説明

通過可否通知装置

【課題】 騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる通過可否通知装置を提供すること。
【解決手段】 通過可否通知装置20は、ETC車載機30によって実行される高速道路料金の決済結果に基づいてETCゲートの通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段21と、複数の画像のデータを記憶する画像記憶手段22と、複数の画像から任意の画像を選択する画像選択手段23と、通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示する表示手段24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばETCシステムに対応した料金所の通過が許可されたか否かの情報を車両の運転者に通知する通過可否通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通過可否通知装置は、料金所に設けられた車両進入路に対して開閉可能に取り付けられた車両進入を阻止する阻止棒と、この阻止棒の開閉状態を検出する検出器と、阻止棒に設けられた赤又は橙色の複数個の表示灯とを備え、検出器によって阻止棒の閉状態が検出された場合は表示灯を点滅させ、検出器によって阻止棒の開状態が検出された場合は表示灯を消灯することによって、料金所を通過できるか否かの情報を車両の運転者に通知するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に示された通過可否通知装置を全国各地の料金所に適用しようとすると、料金所に既に設けられている既存の装置と置き換えなければならないので膨大な費用を要するという課題があり、この課題を解決するため、例えば特許文献2に示すような通過可否通知装置が提案されている。
【0004】
特許文献2に示された通過可否通知装置は、地図及び地図関連情報を表示する表示手段と、音声案内を行う音声案内手段と、ETCゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を発信する路側機と通信するETC車載機とを備え、ETCゲートの通過が許可された情報がETC車載機によって受信された場合は、通過許可を表す文字及び通行料金情報が表示手段によって表示されるとともに「そのままお進み下さい」という音声案内が音声案内手段によって行われ、一方、ETCゲートの通過が許可された情報がETC車載器によって受信されなかった場合は、一時停止を表す文字が表示手段によって表示されるとともに「ゲートで停止し、係員の指示に従って下さい」という音声案内が音声案内手段によって行われるようになっている。
【特許文献1】実開昭62−117697号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開2001−227976号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示された従来の通過可否通知装置では、通過可否情報が文字と音声とによって通知されるので、車両の運転者は、表示手段に文字で表示された通過可否情報では直感的に把握しづらく、音声で通知された通過可否情報では車両の内外の騒音で認識しづらいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる通過可否通知装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通過可否通知装置は、移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示する表示手段とを備えた構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、表示手段は、通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示するので、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる。
【0009】
また、本発明の通過可否通知装置は、複数の画像のデータを記憶する画像記憶手段と、前記表示手段に表示する画像を前記複数の画像から選択する画像選択手段とを備えた構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、表示手段は、画像選択手段によって選択された画像を表示するので、移動体の運転者の嗜好に応じた画像を表示手段に表示させることができる。
【0011】
さらに、本発明の通過可否通知装置は、前記複数の画像は、前記ゲートに設けられた遮断機の開状態及び閉状態の少なくとも一方を表す画像を含む構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、表示手段は、ゲートに設けられた遮断機の開状態及び閉状態の少なくとも一方を表す画像を表示するので、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる。
【0013】
さらに、本発明の通過可否通知装置は、移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に基づいて前記移動体の進行方向前方を照明する前照灯の動作を制御する前照灯制御手段とを備えた構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、前照灯制御手段は、通過可否情報に基づいて移動体の進行方向前方を照明する前照灯の動作を制御するので、夜間の場合でも遮断機を照射して遮断機の開閉状態を運転者に把握させることができる。
【0015】
さらに、本発明の通過可否通知装置は、移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報を前記移動体の進行方向後方に伝達する通過可否情報伝達手段とを備えた構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、通過可否情報伝達手段は、通過可否情報を移動体の進行方向後方に伝達するので、ゲートが通過不可であった場合に後続の移動体にその旨を伝達することができ、追突等の事故を防止することができる。
【0017】
さらに、本発明の通過可否通知装置は、移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に予め対応付けられた振動パターンを生成する振動パターン生成手段とを備えた構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、振動パターン生成手段は、通過可否情報に予め対応付けられた振動パターンを生成するので、通過可否情報に応じた振動パターンでハンドルや座席等を振動させることにより通過可否情報を運転者に伝達することができる。
【0019】
さらに、本発明の通過可否通知装置は、前記移動経路の情報を記憶する経路情報記憶手段と、前記移動経路の情報に基づいて前記移動体を擬似的に経路案内する擬似経路案内手段とを備えた構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の通過可否通知装置は、擬似経路案内手段によって擬似的な経路案内が実行されているときに料金所が現れた場合、表示手段は、通過可否情報取得手段によって取得された情報に基づいて通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示するので、実際に料金所を通過しているときと同様な画像を表示手段に表示させて臨場感のあるデモンストレーションを実行したり、予め設定された経路を運転者に確認させたりすることができる。
【0021】
本発明のナビゲーション装置は、通過可否通知装置を備えた構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、経路案内が実行されているときに料金所が現れた場合、表示手段は、通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示するので、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる。
【0023】
本発明の通過可否通知システムは、通過可否通知装置と、所定の条件に基づいて前記通過可否情報を提供する情報提供装置とを備えた構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明の通過可否通知システムは、通過可否情報取得手段は、情報提供装置から通過可否情報を取得し、表示手段は、通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示するので、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができるという効果を有する通過可否通知装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムの構成について説明する。なお、本発明の通過可否通知システムをETCシステム(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)における高速道路料金の決済処理に適用する例を挙げて説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態の通過可否通知システム10は、高速道路の料金所に設けられたETCゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を通知する通過可否通知装置20と、高速道路料金の決済処理を実行するETC車載機30と、料金所に設置された料金決済装置40とを備えている。なお、料金決済装置40は、本発明の情報提供装置を構成している。
【0029】
通過可否通知装置20は、通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段21と、複数の画像のデータを記憶する画像記憶手段22と、複数の画像から任意の画像を選択する画像選択手段23と、画像を表示する表示手段24とを備えている。
【0030】
通過可否情報取得手段21は、CPU、ROM、RAM等によって構成され、ETC車載機30によって実行される高速道路料金の決済結果に基づいてETCゲートの通過可否情報を取得するようになっている。すなわち、通過可否情報取得手段21は、ETC車載機30による決済処理が正常に終了した場合は、ETCゲートの自車両の通過が許可された通過許可状態と判断し、決済処理が正常に終了しなかった場合は、ETCゲートの自車両の通過が許可されなかった通過不許可状態と判断するようになっている。
【0031】
画像記憶手段22は、HDD(Hard Disk Drive)又は不揮発性半導体メモリ等によって構成され、ETCゲートの通過許可状態を表す複数の画像のデータと、ETCゲートの通過不許可状態を表す複数の画像のデータとを予め記憶するようになっている。
【0032】
画像選択手段23は、GUI(Graphical User Interface)、カーソルキー、メモリ等によって構成され、画像記憶手段22に記憶された複数の画像のデータを読み出して表示手段24に画像を表示し、表示された画像の中から通過許可状態及び通過不許可状態を表す画像をそれぞれ運転者に選択させるようになっている。選択された画像は、後述の表示手段24の不揮発メモリに記憶されるようになっている。
【0033】
表示手段24は、液晶ディスプレイ、CPU、ROM、RAM、不揮発メモリ等によって構成され、通過可否情報取得手段21によって通過許可状態の情報が取得された場合、不揮発メモリに記憶された通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示するようになっている。
【0034】
ETC車載機30は、ETC送受信機、カードリーダライタ、ICカード等によって構成され、料金決済装置40と通信し、カードリーダライタがICカードの情報を読み取って高速道路料金の決済処理を行うようになっており、決済処理が正常に終了したか否かを表す信号を通過可否情報取得手段21に出力するようになっている。
【0035】
料金決済装置40は、ETC車載機30と通信する通信手段41と、高速道路料金を決済する料金決済手段42と、高速道路料金の決済結果に基づいてETCゲートに設けられた遮断機の開閉を制御する遮断機制御手段43とを備え、遮断機制御手段43は、決済処理が正常に終了した場合は遮断機を開状態にしてETCゲートを通過許可状態とし、決済処理が正常に終了しなかった場合は遮断機を閉状態にしてETCゲートを通過不許可状態とするようになっている。
【0036】
次に、本実施の形態の通過可否通知システム10の動作について、図2を用いて説明する。
【0037】
まず、ETC車載機30によって、高速道路料金の決済処理を実行する料金所に車両が近づいたか否かが判断される(ステップS11)。例えば、料金決済装置40の通信手段41が所定の範囲内に放射している電波をETC車載機30が受信して交信が開始されたとき、ETC車載機30によって、車両が料金所に近づいたと判断される。
【0038】
ステップS11において、車両が料金所に近づいたと判断された場合は、ETC車載機30によって、決済処理が実行され(ステップS12)、決済処理が正常に終了したか否かを表す信号が通過可否情報取得手段21に出力される。
【0039】
一方、ステップS11において、車両が料金所に近づいたと判断されなかった場合は、ステップS11の処理を繰り返す。
【0040】
次いで、通過可否情報取得手段21によって、ETC車載機30から出力された信号に基づき、料金所に設けられたETCゲートの通過可否情報が取得され(ステップS13)、ETCゲートが通過許可状態又は通過不許可状態のいずれの状態であるかが判断される(ステップS14)。
【0041】
ステップS14において、ETCゲートが通過許可状態にあると判断された場合は、表示手段24によって、表示手段24の不揮発メモリ(図示省略)から通過許可状態を表す画像のデータが読み出されて表示される(ステップS15)。
【0042】
一方、ステップS14において、ETCゲートが通過不許可状態にあると判断された場合は、表示手段24によって、画像選択手段23のメモリから通過不許可状態を表す画像のデータ読み出されて表示される(ステップS16)。
【0043】
ここで、ステップS15において表示手段24によって表示される通過許可状態を表す画像について説明する。図3(a)は、高速道路の料金所に設置されている通過許可状態にあるETCゲート50を示したものである。図3(a)に示すような通過許可状態を運転者にイメージさせるように表した画像の一例が図3(b)に示された画像51である。運転者は、表示手段24によって表示された画像51を視認することによって、ETCゲートが通過許可状態にあることを直感的に認識することができる。
【0044】
なお、通過許可状態を表した画像として、例えば、図3(c)及び(d)にそれぞれ示された画像52及び53等を表示手段24に表示してもよい。通過許可状態を表したこれらの画像のデータを画像記憶手段22に記憶させておき、画像選択手段23によって運転者に嗜好に応じた画像を選択させることができる。
【0045】
次に、料金決済装置40の動作について、図4を用いて説明する。
【0046】
まず、通信手段41によって、車両が料金所に近づいたか否かが判断される(ステップS21)。例えば、通信手段41が所定の範囲内に放射している電波をETC車載機30が受信して交信が開始されたとき、通信手段41によって、車両が料金所に近づいたと判断される。
【0047】
ステップS21において、車両が料金所に近づいたと判断された場合は、遮断機制御手段43によって、ETCゲートに設置された遮断機が閉状態にされる(ステップS22)。
【0048】
一方、ステップS21において、車両が料金所に近づいたと判断されなかった場合は、ステップS21を繰り返す。
【0049】
次いで、料金決済手段42によって、ETC車載機30から送信される料金決済に係わるデータに基づいて高速道路料金の決済処理が実行される(ステップS23)。
【0050】
さらに、料金決済手段42によって、決済処理が正常に終了したか否かが判断される(ステップS24)。決済処理が正常に終了したと判断された場合は、遮断機制御手段43によって、遮断機が開状態にされ(ステップS25)、通信手段41によって、決済処理が正常に終了したことを表す正常終了信号がETC車載機30に送信される(ステップS26)。
【0051】
一方、ステップS24において、決済処理が正常に終了したと判断されなかった場合は、遮断機制御手段43によって、遮断機の閉状態が維持され、通信手段41によって、決済処理が正常に終了しなかったことを表す異常終了信号がETC車載機30に送信される(ステップS27)。
【0052】
以上のように、本実施の形態の通過可否通知システム10によれば、通過可否情報取得手段21は、高速道路料金の決済結果に基づいて通過許可状態又は通過不許可状態の情報を取得し、表示手段24は、通過可否情報取得手段21によって取得された情報に基づいて通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示する構成としたので、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に従来のものよりも直感的に容易に把握させることができる。
【0053】
なお、前述の実施の形態において、通過可否通知装置20とETC車載機30とを別個に構成する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過可否通知装置20とETC車載機30とを一体化する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、前述の実施の形態において、車両が高速道路の料金所に近づいたか否かをETC車載機30と通信手段41との通信によって判断する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば車両を誘導案内するナビゲーション装置に通過可否通知装置20を内蔵し、ナビゲーション装置が有する地図情報と車両の現在位置情報とに基づいて車両が料金所に近づいたか否かを判断する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、前述の実施の形態において、通過可否情報取得手段21がETC車載機30との通信によって通過可否情報を取得する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば車両の進行方向前方を撮像するカメラ装置を備え、通過可否情報取得手段21がカメラ装置の撮像画像に基づいてETCゲートの遮断機の開閉状態を検出する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、前述の実施の形態において、本実施の形態の通過可否通知装置20を車両に搭載し、ETCシステムが導入された高速道路の料金所において通過可否情報を取得する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、移動体の進入又は退出を規制するゲートにおいて通過可否通知装置20がゲートの通過可否情報を通知する構成としてもよい。また、例えば、ETCシステムが導入されている駐車場やガソリンスタンド等においても同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、前述の実施の形態において、表示手段24が通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、通過許可状態又は通過不許可状態に予め対応付けられた振動パターンを生成する振動パターン生成手段を設け、振動パターンをハンドルや座席を介して運転者に伝達することにより通過許可状態又は通過不許可状態を運転者に通知する構成としても同様の効果が得られる。
【0058】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置の構成について説明する。
【0059】
図5に示すように、本実施の形態のナビゲーション装置60は、経路情報を記憶する経路情報記憶手段61と、予め定められた経路を擬似的に経路案内する擬似経路案内手段62と、高速道路の料金所に設けられたETCゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を通知する通過可否通知装置20とを備えている。なお、本発明の第1の実施の形態において通過可否通知装置20(図1参照)の構成は説明したので省略する。
【0060】
なお、図示を省略したが、ナビゲーション装置60は、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、GPS(Global Positioning System)信号に基づいて車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、探索された経路を経路案内する経路案内手段と、経路案内の音声を出力する音声出力手段とを備えている。なお、経路案内する際の地図や自車両の現在位置等の情報は、表示手段24によって表示されるようになっている。
【0061】
経路情報記憶手段61は、HDD、ROM又はRAM等によって構成され、例えば、デモンストレーション用に予め記憶された経路情報や、運転者によって予め設定された経路情報等を記憶するようになっている。
【0062】
擬似経路案内手段62は、CPU、ROM、RAM等によって構成される。経路情報記憶手段61によって記憶された経路情報を用いて、現在位置算出手段で算出される現在位置によらずROMに記憶されたプログラムに従って、あたかも車両が予め定められた出発地から目的地までの経路を走行しているかのように経路案内情報を表示手段24や音声出力手段に出力することで、経路案内をシミュレーションできるようになっている。このような擬似的な経路案内は、例えば、ナビゲーション装置60の電源がオンにされた際に表示手段24に表示されるメニュー画面から運転者が選択した場合に実行されるようになっている。また、例えば、メニュー画面が所定時間操作されなかった場合にも自動的に実行されるようになっている。
【0063】
次に、本実施の形態のナビゲーション装置60の動作について、図6を用いて説明する。
【0064】
まず、擬似経路案内手段62によって、例えば運転者の指示や予め設定された開始条件に基づいて擬似的な経路案内を開始するか否かが判断される(ステップS31)。ここで、擬似的な経路案内を開始すると判断された場合は、擬似経路案内手段62によって、経路情報記憶手段61に記憶されている経路情報が取得される(ステップS32)。一方、ステップS31において、擬似的な経路案内を開始すると判断されなかった場合は、ステップS31の処理を繰り返す。
【0065】
次いで、擬似経路案内手段62によって、予め定められた出発地から目的地までの擬似的な経路案内が開始され(ステップS33)、案内経路の地図や自車両の現在位置を示す記号等が表示手段24によって表示されるとともに音声案内が開始される。
【0066】
さらに、擬似経路案内手段62によって、擬似的に経路案内されている自車両が料金所のETCゲートに接近したか否かが判断される(ステップS34)。
【0067】
ステップS34において、自車両が料金所のETCゲートに接近したと判断された場合は、擬似経路案内手段62によって、通過可能状態の情報が通過可否情報取得手段21に出力され(ステップS35)、表示手段24によって、通過許可状態を表す画像が表示される(ステップS36)。
【0068】
ステップS36の処理が終了した場合、又は、ステップS34において自車両が料金所のETCゲートに接近したと判断されなかった場合は、擬似経路案内手段62によって、経路案内を終了するか否かが判断され(ステップS37)、経路案内を終了すると判断された場合は経路案内を終了し、経路案内を終了すると判断されなかった場合はステップS34に戻る。
【0069】
以上のように、本実施の形態のナビゲーション装置60によれば、擬似経路案内手段62は、予め定められた経路を擬似的に経路案内し、表示手段24は、通過可否情報取得手段21によって取得された情報に基づいて通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示する構成としたので、実際に料金所を通過しているときと同様な画像を表示手段24に表示させて臨場感のあるデモンストレーションを実行したり、予め設定された経路を運転者に確認させたりすることができる。
【0070】
なお、前述の実施の形態において、表示手段24が通過可否情報取得手段21によって取得された情報に基づいて通過許可状態又は通過不許可状態を表す画像を表示する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、通過許可状態又は通過不許可状態に予め対応付けられた振動パターンを生成する振動パターン生成手段を設け、振動パターンをハンドルや座席を介して運転者に伝達することにより通過許可状態又は通過不許可状態を運転者に通知する構成としても同様の効果が得られる。
【0071】
(第3の実施の形態)
まず、本発明の第3の実施の形態の通過可否通知装置の構成について説明する。なお、本実施の形態の通過可否通知装置は、本発明の第1の実施の形態の通過可否通知装置20(図1参照)と同様に、料金決済装置40と通信するETC車載機30に接続され、ETCゲートの通過可否情報を取得するものとして説明する。また、通過可否通知装置20と同様な構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】
図7に示すように、本実施の形態の通過可否通知装置70は、車両の前照灯の動作を制御する前照灯制御手段71と、車両のブレーキランプの動作を制御するブレーキランプ制御手段72と、通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段21と、複数の画像のデータを記憶する画像記憶手段22と、複数の画像から任意の画像を選択する画像選択手段23と、画像を表示する表示手段24とを備えている。なお、ブレーキランプ制御手段72は、本発明の通過可否情報伝達手段を構成している。
【0073】
前照灯制御手段71は、CPU、ROM、RAM、スイッチ等によって構成され、通過可否情報に基づいて前照灯の点灯やロービームとハイビームとの切り替えを実行するようになっている。例えば、前照灯制御手段71は、通過可否情報取得手段21によって通過不許可状態の情報が取得された場合、前照灯を点灯させたり、ロービームで走行中のときにハイビームに切り替えたりするようになっている。
【0074】
ブレーキランプ制御手段72は、CPU、ROM、RAM、スイッチ等によって構成され、可否情報に基づいてブレーキランプの点灯や点滅等を実行するようになっている。例えば、ブレーキランプ制御手段72は、通過可否情報取得手段21によって通過不許可状態の情報が取得された場合、運転者のブレーキペダルの操作に拘わらず、ブレーキランプを点灯させたり、ブレーキランプを所定の時間周期で点滅させたりするようになっている。
【0075】
次に、本実施の形態の通過可否通知装置70の動作について、図8を用いて説明する。なお、本発明の第1の実施の形態の通過可否通知装置20のフローチャート(図2参照)のうち、ステップS11及びS12の説明は省略する。
【0076】
まず、通過可否情報取得手段21によって、ETC車載機30から出力された信号に基づき、料金所に設けられたETCゲートの通過可否情報が取得され(ステップS41)、ETCゲートが通過許可状態又は通過不許可状態のいずれの状態であるかが判断される(ステップS42)。
【0077】
ステップS42において、ETCゲートが通過許可状態にあると判断された場合は、表示手段24によって、RAMから通過許可状態を表す画像のデータが読み出されて表示される(ステップS43)。
【0078】
一方、ステップS42において、ETCゲートが通過不許可状態にあると判断された場合は、表示手段24によって、画像選択手段23のメモリから通過不許可状態を表す画像のデータが読み出されて表示される(ステップS44)。
【0079】
次いで、前照灯制御手段71によって、前照灯の点灯又はロービームからハイビームへの切り替えが実行される(ステップS45)。
【0080】
さらに、ブレーキランプ制御手段72によって、ブレーキランプの点灯又は点滅が実行される(ステップS46)。
【0081】
以上のように、本実施の形態の通過可否通知装置70によれば、ETCゲートが通過不許可状態にある場合に、前照灯制御手段71は、前照灯の点灯やハイビームとロービームとの切り替えを実行する構成としたので、前照灯によってETCゲートの遮断機が投光され、遮断機の視認性を向上させることができる。
【0082】
また、本実施の形態の通過可否通知装置70によれば、ETCゲートが通過不許可状態にある場合に、ブレーキランプ制御手段72は、ブレーキランプの点灯や点滅等を実行する構成としたので、自車両の運転者のブレーキペダルの操作に拘わらず、自車両が減速して停止することを後続車両の運転者に通知することができる。
【0083】
なお、前述の実施の形態において、ブレーキランプの点灯や点滅等によってETCゲートの通過不許可状態を後続車両の運転者に伝達する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば車両の後部に表示灯、ディスプレイ等を設け、表示灯の光信号やディスプレイによる画像表示によってETCゲートの通過不許可状態を後続車両の運転者に伝達する構成としてもよいし、警笛や所定の音によってETCゲートの通過不許可状態を後続車両の運転者に伝達する構成としても同様の効果が得られる。
【0084】
また、前述の実施の形態において、通過可否通知装置70は、前照灯制御手段71及びブレーキランプ制御手段72を備える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過可否通知装置70が、前照灯制御手段71及びブレーキランプ制御手段72のいずれかを備える構成としてもよいし、通過許可状態及び通過不許可状態の少なくとも一方を後続車両の運転者に伝達する構成としてもよい。
【0085】
また、本実施の形態の通過可否通知装置70を本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置60(図5参照)に設け、前照灯制御手段71及びブレーキランプ制御手段72が実行する処理を例えばアニメーションによって表示手段24に表示させて臨場感のあるデモンストレーションを実行したり、予め設定された経路を運転者に確認させたりする構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る通過可否通知装置は、騒音環境下においても通過可否情報を運転者に直感的に把握させることができるという効果を有し、ETCシステムに対応した料金所の通過が許可されたか否かの情報を車両の運転者に通知する通過可否通知装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムのブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムに係る通過可否通知装置の各ステップのフローチャート
【図3】(a)本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムが通過可否情報を取得するETCゲートの通過許可状態を示す図 (b)本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムに係るETCゲートの通過許可状態を表した画像例を示す図 (c)本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムに係るETCゲートの通過許可状態を表した画像例を示す図 (d)本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムに係るETCゲートの通過許可状態を表した画像例を示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態の通過可否通知システムに係る料金決済装置の各ステップのフローチャート
【図5】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置のブロック図
【図6】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置の各ステップのフローチャート
【図7】本発明の第3の実施の形態の通過可否通知装置のブロック図
【図8】本発明の第3の実施の形態の通過可否通知装置の各ステップのフローチャート
【符号の説明】
【0088】
10 通過可否通知システム
20、70 通過可否通知装置
21 通過可否情報取得手段
22 画像記憶手段
23 画像選択手段
24 表示手段
30 ETC車載機
40 料金決済装置(情報提供装置)
41 通信手段
42 料金決済手段
43 遮断機制御手段
50 ETCゲート
51、52、53 通過許可状態を表す画像
60 ナビゲーション装置
61 経路情報記憶手段
62 擬似経路案内手段
71 前照灯制御手段
72 ブレーキランプ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に予め対応付けられた画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする通過可否通知装置。
【請求項2】
複数の画像のデータを記憶する画像記憶手段と、前記表示手段に表示する画像を前記複数の画像から選択する画像選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の通過可否通知装置。
【請求項3】
前記複数の画像は、前記ゲートに設けられた遮断機の開状態及び閉状態の少なくとも一方を表す画像を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通過可否通知装置。
【請求項4】
移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に基づいて前記移動体の進行方向前方を照明する前照灯の動作を制御する前照灯制御手段とを備えたことを特徴とする通過可否通知装置。
【請求項5】
移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報を前記移動体の進行方向後方に伝達する通過可否情報伝達手段とを備えたことを特徴とする通過可否通知装置。
【請求項6】
移動体の移動経路に設けられたゲートの通過が許可されたか否かを表す通過可否情報を取得する通過可否情報取得手段と、前記通過可否情報に予め対応付けられた振動パターンを生成する振動パターン生成手段とを備えたことを特徴とする通過可否通知装置。
【請求項7】
前記移動経路の情報を記憶する経路情報記憶手段と、前記移動経路の情報に基づいて前記移動体を擬似的に経路案内する擬似経路案内手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の通過可否通知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載の通過可否通知装置を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載の通過可否通知装置と、所定の条件に基づいて前記通過可否情報を提供する情報提供装置とを備えたことを特徴とする通過可否通知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−48291(P2006−48291A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226814(P2004−226814)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】