説明

通気穴付きブロックおよび通気穴付きブロックを用いた潅水構造体

【課題】路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックを用いたブロック舗装において、地表面の冷却効果を安定させる。
【解決手段】通気穴付きブロック100は、水を貯水するための貯水部を内部に有する貯水箱2と、該貯水箱2の上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該貯水箱と一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材3と、該貯水箱2または該ブロック部材3の上面から少なくとも該貯水箱の内部の貯水部の上端に達するまで貫通した一つ以上の通気穴4と、該貯水箱2の内部の貯水部2(a)と該ブロック部材3の側方外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、歩道等の道路やビルの屋上あるいは公園内等に布設されるブロック舗装に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、都市部の歩道等の道路やビルの屋上、あるいは公園内の一部は、通常、アスファ
ルトやコンクリートで固められている。そのため気温が高く、照り返しのきつい夏季の日
中、そのような場所の温度上昇は周囲と比較して一段と激しい。このような環境下において歩道を歩いたり、ビルの屋上等で過ごしたりすることはとても厳しい状況下にある。特に温暖化現象が顕著になってきた昨今においては、日中のみならず夜間においても、この熱がアスファルトやビルの屋上から放熱されて、いわゆるヒートアイランド現象を引き起こす大きな要因になっている。
【0003】
このヒートアイランド現象等を緩和するために、道路の脇に植樹したり、ビルの屋上に芝生や木を植えたり、あるいは種々の草花を植える試みも成されている。しかしながらそれだけでは十分でなく、さらなる工夫が求められている。
【0004】
この一環として、特許文献1や特許文献2にあるように保水性を有する保水性舗装ブロック本体(以下単に保水性ブロックという)の下に容器状の保水タンクや保水トレーを設置した潅水構造体が提案されている。この潅水構造体の機能は、保水性ブロックを浸透して下降してきた雨水や打ち水(以下単に雨水等という)を保水タンクや保水トレーに溜めておき、外気温が高温になった時には、この雨水等を給水手段、具体的には不織布等の導水性部材を介して毛細管力により揚水し、これを保水性ブロック表面から蒸発させて、その蒸発潜熱により保水性ブロックを冷やす、というものである。すなわち、降雨時に雨水等を保水タンクや保水トレーに貯え、気温が上昇した折にはこの水で保水性ブロックを冷やしてヒートアイランド現象を緩和させよう、というものである。
【0005】
【特許文献1】特許第2885085号公報(特開平8−85907号)
【特許文献2】特開2006−124980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1や特許文献2に開示されている舗装用の潅水構造体を実際に使
用してみると、保水性ブロックに対する冷却能力が十分でないことがわかってきた。すなわち、雨水等が保水タンクや保水トレーの貯水空間に浸透しない、また仮に、十分水が貯えられていたとしても、外気が高温になった際、貯えられている水を保水性ブロック表面に必要量揚水し、給水する機能が不十分である、ということがわかってきた。その結果、保水性ブロックの表面から蒸発する量を満たす水分量を補給することができずに、保水性ブロックに対する冷却能力が不十分になっていると推測される。
【0007】
実際、前記特許文献1や特許文献2では、この浸透能力や揚水能力については何も開示も示唆もしていない。その結果、雨水等が保水タンクや保水トレーの貯水空間に浸透しない場合や、また仮に、保水タンクや保水トレー内に十分な貯水量が確保されていたとしても、例えば夏の高温時、導水性部材として開示されている不織布では、揚水力不足から保水性ブロック表面や目地砂表面に蒸発量に見合う水量を給水することができない場合があって、保水性ブロック等の冷却を安定して行うことができない、という問題がある。
【0008】
前述の問題に鑑み本発明の目的は、雨水等が降った時には、地下の貯水箱または貯水トレーに十分な水を浸透させることができ、外気温が高温の場合には、貯水箱または貯水トレーに貯水した水を用いて通気穴付きブロック表面や目地砂表面に蒸発量を充足する十分な量の水を供給でき、その結果、地表面を安定して冷却できる機能を備えた通気穴付きブロックと、微粒目地砂とこの通気穴付きブロックを用いた潅水構造体、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく本発明の請求項1記載の通気穴付きブロックは、路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、水を貯水するための貯水部を内部に有する貯水箱と、該貯水箱の上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該貯水箱と一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、該貯水箱または該ブロック部材の上面から少なくとも該貯水箱の内部の貯水部の上端に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、該貯水箱の内部の貯水部と該ブロック部材の側方外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
このようにしてなる本発明の請求項1記載の通気穴付きブロックによれば、貯水箱の内部の貯水部と、外気すなわち大気とが、通気穴付きブロックの上面から貯水箱の少なくとも上面まで貫通して開けられた通気穴を介して連通している。その結果、雨天時にブロック部材の保水性部位等を毛細管現象により下方に浸透する雨水等が貯水部内に溜まっていく過程で、貯水部内の空隙体積が変化しても、この貯水部内の圧力は、常に大気圧とほぼ同じ値に保持され、貯水部内の圧力がブロック部材や目地砂を毛細管現象により浸透してくる雨水等の毛細管力を上回ることがなくなる。そのため貯水箱内部の貯水部内により多量の雨水等を蓄えることが可能になる。
【0011】
また、貯水箱内部の貯水部に貯えられた水を通気穴付きブロックの側面部等から側方外部に導水するようにしている。その結果、従来のようにブロック内の貯水箱に貯えられている水を地表面に潅水するにあたって、不織布等の給水手段とブロックとの毛細管力で地表面まで吸い上げる必要がなくなるため、導水性部材やブロック部材には高い揚水性が要求されなくて済み、貯水箱内部に貯えられている水を、より容易に、かつ確実に外部に導水でき、後述する潅水構造体が有する目地砂と、ブロック部材が有する保水性部位等と、を組み合わせて潅水経路を構築することで、通気穴付きブロックや目地砂の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0012】
また本発明の請求項2記載の通気穴付きブロックは、路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、水を貯水するための貯水部を内部に有する多孔質ブロックと、該多孔質ブロックの上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該多孔質ブロックと一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、該多孔質ブロックまたは該ブロック部材の上面から少なくとも該貯水箱の内部の貯水部の上端に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、を有することを特徴とするものである。
【0013】
このようにしてなる本発明の請求項2記載の通気穴付きブロックによれば、請求項1記載の貯水箱の代わりに、多孔質ブロックを用い、多孔質ブロックの各孔部分を貯水部とすることにより、多孔質ブロック全体的に水を貯水することができ、貯水部に貯えられた水を通気穴付きブロックの側面部等から側方外部に導水するようにしている。このようにすることにより、導水性部材を使用せず、多孔質ブロック内部に貯えられている水を、より容易に、かつ確実に外部に導水でき、後述する潅水構造体が有する目地砂と、ブロック部材が有する保水性部位等と、を組み合わせて潅水経路を構築することで、通気穴付きブロックや目地砂の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0014】
また本発明の請求項3記載の通気穴付きブロックは、路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、水を受けるための開口部を有し内部に貯水空間を有する貯水トレーと、該貯水トレーの前記開口部及び側面の全部またはその一部とを覆う貯水トレー保護体と、該貯水トレー保護体の上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該貯水トレー保護体と一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、該貯水トレー保護体または該ブロック部材の上面から該貯水トレーの内部の貯水空間に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、該貯水トレーの内部の貯水空間と該ブロック部材の側方外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材と、を有することを特徴とするものである。
【0015】
このようにしてなる本発明の請求項3記載の通気穴付きブロックによれば、請求項1記載の構成、効果に加えて、貯水箱を貯水トレーと貯水トレー保護体とに分割して、ブロック部材と貯水トレー保護体とを一体成形するものとしている。この結果、貯水トレー内に比較的大きな貯水空間を設けて、通気穴付きブロックの貯水容積を大きくすることが可能となり、外気温が高温の場合には、通気穴付きブロック表面や目地砂表面に蒸発量を充足する水をより長く供給できるようになる。
【0016】
また本発明の請求項4記載の潅水構造体は、路盤上方に平面状に敷き詰められる複数個の請求項1〜請求項3いずれかに記載の通気穴付きブロックと、該複数個の通気穴付きブロックの間隙に充填される保水性、透水性及び揚水性を備えた目地砂であってかつ該目地砂の粒度のピークとなるふるいの呼び寸法が425μm以下にありかつ該目地砂の粒度のピークの重量比が30%以上でありかつ該目地砂の3ふるいの重量比が70%以上となるふるいの呼び寸法が212〜425μm以下である目地砂と、を有することを特徴とするものである。
【0017】
このようにしてなる本発明の請求項4記載の潅水構造体によれば、路盤上方に平面状に敷き詰めた前記通気穴付きブロックの間隙に、粒度が細かく、揚水性において特に優れている目地砂を充填している。この結果、貯水箱内部の貯水部または貯水トレー内部の貯水空間に貯えられた水を地表面へと揚水する際に、この目地砂が潅水構造体の揚水を行うことが可能となる。ここでいう粒度の細かい目地砂とは、具体的には6号けい砂あるいはそれよりも細かな粒度である7号けい砂、8号けい砂さらには9号けい砂のいずれかを主に指し、あるいは、これと同等の揚水性能をもつ砂のことを指す。
【0018】
これらの細かなけい砂は毛細管力が大きく、それ故揚水性に優れているため、通気穴付きブロック内の貯水部または貯水空間から導水性部材を介して側方外部の目地砂に導水された水を、効率よく目地砂の上部の地表面付近まで揚水して、通気穴付きブロック上部のブロック部材を構成する保水性部位または導水性部位と協働して潅水用水を地表面にいきわたらせることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、雨水等が降った時には、地下の貯水箱、多孔質ブロックまたは貯水トレーに十分な水を浸透させることができ、外気温が高温の場合には、貯水箱または貯水トレーに貯水した水を用いて通気穴付きブロック表面や目地砂表面に蒸発量を充足する十分な量の水を供給でき、その結果、地表面を安定して冷却できる機能を備えた通気穴付きブロックと、微粒目地砂とこの通気穴付きブロックを用いた潅水構造体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図を用いて本発明の通気穴付きブロック及び潅水構造体の実施形態例を詳細に説明する。図1は本発明の通気穴付きブロック100の第一の実施形態例を示す斜視図であり、図2(a)、(b)は図1の通気穴付きブロック100を、通気穴4と導水性部材5とを含むA−A’ およびB−B’面で切断した概略縦断面図であり、請求項1における第一の実施形態例を示すものである。
【0021】
これら図1〜図2に示すように、この通気穴付きブロック100は、上方外部から下降もしくは側面から供給される水を貯水するための貯水部2(a)を内部に有する貯水箱2と、この貯水箱2の上面及び四方向の側面を覆って貯水箱2と一体成形されて直方体平板形状をなすブロック部材3と、通気穴付きブロック100の上面から貯水箱2の貯水部2(a)のほぼ底面まで貫通した一つの通気穴4と、更に、一端が貯水箱2の貯水部2(a)のほぼ底面に届くように位置決めされ、他端が通気穴付きブロック100の側面外壁に露出するように位置決めされて装着されている導水性部材5を有している。なお符号6は、上方外部から下降して導水性部材5等を導水して貯水箱2の内部に取り込まれて底に溜まった水を示している。
【0022】
貯水箱2は、導水性部材5等を導水して貯水箱2内部に流入する雨水等を貯える貯水機能をもてばよく、図2においては、その底面及び四方向の側面を覆い遮水性を有する容器状の貯水箱枠体2(b)と、この内部に配置される貯水箱保水体2(c)で構成されている。
【0023】
貯水箱保水体2(c)は連通多孔質材よりなり、その空隙が貯水部2 (a)として機能する。貯水箱枠体2(b)の材質は、ポリプロピレン等のプラスチック系や、コンクリート・セメント系を含むセラミックス系、金属系等、遮水性を有するものであれば何でもよく、成形性等を考慮して各種の材料が使用可能である。また貯水箱保水体2(c)の材質は、コンクリート・セメント系を含む連通多孔質セラミックス系や連通発泡プラスチックなどが使用可能である。
【0024】
なお、貯水箱2は、貯水箱枠体2(b)のみで構成されていて良いし、貯水箱保水体2(c)のみで構成されていても良い。
【0025】
また、ブロック部材3は、貯水箱2を保護して、かつ、ブロック部材3の上面すなわち通気穴付きブロック100の上面において、導水性部材5等を介して下方から供給された所定量の水を蒸発させるのに必要な保水性または導水性を有していればよく、図2においては、貯水箱2の上面及び四方向の側面を覆って貯水箱2と一体成形されて直方体平板形状をなすように構成されている。
【0026】
ブロック部材3の材質は、保水性を有するコンクリート・セメント系を含む連通多孔質セラミックス系が好ましいが、その他の形態をとることも可能である。例えば、保水性部位以外または導水性部位以外の部位をポリプロピレン等のプラスチック系素材で成形して、該直方体平板形状の上面および側面上部を保水性部位として、保水性に優れたSiOを主成分とする連通多孔質セラミックス系素材で構成してもよい。あるいは、該直方体平板形状の上面については太陽光等により超親水性を発現するTiOよりなるセラミックス系素材で構成してかつ該直方体平板形状の側面上部については保水性に優れたSiOを主成分とする連通多孔質セラミックス系素材で構成してもよい。尚、本発明における導水性とは、超親水性がもたらす素材表面の濡れによる導水性も含むものとする。
【0027】
また、通気穴4は、貯水箱2内部の貯水部2(a)の空気圧を通気穴付きブロック100の上方外部の空気圧、すなわち大気圧と等しくする通気性をもてばよく、図2においては、通気穴付きブロック100の上面すなわちブロック部材3の上面から貯水箱保水体2(c)のほぼ底面まで貫通して開けられている。尚、通気穴4のその他の役割として、雨水などにより、通気穴付きブロック100の上方外部に多量の水があふれた場合には、通気穴4を介してこの水を貯水部2(a)に取り込む役割も担っている。
【0028】
通気穴4の内径は、通気穴付きブロック100の上方の大きさ縦200mm×横100mm程度に対して、1mm程度あれば十分である。また、通気穴4の貫通深さは、貯水箱保水体2(c)の内部の空気の流動抵抗が小さい場合には、適宜、浅くすることができ、最も浅い場合、貯水部2(a)の上端に達するまで貫通していればよい。また、通気穴4は通気穴付きブロック100の中央部に設けなくとも良く、通気穴4の本数は、一つの通気穴付きブロック100に対して1本あればよいが、貯水箱保水体2(c)の内部の空気の流動抵抗が大きい場合には、適宜、本数を増やせばよい。尚、通気穴4に上方からゴミなどが落下してこれを塞ぐことを防止するために、通気穴4の上部に金網等の通気性を有する蓋を設けてもよい。
【0029】
また、導水性部材5は、貯水箱2の内部の貯水部2(a)と通気穴付きブロック100の側方外部との間で水を移動させる導水性をもてばよく、図2においては、貯水箱枠体2(b)の側面上端を経由して、一端が貯水箱2の内部にある貯水箱保水体2(c)のほぼ底面に届くように位置決めされ、他端が通気穴付きブロック100すなわちブロック部材3の側面外壁に露出するように位置決めされている。また更に、導水性部材5は、貯水箱2の内部で貯水箱保水体2(c)の空隙がなす貯水部2(a)との間で導水できるように貯水箱保水体2(c)と接触して装着されている。導水性部材5の材質は連通多孔質セラミックス系や、不織布等の布系が好ましい。
【0030】
以上のようにすることで、屋外に設置した通気穴付きブロック100の上に雨水等の水がかけられた時、ブロック部材3の保水性部位や導水性部材5を毛細管現象により導水して貯水箱2の内部の貯水部2(a)に溜まっていく過程で、貯水部2(a)内の空隙体積が変化しても、この貯水部2(a)内の圧力は、通気穴4により、常に大気圧とほぼ同じ値に保持されるため、貯水部2(a)の内圧が導水性部材5等を毛細管現象により浸透してくる雨水の毛細管力を上回ることがなくなる。そのため貯水箱2の貯水部2(a)内により多量の水を貯えることが可能になる。また更に、この浸透する雨水は、貯水箱枠体2(b)の遮水性により、貯水箱2の内部から漏れずに貯えることが可能となる。
【0031】
図2の構成により、貯水箱2で水を貯水し、貯水された水を導水性部材5で目地砂8に供給することによって、潅水経路を構築することで、通気穴付きブロック100や目地砂8の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0032】
ここで本発明の請求項1における貯水箱2について更に詳しく実施形態例を説明する。貯水箱2は、図2を例として請求項1における第一の実施形態例を前述した通り、貯水箱枠体2(b)の内部に連通多孔質素材からなる貯水箱保水体2(c)を充填してその空隙で貯水部2(a)を形成したものであってもよいが、その他の形態をとることも可能である。
【0033】
請求項1における別の変形例では、貯水箱2は、直方体形状に成形された連通多孔質セラミックス体を貯水箱保水体2(c)として、側面と底面を遮水コーティングしてこれを貯水箱枠体2(b)とすることを特徴とする。
【0034】
また更に、貯水箱2は、必ずしも遮水性の貯水箱枠体2(b)をもたなくてもよい。
すなわち、請求項1における別の変形例では、上部に開口部を有するナノ細孔多孔質素材からなる容器を貯水箱枠体2(b)としてこの内部に連通多孔質セラミックス体を充填してこの空隙を貯水部2(a)とすることを特徴とする。このとき、ナノ細孔多孔質素材の透水係数が十分に小さいものであれば、貯水箱2はほとんど水を漏らすことがなく、実用上、貯水機能をもつ貯水箱2とみなすことができる。
【0035】
また、図3は本発明の通気穴付きブロックの請求項2における第二の実施形態例を示す概略縦断面図である。この図3に示すように、この通気穴付きブロック200においては、ブロック部材3が、直方体形状の多孔質ブロック7の上面を保護するように一体形成されている。多孔質ブロック7は連通多孔質セラミックス体でありこの空隙を貯水部2(a)とする構成である。このとき、地上の降水量によっては、多孔質ブロック7は、上方外部から下降もしくは側面から供給される水を底面や側面から漏らしてしまう場合があるが、透水性が要求される場合には、このような構成であってもよく、連通多孔質セラミックス体の空隙からなる貯水部2(a)が所定量の水を保水する能力をもてばよい。なお符号6は、多孔質ブロック7の空隙に貯水された水を示している。
【0036】
また、通気穴付きブロック200は図2と同様に、通気穴4が設けられ、この貯水部2(a)内の圧力は、通気穴4により、常に大気圧とほぼ同じ値に保持されている。
【0037】
図3の構成により、多孔質ブロック7を用いることによって、導水部材が不要となり、多孔質ブロック7で貯水された水が、目地砂を介してブロック部材3に供給されることによって、潅水経路を構築することで、通気穴付きブロック200や目地砂8の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0038】
図4は本発明の通気穴付きブロックの請求項3における第三の実施形態例を示す概略縦断面図である。この図4に示すように、この通気穴付きブロック300は、上部に上方外部から下降してくる、もしくは側面から供給される水を受けるための開口部を有し内部に貯水空間10を有する貯水トレー11と、貯水トレー11の前記開口部及び側面の全部を覆う貯水トレー保護体12と、貯水トレー保護体12の上面と側面とを覆うようにして貯水トレー保護体12と一体成形されて平板形状をなし全部が保水性を有するブロック部材3と、ブロック部材3の上面から貯水トレー保護体12の上面まで貫通した一つ以上の通気穴4と、貯水トレー11の内部の貯水空間10と通気穴付きブロック300の側面外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材5と、を有している。
【0039】
ここで、貯水トレー11は、通気穴付きブロック300の導水性部材5等を導水して下方に浸透する雨水等を貯える貯水機能をもてばよく、上部に開口部を有する箱であり、貯水トレー11の材質は、ポリプロピレン等のプラスチック系素材が成形性等に優れており好ましいが、該貯水トレー11は、貯水機能を有するものであれば、セラミックス系、金属系等、各種の材料が使用可能である。
【0040】
また貯水トレー保護体12は、貯水トレーを外部からの荷重に対して保護してかつブロック部材3と一体成形可能なものであればよく、貯水トレー保護体12の材質は、ポリプロピレン等のプラスチック系が成形性等に優れており好ましいが、セラミックス系、金属系等、各種の材料が使用可能である。
【0041】
また、ブロック部材3は、貯水トレー保護体12と一体成形されてかつ貯水トレー保護体12と共に貯水トレー11を保護して、かつ、ブロック部材3の上面すなわち通気穴付きブロック300の上面において、導水性部材5等を介して下方から供給された所定量の水を蒸発させるのに必要な保水性または導水性を有していればよく、図4においては、貯水トレー保護体12の上面及び四方向の側面を覆って貯水トレー保護体12と一体成形されて断面略コ字型形状をなすように構成されている。ここでブロック部材3の材質は、保水性を有するコンクリート・セメント系を含む連通多孔質セラミックス系が好ましい。
【0042】
更に、図4においては、貯水トレー11及び貯水トレー保護体12は、概略縦断面図で左右2個に分割されているが、これは、貯水トレー11を外部からの荷重に対して保護するために、通気穴付きブロック300の中央部において、ブロック部材3と貯水トレー保護体12による支柱構造を設けたことによる。
【0043】
通気穴4については、前述した請求項1における第一の実施形態例の説明によるが、これに加えて、貯水空間10が図4のように一つの通気穴付きブロック300の内部で複数に分割している場合、通気穴4の本数は一つの貯水空間10に対して1本あればよく、すなわち、図4においては2本あればよいが、該複数に分割した貯水空間10の気圧が等しくなるように通気穴付きブロック300内部に連通穴もしくは通気機構を有している場合には、通気穴付きブロック一つに対して1本あればよい。
【0044】
また、導水性部材5は、貯水トレー11の内部の貯水空間10とブロック部材3の側面外部との間で水を移動させる導水性をもてばよく、図4においては、貯水トレー保護体12の側面上端を経由して、一端が貯水トレー11の内部のほぼ底面に届くように位置決めされ、他端が通気穴付きブロック300すなわちブロック部材3の側面外壁に露出するように位置決めされている。ここで、導水性部材5の材質は連通多孔質セラミックス系や、不織布等の布系が好ましい。
【0045】
図4の構成により、貯水トレー11で水を貯水し、貯水された水を導水性部材5で目地砂8に供給することによって、潅水経路を構築することで、通気穴付きブロック300や目地砂8の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0046】
図5は本発明の通気穴付きブロックの請求項3における第三の変形例を示す概略縦断面図である。この図5に示すように、ブロック部材3の構成として、ポリプロピレン等のプラスチック系素材でブロック部材非保水性部位3(a)を成形して、直方体平板形状の上面および側面上部をブロック部材保水性部位3(b)として、保水性に優れたSiOを主成分とする連通多孔質セラミックス系素材で構成してもよい。あるいは、ブロック部材保水性部位3(b)の中でも特に該直方体平板形状の上面については太陽光等により超親水性を発現するTiOよりなるセラミックス系素材で構成してもよい。
【0047】
尚、図4や図5の実施形態例では、導水性部材5の貯水トレー保護体12に対する貫通位置は貯水トレー保護体12の側壁付近天井面に設置されているが、貯水トレー保護体12の側壁から貯水トレー保護体12を貫通するように形成してもよく、あるいは貯水トレー保護体12が貯水トレー11の上部しか覆っていない場合には、露出している貯水トレー11の側面にのみ貫通位置を設置する場合もある。
【0048】
また、貫通穴を設けずに導水性部材5を装着することもできる。その場合、貯水トレー保護体12は貯水トレー11の上部のみ覆い、貯水トレー11の側面は大部分露出状態にある。そして貯水トレー保護体12と貯水トレー11の側壁上端部との間には導水性部材5を外部に引き出すのに必要なクリアランスが形成されていて、導水性部材5はこのクリアランスを通して貯水トレー11の側壁上端を跨ぐように外部に引き出される。
【0049】
尚、導水性部材5を通気穴付きブロック400の側面外部に引き出す場合、この導水性部材5の引き出し高さは、導水性部材5の揚水可能高さの範囲内とする。すなわち、導水性部材5により貯水トレー11内の水を容易かつ確実に通気穴付きブロック400の外部に導水できる高さとする。それ故、使用する導水性部材5の種類に応じ、その揚水能力を考慮して導水性部材5の引き出し位置を決めればよい。
【0050】
またブロック部材3の内部を浸透して貯水トレー保護体12の上面に集まってきた水を効率よく貯水空間10へと滴下させるために、貯水トレー保護体12の天井面に取付けられ、またはこれを貫通するように集水部材9を複数本設置すると、貯水空間10への水の取り込みがより効率的になる。集水部材9の形状としは、長い棒状体や円錐体等が考えられる。
【0051】
尚、この際、集水部材9が貯水トレー11や貯水トレー保護体12の側壁を貫通するようにしてかつ一端が貯水トレー11内部に垂下するように設定すれば、この集水部材9に導水性部材5の役割も兼用させることができ好ましい。因みに、導水性部材5による導水量や通気穴4による水の取り込み量が大きい場合には、あえて集水部材9を装着する必要はない。
【0052】
図5の構成により、貯水トレー11で水を貯水し、貯水された水を導水性部材5で目地砂8に供給することによって、潅水経路を構築することで、通気穴付きブロック400や目地砂8の地表面部位への水の供給を安定して、かつ確実に行うことができる。
【0053】
図6は本発明の図5に示す通気穴付きブロック400を用いて潅水構造体を構成した、請求項3における潅水構造体の一実施形態例を示す概略縦断面図である。用いている符号は図5に示したものと同じものには同じ符号を付してある。
【0054】
図6に示すように本発明の潅水構造体は、路盤13上に図5に示した本発明の通気穴付きブロック400を平面状に隣接させながら複数個敷き詰め、隣接する通気穴付きブロック400同士の間隙に目地砂14を充填したものである。
【0055】
図6における潅水構造体にあっては、雨水等は通気穴付きブロック400の貯水トレー11内に貯えられており、外気が高温になった場合には、貯水トレー11内に貯えられている水6は、導水性部材5の毛細管力により目地砂14に供給され、次に目地砂14により上方に揚水され、この目地砂14に接している通気穴付きブロック400の側面に給水される。
【0056】
通気穴付きブロック400の側面に給水された水は通気穴付きブロック400内のブロック部材3を垂直方向及び水平方向に揚水または拡散し、最終的には通気穴付きブロック400の表面から蒸発し、その際、通気穴付きブロック400から熱を奪って通気穴付きブロック400を冷却する。もちろん、目地砂14の地表面露出部分からも蒸発してこれを冷却する。このようにして通気穴付きブロック400や目地砂14が蒸発潜熱で冷やされる。
【0057】
ここで重要なことは、通気穴付きブロック400や露出している目地砂14の表面から蒸発する水の量よりも下方から揚水(供給)される水の量が多くないと、継続して通気穴付きブロック400や目地砂14の表面部の一連の冷却は十分に行われなくなる、ということである。
【0058】
そのため図6に示す潅水構造体にあっては、図6に示すように目地砂14として揚水能力に特に優れたけい砂、具体的にはその粒度のピークとなるふるいの呼び寸法が425μm以下にあり、かつ、粒度のピークの重量比が30%以上であり、かつ、該目地砂の3ふるいの重量比が70%以上となるふるいの呼び寸法が212〜425μm以下である目地砂を用いる。具体的には6号けい砂、7号けい砂、8号けい砂または9号けい砂を用いることが好ましい。
【0059】
ここで、目地砂14の水平断面積も揚水量に大きく影響を与えるが、貯水トレー11内に十分な量の水が貯水されている場合において、計算によれば、目地砂14の水平断面積が18cm/mあれば、夏季の日中、すなわち、約1kW/mの日射量を受けている地表面で途切れなく水を蒸発させ続けるために必要な潅水量250g/h・m(6リットル/日)を十分に確保できる、という結果が得られた。ここで通気穴付きブロック400を通常行われている標準工法で布設すると、目地砂14の水平断面積は133cm/m以上になるため、実際には目地砂14の水平断面積はあまり考える必要がないことが確認できているため、図6における潅水構造体にあっては、揚水高さは目地砂14で、揚水量は導水性部材5の水平断面積を調整することで各々調整すればよいこととなる。
【0060】
ここで水平断面積18cm/mとは、1m当り必要な目地砂の断面積のことをいう。そしてその値は、図7に示すように、ある設計雨量(ここでは4〜9月の半年間に630mmの雨量とした)における給水高さ(ここでは210mm)と、導水性部材5の必要断面積の関係として実験により得た結果を用いた。設計雨量が変われば、給水高さ、必要断面積も異なるが、給水高さ、すなわち、貯水トレー11の下端から地表面までの高さが280mmまでの範囲であれば、6号けい砂の場合、必要断面積は100cm/m以下でよいことがわかる。
【0061】
ここで、潅水量250g/h・m(6リットル/日)は、1m当りの必要な時間当たりの潅水量を意味し、この値は文献「国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告 自然共生型流域圏・都市の再生、ISSN 1880-0114(H17年12月、国土交通省 国土技術政策総合研究所)」から引用した。
また標準工法で布設したときの目地砂14の水平断面積133cm/mは、30cm角の通気穴付きブロック400を目地幅3mmとして布設した場合の断面積であり、これよりも通気穴付きブロック400の断面積が小さくなった場合には、目地砂14の水平断面積はこれよりも大きくなる。
【0062】
以上から図6に示す潅水構造体において、隣接する通気穴付きブロック400同士の間隙にそれぞれ充填する目地砂14は、例えば6号〜9号けい砂であれば揚水力としては十分であることが図7から確認できた。
【0063】
また導水性部材5についても水平断面積を調整する必要がある。例えば布を用いた場合、通気穴付きブロック400の高さがせいぜい150mmであることを考慮すると、この布製の導水性部材5に求められる給水高さは最大150mm程度である。このとき、図8のa(布)に示す布製の導水性部材5を使用すれば、必要断面積は30cm/mとなる。いま1mに20枚の通気穴付きブロック400を布設する場合を考えると、通気穴付きブロック1枚当りの導水性部材5の必要断面積は約1.5cmとなり、これは0.1cm厚の布15cmに相当し、これを設置することで、地表面からの蒸発量を充足するのに必要な水を揚水することが可能となる。
【0064】
図6に示す潅水構造体にあっては、通気穴付きブロック400上に降った雨水等は、通気穴付きブロック400または目地砂14を浸透して導水性部材5に至り、導水性部材5の導水性により、貯水トレー11の内部の貯水空間10に導水されて貯水される。あるいは降水量が多い場合には、通気穴4から直接、貯水トレー11の内部の貯水空間10に集められて貯水される。
【0065】
このように本発明の潅水構造体によれば、降水量におおよそ比例してより多くの貯水量
を確保できる。また外気温が高温になった場合には、確保されている十分な貯水量で、長
期間に亘って通気穴付きブロック400に雨水等を安定して供給でき、その蒸発潜熱で通気穴付きブロック400の表面部を冷却し続けることができる。
【0066】
尚、前記実施形態例では、本発明の通気穴付きブロック400を図6に示す潅水構造体に使用した例を示しているが、本発明の通気穴付きブロックは、一般的な保水性ブロック舗装や、屋上庭園等の潅水構造体に使用することも可能である。例えば、通気穴付きブロック400の導水性部材5の他端に目地砂14以外の高揚水性部材を連結または接触等させて、通気穴付きブロック400の地表面に水を導くタイプの潅水構造体にも適用可能である。
【0067】
以上に述べた本発明の効果を整理すると、第一の効果としては、貯水空間10と外気とを通気穴4により連通した場合には、降雨等に際して、より容易にかつ確実に貯水空間10内に十分な水を貯えることができるようになる。
【0068】
本発明の第二の効果としては、貯水空間10内に貯えた水を上方の通気穴付きブロックや地表に露出している目地砂14へ、これら表面からの蒸発量に見合う十分な水量を供給できる点にある。
【0069】
以上に説明したように本発明によれば、雨水等が降った時には、地下の貯水箱または貯水トレーに十分な水を浸透させることができ、外気温が高温の場合には、貯水箱または貯水トレーに貯水した水を用いて通気穴付きブロック表面や目地砂表面に蒸発量を充足する十分な量の水を供給でき、その結果、地表面を安定して冷却できる機能を備えた通気穴付きブロックと、微粒目地砂とこの通気穴付きブロックを用いた潅水構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の通気穴付きブロックの第一の実施形態例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す通気穴付きブロックの概略縦断面図である。
【図3】本発明の通気穴付きブロックの第二の実施形態例を示す概略縦断面図である。
【図4】本発明の通気穴付きブロックの第三の実施形態例を示す概略縦断面図である。
【図5】本発明の通気穴付きブロックの第四の実施形態例を示す概略縦断面図である。
【図6】本発明の潅水構造体の実施形態例を示す概略縦断面図である。
【図7】けい砂の種類による給水高さとその必要断面積の関係を示すグラフである。
【図8】導水性部材の種類による給水高さとその必要断面積の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0071】
100、200、300、400 通気穴付きブロック
2 貯水箱
3 ブロック部材
3(a)ブロック部材非保水性部位
3(b)ブロック部材保水性部位
4 通気穴
5 導水性部材
6 水
8、14 目地砂
9 集水部材
10 貯水空間
11 貯水トレー
12 貯水トレー保護体
13 路盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、
水を貯水するための貯水部を内部に有する貯水箱と、
該貯水箱の上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該貯水箱と一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、
該貯水箱または該ブロック部材の上面から少なくとも該貯水箱の内部の貯水部の上端に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、
該貯水箱の内部の貯水部と該ブロック部材の側方外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材と、
を有することを特徴とする通気穴付きブロック。
【請求項2】
路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、
水を貯水するための貯水部を内部に有する多孔質ブロックと、
該多孔質ブロックの上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該多孔質ブロックと一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、
該多孔質ブロックまたは該ブロック部材の上面から少なくとも該貯水箱の内部の貯水部の上端に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、
を有することを特徴とする通気穴付きブロック。
【請求項3】
路盤上方に目地砂を挟んで配置される通気穴付きブロックにおいて、
水を受けるための開口部を有し内部に貯水空間を有する貯水トレーと、
該貯水トレーの前記開口部及び側面の全部またはその一部とを覆う貯水トレー保護体と、
該貯水トレー保護体の上面の全部またはその一部を覆うようにして配置され、該貯水トレー保護体と一体成形されて平板形状をなし全部またはその一部が保水性または導水性を有するブロック部材と、
該貯水トレー保護体または該ブロック部材の上面から該貯水トレーの内部の貯水空間に達するまで貫通した一つ以上の通気穴と、
該貯水トレーの内部の貯水空間と該ブロック部材の側方外部との間で水を移動させる導水性を有する導水性部材と、
を有することを特徴とする通気穴付きブロック。
【請求項4】
路盤上方に平面状に敷き詰められる複数個の請求項1〜請求項3いずれかに記載の通気穴付きブロックと、
該複数個の通気穴付きブロックの間隙に充填される保水性、透水性及び揚水性を備えた目地砂であってかつ該目地砂の粒度のピークとなるふるいの呼び寸法が425μm以下にありかつ該目地砂の粒度のピークの重量比が30%以上でありかつ該目地砂の3ふるいの重量比が70%以上となるふるいの呼び寸法が212〜425μm以下である目地砂と、
を有することを特徴とする潅水構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−150789(P2010−150789A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329020(P2008−329020)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】