説明

通信装置

【課題】 他の通信装置との間で既にセッションを確立し、各通信装置にそれぞれ接続された端末装置間で通信している状態において、一方の通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じである場合には、現在確立しているセッションを終了させることなく、新たな通信を開始できるようにする。
【解決手段】 送信側のゲートウェイ装置1は、自装置に接続されたMFP4から新たな端末装置への通信開始の要求のSIPメッセージを受信したとき、そのSIPメッセージの要求先が、既にセッションを確立している受信側のゲートウェイ装置2と同一であると判断した場合、SIPサーバ8を介さずに既に確立しているセッション上の通信として受信側のゲートウェイ装置2に新たな通信開始の要求を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワーク間でパケットのルーティングを行うゲートウェイ装置と、そのゲートウェイ装置としての機能を備えたコンピュータ、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置を含む通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現行の電話網を代替する新しいネットワークとして、電話サービス用の電話網とインターネットサービス用のIPネットワークを、IP技術を用いたIP通信網として統合した次世代ネットワーク(Next Generation Network:NGN)が注目を浴びている。
NGNでは、従来の公衆電話網と同様に、呼制御信号のやり取りにより必要なセッションを確立した後に通信を行う仕組みを用いている。
【0003】
また、セッション確立には、セッション確立プロトコル(Session Initiation Protocol:SIP、セッション開始プロトコルとも呼ぶ)を用いている。
SIPは、ボイス オーバー インターネット プロトコル(Voice Over Internet Protocol:VOIP)を応用したインターネット電話等で用いられている通話制御プロトコルの1つである。
【0004】
例えば、電話での会話中にファクシミリ通信を用いて書面のやりとりを行う必要が生じた場合、電話機とファクシミリ装置(FAX)の両者が複数の電話番号を持っている場合や、電話機とFAXが通信装置(例えば、ゲートウェイ装置)の同一ポートに接続されて連携している場合等の特殊な場合を除いては、一度電話を切って呼を確立し直した後にFAX通信を行い、FAX通信の終了後に再度呼を確立して電話機による通話を再開するという通信手順を踏む必要がある。
【0005】
このように、通信装置間ですでにセッションが確立している状態において、通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、たとえ既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じ場合であっても、現在確立しているセッションが終了するまで待ち、新たにセッションを確立し直す必要があるという問題があった。
【0006】
従来、端末装置から受け取った複数の呼制御メッセージを集約した集約呼制御メッセージを生成し、ネットワークに送出すると共に、ネットワークから受け取った集約呼制御メッセージから複数の呼制御メッセージを復元して端末装置への送信を行う通信装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の通信装置では、集約した呼制御メッセージによるゲートウェイ間のセッション確立を一度行った後で、更に端末装置より呼制御メッセージを受け取った場合についての動作については言及されておらず、そのため通信装置間ですでにセッションが確立している状態において、通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、たとえ既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じ場合であっても、現在確立しているセッションが終了するまで待ち、セッションを確立し直す必要があるという問題は解消できていないという問題があった。
【0008】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通信装置間で既にセッションを確立し、各通信装置にそれぞれ接続された端末装置間で通信している状態において、一方の通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じである場合には、現在確立しているセッションを終了させることなく、新たな通信を開始できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上記の目的を達成するため、自通信装置に接続された端末装置からネットワーク上の他の通信装置に接続された端末装置との通信開始の要求を受信した場合、上記ネットワーク上のサーバを介して上記他の通信装置へ上記通信開始の要求を送信して自通信装置と上記他の通信装置との間でセッションを確立し、その確立したセッション上で自通信装置に接続された端末装置と上記他の通信装置に接続された端末装置との通信を可能にする通信装置において、自通信装置に接続された他の端末装置から上記他の通信装置に接続されたさらに他の端末装置への新たな通信開始の要求を受信したとき、上記新たな通信開始の要求先の端末装置を接続した通信装置が、上記既にセッションを確立している上記他の通信装置と同一であると判断した場合、上記サーバを介さずに上記既に確立しているセッション上の通信として上記新たな通信開始の要求を上記他の通信装置へ送信する制御手段を設けた通信装置を提供する。
【0010】
また、上記制御手段が、自通信装置に接続された他の端末装置から新たな通信開始の要求を受信したとき、上記新たな通信開始の要求先の端末装置を接続した通信装置が、上記既にセッションを確立している上記他の通信装置と異なると判断した場合、上記新たな通信開始の要求を拒否する手段を有するようにするとよい。
さらに、上記制御手段が、上記他の通信装置へ送信する上記新たな通信開始の要求に、上記他の通信装置に対して上記新たな通信開始の要求先の端末装置の接続情報を付加する手段を有するようにするとよい。
【0011】
また、上記制御手段が、上記サーバを介さずに上記既に確立しているセッション上の通信として上記新たな通信開始の要求を受信した場合、上記新たな通信開始の要求に付加された、自通信装置に対する上記新たな通信開始の要求先の端末装置の接続情報を取り除き、上記新たな通信開始の要求を復元する手段と、上記取り除いた接続情報に基づいて、上記復元した上記新たな通信開始の要求を送信する自通信装置に接続された端末装置を決定する手段を有するようにするとよい。
【0012】
さらに、上記制御手段が、自通信装置に接続された端末装置と上記他の通信装置に接続された端末装置とを紐付けるための紐付情報を設定する手段と、その手段によって設定された上記紐付情報を記憶する手段とを有するようにするとよい。
【0013】
また、上記制御手段が、自通信装置における端末装置の接続情報の一覧情報を記憶する手段と、上記他の通信装置へ送信する上記新たな通信開始の要求に、上記一覧情報を付加する手段と、上記サーバを介さずに上記既に確立しているセッション上の通信として上記新たな通信開始の要求を受信した場合、上記新たな通信開始の要求に付加された、上記他の通信装置における端末装置の接続情報の一覧情報を取り除き、上記新たな通信開始の要求を復元する手段と、自通信装置に記憶した上記一覧情報と上記新たな通信開始の要求から取り除いた一覧情報とに基づいて決定される、自通信装置に接続された端末装置と上記他の通信装置に接続された端末装置とを紐付けるための紐付情報を記憶する手段を有するようにするとよい。
【0014】
さらに、上記制御手段は、自通信装置に接続された端末装置から既に確立したセッションの終了の要求を受信したとき、上記既に確立したセッションにおいてコネクションを確立している端末装置が他に存在しない場合、上記セッションの終了の要求を上記サーバへ送信する手段を有するようにするとよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明による通信装置は、他の通信装置との間で既にセッションを確立し、各通信装置にそれぞれ接続された端末装置間で通信している状態において、一方の通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じである場合には、現在確立しているセッションを終了させることなく、新たな通信を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図2に示すゲートウェイ装置の発明に係る内部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、発明の一実施例である通信システムを示す図である。
【図3】図2に示す通信システムにおいてファクシミリ通信と通話をする際にセッションが確立されるまでの処理の流れを示す図である。
【0017】
【図4】図2に示す通信システムにおいて各ゲートウェイ装置の間で既にセッションが確立された後、あらたなファクシミリ通信または通話を開始するときの処理の流れを示す図である。
【図5】図2に示す送信側のゲートウェイ装置が自装置に接続されたMFP又はTELからSIPメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート図である。
【0018】
【図6】図2に示す受信側のゲートウェイ装置が送信側のゲートウェイ装置から送信されたSIPメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート図である。
【図7】図2に示す送信側のゲートウェイ装置が自装置に接続されたMFP又はTELからSIPメッセージを受信したときの他の処理を示すフローチャート図である。
【0019】
【図8】図2に示す受信側のゲートウェイ装置が送信側のゲートウェイ装置から送信されたSIPメッセージを受信したときの他の処理を示すフローチャート図である。
【図9】図5と図7の続きの処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、発明の一実施例である通信システムを示す図である。
この実施例の通信システムは、複数のローカルエリアネットワーク(LAN)である構内ネットワークと、それらを接続するインターネットを含む広域のネットワーク3とからなる。
図2では、通信システムにおける通信の説明を分かり易くするため、送信側の構内ネットワークと受信側の構内ネットワークをそれぞれ1つずつ図示している。
【0021】
図2に示した通信システムの送信側の構内ネットワークには、ゲートウェイ装置1が設置されており、そのゲートウェイ装置1には、端末装置として複数の複合機(MultiFunction Peripheral:MFP)4と、複数の電話機(TEL)5が接続されている。
一方、受信側の構内ネットワークには、ゲートウェイ装置2が設置されており、そのゲートウェイ装置2にも、端末装置として複数の複合機(MFP)6と、複数の電話機(TEL)7がそれぞれ接続されている。その他のMFPとTELは図示を省略している。
【0022】
なお、図2では、送信側の構内ネットワークにおけるMFP4とTEL5、受信側の構内ネットワークにおけるMFP6とTEL7をそれぞれ一台ずつ図示し、その他の図示を省略している。
ネットワーク3には、SIPサーバ8が設けられている。
【0023】
ゲートウェイ装置1、2は、ネットワーク間でパケットのルーティングを行う装置であり、構内ネットワーク内のMFP4とTEL5、MFP6とTEL7をそれぞれネットワーク3に接続し、ファクシミリ通信、通話の際のセッションの確立を含む通信制御をする装置であり、発明の通信装置に相当する。
MFP4、6は、ファクシミリ通信機能、画像読み取り機能、印刷機能、複写機能を含む複数の機能を備えた画像形成装置であり、その内部構成と、上記各機能に係る処理については公知なので、その説明を省略する。
【0024】
TEL5、7は、SIP対応の通話装置である。その内部構成と、通話機能に係る処理については公知なので、その説明を省略する。
ネットワーク3は、IPベースのキャリアネットワークであり、上述したNGNである。その詳細は公知なので説明を省略する。
SIPサーバ8は、上述したSIPに基いて、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2でセッションを確立させるための呼制御を行うサーバである。その詳細は公知なので説明を省略する。
【0025】
この通信システムでは、送信側のゲートウェイ装置1に接続された送信側のMFP4、TEL5と、受信側のゲートウェイ2に接続された受信側のMFP6、TEL7は、ネットワーク3内のSIPサーバ8を利用してゲートウェイ装置1、2間でセッションが確立された後、そのセッション内でコネクションを確立し、ファクシミリ通信、通話を含む通信のアプリケーションの実行を行う。
【0026】
次に、ゲートウェイ装置1、2の発明に係る内部構成について説明する。
図1は、図2に示したゲートウェイ装置1、2の発明に係る内部構成を示す機能ブロック図であり、特に発明において特徴的な部分および発明に係る部分のみを示し、その他の公知の機能部については図示と説明を省略する。
ゲートウェイ装置1、2は、CPU、ROMおよびRAMを含むマイクロコンピュータによって実現される制御部10と、ユーザが操作する入力装置である設定入力部18とを有する。
【0027】
制御部10は、発明に係る機能部として、構内インタフェース制御部11、SIPメッセージ解析部12、セッション通信先情報記憶部13、SIPメッセージ加工部14、網側インタフェース制御部15、SIPメッセージ復元部16、およびセッション管理部17を備えている。
上記11〜17の各部は、CPUがプログラムを実行することによってそれぞれの機能を実現させることができる。そのプログラムは、ROM(コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶することにより、ゲートウェイ装置1、2に上記11〜17の各部の機能を容易に導入することができる。
【0028】
構内インタフェース制御部11は、送信側では図2のMFP4、TEL5、受信側では図2のMFP6、TEL7の端末装置との間のSIPメッセージの送受信の制御を司る。
このSIPメッセージは、送信側のMFP4と受信側のMFP6とのファクシミリ通信の際に、および送信側のTEL5と受信側のTEL7との通話の際にそれぞれ行うセッションの確立、変更、切断のためにMFP4とTEL5との間およびTEL5とTEL7との間でやり取りされるデータである。すなわち、通信開始の要求に相当する。
【0029】
SIPメッセージ解析部12は、SIPメッセージの内容を解析し、そのSIPメッセージに含まれている宛先情報またはポート情報を抽出する処理を司る。ポート情報は接続情報に相当する。
セッション通信先情報記憶部13は、セッション通信先の情報を記憶する記憶装置である。この情報は紐付情報と一覧情報に相当し、セッション通信先とのやりとりの中で自動的に取得して記憶する以外に、ユーザ操作によって直接設定して記憶させることも可能である。
【0030】
SIPメッセージ加工部14は、セッション通信先情報記憶部13に記憶されている情報に基いて、SIPメッセージにセッション通信先のポート情報を追加する加工の処理を司る。
網側インタフェース制御部15は、ネットワーク3に対するSIPメッセージの送信と、ネットワーク3からのSIPメッセージの受信の制御を司る。
SIPメッセージ復元部16は、SIPメッセージに含まれているポート情報を取り除いてSIPメッセージを復元する処理を司る。
【0031】
セッション管理部17は、構内インタフェース制御部11、SIPメッセージ解析部12、セッション通信先情報記憶部13、SIPメッセージ加工部14、網側インタフェース制御部15、およびSIPメッセージ復元部16をそれぞれ制御して、送信側のMFP4と受信側のMFP6とのファクシミリ通信の際に、および送信側のTEL5と受信側のTEL7との通話の際にそれぞれ行うセッションの確立、変更、切断の手順の制御を司る。
【0032】
設定入力部18は、セッション通信先情報記憶部13に対する情報の設定入力を司る。その情報には、自装置のポートに接続されているMFPまたはTELとセッション通信先のポートに接続されているMFPまたはTELを紐付けるための情報を含む。
このように、セッション通信先毎に、どのポートに接続されている装置間でコネクションを接続するかについて、ユーザの意思に基づいて決定することができる。
【0033】
次に、図2に示した通信システムにおいてファクシミリ通信と通話をする際にセッションが確立されるまでの処理の概要を説明する。
図3は、図2に示した通信システムにおいてファクシミリ通信と通話をする際にセッションが確立されるまでの処理の流れを示す図であり、SIPを用いた一般的なセッション開始手順を示している。
【0034】
図2に示した送信側のMFP4が受信側のMFP6とファクシミリ通信をする際、または送信側のTEL5が受信側のTEL7と通話をする際、図3に示した(1)〜(3)の通信手順を実行して、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間を含み、MFP4とMFP6、またはTEL5とTEL7の間でセッションを確立し、MFP4はMFP6とファクシミリ通信を、またはTEL5はTEL7と通話をそれぞれ開始する。
まず、送信側のMFP4が受信側のMFP6とファクシミリ通信をする際、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間でセッションを確立する通信手順を説明する。
【0035】
(1)送信側のMFP4は、受信側のMFP6とファクシミリ通信を開始する際、受信側のMFP6に対してセッション確立要求を示すSIPメッセージである“INVITE”を送信側のゲートウェイ装置1へ送信する。
そのINVITEは、送信側のゲートウェイ装置1から図2のネットワーク3に設けられたSIPサーバ8を介して受信側のMFP6を接続している受信側のゲートウェイ装置2へ送信され、そのゲートウェイ装置2から受信側のMFP6へ送信される。
【0036】
(2)受信側のMFP6は、INVITEを受信すると、自装置が送信側のMFP4からの受信を開始できる状態である場合には、送信側のMFP4に対して最終応答:成功を示すSIPメッセージである“200 OK”を受信側のゲートウェイ装置2に送信する。
その200 OKは、受信側のゲートウェイ装置2からSIPサーバ8を介して送信側のMFP4を接続している送信側のゲートウェイ装置1へ送信され、その送信側ゲートウェイ装置1から送信側のMFP4へ送信される。
【0037】
(3)送信側のMFP4は、受信側のMFP6からの200 OKを正しく受信すると、受信側のMFP6に対して200 OKを正しく受け取ったことを示すSIPメッセージである“ACK”を送信側のゲートウェイ装置1に送信する。
そのACKは、送信側のゲートウェイ装置1からSIPサーバ8を介して受信側のMFP6を接続した受信側のゲートウェイ装置2へ送信され、そのゲートウェイ装置2から受信側のMFP6へ送信される。
【0038】
こうして、上記(1)〜(3)の通信手順が成功すると、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間も含み、送信側のMFP4と受信側のMFP6の間でセッションが確立し、その確立後は、送信側のMFP4と受信側のMFP6は、確立されたセッション上においてファクシミリ通信のコネクションを確立し、ファクシミリ通信を実行することができる。
【0039】
一方、送信側のTEL5が受信側のTEL7と通話をする際、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間でセッションを確立する通信手順についても、上述と同様にして、送信側のTEL5、送信側のゲートウェイ装置1、SIPサーバ8、受信側のゲートウェイ装置2、および受信側のTEL7との間で(1)〜(3)と同様の通信手順を成功させると、送信側のTEL5と受信側のTEL7は、その確立されたセッション上において通話のコネクションを確立し、通話を実行することができる。
【0040】
また、上述の説明では、MFP4とTEL5を送信側に、MFP6とTEL7を受信側にして説明したが、MFP6とTEL7を送信側に、MFP4とTEL5を受信側にしても上述と同様の通信手順を実行して両者間のセッションを確定し、ファクシミリ通信または通話を実行することができる。
【0041】
次に、図2に示した通信システムにおいてゲートウェイ装置1と2の間で既にセッションが確立された後、あらたなファクシミリ通信または通話を開始するときの処理の概要を説明する。
図4は、図2に示した通信システムにおいてゲートウェイ装置1と2の間で既にセッションが確立された後、あらたなファクシミリ通信または通話を開始するときの処理の流れを示す図であり、ゲートウェイ装置1、2における発明に係る動作の特徴を示す図である。
【0042】
送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間で既にセッションが確立された後、新たに送信側のMFP4が受信側のMFP6とファクシミリ通信をする際、または新たに送信側のTEL5が受信側のTEL7と通話をする際、図4に示した(1)〜(9)の通信手順を実行することにより、現在確立しているセッションを終了させて、あらためてセッションを確立し直すことなく、あらたなファクシミリ通信または通話を行うことができる。
【0043】
まず、送信側のMFP4と受信側のMFP6との間でファクシミリ通信が実行されており、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間で既にセッションが確立されている場合、あらたに送信側のTEL5が受信側のTEL7と通話をするときの通信手順を説明する。
(1)送信側のTEL5は、受信側のTEL7に対してセッション確立要求を示すSIPメッセージである“INVITE”を送信側のゲートウェイ装置1に送信する。
【0044】
(2)送信側のゲートウェイ装置1は、送信側のTEL5からINVITEを受信し、そのINVITEの接続要求先が、既にセッションが確立されている受信側のゲートウェイ装置2に接続された受信側のTEL7であることを確認すると、INVITEに所定の加工処理を施し(この加工処理の詳細については後述する)、その加工後のSIPメッセージである“MODIFIED−INVITE”を、既に確立されているセッション上の通信として、SIPサーバ8を介さずに受信側のTEL7が接続されている受信側のゲートウェイ装置2に送信する。
【0045】
(3)受信側のゲートウェイ装置2は、送信側のゲートウェイ装置1から受信した受信側のTEL7へのMODIFIED−INVITEに所定の復元処理を施し(この復元処理の詳細は後述する)、受信側のTEL7に送信する。
(4)受信側のTEL7は、受信側のゲートウェイ装置2から上記復元されたSIPメッセージを受信し、送信側のTEL5からの受信を開始できる状態である場合には、送信側のTEL5に対して最終応答:成功を示すSIPメッセージである“200 OK”を受信側のゲートウェイ装置2に送信する。
【0046】
(5)受信側のゲートウェイ装置2は、200 OKの通信相手先が、既にセッションが確立されている送信側のゲートウェイ装置1に接続された送信側のTEL5であることを確認すると、200 OKに所定の加工を施し(この加工処理の詳細については後述する)、その加工後のSIPメッセージである“MODIFIED−200 OK”を、既に確立されているセッション上の通信として、SIPサーバ8を介さずに送信側のTEL5が接続されている送信側ゲートウェイ装置1に送信する。
【0047】
(6)送信側のゲートウェイ装置1は、受信側のゲートウェイ装置2から受信した送信側のTEL5へのMODIFIED−200 OKに所定の復元処理を施し(この復元処理の詳細は後述する)、送信側TEL5に送信する。
(7)送信側のTEL5は、受信側のTEL7からの200 OKを正しく受信すると、受信側のTEL7に対して200 OKを正しく受け取ったことを示すSIPメッセージである“ACK”を送信側のゲートウェイ装置1に送信する。
【0048】
(8)送信側のゲートウェイ装置1は、送信側のTEL5からACKを受信し、そのACKの通信相手先が、既にセッションが確立されている受信側のゲートウェイ装置2に接続された受信側のTEL7であることを確認すると、ACKに所定の加工処理を施し(この加工処理の詳細については後述する)、その加工後のSIPメッセージである“MODIFIED−ACK”を、既に確立されているセッション上の通信として、SIPサーバ8を介さずに受信側のTEL7が接続されている受信側のゲートウェイ装置2に送信する。
【0049】
(9)受信側のゲートウェイ装置2は、送信側のゲートウェイ装置1から受信した受信側のTEL7へのMODIFIED−ACKに所定の復元処理を施し(この復元処理の詳細は後述する)、受信側のTEL7に送信する。
こうして、上記(1)〜(9)の通信手順が成功すると、送信側のTEL5と受信側のTEL7は、通常であれば送信側のMFP4と受信側のMFP6がファクシミリ通信のコネクションを終了し、セッションまで終了した後でなければ通信を開始できないような状況においても、コネクションを確立して通話を開始することができる。
【0050】
一方、送信側のTEL5と受信側のTEL7とで通話が実行されており、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間で既にセッションが確立されている場合、新たに送信側のMFP4が受信側のMFP6とファクシミリ通信をする際も、上述の(1)〜(9)と同様の通信手順を実行することにより、現在確立しているセッションを終了させて、あらためてセッションを確立し直すことなく、あらたなファクシミリ通信を行うことができる。
【0051】
また、上述の説明では、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2の間で既にセッションが確立されている場合、新たに送信側のTEL5が受信側のTEL7と通話をする場合と、新たに送信側のMFP4が受信側のMFP6とファクシミリ通信をする場合について説明したが、新たに受信側のTEL7から送信側のTEL5へ通話を開始する場合と、新たに受信側のMFP6から送信側のMFP4へファクシミリ通信を開始する場合についても、上述の(1)〜(9)と同様の通信手順を実行することにより、現在確立しているセッションを終了させて、あらためてセッションを確立し直すことなく、あらたな通話またはファクシミリ通信を行うことができる。
【0052】
次に、図2に示した送信側のゲートウェイ装置1が自装置に接続されたMFP4又はTEL5からSIPメッセージを受信したときの処理について説明する。
図5は、図2に示した送信側のゲートウェイ装置1が自装置に接続されたMFP4又はTEL5からSIPメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート図である。
図5のステップ(図中「S」で示す)1で、制御部10の構内インタフェース制御部11が、接続された端末装置であるMFP4又はTEL5からSIPメッセージを受信すると、セッション管理部17へ送信し、ステップ2へ進む。
【0053】
ステップ2では、セッション管理部17が、自ゲートウェイ装置1が他のゲートウェイ装置2との間で既にセッションが確立されているか否かを判断し、既にセッションが確立されているなら(この場合ゲートウェイ装置間のコネクションも確立されている)、SIPメッセージをSIPメッセージ解析部12へ送り、ステップ3へ進み、セッションが確立されていなければ、ステップ9へ進む。
ステップ3では、SIPメッセージ解析部12が、SIPメッセージの内容を解析し、そのSIPメッセージに含まれている宛先情報を抽出し、SIPメッセージと宛先情報をセッション管理部17へ返し、ステップ4へ進む。
【0054】
ステップ4では、セッション管理部17が、宛先情報と、既に確立しているセッションのセッション通信先とを比較し、SIPメッセージの宛先情報が既に確立しているセッションのセッション通信先と同じか否かを判断し、同じならステップ5へ進み、同じでないならステップ8へ進む。
【0055】
ステップ5では、セッション管理部17が、SIPメッセージがセッションの終了を要求するものか否かを判断し、セッションの終了を要求するメッセージなら、図9に示すステップ61へ進み、セッションの終了を要求するメッセージでなければ、SIPメッセージをSIPメッセージ加工部14へ送り、ステップ6へ進む。上記セッションの終了を要求するメッセージとは、具体的にはBYEリクエストとその応答を指す。
【0056】
ステップ6では、SIPメッセージ加工部14が、SIPメッセージを送信してきた端末装置(MFP又はTEL)が接続されているポートのポート情報(ゲートウェイ装置1に端末装置を接続したポートを示す接続情報に相当する)と、セッション通信先情報記憶部13に記憶されている情報とに基いて、セッション通信先のポートの中で、実際に通信を行う端末装置が接続されているポートを判断し、SIPメッセージを加工し、セッション通信先のポート情報を追加(付加)する加工を施し、セッション管理部17へ返し、ステップ7へ進む。
【0057】
ステップ7では、セッション管理部17は、網側インタフェース制御部15を利用し、加工されたSIPメッセージを、ネットワーク3内に存在するSIPサーバ8を介さず、既に確立しているセッションにおける通信データとして、セッション通信先の受信側のゲートウェイ装置2へ送信し、この処理を終了する。
【0058】
一方、ステップ8では、セッション管理部17が、構内インタフェース制御部11を利用し、新たな通信開始の要求を拒否するために現在セッション制御は行えない旨を、SIPメッセージを送信した端末装置へ通知し、この処理を終了する。
また、ステップ9では、セッション管理部17が、網側インタフェース制御部15を利用し、受信したSIPメッセージをネットワーク3内のSIPサーバ8に送信し、この処理を終了する。
【0059】
このようにして、送信側のゲートウェイ装置1は、端末装置から受け取ったSIPメッセージのセッション通信先が、既に確立しているセッション通信先と同一であると判断した場合には、既に確立しているセッション上の通信としてSIPサーバ8を介さずセッション通信先に送信することにより、他の通信装置との間で既にセッションを確立し、各通信装置にそれぞれ接続された端末装置間で通信している状態において、一方の通信装置に接続されている他の端末装置がセッションの確立を必要とする通信を新たに開始しようとする場合、既に確立しているセッションと新たに確立しようとするセッションの接続先が同じである場合には、現在確立しているセッションを終了させることなく、新たな通信を開始することができる。
【0060】
また、端末装置から受け取ったSIPメッセージのセッション通信先が、既に確立しているセッション通信先と異なると判断した場合には、セッションの接続を拒否することにより、新たな通信先への接続動作を行えない状況においても、接続された端末装置は問題なく動作できるようにすることができる。
【0061】
次に、図2に示した受信側のゲートウェイ装置2が送信側のゲートウェイ装置1から上述の処理によって送信されたSIPメッセージを受信したときの処理について説明する。
図6は、図2に示した受信側のゲートウェイ装置2が送信側のゲートウェイ装置1から上述の処理によって送信されたSIPメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート図である。
【0062】
図6のステップ(図中「S」で示す)11で、制御部10の網側インタフェース制御部15が、ネットワーク3よりSIPメッセージを受信すると、セッション管理部17へ送り、セッション管理部17はSIPメッセージをSIPメッセージ解析部12へ送り、ステップ12へ進む。
ステップ12では、SIPメッセージ解析部12が、SIPメッセージの内容を解析し、その解析結果をセッション管理部17へ返し、ステップ13へ進む。
【0063】
ステップ13では、セッション管理部17が、SIPメッセージ内に送信側のゲートウェイ装置1によって追加されたポート情報が存在するか否かを判断し、存在するならSIPメッセージをSIPメッセージ復元部16へ送り、ステップ14へ進み、存在しないならステップ16へ進む。
ステップ14では、SIPメッセージ復元部16が、SIPメッセージからポート情報を取り除き、そのSIPメッセージとポート情報とをセッション管理部17へ送り、ステップ15へ進む。
【0064】
ステップ15では、セッション管理部17が、構内インタフェース制御部11を利用し、SIPメッセージ内に含まれていたポート情報が示すポートに接続されている端末装置(MFP6又はTEL7)に、復元したSIPメッセージを送信し、この処理を終了する。
一方、ステップ16では、セッション管理部17が、構内インタフェース制御部11を利用し、受信したSIPメッセージをセッションの確立を行う端末装置(MFP6又はTEL7)に対して送信し、この処理を終了する。
【0065】
このようにして、送信側のゲートウェイ装置1と受信側のゲートウェイ装置2とでそれぞれ図5と図6に示した処理を実行することにより、この通信システムでは、SIPサーバ8を介さずセッション通信先に送信する際には、通信相手の端末装置が接続されているポートの情報を含むようにSIPメッセージを加工し、またポートの情報が含まれたSIPメッセージを受信した場合には、ポートの情報を取り除いてSIPメッセージを復元するとともに、取り除いたポートの情報を利用して、復元したSIPメッセージを送信する端末装置を決定することにより、セッション間で複数のコネクションが確立される場合に、ポート情報により各コネクションを識別し、各コネクションによる通信を確実に実現することができる。
【0066】
次に、図2に示した送信側のゲートウェイ装置1が自装置に接続されたMFP4又はTEL5からSIPメッセージを受信したときの他の処理について説明する。
図7は、図2に示した送信側のゲートウェイ装置1が自装置に接続されたMFP4又はTEL5からSIPメッセージを受信したときの他の処理を示すフローチャート図である。
【0067】
なお、図7に示したステップ21〜27、ステップ28の各処理は、図5に示したステップ1〜7、ステップ8の各処理とそれぞれ共通するため、その共通する処理の説明を省略し、図5と異なるステップ29、30の処理を主に説明する。
ステップ22において、セッション管理部17が、自ゲートウェイ装置1が受信側のゲートウェイ装置2と既にセッションが確立されていないと判断したら、SIPメッセージをSIPメッセージ加工部14へ送り、ステップ29へ進む。
【0068】
ステップ29では、SIPメッセージ加工部14が、SIPメッセージに自らの持つ各ポートについての一覧情報をSIPメッセージに追加する加工を施し、その加工後のSIPメッセージをセッション管理部17へ送り、ステップ30へ進む。上記自らの持つ各ポートについての一覧情報とは、各ポートに接続されている端末がどのようなサービスを行うかを示す情報である。
【0069】
ステップ30では、セッション管理部17が、網側インタフェース制御部15を利用し、上記加工後のSIPメッセージをネットワーク3内のSIPサーバ8へ送信し、この処理を終了する。
このようにして、自らのポート一覧情報を、通信装置間でのセッションを確立するためにSIPサーバ8を介して通信されるSIPメッセージに含めるようにすることにより、セッション通信先毎に、どのポートに接続されている端末装置間でコネクションを接続するかについて、ユーザが設定をしなくても自動的に決定することができる。
【0070】
次に、図2に示した受信側のゲートウェイ装置2が送信側のゲートウェイ装置1から図7のフローチャート図の処理によって送信されたSIPメッセージを受信したときの処理について説明する。
図8は、図2に示した受信側のゲートウェイ装置2が送信側のゲートウェイ装置1から上述の処理によって送信されたSIPメッセージを受信したときの他の処理を示すフローチャート図である。
【0071】
なお、図8に示したステップ41〜45の各処理は、図6に示したステップ11〜15の各処理とそれぞれ共通するため、その共通する処理の説明を省略し、図6と異るステップ46〜50の処理を主に説明する。
ステップ43において、セッション管理部17が、SIPメッセージ内に送信側のゲートウェイ装置1によって追加されたポート情報が存在しないと判断した場合、ステップ46へ進む。
【0072】
ステップ46では、セッション管理部17が、SIPメッセージ内に送信側のゲートウェイ装置1によって追加されたポート一覧情報が存在するか否かを判断し、存在するならステップ47へ進み、存在しないならステップ50へ進む。
ステップ47では、セッション管理部17が、SIPメッセージ内のポートの一覧情報と自らの持つポートについての一覧情報から、自らのポートに接続されている端末装置と、送信側のゲートウェイ装置1に接続されている端末装置との紐付けを行い、その紐付情報をセッション通信先情報記憶部13に記憶し、SIPメッセージをSIPメッセージ復元部16へ送り、ステップ48へ進む。
【0073】
ステップ48では、SIPメッセージ復元部16が、SIPメッセージからポートの一覧情報を取り除いて、SIPメッセージを復元し、セッション管理部17へ返し、ステップ49へ進む。
ステップ49では、セッション管理部17が、構内インタフェース制御部11を利用し、復元したSIPメッセージをセッションの確立を行う端末装置(MFP6又はTEL7)に対して送信し、この処理を終了する。
【0074】
一方、ステップ50では、セッション管理部17が、構内インタフェース制御部11を利用し、受信したSIPメッセージをセッションの確立を行う端末装置に対して送信し、この処理を終了する。
このようにして、自らのポート一覧情報を、通信装置間でのセッションを確立するためにSIPサーバ8を介して通信されるSIPメッセージに含めることにより、セッション通信先毎に、どのポートに接続されている端末装置間でコネクションを接続するかについて、ユーザが設定をしなくても自動的に決定することができる。
【0075】
図9は、図5と図7の続きの処理を示すフローチャート図である。
ステップ61では、セッション管理部17が、SIPメッセージを送出してきた端末装置の他に、コネクションを確立している端末装置が存在するか否かを判断し、存在するならSIPメッセージ加工部14へ送り、ステップ62へ進み、存在しないならステップ64へ進む。
【0076】
ステップ62では、SIPメッセージ加工部14が、SIPメッセージを送信してきた端末装置が接続されているポートの情報と、セッション通信先情報記憶部13に記憶されている情報とに基いて、セッション通信先のポートの中で、実際に通信を行う端末装置が接続されているポートを判断し、SIPメッセージにポート情報を追加する加工を施してセッション管理部17へ返し、ステップ63へ進む。
【0077】
ステップ63では、セッション管理部17が、網側インタフェース制御部15を利用し、加工されたSIPメッセージを、ネットワーク3内に存在するSIPサーバ8を介さず、既に確立しているセッションにおける通信データとして、セッション通信先の受信側のゲートウェイ装置2へ送信し、この処理を終了する。
一方、ステップ64では、セッション管理部17が、受信したSIPメッセージをネットワーク3内のSIPサーバ9へ送信し、この処理を終了する。
【0078】
このようにして、セッション終了を要求するメッセージを端末装置より受け取った際に、コネクションを確立している端末装置が他に存在しない場合には、受け取ったメッセージをSIPサーバ8に送信することにより、コネクションが確立されている場合のみセッションの確立を継続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
この発明による通信装置は、ネットワーク間でパケットのルーティングを行うゲートウェイ装置と、そのゲートウェイ装置としての機能を備えたコンピュータ、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置を含む通信装置において適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1、2:ゲートウェイ装置 3:ネットワーク 4、6:MFP 5、7:TEL 8:SIPサーバ 10:制御部 11:構内インタフェース制御部 12:SIPメッセージ解析部 13:セッション通信先情報記憶部 14:SIPメッセージ加工部 15:網側インタフェース制御部 16:SIPメッセージ復元部 17:セッション管理部 18:設定入力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2009−218631号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自通信装置に接続された端末装置からネットワーク上の他の通信装置に接続された端末装置との通信開始の要求を受信した場合、前記ネットワーク上のサーバを介して前記他の通信装置へ前記通信開始の要求を送信して自通信装置と前記他の通信装置との間でセッションを確立し、該確立したセッション上で自通信装置に接続された端末装置と前記他の通信装置に接続された端末装置との通信を可能にする通信装置において、
自通信装置に接続された他の端末装置から前記他の通信装置に接続されたさらに他の端末装置への新たな通信開始の要求を受信したとき、前記新たな通信開始の要求先の端末装置を接続した通信装置が、前記既にセッションを確立している前記他の通信装置と同一であると判断した場合、前記サーバを介さずに前記既に確立しているセッション上の通信として前記新たな通信開始の要求を前記他の通信装置へ送信する制御手段を設けたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、自通信装置に接続された他の端末装置から新たな通信開始の要求を受信したとき、前記新たな通信開始の要求先の端末装置を接続した通信装置が、前記既にセッションを確立している前記他の通信装置と異なると判断した場合、前記新たな通信開始の要求を拒否する手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記他の通信装置へ送信する前記新たな通信開始の要求に、前記他の通信装置に対して前記新たな通信開始の要求先の端末装置の接続情報を付加する手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記サーバを介さずに前記既に確立しているセッション上の通信として前記新たな通信開始の要求を受信した場合、前記新たな通信開始の要求に付加された、自通信装置に対する前記新たな通信開始の要求先の端末装置の接続情報を取り除き、前記新たな通信開始の要求を復元する手段と、前記取り除いた接続情報に基づいて、前記復元した前記新たな通信開始の要求を送信する自通信装置に接続された端末装置を決定する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、自通信装置に接続された端末装置と前記他の通信装置に接続された端末装置とを紐付けるための紐付情報を設定する手段と、該手段によって設定された前記紐付情報を記憶する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、自通信装置における端末装置の接続情報の一覧情報を記憶する手段と、前記他の通信装置へ送信する前記新たな通信開始の要求に、前記一覧情報を付加する手段と、前記サーバを介さずに前記既に確立しているセッション上の通信として前記新たな通信開始の要求を受信した場合、前記新たな通信開始の要求に付加された、前記他の通信装置における端末装置の接続情報の一覧情報を取り除き、前記新たな通信開始の要求を復元する手段と、自通信装置に記憶した前記一覧情報と前記新たな通信開始の要求から取り除いた一覧情報とに基づいて決定される、自通信装置に接続された端末装置と前記他の通信装置に接続された端末装置とを紐付けるための紐付情報を記憶する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、自通信装置に接続された端末装置から既に確立したセッションの終了の要求を受信したとき、前記既に確立したセッションにおいてコネクションを確立している端末装置が他に存在しない場合、前記セッションの終了の要求を前記サーバへ送信する手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−90025(P2012−90025A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234190(P2010−234190)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】