説明

通帳記録システム、及び、通帳記録システムの制御方法

【課題】通帳に記録されていた取引金額に関する情報を、他人に見られないように秘匿できるようにする。
【解決手段】通帳記録システム1は、取引金額に関する情報を通帳同様に配置した画像データである取引画像データを生成する取引画像データ生成部37と、取引画像データを格納する取引画像データDB32と、取引画像データDB32に格納された取引画像データにアクセスするための取引画像アクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部40と、取引画像アクセス用コードを通帳に記録するアクセス用コード記録部28と、通帳に記録された取引画像アクセス用コードに基づいて、ユーザ側端末14からアクセスされた場合に、取引画像アクセス用コードに対応する取引画像データを取引画像データDB32から読み出して、ユーザ側端末14に出力する通帳画像データ出力部42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引に関する情報を通帳に記録する通帳記録システム、及び、通帳記録システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、金融機関が設置するATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)においては、口座への入出金金額や残高等の金額が、取引日時等の情報とともに通帳に記録される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−70687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通帳は取引の履歴や現在の残高等を確認する手段として有用であるが、その一方で、通帳に記録された金額はユーザの財産に関する情報であるため、他人に見られたくないとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来は通帳に記録されていた取引金額に関する情報を、他人に見られないように秘匿できる通帳記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、取引に関する情報を通帳に記録する通帳記録システムにおいて、取引金額を前記通帳同様に配置した画像データである通帳画像データを生成する通帳画像データ生成部と、前記通帳画像データを格納するデータベースと、前記データベースに格納された前記通帳画像データにアクセスするためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、前記アクセス用コードを前記通帳に記録するアクセス用コード記録部と、前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて、外部の装置からアクセスされた場合に、前記アクセス用コードに対応する前記通帳画像データを前記データベースから読み出して、前記外部の装置に出力する通帳画像データ出力部と、を備えること、を特徴とする通帳記録システムを提供する。
この構成によれば、通帳に記録されたアクセス用コードに基づいて、外部の装置によってアクセスすることにより、通帳画像データが出力されるので、通帳に取引金額が記録されていなくても、取引の履歴や残高等の取引に関する情報を外部の装置により閲覧及び確認することができる。このため、通帳への取引金額の記録を省略して、取引金額を、他人が見ることができないように秘匿できる。また、通帳画像データ出力部によって通帳画像データを出力させるために、通帳に記録されたアクセス用コードを要するので、通帳を持たない第三者に通帳画像データを見られてしまうおそれもない。従って、通帳を用いた取引状態や履歴の確認或いは管理を可能としながら、通帳への取引金額自体の記録を省略することが可能になるため、取引金額に関する情報を他人に見られないように確実に秘匿できる。
また、通帳画像データは、取引金額を通帳と同様に配置した画像データであるため、この通帳画像データを用いれば外部の装置において取引金額を見やすく表示できるので、取引状態や履歴の確認或いは管理に係る利便性が損なわれない。これにより、例えば冊子としての通帳を見慣れているユーザも、違和感なく、取引状態や履歴の確認或いは管理を行うことができる。
【0005】
ここで、上記発明において、前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスされた場合に認証情報に基づく認証を行う認証部をさらに備え、前記通帳画像データ出力部は、前記認証部による認証に成功した場合にのみ前記外部の装置に前記通帳画像データを出力するようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザが外部の装置によりアクセスした場合に認証情報に基づく認証が行われるため、認証情報を持たない者、例えば正規のユーザが紛失した通帳を取得した他人が、通帳に記録されたアクセス用コードに基づいて外部の装置によってアクセスしても、通帳画像データが出力されない。これにより、セキュリティ面における信頼性のさらなる向上を図ることができる。
【0006】
また、上記発明において、前記通帳画像データは、複数の取引に関する取引金額を前記通帳の1のページに記録する場合と同様に配置した画像データであってもよい。
この構成によれば、例えば、複数の取引に関する取引金額がページ内に並んだ形態の通帳画像データが出力されるので、ユーザは、外部の装置によってアクセスすることで、複数の取引に関する取引金額を全て取得することができるため、一覧性の高い形態で情報を見ることができ、ユーザの利便性が向上する。また、この場合の通帳画像データは、取引金額を、特に通帳に記録する場合とよく似た形態で配置した画像データであるため、このページ画像データを外部の装置により表示した場合、通帳とよく似た見た目で取引金額を表示することができ、ユーザに安心感を与えることができる。
【0007】
また、上記発明において、前記通帳画像データ出力部は、前記データベースから読み出した前記通帳画像データを、予め設定された制限回数に達するまでの間のみ、前記外部の端末に出力するようにしてもよい。
この構成によれば、通帳画像データが出力される回数が制限されるので、例えば、不自然な頻回の通帳画像データの出力等を防止できる。これにより、通帳画像データが不正に利用される懸念を解消し、より一層の信頼性の向上を図ることができる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、取引に関する情報を通帳に記録する通帳記録システムを制御して、取引金額を前記通帳同様に配置した画像データである通帳画像データを通帳画像データ生成部によって生成し、生成した前記通帳画像データをデータベースに格納し、前記データベースに格納された前記通帳画像データにアクセスするためのアクセス用コードをアクセス用コード生成部によって生成し、生成した前記アクセス用コードをアクセス用コード記録部によって前記通帳に記録し、前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて、外部の装置からアクセスされた場合に、通帳画像データ出力部によって前記アクセス用コードに対応する前記通帳画像データを前記データベースから読み出して、前記外部の装置に出力すること、を特徴とする通帳記録システムの制御方法を提供する。
この制御方法によれば、通帳に記録されたアクセス用コードに基づいて、外部の装置によってアクセスすることにより、通帳画像データが出力されるので、通帳に取引金額が記録されていなくても、取引の履歴や残高等の取引に関する情報を外部の装置により閲覧及び確認することができる。このため、通帳への取引金額の記録を省略して、取引金額を、他人が見ることができないように秘匿できる。また、通帳画像データ出力部によって通帳画像データを出力させるために、通帳に記録されたアクセス用コードを要するので、通帳を持たない第三者に通帳画像データを見られてしまうおそれもない。従って、通帳を用いた取引状態や履歴の確認或いは管理を可能としながら、通帳への取引金額自体の記録を省略することが可能になるため、取引金額に関する情報を他人に見られないように確実に秘匿できる。さらに、通帳画像データは、取引金額を通帳と同様に配置した画像データであるため、この通帳画像データを用いれば外部の装置において取引金額を見やすく表示できるので、取引状態や履歴の確認或いは管理に係る利便性が損なわれない。これにより、例えば冊子としての通帳を見慣れているユーザも、違和感なく、取引状態や履歴の確認或いは管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通帳を用いた取引状態や履歴の確認或いは管理を可能としながら、通帳への取引金額自体の記録を省略することが可能になり、取引金額に関する情報を他人に見られないように確実に秘匿できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通帳記録システム1の構成を示す図である。この通帳記録システム1は、図1に示すように、ATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)10と、DB部11と、これらATM10及びDB部11と図示せぬインターフェースを介して通信可能に接続されたホスト12を備えている。ホスト12には、インターネットや移動通信網等のネットワーク13を介してユーザ側端末14が接続されている。
ATM10は、ユーザがこのATM10を操作することによって金融機関に対する各種取引を行うことができるよう構成された装置であり、金融機関の店舗や、コンビニやスーパー等の小売店、公共施設等に設置されている。取引には、ユーザが金融機関に開設した預貯金口座への入金、預貯金口座からの出金、預貯金口座に預けられている預貯金の残高の照会、他人の預貯金口座への振り込み等がある。
ATM10には、ユーザが所有する通帳15(図2)を挿入するための通帳挿入口が設けられており、ATM10を介して取引を行う場合、ユーザは、通帳挿入口に自身が所有する通帳15を挿入することにより、この通帳15と対応する預貯金口座について取引を行うことができる。
【0011】
図2は、通帳15を開いた状態を示す図である。
通帳15は、ユーザが金融機関に預貯金口座を開設した場合に、この預貯金口座における取引内容を記録する証拠証券として、金融機関が預金者(貯金者)であるユーザに対して発行する冊子である。図2に示すように、通帳15は、複数枚の記録用紙16が綴じ部17において綴じられて構成されており、通帳15の各ページには、文字を含む画像が記録される記録面18が形成されている。
通帳15の裏表紙には、各種データを磁気的に格納する磁気ストライプ19が設けられており、この磁気ストライプ19には、少なくとも、ユーザの預貯金口座毎に一意に付与されている口座番号を示すデータが格納されている。ユーザがATM10の通帳挿入口に通帳15を挿入した場合、この磁気ストライプ19に格納されている口座番号を示すデータが読み取られ、これによりユーザはこの口座番号に対応する預貯金口座に対して取引を行うことができる。
【0012】
一般に、通帳15の記録面18には、ユーザによって行われた取引に係る情報が記録される。例えば、ユーザが預貯金口座に対して入金を行った場合、この取引の日付や、入金額、入金後の残高等の情報が通帳15の記録面18に記録される。
しかしながら、本実施形態に係る通帳記録システム1では、図2に示すように、通帳15の記録面18には、取引金額が記録されず、代わりに取引画像アクセス用コード20が記録される。取引画像アクセス用コード20とは、ユーザ側端末14により読み取り可能なコードであって、後述する取引画像データ(通帳画像データ)にアクセスするためのコードのことである。通帳15にどういった態様で取引画像データが記録されるかについては後述する。また、本実施形態に係る通帳15の記録面18の各ページ右下には、予め、ページ画像アクセス用コード21が記録されている。このページ画像アクセス用コード21は、後述するページ画像データ(通帳画像データ)にアクセスするためのコードのことである。
なお、本実施形態において、取引画像アクセス用コード20と、ページ画像アクセス用コード21とを特に区別しない場合は、「アクセス用コード」という。アクセス用コードの具体的な例としては、一方向に並ぶ黒と空白の2色の領域により情報を表示するバーコード(JANコード、EAN、UPC、ITFコード、CODE39、CODE128、NW-7等)、及び、水平方向と垂直方向に並ぶ黒領域と空白領域とにより情報を表示する2次元コード(QRコード(登録商標)、PDF417、CODE49等)等が挙げられるが、本実施形態では、一例として、アクセス用コードとして2次元コードを用いる場合について説明する。
また、本実施形態では、取引に係る情報は、取引を行った日付を示す情報、取引の内容を示す情報、取引の内容が預貯金口座への入金である場合に、この取引において入金された入金額を示す情報、取引の内容が預貯金口座からの出金である場合に、この取引において出金された出金額を示す情報、取引後における預貯金口座の預貯金の残高を示す情報を含むものとする。従って、取引に係る情報には、入金額に係る情報や、出金額に係る情報、残高に係る情報等、金額に関する情報が含まれている。また、以下の説明においては、従来の通帳15には、取引に係る情報が記録されていたものとする。
【0013】
ATM10は、図1に示すように、ATM表示部25と、操作部26と、プリンタ27と、を備えている。
ATM表示部25は、ホスト12の制御の下、各種情報を表示するものであり、例えば液晶表示パネルを用いて構成される。操作部26は、ユーザがATM10に対して指示を行う際に操作されるものであり、ATM表示部25に重ねて配設されたタッチパネルを備えている。ユーザは、ATM表示部25に表示された各種情報を参照しつつ、操作部26のタッチパネルをタッチ操作することにより、取引の種類の選択や、暗証番号、取引金額、取引先の口座等の情報の入力、具体的な指示等の各種操作をATM10に対して行う。例えば、預貯金口座からの出金に係る取引を行う場合、ユーザは、ATM表示部25に表示された情報を参照しつつ操作部26を操作して、自身が行う取引として預貯金口座からの出金に係る取引を選択し、また、操作部26を操作して預貯金口座から出金する具体的な金額を指示する。操作部26による指示が行われた場合、ATM10は、この指示の内容を示すデータをホスト12に出力する。
【0014】
プリンタ27は、通帳15の記録面18に文字を含む画像を記録する印刷装置であり、ホスト12から入力された通帳15に記録すべき画像に係るデータに基づいて画像の記録を実行する。プリンタ27は、ユーザがこのプリンタ27に対し通帳15を挿入するためにATM10の通帳挿入口と一体的に設けられた手差口や、挿入された通帳15を所定の位置に搬送する搬送機構、搬送された通帳15にホスト12から入力されたデータに基づいて画像を記録する記録機構、必要に応じて通帳15のページをめくるページ送り機構等の、通帳15に画像を記録するための各種機構を備えている。また、プリンタ27は、図1に示すように、アクセス用コード記録部28と、磁気ストライプ読書部29とを備えている。
アクセス用コード記録部28は、ホスト12から入力されたアクセス用コードに係るデータに基づいて、通帳15にアクセス用コードを記録するものである。ホスト12がアクセス用コードに係るデータをATM10に出力する際は、通帳15のどのページのどの位置にアクセス用コードを記録するかを示す情報が付加されるため、アクセス用コード記録部28は、通帳15の記録面18の適切な位置にアクセス用コードを記録することができる。
磁気ストライプ読書部29は、通帳15の磁気ストライプ19へ各種データを格納し、また、磁気ストライプ19から各種データを読み込むものであり、磁気ストライプ19を走査して磁気ストライプ19への各種データの格納、又は、磁気ストライプ19から各種データの読み込みを行う磁気ヘッドを備えている。磁気ヘッドが磁気ストライプ19から読み込んだデータは、適宜、ホスト12に出力される。例えば、磁気ヘッドが読み込んだ口座番号を示すデータは、適宜ホスト12に出力される。
DB部11は、データベースとして口座情報DB31と、取引画像データDB32と、ページ画像データDB33と、取引情報DB34と、を備えている。
【0015】
図3は、DB部11の各データベースの1件のレコードの構成例を模式的に示す図であり、図3(A)は、口座情報DB31の1件のレコードを示し、図3(B)は、取引画像データDB32の1件のレコードを示し、図3(C)は、ページ画像データDB33の1件のレコードを示し、図3(D)は、取引情報DB34の1件のレコードを示している。
口座情報DB31は、預貯金口座に関するデータを預貯金口座毎に格納するデータベースであり、口座情報DB31の1件のレコードには、図3(A)に示すように、預貯金口座毎に一意に付される口座番号を示す口座番号データと、この口座番号に係る預貯金口座を所有するユーザの氏名や、住所等の個人情報を含む情報であるユーザ情報データと、ユーザの認証を行うためのパスワードを含む認証情報データと、が含まれている。
取引画像データDB32は、後述する取引画像データ生成部37が生成した取引画像データを格納するデータベースであり、取引画像データDB32の1件のレコードには、図3(B)に示すように、口座番号データと、取引画像データと、この取引画像データにネットワーク13に接続されたユーザ側端末14からアクセスするためのURLを示す取引画像URL(Uniform Resource Locator)データと、が含まれている。
【0016】
ページ画像データDB33は、後述するページ画像データ生成部38が生成したページ画像データを格納するデータベースであり、ページ画像データDB33の1件のレコードには、図3(C)に示すように、口座番号データと、ページ画像データと、このページ画像データにネットワーク13に接続されたユーザ側端末14からアクセスするためのURLを示すページ画像URLデータと、が含まれている。以下、ページ画像データDB33に格納されている1件のレコードを「ページ画像レコード」という。
ページ画像データDB33には、通帳15のページのそれぞれに対応して、1件のページ画像レコードが格納されている。そして、通帳15の1のページに記録されたページ画像アクセス用コード21(図2参照)には、この1のページに対応する1件のページ画像レコードが有するページ画像URLデータに係るURLを示す情報が含まれている。このため、ユーザは、1のページに記録されたページ画像アクセス用コード21を読み取ることによって、この1のページに対応するページ画像レコードが有するページ画像データにアクセスすることができる。
【0017】
取引情報DB34は、ユーザが行った取引に係るデータを、取引毎に格納するデータベースであり、取引情報DB34の1件のレコードには、図3(D)に示すように、口座番号データと、取引IDデータと、日付データと、内容データと、出金額データと、入金額データと、残高データと、ページ位置データとが含まれている。以下、取引情報DB34に格納されている1件のレコードを「取引情報レコード」という。
ユーザがATM10を利用して取引を行った場合、この取引に対応するデータがホスト12に出力される。この取引に対応するデータには、少なくとも、日付データと、内容データと、出金額データと、入金額データと、残高データと、ページ位置データと、が含まれている。ATM10から取引に対応するデータが入力されると、ホスト12は、入力されたデータに基づいて、取引毎に1件の取引情報レコードを生成し、取引情報DB34に格納する。
取引IDデータとは、取引毎に一意に付与される番号である。この取引IDデータは、取引毎にホスト12が生成する。日付データとは、取引を行った日付を示すデータである。内容データとは、取引の内容を示すデータのことである。内容データには、例えば、取引が預貯金口座への入金であることを示すデータがある。入金額データとは、取引の内容が預貯金口座への入金である場合に、この取引において入金された入金額を示すデータである。出金額データとは、取引の内容が預貯金口座からの出金である場合に、この取引において出金された出金額を示すデータである。残高データとは、取引後における預貯金口座の預貯金の残高を示すデータである。ページ位置データとは、当該取引情報レコードに対応する1の取引について、この取引に係る情報が通帳15に記録されるべきページ及びこのページにおける位置を示すデータである。詳述すると、通帳15に記録すべき取引に係る情報を全て通帳15に記録していった場合において、対応する1の取引が通帳15のどのページの記録面18のどの位置に記録されるかを示すデータである。ホスト12は、このページ位置データを参照することにより、1の取引について、この取引に係る情報を通帳15に記録するとしたら、通帳15のどのページの記録面18のどの位置に記録されるかについて把握することができる。
【0018】
ホスト12は、通帳記録システム1全体を制御するホストコンピュータとして機能するものであり、例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置が適用される。ホスト12は、ATM10との間で記録データ等の各種データを送受信し、また、DB部11の各データベースにアクセスする。また、ホスト12は、図1に示すように、通帳画像データ生成部36と、アクセス用コード生成部40と、認証部41と、通帳画像データ出力部42と、を備えている。
【0019】
通帳画像データ生成部36は、図1に示すように、取引画像データ生成部37と、ページ画像データ生成部38と、を備えている。
取引画像データ生成部37は、取引画像データを生成するものである。取引画像データとは、1の取引について、この取引に係る情報が通帳15の記録面18に記録された状態における記録面18の画像データのことである。具体的には、ユーザがATM10を利用して預貯金口座への入金を行ったとき、この取引について、取引を行った日付を示す情報、取引の内容を示す情報すなわち取引の内容が預貯金口座への入金であることを示す情報、入金された入金額を示す情報、取引後における預貯金口座の預貯金の残高を示す情報が通帳15の記録面18に記録された状態における記録面18の画像データが、取引画像データである。ここで、取引画像データ生成部37が取引画像データを生成する際の動作について説明する。
ユーザがATM10に通帳15を挿入して取引を行った場合、上述したように、ホスト12は、この取引について取引情報DB34に格納するための取引情報レコードを生成する。その際、取引画像データ生成部37は、ホスト12によって生成された取引情報レコードの日付データ、内容データ、入金額データ、出金額データ、残高データを取得し、取得したこれらデータが示す情報を通帳15の記録面18に記録した状態における記録面18の画像データを生成する。
なお、上述の取引画像データを生成する機能は、ホスト12に実装されたプログラムによって実現される。
【0020】
ページ画像データ生成部38は、ページ画像データを生成するものである。ページ画像データとは、通帳15の1のページについて、このページの記録面18に記録すべき全ての取引に係る情報が記録された状態における記録面18の画像データのことである。ここで、ページ画像データ生成部38がページ画像データを生成する際の動作について説明する。
ページ画像データ生成部38がある口座番号に係る通帳15の1のページについてページ画像データを生成する場合、ページ画像データ生成部38は、取引情報DB34にアクセスし、取引情報DB34に格納されている取引情報レコードの口座番号データ及びページ位置データを参照し、この1のページに記録すべき取引に係るデータを有する取引情報レコードの全てを取得する。次いで、ページ画像データ生成部38は、取得した取引情報レコードの全てについて、日付データ、内容データ、入金額データ、出金額データ、残高データが示す情報を、1のページの記録面18に記録した状態における記録面18の画像データを生成する。
なお、上述のページ画像データを生成する機能は、ホスト12に実装されたプログラムによって実現される。
【0021】
アクセス用コード生成部40は、取引画像データにアクセスするための取引画像アクセス用コード20に係るデータ、及び、ページ画像データにアクセスするためのページ画像アクセス用コード21に係るデータを生成するものである。ここで、アクセス用コード生成部40がアクセス用コードに係るデータを生成する際の動作について説明する。
取引画像データを取引画像データDB32に格納する際、ホスト12は、取引画像データにアクセスするための上述したURLを生成する。このとき、アクセス用コード生成部40は、生成されたURLに基づいて、このURLに係る情報を含んだ取引画像アクセス用コード20に係るデータを生成する。なお、この取引画像アクセス用コード20に係るデータは、ATM10に出力され、ATM10のプリンタ27のアクセス用コード記録部28によって通帳15の所定の位置に取引画像アクセス用コード20として記録される。
また、ホスト12は、ページ画像データDB33に格納すべく、通帳15の各ページに対応するページ画像レコードを生成した際、ページ画像レコード毎に、各ページ画像レコードが有するページ画像データにアクセスするためのURLを生成する。このとき、アクセス用コード生成部40は、生成されたURLに基づいて、このURLを示す情報を含んだページ画像アクセス用コード21に係るデータを生成する。このページ画像アクセス用コード21に係るデータは、適宜、ATM10に出力され、ATM10のプリンタ27のアクセス用コード記録部28は、このデータに基づいて、通帳15の所定の箇所にページ画像アクセス用コード21を記録する。なお、ページ画像アクセス用コード21は、例えば、通帳15がユーザに交付される前に、通帳15の対応するページに予め記録しておくようにしてもよい。また例えば、通帳15を交付されたユーザが初めてATM10に通帳15を挿入した際に、通帳15の各ページに記録するようにしてもよい。
【0022】
認証部41は、ユーザ側端末14からネットワーク13を介してホスト12に対してアクセスがあったときに、このユーザ側端末14を利用するユーザの認証を行うものである。具体的には、ユーザ側端末14からホスト12に対してアクセスがあったときに、必要に応じて、ユーザ側端末14に対し、口座番号や、認証情報としてのパスワードの入力を求め、この求めに応じて入力された口座番号に基づいて、口座情報DB31にアクセスして口座番号に係る認証情報データを取得し、口座番号とパスワードとの照合を含む認証動作を行う。
通帳画像データ出力部42は、ユーザ側端末14からネットワーク13を介してホスト12に対して、あるURLに対応する取引画像データ、又は、ページ画像データの取得の要求があった場合に、取引画像データDB32、又は、ページ画像データDB33にアクセスし、該当するURLに対応する取引画像データ、又は、ページ画像データを読み出し、読み出した取引画像データ、又は、ページ画像データをユーザ側端末14に出力するものである。
【0023】
一方、ネットワーク13を介してホスト12に接続されたユーザ側端末14は、アクセス用コードを読み取るコード読取部45と、ホスト12から出力された取引画像データ、又は、ページ画像データに係る画像を視認可能に表示する端末表示部46と、を少なくとも備えた装置であり、例えば、2次元コードを読み取るための2次元コードリーダを備えるパーソナルコンピュータや、2次元コードを読み取り可能に構成されたカメラ付き携帯電話がある。
【0024】
次いで、通帳記録システム1の動作について説明する。
図4は、通帳記録システム1の動作のうち、ユーザがATM10に自身の通帳15を挿入してから、通帳15にアクセス用コードが記録されるまでの一連の動作を示すフローチャートである。図4において、(A)は、ホスト12の動作を示し、(B)は、ATM10の動作を示す。
なお、図4のフローチャートが示す動作の前提として、ユーザが取引を行うべく、ATM10の通帳挿入口に自身の通帳15を挿入しており、ATM10のプリンタ27の磁気ヘッドによって磁気ストライプ19に格納されている口座番号を示すデータが読み取られ、読み取られた口座番号を示すデータがホスト12に出力されているものとする。さらに、ユーザが、ATM表示部25に表示された各種情報を参照しつつ、操作部26を操作することによって取引を行ったものとする。
【0025】
ATM10は、ユーザによって行われた取引に対応するデータをホスト12に出力する(ステップSB1)。上述したように、この取引に対応するデータには、少なくとも、日付データと、内容データと、出金額データと、入金額データと、残高データと、ページ位置データが含まれており、ホスト12は、これらデータに基づいて、取引情報DB34に格納する取引情報レコードを生成し、この生成した取引情報レコードを取引情報DB34に格納する(ステップSA1)。
次いで、ホスト12の取引画像データ生成部37は、ステップSA1で生成した取引情報レコードに基づいて、取引画像データを生成する(ステップSA2)。ホスト12は、生成した取引画像データを取引画像データDB32に格納する(ステップSA3)。このステップSA3において、ホスト12は、ユーザ側端末14からこの取引画像データにアクセスするためのURLを生成し、このURLを示す取引画像URLデータと、取引画像データと、口座番号とを対応付けて取引画像データDB32に格納する。
ホスト12のアクセス用コード生成部40は、生成されたURLに基づいて、このURLを示す情報を含んだ取引画像アクセス用コード20に係るデータを生成する(ステップSA4)。
【0026】
アクセス用コード生成部40によって取引画像アクセス用コード20が生成された後、ホスト12のページ画像データ生成部38は、ユーザによって行われた取引に係る情報を記載すべき通帳15の1のページについて、ページ画像データを生成する(ステップSA5)。次いで、ホスト12は、ページ画像データDB33にアクセスし、上記1のページに対応するページ画像レコードが有するページ画像データを、ステップSA5において生成したページ画像データ(以下、「新ページ画像データ」という)によって更新する(ステップSA6)。これにより、ユーザは、ページの記録面18に記録されたページ画像アクセス用コード21に基づいて、この新ページ画像データにアクセスできることとなる。つまり、通帳15の1のページの直近のページ画像データにアクセスすることができる。
次いで、ホスト12は、ステップSA4においてアクセス用コード生成部40が生成した取引画像アクセス用コード20に係るデータをATM10に出力する(ステップSA7)。その際、ホスト12は、取引情報DB34にアクセスし、ステップSA1において生成した取引情報レコードの日付データを取得し、この日付データを併せてATM10に出力する。
ATM10のプリンタ27のアクセス用コード記録部28は、ホスト12から入力された取引画像アクセス用コード20に係るデータに基づいて通帳15の所定の位置に取引画像アクセス用コード20を記録する(ステップSB2)。
【0027】
ここで、取引画像アクセス用コード20が通帳15に記録される際の態様について、前掲の図2を用いて説明する。
ステップSB2において、プリンタ27のアクセス用コード記録部28は、ホスト12から入力された取引画像アクセス用コード20に係るデータに基づいて通帳15の記録面18に取引画像アクセス用コード20を記録すると共に、図2に示すように、ホスト12から入力された日付データに基づいて、記録した取引画像アクセス用コード20の図2に示す左側に取引の日付に係る情報を記録する。これにより、ユーザは、通帳15の記録面18に記録された取引画像アクセス用コード20が、いつ行った取引に対応するものであるかを容易に認識できる。
このように、本実施形態では、通帳15に記録されるのは、取引に係る情報そのものではなく、アクセス用コードである。従って、通帳15には、入金額に係る情報や、出金額に係る情報、残高に係る情報等、金額に関する情報や金額そのものが記録されない。よって、通帳15の所有者以外の他人がこの通帳15を見ても金額に関する情報を取得できないため、他人が容易に金額に関する情報を取得することを防止することができる。
【0028】
図5は、ユーザが取引画像データ、又は、ページ画像データをユーザ側端末14に出力すべくホスト12にアクセスした場合における通帳記録システム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ホスト12は、ユーザ側端末14から取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求があったか否かを監視する(ステップSC1)。ここで、ユーザ側端末14による取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求時の動作について説明すると、取引画像データ、又は、ページ画像データに係る画像を見たいと思ったユーザは、まずユーザ側端末14のコード読取部45によって通帳15に記録された取引画像アクセス用コード20、又は、ページ画像アクセス用コード21を読み取る。これにより、取引画像アクセス用コード20、又は、ページ画像アクセス用コード21に含まれるURLの情報に基づいて、ホスト12に対しこのURLに係る取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求がなされる。
このように、本実施形態の通帳記録システム1では、取引画像データ、又は、ページ画像データをユーザ側端末14に出力するためにホスト12にアクセスする場合、例えば、キーボードを利用してURLを打ち込んだりすることなく、アクセス用コードをコード読取部45によって読み取るという簡易な動作によってアクセスできるため、ユーザの利便性が向上する。
【0029】
取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求があった場合(ステップSC1:YES)、ホスト12の認証部41は、認証動作を行い、正当なユーザから取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求が行われていることを確認する(ステップSC2)。このように、本実施形態では、取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求があった場合、認証部41が認証動作を実行する。このため、例えば、ユーザが通帳15を紛失し、この紛失した通帳15を取得した他人が、通帳15に記録されたアクセス用コードに基づいて取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求を行った場合であっても、この他人に取引画像データ、又は、ページ画像データが出力されることがなく、セキュリティ面における信頼性の向上を図ることができる。
認証部41による認証動作後、ホスト12の通帳画像データ出力部42は、取引画像データDB32、又は、ページ画像データDB33にアクセスし、ユーザ側端末14からアクセスがあったときのURLに対応する取引画像データ、又は、ページ画像データを読み出す(ステップSC3)。そして、ホスト12の通帳画像データ出力部42は、読み出した取引画像データ、又は、ページ画像データをユーザ側端末14に出力する。これにより、取引画像データ、又は、ページ画像データが示す画像がユーザ側端末14の端末表示部46に表示可能となると共に、ユーザがこの画像を視認することができるようになる。
【0030】
図6は、ユーザ側端末14の端末表示部46に表示される取引画像データに係る画像の例を示す図である。
図6に示すように、端末表示部46に取引画像データに係る画像が表示される際は、取引に係る情報、具体的には、取引の日付に係る情報、取引の内容に係る情報、入金額に係る情報、出金額に係る情報、残高に係る情報が1列に並んで表示される。ここで、上述したように、取引画像データは、取引に係る情報が通帳15の記録面18に記録された状態における記録面18の画像データである。従って、端末表示部46には、取引に係る情報が、通帳15の記録面に記録される場合と同様の配置で端末表示部46に表示されることとなる。このため、冊子としての通帳15の記録面18と見た目に同じ画像を提供することができ、ユーザ、特に、冊子としての通帳15を見慣れているユーザに対し、安心感を与えることができる。
【0031】
図7は、端末表示部46に表示されるページ画像データに係る画像の例を示す図である。
上述したように、ページ画像データは、通帳15の1のページについて、このページの記録面18に記録すべき全ての取引に係る情報が記録された状態における記録面18の画像データである。従って、端末表示部46にページ画像データに係る画像が表示される際は、1のページに記録すべき取引に係る情報が全て表示される。
このように、ユーザは、ページ画像データに係る画像を端末表示部46に表示することによって、1のページに記録すべき取引に係る情報を全て取得することができ、自身の取引の履歴を認識することができるため、ユーザの利便性が向上する。特に、端末表示部46に表示される画像は、端末表示部46には、取引に係る情報が、通帳15の記録面に記録される場合と同様の配置で端末表示部46に表示されることとなる。従って、冊子としての通帳15の1のページの記録面18と見た目が同じであるため、ユーザ、特に、冊子としての通帳15を見慣れているユーザに対し、安心感を与えることができる。また、取引金額等の情報を、冊子形態の従来の通帳と似た形態で見やすく表示できるので、取引状態や履歴の確認或いは管理に係る利便性が損なわれない。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態によれば、通帳15にはアクセス用コード記録部28によってアクセス用コードが記録され、このアクセス用コードに基づいて、ユーザ側端末からホスト12にアクセスすることで、ユーザは、取引の入金額に係る情報や、出金額に係る情報、残高に係る情報等の金額に関する情報を知ることができる。このため、通帳15においては取引の金額に関する情報の記録を省略することが可能になる。このため、通帳15の所有者以外の他人がこの通帳15を見ても金額に関する情報を取得できず、金額に関する情報を他人に見られないように秘匿できる。また、通帳15に記録されたアクセス用コードに基づいてユーザ側端末14からアクセスされた場合、通帳画像データ出力部42によって取引画像データ、又は、ページ画像データがユーザ側端末14に出力される。このため、ユーザ自身は、ユーザ側端末14に入力された取引画像データ、又は、ページ画像データに係る画像を端末表示部46に表示することによって、金額に関する情報を含んだ取引に係る情報を取得することができる。
また、取引画像データに係る画像を端末表示部46に表示した場合、取引に係る情報が、通帳15の記録面に記録される場合と同様の配置で端末表示部46に表示されることとなる。このため、冊子としての通帳15の記録面18と見た目に同じ画像を提供することができ、ユーザ側端末14において取引金額を見やすく表示できるので、取引状態や履歴の確認或いは管理に係る利便性が損なわれない。このため、例えば、冊子としての通帳15を見慣れているユーザも、違和感なく、取引状態や履歴の確認或いは管理を行うことができ、このようなユーザに対して安心感を与えることができる。
【0033】
また、本実施の形態では、取引画像データ、又は、ページ画像データの出力要求があった場合、認証部41によって認証情報に基づく認証動作が行われ、認証に成功した場合にのみページ画像データが出力される。このため、認証情報を持たない者、例えば正規のユーザが紛失した通帳を取得した他人が、通帳に記録されたアクセス用コードに基づいてユーザ側端末14によってアクセスして取引画像データ、又は、ページ画像データの取得要求を行った場合であっても、認証に成功しなければ取引画像データ、又は、ページ画像データが出力されないので、セキュリティ面における信頼性のさらなる向上を図ることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、ページ画像データ生成部38がページ画像データを生成する。ここで、ページ画像データとは、通帳15の1のページについて、このページの記録面18に記録すべき全ての取引に係る情報が記録された状態における記録面18の画像データのことである。すなわち、1ページに複数の取引に関する金額を記録した形態の画像データである。このため、ユーザは、ページ画像データに係る画像を端末表示部46に表示させることによって、複数の取引に関する取引金額を全て取得して、一覧性の高い形態で情報を見ることができ、自身の取引の履歴を認識することができるため、ユーザの利便性が向上する。特に、端末表示部46に表示される画像は、取引金額を、特に通帳に記録する場合とよく似た形態で配置した画像であるため、冊子としての通帳15の1のページの記録面18と見た目が同じであり、通帳とよく似た見た目で取引金額を表示することができ、ユーザに安心感を与えることができる。
【0035】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
上述した実施形態では、取引画像データ、及び、ページ画像データがユーザ側端末14に出力される回数に制限はなかったが、この出力の回数に制限を設けるようにしてもよい。取引画像データを例にすると、取引画像データDB32に取引画像データを格納する際、ホスト12は、出力の回数を示すデータと共に格納する。そして、取引画像データの出力要求があったときは、ホスト12は、この出力の回数を示すデータを参照し、設定された制限回数に達するまでの間のみ取引画像データを出力する動作を行って、予め定められた回数を越えて取引画像データが出力されることを防止する。この場合の制限回数は、取引画像データ毎に設定されるものであってもよいし、口座番号毎、或いは、口座番号と取引画像データとの組合せ毎に設定されるものであってもよい。
この構成によれば、例えば、必要以上に取引画像データが出力されることが防止でき、これにより、他人が不正に取引画像データを取得することが防止でき、信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
また、上述した実施形態において、取引画像データを取引画像データDB32に格納する際、又は、ページ画像データをページ画像データDB33に格納する際、これら取引画像データ、又は、ページ画像データを暗号化するようにしてもよい。そして、これら取引画像データ、又は、ページ画像データがユーザ側端末14に出力された場合であっても、暗号を解除する手段を備えるユーザ側端末14よってしか端末表示部46にこれら取引画像データ、又は、ページ画像データに係る画像を表示できないようにしてもよい。
この構成によれば、取引画像データ、又は、ページ画像データが暗号化されることにより、これらデータが含む情報が他人に取得されるリスクが減少し、セキュリティが向上する。
また、上述した実施形態では、図3を用いて、DB部11の各データベースに格納されるレコードを説明したが、レコードの構成は図3に示す構成例に限らず、ATM10やホスト12の仕様、ATM10によって行うことができる取引に応じて適切に設計することができる。
【0037】
また、上述した実施形態では、図2を参照して、通帳15の記録面18にアクセス用コードが記録される際の態様について説明したが、アクセス用コードが記録される際の態様は、図2に示す態様に限らず、例えば、記録面18に2次元バーコード以外のバーコードを並べて記録するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、金額に関する情報として、取引に係る情報に含まれる入金額に係る情報、出金額に係る情報、及び、残高に係る情報を例にしたが、金額に関する情報はこれに限らず、他の情報を含むことができる。
また、上述した実施形態では、取引に係る情報として、取引を行った日付を示す情報、取引の内容を示す情報、取引の内容が預貯金口座への入金である場合に、この取引において入金された入金額を示す情報、取引の内容が預貯金口座からの出金である場合に、この取引において出金された出金額を示す情報、取引後における預貯金口座の預貯金の残高を示す情報を含むものとする。従って、取引に係る情報には、入金額に係る情報や、出金額に係る情報、残高に係る情報等、金額に関する情報を例にしたが、取引に係る情報はこれに限らず、ATM10やホスト12の仕様、ATM10によって行うことができる取引に応じて適切に設計することができる。
また、上述した実施形態では、取引画像データは、1の取引について、この取引に係る情報が通帳15の記録面18に記録された状態における記録面18の画像データのことであった。しかし、取引画像データは、これに限らず、過去の取引を含む複数の取引について、これら取引が通帳15の記録面18に記録された状態における記録面18の画像データであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る通帳記録システムの構成を示す図である。
【図2】通帳を開いた状態を示す図である。
【図3】データベースに格納されるレコードの構成例を示す図である。
【図4】通帳記録システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】通帳記録システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】ユーザ側端末の表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図7】ユーザ側端末の表示部に表示される画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1…通帳記録システム、14…ユーザ側端末(外部の装置)、15…通帳、20…取引画像アクセス用コード(アクセス用コード)、21…ページ画像アクセス用コード(アクセス用コード)、28…アクセス用コード記録部、32…取引画像データDB(データベース)、33…ページ画像データDB(データベース)、36…通帳画像データ生成部、37…取引画像データ生成部(通帳画像データ生成部)、38…ページ画像データ生成部(通帳画像データ生成部)、40…アクセス用コード生成部、41…認証部、42…通帳画像データ出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引に関する情報を通帳に記録する通帳記録システムにおいて、
取引金額を前記通帳同様に配置した画像データである通帳画像データを生成する通帳画像データ生成部と、
前記通帳画像データを格納するデータベースと、
前記データベースに格納された前記通帳画像データにアクセスするためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、
前記アクセス用コードを前記通帳に記録するアクセス用コード記録部と、
前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて、外部の装置からアクセスされた場合に、前記アクセス用コードに対応する前記通帳画像データを前記データベースから読み出して、前記外部の装置に出力する通帳画像データ出力部と、を備えること、
を特徴とする通帳記録システム。
【請求項2】
前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスされた場合に認証情報に基づく認証を行う認証部をさらに備え、
前記通帳画像データ出力部は、前記認証部による認証に成功した場合にのみ前記外部の装置に前記通帳画像データを出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の通帳記録システム。
【請求項3】
前記通帳画像データは、複数の取引に関する取引金額を前記通帳の1のページに記録する場合と同様に配置した画像データであること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の通帳記録システム。
【請求項4】
前記通帳画像データ出力部は、前記データベースから読み出した前記通帳画像データを、予め設定された制限回数に達するまでの間のみ、前記外部の端末に出力すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通帳記録システム。
【請求項5】
取引に関する情報を通帳に記録する通帳記録システムを制御して、
取引金額を前記通帳同様に配置した画像データである通帳画像データを通帳画像データ生成部によって生成し、
生成した前記通帳画像データをデータベースに格納し、
前記データベースに格納された前記通帳画像データにアクセスするためのアクセス用コードをアクセス用コード生成部によって生成し、
生成した前記アクセス用コードをアクセス用コード記録部によって前記通帳に記録し、
前記通帳に記録された前記アクセス用コードに基づいて、外部の装置からアクセスされた場合に、通帳画像データ出力部によって前記アクセス用コードに対応する前記通帳画像データを前記データベースから読み出して、前記外部の装置に出力すること、
を特徴とする通帳記録システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−271614(P2009−271614A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119479(P2008−119479)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】