力信号とノイズとを区別するために、N回”1”を連続して検出したデータを”1”として判定してデータを1次バッファに記憶し、またN回”0”を連続して検出したデータを”0”として判定してデータを1次バッファに記憶して受信データを得る。同様にして波形整形器12の出力信号も処理して1次バッファに記憶して受信データを得る。次に1次バッファが1バイト分記憶されると、1次バッファのプリアンブルデータがプリアンブルパターンと一致しているか否かを比較し、一致した場合、そのデータを2次バッファに取り込む。そしてこの2次バッファから生成したFCCコードが、2次バッファの末尾のFCCの値と一致しているか否かを比較して、一致していた場合に正しい受信データとして判断してアプリケーションにてデータを受信する。
このように第1の実施形態の方式では、受信側のBPF7は、1つのBPFで形成されており、帯域が広くなっているため、送信側で未送信の場合にも、空中線上のノイズなどにより、BPF7を通過して、受信判定することなどがあり得る。すなわち、図3における論理”0”を送信している場合にも、受信信号が観測される場合がある。このようなノイズに対する耐性を高めるため、図5のように、送信される2つの周波数の信号それぞれに対応するBPF7、8を用意するものである。
以上の通り第2の実施形態によれば、本発明の受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から第1と第2の周波数帯域に分離して論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、入力された双方の信号を比較することにより更に正確に受信データの検出が可能となる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0015】
図6は本発明の第3の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。この送信装置13は、図2の構成と同様であるので説明を省略する。
受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる70MHz(第1の周波数帯域)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7と、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる17.5MHz(第2の周波数帯域)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)8と、BPF7、BPF8を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF9、LPF10と、このフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11、12と、波形整形器11、12から出力された出力信号を論理積するAND回路(論理積回路)61と、波形整形器11、12から出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)62と、を備えて構成される。
そしてMPU1は、波形整形器11、12、AND回路61、OR回路62により出力された出力信号を処理する。このようにすることで、フェージングに強く、波形が欠けることが多いような場合にも、OR回路62の出力からは、双方の周波数で補うような出力データが得られ、また、ノイズが多く、論理”0”の検出が難しい場合には、AND回路61の出力を受信するようにすることで、両方の周波数帯から同時に出力されていないノイズ成分は、除去することが可能になる。
【0016】
以上の説明は、2つの異なる周波数を有する搬送波に対して説明したものであるが、分周器を複数用意することで、(分周器の数+1)の搬送波を生成することが可能になることは明らかである。
【0017】
以上の通り第3の実施形態によれば、本発明の受信装置14は、夫々の波形整形器11、12の出力信号の論理積及び論理和をとり、夫々の出力信号と波形整形器11、12の出力信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、フェージングに強く、波形が欠けることが多い場合でも、論理和した出力からは双方の周波数で補うような出力データが得られ、またノイズが多く論理「0」の検出が困難な場合には、論理積した出力を受信することで、両方の周波数から同時に出力されないノイズ成分は除去することが可能となる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0018】
図7は本発明の第4の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。本発明の送信装置13は、基本周波数(70MHz)を発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(発振手段)15と、プログラマブルカウンタ15により出力される発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成されている。
【0019】
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させるBPF7と、BPF7を通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10と、LPF10のフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11と、を備えて構成されている。尚、アンテナ6a、6bは省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、発振器2の周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて変更し、この搬送波を用いてデータを変調する。例えば、送信装置13では、70MHzの発振器2をプログラマブルカウンタ15を用いて、2分周、3分周、・・・というように発振器2の基本発振周波数を分周する。この分周した矩形波を搬送波として、変調器5により送信データ20により変調する。変調器5は、搬送波とMPU1からの送信データ20を論理積する回路で構成する。即ち、MPU1からのデータが“0”の場合は、搬送波がない状態であり、送信データ1の場合は、搬送波が存在する状態である。
【0020】
受信装置14は、プログラマブルカウンタ15で設定する搬送波の周波数範囲のBPF7とLPF10からなっており、図1の受信装置の構成と同じである。
以上の通り第4の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を外部から設定した値の分周比により分周した発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から発振出力信号の周波数帯域を通過させ、その信号を論理信号に変換する。そしてこの論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、この場合の通信方式として送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前にプログラマブルカウンタ15が出力した発振出力信号になるように、プログラマブルカウンタ15の分周比を決定することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0021】
図8は図7の通信装置を用いて、端末Aと端末B間で通信するケースを説明するシーケンス図である。図7の通信装置では、同時に送信する搬送波の周波数が1種類のため、フェージングの影響を受けやすい。そこで本発明の通信方式においては、まず端末Aは、端末Bに送信するフレームを周波数f1で送信し、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、端末Bに不達であったと見なし、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値が記載されている箇所の値をf2の値(例えば”0xF2”)に変更したフレームを周波数f2で送信する。(f1の周波数で送信した倍は”0xF1”の記載をしている)なお、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、同様に、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記載する箇所の値をf3の値(例えば”0xF3”)に変更したフレームを、周波数f3で送信する。このように、該当端末と通信できない場合は、周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて切り換えて送信する。
【0022】
一方、端末Bは、受信したフレームのヘッダ部分のプログラマブルカウンタ値を参照し、プログラマブルカウンタ15の設定値を、このカウンタ値に設定して、応答確認フレーム81を送信する。これにより、複数の周波数を用いて通信することができるため、ノイズ、フェージングに強い通信方式を得ることができる。
【0023】
尚、フレームは一例として、同期用パターンである ”10011110”が8バイト分からなるPR(PReamble)と、送信元アドレスであるSA (Source Address)と、送信先アドレスであるDA (Destination Address)と、制御コードCC (Control Code)と、HD (Headder)と、アプリケーションデータと、フレームチェックコードであり、例えばCRCコードが実装されているFCC (Frame Check Code)と、から構成されている。
以上の通り本実施形態によれば、送信側の通信装置は周波数を高い方から送信を開始し、その周波数に対する応答信号が受信側から所定の時間内に返送されるか否かをチェックし、返送されなければ第1の発振手段の分周比を切り換えて周波数が低くなるようにする。これを順次繰り返し、応答信号が受信側から所定の時間内に返送され場合に、そのときの送信側の周波数になるように第1の発振手段の分周比を決定するので、送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前に第1の発振手段が出力した発振出力信号になるように、第1の発振手段の分周比を決定することができ、最良の周波数により通信を行うことができる。
図9は本発明の第5の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。尚、この図では送信装置は図7の構成と同様であるので割愛している。この受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えたBPF7a(70MHz)、7b(35MHz)、7c(23.3MHz)と、BPF7a、7b、7cを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10cと、LPF10a、10b、10cのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11cと、波形整形器11a、11b、11cから出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)91と、を備えて構成される。そしてMPU1は、OR回路91から出力される出力信号92を処理して受信データを得るものである。このように複数のBPF10a、10b、10cを介して受信することにより、ノイズ耐性を高めることができ、また、MPU1の処理においても、複数の入力ポートを同時に観測する必要がなくなり、処理負荷を軽減することが可能になる。尚、アンテナ9bは図示を省略している。
以上の通り第5の実施形態によれば、受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号から発振出力信号の周波数帯域を通過させるために、発振出力信号の周波数毎にBPF7a〜7cを備え、その信号を論理信号に変換後、夫々の論理信号を論理和してMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、MPU1のポート数を節約することができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0024】
図10は本発明の第6の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。尚、この図では送信装置は図7の構成と同様であるので割愛している。この受信装置は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えたBPF7a(70MHz)、7b(35MHz)、7c(23.3MHz)と、BPF7a、7b、7cを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10cと、LPF10a、10b、10cのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11cと、波形整形器11a、11b、11cから出力された出力信号を論理和するOR回路(論理和回路)91と、BPF7a、7b、7cの夫々のフィルタ出力信号とLPF10a、10b、10cとの間に備えた複数のアナログスイッチ(断接手段)16a、16b、16cと、LPF10a、10b、10cにより出力された出力信号からプリアンブルを検出するプリアンブル検出器(プリアンブル検出手段)17と、を備えて構成される。尚、アンテナ9bは図示を省略している。
尚、プリアンブルとは、フレームの先頭に付加された予め定められたパターンのデータのことであり、このパターンを検出するものがプリアンブル検出器17である。このプリアンブル検出器17により、BPF7a、7b、7cを通過したフレームから、プリアンブルデータが検出された信号線を判定し、その通過してきたBPFの以外の後段にあるアナログスイッチ16をOFFにする。このようにすることで、プリアンブル以降の、データの途中で、他のBPFを介して、ノイズなどによるデータが受信された場合でも、MPU1にまでノイズデータが通知されることがなくなり、図9の方式よりも、ノイズ耐性を高めることができる。尚、プリアンブル検出器17は、簡易的に処理する場合には、データ”1”の回数などで検出しても良い。
以上の通り第6の実施形態によれば、BPF7a〜7cとLPF10a〜10cとの間を断接するアナログスイッチ16a〜16cを備え、どの回路を接続するかを決定するために、各BPF7a〜7cを通過した信号に含まれるプリアンブルが正しいか否かを検出するようにして、正しいプリアンブルが検出された信号線のみを接続するので、OR回路91からはノイズ成分が除去された正しいデータを出力することができると共に、MPU1の処理時間を短縮することができる。
【0025】
図11は本発明の第7の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。本発明の送信装置13は、基本周波数を発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(第1の発振手段)15と、プログラマブルカウンタ15により分周された発振出力信号を更に分周する分周器(第2の発振手段)3と、プログラマブルカウンタ15と分周器3により出力された夫々の発振出力信号を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成される。
【0026】
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域(23MHz〜70MHz)を通過させるBPF(第1の帯域通過フィルタ)7aと、同じく他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域(5.8MHz〜18MHz)を通過させるBPF(第2の帯域通過フィルタ)7bと、BPF7a、7bを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10bと、LPF10a、10bのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11bと、を備えて構成される。尚、アンテナ9a、9bは図示を省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、搬送波の周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて変更し、また、分周器3でプログラマブルカウンタ15から出力される周波数を分周し、それらを論理積して搬送波を生成し、この搬送波を用いてデータを変調する。
例えば、送信装置13では、70MHzの発振器2をプログラマブルカウンタ15を用いて、2分周、3分周、・・・というように発振器2の発振周波数を分周する。この分周した矩形波と、さらにこの矩形波を分周した(例えば4分周)した波形を論理積したものを搬送波とする。
この搬送波を、変調器5でデータ変調する。変調器5は、搬送波とMPU1からのデータを論理積する回路で構成する。MPU1からのデータが“0”の場合は、搬送波がない状態であり、データ“1”の場合は、搬送波が存在する状態である。
【0027】
また受信装置14は、プログラマブルカウンタ15で設定する搬送波の周波数範囲のBPF7aと、4分周した周波数範囲のBPF7bと、それぞれにLPF10a、10bが接続されている。このようにして、プログラマブルカウンタ15で生成された周波数と、分周器3で生成された周波数に分離して同時に受信する。これにより、ノイズ耐性、フェージング耐性の強い通信方式を得ることが可能になる。
【0028】
以上の通り第7の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を所定の分周比により分周したプログラマブルカウンタ15と、その信号を更に所定の分周比により分周した分周器3の出力信号とを合成し、その合成発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号からBPF7aの周波数帯域(23MHz〜70MHz)とBPF7bの周波数帯域(5、8MHz〜18MHz)を個別に通過させ、それらの信号を論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、最良の周波数により通信を行うことができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
【0029】
図12は図11の通信装置を用いて、端末Aと端末B間で通信するケースを説明するシーケンス図である。まず端末Aはフレームをf1とf4からなる周波数で送信し、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、端末Bに不達であったと見なし、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記述する箇所の値を、例えば”0xF2”に変更し(f1とf4で送信する場合は”0xF1”)、f2とf5からなる周波数で送信する。 尚、端末Bからの応答確認フレーム(ACK)が、一定時間以内に届かない場合は、同様に、フレーム内のヘッダにあるプログラマブルカウンタ値を記述する箇所の値を、例えば”0xF3”に変更し、f3とf5からなる周波数で送信する。このように、該当端末と通信できない場合は、周波数をプログラマブルカウンタ15を用いて、切り換えて送信する。
【0030】
端末Bは、受信したフレームのヘッダ部分のプログラマブルカウンタ値を参照し、プログラマブルカウンタ15の設定値をこのカウンタ値に設定して、応答確認フレームを送信する。これにより、複数の周波数を用いて通信することができるため、ノイズ、フェージングに強い通信方式を得ることができる。
【0031】
以上の通り本実施形態によれば、送信側の通信装置は周波数を高い方から送信を開始し、その周波数に対する応答信号が受信側から所定の時間内に返送されるか否かをチェックし、返送されなければ発振手段の分周比を切り換えて周波数が低くなるようにする。これを順次繰り返し、応答信号が受信側から所定の時間内に返送され場合に、そのときの送信側の周波数になるように発振手段の分周比を決定するので、送信装置は、他の受信装置から返送された応答信号を受信した直前に発振手段が出力した発振出力信号になるように、発振手段の分周比を決定することができ、最良の周波数により通信を行うことができる。
【0032】
図13は本発明の第8の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。本発明の送信装置13は、基本周波数(70MHz)により発振する発振器2と、発振器2により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能なプログラマブルカウンタ(第1の発振手段)15と、発振器2により発振された発振出力信号を分周する分周器(第2の発振手段)3と、プログラマブルカウンタ15及び分周器3により出力された夫々の発振出力信号を合成するAND回路(合成回路)4と、AND回路4の発振出力信号を送信データ20により変調する変調器5と、を備えて構成される。
また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域(70MHz)、(35MHz)を中心に第2の周波数帯域(2.2MHz)を増減させた周波数帯域(70MHz±2.2MHz)、(35MHz±2.2MHz)を通過させるBPF7a、BPF7bと、プログラマブルカウンタ15により分周された発振出力信号とBPF7a、BPF7bを通過したフィルタ出力信号との周波数差分を検出するEXOR回路(差分検出手段)18、19と、EXOR回路18、19と、BPF7a、7bを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させるLPF10a、10b、10c、10dと、LPF10a、10b、10c、10dのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形器11a、11b、11c、11dと、を備えて構成される。尚、アンテナ9a、9bは図示を省略している。
この通信装置は、送信装置13と受信装置14からなり、送信装置13は、搬送波の周波数を、プログラマブルカウンタ15を用いて変更し、発振器2から出力される矩形波を分周器3で分周し、それらを論理積して、搬送波を生成し、この搬送波を、MPU1からの送信データ20で変調する。
発振器2の周波数を70MHzとし、プログラマブルカウンタ15により、2分周とすれば、プログラマブルカウンタの出力は35MHzとなり、また、分周器3で、発振器2の70MHzを32分周すれば、2.2MHzとなる。これらを論理積すれば、搬送波の周波数は、35MHz、35MHz±2.2MHz及び2.2MHzの周波数が出力され、搬送波としては、4周波数成分を持つ。この搬送波を用いて変調器5でデータ変調する。
【0033】
受信装置14は、プログラマブルカウンタ15から出力される波形を中心周波数として、分周器3から出力される波形の中心周波数の範囲を持ったBPF7a、BPF7bと、EXOR回路18、19とLPF10a、10b、10c、10dで構成されており、BPF7a、BPF7bを通過した信号をLPF10a、10b、10c、10dで、包絡線を生成して受信する。これと同時に、EXOR回路18、19を介した信号で、搬送波の差分の周波数を検出し、これをLPF10a、10b、10c、10dに入力することにより、分周器3から出力される周波数2.2MHzの信号を検出することができる。
このようにすることにより、図12において、f1とf4の周波数間隔、f2とf5の周波数間隔、f3とf6の周波数間隔が常に一定となるため、ノイズによる信号ではなく、正規の受信信号であることが確認できる。これにより、ノイズ耐性、フェージング耐性の強い通信方式を得ることが可能になる。
以上の通り第8の実施形態によれば、送信装置13は、基本周波数の発振出力信号を外部から設定した値の分周比により分周したプログラマブルカウンタ15と、同じく基本周波数の発振出力信号を所定の分周比により分周した分周器3の出力信号とを合成し、その合成発振出力信号を送信データ20により変調して送信する。また受信装置14は、他の通信装置が備える送信装置から受信した信号からプログラマブルカウンタ15の周波数帯域(70MHz、35MHz)と分周器3の発振出力信号の周波数帯域(2.2MHz)を通過させ、その信号とプログラマブルカウンタ15の発振出力信号との差分を検出した出力信号とプログラマブルカウンタ15の発振出力信号とを論理信号に変換する。そしてこの2種類の論理信号をMPU1に入力してソフトウェアにより論理処理して受信データを得るので、帯域通過フィルタの帯域幅を周波数を中心として少ない帯域幅とすることができる。尚、論理信号を汎用ハードウェアにより論理処理しても構わない。
また、差分検出手段は、排他的論理和回路により構成されているので、簡単な回路構成により確実に2種類の周波数の差分を検出することができる。
また、前述の各実施形態に使用される合成回路は、第1の発振手段と第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を論理積する論理積回路により構成されているので、簡単な回路構成により確実に2種類の周波数を合成することができる。
また、変換回路は、帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させる低域通過フィルタと、この低域通過フィルタのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形手段と、を備えて構成されているので、正しい論理レベルの信号を得ることができる。
また、第1の発振手段及び発振手段は、プログラマブルカウンタにより構成されているので、任意の分周比を外部から設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る時間軸上の送信波形を表す図である。
【図4】図3の送信波形を周波数軸で観測した場合の周波数スペクトラムの図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る通信装置を用いて、端末Aと端末Bで通信するケースを説明するシーケンス図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る通信装置を用いて、端末Aと端末Bで通信するケースを説明するシーケンス図である。
【図13】本発明の第8の実施形態に係る送信装置と受信装置を備えた通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 MPU、2 発振器、3 分周器、4AND回路、5 変調器、6a、6b アンテナ、7、8 バンドパスフィルタ、9、10 ローパスフィルタ、11、12 波形整形器、13 送信装置、14 受信装置、20 送信データ、22、23、24 発振出力信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
送信時には、前記送信装置により前記複数の異なる周波数を多重化して送信データにより変調して送信し、受信時には、前記受信装置により多重化された周波数から信号を抽出して論理信号に変換し、該論理信号を処理して受信データを取得することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
前記変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、を備え、
前記各変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、前記各変換回路から出力された出力信号を論理積する論理積回路と、前記各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、を備え、
前記各変換回路、前記論理積回路及び前記論理和回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
送信装置及び受信装置を備え、複数の周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な第1の発振手段と、該第1の発振手段により分周された発振出力信号を更に分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、前記他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
送信時には、前記第1の発振手段の分周比を設定して前記送信データを送出し、受信時には、前記各変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
送信装置及び受信装置を備え、複数の周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数により発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な第1の発振手段と、前記発振器により発振された発振出力信号を分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を中心に第2の周波数帯域を増減させた周波数帯域を通過させる少なくとも1つ以上の帯域通過フィルタと、前記第1の発振手段により分周された発振出力信号と前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号との周波数差分を検出する差分検出手段と、該差分検出手段の出力及び前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、を備え、
送信時には、前記第1の発振手段の分周比を設定して前記送信データを送出し、受信時には、前記各変換回路の出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記差分検出手段は、排他的論理和回路により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記合成回路は、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を論理積する論理積回路により構成されていることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
前記変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えた複数の帯域通過フィルタと、該各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、該各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、を備え、
前記論理和回路から出力される出力信号を処理して受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項11】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数により発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えた複数の帯域通過フィルタと、該各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、該各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、前記各帯域通過フィルタの夫々のフィルタ出力信号と前記各変換回路との間に備えられた複数の断接手段と、前記各変換回路により出力された出力信号からプリアンブルを検出するプリアンブル検出手段と、を備え、
前記各断接手段を全て接続状態にして前記プリアンブル検出手段の出力を検索し、該検索の結果、前記プリアンブルを正しく検出できた前記帯域通過フィルタのフィルタ出力信号に対応する断接手段を除く他の断接手段を切断状態とすることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
前記変換回路は、前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させる低域通過フィルタと、該低域通過フィルタのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項2乃至11の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第1の発振手段及び前記発振手段は、プログラマブルカウンタにより構成されていることを特徴とする請求項5、6、9、10又は11に記載の通信装置。
【請求項14】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の一方の通信装置からデータを送信し、他方の通信装置が前記データを受信する際の通信方式であって、
前記一方の通信装置は周波数が順次低くなるように前記第1の発振手段の分周比を変更して前記データを送信し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識されない場合は、前記分周比の変更を継続し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識された場合は、その時点での前記第1の発振手段の分周比により以後の通信を行うことを特徴とする通信方式。
【請求項15】
請求項9乃至11の何れか一項に記載の一方の前記通信装置からデータを送信し、他方の通信装置が前記データを受信する際の通信方式であって、
前記一方の通信装置は周波数が順次低くなるように前記発振手段の分周比を変更して前記データを送信し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識されない場合は、前記分周比の変更を継続し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識された場合は、その時点での前記発振手段の分周比により以後の通信を行うことを特徴とする通信方式。
【請求項1】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
送信時には、前記送信装置により前記複数の異なる周波数を多重化して送信データにより変調して送信し、受信時には、前記受信装置により多重化された周波数から信号を抽出して論理信号に変換し、該論理信号を処理して受信データを取得することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
前記変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、を備え、
前記各変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
送信装置及び受信装置を備え、複数の異なる周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する第1の発振手段と、該第1の発振手段により発振された発振出力信号を所定の分周比により分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、前記各変換回路から出力された出力信号を論理積する論理積回路と、前記各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、を備え、
前記各変換回路、前記論理積回路及び前記論理和回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
送信装置及び受信装置を備え、複数の周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な第1の発振手段と、該第1の発振手段により分周された発振出力信号を更に分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段と前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を通過させる第1の帯域通過フィルタと、前記他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第2の周波数帯域を通過させる第2の帯域通過フィルタと、前記各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
送信時には、前記第1の発振手段の分周比を設定して前記送信データを送出し、受信時には、前記各変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
送信装置及び受信装置を備え、複数の周波数を多重化して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数により発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な第1の発振手段と、前記発振器により発振された発振出力信号を分周する第2の発振手段と、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を合成する合成回路と、該合成回路の発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる第1の周波数帯域を中心に第2の周波数帯域を増減させた周波数帯域を通過させる少なくとも1つ以上の帯域通過フィルタと、前記第1の発振手段により分周された発振出力信号と前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号との周波数差分を検出する差分検出手段と、該差分検出手段の出力及び前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、を備え、
送信時には、前記第1の発振手段の分周比を設定して前記送信データを送出し、受信時には、前記各変換回路の出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記差分検出手段は、排他的論理和回路により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記合成回路は、前記第1の発振手段及び前記第2の発振手段により出力された夫々の発振出力信号を論理積する論理積回路により構成されていることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号を論理信号に変換する変換回路と、を備え、
前記変換回路により出力された出力信号を処理することにより受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数を発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えた複数の帯域通過フィルタと、該各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、該各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、を備え、
前記論理和回路から出力される出力信号を処理して受信データを得ることを特徴とする通信装置。
【請求項11】
送信装置及び受信装置を備え、単一の周波数を使用して通信する通信装置であって、
前記送信装置は、基本周波数により発振する発振器と、該発振器により発振された発振出力信号の分周比を任意に設定可能な発振手段と、該発振手段により出力される発振出力信号を送信データにより変調する変調器と、を備え、
前記受信装置は、他の前記通信装置が備える前記送信装置から受信した信号に含まれる所定の周波数帯域毎に備えた複数の帯域通過フィルタと、該各帯域通過フィルタを通過した夫々のフィルタ出力信号を論理信号に変換する複数の変換回路と、該各変換回路から出力された出力信号を論理和する論理和回路と、前記各帯域通過フィルタの夫々のフィルタ出力信号と前記各変換回路との間に備えられた複数の断接手段と、前記各変換回路により出力された出力信号からプリアンブルを検出するプリアンブル検出手段と、を備え、
前記各断接手段を全て接続状態にして前記プリアンブル検出手段の出力を検索し、該検索の結果、前記プリアンブルを正しく検出できた前記帯域通過フィルタのフィルタ出力信号に対応する断接手段を除く他の断接手段を切断状態とすることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
前記変換回路は、前記帯域通過フィルタを通過したフィルタ出力信号の周波数成分から低周波成分を通過させる低域通過フィルタと、該低域通過フィルタのフィルタ出力信号を論理信号に整形する波形整形手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項2乃至11の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第1の発振手段及び前記発振手段は、プログラマブルカウンタにより構成されていることを特徴とする請求項5、6、9、10又は11に記載の通信装置。
【請求項14】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の一方の通信装置からデータを送信し、他方の通信装置が前記データを受信する際の通信方式であって、
前記一方の通信装置は周波数が順次低くなるように前記第1の発振手段の分周比を変更して前記データを送信し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識されない場合は、前記分周比の変更を継続し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識された場合は、その時点での前記第1の発振手段の分周比により以後の通信を行うことを特徴とする通信方式。
【請求項15】
請求項9乃至11の何れか一項に記載の一方の前記通信装置からデータを送信し、他方の通信装置が前記データを受信する際の通信方式であって、
前記一方の通信装置は周波数が順次低くなるように前記発振手段の分周比を変更して前記データを送信し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識されない場合は、前記分周比の変更を継続し、前記他方の通信装置からの応答信号が所定の時間内に認識された場合は、その時点での前記発振手段の分周比により以後の通信を行うことを特徴とする通信方式。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−173904(P2007−173904A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364439(P2005−364439)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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