説明

通信装置

【課題】コンテンツのダウンロードが進むにつれて、表示部をより高輝度で点灯させる。
【解決手段】ダウンロード時輝度制御機能は、コンテンツのダウンロード済み率を算出し(ステップS102)、算出されたダウンロード済み率に関連付けられた輝度を検索し(ステップS103)、検索された輝度で表示部を点灯させる(ステップS104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に係り、特に、サーバ装置からコンテンツをダウンロードする処理に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットコンテンツ、即ち、Webサーバ装置に記憶されたWebページに含まれる情報をダウンロードして、その情報を再生する、即ち、その情報に含まれる文字や、画像を表示部に表示し、音声をスピーカから発生させる通信装置が知られている。また、コンテンツサーバ装置に記憶されたストリーミングコンテンツをダウンロードしつつ、ストリーミング再生する通信装置が知られている。ここで、ストリーミングコンテンツは、例えば、動画像及び音声からなり、コンテンツ全体のダウンロード完了を待つことなく、再生が可能なコンテンツである。
【0003】
インターネットコンテンツのダウンロードを開始してから完了に至るまでの時間、また、ストリーミングコンテンツのダウンロードを開始してからストリーミング再生を開始できる量のダウンロード完了に至るまでの時間は、必ずしも短いとは限らない。そこで、これらのダウンロード開始から完了に至るまでの間、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレー(Organic Electro-Luminescence Display)などの表示部に表示を続けさせると電力を無用に消費し、また、表示部の寿命を縮める可能性がある。
【0004】
そこで、これらのダウンロード開始から完了に至るまでの間、表示部の表示を消灯させ、又は、点滅させる処理が知られている。なお、バックライト付きのLCDに表示させることは、バックライトを点灯させることを意味し、そのLCDの表示を消灯させ、また、点滅させることは、バックライトを消灯させ、また、点滅させることを意味している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−36637号公報(第2頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、コンテンツのダウンロードの状況の把握が困難である問題点があった。そのため、装置の使用者は、消灯された、又は、点滅している表示部の表示画面に常に注目する必要があった。なぜなら、使用者は、所望のインターネットコンテンツが表示された場合、直ちにそれを見たいためである。また、その表示開始からその表示を見るまでに至る間の表示による電力消費と、表示部の寿命短縮とを避けたいためである。また、使用者は、再生が開始されたストリーミングコンテンツの冒頭を見逃したくないためである。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、コンテンツのダウンロードが進むにつれて、表示部をより高輝度で点灯させる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の通信装置は、表示手段と、コンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、前記ダウンロード手段によってダウンロードされたコンテンツを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたコンテンツに含まれる画像を前記表示手段に表示させるコンテンツ再生手段と、前記ダウンロード手段によってダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの、そのコンテンツ全体の大きさに対する割合が第1の割合である場合、前記表示手段を第1の輝度で点灯させ、その割合が前記第1の割合を超える第2の割合である場合、前記表示手段を前記第1の輝度より高い第2の輝度で点灯させる輝度制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンテンツのダウンロードが進むにつれて、表示部をより高輝度で点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るダウンロード済み率対輝度対応の第1の例。
【図3】本発明の実施形態に係るダウンロード済み率対輝度対応の第2の例。
【図4】本発明の実施形態に係るダウンロード時輝度制御機能による表示部の輝度を制御する動作のフローチャート。
【図5】本発明の実施形態に係るストリーミングコンテンツの再生を開始する際にダウンロードされているべき最低ダウンロード済み量を説明する図。
【図6】本発明の実施形態に係るダウンロード時輝度制御機能によって輝度が変化される表示部の第1の表示例(ブラウザ部によるダウンロードの際の表示)。
【図7】本発明の実施形態に係るダウンロード時輝度制御機能によって輝度が変化される表示部の第2の表示例(ストリーミング再生部によるダウンロードの際の表示)。
【図8】本発明の実施形態に係るダウンロード時輝度制御機能によって輝度が変化される表示部の第3の表示例(ブラウザ部によるダウンロードの際の表示)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態に係る情報処理装置が適用された移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、移動通信網の基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、通話用のスピーカ14aと、通話用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力部16と、インターネットコンテンツ信号をダウンロードして出力するブラウザ部17と、コンテンツに含まれる音声発生用のスピーカ17aと、ストリーミングコンテンツをダウンロードして再生するストリーミング再生部18と、コンテンツ記憶部21と、ダウンロード済み率対輝度対応記憶部22とからなる。
【0012】
なお、プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、ダウンロード時輝度制御機能11−1が含まれる。また、コンテンツ記憶部21には、ダウンロードされたコンテンツが記憶され、ダウンロード済み率対輝度対応記憶部22には、コンテンツのダウンロードされた部分の割合と、表示部15の輝度との対応であるダウンロード済み率対輝度対応が記憶される。
【0013】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る情報処理装置の各部の動作を、図1を参照して説明する。
【0014】
ダウンロード時輝度制御機能11−1は、ブラウザ部17がインターネットコンテンツ信号をダウンロードしている場合、及び、ストリーミング再生部18がストリーミングコンテンツをダウンロードしている場合、表示部15の輝度を制御する。この制御の際、コンテンツのダウンロードが進むにつれて、高い輝度になるように制御する。
【0015】
通信部12bは、アンテナ12aが受信した高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力される高周波信号をアンテナ12aより送信する。
【0016】
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得られたディジタル音声信号を通話部14cへ、制御信号を制御部11へ、インターネットコンテンツ信号をブラウザ部17へ、また、ストリーミングコンテンツ信号をストリーミング再生部18に送る。更には、通話部14cから出力されるディジタル音声信号、制御部11から出力される制御信号、並びに、ブラウザ部17及びストリーミング再生部18から出力されるコンテンツダウンロード要求信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送る。
【0017】
通話部14cは、送受信部13から出力されるディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されるアナログ音声信号を増幅し、それをディジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
【0018】
表示部15は、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示などに用いられるバックライト付きのLCDであり、制御部11に制御されることで、カーソルを含む文字・数字を含む画像データを最高輝度で表示し、表示されているデータは、入力部16からの入力操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。
【0019】
表示部15の表示は、所定の時間に渡って動画像コンテンツの再生表示がされない場合、及び/又は、入力部16からの入力が所定の時間に渡って行われない場合、制御部11に制御されることで、消灯される。一方、動画像コンテンツの再生や、入力部16からの入力があると、点灯される。なお、特に断らない場合、点灯とは最高輝度で表示されることを意味する。なお、最高輝度は、装置の状況、例えば、装置の各部へ電力を供給する電池に蓄えられた電力の多寡や、装置の周辺の明るさに依存して変更されることがある。
【0020】
入力部16は、通信相手の電話番号などを指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動キーやスクロールキーを含む複数の機能キーとを含むキーからなる。そして、入力部16のキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。
【0021】
ブラウザ部17は、入力部16の所定のキー操作によって指定されたWebページアドレスによって識別されるインターネットコンテンツ、即ち、Webサーバ装置(図示せず)に記憶されたWebページに含まれる情報を送受信部13を介してダウンロードして、コンテンツ記憶部21に記憶させると共に、そのコンテンツを再生する。即ち、そのコンテンツに含まれる静止画像及び動画像、並びに、文字を表示部15に表示させ、そのコンテンツに含まれる音声をスピーカ17aから発生させる。表示及び音声の発生は、コンテンツ全てのダウンロード完了を待つことなく、ダウンロードされたコンテンツの一部分によって可能となった部分から行う。
【0022】
ストリーミング再生部18は、入力部16の所定のキー操作によって指定されたストリーミングコンテンツをコンテンツサーバ装置(図示せず)から送受信部13を介してダウンロードして、コンテンツ記憶部21に記憶させる。そして、そのコンテンツに含まれるに含まれる動画像、及び、文字を表示部15に表示させ、また、そのコンテンツに含まれる音声をスピーカ17aから発生させる。表示及び音声の発生は、コンテンツ全てのダウンロード完了を待つことなく、ストリーミング再生に支障がない量がダウンロードされたと判断された際に開始される。
【0023】
ここで、この支障がない量は、コンテンツの再生を開始し、そのコンテンツの再生が終了するまでの間、コンテンツ記憶部21にそのコンテンツの再生されるべき部分が記憶され、動画像の表示や、音声の発生が途切れることがないと判断される量である。そこで、送受信部13を介したダウンロードの速度(単位時間当たりに受信されるビット長。)が高速であれば、この支障がない量は少なく、ダウンロード速度が低速であれば、この支障がない量は多い。
【0024】
続いて、ダウンロード済み率対輝度対応記憶部22に記憶されるダウンロード済み率対輝度対応を説明する。図2は、ダウンロード済み率対輝度対応の第1の例を示す。ダウンロード済み率対輝度対応は、ダウンロード済み率22aと、輝度22bとが関連付けられた情報であり、ダウンロード済み率22aは、コンテンツのダウンロード済みのビット長の割合を示し、輝度22bは、表示部15を点灯させる輝度である。
【0025】
ダウンロード済み率22aは、0%から100%を全て含み、任意の段階数によって分けられている。図2に示す例では、ダウンロード済み率22aが30%未満、30%以上60%未満、60%以上の3段階に分けられ、それぞれ、輝度22bは、「暗い」、「中」、「明るい」である。ここで、それぞれの輝度22bが表示部15の最大輝度に比較してどの程度の輝度であるかは問わないが、ダウンロード済み率22aが100%に対応する輝度22bは、表示部15の最高輝度である。また、ダウンロード済み率22aがより大きい場合、輝度22bがより低くなることはない、の2つの制約がある。なお、ダウンロード済み率22aが0%に対応する輝度22bは、消灯であってもなくても良い。
【0026】
この第1の例は、輝度22bは、ダウンロード済み率22aに略比例して大きくなっており、主に、インターネットコンテンツをダウンロードする際に用いられるものである。なぜなら、インターネットコンテンツは、Webページを単位とするものであり、ダウンロードされた部分から表示することが略可能である。そこで、ダウンロード済み率22aは、コンテンツの全ビット長のうち、ダウンロード済みのビット長の割合とし、表示される情報が増えるに従って、表示部15を高輝度で点灯させることによって、装置の使用者は、より多くの情報が表示されるに従って、その情報を高輝度で見ることができる効果が得られる。
【0027】
図3は、ダウンロード済み率対輝度対応の第2の例を示す。この第2の例の構成は、第1の例と同じであり、上記2つの制約は同じであるが、第2の例においては、ダウンロード済み率22aが70%未満、70%以上90%未満、90%以上の3段階に分けられ、それぞれ、輝度22bは、「暗い」、「中」、「明るい」である。
【0028】
この第2の例は、第1の例と比較すると、ダウンロード済み率22aが大きい値である70%に至るまでは輝度22bが低いものの、ダウンロード済み率22aがその値を超えると、急速に大きくなっており、主に、ストリーミングコンテンツをダウンロードする際に用いられるものである。なぜなら、ストリーミングコンテンツは、所定の最低ダウンロード済み量のダウンロード完了後に再生が開始されるものであり、その最低ダウンロード済み量のダウンロード完了に至るまでは、何ら表示をすることができない。
【0029】
そこで、ダウンロード済み率22aは、コンテンツの上記所定の最低ダウンロード済み量のビット長に対するダウンロード済みのビット長の割合とし、ダウンロード済み率22aが100%に近づいた際、急速に表示部15の輝度を高めて点灯させることによって、無用な消費電力削減の効果が大きい。
【0030】
なお、上記の所定の最低ダウンロード済み量は、ストリーミング再生部18がストリーミング再生を開始するか否かの判断する際に用いられるストリーミング再生に支障がない量と一致させても良い。一致させる場合、ストリーミング再生部18と、ダウンロード時輝度制御機能11−1とで同じ計算をすることなく、一方の計算結果を他方が用いることができる。
【0031】
一方、必ずしも一致させる必要はない。所定の最低ダウンロード済み量を上記支障がない量より小さくし、ストリーミング再生の開始に先行して表示部15の輝度を高めることが望ましい。高輝度の表示によって、ストリーミング再生開始が近いことの報知となる。また、所定の最低ダウンロード済み量を上記支障がない量より大きい場合、ストリーミング再生開始の際、制御部11によって表示部15が点灯され、何ら支障はない。
【0032】
以下、図4に示すフローチャートを参照して、上記構成の移動通信装置における、ダウンロード時輝度制御機能11−1による表示部15の輝度を制御する動作の詳細を説明する。
【0033】
ダウンロード時輝度制御機能11−1は、ブラウザ部17又はストリーミング再生部18がコンテンツのダウンロードを開始する際、及び、ストリーミング再生部18がダウンロードされたコンテンツの再生を開始した後、再生すべきコンテンツのダウンロードが間に合わず、コンテンツ記憶部21にアンダーフローが発生した、即ち、コンテンツの再生が中断された際に輝度制御動作を開始し(ステップS101)、ブラウザ部17若しくはストリーミング再生部18、及び/又は、送受信部13からの通知によって、そのコンテンツ全体のビット長と、そのコンテンツがストリーミングコンテンツである場合、更に、そのコンテンツの総再生時間とを取得すると共に、以後、任意の時点でそのコンテンツの何ビットがダウンロードされたか、また、平均ダウンロード速度(単位時間にダウンロードされたビット長。)を取得する。
【0034】
次に、ダウンロード時輝度制御機能11−1は、ダウンロード済み率を算出する(ステップS102)。なお、輝度制御動作を開始した直後のダウンロード済み率は、0%である。その後のダウンロード済み率は、次の3通りのいずれかの方法で算出する。第1に、ブラウザ部17がインターネットコンテンツのダウンロード動作を行っている場合、ダウンロード済み率は、そのコンテンツのダウンロードされたビット長を、そのコンテンツ全体のビット長で除した商である。
【0035】
第2に、ストリーミング再生部18がストリーミングコンテンツのダウンロード動作を行っており、かつ、そのコンテンツの再生が行われていない場合、ダウンロード済み率は、そのコンテンツのダウンロードされたビット長を、算出された所定の最低ダウンロード済み量のビット長で除した商である。
【0036】
所定の最低ダウンロード済み量の算出方法を、図5を参照して説明する。ストリーミングコンテンツの総再生時間をT、そのコンテンツの総ビット長をBとする。最低ダウンロード済み量のビット長をBx、その最低ダウンロード済み量のダウンロードに要した時間をTxとする。すると、平均ダウンロード速度は、Bx/Txとなる。
【0037】
最低ダウンロード済み量のビット長Bxは、Bxまでダウンロードした際にこのコンテンツの再生を開始すると、コンテンツのダウンロードが完了する際に、そのコンテンツ再生が終了することを意味する。即ち、未ダウンロードのビット長は、(B−Bx)であり、そのビット長のダウンロードが総再生時間Tで完了することを意味する。
【0038】
そこで、以下の方程式をたて、
(B−Bx)/(Bx/Tx)=T
以下のように最低ダウンロード済み量のビット長Bxを求めることができる。
【0039】
(B−Bx)×Tx/Bx=T
Tx×B−Tx×Bx=T×Bx
Tx×B=(T+Tx)Bx
Bx=Tx×B/(T+Tx)
【0040】
なお、ダウンロード速度が常に一定とは限らないので、上記計算に用いる平均ダウンロード速度は、実測した平均ダウンロード速度より所定の割合で低くした値を用いる。また、平均ダウンロード速度を所定の時間間隔で実測し、それらの速度の分散がより大きい場合、上記所定の割合をより大きくする。言い換えると、上記計算に用いる平均ダウンロード速度はより低いとする。
【0041】
そして、ダウンロード済み率は、そのコンテンツのダウンロードされたビット長を、上記のように求められた最低ダウンロード済み量のビット長Bxで除した商である。なお、この商が100%を超える場合、その商を100%とみなす。
【0042】
第3に、ストリーミング再生部18がダウンロードされたコンテンツの再生を開始した後、再生すべきコンテンツのダウンロードが間に合わず、コンテンツの再生が中断された場合、ダウンロード済み率は、その中断された時点以降のコンテンツの総再生時間と、その時点以降のコンテンツの総ビット長と、その時点以降のダウンロードに要した時間と、その時点以降の平均ダウンロード速度とによって、上記説明した、第2の場合と同じ算出方法によって算出された値である。
【0043】
このように、ダウンロード済み率が算出されると、ダウンロード時輝度制御機能11−1は、その算出されたダウンロード済み率を含むダウンロード済み率22aと関連付けられた輝度22bをダウンロード済み率対輝度対応から検索し(ステップS103)、その検索された輝度22bで表示部15を点灯させ(ステップS104)、ダウンロードが完了したか否かをブラウザ部17、ストリーミング再生部18又は送受信部13に問い合わせることによって判断する(ステップS105)。
【0044】
ダウンロードが完了していない場合、ダウンロード時輝度制御機能11−1は、所定の待ち時間を取った上で、ステップS102のダウンロード済み率を算出する動作に移る。一方、ダウンロードが完了した場合、表示部15の輝度制御動作を終了する(ステップS106)。なお、ストリーミング再生部18がコンテンツの再生を行っている場合、ダウンロードは完了したとみなす。
【0045】
(変形例)
以上の説明で、ダウンロード時輝度制御機能11−1は、表示部15の輝度を制御する際、その表示画面の輝度を一律に制御するとしたが、これに限るものではない。表示画面を複数に分割し、分割された画面毎に異なるダウンロード済み率対輝度対応を適用しても良い。また、一部の分割された画面に上記説明した制御動作を適用し、その他の分割された画面の輝度は、一定の値に保っても良い。ここで、一定の値の一例は、その分割された画面の消灯である。更に、ダウンロード時輝度制御機能11−1による制御対象ではないとし、表示部15の表示の変化の有無や、入力部16からの入力の有無に依存して決定されるとしても良い。
【0046】
(第1の表示例)
次に、ダウンロード時輝度制御機能11−1によって輝度が変化される表示部15の表示例を説明する。図6に示す第1の表示例は、ブラウザ部17によって画像と、文字とからなるインターネットコンテンツが表示される例を示し、図6(a)は、ダウンロード済み率が10%、図6(b)は、ダウンロード済み率が50%、そして、図6(c)は、ダウンロード済み率が80%の際の表示を示す。
【0047】
図6(a)に示す、ダウンロード済み率が10%である場合、表示部15の上部及び中部に表示されるコンテンツ表示15aは、何ら表示されていない。表示部15の下部に表示されるダウンロードバー15bは、ダウンロード済み率が10%であることを図形で、また、ダウンロード済み率表示15cは、ダウンロード済み率が10%であることを「DL 10%」なる文字で示している。また、表示部15の輝度が低い(暗い)ことを、右上から左下へのハッチング及び左上から右下へのハッチングによって示す。
【0048】
ここで、ダウンロードバー15bは、横長の四辺形で、それを左右に分け、左の部分が黒、右の部分が白で表示され、黒の部分の面積の四辺形全体の面積に対する割合によってダウンロード済み率を示す。
【0049】
この状況からダウンロードが進み、図6(b)に示す、ダウンロード済み率が50%となった場合、ダウンロード済み率が10%である場合と比較して、以下の表示の変化が生じている。まず、ダウンロードバー15bによって、また、ダウンロード済み率表示15cによって、ダウンロード済み率が50%であることを示している。次に、図形であるコンテンツ表示15aが表示された。これは、この図形のダウンロードが完了し、表示可能となったことを示している。更に、表示部15の輝度が中程度に変化したことを、右上から左下へのハッチングによって示す。
【0050】
この状況から更にダウンロードが進み、図6(c)に示す、ダウンロード済み率が80%となった場合、ダウンロード済み率が50%である場合と比較して、以下のような表示の変化が生じている。まず、ダウンロードバー15bによって、また、ダウンロード済み率表示15cによって、ダウンロード済み率が80%であることを示している。次に、図形及び文字であるコンテンツ表示15aが表示された。これは、この文字のダウンロードが完了し、表示可能となったことを示している。更に、表示部15の輝度が高く(明るく)変化したことを、ハッチングを施さないことによって示す。
【0051】
このように、ダウンロードが進みに従って表示部15の輝度が明るく変化することにより、装置の使用者は、その輝度によってダウンロードの進み具合を容易に把握できる。更には、ダウンロードが進むにつれてコンテンツの表示が可能となった部分が表示されるので、ダウンロードの完了を待たずに、コンテンツの概要を把握することができる。図形は、コンテンツの概要を把握するために有用である。そこで、そのコンテンツが所望のコンテンツではないと判断された場合、使用者は、直ちにそのコンテンツのダウンロードを中止することによって、無用な表示の削減のみならず、無用な通信の削減によって、通信量の削減が可能となる。
【0052】
なお、この第1の表示例では、まず図形がダウンロードされて表示され、次に文字がダウンロードされて表示されるとしたが、これに限るものではない。文字が先に表示されても良い。この場合、たとえ、低い輝度であるにせよ、使用者は、大きな文字を読むことが容易に可能であって、コンテンツの概要を把握することができる。そこで、そのコンテンツが所望のコンテンツではないと判断された場合、使用者は、上記した通りの操作をすることができる。
【0053】
(第2の表示例)
図7に示す第2の表示例は、ストリーミング再生部18によって動画像と、音声とからなるストリーミングコンテンツが再生される例を示し、図7(a)は、ダウンロード済み率が60%、図7(b)は、ダウンロード済み率が80%、そして、図7(c)は、ダウンロード済み率が95%の際の表示を示す。なお、このダウンロード済み率は、上述した所定の最低ダウンロード済み量に対する割合である。
【0054】
図7(a)に示す、ダウンロード済み率が60%である場合、コンテンツ表示15aは、「Loading」なる文字であり、コンテンツの再生は行われていない。表示部15の中央部からやや下部にかけて再生バー15d及び再生指示表示15eが表示され、再生バー15dは、再生が行われていないことを示している。ダウンロードバー15bは、ダウンロード済み率が数パーセントであることを示している。
【0055】
ここで、ダウンロードバー15bは、ダウンロード済みのコンテンツのビット長のコンテンツの総ビット長に対する割合を示している。上述した所定の最低ダウンロード済み量に対する割合ではない。表示部15の最下部に表示される再生状況表示15fは、再生が行われていないことを「ローディング」なる文字で示している。また、表示部15の輝度が低い(暗い)ことを、右上から左下へのハッチング及び左上から右下へのハッチングによって示す。
【0056】
再生バー15dは、横方向の線と、その線にまたがる四辺形からなり、その四辺形が線の最左にある場合、コンテンツの再生が行われていない、又は、冒頭の再生が行われていることを示す。また、その四辺形が線の最右にある場合、コンテンツの末尾の再生が行われている、又は、再生が終了したことを示す。そして、その四辺形が線の中間に位置する場合、その位置と線の最左との間の距離の、線の長さに対する割合が、コンテンツの再生された部分のコンテンツ全体に対する割合を示す。
【0057】
再生指示表示15eは、2つの横幅が狭い縦長の長方形の図形と、右向き三角形の図形と、やや縦長の長方形の図形とからなる。それぞれの図形に対応する入力部16のキーが操作されると、ストリーミング再生部18は、再生の一時停止、再生の開始、再生の停止を行う。
【0058】
この状況からダウンロードが進み、図7(b)に示す、ダウンロード済み率が80%となった場合、ダウンロード済み率が60%である場合と比較して、以下の表示の変化が生じている。まず、ダウンロードバー15bは、ダウンロード済み率が約20%であることを示している。また、表示部15の輝度が中程度に変化したことを、右上から左下へのハッチングによって示す。ここで、上述した所定の最低ダウンロード済み量のダウンロードが完了していないため、コンテンツ表示15aは、引き続き「Loading」なる文字であり、コンテンツの再生は行われていない。また、再生状況表示15fは、引き続き「ローディング」なる文字である。
【0059】
この状況から更にダウンロードが進み、図7(c)に示す、ダウンロード済み率が95%となった場合、ダウンロード済み率が80%である場合と比較して、以下のような表示の変化が生じている。まず、コンテンツの再生が開始され、コンテンツ表示15aは動画像である。ダウンロード済み率が100%ではないものの、ストリーミング再生部18によって、コンテンツの再生開始に支障がないと判断されたものである。
【0060】
コンテンツの再生開始に伴い、再生バー15dは、コンテンツの冒頭から約20%の部分が再生されていることを示している。また、ダウンロードバー15bは、ダウンロード済み率が約30%であることを示し、再生状況表示15fは、再生が行われていることを「再生中」なる文字で示している。更に、表示部15の輝度が高く(明るく)変化したことを、ハッチングを施さないことによって示す。
【0061】
このように、ダウンロードが進みに従って表示部15の輝度が高く変化することにより、装置の使用者は、ダウンロードバー15bを見ることによってダウンロードの進み具合を把握できるだけでなく、表示部15の表示画面を一瞥すれば表示部15の輝度によってダウンロードの進み具合を容易に把握できるので、コンテンツ再生が開始された際、その冒頭部分を見逃す可能性が小さい。
【0062】
なお、この第2の表示例は、ストリーミング再生部18がストリーミングコンテンツのダウンロードを開始する際の表示である。ストリーミング再生部18がダウンロードされたコンテンツの再生を開始し、再生すべきコンテンツのダウンロードが間に合わないためにコンテンツの再生が中断された際には、中断された際に再生されていたコンテンツ表示15aが、引き続き低い輝度であっても静止画として表示される。また、再生バー15dは、中断された際にコンテンツのどの部分が再生されていたかを、引き続き低い輝度であっても示す。
【0063】
(第3の表示例)
図8に示す第3の表示例は、図6に示す第1の表示例と殆ど同じである。そこで、相違点を説明する。相違点は、図8(a)に示すダウンロードバー15bと、図8(b)に示すダウンロードバー15bとは、高い輝度で表示されていることであり、そのことをハッチングを施さないことによって示す。
【0064】
このように、表示部15の表示画面の一部分は、ダウンロード済み率に依存した輝度の変化をさせないことにより、この図8に示すように、ダウンロード済み率に依存せず、使用者にとって有用な情報の表示を高い輝度で行なうことができる。このように、常に高い輝度で表示させることが有用な別の一例は、タッチパネルの操作を入力する部分である。表示部15及び入力部16がタッチパネルとして一体に成形されている場合、例えば、図7に示す再生指示表示15eの部分は、ダウンロード済み率に依存せず、高い輝度で表示させることが有用である。
【0065】
また、使用者にとって有用性が低い表示を、ダウンロード完了に至るまで低い輝度で表示させ、又は、消灯によって表示させないことができる。ダウンロード完了に至るまで表示させないことが可能な一例は、図7に示すコンテンツ表示15a、再生バー15d、及び再生指示表示15eである。
【0066】
以上の説明で、ダウンロード済み率対輝度対応は、ダウンロード済み率22aが大きくなるに従って輝度22bが高くなる(明るくなる)階段状の関数であり、例えば、表形式で記憶が可能としたが、これに限るものではない。輝度22bは、ダウンロード済み率22aの1次関数、n次関数、その他、ダウンロード済み率22aが与えられると計算が可能な関数であって、ダウンロード済み率対輝度対応は、計算式として記憶されるとしても良い。ここで、nは、2以上の自然数である(2≦n)。
【0067】
以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した形態を例にとって行ったが、これに限るものではない。本発明は、パソコンを含む、あらゆる通信装置に適用することが当然に可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
11 制御部
11−1 ダウンロード時輝度制御機能
15 表示部
15a コンテンツ表示
15b ダウンロードバー
15c ダウンロード済み率表示
15d 再生バー
15e 再生指示表示
15f 再生状況表示
16 入力部
17 ブラウザ部
18 ストリーミング再生部
21 コンテンツ記憶部
22 ダウンロード済み率対輝度対応記憶部
22a ダウンロード済み率
22b 輝度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
コンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、
前記ダウンロード手段によってダウンロードされたコンテンツを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたコンテンツに含まれる画像を前記表示手段に表示させるコンテンツ再生手段と、
前記ダウンロード手段によってダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの、そのコンテンツ全体の大きさに対する割合が第1の割合である場合、前記表示手段を第1の輝度で点灯させ、その割合が前記第1の割合を超える第2の割合である場合、前記表示手段を前記第1の輝度より高い第2の輝度で点灯させる輝度制御手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記コンテンツは、画像を含む複数の表示されるメディア情報からなり、
前記コンテンツ再生手段は、前記ダウンロード手段によって前記複数のメディア情報の中の1つのメディア情報のダウンロードが完了すると、そのダウンロードが完了したメディア情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
表示手段と、
コンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、
前記ダウンロード手段によってダウンロードされたコンテンツを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたコンテンツに含まれる画像をストリーミング再生して前記表示手段に表示させるコンテンツ再生手段と、
前記ダウンロード手段によってダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの、そのコンテンツのストリーミング再生開始可能と判断される大きさに対する割合が第1の割合である場合、前記表示手段を第1の輝度で点灯させ、その割合が前記第1の割合を超える第2の割合である場合、前記表示手段を前記第1の輝度より高い第2の輝度で点灯させる輝度制御手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記輝度制御手段は、前記表示手段の表示画面の一部の輝度を前記ダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの割合に基づいて制御する
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記輝度制御手段は、前記ダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの割合に基づいて輝度を制御する部分以外の前記表示手段の表示画面を、前記ダウンロード手段によってそのコンテンツのダウンロードが完了するまでに間、前記第1の輝度以下の輝度で点灯させ、又は、消灯させる
ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記輝度制御手段は、前記ダウンロード済みのコンテンツの部分の大きさの割合に基づいて輝度を制御する部分以外の前記表示手段の表示画面を、前記ダウンロード手段によってそのコンテンツのダウンロードが完了するまでの間、前記第2の輝度以上の輝度で、又は、最高輝度で点灯させる
ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項7】
前記輝度制御手段は、前記ダウンロード手段によってそのコンテンツのダウンロードが行われた割合が表示される前記表示手段の表示画面の部分を、前記ダウンロード手段によってそのコンテンツのダウンロードが完了するまでの間、前記第2の輝度以上の輝度で、又は、最高輝度で点灯させる
ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−250621(P2010−250621A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100334(P2009−100334)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】