説明

通話録音システム、通話録音方法

【課題】通話者の合意により通話の録音を行うとともに、その合意を証拠として残す。
【解決手段】IP電話装置2Aは、通話の録音に対する通話者の合意による録音開始操作を受け付けて、合意を示す許可データを生成するとともに、録音開始通知をIP電話装置2Bに送る。その後、IP電話装置2Aおよび2Bは、RTPパケットと異なる独自パケットによる通話を行う。通話録音装置3は、キャプチャリングした録音開始通知から特定される通話の独自パケットに含まれる音声データを録音する。IP電話2Aは、録音終了操作を受け付けて、許可データを通話録音装置3に送信する。通話録音装置3は、受信した許可データを録音した音声データと対応付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムにおける通話録音技術に関し、特に、IP(Internet Protocol)電話システムにおける通話録音システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IPネットワーク上での通話を実現したIP電話システムにおいて、通話内容を録音する技術が知られている。例えば、次のようなIP電話システムがある(特許文献1)。
【0003】
すなわち、通話を行う端末間の呼制御を行う音声呼制御管理装置と、電話端末として機能するIP電話端末と、端末間の通話内容を録音する通話録音サーバとを備えたIP電話システムにおいて、音声呼制御管理装置は、IP電話端末間の通話が行われている間に、それらのIP電話端末間の通話内容を録音する要求を受け付けると、それぞれのIP電話端末の通話先を通話録音サーバに切り替える呼制御を行う。通話録音サーバは、それぞれのIP電話端末から受け付けた音声パケットを、元の通話先であるIP電話端末に転送するとともに、音声パケットを記憶装置に蓄積して、通話内容の録音を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2003−46646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、情報化社会の進展とともに、コンピュータなどに蓄積された個人のプライバシーにかかわるデータ、いわゆる個人情報が第三者に漏洩する危険性が高まっており、個人情報の安全かつ適切な管理が求められている。
【0006】
このような中、電話の通話内容や通話者の音声などは、個人を特定することができる情報や機密情報となりうるため、個人情報として安全かつ適切に保護する必要性が高まりつつある。そのため、電話の通話内容や通話者の音声などの個人情報は、通話者の合意が得られてから録音されるのが望ましい。また、録音の後、電話の通話内容や通話者の音声などの個人情報の録音が通話者の合意を得てから行われたということを証明できることが望ましい。
【0007】
例えば、顧客へのサポートを行うコールセンターなどでは、オペレータが通話内容の録音について顧客の合意を得ていなかった場合、もしくは、顧客の合意を得たとうい証拠を残していなかった場合、個人情報を勝手に録音したとして顧客からクレームを付けられる可能性がある。
【0008】
しかしながら、上記のような従来のシステムは、通話者の合意を得ずに、通話を録音することができる構成となっている。すなわち、通話者は、他の通話者の同意を得ずに、通話内容や音声などの個人情報を録音することができる。また、録音された個人情報のデータは、合意の証拠が残らない形で、音声データとしてIP電話装置や通話録音サーバなどに蓄積される。
【0009】
本発明は、通話者の合意により通話の録音を行うとともに、その合意を証拠として残すための技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、ネットワークに接続された装置間の通話を録音する通話録音システムであって、通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける手段と、通話者の合意を受け付けた後、通話先の電話装置に送信する音声データに録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う手段と、通話者の合意を示す許可データを生成してネットワーク上に送信する手段と、ネットワーク上から録音対象であることを示す情報が付加された音声データおよび許可データを検知する手段と、検知した音声データを録音データとして蓄積する手段と、検知した許可データを蓄積した録音データと対応付けて記憶する手段とを備えることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明を適用した通話録音システムの構成の概要を示す図である。
【0013】
通話録音システム1は、例えば、企業の事業所などの構内に構築されたシステムであり、コンピュータネットワークとIP電話ネットワークが統合されたIP電話システムである。通話録音システム1は、公衆網・IP網6などのネットワークを介して、他のシステム7と接続される。ユーザは、通話録音システム1上のIP電話装置2(2A、2B)を用いて、公衆網・IP網6などのネットワークを介して、他のシステム7上の電話装置8と通話を行うことができる。また、ユーザは、通話録音システム1上のIP電話装置2を用いて、他のIP電話装置2と内線通話を行うことができる。
【0014】
他のシステム7は、例えば、住宅や企業の事業所などの構内に構築された一般加入電話回線であり、電話装置8(8C)を備える。ユーザは、電話装置8を用いて、公衆網・IP網6などのネットワークを介して、通話録音システム1上のIP電話装置2と通話を行うことができる。もちろん、他のシステム7は、IP電話システムであってもよいし、電話装置8は、IP電話であってもよい。
【0015】
本実施形態において、通話録音システム1は、顧客へのサポートなどを電話により行うためのコールセンターの構内に構築されたシステムであるものとして説明する。
【0016】
通話録音システム1は、複数のIP電話装置2と、通話録音装置3と、呼制御装置4とが、LAN5などのIPネットワークに接続されて構成される。もちろん、各装置は、それぞれ複数備えられていてもよい。
【0017】
IP電話装置2は、他のIP電話装置2や他のシステム7上の電話装置8と通話を行うための装置である。IP電話装置2は、例えば、一般的なPC(Personal Computer)などのコンピュータであり、所定のプログラムがインストールされることによりソフトフォンとして機能し、VoIPによるIP電話機能をユーザに提供する。なお、IP電話装置2は、IP電話を主要な機能とするIP電話機であってもよい。
【0018】
通話録音装置3は、録音対象の通話の内容を録音するための装置である。通話録音装置3は、例えば、サーバなどの一般的なコンピュータであり、所定のプログラムがインストールされることにより通話録音装置として機能し、LAN5上を流れるデータをキャプチャリングし、録音対象の通話の音声データを取得して、録音データとして記憶装置上に蓄積する。
【0019】
呼制御装置4は、IP電話装置2間の通話や、IP電話装置2と他のシステム7上の電話装置8との通話の制御などを行うための装置である。呼制御装置4は、例えば、IP−PBXとしての機能を専用ハードウェアやソフトウェアにより実現した装置である。
【0020】
本実施形態において、通話録音システム1は、通話1の通話内容を録音の対象とする。通話1は、例えば、顧客へのサポートを行うオペレータであるユーザAと、オペレータの監督やアシストを行うスーパバイザであるユーザBとの間の通話である。なお、コールセンターにおいて、オペレータは、顧客との通話中に、スーパバイザからアシストを受けたり、顧客へのサポートをスーパバイザと交替したりすることがある。その際に、オペレータもしくはスーパバイザは、顧客の個人情報を含む通話の内容を録音することがある。
【0021】
次に、上記のような通話録音システム1の動作の概要を、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る通話録音システムの動作の概要を示すシーケンス図である。なお、呼制御装置4による通話の呼制御についての説明は省略する。
【0022】
まず、IP電話装置2AとIP電話装置2Bとの間で通話セッションが確立され、ユーザAとユーザBとの間で通話が行われる(S10、S12)。通話は、例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)パケットにより、ユーザAとユーザBの音声データが送受信されて実現される。
【0023】
通話が行われている間、通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S14)。ここで、通話録音装置3は、録音対象の通話を特定する情報が後述する録音リストに登録されていないため、録音を行わない。
【0024】
通話が行われている間に、通話の録音を開始するユーザの操作を受け付けると(S16)、IP電話装置2Aは、許可データの生成を行う(S18)。許可データは、例えば、ユーザAとユーザBの通話の録音についての合意を示す音声データである。また、IP電話装置2Aは、通話の録音を開始することを示すデータである録音開始通知をIP電話装置2Bに送る(S20)。そして、IP電話装置2Bは、録音開始通知を受信する(S22)。録音開始通知は、例えば、上記のRTPパケットと異なる形式の独自パケットにより送信される。通話録音装置3は、録音開始通知をキャプチャリングすると(S24)、キャプチャリングした録音開始通知の内容から特定される通話を録音対象として録音リストに登録する(S26)。
【0025】
録音開始通知の送信後(S20)、IP電話装置2Aは、独自パケットにより音声データの送受信をIP電話装置2Bと行う(S28)。また、録音開始通知の受信後(S22)、IP電話装置2Bは、独自パケットにより音声データの送受信をIP電話装置2Aと行う(S30)。通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S32)。そして、録音リストに登録された通話の独自パケットに含まれる音声データの録音を行う(S34)。
【0026】
録音が行われている間に、通話の録音を終了するユーザの操作を受け付けると(S36)、IP電話装置2Aは、RTPパケットにより、生成した許可データを通話録音装置3に送信する(S38)。通話録音装置3は、許可データを受信すると(S40)、受信した許可データを録音した録音データ(S34)と対応付けて登録する(S42)。また、IP電話装置2Aは、通話の録音を終了することを示すデータである録音終了通知をIP電話装置2Bに送る(S44)。そして、IP電話装置2Bは、録音終了通知を受信する(S46)。録音終了通知は、独自パケットにより送信される。通話録音装置3は、録音終了通知をキャプチャリングすると(S48)、キャプチャリングした録音終了通知の内容から特定される通話を録音リストから削除する(S50)。
【0027】
録音が終了すると、S10、12と同様に、IP電話装置2AとIP電話装置2Bとの間で通話が行われる(S52、S54)。通話は、RTPパケットにより行われる。また、S14と同様に、通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S56)。ここで、通話録音装置3は、録音対象の通話を特定する情報が録音リストに登録されていないため、録音を行わない。
【0028】
以上のようにして、通話録音システム1は、LAN5に接続されたIP電話装置2間の通話1を録音することができる。
【0029】
次に、本実施形態について、より具体的に説明する。
【0030】
図3は、IP電話装置2の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
本図に示すように、IP電話装置2上には、制御部200と、記憶部220とが構築される。制御部200は、通信処理部202と、検知処理部204と、音声認識部206と、先行録音部208と、許可データ生成部210と、許可データ送信部212とを有する。また、記憶部220は、許可データテーブル222と、先行録音データテーブル224とを有する。なお、後述するように、音声認識部206および先行録音部208は、少なくともいずれか一つが備えられていればよい。ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0032】
上記の機能で構成されるIP電話装置2は、例えば、図10に示すような、各種演算を実行するCPU11と、プログラムやデータを格納する主記憶装置12と、ハードディスク等の補助記憶装置13と、キーボード、マウスやマイクロフォンなどの入力装置14と、ディスプレイやスピーカなどの出力装置15と、CD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体の情報を読み出すメディア読取装置16と、通信を行うための通信装置17と、を備えた一般的なコンピュータ10である。もちろん、コンピュータ10の構成は上記に限られず、入力装置および出力装置として機能する、通話を行うためのヘッドセットやハンドセットを接続するようにしてもよい。
【0033】
制御部200や記憶部220は、例えば、CPU11が補助記憶装置13に予め記憶されている所定のプログラムを主記憶装置12にロードして実行することにより達成される。記憶部220は、データを一時的に保持する場合は主記憶装置12を利用して、継続的に保持する場合は補助記憶装置13を利用して実現される。
【0034】
プログラムは、メディア読取装置16を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、補助記憶装置13にダウンロードされ、それから、主記憶装置12上にロードされてCPU11により実行されるようにしてもよい。また、可搬型を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、主記憶装置12上に直接ロードされ、CPU11により実行されるようにしてもよい。
【0035】
図3に戻って、制御部200は、上記の各種装置および機能部を制御して、IP電話装置2全体の動作を制御する。
【0036】
通信処理部202は、各種通信プロトコルを処理し、通信装置17を介してLAN5上に接続された装置と通信を行う。通信処理部202は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)などによりVoIPの呼制御処理を行ったり、RTPパケットにより音声データの送受信などを行ったりする。また、通信処理部202は、独自パケットにより、音声データの送受信を行ったり、録音開始通知や録音終了通知を送受信したりする。
【0037】
独自パケットは、例えば、図4に示すように構成される。図4(A)に示すように、独自パケットは、RTPパケット(RFC1890)に準拠した形式である。図4(B)に示すように、独自パケットでは、RTPパケットのpayload type(PT)の未定義の範囲に独自のタイプが定義される。ここでは、PT=77(10進)の場合、録音対象の音声データが格納されたパケットであることを示す。PT=78の場合、録音開始通知であることを示す。PT=79の場合、録音終了通知であることを示す。
【0038】
もちろん、上記の独自パケットは、一例であり、通常のRTPパケットと区別することができれば、他の形式であってもよい。また、独自パケットを用いない場合は、例えば、RTPパケットに格納される音声データの無音部分の、人間の可聴周波数域外の周波数域に制御情報を埋め込んだり、RTPパケットに格納される音声データの音声波形上の、人間の可聴周波数域外の周波数域に制御情報を埋め込んだりする方式を用いることができる。なお、これらの場合、録音対象のパケットであるかを識別するために、音声データに制御情報が含まれているか否かを判定する必要がある。
【0039】
図3に戻って、検知処理部204は、通話先のIP電話装置2から送信される独自パケット、すなわち、音声データ、録音開始通知、録音終了通知を検知し、通信処理部202に対応する処理を実行するように要求する。
【0040】
音声認識部206は、通話の録音に関するユーザの合意や、録音の終了の指示を音声により認識し、通信処理部202、許可データ生成部210、許可データ送信部212に対応する処理を実行するように要求する。音声認識部206は、例えば、音声認識システムを用いることにより実現される。
【0041】
具体的には、音声認識部206は、録音の合意があったか否かを判定するための単語や文章のデータを予め記憶しておき、これらのデータと、マイクロフォンなどの入力装置14を介して入力されたユーザの音声から認識した単語や文章とが一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定した場合、ユーザの合意があったものと認識し、ユーザの合意を証明するデータ、例えば、合意を示す音声データを、許可データ生成部210に出力する。
【0042】
ユーザの合意を判定するための単語や文章のデータには、例えば、いずれか一方の話者の「ただいまより通話を録音させていただきます。よろしいでしょうか。」という音声と、他方の話者の「はい。」という音声の組み合わせを用いることができる。
【0043】
もちろん、合意の判定の方法はこれに限られず、合意を証明できれば、他の方法であってもよい。例えば、「通話の録音が許可されました。」などという一方の話者の音声を用いることができる。また、上記のような音声認識以外の方法としては、後述する先行録音を用いることができる。なお、合意を証明するデータは、音声データに限られず、合意を証明できれば、例えば、電子署名のようなデータであってもよい。
【0044】
先行録音部208は、所定の時間幅の通話内容を録音し、通話の録音に関するユーザの指示や、録音の終了の指示を受け付けると、通信処理部202、許可データ生成部210、許可データ送信部212に対応する処理を実行するように要求する。
【0045】
具体的には、先行録音部208は、先行録音データテーブル224を用いて、所定の時間幅、例えば、30秒の通話を録音する。そして、キーボードやマウスなどの入力装置14を介して通話の録音の開始を示すユーザの指示を受け付けた場合、ユーザの指示を受け付けたときに録音されている通話の音声データ、例えば、ユーザの指示の前30秒間の音声データを、合意を証明するデータとして、許可データ生成部210に出力する。
【0046】
先行録音データテーブル224は、例えば、図6に示すように、m秒の時間幅の音声データを格納するための領域N(x)を、n個(1以上)備える。例えば、最大30秒の通話を録音する場合、m=10、n=3であり、現在時刻を0秒とすると、N(0)には−1秒〜−10秒の音声データ、N(1)には−11秒〜−20秒の音声データ、N(2)には−21〜−30秒の音声データが格納される。
【0047】
すなわち、先行録音データテーブル224には、10秒ごとに、N(x)の音声データがN(x+1)にシフトして格納され、通話の録音の開始を示すユーザの指示の前30秒間の音声データが録音される。なお、最後尾の領域N(n−1)に格納された音声データは、10秒後に、削除されることとなる。もちろん、先行録音の方法は、上記に限られない。
【0048】
図3に戻って、許可データ生成部210は、上述の音声認識部206、先行録音部208が出力した通話の録音の合意を示すデータを取得し、合意を証明する許可データとして、許可データテーブル222に格納する。
【0049】
許可データテーブル222は、例えば、図5に示すように、自身のIP電話装置2のIPアドレスを示す送信側IPアドレス2221と、通話先のIP電話装置2のIPアドレスを示す受信側IPアドレス2222と、取得した許可データ2223とを対応付けて格納する。
【0050】
図3に戻って、許可データ送信部212は、上述の通信処理部202を介して録音の終了の指示を受け付けると、許可データテーブル222に格納した、送信側IPアドレス2221と、受信側IPアドレス2222と、許可データ2223とを、予め指定された通話録音装置3に、RTPパケットにより送信する。通話録音装置3は、複数指定されていてもよい。
【0051】
図7は、通話録音装置3の機能構成を示すブロック図である。
【0052】
本図に示すように、通話録音装置3上には、制御部300と、記憶部320とが構築される。制御部300は、通信処理部302と、検知処理部304と、録音処理部306と、録音データ登録処理部308と、許可データ登録処理部310とを有する。また、記憶部320は、録音リスト322と、録音データテーブル324とを有する。
【0053】
上記の機能で構成される通話録音装置3は、例えば、上述した一般的なコンピュータ10(図10参照)である。もちろん、コンピュータ10の構成は上記に限られない。
【0054】
制御部300や記憶部320は、例えば、CPU11が補助記憶装置13に予め記憶されている所定のプログラムを主記憶装置12にロードして実行することにより達成される。記憶部320は、データを一時的に保持する場合は主記憶装置12を利用して、継続的に保持する場合は補助記憶装置13を利用して実現される。
【0055】
プログラムは、メディア読取装置16を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、補助記憶装置13にダウンロードされ、それから、主記憶装置12上にロードされてCPU11により実行されるようにしてもよい。また、可搬型を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、主記憶装置12上に直接ロードされ、CPU11により実行されるようにしてもよい。
【0056】
図7に戻って、制御部300は、上記の各種装置および機能部を制御して、通話録音装置3全体の動作を制御する。
【0057】
通信処理部302は、各種通信プロトコルを処理し、通信装置17を介してLAN5上に接続された装置と通信を行う。
【0058】
検知処理部304は、通信処理部302を介して、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングすることにより、上述した独自パケット、すなわち、音声データ、録音開始通知、録音終了通知を検知する。また、IP電話装置2から送信されたRTPパケットの許可データを検知する。そして、検知処理部304は、録音処理部306、録音データ登録処理部308、許可データ登録処理部310に対応する処理を実行するように要求する。
【0059】
録音処理部306は、検知処理部304が検知した独自パケットを取得し、音声データの録音を行う。具体的には、録音処理部360は、図8に示すような、録音リスト322を用いて、録音対象の通話の音声データを録音する。
【0060】
録音リスト322は、録音対象の通話(以下、「録音エントリ」と呼ぶ。)ごとに、その通話の音声データを格納する。録音エントリは、録音対象の通話の送信側IPアドレス3221と、録音対象の通話の受信側IPアドレス3222と、録音を開始した時刻を示す録音開始時刻3223と、録音を終了した時刻を示す録音終了時刻3224と、検知された独自パケットの最新の時刻を示す最終更新時刻3225と、取得した送信側音声データ3226と、取得した受信側音声データ3227とが対応付けられて構成される。
【0061】
録音処理部306は、録音開始通知が検知されると、録音エントリを追加する。すなわち、検知された録音開始通知の送信IPアドレスを送信側IPアドレス3221に設定し、検知された録音開始通知の受信IPアドレスを受信側IPアドレス3222に設定し、検知された録音開始通知のタイムスタンプを録音開始時刻3223に設定する。
【0062】
また、録音処理部306は、独自パケットの音声データが検知された場合に、検知された音声データの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、もしくは、検知された音声データの受信IPアドレスおよび送信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222を有する録音エントリが、録音リスト322に設定されていない場合、録音エントリを追加する。すなわち、検知された音声データの送信IPアドレスを送信側IPアドレス3221に設定し、検知された音声データの受信IPアドレスを受信側IPアドレス3222に設定し、検知された音声データのタイムスタンプを録音開始時刻3223に設定する。
【0063】
また、録音処理部306は、録音終了通知が検知されると、検知された録音終了通知のタイムスタンプを、対応する録音エントリの録音終了時刻3224に設定する。すなわち、検知された録音終了通知の送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、もしくは、検知された録音終了通知の受信IPアドレスおよび送信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222を有する録音エントリについて、検知された録音終了通知のタイムスタンプを録音終了時刻3224に設定する。
【0064】
また、録音処理部306は、録音終了通知が最終更新時刻3225から所定時間、例えば30分以内に検知されない録音エントリについて、その所定時間を経過した時刻を録音終了時刻3224に設定する。
【0065】
なお、録音処理部306は、上記のように、録音終了時刻3224を設定した後、後述する録音データ登録処理部308による録音データの登録が終了すると、録音終了時刻3224を設定した録音エントリを、録音リスト322から削除する。
【0066】
また、録音処理部306は、検知された最新の独自パケットのタイムスタンプを、対応する録音エントリの最終更新時刻3225に設定する。すなわち、録音処理部306は、独自パケットが検知されるたびに、検知された独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、もしくは、検知された独自パケットの受信IPアドレスおよび送信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222を有する録音エントリについて、最終更新時刻3225を更新する。
【0067】
また、録音処理部306は、独自パケットの音声データが検知されると、検知された音声データの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、もしくは、検知された音声データの受信IPアドレスおよび送信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222を有する録音エントリを録音リスト322の中から検索する。そして、送信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致し、かつ、受信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致する場合、音声データを送信側音声データ3226に格納する。一方、送信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致し、かつ、受信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致する場合、音声データを受信側音声データ3227に格納する。
【0068】
図7に戻って、録音データ登録処理部308は、検知処理部304により録音終了通知が検知されると、録音リスト322に設定された音声データなどを、録音が終了した録音データとして登録する。
【0069】
具体的には、録音データ登録処理部308は、図9に示すような、録音データテーブル324を用いて、録音データを蓄積する。
【0070】
録音データテーブル324は、録音が終了した録音エントリごとの録音データ(以下、「録音データエントリ」と呼ぶ。)を格納する。録音データエントリは、録音が終了した通話の送信側IPアドレス3241と、録音が終了した通話の受信側IPアドレス3242と、録音を開始した時刻を示す録音開始時刻3243と、録音を終了した時刻を示す録音終了時刻3244と、検知された許可データ3245と、録音された送信側の音声データである送信側録音データ3246と、録音された受信側の音声データである受信側録音データ3247とが対応付けられて構成される。
【0071】
録音データ登録処理部308は、録音処理部306により録音エントリの録音終了時刻3224が設定されると、録音データエントリを追加する。そして、録音終了時刻が設定された録音エントリの送信側IPアドレス3221と、受信側IPアドレス3222と、録音開始時刻3223と、録音終了時刻3224と、送信側音声データ3226と、受信側音声データ3227とを取得し、それぞれを、追加した録音データエントリの、送信側IPアドレス3241と、受信側IPアドレス3242と、録音開始時刻3243と、録音終了時刻3244と、送信側録音データ3246と、受信側録音データ3247とに設定する。
【0072】
図7に戻って、許可データ登録処理部310は、検知処理部304によりIP電話装置2から送信されたRTPパケットの許可データが検知されると、録音データに許可データを関連付けて登録する。すなわち、許可データ登録処理部310は、検知されたRTPパケットに含まれる送信側IPアドレスおよび受信側IPアドレスと一致する、もしくは、検知されたRTPパケットに含まれる受信側IPアドレスおよび送信側IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3241および受信側IPアドレス3242を有する録音データエントリについて、検知されたRTPパケットに含まれる許可データを許可データ3245に設定する。
【0073】
次に、上記の構成によって実現される通話録音システム1の動作について説明する。
【0074】
図11は、録音開始通知を受信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、IP電話装置2の間の通話セッションが確立した後開始される。なお、本フローを実行するIP電話装置2は、図1、2のIP電話装置2Bに対応する。
【0075】
本フローが開始されると、通信処理部202は、RTPパケットを用いて音声データを通話先のIP電話装置2と送受信することにより、通話を開始する(S110)。
【0076】
RTPパケットによる通話が開始されると(S110)、検知処理部204は、独自パケットの録音開始通知を受信したか否かを監視する(S115)。録音開始通知を受信していないと判定した場合(S115でNO)、S120に進む。一方、録音開始通知を受信したと判定した場合(S115でYES)、S125に進む。
【0077】
録音開始通知を受信していないと判定された場合(S115でNO)、通信処理部202は、通話の終了の指示がされていないか否かを監視する(S120)。具体的には、キーボードやマウスなどの入力装置14を介して、ユーザの操作により通話の終了が指示されたか否か、また、通話先のIP電話装置2から通話の終了を示す信号を受信したか否かなどを判定する。そして、通話の終了の指示がされたと判定した場合(S120でYES)、本フローを終了する。一方、通話の終了の指示がされていないと判定した場合(S120でNO)、S115に戻る。
【0078】
一方、録音開始通知を受信したと判定された場合(S115でYES)、通信処理部202は、独自パケットを用いて音声データの送受信を通話先のIP電話装置2と開始する(S125)。
【0079】
独自パケットによる通話が開始されると(S125)、検知処理部204は、独自パケットの録音終了通知を受信したか否かを監視する(S130)。録音終了通知を受信していないと判定した場合(S130でNO)、S135に進む。一方、録音終了通知を受信したと判定した場合(S130でYES)、S110に戻る。
【0080】
録音終了通知を受信していないと判定された場合(S130でNO)、通信処理部202は、通話の終了の指示がされていないか否かを監視する(S135)。そして、通話の終了が指示されたと判定した場合(S135でYES)、本フローを終了する。一方、通話の終了が指示されていないと判定した場合(S135でNO)、S130に戻る。
【0081】
以上のようにして、IP電話装置は、通話先のIP電話装置から、録音の開始もしくは終了を示す通知を受け付け、独自パケットによる音声データの送受信を、開始もしくは終了することができる。
【0082】
図12は、音声認識による録音開始通知を送信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、IP電話装置2の間の通話セッションが確立した後実行される。なお、本フローを実行するIP電話装置2は、図1、2におけるIP電話装置2Aに対応する。
【0083】
本フローが開始されると、通信処理部202は、RTPパケットを用いて音声データを通話先のIP電話装置2と送受信することにより、通話を開始する(S210)。
【0084】
RTPパケットによる通話が開始されると(S210)、音声認識部206は、録音開始操作があったか否かを監視する(S215)。具体的には、音声認識部206は、音声認識によりユーザの音声が示す単語や文章を特定し、予め定めた単語や文章と一致するか否かにより、通話の録音に関するユーザの合意があったか否かを判定する。そして、録音開始操作、すなわち、ユーザの合意があったと判定した場合(S215でYES)、ユーザの合意を示す音声データを許可データ生成部210に出力するとともに、S225に進む。一方、録音開始操作、すなわち、ユーザの合意がないと判定した場合(S215でNO)、S220に進む。
【0085】
録音開始操作がないと判定された場合(S215でNO)、通信処理部202は、通話の終了の指示がされていないか否かを監視する(S220)。具体的には、キーボードやマウスなどの入力装置14を介して、ユーザの操作により通話の終了が指示されたか否か、また、通話先のIP電話装置2から通話を終了する信号を受信したか否かなどを判定する。そして、通話の終了の指示がされたと判定した場合(S220でYES)、本フローを終了する。一方、通話の終了の指示がされていないと判定した場合(S220でNO)、S215に戻る。
【0086】
一方、録音開始操作があったと判定された場合(S215でYES)、許可データ生成部210は、音声認識部206が出力したユーザの合意を示す音声データ(S215)を取得し、許可データを生成する(S225)。具体的には、取得した許可データを、許可データテーブル222の許可データ2223に設定する。また、自身のIP電話装置2のIPアドレスを送信側IPアドレス2221に、通話先のIP電話装置2のIPアドレスを受信側IPアドレス2222に設定する。
【0087】
許可データが生成されると(S225)、通信処理部202は、独自パケットの録音開始通知を、通話先のIP電話装置2に送信する(S230)。
【0088】
録音開始通知を送信すると(S230)、通信処理部202は、独自パケットを用いて音声データの送受信を通話先のIP電話装置2と開始する(S235)。
【0089】
独自パケットによる通話が開始されると(S235)、通信処理部202は、録音終了操作があったか否かを監視する(S240)。具体的には、通信処理部202は、キーボードやマウスなどの入力装置14を介して、ユーザの操作により録音の終了が指示されたか否かを判定する。そして、録音終了操作がないと判定した場合(S240でNO)、S245に進む。一方、録音終了操作があったと判定した場合(S240でYES)、S250に進む。もちろん、音声認識部206が、音声認識により録音の終了が指示されたか否かを判定するようにしてもよい。
【0090】
録音終了操作がないと判定した場合(S240でNO)、通信処理部202は、通話の終了の指示がされていないか否かを監視する(S245)。そして、通話の終了の指示がされたと判定した場合(S245でYES)、S260に進む。一方、通話の終了の指示がされていないと判定した場合(S245でNO)、S240に戻る。
【0091】
一方、録音終了操作があったと判定された場合(S240でYES)、許可データ送信部212は、生成された許可データ(S225)を、RTPパケットにより予め定めた通話録音装置3に送信する(S250)。具体的には、許可データテーブル222の送信側IPアドレス2221と、受信側IPアドレス2222と、許可データ2223とを送信する。
【0092】
許可データが送信されると(S250)、通信処理部202は、独自パケットの録音終了通知を、通話先のIP電話装置2に送信し(S255)し、S210に戻る。
【0093】
一方、通話の終了の指示がされたと判定した場合(S245でYES)、許可データ送信部212は、生成された許可データ(S225)を、RTPパケットにより予め定めた通話録音装置3に送信する(S260)。具体的には、許可データテーブル222の送信側IPアドレス2221と、受信側IPアドレス2222と、許可データ2223とを送信する。
【0094】
許可データが送信されると(S260)、通信処理部202は、独自パケットの録音終了通知を、通話先のIP電話装置2に送信し(S265)し、本フローを終了する。
【0095】
以上のようにして、IP電話装置は、ユーザの合意があった場合に、独自パケットによる音声データの送受信を開始することができる。また、ユーザの合意を示すデータを、通話録音装置に送信することができる。
【0096】
図13は、先行録音による録音開始通知を送信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、音声認識されたユーザの合意を許可データとして送付する方式(図12参照)と異なり、先行録音されたユーザの合意を許可データとして送付する方式である。以下、図12と異なる点を中心に説明する。本フローは、IP電話装置2の間の通話セッションが確立した後実行される。なお、本フローを実行するIP電話装置2は、図1、2におけるIP電話装置2Aに対応する。
【0097】
S310は、S210(図12参照)と同様であるため説明を省略する。
【0098】
RTPパケットによる通話が開始されると(S310)、先行録音部208は、先行録音を開始する(S312)具体的には、先行録音部208は、先行録音データテーブル224(図6参照)を用いて、現在時刻から所定の時間幅、例えば、30秒間前までの通話を録音する。なお、録音する通話の音声データは、IP電話装置2が送信するRTPパケットと、通話先のIP電話装置2から受信したRTPパケットに含まれる。
【0099】
先行録音が開始されると(S312)、先行録音部208は、録音開始操作があったか否かを監視する(S315)。具体的には、先行録音部208は、キーボードやマウスなどの入力装置14を介して、ユーザの操作により通話の録音が指示されたか否かを判定する。そして、録音開始操作、すなわち、ユーザの合意に基づく操作があったと判定した場合(S315でYES)、S322に進む。一方、録音開始操作がないと判定した場合(S315でNO)、S317に進む。
【0100】
録音開始操作がないと判定した場合(S315でNO)、先行録音部208は、先行録音間隔を経過しているか否かを判定する(S317)。具体的には、先行録音部208は、m秒(図6参照)ごとに、先行録音間隔を経過したと判定する。先行録音間隔を経過したと判定した場合(S317でYES)、S318に進む。一方、先行録音間隔を経過していないと判定した場合(S317でNO)、S320に進む。
【0101】
先行録音間隔を経過したと判定した場合(S317でYES)先行録音部208は、最も古い録音データを削除する(S318)。具体的には、先行録音部208は、先行録音データテーブル224の最後尾の領域N(n−1)に格納された音声データを削除する。そして、S320に進む。
【0102】
S320は、S220(図12参照)と同様であるため説明を省略する。
【0103】
一方、録音開始操作があったと判定した場合(S315でYES)、先行録音部208は、先行録音を終了するとともに、ユーザの合意を示す音声データを含む先行録音データを先行録音データテーブル224から取得し、許可データ生成部210に出力する(S322)。
【0104】
許可データ生成部210は、先行録音部208が出力したユーザの合意を示す先行録音データ(S322)を取得し、許可データを生成する(S325)。具体的には、取得した許可データを、許可データテーブル222の許可データ2223に設定する。また、自身のIP電話装置2のIPアドレスを送信側IPアドレス2221に、通話先のIP電話装置2のIPアドレスを受信側IPアドレス2222に設定する。
【0105】
S330〜365は、S230〜265(図12参照)と同様であるため説明を省略する。
【0106】
以上のようにして、IP電話装置は、ユーザの合意があった場合に、独自パケットにより音声データの送受信を開始することができる。また、ユーザの合意を示すデータを、通話録音装置に送信することができる。
【0107】
図14は、通話内容の録音を行う通話録音装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、通話録音装置3がLAN5を介して通信を開始した後実行される。
【0108】
本フローが開始されると、検知処理部304は、LAN5上を流れるパケットのキャプチャリングを開始する(S410)。キャプチャリングは、例えば、LAN5上のルータやスイッチなどのネットワーク機器を用いて、LAN5上を流れるパケットのミラーリングを行うことにより、実現できる。
【0109】
キャプチャリングが開始されると(S410)、検知処理部304は、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したか否かを監視する(S415)。具体的には、図4に示すパケットのpayload type(PT)の値を参照して、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したか否かを判定する。そして、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したと判定した場合(S415でYES)、S420に進む。一方、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信していないと判定した場合(S415でNO)、S440に進む。
【0110】
独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したと判定された場合(S415でYES)、録音処理部306は、これらの独自パケットが示す通話が録音リスト322に登録されているか否かを判定する(S420)。
【0111】
具体的には、独自パケットの録音開始通知を受信した場合、録音処理部306は、受信した独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスが、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222と一致する録音エントリを録音リスト322の中から検索する。そして、対応する録音エントリが録音リスト322に登録されていないと判定した場合(S420でNO)、S425に進む。一方、登録されていると判定した場合(S420でYES)、S430に進む。
【0112】
また、独自パケットの音声データを受信した場合、録音処理部306は、受信した独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスの組み合わせを有する録音エントリを録音リスト322の中から検索する。すなわち、送信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致し、かつ、受信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致する録音エントリを検索する。または、送信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致し、かつ、受信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致する録音エントリを検索する。そして、対応する録音エントリが録音リスト322に登録されていないと判定した場合(S420でNO)、S425に進む、一方、登録されていると判定した場合(S420でYES)、S430に進む。
【0113】
録音リスト322に対応する録音エントリが登録されていないと判定した場合(S420でNO)、録音処理部306は、録音エントリを録音リスト322に追加する(S425)。
【0114】
具体的には、独自パケットの録音開始通知を受信した場合、録音処理部306は、受信した録音開始通知の送信IPアドレスを送信側IPアドレス3221に設定し、受信した録音開始通知の受信IPアドレスを受信側IPアドレス3222に設定し、受信した録音開始通知のタイムスタンプを録音開始時刻3223に設定する。
【0115】
独自パケットの音声データを受信した場合、録音処理部306は、受信した音声データの送信IPアドレスを送信側IPアドレス3221に設定し、受信した音声データの受信IPアドレスを受信側IPアドレス3222に設定し、受信した通知のタイムスタンプを録音開始時刻3223に設定する。
【0116】
また、録音処理部306は、受信した独自パケットのタイムスタンプを、対応する録音エントリの最終更新時刻3225に設定する(S430)。
【0117】
また、録音処理部306は、受信した独自パケットの音声データを録音リスト322の録音エントリに設定する(S435)。具体的には、録音処理部306は、受信した音声データの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスの組み合わせと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222の組み合わせを有する録音エントリを録音リスト322の中から検索する。そして、送信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致し、かつ、受信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致する場合、音声データを送信側音声データ3226に格納する。一方、送信IPアドレスが受信側IPアドレス3222と一致し、かつ、受信IPアドレスが送信側IPアドレス3221と一致する場合、音声データを受信側音声データ3227に格納する。そして、S415に戻る。
【0118】
一方、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信していないと判定された場合(S415でNO)、録音処理部306は、録音リスト322に録音エントリが1以上登録されているか否かを判定する(S440)。1以上登録されていると判定した場合(S440でYES)、S445へ進む。一方、1以上登録されていないと判定した場合(S440でNO)、S415に戻る。
【0119】
録音エントリが1以上登録されていると判定した場合(S440でYES)、録音処理部306は、録音エントリごとに、録音終了通知を受信したか否か、または、最終更新時刻から所定時間経過しているか否か判定する(S445)。
【0120】
具体的には、録音処理部306は、検知処理部304が録音終了通知を受信したと判定した場合に、受信した録音終了通知の送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、もしくは、受信した録音終了通知の受信IPアドレスおおび送信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3221および受信側IPアドレス3222を有する録音エントリを録音リスト322の中から検索する。そして、一致する録音エントリがある場合(S445でYES)、受信した録音終了通知のタイムスタンプを、対応する録音エントリの録音終了時刻3224に設定するとともに、当該録音エントリについて登録処理1を実行するため、S500に進む。
【0121】
また、録音処理部306は、録音エントリごとに、録音リスト322に登録された録音エントリの最終更新時刻3225と現在時刻とを用いて、一定時間(例えば、30分)を経過しているか否かを判定する。そして、所定時間経過したと判定した場合(S445でYES)、対応する録音エントリの録音終了時刻3224を設定するとともに、当該録音エントリについて登録処理1を実行するため、S500に進む。
【0122】
一方、上記のいずれの条件にも一致する録音エントリがないと判定した場合(S445でNO)、S415に戻る。
【0123】
登録処理1(S500)では、まず、録音データ登録処理部308は、録音データテーブル324に、録音データエントリを追加する(S510)。具体的には、録音データ登録処理部308は、S445において、録音終了通知が受信された録音エントリと、一定時間を経過した録音エントリとに対応する、録音データエントリを追加する。
【0124】
録音データエントリを追加すると(S510)、録音データ登録処理部308は、録音データエントリごとに、対応する録音エントリの、送信側IPアドレス3221と、受信側IPアドレス3222と、録音開始時刻3223と、録音終了時刻3224とを取得し、それぞれ、送信側IPアドレス3241と、受信側IPアドレス3242と、録音開始時刻3243と、録音終了時刻3244と、に設定する(S515)。
【0125】
また、録音データ登録処理部308は、録音データごとに、対応する録音エントリの、送信側音声データ3226と、受信側音声データ3227とを取得し、それぞれ、送信側録音データ3246と、受信側録音データ3247とに設定する(S520)。
【0126】
録音データエントリの設定が行われると(S515、S520)、録音処理部306は、対応する録音エントリを、録音リスト322から削除する(S525)。そして、S415に戻る。
【0127】
以上のようにして、通話録音装置は、ユーザによる通話の録音の合意があった通話について、その音声データの録音を行うことができる。
【0128】
図15は、許可データの登録を行う通話録音装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、通話録音装置3がLAN5を介して通信を開始した後実行される。
【0129】
本フローが開始されると、検知処理部304は、IP電話装置2から送信される許可データの待ち受けを開始する(S560)。
【0130】
そして、検知処理部304は、RTPパケットの許可データを受信したか否かを監視する(S565)。具体的には、受信したRTPパケットの送信先が通話録音装置のIPアドレスであるか否かを判定する。そして、通話録音装置(自装置)宛ての許可データを受信したと判定した場合(S565でYES)、S570に進む。一方、受信していないと判定した場合(S565でNO)、監視を継続する。
【0131】
許可データを受信したと判定された場合(S565でYES)、許可データ登録処理部310は、録音データテーブル324に、受信した許可データを設定すべき録音データエントリが登録されているか否かを判定する(S570)。
【0132】
具体的には、許可データ登録処理部310は、受信したRTPパケット(S565)に含まれる送信側IPアドレスおよび受信側IPアドレスと一致する、もしくは、受信したRTPパケットに含まれる受信側IPアドレスおよび送信側IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス3241および受信側IPアドレス3242を有する録音データエントリを録音データテーブル324の中から検索する。そして、一致する録音データエントリが登録されていると判定した場合(S570でYES)、S575に進む。一方、一致する録音データエントリが登録されていないと判定した場合(S570でNO)、S565に戻る。
【0133】
許可データを設定すべき録音データエントリが登録されていると判定した場合(S570でYES)、許可データ登録処理部310は、当該録音データエントリの許可データ3245に、許可データが設定済みであるか否かを判定する(S575)。そして、許可データが設定済みでないと判定した場合(S575でNO)、S580に進む。一方、設定済みであると判定した場合(S575でYES)、S565に戻る。
【0134】
なお、S570でNOと判定された場合、または、S575でYESと判定された場合、エラー処理を行うようにしてもよい。エラー処理の内容は、通話録音システム1の管理者のポリシーによる。
【0135】
許可データが設定済みでないと判定した場合(S575でNO)、許可データ登録処理部310は、録音データエントリの許可データ3245に、受信したRTPパケットに含まれる許可データ(S565)を設定する(S580)。そして、S565に戻る。
【0136】
以上のようにして、通話録音装置は、ユーザによる通話の録音の合意を示すデータを、録音データと関連付けて記録することができる。
【0137】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。本実施形態によれば、通話者の録音の合意があった通話について録音を行うとともに、その合意を証拠として残すことができる。
【0138】
すなわち、通話録音システムは、通話者の合意に基づいて通話内容の録音の開始または終了を行い、通話者の合意を示す情報と録音した通話内容とを関連付けて記録することができる。これにより、例えば、通話内容や通話者の音声などが個人情報として保護の対象となる場合に、通話者の許可があった場合にそれらの個人情報を記録することができる。また、通話者の許可があったという証拠をそれらの個人情報と一緒に記録することができる。
【0139】
そして、それらの個人情報は、通話者の許可に基づいて記録されたことを証明することができる。さらに、録音対象の音声データに制御情報、例えば、電子署名などの埋め込みを行う場合は、録音した音声データが改竄されていないことや通話時刻が詐称されていないことを証明することができる。
【0140】
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0141】
本実施形態は、第1の実施形態と同様のシステム構成(図1参照)を有する。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0142】
本実施形態において、通話録音システム1は、通話2を録音の対象とする。通話2は、例えば、顧客へのサポートを行うオペレータであるユーザAと、顧客であるユーザCとの間の通話である。通話2には、顧客の個人情報が含まれる。
【0143】
ここで、他のシステム7上の電話装置8は、一般的な一般加入電話やIP電話であり、独自パケットを送受信する機能は有さない。そのため、本実施形態では、呼制御装置4は、通話録音システム1上のIP電話装置2と電話装置8との間で、RTPパケットと独自パケットの形式の相互変換を行うことにより通話を実現する機能を提供する。
【0144】
呼制御装置4は、IP電話装置2間の通話や、IP電話装置2と他のシステム7上の電話装置8との通話の制御などを行うための装置である。呼制御装置4は、例えば、IP−PBXとしての機能を専用ハードウェアやソフトウェアにより実現した装置である。また、本実施形態では、呼制御装置4は、RTPパケットと独自パケットの相互変換を行うための機能を専用ハードウェアやソフトウェアにより実現した装置である。
【0145】
次に、上記のような通話録音システム1の動作の概要を、図16を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る通話録音システムの動作の概要を示すシーケンス図である。なお、呼制御装置4による通話の呼制御についての説明は省略する。また、電話装置8Cは、IP電話であるものとして説明する。
【0146】
まず、IP電話装置2Aと電話装置8Cとの間でセッションが確立され、ユーザAとユーザCとの間で通話が行われる(S10〜20)。通話は、例えば、RTPパケットにより、呼制御装置4を介して、ユーザAとユーザCの音声データが送受信されて実現される。このとき、呼制御装置4は、IP電話装置2Aから送られてきたRTPパケットを、そのまま電話装置8Cに転送し(S12)、電話装置8Cから送られてきたRTPパケットを、そのままIP電話装置2Aに転送する(S18)。通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S22)。ここで、通話録音装置3は、録音対象の通話を特定する情報が録音リストに登録されていないため、録音を行わない。
【0147】
通話が行われている間に、通話の録音を開始するユーザの操作を受け付けると(S24)、IP電話装置2Aは、許可データの生成を行う(S26)。また、IP電話装置2Aは、録音開始通知を電話装置8Cに送る(S28)。この通知は、独自パケットにより送信される。
【0148】
呼制御装置4は、IP電話装置2Aから送られてきた録音開始通知を電話装置8Cへ転送せずに(S30)、送られてきた録音開始通知の内容から特定される通話を変換対象として変換リストに登録する(S32)。通話録音装置3は、録音開始通知をキャプチャリングすると(S34)、キャプチャリングした録音開始通知の内容から特定される通話を録音対象として録音リストに登録する(S36)。
【0149】
録音開始通知の送信後(S28)、IP電話装置2Aは、独自パケットにより音声データの送受信を電話装置8Cと行う(S38、S48)。呼制御装置4は、変換リストに登録された通話の独自パケットを、RTPパケットに変換して電話装置8Cへ転送する(S40)。また、呼制御装置4は、変換リストに登録された通話のRTPパケットを、独自パケットに変換してIP電話装置2Aへ転送する(S46)。電話装置8Cは、S14、S16と同様に、RTPパケットにより音声データの送受信を行う(S42、S44)。通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S50)。そして、録音リストに登録された通話の独自パケットに含まれる音声データの録音を行う(S52)。
【0150】
録音が行われている間に、通話の録音を終了するユーザの操作を受け付けると(S54)、IP電話装置2Aは、RTPパケットにより、生成した許可データを通話録音装置3に送信する(S56)。通話録音装置3は、許可データを受信すると(S58)、受信した許可データを録音した録音データ(S52)と対応付けて登録する(S60)。また、IP電話装置2Aは、録音終了通知を電話装置8Cに送る(S62)。この通知は、独自パケットにより送信される。
【0151】
呼制御装置4は、IP電話装置2Aから送られてきた録音終了通知を電話装置8Cへ転送せずに(S64)、送られてきた録音終了通知の内容から特定される通話を変換リストから削除する(S66)。通話録音装置3は、録音終了通知をキャプチャリングすると(S68)、キャプチャリングした録音終了通知の内容から特定される通話を録音リストから削除する(S70)。
【0152】
録音が終了すると、S10〜20と同様に、IP電話装置2Aと電話装置8Cとの間で通話が行われる(S72〜82)。通話は、例えば、RTPパケットにより、呼制御装置4を介して、ユーザAとユーザCの音声データが送受信されて実現される。また、S22と同様に、通話録音装置3は、LAN5上を流れるパケットをキャプチャリングする(S84)。ここで、通話録音装置3は、録音対象の通話が録音リストに登録されていないため、録音を行わない。
【0153】
以上のようにして、通話録音システム1は、LAN5に接続されたIP電話装置2と、公衆網・IP網6などのネットワークを介して接続された他のシステム7上の電話装置8との間の通話2を録音することができる。
【0154】
次に、本実施形態について、より具体的に説明する。なお、IP電話装置2、通話録音装置3の構成は、第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0155】
図17は、呼制御装置4の機能構成を示すブロック図である。
【0156】
本図に示すように、呼制御装置4上には、制御部400と、記憶部420とが構築される。制御部400は、通信処理部402と、送信検知処理部404と、送信変換処理部406と、受信検知処理部408と、受信変換処理部410とを有する。また、記憶部420は、変換リスト422を有する。
【0157】
上記の機能で構成される呼制御装置4は、例えば、図10に示すような、一般的なコンピュータ10である。もちろん、呼制御装置4の構成は上記に限られない。例えば、IP−PBXとしての機能を専用ハードウェアにより実現してもよいし、独自パケットとRTPパケットの相互変換を行う機能を専用ハードウェアにより実現してもよい。
【0158】
制御部400や記憶部420は、例えば、CPU11が補助記憶装置13に予め記憶されている所定のプログラムを主記憶装置12にロードして実行することにより達成される。記憶部220は、データを一時的に保持する場合は主記憶装置12を利用して、継続的に保持する場合は補助記憶装置13を利用して実現される。
【0159】
プログラムは、メディア読取装置16を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、補助記憶装置13にダウンロードされ、それから、主記憶装置12上にロードされてCPU11により実行されるようにしてもよい。また、可搬型を介して可搬型記憶媒体から、あるいは、通信装置17を介してネットワークから、主記憶装置12上に直接ロードされ、CPU11により実行されるようにしてもよい。
【0160】
図17に戻って、制御部200は、上記各種装置および機能部を制御して、呼制御装置4全体の動作を制御する。
【0161】
通信処理部402は、各種通信プロトコルを処理し、通信装置17を介してLAN5上に接続された装置と通信を行う。また、通信処理部402は、IP−PBXとしての機能を実行する。例えば、SIPなどによりVoIPの呼制御処理を行い、IP電話装置2の間や、IP電話装置2と電話装置8との間の通話を制御したり、通話を行っている装置間でRTPパケットの音声データを転送したりする。また、RTPパケットや独自パケットの送受信を行う。
【0162】
送信検知処理部404は、通信処理部302を介して、IP電話装置2から、電話装置8を宛先として送信される、独自パケットの音声データ、録音開始通知、録音終了通知を検知する。
【0163】
送信変換処理部406は、送信検知処理部404が検知した独自パケットを取得し、RTPパケットに変換する。具体的には、送信変換処理部406は、図18に示すような、変換リスト422を用いて、独自パケットをRTPパケットに変換する。
【0164】
変換リスト422は、変換対象の通話を識別する情報(以下、「変換エントリ」と呼ぶ。)を格納する。変換エントリは、変換対象の通話の送信側IPアドレス4221と、変換対象の通話の受信側IPアドレス4222と、変換を開始した時刻を示す変換開始時刻4223と、変換を終了した時刻を示す変換終了時刻4224と、検知された独自パケットの最新の時刻を示す最終更新時刻4225とが対応付けられて構成される。なお、電話装置8がIPアドレスを有さない場合、例えば、電話装置8がIP電話でない場合、受信側IPアドレス4222には、呼制御装置4のIPアドレスを設定するようにすればよい。
【0165】
送信変換処理部406は、録音開始通知が検知されると、変換エントリを追加する。すなわち、検知された録音開始通知の送信IPアドレスを送信側IPアドレス4221に設定し、検知された録音開始通知の受信IPアドレスを受信側IPアドレス4222に設定し、検知された録音開始通知のタイムスタンプを変換開始時刻4223に設定する。
【0166】
また、送信変換処理部406は、独自パケットの音声データが検知された場合に、検知された音声データの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222を有する変換エントリが、変換リスト422に設定されていない場合、変換エントリを追加する。すなわち、検知された音声データの送信IPアドレスを送信側IPアドレス4221に設定し、検知された音声データの受信IPアドレスを受信側IPアドレス4222に設定し、検知された音声データのタイムスタンプを変換開始時刻4223に設定する。
【0167】
また、送信変換処理部406は、録音終了通知が検知されると、検知された録音終了通知のタイムスタンプを、対応する変換エントリの変換終了時刻4224に設定する。すなわち、検知された録音終了通知の送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222を有する変換エントリについて、検知された録音終了通知のタイムスタンプを録音終了時刻4224に設定する。
【0168】
また、送信変換処理部406は、録音終了通知が最終更新時刻4225から所定時間、例えば30分以内に検知されない変換エントリについて、その所定時間を経過した時刻を変換終了時刻4224に設定する。
【0169】
また、送信変換処理部406は、検知された最新の独自パケットのタイムスタンプを、対応する変換エントリの最終更新時刻4225に設定する。すなわち、送信変換処理部406は、独自パケットが検知されるたびに、検知された独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222を有する変換エントリについて、最終更新時刻4225を更新する。
【0170】
図17に戻って、受信検知処理部408は、通信処理部302を介して、電話装置8から、IP電話装置2を宛先として送信される、RTPパケットの音声データを検知する。
【0171】
受信変換処理部410は、受信検知処理部408が検知したRTPパケットを取得し、独自パケットに変換する。具体的には、上記の変換リスト422を用いて、RTPパケットを独自パケットに変換する。
【0172】
また、受信変換処理部410は、検知された最新のRTPパケットのタイムスタンプを対応する変換エントリの最終更新時刻4225に設定する。すなわち、受信変換処理部410は、RTPパケットが検知されるたびに、検知されたRTPパケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスと一致する、受信側IPアドレス4222および送信側IPアドレス4221を有する変換エントリについて、最終更新時刻4225を更新する。
【0173】
次に、上記の構成によって実現される通話録音システム1の動作について説明する。IP電話装置2、通話録音装置3の処理の流れは、第1の実施形態(図12〜15参照)と同様なので、説明を省略する。なお、本実施形態では、電話装置8または呼制御装置4が、録音開始通知、録音終了通知を送信することはないため、図11に示す処理は実行されない。
【0174】
図19は、通話録音システムから外部へ送信されるパケットを変換する呼制御装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、呼制御装置4が、IP電話装置2と電話装置8との間の通話セッションが確立した後、実行される。
【0175】
本フローが開始されると、通信処理部402は、IP電話装置2と電話装置8との間で送受信されるRTPパケットの音声データを転送することにより、通話の制御を開始する(S610)。
【0176】
RTPパケットによる通話が開始されると(S610)、送信検知処理部404は、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したか否かを監視する(S615)。具体的には、図4に示すパケットのpayload type(PT)の値を参照して、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したか否かを判定する。そして、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したと判定した場合(S615でYES)、S620に進む。一方、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信していないと判定した場合(S615でNO)、S640に進む。
【0177】
独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信したと判定された場合(S615でYES)、送信変換処理部406は、これらの独自パケットが示す通話が変換リスト422に登録されているか否かを判定する(S620)。
【0178】
具体的には、独自パケットの録音開始通知を受信した場合、送信変換処理部406は、受信した独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスが、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222と一致する変換エントリを変換リスト422の中から検索する。そして、対応する変換エントリが変換リスト422に登録されていないと判定した場合(S620でNO)、S625に進む。一方、登録されていると判定した場合(S620でYES)、S630に進む。
【0179】
また、独自パケットの音声データを受信した場合、送信変換処理部406は、受信した独自パケットの送信IPアドレスおよび受信IPアドレスが、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222と一致する変換エントリを変換リスト422の中から検索する。そして、対応する変換エントリが変換リスト422に登録されていないと判定した場合(S620でNO)、S625に進む。一方、登録されていると判定した場合(S620でYES)、S630に進む。
【0180】
変換リスト422に対応する変換エントリが登録されていないと判定した場合(S620でNO)、送信変換処理部406は、変換エントリを変換リスト422に追加する(S625)。
【0181】
具体的には、独自パケットの録音開始通知を受信した場合、送信変換処理部406は、受信した録音開始通知の送信IPアドレスを送信側IPアドレス4221に設定し、受信した録音開始通知の受信IPアドレスを受信側IPアドレス4222に設定し、受信した録音開始通知のタイムスタンプを変換開始時刻4223に設定する。
【0182】
独自パケットの音声データを受信した場合、送信変換処理部406は、受信した音声データの送信IPアドレスを送信側IPアドレス4221に設定し、受信した音声データの受信IPアドレスを受信側IPアドレス4222に設定し、受信した音声データのタイムスタンプを変換開始時刻4223に設定する。
【0183】
また、送信変換処理部406は、受信した独自パケットのタイムスタンプを、対応する変換エントリの最終更新時刻4225に設定する(S630)。
【0184】
また、送信変換処理部406は、独自パケットの音声データを受信した場合、受信した独自パケットをRTPパケットの形式に変換し、通信処理部402を介して電話装置8へ転送する(S635)。具体的には、送信変換処理部406は、例えば、図4に示す独自パケットのpayload type(PT)を、RTPパケットにおいて音声データを送信する際に使用される値に設定する。そして、S615に戻る。
【0185】
一方、独自パケットの録音開始通知または独自パケットの音声データを受信していないと判定された場合(S615でNO)、送信変換処理部406は、変換リスト422に変換エントリが1以上登録されているか否かを判定する(S640)。1以上登録されていると判定した場合(S640でYES)、S645へ進む。一方、1以上登録されていないと判定した場合(S640でNO)、S615に戻る。
【0186】
変換エントリが1以上登録されていると判定した場合(S640でYES)、送信変換処理部406は、変換エントリごとに、録音終了通知を受信したか否か、または、最終更新時刻から所定時間経過しているか否かを判定する(S645)。
【0187】
具体的には、送信変換処理部406は、送信検知処理部404が録音終了通知を受信したと判定した場合に、受信した録音終了通知の送信IPアドレスおよび受信IPアドレスが、送信側IPアドレス4221および受信側IPアドレス4222と一致する変換エントリを検索する。そして、一致する変換エントリがある場合(S645でYES)、受信した録音終了通知のタイムスタンプを、対応する変換エントリの変換終了時刻4224に設定するとともに、S650に進む。
【0188】
また、送信変換処理部406は、変換エントリごとに、変換リスト422に登録された変換エントリの最終更新時刻4225と、現在時刻とを用いて、一定時間(例えば、30分)を経過しているか否かを判定する。そして、所定時間経過したと判定した場合(S645でYES)、対応する変換エントリの変換終了時刻4224を設定するとともに、S650に進む。
【0189】
一方、上記のいずれの条件にも一致する変換エントリがないと判定した場合(S645でNO)、S615に戻る。
【0190】
録音終了通知が受信された変換エントリがあると判定した場合、または、最終更新時刻から一定時間経過した変換エントリがあると判定した場合(S645でYES)、送信変換処理部406は、これらの変換エントリを、変換リスト422から削除する(S650)。そして、S615に戻る。
【0191】
以上のようにして、呼制御装置は、ユーザによる通話の録音の合意があった通話について、通話録音システムの外部の電話装置に対しては、独自パケットをRTPパケットとして送信することができる。また、通話録音装置は、通話を録音することができる。
【0192】
図20は、外部から通話録音システムへ送信されるパケットを変換する呼制御装置の処理の流れを示すフロー図である。本フローは、呼制御装置4が、IP電話装置2と電話装置8との間の通話セッションが確立した後、実行される。
【0193】
本フローが開始されると、通信処理部402は、IP電話装置2と電話装置8との間で送受信されるRTPパケットの音声データを転送することにより、通話の制御を開始する(S710)。
【0194】
RTPパケットによる通話が開始されると(S710)、受信検知処理部408は、RTPパケットの音声データを受信したか否かを監視する(S715)。そして、RTPパケットの音声データを受信したと判定した場合(S715でYES)、S720に進む。一方、RTPパケットの音声データを受信していないと判定した場合(S715でNO)、監視を継続する。
【0195】
RTPパケットの音声データを受信したと判定された場合(S715でYES)、受信変換処理部410は、受信したRTPパケットが示す通話が変換リスト422に登録されているか否かを判定する(S720)。具体的には、受信変換処理部410は、受信したRTPパケットの受信IPアドレスが送信側IPアドレス4221と一致し、かつ、送信IPアドレスが受信側IPアドレス4222と一致する変換エントリを変換リスト422の中から検索する。そして、対応する変換エントリが変換リスト422に登録されていると判定した場合(S720でYES)、S725に進む。一方、登録されていないと判定した場合(S720でNO)、S735に進む。
【0196】
変換リスト422に対応する変換エントリが登録されている判定した場合(S720でYES)、受信変換処理部410は、受信したRTPパケットのタイムスタンプを最終更新時刻4225に設定する(S725)。
【0197】
また、受信変換処理部410は、受信したRTPパケットを独自パケットの形式に変換し、通信処理部402を介してIP電話装置2へ転送する(S730)。具体的には、受信変換処理部410は、例えば、RTPパケットのpayload type(PT)に、図4に示す独自パケットの音声データを示す値に設定する。そして、S715に戻る。
【0198】
一方、変換リスト422に対応する変換エントリが登録されていないと判定した場合(S720でNO)、受信変換処理部410は、受信したRTPパケットを、通信処理部402を介してIP電話装置2へ転送する(S735)。そして、S715に戻る。
【0199】
以上のようにして、呼制御装置は、ユーザによる通話の録音の合意があった通話について、通話録音システム上のIP電話装置に対しては、RTPパケットを独自パケットとして送信することができる。また、通話録音装置は、通話を録音することができる。
【0200】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、LANなどの限られた範囲のネットワーク上の通話だけでなく、公衆網、IP網、インターネットなどのより広範囲のネットワーク上の通話を録音することができる。
【0201】
以上、本発明について、例示的な実施形態と関連させて記載した。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、上に記載の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】本発明を適用した通話録音システムの構成の概要を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る通話録音システムの動作の概要を示すシーケンス図。
【図3】IP電話装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】独自パケットの構成を説明するための図。
【図5】許可データテーブルの構成を説明するための図。
【図6】先行録音データテーブルの構成を説明するための図。
【図7】通話録音装置の機能構成を示すブロック図。
【図8】録音リストの構成を説明するための図。
【図9】録音データテーブル構成を説明するための図。
【図10】コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図。
【図11】録音開始通知を受信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図。
【図12】音声認識による録音開始通知を送信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図。
【図13】先行録音による録音開始通知を送信するIP電話装置の処理の流れを示すフロー図。
【図14】通話内容の録音を行う通話録音装置の処理の流れを示すフロー図。
【図15】許可データの登録を行う通話録音装置の処理の流れを示すフロー図。
【図16】第2の実施形態に係る通話録音システムの動作の概要を示すシーケンス図
【図17】呼制御装置の機能構成を示すブロック図。
【図18】変換リストの構成を説明するための図。
【図19】通話録音システムから外部へ送信されるパケットを変換する呼制御装置の処理の流れを示すフロー図。
【図20】外部から通話録音システムへ送信されるパケットを変換する呼制御装置の処理の流れを示すフロー図。
【符号の説明】
【0203】
1:通話録音システム、2:IP電話装置、3:通話録音装置、4:呼制御装置、5:LAN、6:公衆網・IP網、7:他のシステム、8:電話装置、
200:制御部、202:通信処理部、204:検知処理部、206:音声認識部、208:先行録音部、210:許可データ生成部、212:許可データ送信部、220:記憶部、222:許可データテーブル、224:先行録音データテーブル、
2221:送信側IPアドレス、2222:受信側IPアドレス、2223:許可データ、
300:制御部、302:通信処理部、304:検知処理部、306:録音処理部、308:録音データ登録処理部、310:許可データ登録処理部、320:記憶部、322:録音リスト、324:録音データテーブル、
3221:送信側IPアドレス、3222:受信側IPアドレス、3223:録音開始時刻、3224:録音終了時刻、3225:最終更新時刻、3226:送信側音声データ、3227:受信側音声データ、
3241:送信側IPアドレス、3242:受信側IPアドレス、3243:録音開始時刻、3244:録音終了時刻、3245:許可データ、3246:送信側録音データ、3247:受信側音声データ、
10:コンピュータ、11:CPU、12:主記憶装置、13:補助記憶装置、14:入力装置、15:出力装置、16:メディア読取装置、17:通信装置、
400:制御部、402:通信処理部、404:送信検知処理部、406:送信変換処理部、408:受信検知処理部、410:受信変換処理部、420:記憶部、422:変換リスト、
4221:送信側IPアドレス、4222:受信側IPアドレス、4223:変換開始時刻、4224:変換終了時刻、4225:最終更新時刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された装置間の通話を録音する通話録音システムであって、
IP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記IP電話端末間の通話を録音する通話録音装置とを備え、
第1のIP電話装置は、
通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける合意受付手段と、
前記通話者の合意を受け付けたことを通話先の電話装置に通知する通知手段と、
前記通話者の合意を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段と、
前記通話者の合意を示す許可データを生成する許可データ生成手段と、
前記許可データを前記通話録音装置に送信する許可データ送信手段とを備え、
第2のIP電話装置は、
前記通話者の合意を受け付けたことを示す通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知を受け付けた後、通話先の電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段とを備え、
前記通話録音装置は、
前記ネットワーク上から、録音対象であることを示す情報が付加された前記音声データおよび前記許可データを検知する検知手段と、
検知した前記音声データを録音データとして記憶する録音手段と、
検知した前記許可データを、前記録音データと対応付けて記憶する許可データ登録手段とを備えること、
を特徴とする通話録音システム。
【請求項2】
請求項1記載の通話録音システムであって、
前記合意受付手段は、
通話の録音に対する合意を示す通話者の音声を音声認識することにより、合意を受け付け、
前記許可データ生成手段は、
音声認識された前記通話者の音声を用いて前記許可データを生成すること、
を特徴とする通話録音システム。
【請求項3】
請求項1、2いずれか一項に記載の通話録音システムであって、
前記第1のIP電話装置は、
現在時刻から所定時間前までの通話者の音声を、先行録音データとして記憶する先行録音手段を備え、
前記許可データ生成手段は、
前記先行録音データを用いて前記許可データを生成すること、
を特徴とする通話録音システム。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載の通話録音システムであって、
前記第1のIP電話装置は、前記呼制御装置を介して通話先の外部ネットワーク上の電話装置と接続され、
前記呼制御装置は、
前記通話者の合意を受け付けたことを示す通知、および、録音対象であることを示す情報が付加された前記音声データを検知する、第1の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データから録音対象であることを示す情報を削除して前記電話装置に転送する第1の変換手段と、
前記電話装置から送信される音声データを検知する第2の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データに録音対象であることを示す情報を付加して前記第1のIP電話装置に転送する第2の変換手段とを備えること、
を特徴とする通話録音システム。
【請求項5】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置であって、
通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける合意受付手段と、
前記通話者の合意を受け付けたことを通話先の電話装置に通知する通知手段と、
前記通話者の合意を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段と、
前記通話者の合意を示す許可データを生成する許可データ生成手段と、
前記許可データを前記通話録音装置に送信する許可データ送信手段と、を備えること、
を特徴とするIP電話装置。
【請求項6】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置であって、
通話先の電話装置から、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段と、を備えること、
を特徴とするIP電話装置。
【請求項7】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置とを備えるIP電話システムに接続される、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置であって、
前記ネットワーク上から、録音対象であることを示す情報が付加された音声データ、および、通話の録音に対する通話者の合意を示す許可データを検知する検知手段と、
検知した前記音声データを録音データとして記憶する録音手段と、
検知した前記許可データを、前記録音データと対応付けて記憶する許可データ登録手段とを備えること、
を特徴とする通話録音装置。
【請求項8】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置であって、
前記IP電話装置と、当該IP電話装置の通話先の外部ネットワーク上の電話装置とを接続し、
前記IP電話装置から通話先の前記電話装置に送られる、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知、および、録音の対象であることを示す情報が付加された音声データを検知する、第1の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データから録音対象であることを示す情報を削除して前記電話装置に転送する第1の変換手段と、
前記電話装置から送信される音声データを検知する第2の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データに録音対象であることを示す情報を付加して前記IP電話装置に転送する第2の変換手段とを備えること、
を特徴とする呼制御装置。
【請求項9】
ネットワークに接続された装置間の通話を録音するIP電話システムにおける通話録音方法であって、
前記IP電話システムは、
IP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記IP電話端末間の通話を録音する通話録音装置とを備え、
第1のIP電話装置は、
通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける合意受付ステップと、
前記通話者の合意を受け付けたことを通話先の電話装置に通知する通知ステップと、
前記通話者の合意を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信ステップと、
前記通話者の合意を示す許可データを生成する許可データ生成ステップと、
前記許可データを前記通話録音装置に送信する許可データ送信ステップとを行い、
第2のIP電話装置は、
前記通話者の合意を受け付けたことを示す通知を受け付ける通知受付ステップと、
前記通知を受け付けた後、通話先の電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信ステップとを行い、
前記通話録音装置は、
前記ネットワーク上から、録音対象であることを示す情報が付加された前記音声データおよび前記許可データを検知する検知ステップと、
検知した前記音声データを録音データとして記憶する録音ステップと、
検知した前記許可データを、前記録音データと対応付けて記憶する許可データ登録ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項10】
請求項9記載の通話録音方法であって、
前記第1のIP電話装置は、前記呼制御装置を介して通話先の外部ネットワーク上の電話装置と接続され、
前記呼制御装置は、
前記通話者の合意を受け付けたことを示す通知、および、録音対象であることを示す情報が付加された前記音声データを検知する、第1の検知ステップと、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データから録音対象であることを示す情報を削除して前記電話装置に転送する第1の変換ステップと、
前記電話装置から送信される音声データを検知する第2の検知ステップと、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データに録音対象であることを示す情報を付加して前記第1のIP電話装置に転送する第2の変換ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項11】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置における、通話録音方法であって、
前記IP電話装置は、
通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける合意受付ステップと、
前記通話者の合意を受け付けたことを通話先の電話装置に通知する通知ステップと、
前記通話者の合意を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信ステップと、
前記通話者の合意を示す許可データを生成する許可データ生成ステップと、
前記許可データを前記通話録音装置に送信する許可データ送信ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項12】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置における、通話録音方法であって、
前記IP電話装置は、
通話先の電話装置から、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知を受け付ける通知受付ステップと、
前記通知を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項13】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置とを備えるIP電話システムに接続される、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置における、通話録音方法であって、
前記通話録音装置は、
前記ネットワーク上から、録音対象であることを示す情報が付加された音声データ、および、通話の録音に対する通話者の合意を示す許可データを検知する検知ステップと、
検知した前記音声データを録音データとして記憶する録音ステップと、
検知した前記許可データを、前記録音データと対応付けて記憶する許可データ登録ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項14】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置おける、通話録音方法であって、
前記呼制御装置は、
前記IP電話装置と、当該IP電話装置の通話先の外部ネットワーク上の電話装置とを接続し、
前記IP電話装置から通話先の前記電話装置に送られる、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知、および、録音の対象であることを示す情報が付加された音声データを検知する、第1の検知ステップと、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データから録音対象であることを示す情報を削除して前記電話装置に転送する第1の変換ステップと、
前記電話装置から送信される音声データを検知する第2の検知ステップと、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データに録音対象であることを示す情報を付加して前記IP電話装置に転送する第2の変換ステップとを行うこと、
を特徴とする通話録音方法。
【請求項15】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
通話の録音に対する通話者の合意を受け付ける合意受付手段と、
前記通話者の合意を受け付けたことを通話先の電話装置に通知する通知手段と、
前記通話者の合意を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段と、
前記通話者の合意を示す許可データを生成する許可データ生成手段と、
前記許可データを前記通話録音装置に送信する許可データ送信手段として前記コンピュータを機能させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
ネットワークに接続された装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置と、前記装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、IP電話として機能するIP電話装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
通話先の電話装置から、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知を受け付けた後、前記電話装置に送信する音声データに、録音対象であることを示す情報を付加して通話を行う通信手段として前記コンピュータを機能させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項17】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置とを備えるIP電話システムに接続される、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ネットワーク上から、録音対象であることを示す情報が付加された音声データ、および、通話の録音に対する通話者の合意を示す許可データを検知する検知手段と、
検知した前記音声データを録音データとして記憶する録音手段と、
検知した前記許可データを、前記録音データと対応付けて記憶する許可データ登録手段として前記コンピュータを機能させること、
を特徴とする通話録音装置。
【請求項18】
ネットワークに接続されたIP電話として機能する複数のIP電話装置と、前記IP電話装置間の通話を録音する通話録音装置とを備える通話録音システムに接続される、装置間の通話のための呼制御を行う呼制御装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記IP電話装置と、当該IP電話装置の通話先の外部ネットワーク上の電話装置とを接続し、
前記IP電話装置から通話先の前記電話装置に送られる、通話の録音に対する通話者の合意を受け付けたことを示す通知、および、録音の対象であることを示す情報が付加された音声データを検知する、第1の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データから録音対象であることを示す情報を削除して前記電話装置に転送する第1の変換手段と、
前記電話装置から送信される音声データを検知する第2の検知手段と、
前記通知を検知した後、検知した前記音声データに録音対象であることを示す情報を付加して前記IP電話装置に転送する第2の変換手段として前記コンピュータを機能させること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−188658(P2009−188658A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25562(P2008−25562)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】