説明

連続ストリップをレーザ切断するための装置

【課題】従来の装置における欠点による悪影響を受けない、材料の連続ストリップをレーザ切断する装置を提供する。
【解決手段】特定の供給方向(A)に沿って前進する材料の連続ストリップ(3)が、ストリップが部分的に巻き付けられる回転ドラム(6a)と、レーザ切断ヘッド(7)とを備える装置(1)によって成形される。レーザヘッドは、回転ドラムの反対側に位置したストリップの側から作用し、回転ドラムは、レーザ切断プロセスによって生じさせられる煙に対して抜き取り作用または吹き飛ばし作用を生じさせることが可能な第1の加圧チャンバ(10a)と、第1のチャンバに隣接している第2のチャンバ(10b)とを内側に備える。レーザ切断によって生じさせられた煙は、切断ヘッドと回転ドラムとの間に位置しているブロワ(14)によってほぼ瞬時にストリップから遠ざけられ、よってストリップの切断端縁上でその煙が凝縮して硬化することが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続ストリップをレーザ切断するための装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、典型的には、乳児用のおむつ/おしめ、生理用ナプキン等のような個人用衛生製品の製造に適用される。
【背景技術】
【0003】
一般的な個人用衛生製品が、不織布の浸透性内側層とポリエチレンの非浸透性外側層との間に通常はサンドイッチされている吸収体パッドを備える。
【0004】
こうした製品の製造業者は、上述の各層を含む連続ストリップの形成を最初に含み、その次に、このストリップが成形され、および、最後に、このストリップが包装の用意が整った単一の物品の形に分離される。
【0005】
この成形段階は、主として脚部輪郭(leg contour)の切断にあり、より一般的には、指定された用途に適している輪郭を物品に与える役割を果たす。
【0006】
このタイプの作業のために使用される従来技術の装置が、連続ストリップが予め決められた方向に進むにつれて連続ストリップが周りに部分的に巻き付けられる回転ドラムと、このドラム上の連続ストリップの通過中にその連続ストリップに対して作用するレーザ切断ヘッドとを備える。特に、ブレードの頻繁な交換を必要とし、ともかく刃先の頻繁な再生を必要とする、この技術分野で採用されている回転ブレードカッタ装置に比較して、レーザ切断ヘッドは、その低いメンテナンス要件とその制御および調整の容易性とによって、個人用衛生製品の製造に使用される工程に特に適している。
【0007】
不利な側面としては、レーザビームを用いて行われる切断は、切断区域で局所的に生じさせられる高温度の結果として、ストリップ材料の昇華に実質的に起因する効果である、煙を発生させる。この発生させられた煙は切断輪郭上で直ちに再凝縮してその端縁に沿ったビーズの形成を生じさせる傾向があり、この結果として、切断輪郭が凸凹と視覚的に非魅力的な外観とを有する。このことは、問題のビーズが生じないように、煙が凝縮する前にその煙が多かれ少なかれ瞬時に取り除かれる必要があるということを意味する。
【0008】
したがって、慣行は、レーザ切断ヘッドの付近において、ストリップの上方に煙抜き取り口を配置することである。
【0009】
不利であることに、この装置の全体的な寸法が、上述の仕方でこうした抜き取り口を追加することによって大きく増大させられ、および、レーザベッドの配置のために使用可能な空間も限定される。
【0010】
さらに、このタイプの形状構成の場合には、マントル(mantle)に接触しているストリップの一部分が換気作用から最も遠くに位置している場合には、このストリップの一部分から煙が十分に効果的に除去されることが不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の観点から、本発明の主たる目的が、上述の欠点による悪影響を受けない、材料の連続ストリップをレーザ切断する装置を提供することである。
【0012】
上述の目的の1つの重要な側面が、材料の連続ストリップをレーザ切断するための、最大寸法がコンパクトである装置を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的が、連続ストリップの全部分にわたって可能な限り均一かつ効果的に煙抜き取り作用が生じさせられることを可能にする、連続ストリップをレーザ切断するための装置を提供することである。
【0014】
最後に、本発明のさらに別の重要な目的が、空気の交換がレーザ切断の全区域に沿って生じさせられることが可能であるように実現されている、連続ストリップをレーザ切断するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的は、本発明によって、添付されている特許請求項に説明されている連続ストリップをレーザ切断するための装置において実質的に実現される。
【0016】
以下では、本発明を、添付図面を参照しながら例示の形で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による材料連続ストリップをレーザ切断する装置を備えている、個人用衛生製品を製造するシステムの一部分を示す略図である。
【図2】図1の装置の詳細を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、本発明による装置がその全体において番号1で示されている。
【0019】
装置1は、例えば浸透性材料の第1の層3aと非浸透性材料の第2の層3bとの間にパッド層を実現するように吸収性材料の一部分(図示されていない)が間にサンドイッチされる形でこの第1の層3aと第2の層3bとを一体状に組み合わせることによって、パッド状材料の連続ストリップ3がアセンブリされるステーションを占める、概略的に示されている(従来通りの具体例である)デコイラ(decoiler)2を備える。このアセンブリ段階は、例えば、2つの供給ローラ4と、パッドを置く働きをする従来タイプの装置(図示されていない)とによって行われる。
【0020】
その次に、アセンブリされたストリップ3は、予め決められた方向「A」に沿って前進させられ、一般的なタイプの手段5によって引っ張れ、および、連続ストリップ3が少なくとも部分的に回転ドラム6aの周りに巻き付くように、回転ドラム6aとして実現されていることが好ましい搬送機6上に送られる。ストリップ3は、回転ドラム6aの下流に配置されている別の引張り手段5によって引っ張られ、および、別の加工段階に向けて送られる。
【0021】
好ましい実施形態では、回転ドラム6aは、記号6bで示されている固定部分と、この固定部分6bに取り付けられている回転環状マントル6cとを備え、この回転環状マントル6cの周りに連続ストリップ3が少なくとも部分的に巻き付けられている。この状況において、連続ストリップ3は、マントル6cの回転運動によって供給方向「A」に沿ってその移動を加えられており、したがってストリップ3とマントル6cとの間には滑り接触は生じないだろう。
【0022】
有利であることに、例示されている具体例では、マントル6cは、さらに、複数の貫通穴6d、または、この代わりに、メッシュ構造を有し、この貫通穴またはメッシュ構造の機能については後で明らかにする。
【0023】
装置1は、搬送機6に対して反対側に位置する連続ストリップ3の側に配置されている、番号7で示されているレーザ切断ヘッドを備える。このヘッド7は、連続ストリップ3の一部分を切除することによって、脚部輪郭を形成するために、または、むしろ、製造される物品のために選択された周縁輪郭の少なくとも一部分を成形するために使用される。あるいは、この代わりに、レーザ切断ヘッド7は、物品の周縁輪郭全体を成形するために使用されることもある。
【0024】
特に、ヘッド7は、回転ドラム6a上での連続ストリップ3が進む供給方向「A」に関して互いに対称的に生じさせられた2つの切断経路「P」に沿って動作する。このために、図2に示されているように、切断ヘッド7は、上述の経路「P」に沿った連続ストリップ3の切断を生じさせる少なくとも1つのミラー走査装置(mirror scanning appliance)100を備える。切断ヘッド7が、2つの経路「P」の一方に沿って切断を行うように各々が配置されている2つのミラー走査装置100を備えることが好ましいだろう。各々のミラー走査装置100は、一般的なタイプの1つまたは複数のレーザソース101によって発生されたそれぞれのレーザビーム「F」を切断区域に向けて方向付ける。同様に、この2つのレーザビーム「F」の各々がそれぞれのソース101によって発生され、かつ、特に2つのビーム「F」が互いに同一の定格出力であることが好ましい。さらに、レーザビーム「F」の断面が円形であることが好ましい。
【0025】
ミラー走査装置100の各々が、切れ目がストリップ3内に効率良く形成されることを確実にしかつ適切に確実な品質レベルを保証するように、切断区域上に適正に向けられたそれぞれのレーザビーム「F」を保つ形に設計されている集束手段102を備える。
【0026】
さらに詳細に述べると、この集束手段102は、関連した軸線を中心として各々が回転可能である2つの精密ガルバノメータ103と、レーザビーム「F」を受け取りかつ切断区域に向けてそのレーザビームを反射によって方向転換させるように配置されている、各々のガルバノメータ103の軸線上に1つずつ取り付けられている2つの高反射率ミラー104とを備える。2つのガルバノメータ103の回転軸線が互いに垂直であることが好ましい。したがって、それぞれの軸線を中心として回転することが可能でありかつ互いに組合せの形で動作する2つのガルバノメータ103を用いて、関連したレーザビーム「F」が、高い精度で切断区域のすべての特定の箇所に対して方向付けられることが可能である。
【0027】
集束手段102は、さらに、レーザビーム「F」が放射される方向に関してガルバノメータ103の上流に設置されている光学視準器105を備える。この視準器105が、2つの主要な機能を提供するように組み合わされている複数のレンズ106にあることが好ましい。このレンズ106の第1の機能が、レーザビーム「F」の横寸法を拡張し、好ましくはこのレーザビームの直径を約4倍に増大させることである。その後で、集束手段102はビーム「F」を数十分の1ミリメートルの焦点上に集中させるだろう。
【0028】
視準器105のレンズ106によって行われる2つの機能のうちの第2の機能は、切断区域全体上でのビームの適正な集束を維持し、少なくとも切断区域が平らではないという事実の結果としてではなく、集束手段102と切断区域の個別の箇所との間に存在する異なる光学距離を補償し、それがドラム6aの表面を扱うので一致することである。したがって、レンズ106の1つはその他のレンズに対して相対的に移動することが可能であり、特に、図2に矢印で示されている方向「X」にその他のレンズ106に対して近づいたり遠ざかったりする形で移動することが可能である。この移動は、図2に示されていないリニアガルバノメータの働きによって得られることが好ましい。
【0029】
いずれにしても、レーザビームの標的となる区域が、切断作業中にレーザビーム「F」に直接的に接触することから付近のすべての操作者を保護するように、ストリップ3とレーザ切断ヘッド7との間に配置されているフード8によって覆われている。
【0030】
レーザヘッド7を保護するために、装置1は、さらに、外側からの空気の侵入を防止し、および、したがって、空気中を運ばれる埃粒子が侵入してレーザ切断ヘッド7上に積もってその動作を最適よりも低いものにすることを回避するために、切断ヘッド7が中に収容されておりかつその囲まれた空間が大気よりも高い圧力に維持されている加圧されたハウジング7aを備える。
【0031】
有利であることに、レーザ切断ヘッド7は、そのレーザ切断ヘッド7の初期位置を調整するための装置9と連携させられている。この制御装置9は、切れ目の選択された輪郭がヘッド7とストリップ3との間の相対運動を引き起こすことによって生じさせられることが可能であるように、切断ヘッド7の横方向および/または縦方向の移動を案内することが可能である。
【0032】
制御装置9は、さらに、連続ストリップ3の供給速度に変動があってさえも、選択された輪郭が連続ストリップ3から適正に切断されることが可能であるように、前進するストリップ3の直線速度に対してヘッド7の移動を制御する。
【0033】
詳細に述べると、装置9は制御および設定機能を行い、および、特定の切断経路「P」がプロットされて記憶され終わった後に上述の仕方で切断ヘッド7の移動を案内する信号を生成し始める専用ソフトウェアを備えている。
【0034】
好ましい実施形態では、切断ヘッド7は、ガルバノメータの位置を連続的に監視しかつ切断ヘッド7の対応する移動を判定するために制御装置9と通信する、適切な位置トランスデューサを備える。
【0035】
さらに、装置1の円滑な動作を確実なものにするために、レーザビーム「F」が偶発的に偏向させられることなしに切断区域に到達することが可能であるように、走査装置100と切断区域との間に障害物が存在しないことが好ましい。
【0036】
さらに、有利であることに、連続ストリップ3の反対側においてレーザ切断装置7に対して正反射的に固定および配置されていることが好ましい第1のチャンバ10aが搬送機6の内側に有り、および、このチャンバ10aの内側では、このチャンバに連結されている負圧手段(図示されていない)によって部分真空が生じさせられている。この負圧が加えられた第1のチャンバ10aの機能が、連続ストリップ3をマントル6cに引き付けて、このストリップを引っ張られかつ広げられた状態に保つことである。これは、連続ストリップ3が第1のチャンバ10a内の圧力レベルにそれを通してさらされるマントル6c内の上記の貫通穴6dまたはメッシュ構造の補助によって実現される。したがって、第1のチャンバ10a内に確立された部分真空の主たる機能は、レーザ切断によって生じさせられた煙をマントル6cの貫通穴6dまたはメッシュ構造を通して抜き取ることであり、したがって、この煙が切断端縁上で凝縮してビーズを形成することが防止される。このために、貫通穴6dまたはメッシュ構造は、固定位置6bを中心としたマントル6cの回転の最中にそのマントル6cの穿孔部分に対して第1のチャンバ10aが常に面しているように、マントル6cの展開可能な環状表面全体を占めることが可能である。あるいは、この代わりに、マントル6cは、連続ストリップ3に沿って連続的に生じるそれぞれの切断区域と一致するように互いに間隔を置いて配置されている、貫通穴6aの組またはメッシュ構造の個別的な部分を有してもよい。貫通穴6aの組またはメッシュ構造の個別的な部分は、この例では、レーザ切断区域と一致する連続ストリップ3のセグメントだけに沿って抜き取り作用を可能にするだろう。
【0037】
レーザ切断によって影響を受けるストリップの区域が第1のチャンバ10a内の負圧に効果的にさらされることを確実なものにすると同時に、真空力を大きく低減させることもある外側からチャンバ10a内への空気の侵入を防止することを確実なものにするために、回転ドラム6aの固定部分6bとマントル6cとが、好ましくは、第1のチャンバ10aを画定しかつシール12を備えるバッフル11を通して、液密な組合せの形で連結されている。これと同じ理由から、回転ドラム6aの側部が同様に密閉状態に封止されている。特に、回転ドラム6aの側部は、図面に示されていない2つの互いに反対側に位置した円形壁にある。
【0038】
本装置の代案の実施形態では、第1のチャンバ10aは負圧ではなく正圧を加えられており、抜き取り装置ではなくブロワ装置として機能する。
【0039】
有利であることに、および、上述の構成と同様の形で、回転ドラム6aは、さらに、番号10bで示されている第2のチャンバを備え、この第2のチャンバ10bは、好ましくは同様に固定されており、かつ、連続ストリップ3が進む予め決められた供給方向「A」に関して第1のチャンバ10aの下流に位置している。図示されている例では、第1のチャンバ10aと第2のチャンバ10bは、行われる異なる機能に応じて異なる圧力で動作するように、互いに隣接しかつ互いに離れている。さらに明確に述べると、第1のチャンバと同様に負圧を加えられている第2のチャンバ10bの機能は、ストリップ3を切断することによって生じさせられる破片材料を収集して除去することである。したがって、破片フラグメントがマントル6c上に保持され、マントルが回転するにつれてレーザ切断ヘッド7とストリップ3とから運び去られることが可能なように、上述の貫通穴6dまたはメッシュ構造が破片フラグメントの通過を不可能にするように適合させられている。
【0040】
装置1は、さらに、マントル6cによって保持された破片材料フラグメントがそれに向かって搬送される、搬送機6の下方に配置されている収集ステーション13を備える。この当該ステーション13は破片フラグメントを収集する働きをし、この破片フラグメントは、第2のチャンバ10bに露出させられている区域を越えてマントル6cからいったん自由落下し、したがって部分真空の吸引力を受けることはない。
【0041】
さらに、好ましい実施形態では、その破片は吸引力によって収集ステーション13の中に同様に引き込まれるだろう。
【0042】
本発明の別の実施形態(図示されていない)では、2つのチャンバ10a、10bは互いに流体連通しており、したがって単一の負圧源が部分真空を生じさせるために使用可能である。
【0043】
装置1は、さらに、連続ストリップ3の反対側において搬送機6に対して正反射的に配置されておりかつレーザ切断によって影響される区域に面しているブロワ要素14も備え、および、このブロワ要素の機能は、特に切断区域に方向付けられている気体(窒素または空気が好ましい)の流れを連続ストリップ3に与えることである。好ましい実施形態では、ブロワ要素14は、第1のチャンバ10aの作用を受けるストリップ3の区域に一致するように配置されているだろう。この構成によって、レーザ切断によって生じさせられる煙の凝縮によって切断端縁が硬化しないことが確実なものにされる。
【0044】
好ましくは、および、図示されている実施形態に示されているように、ブロワ要素14は、連続ストリップ3に面している凹状側部を有する円筒形のキャップとして形成されている囲い板14aにある。このブロワ要素14が、囲い板14aの全長に沿って配置されている複数のノズル14bを有する形に形成されていることが好ましい。
【0045】
有利であることに、適切な冷却作用を提供するために、かつ、切断によって生じさせられる煙を取り除くために、複数のノズル14bの少なくとも幾つかが、レーザ切断によって影響される区域に向けて、または、切断区域の直ぐ下流の区域に向けて方向付けられている。特に、レーザ切断の影響を受ける区域と、ブロワ要素14によって冷却される区域とが、互いに最小距離に配置されており、したがって、溶融粒子が凝縮する時間が全く無く、および、したがって、この溶融粒子が吹き飛ばし作用によって適切に除去されることが可能である。
【0046】
したがって、第1のチャンバ10a内の部分真空の作用とブロワ囲い板14aの作用とが、囲い板14aに面する側とマントル6cに対向する側との両方において、連続ストリップ3の連続した部分をレーザ切断することによって発生させられる煙を有利に除去するように協働する。
【0047】
本装置の別の実施形態(図示されていない)が、ブロワ囲い板14aを備え、かつ、第1のチャンバ10aなしに、または、第2のチャンバ10bを備えるだけであり、あるいは、この代わりに、第2のチャンバ10bを備え、かつ、第1のチャンバ10aを備えないこともある。
【0048】
従来技術に関連した欠点が、上述の目的を実現しかつ必須の利点を有する本発明による装置によって克服される。
【0049】
まず第1に、第1のチャンバに関連付けられた抜き取りシステムと、特に第1のチャンバの内側に発生させられる部分真空との使用は、その装置の寸法全体を増大させる必要なしに、レーザ切断作業によって生じさせられる煙が除去されることが可能であるということを意味する。
【0050】
これに加えて、ブロワ囲い板の採用は、レーザ切断によって影響されるストリップ材料の区域に向けて空気の噴流が方向付けられることが可能であるという点で有利である。これと同時に、レーザ切断によって生じさせられる煙がそのブロワによって迅速かつ効率的に除去され、かつ、切断区域から安全に遠ざけられることが可能である。
【0051】
最後に、ブロワと、第1のチャンバ内に生じさせられる負圧との組合せが、レーザ切断によって影響される区域から全ての煙が完全に除去されることが可能であるという重要な利点を実現する。特に、ブロワ要素は、レーザヘッドに面する連続ストリップの一部分から煙を取り除く空気流を生じさせると同時に、第1のチャンバの真空作用が、マントルに対向した連続ストリップの一部分とマントル自体との間に閉じ込められた状態のままになる傾向がある煙を取り除く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ストリップをレーザ切断する装置であって、予め決められた供給方向(A)に沿って前進する材料の連続ストリップ(3)が上に少なくとも部分的に巻き付けられる搬送機(6)と、前記搬送機(6)から反対側に位置した前記連続ストリップ(3)の側に配置されている、前記連続ストリップ(3)を切断するレーザヘッド(7)とを備える装置において、前記搬送機(6)は、前記レーザ切断によって生じさせられる煙に対する抜き取り作用または吹き飛ばし作用を生じさせることが可能な第1のチャンバ(10a)を内側に備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1のチャンバ(10a)は、前記連続ストリップ(3)の前記反対側に位置した前記レーザ切断ヘッド(7)に対して正反射的に固定されかつ配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送機(6)は、回転環状マントル(6c)を備えている回転ドラム(6a)から成り、および、前記連続ストリップ(3)は前記マントル(6c)の周りに少なくとも部分的に巻き付けられる請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記マントル(6c)は、前記マントル(6c)の展開可能な環状表面全体にわたって広がる複数の貫通穴(6d)またはメッシュ構造を有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マントル(6c)は、前記連続ストリップ(3)のそれぞれの切断区域に別々にかつ連続的に係合するように互いに間隔を置いて配置されている貫通穴(6d)の組またはメッシュ構造の個別部分を有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記貫通穴(6d)またはメッシュ構造は、破片フラグメントの通過を不可能にするように、および、したがって前記マントル(6c)上に前記破片フラグメントが保持されることを生じさせるように適合させられている請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記破片フラグメントが収集されるステーション(13)をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記破片収集ステーション(13)は前記装置(1)の下部部分を占める請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記搬送機(6)は、部分真空に維持されている第2のチャンバ(10b)を内側に備えている請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のチャンバ(10b)は、前記連続ストリップ(3)が進む前記予め決められた供給方向(A)に関して、前記第1のチャンバ(10a)の下流に固定および配置されている請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は互いに隣接している請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は、互いに異なる圧力で動作するように、別々に実現されている請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は互いに流体連通している請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記連続ストリップ(3)の反対側において前記搬送機(6)に対して正反射的に配置されておりかつ前記レーザ切断によって影響される区域に面しているブロワ要素(14)を備え、および、前記ブロワ要素(14)の機能が、好ましくは窒素または空気である気体の流れを前記連続ストリップ(3)に方向付けることである請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ブロワ要素(14)は、前記連続ストリップ(3)に向かって方向付けられている凹状の側部を有する円筒形形状のキャップとして形成されている囲い板(14a)にある請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ブロワ要素(14)は、前記囲い板(14a)の全長に沿って分布している複数のノズル(14b)を有する請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のノズル(14b)の少なくとも幾つかは、前記レーザ切断によって影響される区域に向けて方向付けられている請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記切断ヘッド(7)は、前記レーザ切断によって影響される区域に向けてレーザビーム(F)を方向付ける少なくとも1つのミラー走査装置(100)を備える請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記切断ヘッド(7)は、前記レーザ切断によって影響される区域にそれぞれのレーザビーム(F)を方向付ける働きを各々が行う2つのミラー走査装置(100)を備える請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
各々のミラー走査装置(100)は、切れ目を前記ストリップ(3)内に生じさせると同時に、前記切れ目が適切に確実な品質レベルを有することを保証するように、前記切断区域上に適正に向けられたそれぞれのレーザビーム(F)を保つ形に設計されている集束手段(102)を備える請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
集束手段(102)は、レーザビーム(F)を受け取りかつ前記切断区域に向けて前記レーザビームを反射によって方向転換させるように配置されているぞれぞれの高反射率ミラー(104)に各々が関連付けられている、2つの高精度ガルバノメータ(103)を備える請求項20に記載の装置。
【請求項22】
各々のガルバノメータ(103)はそれぞれの軸線を中心として回転可能であり、および、前記ガルバノメータ(103)の前記回転軸線は、前記切断区域のすべての特定の箇所に向けて前記それぞれのレーザビーム(F)を高精度で方向付けるように互いに垂直である請求項21に記載の装置。
【請求項23】
集束手段(102)は、さらに、前記レーザビーム(F)が放射される方向に関して前記ガルバノメータ(103)の上流に位置している光学視準器(105)を備え、および、前記光学視準器(105)は、前記レーザビーム(F)の横寸法を拡大し、前記切断区域全体に対する前記レーザビームの適正な集束を維持し、かく、前記切断区域の様々な箇所と前記集束手段(102)との間の異なる光学距離を補償する請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記視準器(105)は、互いに組合せの形で動作する複数のレンズ(106)にある請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記レンズ(106)の1つは、その他のレンズ(106)に向かってまたはその他のレンズ(106)から遠ざかって移動することが可能である請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記切断ヘッド(7)に関連付けられておりかつ専用ソフトウェアを備えている制御装置(9)を備え、および、前記制御装置(9)によって、予め決められた切断経路(P)を進むように前記切断ヘッド(7)の移動が選択的に案内される請求項1から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載の装置(1)を備えることを特徴とする個人用衛生製品を製造するシステム。
【請求項28】
連続ストリップをレーザ切断する装置であって、予め決められた供給方向(A)に沿って前進する材料連続ストリップ(3)が上に少なくとも部分的に巻き付けられる搬送機(6)と、前記搬送機(6)から反対側に位置した前記連続ストリップ(3)の側に配置されている、前記連続ストリップ(3)を切断するレーザヘッド(7)とを備える装置において、この装置は、前記連続ストリップ(3)の反対側において前記搬送機(6)に対して正反射的に配置されておりかつ前記レーザ切断によって影響される区域に面しているブロワ要素(14)を備えており、かつ、前記ブロワ要素(14)の機能が、窒素または空気であることが好ましい気体の流れを前記連続ストリップ(3)に向けて方向付けることであることを特徴とする装置。
【請求項29】
前記ブロワ要素(14)は、前記連続ストリップ(3)に向けられている凹状側部を有する円筒形形状のキャップとして形成されている囲い板(14a)にある請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ブロワ要素(14)は、前記囲い板(14a)の全長に沿って分布している複数のノズル(14b)を有する請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記複数のノズル(14b)の少なくとも幾つかは、前記レーザ切断によって影響される区域に向けて方向付けられている請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記搬送機(6)は、前記レーザ切断によって生じさせられる煙に対する抜き取り作用または吹き飛ばし作用を生じさせることが可能な第1のチャンバ(10a)を内側に備えている回転ドラム(6a)から成る請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記第1のチャンバ(10a)は、前記連続ストリップ(3)の反対側において前記レーザ切断ヘッド(7)に対して正反射的に固定および配置されている請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記搬送機(6)は、回転環状マントル(6c)を備えている回転ドラム(6a)から成り、および、前記連続ストリップ(3)は前記マントル(6c)の周りに少なくとも部分的に巻き付けられている請求項32または33に記載の装置。
【請求項35】
前記マントル(6c)は、前記マントル(6c)の展開可能な環状表面全体にわたって広がる複数の貫通穴(6d)の組またはメッシュ構造を有する請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記マントル(6c)は、前記連続ストリップ(3)のそれぞれの切断区域に別々にかつ連続的に係合するように互いに間隔を置いて配置されている貫通穴(6d)の組またはメッシュ構造の個別部分を有する請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記貫通穴(6d)またはメッシュ構造は、破片フラグメントの通過を不可能にするように、および、したがって前記マントル(6c)上に前記破片フラグメントが保持されることを生じさせるように適合させられている請求項35または36に記載の装置。
【請求項38】
前記破片フラグメントが収集されるステーション(13)をさらに備える請求項28から37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記破片収集ステーション(13)は前記装置(1)の下部部分を占める請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記搬送機(6)は、部分真空に維持されている第2のチャンバ(10b)を内側に備えている請求項32から39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記第2のチャンバ(10b)は、前記連続ストリップ(3)が進む前記予め決められた供給方向(A)に関して、前記第1のチャンバ(10a)の下流に固定および配置されている請求項31に記載の装置。
【請求項42】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は互いに隣接している請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は、互いに異なる圧力で動作するように、別々に実現されている請求項40から42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記第1のチャンバ(10a)と前記第2のチャンバ(10b)は互いに流体連通している請求項40から42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記切断ヘッド(7)は、前記レーザ切断によって影響される区域に向けてそれぞれのレーザビーム(F)を方向付ける少なくとも1つのミラー走査装置(100)を備える請求項28から44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記切断ヘッド(7)は、前記レーザ切断によって影響される区域に向けてそれぞれのレーザビーム(F)を方向付ける働きを各々が行う2つのミラー走査装置(100)を備える請求項28から44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
各々のミラー走査装置(100)は、切れ目を前記ストリップ(3)内に生じさせると同時に、前記切れ目が適切に確実な品質レベルを有することを保証するように、前記切断区域上に適正に向けられた前記それぞれのレーザビーム(F)を保つ形に設計されている集束手段(102)を備える請求項45または46に記載の装置。
【請求項48】
集束手段(102)は、レーザビーム(F)を受け取りかつ前記切断区域に向けて前記レーザビームを反射によって方向転換させるように配置されているぞれぞれの高反射率ミラー(104)に各々が関連付けられている、2つの高精度ガルバノメータ(103)を備える、請求項46に従属している請求項47に記載の装置。
【請求項49】
各々のガルバノメータ(103)はそれぞれの軸線を中心として回転可能であり、および、前記ガルバノメータ(103)の前記回転軸線は、前記切断区域のすべての特定の箇所に向けて前記それぞれのレーザビーム(F)を高精度で方向付けるように互いに垂直である請求項48に記載の装置。
【請求項50】
集束手段(102)は、さらに、前記レーザビーム(F)が放射される方向に関して前記ガルバノメータ(103)の上流に位置している光学視準器(105)を備え、および、前記光学視準器(105)は、前記レーザビーム(F)の横寸法を拡大し、前記切断区域全体に対する前記レーザビームの適正な集束を維持し、かつ、前記切断区域の様々な箇所と前記集束手段(102)との間の異なる光学距離を補償する請求項48または49に記載の装置。
【請求項51】
前記視準器(105)は、互いに組合せの形で動作する複数のレンズ(106)にあることが好ましい請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記レンズ(106)の1つは、その他のレンズ(106)に向かってまたはその他のレンズ(106)から遠ざかって移動することが可能である請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記切断ヘッド(7)に関連付けられておりかつ専用ソフトウェアを備えている制御装置(9)を備え、および、前記制御装置(9)によって、予め決められた切断経路(P)を進むように前記切断ヘッド(7)の移動が選択的に案内される請求項28から52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
連続ストリップをレーザ切断する装置であって、予め決められた供給方向(A)に沿って前進する材料連続ストリップ(3)が上に少なくとも部分的に巻き付けられる搬送機(6)と、前記搬送機(6)から反対側に位置した前記連続ストリップ(3)の側に配置されている、前記連続ストリップ(3)を切断するレーザヘッド(7)とを備える装置において、前記切断ヘッド(7)は、前記レーザ切断によって影響される区域に向けてそれぞれのレーザビーム(F)を方向付ける働きを各々が行う2つのミラー走査装置(100)を備えることを特徴とする装置。
【請求項55】
各々のミラー走査装置(100)は、レーザビーム(F)を受け取りかつ前記切断区域に向けて前記レーザビーム(F)を反射によって方向転換させるように配置されているぞれぞれの高反射率ミラー(104)に各々が関連付けられている、それぞれの軸線を中心として回転可能である2つの高精度ガルバノメータ(103)を備え、前記2つのガルバノメータ(103)の前記回転軸線は、前記切断区域のすべての特定の箇所に向けて前記それぞれのレーザビーム(F)を高精度で方向付けるように互いに垂直である、請求項46に従属した請求項47に記載の装置。
【請求項56】
前記切断ヘッド(7)に関連付けられておりかつ専用ソフトウェアを備えている制御装置(9)を備え、および、前記制御装置(9)によって、予め決められた切断経路(P)を進むように前記切断ヘッド(7)の移動が選択的に案内される請求項54または55に記載の装置。
【請求項57】
請求項28から56のいずれか一項に記載の装置(1)を備えることを特徴とする個人用衛生製品を製造するシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−27933(P2013−27933A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221294(P2012−221294)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2009−522360(P2009−522360)の分割
【原出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508069523)ジディエンメ ソチエタ ペル アツィオニ (9)
【Fターム(参考)】