説明

連続式炊飯機とそれを組み込んだ連続炊飯システム

【課題】連続式炊飯機によって水釜に加えられる無駄な熱量を減少させ、エネルギー消費を抑制することができる連続式炊飯機と、それを組み込んだ連続炊飯システムを提供する。
【解決手段】炊飯釜を搬送するコンベアの搬送ラインに沿って配置された複数の加熱装置ユニットが発生する熱量を、各加熱装置ユニットごとに、炊飯レベルと、それよりも小さな細火レベルとの少なくとも2段階に切り換えることができる熱量調整装置と、各炊飯釜の搬送ライン上の位置情報と、各炊飯釜が内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜か否かについての種別情報とに基づいて、炊飯釜が、各加熱装置ユニットの予め設定された炊飯領域内に位置する間は当該加熱装置ユニットが発生する熱量が炊飯レベルとなり、それ以外の間は、当該加熱装置ユニットが発生する熱量が細火レベルとなるように、熱量調整装置の切り換え動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続式炊飯機とそれを組み込んだ連続炊飯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数の炊飯釜を搬送ラインに沿って搬送し、炊飯釜ごとに、炊飯に必要な各種工程を順次行うようにした連続炊飯システムが種々提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。これらの連続炊飯システムにおいては、各炊飯釜に投入する米や調味液、具材などを変更することによって、白飯、酢飯、塩飯、炊き込みご飯等の複数アイテムのご飯を連続して炊き上げることが可能である。しかし、連続炊飯システムにおいて複数アイテムのご飯を連続して炊き上げようとすると、例えば、炊き上がったご飯の冷却工程や、炊飯終了後の炊飯釜の洗浄工程などにおいて、アイテムごとに処理の内容が異なる場合には、アイテムごとに各工程の通過時間が異なり、通過時間が長いアイテムに後続するアイテムの炊飯釜には、待ち時間が発生し、その時間だけ搬送ラインを停止させなければならないという不都合が生じる。このような不都合を避けるため、従来は、先行するアイテムの炊飯釜と、後続するアイテムの炊飯釜との間に、1〜複数個の水釜、すなわち水だけを入れた炊飯釜を挿入し、各工程におけるアイテムの切り変わり時には、水釜が搬送ライン上を通過している間に、切り換えに必要な作業を行うようにすることで、アイテムの切り換わり時にも連続炊飯システムの搬送ラインを停止させないようにすることが行われている(特許文献3参照)。
【0003】
この水釜は、その目的からして、炊飯すべき米と炊飯水などを収容した炊飯釜、すなわち実釜と同様に、連続炊飯システムの搬送ライン上を搬送されることが必要であるので、必然的に、搬送ライン途中に位置する連続式炊飯機の内部も通過し、実釜と同様に炊飯加熱を受けることになる。しかし、水釜の内部には文字どおり水だけしか収容されていないので、連続式炊飯機において水釜に加えられる熱量は、炊飯には無関係で、本来必要のない無駄な熱量であるが、連続式炊飯機は、搬送ラインに沿って配置した加熱装置によって、連続式炊飯機内部を通過する炊飯釜を加熱し、連続的に炊飯する設備であるので、搬送されてくる炊飯釜が、実釜であるか、水釜であるかに関わらず、内部を通過する炊飯釜に炊飯に必要な熱量を与えるように設計されており、搬送されてくる炊飯釜が水釜である場合には、その水釜に加えられる熱量は無駄になるという認識さえ、従来は存在しなかった。
【0004】
ところが、近年のコンビニエンスストアにおける商品品目の多品種化に伴い、連続炊飯システムで炊き上げるご飯のアイテム数は著しく増加し、現在では約30アイテムに昇っている。一方、各アイテムごとの炊飯量は減少する傾向にあり、いわゆる多品種少量化の現象が業務用炊飯の分野においても進行している。アイテム数が増加し、その一方で各アイテムごとの炊飯量が減少すると、実釜に対する水釜の割合が増し、連続式炊飯機において水釜に対して加えられる無駄な熱量は無視できない。しかし、本発明者らが知る限り、連続式炊飯機において、水釜に対して加えられる無駄な熱量を減少させようとする試みは一切為されていない。
【特許文献1】特開平11−267024号公報
【特許文献2】特開2000−342446号公報
【特許文献3】特開2000−83815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、連続式炊飯機における上述した不都合を解消するために為されたもので、連続式炊飯機によって水釜に加えられる無駄な熱量を減少させ、エネルギー消費を抑制することができる連続式炊飯機と、それを組み込んだ連続炊飯システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を、炊飯釜を搬送するコンベアと;コンベアの搬送ラインに沿って配置された複数の加熱装置ユニットと;各加熱装置ユニットが発生する熱量を、各加熱装置ユニットごとに、炊飯レベルと、それよりも小さな細火レベルとの少なくとも2段階に切り換えることができる熱量調整装置と;コンベアによって搬送される各炊飯釜の搬送ライン上の位置情報と、各炊飯釜が内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜か否かについての種別情報とに基づいて、内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜が、各加熱装置ユニットの予め設定された炊飯領域内に位置する間は当該加熱装置ユニットが発生する熱量が炊飯レベルとなり、それ以外の間は、当該加熱装置ユニットが発生する熱量が細火レベルとなるように、各加熱装置ユニットごとに熱量調整装置の切り換え動作を制御する制御装置とを備えており、当該制御装置には、各加熱装置ユニットの炊飯領域が、炊飯釜の搬送ラインに沿った方向において、少なくとも各加熱装置ユニットの加熱領域を含む領域として設定されている連続式炊飯機と、この連続式炊飯機を組み込んだ連続炊飯システムを提供することによって、上記の課題を解決するものである。
【0007】
すなわち、本発明の連続式炊飯機によれば、内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜、すなわち実釜が、各加熱装置ユニットの予め設定された炊飯領域内に位置する間のみ、当該加熱装置ユニットが発生する熱量が炊飯レベルとなり、それ以外の間は、当該加熱装置ユニットが発生する熱量が細火レベルとなるので、水釜に加えられる熱量は全体として減少し、エネルギーの無駄を減少させることができる。
【0008】
本発明において、「炊飯レベル」とは、本発明の連続式炊飯機内を実釜が通過する間に、所期の炊飯が行われるに足る熱量を実釜に供給することができる各加熱装置ユニットにおける発熱量のレベルをいい、「細火レベル」とは、炊飯レベルよりも発生する熱量が小さい発熱量のレベルをいう。細火レベルは、通常、炊飯レベルの発熱量の2/3以下、1/6以上であり、好ましくは1/2以下、1/4以上である。細火レベルが、炊飯レベルの2/3超であると、細火レベルにすることによって奏されるエネルギー消費の抑制効果が顕著ではなく、一方、細火レベルが炊飯レベルの1/6未満であると、連続式炊飯機の構造にもよるが、炊飯機内部の温度が必要以上に低下し、十分な炊飯ができなくなる恐れがある。
【0009】
本発明の連続式炊飯機においては、各加熱装置ユニットの炊飯領域は、炊飯釜の搬送ラインに沿った方向において、少なくとも各加熱装置ユニットの加熱領域を含む領域として設定されている。加熱装置ユニットの加熱領域とは、当該加熱装置ユニットによって、炊飯釜の実質的な加熱を行うことができる搬送ライン上の領域をいい、隣接する加熱装置ユニット間で、加熱領域が重なる場合には、重複部分における中央位置をもって、各加熱装置ユニットの加熱領域の境界としても良い。炊飯領域は、この加熱領域を含む領域として設定され、加熱領域と同じ領域であっても良いが、各加熱装置ユニットの加熱領域を、炊飯釜搬送ラインに沿った上流方向及び/又は下流方向に、それぞれ予め設定された長さだけ延長した搬送ライン上の領域として設定するのが望ましい。
【0010】
各加熱装置ユニットの炊飯領域を、加熱領域よりも炊飯釜の搬送ラインに沿った上流方向に延長しておくことによって、各加熱装置ユニットは、実釜が当該加熱装置ユニットよりも上流にきた時点で、細火レベルから炊飯レベルに切り換えられるので、実釜が当該加熱装置ユニットの位置に到達するときには、当該加熱装置ユニットは既に十分な発熱状態にあり、搬送されてきた実釜を当初から炊飯レベルで十分に加熱することができる。
【0011】
また、各加熱装置ユニットの炊飯領域を、加熱領域よりも炊飯釜の搬送ラインに沿った下流方向に延長しておくことによって、各加熱装置ユニットは、実釜が当該加熱装置ユニットを通過し、所定距離だけ離れるまでは炊飯レベルを維持する。これにより、実釜は、常に、炊飯レベルで発熱している加熱装置ユニットに囲まれた状態で連続式炊飯機内を通過することができるので、全ての加熱装置ユニットが常時炊飯レベルで発熱している従来の連続式炊飯機におけると同様の炊飯加熱を十分に実現することが可能となる。
【0012】
これらの上流方向延長長さ及び下流方向延長長さは、それぞれ独立に設定可能であるのが望ましい。コンベアの搬送速度や、加熱装置ユニットの発熱原理や構造などにもよるが、通常、細火レベルから炊飯レベルに切り換わっても、加熱装置ユニットが十分な炊飯レベルの発熱状態になるにはタイムラグがあり、また、雰囲気温度の上昇にも若干の時間が掛かるので、下流方向延長長さよりも上流方向延長長さの方を長く設定するのが望ましい。例えば、上流方向延長長さ及び下流方向延長長さが、炊飯釜搬送方向の炊飯釜の長さ又は炊飯釜の搬送ピッチを単位として設定される場合には、上流方向延長長さは炊飯釜2釜分、或いは、2搬送ピッチ分に設定され、下流方向延長長さは、炊飯釜1釜分、或いは、1搬送ピッチ分に設定される。
【0013】
さらに、本発明の連続式炊飯機の好適な一例においては、炊飯釜搬送方向の最も上流側に位置する加熱装置ユニットよりも上流側に、コンベアによって搬送されてくる炊飯釜の重量を測定する重量測定装置が備えられており、当該重量測定装置からの重量測定信号に基づいて、当該重量測定装置の位置に搬送されてきた炊飯釜が、実釜であるか、水釜であるかを判別し、炊飯釜の種別情報として、本発明の連続式炊飯機の制御装置、或いは、本発明の連続式炊飯機が連続炊飯システムに組み込まれる場合には、システムの制御装置に提供する手段が備えられている。
【0014】
さらに、本発明の連続式炊飯機の好適な一例においては、コンベアによって搬送される各炊飯釜の搬送ライン上の位置を検知して、搬送ライン上の炊飯釜の位置情報として、本発明の連続式炊飯機の制御装置、或いは、本発明の連続式炊飯機が連続炊飯システムに組み込まれる場合には、システムの制御装置に提供する手段を備えている。この位置情報、及び、上述した種別情報の提供を受けた本発明の連続式炊飯機における制御装置は、これらの情報に基づいて、熱量調整装置を切り換えて、各加熱装置ユニットを、炊飯レベル又は細火レベルに制御することができる。
【0015】
また、本発明の連続式炊飯機の好適な他の一例においては、各炊飯釜の位置情報と種別情報とは、本発明の連続式炊飯機が組み込まれた連続炊飯システムの制御装置から与えられる。連続炊飯システムの制御装置には、炊飯すべきご飯のアイテムとその順序、各アイテムに必要な炊飯釜の数、各アイテム間に挿入される水釜の数などの情報が入力されており、連続炊飯システムの制御装置は、例えば、これらの情報と、システムを構成する搬送ラインの長さ、搬送ラインを構成する各コンベアの搬送速度などの情報とに基づいて、連続炊飯システムの搬送ラインのどの位置に、どのアイテムの実釜若しくは水釜が存在するかを把握して、その位置情報と、実釜か水釜かの種別情報とを、本発明の連続式炊飯機の制御装置に与えることができる。本発明の連続式炊飯機の制御装置は、この与えられた位置情報と種別情報とに基づいて、熱量調整装置を切り換えて、各加熱装置ユニットを、炊飯レベル又は細火レベルに制御することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の連続式炊飯機、及び、それを組み込んだ連続炊飯システムによれば、炊飯すべき米と炊飯水とを収容した実釜が、予め設定された炊飯領域内に位置する間のみ、加熱装置ユニットが発生する熱量を炊飯レベルとし、それ以外の間は、当該加熱装置ユニットが発生する熱量を、炊飯レベルよりも小さな細火レベルとしているので、水釜に加えられる熱量を全体として大幅に減少させることができ、熱量の無駄を省き、エネルギー消費を抑制することができるという優れた利点が得られる。また、各加熱装置ユニットの炊飯領域が、各加熱装置ユニットの加熱領域を、炊飯釜搬送ラインに沿った上流方向及び/又は下流方向に延長した長さの領域として設定されている場合には、実釜には、炊飯に必要な熱量が過不足なく十分に供給され、エネルギー消費を有効に抑制しつつ、従来の連続式炊飯機と較べて何ら遜色のない炊飯を実現することができるという優れた利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
【0018】
図1は、本発明の連続式炊飯機の一例を示す側面図であり、図1において、1は連続式炊飯機を示し、2はチェーンローラーコンベア、3はその駆動ローラー、4、4、4は従動ローラーであり、5は、駆動ローラー4を回転駆動する駆動モーターである。6、6、6・・・は炊飯釜であり、7a、7b、7c・・・は、チェーンローラー2の搬送面の下側に設置された加熱装置ユニット、8a、8b、8c・・・は、各加熱装置ユニット7a、7b、7c・・・の熱量調整装置である。9は制御装置であり、10は重量測定装置、11、11、11・・・は位置検知センサーである。重量測定装置10、および位置検知センサー11、11、11・・・は制御装置9と接続されており、制御装置9は、各熱量調整装置8a、8b、8c・・・と接続されている。12、12、12・・・は排気ダクトである。
【0019】
位置検知センサー11、11、11・・・は、各位置検知センサーが配置されている搬送ライン上の位置に炊飯釜6が存在することを検知することができるものであれば良く、その検知原理はどのようなものであっても良い。例えば、炊飯釜6の存在を、光の透過又は反射で検知する光学式のものであっても、機械的に検知する機械式のものであっても、静電的又は電磁的に検知する電気的なものであっても良い。また、その配置形態も任意であり、図示の例では、位置検知センサー11、11、11・・・は、チェーンコンベア2の上方に、搬送ラインの幅方向の略中央部に設置されているが、連続式炊飯機1の側面に、搬送ラインに沿って配置しても良い。
【0020】
図2は、図1の一部を取り出して拡大して示した概念図であり、制御装置9に加えて、加熱装置ユニット7b、7c、熱量調整装置8b、8cのみが示されている。図2において、加熱装置ユニット7b、7cは、それぞれ、紙面に垂直な方向に伸びる4本のガスバーナ71、71、71、71から構成されており、熱量調整装置8b、8cは、それぞれ、開閉弁81x、81yと、流量調整弁82x、82yとから構成されている。72、72は、それぞれ熱量調整装置8b、8cを介して、加熱装置ユニット7b、7cと燃焼ガス管13とを接続するガス管路である。
【0021】
熱量調整装置8b、8cは、それぞれ上記のとおり、開閉弁81x、81yと、流量調整弁82x、82yとから構成されており、例えば、流量調整弁82xを流れる燃焼ガスの流量を「1」とすると、流量調整弁82yを流れる燃焼ガスの流量は、その3倍の「3」となるように調整されている。したがって、仮に、開閉弁81yを「閉」とし、開閉弁81xを「開」とした場合には、加熱装置ユニット7b、7cのガスバーナ71、71、71、71には、それぞれ熱量調整装置8b、8cの開閉弁81x及び流量調整弁82xを介して、「1」の流量の燃焼ガスが供給され、加熱装置ユニット7b、7cのガスバーナ71、71、71、71は、「細火レベル」で燃焼することになる。
【0022】
逆に、開閉弁81yを「開」とし、開閉弁81xを「閉」とした場合には、加熱装置ユニット7b、7cのガスバーナ71、71、71、71には、それぞれ熱量調整装置8b、8cの開閉弁81y及び流量調整弁82yを介して、「3」の流量の燃焼ガスが供給され、加熱装置ユニット7b、7cのガスバーナ71、71、71、71は、「炊飯レベル」で燃焼することになる。
【0023】
以上のような開閉弁81x、81yの開閉動作は、制御装置9によって行われ、制御装置9は、流量調整弁82x、82yの設定流量の調整も行うことができるようになっている。すなわち、上記の説明では、流量調整弁82xを流れる燃焼ガスの流量は「細火レベル」の「1」に、また、流量調整弁82yを流れる燃焼ガスの流量は「炊飯レベル」の「3」に調整されており、「細火レベル」における加熱装置ユニット7b、7cの発熱量は、「炊飯レベル」における加熱装置ユニット7b、7cの発熱量の1/3に設定されているが、「細火レベル」と「炊飯レベル」とにおける発熱量の比率は1:3に限られず、制御装置9によって、流量調整弁82x、82yの設定流量を変更することによって、適宜変更可能である。
【0024】
しかしながら、上述したとおり、「炊飯レベル」に比して、「細火レベル」における発熱量をそれほど小さくしない場合には、「細火レベル」にすることによって奏されるエネルギー消費の抑制効果が顕著ではなく、逆に、「細火レベル」における発熱量を余りに小さくし過ぎると、連続式炊飯機の構造にもよるが、炊飯機内部の温度が必要以上に低下し、十分な炊飯ができなくなる恐れがある。したがって、「炊飯レベル」における発熱量を、本発明の連続式炊飯機内を実釜が通過する間に、所期の炊飯が行われるに足る熱量を実釜に供給することができる各加熱装置ユニットにおける発熱量とすると、「細火レベル」の発熱量は、「炊飯レベル」の発熱量の2/3以下、1/6以上が好ましく、より好ましくは1/2以下、1/4以上であり、さらに好ましくは、1/3程度である。
【0025】
なお、上述の例では、熱量調整装置8b、8c内には、設定流量の異なる2系統の燃焼ガス管路、すなわち、開閉弁81x−流量調整弁82xを経由する燃焼ガス管路と、開閉弁81y−流量調整弁82yを経由する燃焼ガス管路が設けられており、これらを切り換えることによって、加熱装置ユニット7b、7cの発熱量を、「細火レベル」から「炊飯レベル」へ、またその逆に切り換えているが、熱量調整装置内には、必ずしも2系統の燃焼ガス管路を設けなければならないわけではない。例えば、図3の左側の熱量調整装置8cに示すように、燃焼ガス管路を開閉弁81x−流量調整弁82xの1系統のみとして、流量調整弁82xの設定流量を制御装置9によって切り換えることによって、「細火レベル」から「炊飯レベル」へ、またその逆に切り換えるようにしても良い。
【0026】
ただし、流量調整弁82xにおける設定流量の切り換えには、通常、若干の時間が掛かるので、加熱装置ユニットの発熱量の切り換えをタイムラグなく行うようにするには、図2に示す例のように、それぞれ、予め異なる流量に設定された燃焼ガス管路を2系統用意しておき、開閉弁81x、81yの開閉の切り換えによって、それらのいずれかを選択使用することによって、「細火レベル」から「炊飯レベル」へ、またその逆への切り換えを行うのが好ましい。
【0027】
また、図2に示す例では、加熱装置ユニット7b、7cにおける発熱量は、「炊飯レベル」と、それよりも小さな「細火レベル」との2段階に切り換えるようにされているが、発熱量の切り換えレベルは、3段階、或いはそれ以上であっても良い。例えば、図3の右側の熱量調整装置8bに示すように、熱量調整装置8b内に、3個の開閉弁81x、81y、81zと、そのそれぞれに接続する3個の流量調整弁82x、82y、82zとを設け、それら各流量調整弁における燃焼ガスの流量を、例えば、それぞれ「1」、「2」、「3」になるように設定しても良い。この場合、流量が「1」に設定された、開閉弁81x−流量調整弁82xを経由する燃焼ガス管路は、「第1の細火レベル」となり、流量が「2」に設定された、開閉弁81y−流量調整弁82yを経由する燃焼ガス管路は、「第2の細火レベル」となり、流量が「3」に設定された、開閉弁81z−流量調整弁82zを経由する燃焼ガス管路は、「炊飯レベル」ということになる。
【0028】
このように加熱装置ユニットの発生熱量の切り換えを3段階に行う場合には、例えば、後述する「炊飯領域」の外側に「余熱領域」を設定し、実釜が「余熱領域」内に位置すると、「第1の細火レベル」よりも発生熱量が大きい「第2の細火レベル」となるように、加熱装置ユニットの発熱量を切り換えれば良い。実釜が、「余熱領域」外となった場合には、加熱装置ユニットの発生熱量は、「第2の細火レベル」から、それよりも発生熱量が小さい「第1の細火レベル」に切り換わることになる。
【0029】
図2において、Hb、Hcは、それぞれ、加熱装置ユニット7b、7cの加熱領域を示している。加熱領域とは、各加熱装置ユニットによって、炊飯釜を実質的に加熱することができる搬送ライン上の領域であり、図示の例におけるように、加熱装置ユニットが4本のガスバーナ71、71、71、71から構成されている場合には、それらガスバーナ71、71、71、71の直上の搬送ライン上の領域が加熱領域となる。厳密にいえば、加熱装置ユニット7bの最も左端に位置するガスバーナ71と、加熱装置ユニット7cの最も右端に位置するガスバーナ71とは、両者間の距離が比較的短い場合には、炊飯釜を実質的に加熱することができる領域が重複していると考えられるが、このように、隣接する加熱装置ユニット間で、炊飯釜を実質的に加熱することができる領域が重なる場合には、重複部分における中央位置をもって、加熱装置ユニットの加熱領域の境界とするのが良い。
【0030】
したがって、図2の例においては、加熱装置ユニット7bの加熱領域Hbと、加熱装置ユニット7cの加熱領域Hcとの境界は、加熱装置ユニット7bと7cとの中央位置にある。また、加熱装置ユニット7bの加熱領域Hbの右端は、隣接する加熱装置ユニット7aとの間の中央にあり、加熱装置ユニット7cの加熱領域Hcの左端も同様に、隣接する加熱装置ユニット7dとの間の中央にある。
【0031】
最も右端に位置する加熱装置ユニット(図1の例では、加熱装置ユニット7a)には、それ以上右側に隣接する加熱装置ユニットは存在しないけれども、そのような場合には、加熱装置ユニット7aの加熱領域Haの右端は、加熱領域Haの搬送ラインに沿った長さが、他の同一構造の加熱装置ユニット7bの加熱領域Hbと同じになるように設定される。加熱装置ユニット7aと、加熱装置ユニット7bとが同一構造でない場合には、加熱領域Haの搬送ラインに沿った長さが、加熱装置ユニット7aの両側で均等になるように、加熱領域Haの右端を設定するのが良い。最も左端に位置する加熱装置ユニット(図1の例では、加熱装置ユニット7h)の場合も同様である。
【0032】
図1、図2の例においては、各加熱装置ユニット7a〜7hは、全て構造が同じで同形、同大で、それらの加熱領域Ha〜Hhの搬送ラインに沿った方向の長さも全て同じである。また、この加熱領域Ha〜Hhの搬送ラインに沿った方向の長さは、後述するとおり、炊飯釜6、6、6・・・の搬送ピッチと同じに設定されている。
【0033】
しかし、加熱装置ユニット7a〜7hにおける加熱領域Ha〜Hhの搬送ラインに沿った方向の長さは、必ずしも、炊飯釜6、6、6・・・の搬送ピッチと同じに設定する必要はない。図1、図2の例では、各加熱装置ユニット7a、7b、7c・・・は、それぞれ4本のガスバーナ71、71、71、71から構成されているけれども、例えば、図4に示すように、各加熱装置ユニットを構成するガスバーナの本数を各2本とすることも適宜可能であり、このような場合には、例えば、加熱装置ユニット7a、7b、7c・・・における加熱領域Ha、Hb、Hc・・・の搬送ラインに沿った方向の長さは、ガスバーナの配置間隔が図2と同じ場合、図2の場合の1/2となり、炊飯釜6、6、6・・・の搬送ピッチの1/2となる。加熱装置ユニット7a、7b、7c・・・を構成するガスバーナ71、71・・・の本数は任意であり、上述した例のように4本や2本としても良いし、3本であっても、5本以上であっても良く、1本であっても良い。
【0034】
また、上述した例では、各加熱装置ユニット7a、7b、7c・・・はガスバーナ71、71、71・・・によって構成されているが、加熱装置ユニットを構成する発熱源は、ガスバーナに限られない。炊飯釜に炊飯に必要な熱量を供給することができれば、どのような発熱原理による発熱源を用いても良く、例えば、ニクロム線ヒータ、電磁誘導コイル、過熱蒸気発生器などを用いて加熱装置ユニットを構成することも適宜可能である。この場合、熱量調整装置における発生熱量の切り換え機構も、加熱装置ユニットにおける発熱原理に適合したものにしなければならないことはいうまでもない。例えば、加熱装置ユニットがニクロム線ヒータの場合には供給する電流を、加熱装置ユニットが電磁誘導コイルの場合には供給する電力を、過熱蒸気発生器の場合には供給する過熱蒸気の量及び/又は温度を、それぞれ「炊飯レベル」と「細火レベル」の少なくとも2段階に切り換えることができるように、熱量調整装置は構成されることになる。
【0035】
なお、本発明の連続式炊飯機における各加熱装置ユニットは、発熱原理及び構造が同じで、同形、同大であることが望ましいが、発熱原理、構造、形状、大きさなどを異ならせた複数種類の加熱装置ユニットを組み合わせて使用しても良い。
【0036】
以下、図1、図2に示した例に基づいて、本発明の連続式炊飯機の動作を説明する。
【0037】
図5は、本発明の連続式炊飯機1による炊飯工程のスタート時の状態を示しており、スタート時、加熱装置ユニット7a〜7hはいずれも「細火レベル」にある。破線で示した炊飯釜6、6、6・・・間に上下方向に引いた実線は、炊飯釜6、6、6・・・の搬送ピッチを示しており、本例においては、各過熱装置ユニット7a、7b、7c・・・の加熱領域Ha、Hb、Hc・・・の搬送ライン方向の長さは、炊飯釜6、6、6・・・の搬送ピッチと同じ長さに設定されている。
【0038】
Sa、Sbは、それぞれ加熱装置ユニット7a、7bの炊飯領域を示しており、本例においては、炊飯領域Sa、Sbは、加熱装置ユニット7a、7bの加熱領域Ha、Hbよりも、搬送ライン方向上流側に「2」搬送ピッチ、下流側に「1」搬送ピッチ延長した長さに設定されている。なお、加熱装置ユニット7c〜7hにも、それぞれ炊飯領域Sc〜Shが設定されているが、便宜上、図示していない。図5の状態では、いずれの炊飯領域Sa〜Sh内にも実釜6jは存在しないので、加熱装置ユニット7a〜7hはいずれも「細火レベル」で発熱している。
【0039】
この状態で、洗米済みの米と炊飯水とを収容した炊飯釜(実釜)6jが、連続炊飯システムにおける図示しない上流側から搬送されてきて、重量測定装置10上に位置すると、重量測定装置10は、実釜6jの重量を測定し、その測定信号を、炊飯釜の種別情報として、制御装置9に供給する。制御装置9は、供給された重量測定信号に基づいて、重量測定装置10上に位置する炊飯釜が実釜であるか水釜であるかを判別する。水釜の場合には、米が収容されていない分、実釜よりも重量が明らかに軽いので、容易に実釜か水釜かを判別することができる。なお、炊き上げるべきご飯のアイテムによっては、実釜6j内に、米と炊飯水に加えて、具材や調味料が収容されている場合もある。
【0040】
次に、図6に示すように、重量測定を終えた実釜6jが、さらに下流側に搬送され、加熱装置ユニット7aの炊飯領域Sa内に入ると、ちょうど炊飯領域Saの上流側境界位置に配置されている位置検知センサー11がこれを検知し、その検知信号を位置情報として、制御装置9に供給する。制御装置9は、この位置情報と、先に供給を受けた種別情報とに基づいて、実釜6jが炊飯領域Sa内に位置すると判断し、対応する熱量調整装置8aに信号を送り、加熱装置ユニット7aの発熱レベルを「細火レベル」から「炊飯レベル」に切り換える。このとき、他の加熱装置ユニット7b〜7hは、対応する炊飯領域内に実釜6jが存在しないので、「細火レベル」のままである。
【0041】
次に、実釜6jがさらに下流方向に搬送されて図7に示す位置にくると、ちょうど炊飯領域Sbの上流側境界位置に配置されている位置検知センサー11がこれを検知し、その検知信号を位置情報として、制御装置9に供給する。制御装置9は、この位置情報と、先に供給を受けた種別情報とに基づいて、実釜6jが炊飯領域Sb内に位置すると判断し、対応する熱量調整装置8bに信号を送り、加熱装置ユニット7bの発熱量を「細火レベル」から「炊飯レベル」に切り換える。このとき、実釜6jは、依然として炊飯領域Sa内にも位置しているので、加熱装置ユニット7aの発熱量は「炊飯レベル」のままである。さらに、重量測定装置10による重量測定を終えた次の実釜6jが、炊飯領域Sa内に位置しているので、これによっても、加熱装置ユニット7aの発熱量は「炊飯レベル」とされる必要がある。
【0042】
このとき、加熱装置ユニット7c〜7hは、対応する炊飯領域内に実釜6jが存在しないので、「細火レベル」のままであるが、実釜6jが連続式炊飯機1内を下流方向に搬送されていって、順次、それぞれの炊飯領域Sc〜Sh内に位置するようになると、制御装置9は、対応する熱量調整装置8c〜8hをそれぞれ制御して、加熱装置ユニット7c〜7hの発熱量を「細火レベル」から「炊飯レベル」に切り換えることになる。
【0043】
以上のようにして、実釜6jは、連続式炊飯機1内を順次搬送されていき、所定の炊飯が行われる。図8は、第1アイテムの炊飯が終了し、次のアイテムの実釜との間に、5個の水釜6wが挿入され、連続式炊飯機1内に搬送されてきた状態を示している。図8に示すとおり、第1の水釜6wは、既に加熱装置ユニット7bの加熱領域Hb内にあり、最後の実釜6jは、加熱領域Hbをはずれ加熱領域Hcに入り、加熱装置ユニット7aの炊飯領域Saの下流側境界を越えたところにある。実釜6jが炊飯領域Saの下流側境界、すなわち、加熱領域HbとHcとの境界を越えたことは、その境界位置に配置されている位置検知センサー11によって検知され、位置情報として制御装置9に供給される。その一方、制御装置9は、重量測定装置10から供給される種別情報に基づいて、炊飯領域Sa内には実釜は存在しないことを把握しているので、最後の実釜6jが、炊飯領域Saの下流側境界を越えたとき、熱量調整装置8aを制御して、加熱装置ユニット7aの発熱量を「炊飯レベル」から「細火レベル」へと切り換える。
【0044】
図9は、最後の実釜6jがさらに下流側に搬送され、炊飯領域Sbの下流側境界を越え、炊飯領域Sb内に実釜6jが存在しなくなった状態を示している。このとき、加熱装置ユニット7bの発熱量は「細火レベル」に切り換えられている。以下、同様にして、各炊飯領域内に実釜6jが存在しなくなると、制御装置9は、対応する熱量調整装置を制御して、加熱装置ユニットの発熱量を「炊飯レベル」から「細火レベル」へと切り換えることになる。ただし、図9の右側には、次のアイテムの実釜6jが搬送されてきており、以下、上述した動作が繰り返されることになる。
【0045】
以上、炊飯領域Sa〜Shが、各加熱領域Ha〜Hhを、搬送ラインの上流側方向に炊飯釜の搬送ピッチとして2ピッチ分、下流側方向に1ピッチ分延長した長さの領域として設定されている場合について説明をしたが、炊飯領域Sa〜Shの設定は、上述したものに限られない。上流側の延長長さと下流側の延長長さは同じであっても良いし、炊飯釜の搬送ピッチを単位に、例えば、上流側に1.5ピッチ、下流側に1.0ピッチ、或いは、上流側に1.0ピッチ、下流側に0.5ピッチを延長長さとして加熱領域に加算するようにしても良い。炊飯釜の搬送ピッチとは、搬送ライン上における炊飯釜の搬送間隔をいい、連続式炊飯機内に搬送されてくる時点で、一定の間隔に調整されているので、これを搬送ピッチとすれば良い。
【0046】
また、場合によっては、上流側又は下流側には、延長長さを設定せず、加熱領域の上流側境界又は下流側境界を、炊飯領域の境界とするようにしても良い。さらには、炊飯釜の搬送ピッチを単位とするのではなく、炊飯釜の搬送ラインに沿った長さを単位として、加熱領域を上流側及び/又は下流側に延長するようにしても良い。さらには、炊飯釜の搬送ピッチや炊飯釜の搬送ライン方向の長さを単位とするのではなく、任意の長さを単位として、加熱領域の上流側及び/又は下流側延長長さを設定するようにしても良い。これらの設定は、制御装置9若しくはそれに付随するコントロールパネル、或いは、連続炊飯システムにおけるコントロールパネルを介して、適宜行うことができる。
【0047】
なお、以上の例においては、炊飯釜6の種別情報は、重量測定装置10から提供され、位置情報は、連続式炊飯機1に設けられた位置検知センサー11、11、11・・・から供給されるが、本発明の連続式炊飯機1が連続炊飯システムに組み込まれる場合には、連続炊飯システムの制御装置から種別情報と位置情報との供給を受けるようにしても良い。連続炊飯システムにおいては、通常、コントロールパネルを介して、炊き上げるご飯のアイテムと、炊き上げるご飯の量から求められる炊飯釜の数、炊き上げる順序、各アイテム間に挿入される水釜の数などの情報が入力され、それに基づいて連続炊飯システムの制御装置は、必要個数の炊飯釜を搬送ラインに流し、各炊飯釜に米、水、具材、調味料等の必要が資材を投入し、順次、必要な各工程が行われるようにシステムを管理しており、搬送ラインの長さ、各コンベアの搬送速度などに基づいて、どのアイテムの炊飯釜が搬送ライン上のどの位置にあるかを計算し、リアルタイムで把握している。したがって、連続炊飯システムにおける制御装置は、本発明の連続式炊飯機1がシステム内に組み込まれている場合、本発明の連続式炊飯機1に搬送されてくる炊飯釜の種別情報と、連続式炊飯機内を含めた搬送ライン上の位置情報とを把握しており、これらの種別情報と位置情報を、本発明の連続式炊飯機1の制御装置9に提供することができる。本発明の連続式炊飯機1の制御装置9は、システムから提供を受けた上記種別情報と位置情報とに基づいて、熱量調整装置8a〜8hの切り換え動作を制御することができる。
【0048】
本発明の連続式炊飯機1の制御装置9は、システムから提供を受けた上記種別情報と位置情報に加えて、上述した重量測定装置10からの種別情報及び/又は位置検知センサー11、11、11・・・からの位置情報を、熱量調整装置8a〜8hの切り換え動作の制御に使用することもできる。システムから提供を受けた種別情報及び/又は位置情報と、重量測定装置10および位置検知センサー11、11、11・・・から提供を受けた種別情報及び/又は位置情報とが一致しない場合には、いずれか一方を優先させるようにしても良いし、例えば、警報を発して作業者に注意を促すようにしても良い。
【0049】
以上のような本発明の連続式炊飯機は、単独で使用することも可能であるが、通常は、連続炊飯システムに組み込んだ状態で使用される。本発明の連続式炊飯機を組み込んだ連続炊飯システムによれば、炊飯に要するエネルギーを可及的に節約しつつ、従来の連続式炊飯機による炊飯と同等レベルの高品質の炊飯を実現することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明の連続式炊飯機によれば、従来、何の考慮も払われていなかった水釜に加えられる熱量を大幅に削減することが可能であり、しかも、炊飯の品質は従来どおりに維持される。多品種少量生産が主流となりつつある業務用炊飯の業界において、高品質の炊飯を維持しながら、エネルギー消費を抑制し、ひいてはCOの発生量を削減することを可能にする本発明のもたらす影響は実に多大であり、その産業上の利用可能性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の連続式炊飯機の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の連続式炊飯機の一部を拡大した概念図である。
【図3】本発明の連続式炊飯機の他の一例を示す概念図である。
【図4】本発明の連続式炊飯機のさらに他の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の連続式炊飯機の動作を説明する図である。
【図6】本発明の連続式炊飯機の動作を説明する図である。
【図7】本発明の連続式炊飯機の動作を説明する図である。
【図8】本発明の連続式炊飯機の動作を説明する図である。
【図9】本発明の連続式炊飯機の動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0052】
1 連続式炊飯機
2 チェーンローラーコンベア
3 駆動ローラー
4 従動ローラー
5 駆動モーター
6 炊飯釜
7a、7b、7c・・・ 加熱装置ユニット
8a、8b、8c・・・ 熱量調整装置
9 制御装置
10 重量測定装置
11 位置検知センサー
12 排気ダクト
13 燃焼ガス管
14 検知突片
71、71・・・ ガスバーナ
81x、81y、81z 開閉弁
82x、82y、82z 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯釜を搬送するコンベアと;コンベアの搬送ラインに沿って配置された複数の加熱装置ユニットと;各加熱装置ユニットが発生する熱量を、各加熱装置ユニットごとに、炊飯レベルと、それよりも小さな細火レベルとの少なくとも2段階に切り換えることができる熱量調整装置と;コンベアによって搬送される各炊飯釜の搬送ライン上の位置情報と、各炊飯釜が内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜か否かについての種別情報とに基づいて、内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜が、各加熱装置ユニットの予め設定された炊飯領域内に位置する間は当該加熱装置ユニットが発生する熱量が炊飯レベルとなり、それ以外の間は、当該加熱装置ユニットが発生する熱量が細火レベルとなるように、各加熱装置ユニットごとに熱量調整装置の切り換え動作を制御する制御装置とを備えており、当該制御装置には、各加熱装置ユニットの炊飯領域が、炊飯釜の搬送ラインに沿った方向において、少なくとも各加熱装置ユニットの加熱領域を含む領域として設定されている連続式炊飯機。
【請求項2】
炊飯領域が、各加熱装置ユニットの加熱領域を、炊飯釜搬送ラインに沿った上流方向及び/又は下流方向に、それぞれ予め設定された長さだけ延長した領域として設定されている請求項1記載の連続式炊飯機。
【請求項3】
上流方向及び下流方向の延長長さが、それぞれ独立に設定可能である請求項2記載の連続式炊飯機。
【請求項4】
炊飯釜搬送方向の最も上流側に位置する加熱装置ユニットよりも上流側に、コンベアによって搬送されてくる炊飯釜の重量を測定する重量測定装置を備え、当該重量測定装置からの重量測定信号に基づいて、当該重量測定装置の位置に搬送されてきた炊飯釜が、内部に炊飯すべき米と炊飯水とを収容した炊飯釜であるか否かを判別し、炊飯釜の種別情報として提供する手段を備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の連続式炊飯機。
【請求項5】
コンベアによって搬送される各炊飯釜の搬送ライン上の位置を検知して、搬送ライン上の炊飯釜の位置情報として提供する手段を備えている、請求項1〜4のいずれかに記載の連続式炊飯機。
【請求項6】
各炊飯釜の位置情報と種別情報とが、連続式炊飯機が組み込まれた連続炊飯システムの制御装置から与えられる請求項1〜5のいずれかに記載の連続式炊飯機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の連続式炊飯機を組み込んだ連続炊飯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−172110(P2009−172110A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13173(P2008−13173)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(599103122)精宏機械株式会社 (26)
【Fターム(参考)】