通信識別子管理方法、通信識別子管理装置
【課題】 実際に通信された電子メール、通信履歴などの通信履歴情報を何ら改変することなく、アドレス帳のメールアドレス等を修正しても、名前解決を行うことである。
【解決手段】
通信識別子保存部106に記憶されている通信相手の通信識別子を通信部101を介して修正して、通信識別子管理部104は新規通信識別子を取得しておく。そして、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて、消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定通信識別子保存部107に記憶する。そして、ユーザが端末操作部103を用いて保存データを利用する際、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に基づいて通信相手を決定する。
【解決手段】
通信識別子保存部106に記憶されている通信相手の通信識別子を通信部101を介して修正して、通信識別子管理部104は新規通信識別子を取得しておく。そして、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて、消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定通信識別子保存部107に記憶する。そして、ユーザが端末操作部103を用いて保存データを利用する際、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に基づいて通信相手を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末内に通信識別子を管理する通信識別子管理方法、通信識別子管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信時の利便性確保のため、携帯電話などの通信端末は電話帳に代表されるような通信識別子保存手段を備えており、様々な工夫がなされている。例えば、利便性を向上させるため、通信端末内の電話帳データを共有サーバにも保存し、データの更新を検知して自動的に共有サーバへ差分送信する方式が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
また、携帯電話内の電話帳データを更新する際に、SIM(Subscriber Identity Module)カードと呼ばれる別領域にも同時に保存する方式が知られている(下記特許文献2参照)。
【0004】
一方で、昨今、迷惑メール対策の一つとして頻繁にメールアドレスを変更するユーザが少なからず存在し、メールアドレス変更時に他のユーザに変更通知を送信するサービスも開始されている。通常、メールアドレスの変更通知を受信したユーザは手動で該当する電話帳のメールアドレスを修正する。その過程で古いメールアドレスは削除され、新しいメールアドレスが保存される。
【0005】
また、操作ログや通信のログを利用するシステムにおいては、通信相手つまり通信識別子ごとのログの積算や名前解決が一般的に行われる。一例として、通信相手のメールアドレスごとにメールの送受信件数を積算したり、通信相手のメールアドレスから氏名を表示したりするアプリケーションが挙げられる。
【0006】
しかし、前述のとおり通信相手のメールアドレス自体が変更される場合が多々あり、その場合は積算値がリセットされてしまったり、名前解決が不可能となったりといった問題が発生する。例えば、一般的に、アドレス帳等においては、メールアドレスまたは電話番号と、その宛先名称とを対応付けて記憶しており、通信履歴が表示される際には、通信した電子メールの発信元アドレスまたは送信元アドレスに代えて、アドレス帳に登録されている宛先名称が表示されるが、上述の通り、アドレス帳からメールアドレスが削除されると、その対応付けが取れなくなるために、宛先名称等が表示されなくなり、名前解決を行うことができない。
【0007】
これを解決するために、特許文献3に記載されている技術が考えられている。この特許文献3に記載されている技術は、アドレス帳に記載されているメールアドレスを修正した場合に、過去に通信した電子メールに記述されている発信元アドレス、発信先アドレスもそのアドレス帳に合わせて修正することが記載されている。これにより、アドレス帳においてメールアドレスが修正されたとしても、過去において通信された電子メールが誰からのものか、または誰に送信したものであるか、ユーザは把握することができる。
【特許文献1】特許第3918023号公報
【特許文献2】特開2006−197604号公報
【特許文献3】特開2008−252370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述特許文献3に記載されている技術においては、過去において実際に通信された電子メールや、電話の発着信などの通信履歴を改変することになるため、通信ログを保存するという観点では望ましくない。通信ログは、実際に通信された情報そのものを記憶しておくことが重要であり、その事実が必要である。よって、通信ログとして電子メールデータそのものや、通信履歴情報を記憶することを前提とした場合、特許文献3の技術は現実にそぐわない技術である。
【0009】
また、通信ログの積算処理などを管理するために、変更されにくい通信識別子を用いる方法が考えられるが、端末内の電話帳には必ずしも変更されにくい通信識別子が保存されているとは限らない。また、通信相手がインターネット上のメールアドレスのように、変更されやすい通信識別子しか持ち得ない場合も多々あり、対応が不可能である。
【0010】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、実際に通信された電子メール、通信履歴などの通信履歴情報を何ら改変することなく、アドレス帳のメールアドレス等を修正しても、名前解決を行うなうことができる通信識別子管理方法および通信識別子管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の通信識別子管理方法は、通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信装置の通信識別子管理方法において、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正ステップと、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正ステップにおいて修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する通信識別子記憶ステップと、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、当該消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定ステップと、を備えている。
【0012】
また、本発明の通信識別子管理装置は、通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信識別子管理装置において、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正手段と、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正手段において修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する消去予定情報記憶手段と、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、前記消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定手段と、を備えている。
【0013】
この発明によれば、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得しておき、保存データにおいて、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する。そして、保存データを利用する際、保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、消去予定情報に基づいて通信相手を決定する。
【0014】
これにより、アドレス帳などの通信識別子記憶手段においてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【0015】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データ内で消去予定通信識別子が使用されていた場合、当該消去予定通信識別子を消去するか否かをユーザに問い合わせる問合せステップをさらに備え、前記通信識別子記憶ステップは、前記問合せステップにおいて、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を記憶することなく消去し、新規通信識別子のみ記憶することが好ましい。
【0016】
この発明によれば、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を消去し、新規通信識別子のみ記憶することができる。これにより、ユーザの判断に基づいて名前解決などに利用される消去予定通信識別子を記憶するか、しないかを判断することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0017】
本発明の通信識別子管理方法は、前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一レコードとして記憶するとともに、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することが好ましい。
【0018】
この発明によれば、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位における処理を行うことができるとともに、レコード単位における処理の不都合、すなわちレコード内における空き領域が無い場合の問題を解決することができる。よって、実装上効率的に設計を行うことができる。
【0019】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一のレコードとして予め定められた保存領域内に記憶しておき、前記通信識別子記憶ステップにおいて、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、前記一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得するコピーステップとを備え、前記通信識別子記憶ステップは、前記コピーレコードまたは前記一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、前記一のレコードと前記コピーレコードとを対応付けて保存することが好ましい。
【0020】
この発明によれば、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得し、コピーレコードまたは一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、一のレコードとコピーレコードとを対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位の処理を可能にするとともに、その設計を簡易なものにすることができる。
【0021】
また、本発明の通信識別子管理方法は、新規通信識別子を記憶した日時を記憶する日付情報記憶ステップをさらに備えることが好ましい。
【0022】
この発明によれば、さらに新規通信識別子に対応付けてその記憶日時を記憶することができる。よって、この日時を利用した処理を可能にすることができる。
【0023】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、前記通信履歴記憶手段の保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、をさらに備えることが好ましい。
【0024】
この発明によれば、保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認し、保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0026】
この発明によれば、保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0027】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、前記保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0028】
この発明によれば、消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0029】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する比較ステップをさらに備え、前記決定ステップは、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することが好ましい。
【0030】
この発明によれば、保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することができる。これにより、通信識別子が変更された後に、たまたま通信識別子が同じ別の相手が現れたとしても、誤った名前解決を行うことなく、ただしく通信相手を決定することができる。
【0031】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、前記保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断された場合、前記消去予定情報記憶手段を参照して、前記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行する通信ステップと、を備えることが好ましい。
【0032】
この発明によれば、保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断し、消去予定通信識別子であると判断された場合、消去予定情報記憶手段を参照して記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行することができる。これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子が記述されている保存データを利用して、返信処理などの通信処理を行った場合にも適切な通信相手に送信することができる。
【0033】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断され、かつ前記消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示する提示ステップと、を備え、前記通信ステップは、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することが好ましい。
【0034】
この発明によれば、消去予定通信識別子であると判断され、かつ消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示し、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することができる。これにより、複数の通信識別子が宛先名称に対応付けられてとしても、ユーザは任意の宛先を選択することができ、使い勝手の良い通信方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、前記消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力する出力ステップと、を備えることが好ましい。
【0036】
この発明によれば、保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0037】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力する出力ステップと、を備えることが好ましい。
【0038】
この発明によれば、保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて、旧通信識別子である消去予定通信識別子から現在使用されている新規通信識別子に書き換えることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0039】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認する外部領域確認ステップと、前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0040】
この発明によれば、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0041】
また、本発明の通信識別子管理方法は、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認する外部領域確認ステップと、前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0042】
この発明によれば、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、アドレス帳などにおいてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0045】
図1は、本実施形態の通信端末100の機能を示すブロック図である。この通信端末100は、通信部101、画面表示部102、端末操作部103、通信識別子管理部104(修正手段、決定手段)、保存データ管理部105、通信識別子保存部106(通信識別子記憶手段)、消去予定通信識別子保存部107(消去予定情報記憶手段)、保存データ保存部108(保存データ記憶手段)、通信制御部109、およびメモリ制御部110を含んで構成されている。
【0046】
この通信端末100は、例えば、携帯電話、PC(パソコン)、PDA、サーバ装置などの通信識別子保存機能を有する装置であれば何でも良い。その構成は、例えば図2に記載されているとおりである。
【0047】
図2は、通信端末100のハードウェア構成図である。図1に示される通信端末100は、物理的には、図2に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスク等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1において説明した各機能は、図2に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0048】
通信部101は、外部通信端末である通信端末200とネットワークを介して通信接続する部分である。そのほか、外部記憶媒体、近距離無線通信と接続するための端末と通信することもできる。
【0049】
画面表示部102は、ユーザが視認するための各種情報を表示するための部分である。本実施形態では、電子メールデータ、または通信履歴情報(発着信の履歴情報)などの保存データを表示する。
【0050】
端末操作部103は、ユーザが通信端末100を操作する部分である。例えば、ユーザは端末操作部103を用いて、電子メールを作成し、また、作成した電子メールを送信するための操作を行う。ほか、各種送信操作、設定操作などを行うことができる。
【0051】
通信識別子管理部104は、電子メールに含まれているメールアドレスなどの通信識別子、および通信履歴情報に含まれている発信先の電話番号または発信元の電話番号である通信識別子を管理する部分である。より具体的には通信識別子管理部104は、通信識別子保存部106に対して、ユーザ指示または通信端末200からの通知に従って、アドレス帳として記憶されている通信識別子を修正して、新規通信識別子を新たに記憶させる処理を行う。
【0052】
また、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子保存部107に対して、新規通信識別子に関連付けて消去予定通信識別子を記憶させる処理を行う。ここでは、宛先名称と通信識別子とを対応付けた予め定められた記憶領域を有するレコード単位で記憶処理を行うようにしてもよい。その際に、この通信識別子管理部104は、レコード内の空き領域を管理し、また空き領域が無い場合には、別レコードを通信識別子保存部106または消去予定通信識別子保存部107内に生成し、当該別レコードに追加すべき消去予定通信識別子を記憶させる処理を行う。このレコード単位での管理は、通信識別子保存部106および消去予定通信識別子保存部107を跨いで行われても良い。
【0053】
また、通信識別子管理部104は、保存データ管理部105においてマッチング処理された結果に基づいて消去予定通信識別子が使用されていなかったと判断された場合には、消去予定通信識別子保存部107から当該消去定通信識別子およびそれに関連する情報(すなわち、両方を総称して消去予定情報)を消去する。
【0054】
保存データ管理部105は、電子メールデータおよび通信履歴情報などの保存データを管理する部分である。より具体的には、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されているか否かを検出し、判断する。すなわち、保存データ管理部105は、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている全消去予定通信識別子を通信識別子管理部104から取得して、取得した消去予定通信識別子と保存データとのマッチング処理を行うことにより、保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されているか否かを判断する。
なお、保存データには、上述電子メールデータ、通信履歴情報のほか、アドレス帳または電話帳を修正した履歴を示す修正ログ、電子メールの閲覧回数を示す閲覧ログなど、通信相手に関連した情報が含まれる。
【0055】
また、保存データ管理部105は、端末操作部103から閲覧指示を受け付けると、ユーザにより指定された保存データを読み出す。そして、この保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合には、当該消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子の宛先名称を通信識別子管理部104から取得し、消去予定通信識別子が記述されている部分、例えば電子メールであればfromスフィールドに宛先名称を記述することで表示用保存データを作成して、画面表示部102に出力する。画面表示部102では、この表示用保存データを表示する。
【0056】
なお、消去予定通信識別子を使用していない場合には、保存データ管理部105は、通信識別子管理部104から取得した通信識別子に対応する宛先名称を合成した表示用保存データを作成して、画面表示部102に出力する。また、保存データ管理部105は、閲覧表示を行う際において、消去予定通信識別子の保存日時と、保存データの保存日時とを比較し、保存データの保存日時が古い場合には、その旨を通信識別子管理部104に通知し、通信識別子管理部104は、その旨を受けると、消去予定通信識別子に対応した新規通信識別子を読み出し、それに対応した宛先名称を読み出す。逆に、保存データの保存日時が新しい場合には、その旨を通信識別子管理部104に通知し、通信識別子管理部104は、その旨を受けると、当該保存データに記述されている通信識別子に対応した通信識別子を読み出し、それに対応した宛先名称を読み出す。
【0057】
通信識別子保存部106は、メールアドレスおよび電話番号などの通信識別子と、その宛先名称とを対応付けて記憶する部分であり、主に電話帳、アドレス帳としての情報を記憶する部分である。この通信識別子保存部106は、メールアドレス、電話番号、および宛先名称を一レコード単位として、予め定められた記憶領域において記憶している。すなわち、通信識別子保存部106は、宛先名称ごとに対応付けてメールアドレス、電話番号などが記憶しており、レコード単位に閲覧処理を可能にさせている。
【0058】
例えば、通信識別子保存部106は、図3に示されているアドレス帳を記憶している。図3に示されているように、通信識別であるメールアドレスと宛先名称とが対応付けて記憶されている。なお、ここでは、メールアドレスと宛先名称とを対応付けているが、さらに電話番号や、別のメールアドレス(例えば、PC用のメールアドレス)など複数の通信識別子を対応付けて記憶するようにしても良い。また、宛先名称は必ずしも必須ではなく、通信相手を決定するための情報であれば何でも良い。例えば、記号、符号などでもよいし、その他、通信相手を決定することができる情報であれば良い。
【0059】
消去予定通信識別子保存部107は、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子を記憶する部分であり、通信識別子保存部106に記憶されている通信識別子が修正された場合には、その修正後の新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として記憶する。
【0060】
図4は、通信識別子保存部106のアドレス帳が修正されたときの、通信識別子保存部106に記憶されている修正後のアドレス帳およびその修正された通信識別子に対応付けられている、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子を示す説明図である。
【0061】
図4(a)では、通信識別子保存部106に記憶されている情報であり、“Bさん”の通信識別子がbbb@xxx.co.jp(図3参照)から“ddd@xxx.co.jp”に修正された状態が示されている。また、図4(b)では、旧通信識別子である消去予定通信識別子“bbb@xxx.co.jp”を、新規通信識別子に対応付けて記憶している消去予定情報が示されている。この消去予定情報は消去予定通信識別子保存部107に記憶されている情報であって、さらに宛先名称および新規通信識別子が修正された日時を示す保存日時が対応付けられている。なお、新規通信識別子に代えてレコードナンバーを記憶するようにしても良く、通信識別子保存部106の新規通信識別子と対応付けがなされるような構成であればよい。
【0062】
保存データ保存部108は、送受信された電子メールデータおよび電話通信等の発着信の履歴を示す通信履歴情報などの保存データを記憶する部分である。
【0063】
通信制御部109は、電子メールおよび電話通信などの通信部101を用いた通信制御を行う部分である。例えば電子メール送受信のためのアプリケーション、電話通信のアプリケーションを実行し、そして、電子メールの送受信、電話通信を実行することができる。そのほか、通信履歴情報に基づいた発信制御、電子メールアプリケーションにおける返信制御など行うことができる。
【0064】
メモリ制御部110は、メモリの制御を行う部分であり、本実施形態においては、メモリの容量管理を行う部分である。例えば、プログラムやムービーデータなどのダウンロードなどが行われた場合に、メモリの使用可能容量がどれくらいか、その残容量が所定値以下になったことを判断する。
【0065】
このように構成された通信端末100において、ユーザが保存データ(電子メール、通信履歴情報)を閲覧すると、保存データ管理部105が保存データ保存部108から保存データの読み出し処理を行うとともに、通信識別子管理部104において、保存データ内で使用されている通信識別子が消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子である場合には、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を読み出し、画面表示部102が保存データを表示する際には、新規通信識別子に対応付けられている宛先名称を発信元情報または発信先情報として表示することができる。これにより、保存データを改変することなく、宛先名称を表示することができ、ユーザは誰かのメールか、または誰への電子メールか、または発着信であったかを把握することができる。
【0066】
つぎに、このように構成された通信端末100の処理について説明する。まず、図5を用いてアドレス帳において通信識別子が修正された場合に、その修正された通信識別子を含んでいる保存データを閲覧表示するときの処理について説明する。図5は、そのときの保存データを閲覧表示するときの通信端末100の処理を示すフローチャートである。
【0067】
まず、端末操作部103において保存データの表示指示がユーザにより受け付けられる(S101)。そして、表示対象となった保存データに消去予定通信識別子が含まれるか否かが、保存データ管理部105により判断される(S102)。
【0068】
ここで保存データ管理部105により消去予定通信識別子は保存データの発信元欄または発信先欄(電子メールであれば、toフィールドまたはfromフィールド)に含まれると判断されると、通信識別子管理部104により消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子が通信識別子保存部106から読み出される(S103)。そして画面表示部102において保存データの表示処理に先立って、保存データ管理部105において、保存データの発信元欄または発信先欄における通信識別子は、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子の宛先名称に置き換えられて表示用の保存データが作成され、表示される(S104)。また、S102において、消去予定通信識別子は保存データに含まれていないと判断されると、通常処理として、保存データの発信元欄または発信先欄の通信識別子に対応付けられた宛先名称が通信識別子管理部104により抽出され、これを用いて表示用の保存データが作成され、表示される(S104)。
【0069】
これにより、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子を用いて通信相手を判断することができ、メールアドレス、電話番号などの通信識別子が修正されたとしても名前解決を実現することができる。
【0070】
本実施形態の通信端末100によれば、通信識別子保存部106に記憶されている通信相手の通信識別子を端末操作部103または通信部101を介して修正して、通信識別子管理部104は新規通信識別子を取得しておく。そして、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定通信識別子保存部107に記憶する。そして、ユーザが端末操作部103を用いて保存データを利用する際(例えば、表示処理など)、保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に基づいて通信相手を決定する。すなわち、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子を読み出し、この新規通信識別子に対応する宛先名称を抽出することにより通信相手を決定することができる。
【0071】
これにより、アドレス帳などの通信識別子保存部106においてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【0072】
つぎに、この表示処理における変形例について説明する。保存データの保存日時が、消去予定通信識別子の保存日時(修正日時に相当)より新しい場合には、必ずしも新規通信識別子と関連付けられた宛先名称を表示する必要は無い。これは、全くの他人であり、たまたま消去予定通信識別子が同じであったと考えられるためである。そのときの処理について図6を用いて説明する。図6は、保存データの保存日時と消去予定通信識別子の保存日時との関係に基づいて作成された表示用保存データの閲覧処理のフローチャートである。
【0073】
ユーザ操作に従って端末操作部103から保存データの表示指示が受け付けられる(S201)。そして、保存データは消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S202)。含んでいると判断されると、当該表示指示対象となった保存データの保存日時(通信日時)と、消去予定通信識別子の保存日時(修正日時)とが、保存データ管理部105において比較される(S203)。そして、保存データ管理部105により保存データの保存日時が古いと判断されると(S204)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子が読み出され(S205)、そして、保存データ管理部105により、読み出された新規通信識別子に対応する宛先名称は保存データに合成されて表示用保存データが生成され、そして、画面表示部102により宛先名称を含んだ保存データが表示される(S206)。
【0074】
また、S204において、保存データの保存日時が新しいと判断された場合には(S204;NO)、その保存データの発信元欄または発信先欄に含まれている通信識別子に対応する宛先名称が保存データに合成されて表示用保存データが生成され、画面表示部102により保存データが表示される(S207)。
【0075】
これにより、通信識別子がたまたま同じであった異なる通信相手の保存データがあったとしても適正な相手の名称(宛先名称)を表示させることができる。
【0076】
すなわち、本実施形態によれば、保存データ管理部105が、保存データに消去予定通信識別子が使用されていると判断する場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する。そして、保存データ管理部105が、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古いと判断した場合は、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することができる。これにより、通信識別子が変更された後に、たまたま通信識別子が同じ別の相手が現れたとしても、誤った名前解決を行うことなく、ただしく通信相手を決定することができる。
【0077】
つぎに、通信識別子保存部106に記憶されているアドレス帳を修正したことに伴って行われる他の処理について説明する。図7は、アドレス帳の修正に合わせて消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定情報を修正するときの処理を示すフローチャートである。
【0078】
通信部101を介して通信端末200から当該通信端末200の通信識別子(電話番号またはメールアドレス)の変更の通知および変更後の新規通信識別子を受け付ける(S301)。なお、通信端末200からの通知に基づくことなく、端末操作部103をユーザが操作することにより通信識別子の変更の受付がなされるようにしてもよい。この処理ステップにおいては、アドレス帳におけるメールアドレスまたは電話番号の変更の受付が行われたものであればこれらに限定したものではなくてよい。
【0079】
つぎに、保存データ管理部105により、保存データ内において変更予定の通信識別子の使用状況が判断される(S302)。すなわち、保存データに記述されている通信識別子(電子メールデータまたは通信履歴情報に記述されている発信元アドレス、発信先アドレス、発信元電話番号、発信先電話番号)と、変更予定の通信識別子(すなわち消去予定通信識別子:メールアドレスまたは電話番号)とが一致しているか否かが判断される。
【0080】
そして、通信識別子が一致している保存データが存在する、すなわち保存データ内において消去予定通信識別子が使用されていると判断されると、変更対象となる通信識別子は消去予定通信識別子として判断され(S303)、そして画面表示部102において、変更対象となる通信識別子の消去の可否の旨を示すユーザダイアログ表示がなされる(S304)。このユーザダイアログ表示処理では、消去予定通信識別子をアドレス帳(通信識別子保存部106)から消去するか、否かをユーザに問い合わせるためのメッセージが表示される。
【0081】
そして、ユーザにより消去予定通信識別子を消去しないとの指示が選択されると(S305;消去しない)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子は、変更後の通信識別子である新規通信識別子と関連付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶される(S306)。また、通信識別子管理部104により、通信識別子保存部106では、そこに記憶されているアドレス帳から消去予定通信識別子が消去され、その代わりに新規通信識別子が保存される(S307)。
【0082】
また、S303において使用されていない、またはS305において、消去するとユーザにより選択されると、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子は、変更後の通信識別子である新規通信識別子と関連付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶されることなく、アドレス帳から消去予定通信識別子が消去され、その代わりに新規通信識別子が保存される(S308)。
【0083】
本実施形態における通信端末100において、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、通信識別子保存部106から消去予定通信識別子を消去するとともに、消去された消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて消去予定通信識別子保存部107に記憶する。また、通信識別子管理部104は、消去するとユーザから指示された場合には、通信識別子保存部106から消去予定通信識別子を消去し、新規通信識別子のみ記憶することができる。これにより、ユーザの判断に基づいて名前解決などに利用される消去予定通信識別子を記憶するか、しないかを判断することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0084】
よって、旧通信識別子である消去予定通信識別子と新規通信識別子とを対応付けて記憶することができ、消去予定通信識別子を使用している保存データを閲覧する際には、その対応付けに基づいて新規通信識別子を読み出し可能にし、よってそれに対応付けられている宛先名称を読み出して、保存データに合成することができる。
【0085】
つぎに、アドレス帳をレコード単位(宛先名称ごと)で構成した場合における処理について説明する。図8は、レコード単位でアドレス帳を構成した場合における消去予定識別子を保存するときの処理を示すフローチャートである。
【0086】
上述図7と同様に、通信端末200から、または端末操作部103から変更通知の受付がなされ、保存データ内においては、変更後の通信識別子の使用状況が判断され、そして使用の有無が判断される(S301〜S303)。
【0087】
そして、その変更対象となった通信識別子を含んでいるレコードに空き容量があるか否かが、通信識別子管理部104により判断される(S305a)。ここで、空き容量ありと判断されると、新規通信識別子と関連付けて消去予定通信識別子が、当該レコード内に対応付けて記憶される(S311)。ここでは、消去予定通信識別子が記述されていた欄に新規通信識別子が記述され、そしてレコード内における所定の領域に消去予定通信識別子が記述される。
【0088】
また、通信識別子管理部104により空き容量なしと判断されると、別レコードが保存データ管理部105により生成される(S309)。ここで別レコードとは、例えば、レコードが、宛先名称と通信識別子とを対応付けて構成されたデータ形式を指すものであれば、同じデータ形式を有するレコードを生成し、レコードナンバーのみ異なるようにしたものである。なお、この新たに生成された別レコードと元からあるレコードとは何らかの方法により関連付けが必要である。例えば別レコードにおいてもとからあるレコードのレコードナンバーを記述しておくことや、新規通信識別子を記述しておく方法があり得る。
【0089】
そして、その別レコードに、消去予定通信識別子は新規通信識別子に対応付けて記憶する(S310)。
【0090】
本実施形態によれば、この通信端末100は、宛先名称と通信識別子とを所定サイズの容量を有するレコード単位をもって通信識別子保存部106に記憶する。そして、この通信識別子の修正時において、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子保存部107に消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位における処理を行うことができるとともに、レコード単位における処理の不都合、すなわちレコード内における空き領域が無い場合の問題を解決することができる。よって、実装上効率的に設計を行うことができる。
【0091】
つぎに、レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法について説明する。図9は、レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法を示すフローチャートである。
【0092】
上述図7と同様に、通信端末200から、または端末操作部103から変更通知の受付がなされ、保存データ内においては、変更後の通信識別子の使用状況が判断され、そして使用の有無が判断される(S301〜S303)。
【0093】
そして、保存データ管理部105により、保存データ内において消去予定通信識別子が使用されていると判断されると、通信識別子管理部104により、まず変更対象となる通信識別子を含んだレコードが通信識別子保存部106から読み出され、そのレコードがコピーされ、コピーレコードが取得される(S312)。そして、通信識別子管理部104により、コピーレコード内において消去予定通信識別子が追加されることで、新規通信識別子と対応付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶される(S313)。
【0094】
これにより、レコード単位での処理を可能とし、携帯電話などにおける実装を容易なものにすることができる。
【0095】
すなわち、本実施形態によれば、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて消去予定通信識別子保存部107に記憶する際に、一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得し、コピーレコードまたは一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、一のレコードとコピーレコードとを対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位の処理を可能にするとともに、その設計を簡易なものにすることができる。
【0096】
つぎに、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理について説明する。図10は、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理を示すフローチャートである。保存データ管理部105により、保存データ保存部108に記憶されている保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、定期的(所定時間ごとに)に確認される(S401)。すなわち、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かを判断することで使用状況が確認される。
【0097】
そして、保存データ管理部105により、保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断される場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報(図4(b)に示されている一レコード分)が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0098】
本実施形態によれば、保存データ管理部105は、保存データ保存部108の保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認し、保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子を消去予定通信識別子保存部107から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0099】
つぎに、図10における変形例としての、消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理について説明する。図11は、保存データの修正時(保存データの削除など)に、消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理を示すフローチャートである。保存データ管理部105により、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、保存データの修正時に確認される(S401a)。すなわち、保存データが削除、編集されたなど、保存データが修正されたときに、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かが判断されることで使用状況が確認される。
【0100】
そして、保存データ管理部105により保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断された場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報(図4(b)に示されている一レコード分)が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0101】
本実施形態によれば、保存データ管理部105が、保存データ保存部108に記憶されている保存データの修正時(例えば削除時)に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存部106から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0102】
つぎに、消去予定通信識別子を記憶するためのメモリの空き容量が所定値以下になった場合の消去予定通信識別子を消去するときの処理について説明する。
【0103】
つぎに、図10または図11における変形例としての、メモリの空き容量が少なくなったときに消去予定通信識別子を消去するときの処理について説明する。図12は、あるイベントが発生したときに、メモリの空き容量が少なくなったことを判断して、消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【0104】
あるイベントが発生し、消去予定通信識別子保存部107のメモリ容量が所定値以下になったか否かが、メモリ制御部110により判断される(S401b)。例えば、修正プログラムのダウンロード、ムービーデータの自動配信などにより、ユーザの意識とは別に自動的にデータ・プログラムがメモリにダウンロードされる場合がある。その場合に、メモリ(すなわち消去予定通信識別子保存部107のエリアを構成するもの)の空き容量が所定値以下になったか否かが判断される(S401b)。
【0105】
そして、メモリ制御部110により空き容量が所定値以下であると判断されると(S401b;YES)、保存データ管理部105により、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、確認される(S401c)。すなわち、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かを判断することで使用状況が確認される。
【0106】
そして、保存データ管理部105により保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断された場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0107】
本実施形態によれば、消去予定通信識別子保存部107の空き容量、すなわちメモリとしての空き容量が不足した場合、保存データ管理部105は保存データ保存部108に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子およびこれに関連する情報(消去予定情報)を消去予定通信識別子保存部107から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0108】
このように図10〜図12に示される実施形態によると、保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されなくなると、消去予定通信識別子を記憶しておく意味がなくなるため、これを消去することができる。よってメモリの使用効率を向上させることができる。
【0109】
つぎに、画面表示部102に保存データを表示して返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの通信端末100の処理について説明する。図13は、返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの処理を示すフローチャートである。
【0110】
端末操作部103に対するユーザ操作に基づいて画面表示部102に保存データが表示される(S501)。そして、端末操作部103を用いてユーザにより返信操作が受け付けられる(S502)。返信操作が受け付けられると、通信制御部109により、返信処理のための宛先抽出処理が行われる。まず、表示されている表示用保存データの発信元名称が消去予定通信識別子に対応付けられているか否かが、消去予定通信識別子保存部107を参照することで通信識別子管理部104により判断される。すなわち、発信元名称と一致する宛先名称を抽出し、さらにその宛先名称に対応付けられている通信識別子として、消去予定通信識別子であるか否かが判断される(S503)。
【0111】
そして、保存データ管理部105により、消去予定通信識別子であったと判断された場合には、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107および通信識別子保存部106にそれぞれ記憶されている情報に基づいて新規通信識別子が抽出され、通信制御部109により、抽出された新規通信識別子が宛先として設定される(S504)。そして、その設定された新規通信識別子を用いた宛先に返信処理が行われる(S505)。
【0112】
また、S503において、返信先の宛先名称が消去予定通信識別子に対応したものではないと判断されると、通常の返信処理として、その宛先名称に対応する通信識別子が宛先に設定され返信処理が行われる(S506)。
【0113】
これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子宛に返信処理を行うことなく、適切な宛先に返信処理を行うことができる。
【0114】
すなわち、本実施形態によれば、保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、保存データ管理部105は、保存データに記述されている通信識別子が消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断し、消去予定通信識別子であると判断された場合、通信制御部109は、通信識別子管理部104により消去予定通信識別子保存部107を参照して取得された記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して、通信部101を用いて通信処理を実行することができる。これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子が記述されている保存データを利用して、返信処理などの通信処理を行った場合にも適切な通信相手に送信することができる。
【0115】
つぎに、上述図13に示された返信処理についての変形例について説明する。図14は、返信先として抽出される通信識別子が通信識別子保存部106において複数対応付けられている場合に、任意の通信識別子宛に返信を行うときの処理を示すフローチャートである。
【0116】
図13と同様に、保存データを表示し、返信操作がなされるとその返信先である宛先名称は消去予定通信識別子に対応付けられたものであるかが判断される(S501〜S503)。そして、ここで宛先名称は消去予定通信識別子であると判断されると、消去予定通信識別子保存部107および通信識別子保存部106において、消去予定通信識別子に複数の通信識別子が対応付けられているか否かが、通信識別子管理部104により判断される(S507)。
【0117】
そして、複数の通信識別子が対応付けられていると判断されると(S507;YES)、対応する複数の通信識別子が画面表示部102に表示され(S508)、ユーザにより任意の通信識別子が選択されると(S509)、選択された通信識別子が宛先に設定され、通信処理が実行される(S510)。
【0118】
また、S507において、複数の通信識別子が対応付けられていないと判断されると(S507;NO)、対応付けられている一の通信識別子が設定され、そして送信処理が実行される(S504、S505)。また、S503において、返信先である宛先名称が消去予定通信識別子に対応付けられたものではない場合には、宛先名称に対応付けされている通信識別子をそのまま宛先に設定し、通信処理が実行される(S506)。
【0119】
このように複数の通信識別子が設定されている場合、例えば、一つのレコードに、複数の通信識別子が設定されている場合があり、複数の電話番号(携帯電話または固定電話の電話番号)や、複数のメールアドレス(携帯電話のメールアドレス、PCメールアドレス、フリーメールアドレスなど)が設定されている場合がある。この場合に、どの通信識別子に設定してよいかをユーザが選択することができる。
【0120】
すなわち、本実施形態によれば、通信識別子管理部104が、保存データ内の通信識別子が消去予定通信識別子であると判断し、かつ消去予定通信識別子保存部107において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が、通信識別子保存部106において対応付けられて記憶されていたと判断した場合、画面表示部102は、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示し、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することができる。これにより、複数の通信識別子が宛先名称に対応付けられてとしても、ユーザは任意の宛先を選択することができ、使い勝手の良い通信方法を提供することができる。
【0121】
つぎに、保存データの転送処理を行ったときに、その転送先に適切な通信識別子を通知することができる処理について説明する。
【0122】
図15は、転送対象となる保存データに消去予定通信識別子が含まれている場合には、当該保存データとともに、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を転送するときの処理を示すフローチャートである。図15に示されているように、端末操作部103を介してユーザから保存データの転送の指示が受け付けられると(S601)、保存データ管理部105により当該保存データが消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S602)。ここで、含んでいると判断されると、通信識別子管理部104により、その消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子が通信識別子保存部106から抽出され、通信制御部109により、抽出された新規通信識別子がその保存データに付加されて、転送される(S603)。ここで転送先としては、サーバ、外部端末、外部記憶媒体、または同一端末内における別ドメイン環境(異なるOSの環境下のもの)があり得る。また、サーバに転送する際にはセルラー通信でアップロード処理により転送処理は実現され、また外部端末であれば近距離無線通信に実現され、外部記録媒体においては、近距離無線通信他に、USBなどの有線を用いて接続したり、特別なインタフェースを介して接続することが考えられる。
【0123】
また、S602において、消去予定通信識別子を含んでいないと判断されると、保存データのみが転送される(S604)。
【0124】
これにより転送先では新規通信識別子を取得することができるため、本実施形態の通信端末100のように宛先名称の名前解決などに利用することができる。
【0125】
すなわち、本実施形態において、端末操作部103において保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、保存データ管理部105が、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていると判断した場合には、通信制御部109は、消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合、またはデータの同期をとるために同一端末内における別ドメイン環境に保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0126】
つぎに、図15における消去予定通信識別子を含んだ保存データを転送するときの変形例について説明する。図16は、変形例における消去予定通信識別子を含んだ保存データを転送するときの処理を示すフローチャートである。
【0127】
端末操作部103を介してユーザから保存データの転送の指示が受け付けられると(S601)、保存データ管理部105により当該保存データが消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S602)。ここで、含んでいると判断されると、通信識別子管理部104により、その消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子が通信識別子保存部106から抽出され、通信制御部109により、その保存データに記述されている消去予定通信識別子が新規通信識別子に書き換えられて、転送される(S605)。
【0128】
また、S602において消去予定消去予定通信識別子を含んでいないと判断されると、改変処理がされることなく保存データのみが転送される(S604)。
【0129】
これにより、転送先において現在使用されている通信識別子を含んだ保存データを得ることができる。
【0130】
すなわち、本実施形態において、端末操作部103において保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、保存データ管理部105が、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていると判断した場合には、通信制御部109は、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0131】
つぎに、上述の通り保存データを転送した際において、その保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況に基づいた消去処理について説明する。図17は、定期的にサーバ等の転送先の使用状態を確認し、その使用状況に応じて消去処理を行うときの処理を示すフローチャートである。なお、ここではサーバを転送先とした場合の処理を示しているが、図15に示されているようにサーバのほか、外部端末、外部記憶媒体、同一端末内における別ドメイン環境に転送された場合にも同様の処理を適用可能である。
【0132】
通信端末において、定期的に通信部101などを介してサーバ、または外部通信端末に記憶される保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況が確認される(S701)。そして、保存データに消去予定通信識別子が含まれていないと判断された場合には(S702)、当該消去予定通信識別子およびそれに関連する情報に対する消去指示が行われる(S703)。保存データに消去予定通信識別子が含まれている場合には、そのサーバ等に対して特に処理はされることない(S704)。
【0133】
本実施形態によれば、保存データ管理部105は、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、通信制御部109からの指示コマンドに基づいて、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0134】
また、上述処理における変形例について説明する。図18は、修正時に使用状況を確認するときの処理を示すフローチャートである。なお、ここではサーバを転送先とした場合の処理を示しているが、図15に示されているようにサーバのほか、外部端末、外部記憶媒体、同一端末内における別ドメイン環境に転送された場合にも同様の処理を適用可能である。
【0135】
通信端末100において、端末操作部103をユーザが操作することにより保存データの修正(例えば削除など)が行われると、通信部101などを介してサーバ、または外部通信端末が記憶する保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が確認される(S701a)。例えば、本実施形態では、通信端末の保存データをサーバなどの外部記憶領域にコピーしておくことで、保存データのバックアップ処理を可能にしている。ここでは保存データの修正が行われると、同期処理をもってサーバにおいても保存データの修正が反映されることになる。ここでの処理では、反映された保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況が確認される。
【0136】
そして、サーバ、外部端末などにおいて保存データに消去予定通信識別子が含まれていないと判断された場合には(S702)、消去予定通信識別子およびそれに関連する情報に対して消去指示が行われる(S703)。消去予定通信識別子が含まれている場合には、そのサーバ等に対して特に処理はされることない(S704)。
【0137】
このように、サーバ、外部端末、外部記憶媒体、または端末内における別ドメイン環境に記憶される保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況を判断し、その判断結果に基づいて消去予定通信識別子およびそれに関連する情報(新規通信識別子との対応関係を取るための情報など)を消去することができ、メモリの使用効率を向上させることができる。
【0138】
本実施形態によれば、通信識別子管理部104が、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、通信制御部109は、消去コマンドを生成し、当該消去コマンドに基づいて、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0139】
本実施形態の通信端末100は、保存データである、電子メールデータまたは通信履歴情報に対して、変更された通信識別子(消去予定通信識別子)を書き換えることなく、実際に通信されたメールアドレスまたは電話番号に基づいたものとしている。このように保存データを改変させないようにしているため、例えば保存データを用いたブラックリストのマッチング処理を行うことができる。そのときの処理を図19に示す。
【0140】
図19は、ブラックリストのマッチング処理を通信端末100から送信された保存データに基づいて実行するサーバの処理を示すフローチャートである。ここでは通信端末100は携帯電話であって、ユーザは企業から貸与された携帯電話を使用している。
【0141】
前提として、ユーザにより端末操作がなされ、電子メールデータまたは通信履歴情報が保存データとして保存される。そして、通信識別子の変更に伴って旧通信識別子である消去予定通信識別子は新規通信識別子に関連付けて保存される。以上の処理は上述の図7の通りである。
【0142】
そして、通信端末100においては、定期的に、通信部101を用いて、保存データが送信される(S801)。サーバでは、所定のサーバから取得した、または予め保持している宛先情報のブラックリストに基づいて、保存データの通信宛先(発信元または送信先)とブラックリストとのマッチング処理が行われ(S802)、そのマッチング結果が生成される(S803)。
【0143】
このような処理が行われることで、ブラックリストに登録されている宛先と通信をしたことを、企業側では把握することができる。すなわち、保存データに記述されている通信相手を何らかの方法で改変すると、企業内に配置されているサーバが保存しているブラックリストとのマッチング処理を行っても、適正なマッチング結果を得ることができない場合があり得る。例えば、企業内サーバにおけるブラックリストが古い情報に基づいた場合がそうである。
【0144】
本実施形態においては、通信端末100におけるアドレス帳などの通信識別子が修正されたとしても、保存データ内の通信識別子を改変することなく保存しているため、上述の通りブラックリストを用いたマッチング処理を行うことにより、適正なマッチング結果を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本実施形態の通信端末100の機能を示すブロック図である。
【図2】通信端末100のハードウェア構成図である。
【図3】通信識別子保存部106に記憶されているアドレス帳を示す説明図である。
【図4】消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子を示す説明図である。
【図5】修正された通信識別子を含んでいる保存データを閲覧表示するときの処理を示すフローチャートである。
【図6】保存データの保存日時と消去予定通信識別子の保存日時との関係に基づいて作成された表示用保存データの閲覧処理のフローチャートである。
【図7】アドレス帳の修正に合わせて消去予定情報を修正するときの処理を示すフローチャートである。
【図8】レコード単位でアドレス帳を構成した場合における消去予定識別子を保存するときの処理を示すフローチャートである。
【図9】レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法を示すフローチャートである。
【図10】保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて当該消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図11】保存データの修正時に、消去予定通信識別子の使用状況に応じて当該消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図12】あるイベントが発生したときに、メモリの空き容量が少なくなったことを判断して、消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図13】返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの処理を示すフローチャートである。
【図14】返信先として抽出される通信識別子が複数対応付けられている場合に、任意の通信識別子宛に返信を行うときの処理を示すフローチャートである。
【図15】保存データとともに、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を転送するときの処理を示すフローチャートである。
【図16】保存データの通信識別子を新規通信識別子に書き換えて転送するときの処理を示すフローチャートである。
【図17】定期的にサーバ等の転送先の使用状態を確認し、その使用状況に応じて消去処理を行うときの処理を示すフローチャートである。
【図18】修正時に使用状況を確認するときの処理を示すフローチャートである。
【図19】ブラックリストのマッチング処理を通信端末100から送信された保存データに基づいて実行するサーバの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
20…通信端末、100…通信端末、101…通信部、102…画面表示部、103…端末操作部、104…通信識別子管理部、105…保存データ管理部、106…通信識別子保存部、107…消去予定通信識別子保存部、108…保存データ保存部、109…通信制御部、110…メモリ制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末内に通信識別子を管理する通信識別子管理方法、通信識別子管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信時の利便性確保のため、携帯電話などの通信端末は電話帳に代表されるような通信識別子保存手段を備えており、様々な工夫がなされている。例えば、利便性を向上させるため、通信端末内の電話帳データを共有サーバにも保存し、データの更新を検知して自動的に共有サーバへ差分送信する方式が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
また、携帯電話内の電話帳データを更新する際に、SIM(Subscriber Identity Module)カードと呼ばれる別領域にも同時に保存する方式が知られている(下記特許文献2参照)。
【0004】
一方で、昨今、迷惑メール対策の一つとして頻繁にメールアドレスを変更するユーザが少なからず存在し、メールアドレス変更時に他のユーザに変更通知を送信するサービスも開始されている。通常、メールアドレスの変更通知を受信したユーザは手動で該当する電話帳のメールアドレスを修正する。その過程で古いメールアドレスは削除され、新しいメールアドレスが保存される。
【0005】
また、操作ログや通信のログを利用するシステムにおいては、通信相手つまり通信識別子ごとのログの積算や名前解決が一般的に行われる。一例として、通信相手のメールアドレスごとにメールの送受信件数を積算したり、通信相手のメールアドレスから氏名を表示したりするアプリケーションが挙げられる。
【0006】
しかし、前述のとおり通信相手のメールアドレス自体が変更される場合が多々あり、その場合は積算値がリセットされてしまったり、名前解決が不可能となったりといった問題が発生する。例えば、一般的に、アドレス帳等においては、メールアドレスまたは電話番号と、その宛先名称とを対応付けて記憶しており、通信履歴が表示される際には、通信した電子メールの発信元アドレスまたは送信元アドレスに代えて、アドレス帳に登録されている宛先名称が表示されるが、上述の通り、アドレス帳からメールアドレスが削除されると、その対応付けが取れなくなるために、宛先名称等が表示されなくなり、名前解決を行うことができない。
【0007】
これを解決するために、特許文献3に記載されている技術が考えられている。この特許文献3に記載されている技術は、アドレス帳に記載されているメールアドレスを修正した場合に、過去に通信した電子メールに記述されている発信元アドレス、発信先アドレスもそのアドレス帳に合わせて修正することが記載されている。これにより、アドレス帳においてメールアドレスが修正されたとしても、過去において通信された電子メールが誰からのものか、または誰に送信したものであるか、ユーザは把握することができる。
【特許文献1】特許第3918023号公報
【特許文献2】特開2006−197604号公報
【特許文献3】特開2008−252370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述特許文献3に記載されている技術においては、過去において実際に通信された電子メールや、電話の発着信などの通信履歴を改変することになるため、通信ログを保存するという観点では望ましくない。通信ログは、実際に通信された情報そのものを記憶しておくことが重要であり、その事実が必要である。よって、通信ログとして電子メールデータそのものや、通信履歴情報を記憶することを前提とした場合、特許文献3の技術は現実にそぐわない技術である。
【0009】
また、通信ログの積算処理などを管理するために、変更されにくい通信識別子を用いる方法が考えられるが、端末内の電話帳には必ずしも変更されにくい通信識別子が保存されているとは限らない。また、通信相手がインターネット上のメールアドレスのように、変更されやすい通信識別子しか持ち得ない場合も多々あり、対応が不可能である。
【0010】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、実際に通信された電子メール、通信履歴などの通信履歴情報を何ら改変することなく、アドレス帳のメールアドレス等を修正しても、名前解決を行うなうことができる通信識別子管理方法および通信識別子管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の通信識別子管理方法は、通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信装置の通信識別子管理方法において、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正ステップと、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正ステップにおいて修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する通信識別子記憶ステップと、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、当該消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定ステップと、を備えている。
【0012】
また、本発明の通信識別子管理装置は、通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信識別子管理装置において、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正手段と、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正手段において修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する消去予定情報記憶手段と、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、前記消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定手段と、を備えている。
【0013】
この発明によれば、通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得しておき、保存データにおいて、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する。そして、保存データを利用する際、保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、消去予定情報に基づいて通信相手を決定する。
【0014】
これにより、アドレス帳などの通信識別子記憶手段においてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【0015】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データ内で消去予定通信識別子が使用されていた場合、当該消去予定通信識別子を消去するか否かをユーザに問い合わせる問合せステップをさらに備え、前記通信識別子記憶ステップは、前記問合せステップにおいて、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を記憶することなく消去し、新規通信識別子のみ記憶することが好ましい。
【0016】
この発明によれば、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を消去し、新規通信識別子のみ記憶することができる。これにより、ユーザの判断に基づいて名前解決などに利用される消去予定通信識別子を記憶するか、しないかを判断することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0017】
本発明の通信識別子管理方法は、前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一レコードとして記憶するとともに、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することが好ましい。
【0018】
この発明によれば、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位における処理を行うことができるとともに、レコード単位における処理の不都合、すなわちレコード内における空き領域が無い場合の問題を解決することができる。よって、実装上効率的に設計を行うことができる。
【0019】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一のレコードとして予め定められた保存領域内に記憶しておき、前記通信識別子記憶ステップにおいて、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、前記一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得するコピーステップとを備え、前記通信識別子記憶ステップは、前記コピーレコードまたは前記一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、前記一のレコードと前記コピーレコードとを対応付けて保存することが好ましい。
【0020】
この発明によれば、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得し、コピーレコードまたは一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、一のレコードとコピーレコードとを対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位の処理を可能にするとともに、その設計を簡易なものにすることができる。
【0021】
また、本発明の通信識別子管理方法は、新規通信識別子を記憶した日時を記憶する日付情報記憶ステップをさらに備えることが好ましい。
【0022】
この発明によれば、さらに新規通信識別子に対応付けてその記憶日時を記憶することができる。よって、この日時を利用した処理を可能にすることができる。
【0023】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、前記通信履歴記憶手段の保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、をさらに備えることが好ましい。
【0024】
この発明によれば、保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認し、保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0026】
この発明によれば、保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0027】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、前記確認ステップにおいて、前記保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0028】
この発明によれば、消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0029】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する比較ステップをさらに備え、前記決定ステップは、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することが好ましい。
【0030】
この発明によれば、保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することができる。これにより、通信識別子が変更された後に、たまたま通信識別子が同じ別の相手が現れたとしても、誤った名前解決を行うことなく、ただしく通信相手を決定することができる。
【0031】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、前記保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断された場合、前記消去予定情報記憶手段を参照して、前記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行する通信ステップと、を備えることが好ましい。
【0032】
この発明によれば、保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断し、消去予定通信識別子であると判断された場合、消去予定情報記憶手段を参照して記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行することができる。これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子が記述されている保存データを利用して、返信処理などの通信処理を行った場合にも適切な通信相手に送信することができる。
【0033】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断され、かつ前記消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示する提示ステップと、を備え、前記通信ステップは、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することが好ましい。
【0034】
この発明によれば、消去予定通信識別子であると判断され、かつ消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示し、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することができる。これにより、複数の通信識別子が宛先名称に対応付けられてとしても、ユーザは任意の宛先を選択することができ、使い勝手の良い通信方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、前記消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力する出力ステップと、を備えることが好ましい。
【0036】
この発明によれば、保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0037】
また、本発明の通信識別子管理方法は、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力する出力ステップと、を備えることが好ましい。
【0038】
この発明によれば、保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて、旧通信識別子である消去予定通信識別子から現在使用されている新規通信識別子に書き換えることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0039】
また、本発明の通信識別子管理方法は、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認する外部領域確認ステップと、前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0040】
この発明によれば、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0041】
また、本発明の通信識別子管理方法は、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認する外部領域確認ステップと、前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、を備えることが好ましい。
【0042】
この発明によれば、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、アドレス帳などにおいてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0045】
図1は、本実施形態の通信端末100の機能を示すブロック図である。この通信端末100は、通信部101、画面表示部102、端末操作部103、通信識別子管理部104(修正手段、決定手段)、保存データ管理部105、通信識別子保存部106(通信識別子記憶手段)、消去予定通信識別子保存部107(消去予定情報記憶手段)、保存データ保存部108(保存データ記憶手段)、通信制御部109、およびメモリ制御部110を含んで構成されている。
【0046】
この通信端末100は、例えば、携帯電話、PC(パソコン)、PDA、サーバ装置などの通信識別子保存機能を有する装置であれば何でも良い。その構成は、例えば図2に記載されているとおりである。
【0047】
図2は、通信端末100のハードウェア構成図である。図1に示される通信端末100は、物理的には、図2に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスク等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1において説明した各機能は、図2に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0048】
通信部101は、外部通信端末である通信端末200とネットワークを介して通信接続する部分である。そのほか、外部記憶媒体、近距離無線通信と接続するための端末と通信することもできる。
【0049】
画面表示部102は、ユーザが視認するための各種情報を表示するための部分である。本実施形態では、電子メールデータ、または通信履歴情報(発着信の履歴情報)などの保存データを表示する。
【0050】
端末操作部103は、ユーザが通信端末100を操作する部分である。例えば、ユーザは端末操作部103を用いて、電子メールを作成し、また、作成した電子メールを送信するための操作を行う。ほか、各種送信操作、設定操作などを行うことができる。
【0051】
通信識別子管理部104は、電子メールに含まれているメールアドレスなどの通信識別子、および通信履歴情報に含まれている発信先の電話番号または発信元の電話番号である通信識別子を管理する部分である。より具体的には通信識別子管理部104は、通信識別子保存部106に対して、ユーザ指示または通信端末200からの通知に従って、アドレス帳として記憶されている通信識別子を修正して、新規通信識別子を新たに記憶させる処理を行う。
【0052】
また、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子保存部107に対して、新規通信識別子に関連付けて消去予定通信識別子を記憶させる処理を行う。ここでは、宛先名称と通信識別子とを対応付けた予め定められた記憶領域を有するレコード単位で記憶処理を行うようにしてもよい。その際に、この通信識別子管理部104は、レコード内の空き領域を管理し、また空き領域が無い場合には、別レコードを通信識別子保存部106または消去予定通信識別子保存部107内に生成し、当該別レコードに追加すべき消去予定通信識別子を記憶させる処理を行う。このレコード単位での管理は、通信識別子保存部106および消去予定通信識別子保存部107を跨いで行われても良い。
【0053】
また、通信識別子管理部104は、保存データ管理部105においてマッチング処理された結果に基づいて消去予定通信識別子が使用されていなかったと判断された場合には、消去予定通信識別子保存部107から当該消去定通信識別子およびそれに関連する情報(すなわち、両方を総称して消去予定情報)を消去する。
【0054】
保存データ管理部105は、電子メールデータおよび通信履歴情報などの保存データを管理する部分である。より具体的には、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されているか否かを検出し、判断する。すなわち、保存データ管理部105は、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている全消去予定通信識別子を通信識別子管理部104から取得して、取得した消去予定通信識別子と保存データとのマッチング処理を行うことにより、保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されているか否かを判断する。
なお、保存データには、上述電子メールデータ、通信履歴情報のほか、アドレス帳または電話帳を修正した履歴を示す修正ログ、電子メールの閲覧回数を示す閲覧ログなど、通信相手に関連した情報が含まれる。
【0055】
また、保存データ管理部105は、端末操作部103から閲覧指示を受け付けると、ユーザにより指定された保存データを読み出す。そして、この保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合には、当該消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子の宛先名称を通信識別子管理部104から取得し、消去予定通信識別子が記述されている部分、例えば電子メールであればfromスフィールドに宛先名称を記述することで表示用保存データを作成して、画面表示部102に出力する。画面表示部102では、この表示用保存データを表示する。
【0056】
なお、消去予定通信識別子を使用していない場合には、保存データ管理部105は、通信識別子管理部104から取得した通信識別子に対応する宛先名称を合成した表示用保存データを作成して、画面表示部102に出力する。また、保存データ管理部105は、閲覧表示を行う際において、消去予定通信識別子の保存日時と、保存データの保存日時とを比較し、保存データの保存日時が古い場合には、その旨を通信識別子管理部104に通知し、通信識別子管理部104は、その旨を受けると、消去予定通信識別子に対応した新規通信識別子を読み出し、それに対応した宛先名称を読み出す。逆に、保存データの保存日時が新しい場合には、その旨を通信識別子管理部104に通知し、通信識別子管理部104は、その旨を受けると、当該保存データに記述されている通信識別子に対応した通信識別子を読み出し、それに対応した宛先名称を読み出す。
【0057】
通信識別子保存部106は、メールアドレスおよび電話番号などの通信識別子と、その宛先名称とを対応付けて記憶する部分であり、主に電話帳、アドレス帳としての情報を記憶する部分である。この通信識別子保存部106は、メールアドレス、電話番号、および宛先名称を一レコード単位として、予め定められた記憶領域において記憶している。すなわち、通信識別子保存部106は、宛先名称ごとに対応付けてメールアドレス、電話番号などが記憶しており、レコード単位に閲覧処理を可能にさせている。
【0058】
例えば、通信識別子保存部106は、図3に示されているアドレス帳を記憶している。図3に示されているように、通信識別であるメールアドレスと宛先名称とが対応付けて記憶されている。なお、ここでは、メールアドレスと宛先名称とを対応付けているが、さらに電話番号や、別のメールアドレス(例えば、PC用のメールアドレス)など複数の通信識別子を対応付けて記憶するようにしても良い。また、宛先名称は必ずしも必須ではなく、通信相手を決定するための情報であれば何でも良い。例えば、記号、符号などでもよいし、その他、通信相手を決定することができる情報であれば良い。
【0059】
消去予定通信識別子保存部107は、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子を記憶する部分であり、通信識別子保存部106に記憶されている通信識別子が修正された場合には、その修正後の新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として記憶する。
【0060】
図4は、通信識別子保存部106のアドレス帳が修正されたときの、通信識別子保存部106に記憶されている修正後のアドレス帳およびその修正された通信識別子に対応付けられている、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子を示す説明図である。
【0061】
図4(a)では、通信識別子保存部106に記憶されている情報であり、“Bさん”の通信識別子がbbb@xxx.co.jp(図3参照)から“ddd@xxx.co.jp”に修正された状態が示されている。また、図4(b)では、旧通信識別子である消去予定通信識別子“bbb@xxx.co.jp”を、新規通信識別子に対応付けて記憶している消去予定情報が示されている。この消去予定情報は消去予定通信識別子保存部107に記憶されている情報であって、さらに宛先名称および新規通信識別子が修正された日時を示す保存日時が対応付けられている。なお、新規通信識別子に代えてレコードナンバーを記憶するようにしても良く、通信識別子保存部106の新規通信識別子と対応付けがなされるような構成であればよい。
【0062】
保存データ保存部108は、送受信された電子メールデータおよび電話通信等の発着信の履歴を示す通信履歴情報などの保存データを記憶する部分である。
【0063】
通信制御部109は、電子メールおよび電話通信などの通信部101を用いた通信制御を行う部分である。例えば電子メール送受信のためのアプリケーション、電話通信のアプリケーションを実行し、そして、電子メールの送受信、電話通信を実行することができる。そのほか、通信履歴情報に基づいた発信制御、電子メールアプリケーションにおける返信制御など行うことができる。
【0064】
メモリ制御部110は、メモリの制御を行う部分であり、本実施形態においては、メモリの容量管理を行う部分である。例えば、プログラムやムービーデータなどのダウンロードなどが行われた場合に、メモリの使用可能容量がどれくらいか、その残容量が所定値以下になったことを判断する。
【0065】
このように構成された通信端末100において、ユーザが保存データ(電子メール、通信履歴情報)を閲覧すると、保存データ管理部105が保存データ保存部108から保存データの読み出し処理を行うとともに、通信識別子管理部104において、保存データ内で使用されている通信識別子が消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子である場合には、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を読み出し、画面表示部102が保存データを表示する際には、新規通信識別子に対応付けられている宛先名称を発信元情報または発信先情報として表示することができる。これにより、保存データを改変することなく、宛先名称を表示することができ、ユーザは誰かのメールか、または誰への電子メールか、または発着信であったかを把握することができる。
【0066】
つぎに、このように構成された通信端末100の処理について説明する。まず、図5を用いてアドレス帳において通信識別子が修正された場合に、その修正された通信識別子を含んでいる保存データを閲覧表示するときの処理について説明する。図5は、そのときの保存データを閲覧表示するときの通信端末100の処理を示すフローチャートである。
【0067】
まず、端末操作部103において保存データの表示指示がユーザにより受け付けられる(S101)。そして、表示対象となった保存データに消去予定通信識別子が含まれるか否かが、保存データ管理部105により判断される(S102)。
【0068】
ここで保存データ管理部105により消去予定通信識別子は保存データの発信元欄または発信先欄(電子メールであれば、toフィールドまたはfromフィールド)に含まれると判断されると、通信識別子管理部104により消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子が通信識別子保存部106から読み出される(S103)。そして画面表示部102において保存データの表示処理に先立って、保存データ管理部105において、保存データの発信元欄または発信先欄における通信識別子は、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子の宛先名称に置き換えられて表示用の保存データが作成され、表示される(S104)。また、S102において、消去予定通信識別子は保存データに含まれていないと判断されると、通常処理として、保存データの発信元欄または発信先欄の通信識別子に対応付けられた宛先名称が通信識別子管理部104により抽出され、これを用いて表示用の保存データが作成され、表示される(S104)。
【0069】
これにより、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子を用いて通信相手を判断することができ、メールアドレス、電話番号などの通信識別子が修正されたとしても名前解決を実現することができる。
【0070】
本実施形態の通信端末100によれば、通信識別子保存部106に記憶されている通信相手の通信識別子を端末操作部103または通信部101を介して修正して、通信識別子管理部104は新規通信識別子を取得しておく。そして、保存データ管理部105は、保存データ保存部108に記憶されている保存データにおいて、修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定通信識別子保存部107に記憶する。そして、ユーザが端末操作部103を用いて保存データを利用する際(例えば、表示処理など)、保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に基づいて通信相手を決定する。すなわち、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子を読み出し、この新規通信識別子に対応する宛先名称を抽出することにより通信相手を決定することができる。
【0071】
これにより、アドレス帳などの通信識別子保存部106においてメールアドレス、電話番号が変更された場合であっても、保存データを改変することなく、保存データを表示など利用する際において、その通信相手を的確に判別することができ、いわゆる名前解決を的確に行うことができる。よって、保存データをそのまま保持しておくことができ、名前解決を行うとともに、保存データを通信ログとして利用可能とする。
【0072】
つぎに、この表示処理における変形例について説明する。保存データの保存日時が、消去予定通信識別子の保存日時(修正日時に相当)より新しい場合には、必ずしも新規通信識別子と関連付けられた宛先名称を表示する必要は無い。これは、全くの他人であり、たまたま消去予定通信識別子が同じであったと考えられるためである。そのときの処理について図6を用いて説明する。図6は、保存データの保存日時と消去予定通信識別子の保存日時との関係に基づいて作成された表示用保存データの閲覧処理のフローチャートである。
【0073】
ユーザ操作に従って端末操作部103から保存データの表示指示が受け付けられる(S201)。そして、保存データは消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S202)。含んでいると判断されると、当該表示指示対象となった保存データの保存日時(通信日時)と、消去予定通信識別子の保存日時(修正日時)とが、保存データ管理部105において比較される(S203)。そして、保存データ管理部105により保存データの保存日時が古いと判断されると(S204)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子に対応する新規通信識別子が読み出され(S205)、そして、保存データ管理部105により、読み出された新規通信識別子に対応する宛先名称は保存データに合成されて表示用保存データが生成され、そして、画面表示部102により宛先名称を含んだ保存データが表示される(S206)。
【0074】
また、S204において、保存データの保存日時が新しいと判断された場合には(S204;NO)、その保存データの発信元欄または発信先欄に含まれている通信識別子に対応する宛先名称が保存データに合成されて表示用保存データが生成され、画面表示部102により保存データが表示される(S207)。
【0075】
これにより、通信識別子がたまたま同じであった異なる通信相手の保存データがあったとしても適正な相手の名称(宛先名称)を表示させることができる。
【0076】
すなわち、本実施形態によれば、保存データ管理部105が、保存データに消去予定通信識別子が使用されていると判断する場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する。そして、保存データ管理部105が、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古いと判断した場合は、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することができる。これにより、通信識別子が変更された後に、たまたま通信識別子が同じ別の相手が現れたとしても、誤った名前解決を行うことなく、ただしく通信相手を決定することができる。
【0077】
つぎに、通信識別子保存部106に記憶されているアドレス帳を修正したことに伴って行われる他の処理について説明する。図7は、アドレス帳の修正に合わせて消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定情報を修正するときの処理を示すフローチャートである。
【0078】
通信部101を介して通信端末200から当該通信端末200の通信識別子(電話番号またはメールアドレス)の変更の通知および変更後の新規通信識別子を受け付ける(S301)。なお、通信端末200からの通知に基づくことなく、端末操作部103をユーザが操作することにより通信識別子の変更の受付がなされるようにしてもよい。この処理ステップにおいては、アドレス帳におけるメールアドレスまたは電話番号の変更の受付が行われたものであればこれらに限定したものではなくてよい。
【0079】
つぎに、保存データ管理部105により、保存データ内において変更予定の通信識別子の使用状況が判断される(S302)。すなわち、保存データに記述されている通信識別子(電子メールデータまたは通信履歴情報に記述されている発信元アドレス、発信先アドレス、発信元電話番号、発信先電話番号)と、変更予定の通信識別子(すなわち消去予定通信識別子:メールアドレスまたは電話番号)とが一致しているか否かが判断される。
【0080】
そして、通信識別子が一致している保存データが存在する、すなわち保存データ内において消去予定通信識別子が使用されていると判断されると、変更対象となる通信識別子は消去予定通信識別子として判断され(S303)、そして画面表示部102において、変更対象となる通信識別子の消去の可否の旨を示すユーザダイアログ表示がなされる(S304)。このユーザダイアログ表示処理では、消去予定通信識別子をアドレス帳(通信識別子保存部106)から消去するか、否かをユーザに問い合わせるためのメッセージが表示される。
【0081】
そして、ユーザにより消去予定通信識別子を消去しないとの指示が選択されると(S305;消去しない)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子は、変更後の通信識別子である新規通信識別子と関連付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶される(S306)。また、通信識別子管理部104により、通信識別子保存部106では、そこに記憶されているアドレス帳から消去予定通信識別子が消去され、その代わりに新規通信識別子が保存される(S307)。
【0082】
また、S303において使用されていない、またはS305において、消去するとユーザにより選択されると、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子は、変更後の通信識別子である新規通信識別子と関連付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶されることなく、アドレス帳から消去予定通信識別子が消去され、その代わりに新規通信識別子が保存される(S308)。
【0083】
本実施形態における通信端末100において、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、通信識別子保存部106から消去予定通信識別子を消去するとともに、消去された消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて消去予定通信識別子保存部107に記憶する。また、通信識別子管理部104は、消去するとユーザから指示された場合には、通信識別子保存部106から消去予定通信識別子を消去し、新規通信識別子のみ記憶することができる。これにより、ユーザの判断に基づいて名前解決などに利用される消去予定通信識別子を記憶するか、しないかを判断することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0084】
よって、旧通信識別子である消去予定通信識別子と新規通信識別子とを対応付けて記憶することができ、消去予定通信識別子を使用している保存データを閲覧する際には、その対応付けに基づいて新規通信識別子を読み出し可能にし、よってそれに対応付けられている宛先名称を読み出して、保存データに合成することができる。
【0085】
つぎに、アドレス帳をレコード単位(宛先名称ごと)で構成した場合における処理について説明する。図8は、レコード単位でアドレス帳を構成した場合における消去予定識別子を保存するときの処理を示すフローチャートである。
【0086】
上述図7と同様に、通信端末200から、または端末操作部103から変更通知の受付がなされ、保存データ内においては、変更後の通信識別子の使用状況が判断され、そして使用の有無が判断される(S301〜S303)。
【0087】
そして、その変更対象となった通信識別子を含んでいるレコードに空き容量があるか否かが、通信識別子管理部104により判断される(S305a)。ここで、空き容量ありと判断されると、新規通信識別子と関連付けて消去予定通信識別子が、当該レコード内に対応付けて記憶される(S311)。ここでは、消去予定通信識別子が記述されていた欄に新規通信識別子が記述され、そしてレコード内における所定の領域に消去予定通信識別子が記述される。
【0088】
また、通信識別子管理部104により空き容量なしと判断されると、別レコードが保存データ管理部105により生成される(S309)。ここで別レコードとは、例えば、レコードが、宛先名称と通信識別子とを対応付けて構成されたデータ形式を指すものであれば、同じデータ形式を有するレコードを生成し、レコードナンバーのみ異なるようにしたものである。なお、この新たに生成された別レコードと元からあるレコードとは何らかの方法により関連付けが必要である。例えば別レコードにおいてもとからあるレコードのレコードナンバーを記述しておくことや、新規通信識別子を記述しておく方法があり得る。
【0089】
そして、その別レコードに、消去予定通信識別子は新規通信識別子に対応付けて記憶する(S310)。
【0090】
本実施形態によれば、この通信端末100は、宛先名称と通信識別子とを所定サイズの容量を有するレコード単位をもって通信識別子保存部106に記憶する。そして、この通信識別子の修正時において、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子保存部107に消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位における処理を行うことができるとともに、レコード単位における処理の不都合、すなわちレコード内における空き領域が無い場合の問題を解決することができる。よって、実装上効率的に設計を行うことができる。
【0091】
つぎに、レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法について説明する。図9は、レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法を示すフローチャートである。
【0092】
上述図7と同様に、通信端末200から、または端末操作部103から変更通知の受付がなされ、保存データ内においては、変更後の通信識別子の使用状況が判断され、そして使用の有無が判断される(S301〜S303)。
【0093】
そして、保存データ管理部105により、保存データ内において消去予定通信識別子が使用されていると判断されると、通信識別子管理部104により、まず変更対象となる通信識別子を含んだレコードが通信識別子保存部106から読み出され、そのレコードがコピーされ、コピーレコードが取得される(S312)。そして、通信識別子管理部104により、コピーレコード内において消去予定通信識別子が追加されることで、新規通信識別子と対応付けて、消去予定通信識別子保存部107に記憶される(S313)。
【0094】
これにより、レコード単位での処理を可能とし、携帯電話などにおける実装を容易なものにすることができる。
【0095】
すなわち、本実施形態によれば、通信識別子管理部104は、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて消去予定通信識別子保存部107に記憶する際に、一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得し、コピーレコードまたは一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、一のレコードとコピーレコードとを対応付けて保存することができる。これにより、レコード単位の処理を可能にするとともに、その設計を簡易なものにすることができる。
【0096】
つぎに、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理について説明する。図10は、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理を示すフローチャートである。保存データ管理部105により、保存データ保存部108に記憶されている保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、定期的(所定時間ごとに)に確認される(S401)。すなわち、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かを判断することで使用状況が確認される。
【0097】
そして、保存データ管理部105により、保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断される場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報(図4(b)に示されている一レコード分)が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0098】
本実施形態によれば、保存データ管理部105は、保存データ保存部108の保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認し、保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子を消去予定通信識別子保存部107から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0099】
つぎに、図10における変形例としての、消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理について説明する。図11は、保存データの修正時(保存データの削除など)に、消去予定通信識別子の使用状況に応じて消去するときの処理を示すフローチャートである。保存データ管理部105により、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、保存データの修正時に確認される(S401a)。すなわち、保存データが削除、編集されたなど、保存データが修正されたときに、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かが判断されることで使用状況が確認される。
【0100】
そして、保存データ管理部105により保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断された場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報(図4(b)に示されている一レコード分)が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0101】
本実施形態によれば、保存データ管理部105が、保存データ保存部108に記憶されている保存データの修正時(例えば削除時)に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存部106から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0102】
つぎに、消去予定通信識別子を記憶するためのメモリの空き容量が所定値以下になった場合の消去予定通信識別子を消去するときの処理について説明する。
【0103】
つぎに、図10または図11における変形例としての、メモリの空き容量が少なくなったときに消去予定通信識別子を消去するときの処理について説明する。図12は、あるイベントが発生したときに、メモリの空き容量が少なくなったことを判断して、消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【0104】
あるイベントが発生し、消去予定通信識別子保存部107のメモリ容量が所定値以下になったか否かが、メモリ制御部110により判断される(S401b)。例えば、修正プログラムのダウンロード、ムービーデータの自動配信などにより、ユーザの意識とは別に自動的にデータ・プログラムがメモリにダウンロードされる場合がある。その場合に、メモリ(すなわち消去予定通信識別子保存部107のエリアを構成するもの)の空き容量が所定値以下になったか否かが判断される(S401b)。
【0105】
そして、メモリ制御部110により空き容量が所定値以下であると判断されると(S401b;YES)、保存データ管理部105により、保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が、確認される(S401c)。すなわち、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子のそれぞれが通信識別子管理部104により読み出され、その各消去予定通信識別子に基づいて保存データ管理部105により、保存データ内に各消去予定通信識別子が含まれているか否かを判断することで使用状況が確認される。
【0106】
そして、保存データ管理部105により保存データ内に消去予定通信識別子が無いと判断された場合(S402;NO)、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子およびそれに対応付けられている情報が消去される(S403)。また、保存データ管理部105により保存データ内に使用されていると判断された場合には(S402;YES)、消去予定通信識別子は消去されない(S404)。
【0107】
本実施形態によれば、消去予定通信識別子保存部107の空き容量、すなわちメモリとしての空き容量が不足した場合、保存データ管理部105は保存データ保存部108に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、通信識別子管理部104は、当該消去予定通信識別子およびこれに関連する情報(消去予定情報)を消去予定通信識別子保存部107から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を記憶しておくことがないため、そのメモリの利用効率を向上させることができる。
【0108】
このように図10〜図12に示される実施形態によると、保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されなくなると、消去予定通信識別子を記憶しておく意味がなくなるため、これを消去することができる。よってメモリの使用効率を向上させることができる。
【0109】
つぎに、画面表示部102に保存データを表示して返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの通信端末100の処理について説明する。図13は、返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの処理を示すフローチャートである。
【0110】
端末操作部103に対するユーザ操作に基づいて画面表示部102に保存データが表示される(S501)。そして、端末操作部103を用いてユーザにより返信操作が受け付けられる(S502)。返信操作が受け付けられると、通信制御部109により、返信処理のための宛先抽出処理が行われる。まず、表示されている表示用保存データの発信元名称が消去予定通信識別子に対応付けられているか否かが、消去予定通信識別子保存部107を参照することで通信識別子管理部104により判断される。すなわち、発信元名称と一致する宛先名称を抽出し、さらにその宛先名称に対応付けられている通信識別子として、消去予定通信識別子であるか否かが判断される(S503)。
【0111】
そして、保存データ管理部105により、消去予定通信識別子であったと判断された場合には、通信識別子管理部104により、消去予定通信識別子保存部107および通信識別子保存部106にそれぞれ記憶されている情報に基づいて新規通信識別子が抽出され、通信制御部109により、抽出された新規通信識別子が宛先として設定される(S504)。そして、その設定された新規通信識別子を用いた宛先に返信処理が行われる(S505)。
【0112】
また、S503において、返信先の宛先名称が消去予定通信識別子に対応したものではないと判断されると、通常の返信処理として、その宛先名称に対応する通信識別子が宛先に設定され返信処理が行われる(S506)。
【0113】
これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子宛に返信処理を行うことなく、適切な宛先に返信処理を行うことができる。
【0114】
すなわち、本実施形態によれば、保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、保存データ管理部105は、保存データに記述されている通信識別子が消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断し、消去予定通信識別子であると判断された場合、通信制御部109は、通信識別子管理部104により消去予定通信識別子保存部107を参照して取得された記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して、通信部101を用いて通信処理を実行することができる。これにより、旧通信識別子である消去予定通信識別子が記述されている保存データを利用して、返信処理などの通信処理を行った場合にも適切な通信相手に送信することができる。
【0115】
つぎに、上述図13に示された返信処理についての変形例について説明する。図14は、返信先として抽出される通信識別子が通信識別子保存部106において複数対応付けられている場合に、任意の通信識別子宛に返信を行うときの処理を示すフローチャートである。
【0116】
図13と同様に、保存データを表示し、返信操作がなされるとその返信先である宛先名称は消去予定通信識別子に対応付けられたものであるかが判断される(S501〜S503)。そして、ここで宛先名称は消去予定通信識別子であると判断されると、消去予定通信識別子保存部107および通信識別子保存部106において、消去予定通信識別子に複数の通信識別子が対応付けられているか否かが、通信識別子管理部104により判断される(S507)。
【0117】
そして、複数の通信識別子が対応付けられていると判断されると(S507;YES)、対応する複数の通信識別子が画面表示部102に表示され(S508)、ユーザにより任意の通信識別子が選択されると(S509)、選択された通信識別子が宛先に設定され、通信処理が実行される(S510)。
【0118】
また、S507において、複数の通信識別子が対応付けられていないと判断されると(S507;NO)、対応付けられている一の通信識別子が設定され、そして送信処理が実行される(S504、S505)。また、S503において、返信先である宛先名称が消去予定通信識別子に対応付けられたものではない場合には、宛先名称に対応付けされている通信識別子をそのまま宛先に設定し、通信処理が実行される(S506)。
【0119】
このように複数の通信識別子が設定されている場合、例えば、一つのレコードに、複数の通信識別子が設定されている場合があり、複数の電話番号(携帯電話または固定電話の電話番号)や、複数のメールアドレス(携帯電話のメールアドレス、PCメールアドレス、フリーメールアドレスなど)が設定されている場合がある。この場合に、どの通信識別子に設定してよいかをユーザが選択することができる。
【0120】
すなわち、本実施形態によれば、通信識別子管理部104が、保存データ内の通信識別子が消去予定通信識別子であると判断し、かつ消去予定通信識別子保存部107において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が、通信識別子保存部106において対応付けられて記憶されていたと判断した場合、画面表示部102は、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示し、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することができる。これにより、複数の通信識別子が宛先名称に対応付けられてとしても、ユーザは任意の宛先を選択することができ、使い勝手の良い通信方法を提供することができる。
【0121】
つぎに、保存データの転送処理を行ったときに、その転送先に適切な通信識別子を通知することができる処理について説明する。
【0122】
図15は、転送対象となる保存データに消去予定通信識別子が含まれている場合には、当該保存データとともに、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を転送するときの処理を示すフローチャートである。図15に示されているように、端末操作部103を介してユーザから保存データの転送の指示が受け付けられると(S601)、保存データ管理部105により当該保存データが消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S602)。ここで、含んでいると判断されると、通信識別子管理部104により、その消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子が通信識別子保存部106から抽出され、通信制御部109により、抽出された新規通信識別子がその保存データに付加されて、転送される(S603)。ここで転送先としては、サーバ、外部端末、外部記憶媒体、または同一端末内における別ドメイン環境(異なるOSの環境下のもの)があり得る。また、サーバに転送する際にはセルラー通信でアップロード処理により転送処理は実現され、また外部端末であれば近距離無線通信に実現され、外部記録媒体においては、近距離無線通信他に、USBなどの有線を用いて接続したり、特別なインタフェースを介して接続することが考えられる。
【0123】
また、S602において、消去予定通信識別子を含んでいないと判断されると、保存データのみが転送される(S604)。
【0124】
これにより転送先では新規通信識別子を取得することができるため、本実施形態の通信端末100のように宛先名称の名前解決などに利用することができる。
【0125】
すなわち、本実施形態において、端末操作部103において保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、保存データ管理部105が、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていると判断した場合には、通信制御部109は、消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合、またはデータの同期をとるために同一端末内における別ドメイン環境に保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0126】
つぎに、図15における消去予定通信識別子を含んだ保存データを転送するときの変形例について説明する。図16は、変形例における消去予定通信識別子を含んだ保存データを転送するときの処理を示すフローチャートである。
【0127】
端末操作部103を介してユーザから保存データの転送の指示が受け付けられると(S601)、保存データ管理部105により当該保存データが消去予定通信識別子を含んでいるか否かが判断される(S602)。ここで、含んでいると判断されると、通信識別子管理部104により、その消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子が通信識別子保存部106から抽出され、通信制御部109により、その保存データに記述されている消去予定通信識別子が新規通信識別子に書き換えられて、転送される(S605)。
【0128】
また、S602において消去予定消去予定通信識別子を含んでいないと判断されると、改変処理がされることなく保存データのみが転送される(S604)。
【0129】
これにより、転送先において現在使用されている通信識別子を含んだ保存データを得ることができる。
【0130】
すなわち、本実施形態において、端末操作部103において保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付け、保存データ管理部105が、受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていると判断した場合には、通信制御部109は、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力することができる。これにより、バックアップ等を目的としてサーバ、外部端末、外部記憶媒体など保存データを記憶させる場合において、その保存データにおいて消去予定通信識別子が使用されていた場合にも、現在使用されている新規通信識別子を合わせて記憶させることができる。よって、バックアップ先などの記憶先において通信識別子に関しては現状に即した保存データとして記憶させることができる。
【0131】
つぎに、上述の通り保存データを転送した際において、その保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況に基づいた消去処理について説明する。図17は、定期的にサーバ等の転送先の使用状態を確認し、その使用状況に応じて消去処理を行うときの処理を示すフローチャートである。なお、ここではサーバを転送先とした場合の処理を示しているが、図15に示されているようにサーバのほか、外部端末、外部記憶媒体、同一端末内における別ドメイン環境に転送された場合にも同様の処理を適用可能である。
【0132】
通信端末において、定期的に通信部101などを介してサーバ、または外部通信端末に記憶される保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況が確認される(S701)。そして、保存データに消去予定通信識別子が含まれていないと判断された場合には(S702)、当該消去予定通信識別子およびそれに関連する情報に対する消去指示が行われる(S703)。保存データに消去予定通信識別子が含まれている場合には、そのサーバ等に対して特に処理はされることない(S704)。
【0133】
本実施形態によれば、保存データ管理部105は、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、通信制御部109からの指示コマンドに基づいて、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0134】
また、上述処理における変形例について説明する。図18は、修正時に使用状況を確認するときの処理を示すフローチャートである。なお、ここではサーバを転送先とした場合の処理を示しているが、図15に示されているようにサーバのほか、外部端末、外部記憶媒体、同一端末内における別ドメイン環境に転送された場合にも同様の処理を適用可能である。
【0135】
通信端末100において、端末操作部103をユーザが操作することにより保存データの修正(例えば削除など)が行われると、通信部101などを介してサーバ、または外部通信端末が記憶する保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況が確認される(S701a)。例えば、本実施形態では、通信端末の保存データをサーバなどの外部記憶領域にコピーしておくことで、保存データのバックアップ処理を可能にしている。ここでは保存データの修正が行われると、同期処理をもってサーバにおいても保存データの修正が反映されることになる。ここでの処理では、反映された保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況が確認される。
【0136】
そして、サーバ、外部端末などにおいて保存データに消去予定通信識別子が含まれていないと判断された場合には(S702)、消去予定通信識別子およびそれに関連する情報に対して消去指示が行われる(S703)。消去予定通信識別子が含まれている場合には、そのサーバ等に対して特に処理はされることない(S704)。
【0137】
このように、サーバ、外部端末、外部記憶媒体、または端末内における別ドメイン環境に記憶される保存データにおける消去予定通信識別子の使用状況を判断し、その判断結果に基づいて消去予定通信識別子およびそれに関連する情報(新規通信識別子との対応関係を取るための情報など)を消去することができ、メモリの使用効率を向上させることができる。
【0138】
本実施形態によれば、通信識別子管理部104が、通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認し、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、通信制御部109は、消去コマンドを生成し、当該消去コマンドに基づいて、当該消去予定通信識別子を、外部領域から消去することができる。これにより、不要な消去予定通信識別子を消去することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。特に、修正時に確認処理を行うことで、例えば保存データが削除されたときに即座に、その保存データで使用されていた消去予定通信識別子を消去することができ、迅速な対応を行うことができる。
【0139】
本実施形態の通信端末100は、保存データである、電子メールデータまたは通信履歴情報に対して、変更された通信識別子(消去予定通信識別子)を書き換えることなく、実際に通信されたメールアドレスまたは電話番号に基づいたものとしている。このように保存データを改変させないようにしているため、例えば保存データを用いたブラックリストのマッチング処理を行うことができる。そのときの処理を図19に示す。
【0140】
図19は、ブラックリストのマッチング処理を通信端末100から送信された保存データに基づいて実行するサーバの処理を示すフローチャートである。ここでは通信端末100は携帯電話であって、ユーザは企業から貸与された携帯電話を使用している。
【0141】
前提として、ユーザにより端末操作がなされ、電子メールデータまたは通信履歴情報が保存データとして保存される。そして、通信識別子の変更に伴って旧通信識別子である消去予定通信識別子は新規通信識別子に関連付けて保存される。以上の処理は上述の図7の通りである。
【0142】
そして、通信端末100においては、定期的に、通信部101を用いて、保存データが送信される(S801)。サーバでは、所定のサーバから取得した、または予め保持している宛先情報のブラックリストに基づいて、保存データの通信宛先(発信元または送信先)とブラックリストとのマッチング処理が行われ(S802)、そのマッチング結果が生成される(S803)。
【0143】
このような処理が行われることで、ブラックリストに登録されている宛先と通信をしたことを、企業側では把握することができる。すなわち、保存データに記述されている通信相手を何らかの方法で改変すると、企業内に配置されているサーバが保存しているブラックリストとのマッチング処理を行っても、適正なマッチング結果を得ることができない場合があり得る。例えば、企業内サーバにおけるブラックリストが古い情報に基づいた場合がそうである。
【0144】
本実施形態においては、通信端末100におけるアドレス帳などの通信識別子が修正されたとしても、保存データ内の通信識別子を改変することなく保存しているため、上述の通りブラックリストを用いたマッチング処理を行うことにより、適正なマッチング結果を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本実施形態の通信端末100の機能を示すブロック図である。
【図2】通信端末100のハードウェア構成図である。
【図3】通信識別子保存部106に記憶されているアドレス帳を示す説明図である。
【図4】消去予定通信識別子保存部107に記憶されている消去予定通信識別子を示す説明図である。
【図5】修正された通信識別子を含んでいる保存データを閲覧表示するときの処理を示すフローチャートである。
【図6】保存データの保存日時と消去予定通信識別子の保存日時との関係に基づいて作成された表示用保存データの閲覧処理のフローチャートである。
【図7】アドレス帳の修正に合わせて消去予定情報を修正するときの処理を示すフローチャートである。
【図8】レコード単位でアドレス帳を構成した場合における消去予定識別子を保存するときの処理を示すフローチャートである。
【図9】レコードをコピーすることにより消去予定通信識別子を記憶する方法を示すフローチャートである。
【図10】保存データ内における消去予定通信識別子の使用状況に応じて当該消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図11】保存データの修正時に、消去予定通信識別子の使用状況に応じて当該消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図12】あるイベントが発生したときに、メモリの空き容量が少なくなったことを判断して、消去予定通信識別子を消去するときの処理を示すフローチャートである。
【図13】返信操作を行うときに、適正な宛先に返信するときの処理を示すフローチャートである。
【図14】返信先として抽出される通信識別子が複数対応付けられている場合に、任意の通信識別子宛に返信を行うときの処理を示すフローチャートである。
【図15】保存データとともに、当該消去予定通信識別子に対応付けられている新規通信識別子を転送するときの処理を示すフローチャートである。
【図16】保存データの通信識別子を新規通信識別子に書き換えて転送するときの処理を示すフローチャートである。
【図17】定期的にサーバ等の転送先の使用状態を確認し、その使用状況に応じて消去処理を行うときの処理を示すフローチャートである。
【図18】修正時に使用状況を確認するときの処理を示すフローチャートである。
【図19】ブラックリストのマッチング処理を通信端末100から送信された保存データに基づいて実行するサーバの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
20…通信端末、100…通信端末、101…通信部、102…画面表示部、103…端末操作部、104…通信識別子管理部、105…保存データ管理部、106…通信識別子保存部、107…消去予定通信識別子保存部、108…保存データ保存部、109…通信制御部、110…メモリ制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信装置の通信識別子管理方法において、
通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正ステップと、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正ステップにおいて修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する通信識別子記憶ステップと、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、当該消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定ステップと、
を備える通信識別子管理方法。
【請求項2】
保存データ内で消去予定通信識別子が使用されていた場合、当該消去予定通信識別子を消去するか否かをユーザに問い合わせる問合せステップをさらに備え、
前記通信識別子記憶ステップは、前記問合せステップにおいて、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を記憶することなく消去し、新規通信識別子のみ記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信識別子管理方法。
【請求項3】
前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一レコードとして記憶するとともに、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することを特徴とする請求項1または2に記載の通信識別子管理方法。
【請求項4】
前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一のレコードとして予め定められた保存領域内に記憶しておき、
前記通信識別子記憶ステップにおいて、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、前記一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得するコピーステップとを備え、
前記通信識別子記憶ステップは、前記コピーレコードまたは前記一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、前記一のレコードと前記コピーレコードとを対応付けて保存することを特徴とする請求項1または2に記載の通信識別子管理方法。
【請求項5】
新規通信識別子を記憶した日時を記憶する日付情報記憶ステップ
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項6】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、前記通信履歴記憶手段の保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項7】
保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項8】
前記消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、前記保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項9】
保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する比較ステップをさらに備え、
前記決定ステップは、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、
保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項10】
前記保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、前記保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断された場合、前記消去予定情報記憶手段を参照して、前記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行する通信ステップと、
を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項11】
前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断され、かつ前記消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示する提示ステップと、を備え、
前記通信ステップは、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の通信識別子管理方法。
【請求項12】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、前記消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項13】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項14】
保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認する外部領域確認ステップと、
前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の通信識別子管理方法。
【請求項15】
通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認する外部領域確認ステップと、
前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の通信識別子管理方法。
【請求項16】
通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信識別子管理装置において、
通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正手段と、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正手段において修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する消去予定情報記憶手段と、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、前記消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定手段と、
を備える通信識別子管理装置。
【請求項1】
通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信装置の通信識別子管理方法において、
通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正ステップと、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正ステップにおいて修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する通信識別子記憶ステップと、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、当該消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定ステップと、
を備える通信識別子管理方法。
【請求項2】
保存データ内で消去予定通信識別子が使用されていた場合、当該消去予定通信識別子を消去するか否かをユーザに問い合わせる問合せステップをさらに備え、
前記通信識別子記憶ステップは、前記問合せステップにおいて、消去予定通信識別子を消去しないとユーザから指示された場合に、消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて記憶し、消去するとユーザから指示された場合には、消去予定通信識別子を記憶することなく消去し、新規通信識別子のみ記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信識別子管理方法。
【請求項3】
前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一レコードとして記憶するとともに、消去予定通信識別子を記憶するにあたって同一レコードに空きがない場合は、別レコードを生成するとともに当該別レコードに消去予定通信識別子を新規通信識別子と対応付けて保存することを特徴とする請求項1または2に記載の通信識別子管理方法。
【請求項4】
前記通信識別子記憶ステップにおいて、通信相手を決定するための情報と通信識別子とを所定サイズの容量を有する一のレコードとして予め定められた保存領域内に記憶しておき、
前記通信識別子記憶ステップにおいて、消去予定通信識別子と新規通信識別子とを関連付けて記憶する際に、前記一のレコードをレコード単位でコピーしてコピーレコードを取得するコピーステップとを備え、
前記通信識別子記憶ステップは、前記コピーレコードまたは前記一のレコードのいずれかに記述されている消去予定通信識別子を新規通信識別子に書き換えて、前記一のレコードと前記コピーレコードとを対応付けて保存することを特徴とする請求項1または2に記載の通信識別子管理方法。
【請求項5】
新規通信識別子を記憶した日時を記憶する日付情報記憶ステップ
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項6】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データの通信識別子の使用状況を定期的に確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、前記通信履歴記憶手段の保存データに消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項7】
保存データの修正時に保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を通信識別子保存手段から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項8】
前記消去予定情報記憶手段の空き容量が不足した場合、前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データ内の通信識別子の使用状況を確認する確認ステップと、
前記確認ステップにおいて、前記保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことが確認された場合、当該消去予定通信識別子を消去予定情報記憶手段から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項9】
保存データに消去予定通信識別子が使用されている場合、保存データの通信日時と、消去予定通信識別子を保存した保存日時とを比較する比較ステップをさらに備え、
前記決定ステップは、保存データの通信日時が消去予定通信識別子を保存した保存日時より古い場合は、消去予定通信識別子を利用して通信相手を決定し、
保存データの通信日時が消去予定通信識別子の保存日時より新しい場合は消去予定通信識別子を利用することなく、通信相手を決定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項10】
前記保存データに記述されている通信識別子に基づいて通信端末が通信を行う際、前記保存データに記述されている通信識別子が消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定通信識別子か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断された場合、前記消去予定情報記憶手段を参照して、前記消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換して通信処理を実行する通信ステップと、
を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項11】
前記判断ステップにおいて消去予定通信識別子であると判断され、かつ前記消去予定情報記憶手段において当該消去予定通信識別子に関連付けられた新規通信識別子にさらに一または複数の通信識別子が対応付けられていた場合、当該新規通信識別子および当該一または複数の通信識別子を選択候補としてユーザに提示する提示ステップと、を備え、
前記通信ステップは、ユーザが選択した通信識別子を宛先として通信処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の通信識別子管理方法。
【請求項12】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されている場合には、前記消去予定通信識別子に対応付けられた新規通信識別子を保存データに付加して出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項13】
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを外部に出力するための読み出し処理を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていた場合には、当該消去予定通信識別子を新規通信識別子に変換した保存データを出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信識別子管理方法。
【請求項14】
保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を、定期的に確認する外部領域確認ステップと、
前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の通信識別子管理方法。
【請求項15】
通信端末の保存データの修正時に、保存データが出力された出力先である外部領域における保存データに記述されている消去予定通信識別子の使用状況を確認する外部領域確認ステップと、
前記外部領域確認ステップにおいて、保存データ内に消去予定通信識別子が使用されていないことを確認した場合、当該消去予定通信識別子を、前記外部領域から消去する消去ステップと、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の通信識別子管理方法。
【請求項16】
通信相手を決定するための情報と当該通信相手を特定するための通信識別子とを対応付けて記憶する通信識別子記憶手段と、前記通信相手に関連した保存データを記憶する保存データ記憶手段とを備える通信識別子管理装置において、
通信相手の通信識別子を修正して、新規通信識別子を取得する修正手段と、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データにおいて、前記修正手段において修正された旧通信識別子である消去予定通信識別子が使用されていれば、当該消去予定通信識別子を、新規通信識別子と関連付けて消去予定情報として、消去予定情報記憶手段に記憶する消去予定情報記憶手段と、
前記保存データ記憶手段に記憶されている保存データを利用する際、前記保存データで用いられている通信識別子が消去予定通信識別子であった場合には、前記消去予定情報記憶手段に記憶されている消去予定情報に基づいて通信相手を決定する決定手段と、
を備える通信識別子管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−130174(P2010−130174A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300974(P2008−300974)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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