説明

通信装置

【課題】ICカード機能とリーダ/ライタ機能を有する通信装置で、生産上で共振周波数のバラツキがあっても安定した通信が行えるようにする。
【解決手段】アンテナ回路として送信用アンテナ部と受信用アンテナ部を備える構成であって、送信用アンテナ部に、リーダ/ライタ機能で動作する第1の変調信号発生部と、ICカード機能で動作する第2の変調信号発生部(負荷変調回路)を接続する。これによって受信信号に影響させないで負荷変調を深くかけることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置に関し、特に、リーダ/ライタ装置と非接触ICカードの間の非接触通信で用いることのできる通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3579899号公報
【特許文献2】特開2007−27829号公報
【0003】
非接触ICカードは、その情報の読み取りや書き込みを行う装置(以降、リーダ/ライタ装置と表記する)との間で無線通信により簡単に情報のやり取りを行うことが可能であるととともに、磁気カードに比べて記憶容量が大きく、また、格納した情報の不正な読み出しや改竄に対する耐性が高いなど、数々の優れた特徴を有している。そのため、近年では、例えば金融機関のクレジットカードや、電子マネーの格納用カード、交通機関の定期券などの用途で、広く一般に利用されている。
また、非接触ICカードと同等の通信機能を、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの機器に内蔵し、これらの機器がICカードと同様に使用できるようにしたものも開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば携帯電話機などの機器に内蔵される通信装置として、ICカードとしてもリーダ/ライタ装置としても使用できるようにする通信装置を新たに考える。
つまり、その通信装置は、外部のリーダ/ライタ装置と近接された際にはICカードとして機能して通信を行う。また外部のICカードと近接された際にはリーダ/ライタ装置として機能して通信を行うものである。
【0005】
このように、ICカード機能とリーダ/ライタ機能を備えた通信装置のフロントエンドの構成例を図5に示す。
アンテナ回路50は、コイルL10、コンデンサC10の並列共振回路と、コンデンサC11を有して構成される。
このアンテナ回路50に対して並列に、抵抗R10及び変調信号発生回路51が接続される。変調信号発生回路51については、信号源として簡略化して示しているが、この通信装置がリーダ/ライタ装置として機能する際に、外部のICカードに対して送信するASK(Amplitude Shift Keying)変調信号を発生させる回路部である。例えば周波数13.56MHzのキャリア信号を、送信するデータによりASK変調する回路である。
【0006】
アンテナ回路50に対して、ダイオードD10を介してASK復調回路53,及びクロック生成回路54が接続される。ASK復調回路53,及びクロック生成回路54は、この通信装置の復調系となる。
例えば外部のリーダ/ライタ装置から信号を受信する場合は、外部のリーダ/ライタ装置から送出された電波(例えばキャリア周波数13.56MHzの変調信号)をアンテナ回路50で受信し、電圧信号に変換した後、ASK復調回路53の復調処理でASK変調信号をデジタル信号に復調し、ベースバンド信号Sdを再生し、後段の制御ロジック回路56へ供給する。
また外部のICカードから信号を受信する場合は、外部のICカードでのキャリア信号の負荷変調として送出された電波をアンテナ回路50で受信し、電圧信号に変換した後、ASK復調回路53の復調処理でASK変調信号をデジタル信号に復調し、ベースバンド信号Sdを再生し、制御ロジック回路56へ供給する。
また、クロック生成回路54では、受信信号から復調処理に用いるクロックを生成し、制御ロジック回路56に供給する。
【0007】
また、アンテナ回路50に対して、ダイオードD20を介して負荷変調回路55が接続される。例えば負荷変調回路55は、抵抗R11,R12と、例えばFETによるスイッチ素子Tr10で形成される。
この負荷変調回路55は、この通信装置がICカードとして機能する場合に送信信号(変調信号)を発生させる回路部となる。
外部のリーダ/ライタ装置に対して信号を送信する場合は、抵抗R11,R12,スイッチ素子Tr10から成る負荷変調回路55が、キャリア信号を変調する。即ち送信のための変調制御信号Smに応じてスイッチ素子Tr10がオン/オフされることで、負荷抵抗値が変化するが、これが外部のリーダ/ライタ装置側でキャリア信号のASK変調信号、つまりICカード側からの送信情報として検出される。
【0008】
また、抵抗R10及び変調信号発生回路51に対しては、例えばFETによるスイッチ素子52が並列に接続される。
このスイッチ素子52は、選択信号Sselによってオン/オフされる。選択信号Sselは、カード機能とリーダ/ライタ機能を選択する信号である。
【0009】
この図5の構成においては、外部のリーダ/ライタ装置に対するICカードとして機能する場合は、スイッチ素子52がオンとされる。スイッチ素子52が導通することで、変調信号発生回路51は機能しない状態となる。
そしてASK復調回路53で受信信号の復調が行われ、また負荷変調回路55により外部のリーダ/ライタ装置に対する送信のための変調が行われる。
【0010】
一方、外部のICカードに対するリーダ/ライタ装置として機能する場合は、スイッチ素子52がオフとされる。この場合、変調信号発生回路51が機能して、アンテナ回路50から外部のICカードに対する送信が行われる。
また外部のICカードからの送信情報は、ASK復調回路53で復調される。なお、リーダ/ライタ機能時は、負荷変調回路55での変調動作は行われない。
【0011】
ICカード及びリーダ/ライタ装置の両機能を備えるようにする場合、例えばこのような回路が考えられる。
ところがこのような構成の場合、リーダ/ライタ機能として電波送信を行う際に、アンテナ回路50と、ASK復調回路53、クロック生成回路54、負荷変調回路55等との接続により電流のロスが生じ、なるべく遠距離に電波を送信したいということに対して不利となっていた。
【0012】
そこで、図6のような回路が考えられた。これはアンテナ回路を、アンテナ回路61,62に分けたものである。アンテナ回路61はコイルL21とコンデンサC21で構成する。またアンテナ回路62は、コイルL22とコンデンサC22,C23で構成する。
そしてアンテナ回路61には、ダイオード10を介してASK復調回路53、クロック生成回路54を接続し、またダイオードD20を介して負荷変調回路55を接続する。
アンテナ回路62については、抵抗R10及び変調信号発生回路51を接続する。
この構成により、リーダ/ライタ機能時の送信電波のロスを解消する。
【0013】
ところが、以上の図5,図6の構成では、以下のような問題がある。
非接触ICカードでは、外部のリーダ/ライタ装置に対する通信可能距離として、最低限の距離が規格上、定められている。
リーダ/ライタ装置としては多数のメーカーが多種多様な機種を提供しているが、例えば非接触ICカードは、それらの多様な機種のそれぞれに対して、通信可能な最低限の距離を確保していなければならない。
【0014】
図7(a)(b)は、図6の構成により非接触ICカードとして機能する機器について、外部のリーダ/ライタ装置としての機種A、機種Bとの間の通信可能距離を示したものである。
この場合、横軸を周波数とし、非接触ICカードの設計上の共振周波数をfcとしている。共振周波数はアンテナ回路61とアンテナ回路62で構成される共振回路の共振周波数である。
また縦軸は非接触ICカードとリーダ/ライタ装置の離間距離を示しているが、規格上で最低限クリアする必要のある離間距離をd1とする。
例えば図7(a)の場合、図6の通信装置が非接触ICカードとして機能する場合、機種Aのリーダ/ライタ装置に対して距離d2まで通信可能であったことを示している。また図7(b)では、機種Bのリーダ/ライタ装置に対して距離d3まで通信可能であったことを示している。
この場合、いずれのリーダ/ライタ装置に対しても、距離d1以上の通信が実現されているため、非接触ICカードとして問題ないものとなる。
【0015】
但し、この図7は、あくまでアンテナ回路61とアンテナ回路62で構成する共振回路の共振周波数が、正しく「fc」となっている場合である。ところが実際には、生産上のバラツキ(例えばコンデンサC21の容量バラツキ等)により、実際の共振周波数がばらつく。例えば製品毎に、図8(a)(b)に示すf1〜f2の範囲での共振周波数のバラツキが生じる。
この図8(a)(b)は、図7(a)(b)と同様に機種A、Bに対する非接触ICカード機能時の特性であるが、共振周波数がf1〜f2にばらつくことを想定し、それぞれの共振周波数での通信距離を示している。
【0016】
そして機種Aのリーダ/ライタ装置に対しては、共振周波数がf2の近辺となっていると、距離d1での通信が維持できない。つまり通信距離が足りないという結果になる。
また機種Bのリーダ/ライタ装置に対しては、共振周波数がf1の近辺となっていると、通信距離が足りないという結果になる。
通信距離を伸ばすには、負荷変調を深くかけるようにすればよいが、負荷変調を深くすると受信波形を潰してしまい、クロック再生に支障が出るなどの影響があるため、むやみに変調度を上げるわけにはいかない。
【0017】
つまり、非接触ICカード機能の際には、製造上の原因で共振周波数のバラツキが生ずると、十分な通信距離を得られない場合がある。
そこで本発明では、共振周波数のバラツキがあっても、安定した通信ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の通信装置は、外部のICカードに対してリーダ/ライタ装置として非接触通信を行うリーダ/ライタ機能と、外部のリーダ/ライタ装置に対してICカードとして非接触通信を行うICカード機能とを備えた通信装置である。そして、コイルと容量素子による共振回路を有して形成され、外部装置との非接触通信での受信に用いられる受信用アンテナ部と、コイルと容量素子による共振回路を有して形成され、外部装置との非接触通信での送信に用いられる送信用アンテナ部と、上記受信用アンテナ部で受信した変調信号を復調する復調回路部と、上記リーダ/ライタ機能としての動作の際に送信情報としての変調信号を発生する第1の変調信号発生部と、上記ICカード機能としての動作の際に送信情報としての変調信号を発生する第2の変調信号発生部とを備える。そして、上記リーダ/ライタ機能としての動作の際には、上記第1の変調信号発生部が、上記送信用アンテナ部の共振回路に対して並列接続されて機能し、上記ICカード機能としての動作の際には、上記第2の変調信号発生部が、上記送信用アンテナ部の共振回路に対して並列接続されて機能する構成とする。例えば上記第2の変調信号発生部は、常時、上記送信用アンテナ部に接続されているようにする。
【0019】
即ち本発明では、アンテナ回路として送信用アンテナ部と受信用アンテナ部を備える構成であって、送信用アンテナ部に、リーダ/ライタ機能で動作する第1の変調信号発生部と、ICカード機能で動作する第2の変調信号発生部(負荷変調回路)を接続するようにする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の構成により、共振周波数のバラツキがあっても、十分な通信距離を確保できる。
特に、ICカード機能時に動作する第2の変調信号発生部は送信用アンテナ部に接続され、復調回路部は受信用アンテナ部に接続されているため、より深い負荷変調をかけることができ、これによって通信距離を伸ばすことができる。
また、生産上で生ずる或る程度の共振周波数のバラツキも許容できるため、製造の効率化や歩留まりの向上といった利点も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の通信装置の実施の形態を説明する。
実施の形態の通信装置11は、図1に示すように、携帯端末10として例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの機器に内蔵される。そしてこの通信装置11は、ICカードとしてもリーダ/ライタ装置としても使用できるものである。
つまり本例の通信装置11は、外部のリーダ/ライタ装置200と近接された際にはICカードとして機能して非接触通信を行う。例えばICカード機能として、鉄道等の改札通過に使用できたり、店頭での代金支払いに使用できる。
また外部のICカード100と近接された際にはリーダ/ライタ装置として機能して非接触通信を行うものである。例えば外部のICカード100の使用履歴の読み取りなどを行い、使用履歴を携帯機器10の表示部に表示させることなどができる。
【0022】
このように、ICカード機能とリーダ/ライタ機能を備えた本実施の形態の通信装置11のフロントエンド1の構成例を図2に示す。
非接触通信に用いるアンテナとして、受信用アンテナ回路2と、送信用アンテナ回路3が設けられる。
受信用アンテナ回路2は、コイルL1、コンデンサC1の並列共振回路で構成される。
送信用アンテナ回路3は、コイルL2、コンデンサC2の並列共振回路と、コンデンサC3を有して構成される。
【0023】
受信用アンテナ回路2に対しては、ダイオードD1を介してASK復調回路4,及びクロック生成回路5が接続される。ASK復調回路4,及びクロック生成回路5は、この通信装置がICカードとして機能する場合と、リーダ/ライタ装置として機能する場合とで共通して復調系として動作する。
例えば外部のリーダ/ライタ装置200から信号を受信する場合は、外部のリーダ/ライタ装置200から送出された電波(例えばキャリア周波数13.56MHzの変調信号)を受信用アンテナ2で受信し、電圧信号に変換された後、ASK復調回路4の復調処理でASK変調信号をデジタル信号に復調し、ベースバンド信号Sdを再生し、後段の制御ロジック回路9へ供給する。
また外部のICカード100から信号を受信する場合は、外部のICカード100でのキャリア信号の負荷変調として送出された電波を受信用アンテナ回路2で受信し、電圧信号に変換された後、ASK復調回路4の復調処理でASK変調信号をデジタル信号に復調し、ベースバンド信号Sdを再生し、制御ロジック回路9へ供給する。
また、クロック生成回路5では、受信信号から復調処理に用いるクロックを生成し、制御ロジック回路9に供給する。
【0024】
送信用アンテナ回路3に対しては、並列に抵抗R3及び変調信号発生回路7が接続される。変調信号発生回路3については、信号源として簡略化して示しているが、この通信装置11がリーダ/ライタ装置として機能する際に、外部のICカード100に対して送信するASK変調信号を発生させる回路部である。例えば周波数13.56MHzのキャリア信号を、送信するデータによりASK変調して送信信号を生成する。
【0025】
また、抵抗R3及び変調信号発生回路7に対しては、例えばFETによるスイッチ素子8が並列に接続される。
このスイッチ素子8は、選択信号Sselによってオン/オフされる。選択信号Sselは、カード機能とリーダ/ライタ機能を選択する信号である。
【0026】
また、送信用アンテナ回路3に対して、ダイオードD2を介して負荷変調回路6が接続される。例えば負荷変調回路6は、抵抗R1,R2と、例えばFETによるスイッチ素子Tr1で形成される。
この負荷変調回路6は、本例の通信装置11がICカードとして機能する場合に送信信号(変調信号)を発生させる回路部となる。
外部のリーダ/ライタ装置200に対して信号を送信する場合は、抵抗R1,R2,スイッチ素子Tr1から成る負荷変調回路6が、キャリア信号を変調する。即ち送信のための変調制御信号Smに応じてスイッチ素子Tr1がオン/オフされることで、負荷抵抗値が変化するが、これが外部のリーダ/ライタ装置200側でキャリア信号のASK変調信号、つまりICカード側からの送信情報として検出される。
【0027】
このような本例の構成においては、外部のリーダ/ライタ装置200に対するICカードとして機能する場合は、スイッチ素子8がオンとされる。
スイッチ素子8がオンとされた際(ICカード機能時)の等価回路を図3(a)に示す。図のように、送信用アンテナ回路3において、コンデンサC3はコンデンサC2に対して並列となる。そして、コイルL2、コンデンサC2、C3の並列回路に対して並列に、ダイオードD2及び負荷変調回路6が接続されることになる。なお、この図3(a)では負荷変調回路6を可変抵抗器の記号で示している。
この等価回路からわかるように、スイッチ素子8が導通することで、変調信号発生回路7は機能せず、また負荷変調回路6が送信用アンテナ回路3に並列接続された状態となる。
そして受信用アンテナ回路2での受信とASK復調回路53で受信信号の復調が行われ、また負荷変調回路6と送信用アンテナ回路3により外部のリーダ/ライタ装置200に対する送信が行われる。
なお、コンデンサC3がコンデンサC2に対して並列となることで、インピーダンスが高く電流量が少なくなり、ICカードとして適した状態となっている。
【0028】
一方、外部のICカード100に対するリーダ/ライタ装置として機能する場合は、スイッチ素子8がオフとされる。
スイッチ素子8がオフとされた際(リーダ/ライタ機能時)の等価回路を図3(b)に示す。図のように、送信用アンテナ回路3において、コンデンサC3はコンデンサC2に対して直列となる。そして、この送信用アンテナ回路3に対して、抵抗R3と変調信号発生回路7が並列接続される。
負荷変調回路6については、リーダ/ライタ機能時には負荷変調回路6のスイッチ素子Tr1がオン/オフ制御されない(例えば常時オフ)ため、単なる抵抗器の記号で示している。
この等価回路からわかるように、スイッチ素子8がオフとなることで、変調信号発生回路7が機能して、外部のICカード100に対するASK変調信号の送信が行われる。負荷変調回路6による負荷変調は行われない。また受信用アンテナ回路2での受信とASK復調回路53で受信信号の復調が行われる。
なお、コンデンサC3がコンデンサC2に対して直列となることで、送信用アンテナ回路3のインピーダンスが低くなり、電流量を多くできるため、送信距離を伸ばしたいリーダ/ライタ装置として適した状態となる。
【0029】
フロントエンド2が、このような構成とされる本例の通信装置11でのカード機能時の通信距離の特性を、上述した図8の場合と同様に、機種A,Bのリーダ/ライタ装置200に対する場合として測定した結果を図4(a)(b)に示す。
この場合、送信用アンテナ回路3のコイルL2、コンデンサC2のバラツキにより共振周波数がf1〜f2にばらつくことを想定し、それぞれの共振周波数での通信距離を示している。
この図4(a)(b)と、上述した図8と比較してわかるように、本例の場合、共振周波数がf1〜f2の範囲でばらついても、機種A、機種Bのいずれのリーダ/ライタ装置200に対しても、距離d1の通信を確保できている。
【0030】
通信距離を伸ばすには、負荷変調を深くかけるようにすればよい。そして本例の場合は、負荷変調回路6における負荷変調を深くしても、受信波形に直接的な影響を与えない。負荷変調回路6が送信用アンテナ回路3側に接続されているためである。
このため、例えば抵抗R1,R2の抵抗値の設定により負荷変調を深くかけるようにすることができ、これによって図4に示した特性を実現できる。
またこのことは、共振周波数が或る程度ばらついてもよいということを意味する。従って生産上で生ずる或る程度の共振周波数のバラツキも許容できることとなり、製造の効率化や歩留まりの向上が実現される。
【0031】
以上、実施の形態について説明してきたが、本発明の通信装置としてはさらに多様な構成が考えられる。
そして実施の形態で説明した通信装置構成は、非接触ICカード機能とリーダ/ライタ機能を兼ね備える機器に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の通信装置の機能の説明図である。
【図2】実施の形態の通信装置の構成のブロック図である。
【図3】実施の形態の通信装置の各機能時の等価回路図である。
【図4】実施の形態の通信特性の説明図である。
【図5】ICカード機能とリーダ/ライタ機能を備えた通信装置の構成の説明図である。
【図6】ICカード機能とリーダ/ライタ機能を備えた通信装置の他の構成の説明図である。
【図7】設計上の共振周波数での通信特性の説明図である。
【図8】共振周波数のバラツキを考えた場合の通信特性の説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 フロントエンド、2 受信用アンテナ回路、3 送信用アンテナ回路、4 ASK復調回路、5 クロック生成回路、6 負荷変調回路、7 変調信号発生回路、8 スイッチ素子、11 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のICカードに対してリーダ/ライタ装置として非接触通信を行うリーダ/ライタ機能と、外部のリーダ/ライタ装置に対してICカードとして非接触通信を行うICカード機能とを備えた通信装置であって、
コイルと容量素子による共振回路を有して形成され、外部装置との非接触通信での受信に用いられる受信用アンテナ部と、
コイルと容量素子による共振回路を有して形成され、外部装置との非接触通信での送信に用いられる送信用アンテナ部と、
上記受信用アンテナ部で受信した変調信号を復調する復調回路部と、
上記リーダ/ライタ機能としての動作の際に送信情報としての変調信号を発生する第1の変調信号発生部と、
上記ICカード機能としての動作の際に送信情報としての変調信号を発生する第2の変調信号発生部と、
を備え、
上記リーダ/ライタ機能としての動作の際には、上記第1の変調信号発生部が、上記送信用アンテナ部の共振回路に対して並列接続されて機能し、
上記ICカード機能としての動作の際には、上記第2の変調信号発生部が、上記送信用アンテナ部の共振回路に対して並列接続されて機能する構成とされていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記第2の変調信号発生部は、常時、上記送信用アンテナ部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−124546(P2009−124546A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297867(P2007−297867)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】