説明

連続流腹膜透析カテーテル

連続流透析カテーテル(10)が開示されている。このカテーテル(10)は、第1近位端(16)、第1遠位端(20)、取入ルーメン(12)、および戻しルーメン(14)を有する近位部分を含んでいる。取入ルーメン(12)および戻しルーメン(14)の各々は、第1近位端(16)と第1遠位端(20)との間に延びている。また、カテーテル(10)は、第1遠位部分へしっかり接続されたコネクタ部分を含んでおり、そのコネクタ部分で戻しルーメン(14)は終わっている。また、カテーテル(10)は、第2近位端(18)、第2遠位端(22)、および、第2近位端(18)と第2遠位端(22)との間に延びる遠位ルーメンを有する遠位部分を含んでいる。この第2遠位端(22)は、遠位ルーメンと取入ルーメン(12)とが互いに流体連通する形で、しっかりとコネクタ部分へ接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、発明者がクラウディオロンコ(Claudio Ronco)とアンジェラグロウクホフ(Angela Gloukhoff)であり、「連続流腹膜透析(Continuous Flow Peritoneal Dialysis)」という名称の2001年10月5日に出願された、米国仮出願第60/327,515号の利益を主張する、2001年1月23日に出願された米国特許出願第10/057,340号、現在は、2004年6月15日に発行された米国特許第6,749,580号の一部継続出願である、2004年4月14日に出願された米国特許出願第10/824,454号からの優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
連続流腹膜透析は、特定量の流体、概して、腹部に絶え間なく存在する血液透析液を利用する技術である。すでに当技術分野で知られている連続流腹膜透析は、2つのシングルルーメン腹膜透析カテーテル、あるいは改良型大口径血液透析カテーテルを利用してきた。流入カテーテルおよび吸収カテーテルは、流入と流出を一定のまま維持することが可能である。しかしながら、腹膜腔内部でのチャネリング、あるいは低混入による、血液透析液の大きな流速と再循環は、連続流腹膜透析に関連する問題である。
【0003】
連続流腹膜透析技術では、腹膜透析溶液は、単一パスあるいは再循環ループで利用される。吸着剤カートリッジあるいは透析器のような様々な再循環システムが知られている。問題は、腹膜交換表面との接触前の、新しい溶液の急速な排出であった。
【0004】
再生システムは、適度の容積で準備された一団の流体、および飽和状態までの流体再循環を利用することを含んでいる。他の方法は、の初期固定容積のプライミングとなる商業透析溶液量を提供し、使用済み血液透析液の連続再生が続く。再生は、血液透析フィルタあるいは吸収のいずれかにより実行可能である。他の方法は、オンライン限外濾過で濃縮した水から溶液を準備することである。
【0005】
2つのルーメンの近位端は、透析剤再生手段に取付けられている。再生された透析剤あるいは新しい透析剤は、当技術分野で周知の、再生された透析剤あるいは新しい透析剤の提供手段に接続したカテーテルの1つを通して、腹部に導入される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の全ての理由で、腹膜壁への外傷を減少させながら、透析剤の腹膜への混入を事実上可能にする、連続流腹膜透析カテーテルと方法を実現することが重要である。加えて、カテーテルや、カテーテルを通る物質流動を穏やかに分注する、カテーテル用ディフューザを実現することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、本発明は、一方が短いルーメンで、他方が長いルーメンである、少なくとも2つのルーメンを備えた、連続流カテーテルに関する。本発明では、吸収ルーメンである長いルーメンはコイル状である。それは、概して、カテーテルを通る物質流動の取入のために、このコイル内部に位置する複数の開口部を有していてもよい。
【0008】
カテーテルはまた、ユーザの体内に物質を分注するために、短いルーメンの遠位端に位置したディフューザを含んでいてもよい。長いルーメンは、ディフューザを越えて、および/または、ディフューザを通して延びていてもよい。
【0009】
カテーテルはまた、少なくとも2つのルーメンの近位端に、ハブを含んでいてもよい。このハブは、カテーテルのユーザの身体を通して、皮下に通過可能となっていてもよいし、あるいは、ハブが取り外し可能であってもよい。
【0010】
本発明のカテーテルは、腹膜透析に使用可能であってもよい。
【0011】
加えて、カテーテルは、皮下組織の付着のために腹膜の近位に位置する、少なくとも1つのカフを含んでいてもよい。カテーテルは、「D」字形のルーメンを含んでいてもよい。
【0012】
また、本発明は、ディフューザを有するカテーテルと同様に、カテーテル用ディフューザにも関連している。このディフューザは、内部部分、および外部部分、およびユーザの体内へ物質を分注するための、少なくとも1つの開口部を有している。さらに、ディフューザは、物質をユーザの体内へ拡散する方法で分注する、複数の開口部を有していてもよい。複数の開口部は、ディフューザの側面の周りに、概してカテーテルの縦軸に対して垂直となるように、放射状に配置されていてもよい。ディフューザの形状は、概して、円筒形や、涙滴形や、ベル形や、円形や、楕円形や、半円形や、半卵形や、各形状の組み合わせから成っている。ディフューザ、およびディフューザを有するカテーテルは、連続流腹膜透析に用いられるカテーテルで使用されてもよい。
【0013】
また、本発明は、腹膜内を円形に縫合し、腹膜内に切開をし、カテーテルを挿入し、壁側腹膜を締める、ユーザの体内での切開作成ステップ、および解剖学的層の分離ステップを含む、連続流腹膜透析用の方法を含んでいる。この方法は、皮膚および腹膜表面を麻酔することを含んでいてもよい。加えて、この方法は、ユーザの皮膚を側方切開し、皮膚トンネルを作成し、この皮膚トンネルにカテーテルを通し、カテーテルへアタッチメントを接続し、皮膚切開を縫合することを含んでいてもよい。また、この方法は、ディフューザを有するカテーテルの提供を含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
明細書の一部に含まれ、それを形成している添付図面は、本発明の実施例を示し、さらに説明と共に、本発明の原理を明らかにすることに役立つ。図面では、同じ参照番号は、いくつかの図中で同じ要素を示すのに使われている。
【0015】
図面に示した本発明の実施例の説明では、特定の用語は、明瞭さのために使用されている。しかしながら、本発明は、こうして選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、特定の各用語が、同様の目的を達成するために、同様の方法で作動する、技術的な全ての同等物を含んでいるものと理解されるべきである。「近位」や、「遠位」や、「短い」や、「長い」という言葉は、本願明細書では、典型的目的で使用されており、本発明に対して限定を加えるものと看做されるべきではない。「近位」および「遠位」という言葉は、それぞれ、本発明に従う第1ルーメンおよび第2ルーメンの挿入先端から、離れる方向、および、より近くなる方向を指すものである。「長い」および「短い」という言葉は、互いに対するルーメンの長さを指すものである。用語は、上に明確に言及された言葉、その派生語、および同様の意味の単語を含んでいる。以下では、本発明の好適な実施例について説明する。しかしながら、本発明は、本願明細書に説明された好適な実施例により限定されるものではなく、この開示に基づいて理解されるべきである。
【0016】
ここで、図2A、図2B、図2C、図2D、および図3を参照すると、本発明のカテーテル10、10’が示されている。これらの図に示したように、カテーテルは、少なくとも2つのルーメン、第1ルーメン12および第2ルーメン14、を含んでいる。第2ルーメン14は、第1ルーメン12より長い。説明する目的で、第2ルーメン14は長いルーメン14とも呼ばれ、さらに第1ルーメン12は短いルーメン12とも呼ばれる。各ルーメンは、近位端16、18、および遠位端領域20、22を有している。少なくとも2つのルーメン12、14の各々の遠位端領域20、22の各々は、カテーテル10、10’のユーザの体内への、あるいは体内からの物質42の通路用の、少なくとも1つの開口部24、26を有している。物質42は、ルーメン壁90により形作られた、縦方向のルーメンチャンネル112を通る。
【0017】
本発明のカテーテル10、10’は、体液、は薬物、あるいは他の溶液が潅流、輸液、血漿交換、血液透析、化学療法などとして、体内へ導入され、および体内から排出される、様々なアプリケーションでの使用に適合可能である。カテーテルを挿入される領域は、腹膜や、体内のいかなる適当な領域であってもよい。カテーテル10、10’が使用可能な他の領域には、例えば、任意の膿瘍腔、術後腔、および、相互腹部領域、副横隔膜領域、副肝臓領域を含む身体の他の領域がある。この開示から、当業者であれば、これらの領域が典型的なものであり、カテーテルが挿入される様々な領域から物質を除去し、あるいは導入するために、カテーテル10、10’が使用可能であることを理解すべきである。加えて、当業者であれば、この開示に基づいて、カテーテルサイズ、および/または、カテーテル、および/または、ルーメンの数を増加させ、あるいは減少させることにより、カテーテル10、10’が、物質を体内へ導入し、および/または体内から除去する他の医療のアプリケーションでの使用に役立つものとなるよう、カテーテル10、10’を構成し、あるいは適合させ得ることも理解されよう。
【0018】
物質42は、短いルーメン12(配送ルーメンと呼ばれることもある)を通して、カテーテルのユーザの体内へ入ってもよい。物質は、カテーテル10のユーザの体内から、長いルーメン14(吸収ルーメンあるいは戻しルーメンと呼ばれこともある)を通して除去されてもよい。しかしながら、本発明の範囲内で、長いルーメン14は配送ルーメンであってもよく、短いルーメン12は吸収ルーメンであってもよいことが理解されるべきである。
【0019】
長いルーメン14はコイル状になっていてもよく、さらにルーメンを通る物質の通路用の、少なくとも1つの開口部26を有している。少なくとも1つの開口部26は、ルーメン14の遠位端96にあってもよい。加えて、少なくとも1つの遠位開口部26を、長いルーメン14の遠位端領域22の側部98に沿って配置することも、本発明の範囲内である。
【0020】
長いルーメン14は、ルーメンの遠位端領域22の側部98に沿って、複数の開口部26を有していてもよい。
【0021】
複数の開口部26は、また、複数の開口部26の全てが、ルーメンのコイル状になった遠位端領域22の内側に配置される形で、ルーメンの遠位端領域22の側部98に沿って配置されていてもよい。典型的目的のためにコイルを延ばしている図8Aは、この実施例を示している。加えて、遠位開口部26は、任意に、ルーメン14の遠位端領域22の終端96に含まれていてもよい。
【0022】
図8Bに示したように、各ルーメン12、14は、「D」字形になっていてもよい。しかしながら、図8Cに示したように、円形ルーメン12、14を有しているものも本発明の範囲内である。図8Bおよび図8Cに示したようなルーメン12、14の形状は、本発明と共に使用可能な様々なルーメンの形状、典型となるよう意図している。この開示に基づいて、本発明は、図8Bおよび図8Cに示した構成に限定されないことが理解されるだろう。当業者は、当技術分野で知られている、および将来発見される、全ての形状のルーメンは、本発明の範囲内であることを理解するだろう。加えて、各ルーメンは、他のルーメンとは異なる形状および大きさを有していてもよい。
【0023】
当技術分野で知られているように、各ルーメンを互いから区別するために、短いルーメン12か、長いルーメン14のいずれかのルーメン壁90内に、特にその近位端16 18に、任意に放射線不透過ストリップ94が含まれていてもよい。長さが長い方がユーザは容易に放射線不透過性片94を識別できるので、概して、放射線不透過ストリップ94は、長いルーメン14に配置されている。
【0024】
ここで、ディフューザ30を示した、図1A〜1E、図2A〜2D、図4、図5A、図5Bを参照する。図3に示したカテーテル10’の実施例は、ディフューザを含んでいないことに留意すべきである。ディフューザ30は、カテーテル10に追加されていてもよく、さらに、短いルーメン12内の、少なくとも1つの遠位開口部24に配置されていてもよい。長いルーメン14は、ディフューザ30を越えてさらに遠位方向へ延び、カテーテルのユーザの体内へ入っている。図1C‐1、図1C‐2、および図4に最も明瞭に示されているように、長いルーメン14は、ディフューザ30を通って延びていてもよい。図1C‐1では、長いルーメン14は「D」字形をしている。図1C‐2では、長いルーメン14は、円形をしている。
【0025】
ディフューザ30は、内部部分32、および外部部分34、および内部部分32と外部部分34との間の少なくとも1つの開口部36を有している。ユーザの体内に分注される物質42は、短いルーメン12を通り、ルーメン12の遠位端開口部24でディフューザ30内へ流入する。その後、物質42は、ディフューザの少なくとも1つの開口部36を通して、ユーザの体内へ流れる。
【0026】
ディフューザ30は、物質42が拡散した形でユーザの体内へ入るよう、複数の開口部36を有していてもよい。加えて、複数の開口部36は、概して、カテーテル10の縦軸に対して垂直となる形で、ディフューザ30の側面の周りに放射状に配置されていてもよい。
【0027】
本発明のカテーテル10は、連続流腹膜透析に使用可能であってもよい。腹膜透析では、カテーテルを通る物質流動42は、透析剤であってもよい。本発明のディフューザ30は、透析剤流速が大きい影響で、腹膜の構造上での穏やかな相互作用を可能にし、さらに、腹膜腔40内への透析剤溶液の混入を容易している。連続流腹膜透析に使用されると、透析剤42は、放射状に配置された開口部36により、概してディフューザから360度にわたって垂直に放出可能となる。
【0028】
図1A〜1Eは、ディフューザ30を形成可能な、様々な形状を示している。図1Aは円筒形を示し、図1Bは楕円形および/または円形を示し、図1C‐1は半卵形を示し、図1C‐2は半円形を示し、図1Dは涙滴形を示し、そして、図1Eはベル形を示している。加えて、ディフューザ30は、図1A〜1Eに示した形状を組み合わせて作成可能である。図1A〜1Eに示したようなディフューザ30の構成は、本発明により達成可能な様々な構成の、典型になることのみを意図している。この開示に基づき、本発明は、図1A〜1Eに示した構成に限定されないことが理解されよう。
【0029】
連続流腹膜透析に使用されると、ディフューザ30は透析剤42の排出さえ提供する。複数の開口部36は、透析剤42の配送圧力を拡散させ、腹膜38上での穏やかな相互作用を提供可能にする。
【0030】
本発明の寸法は、異なる大きさのカテーテル、実施例、およびカテーテルのユーザに固有の異なる特性のために、変更されてもよいことは理解されるべきである。使用可能な寸法の例には、以下がある:ディフューザ30の近位端は、腹膜38から1mm未満のところに配置されてもよい。また、ディフューザ30の遠位端と、長いルーメン14の遠位端領域22での螺旋開始部との間の距離は、ほぼ15cmの長さであってもよい。長いルーメン14の螺旋状遠位端領域22の長さは変化してもよいが、その長さは、ほぼ8.875インチであってもよい。ルーメン抵抗は、100〜300ミリリットル/分の範囲で与えられてもよい。ディフューザ30が円筒形であると、円筒1A1の幅28は、0.5cmの長さであってもよい。開口部36はいくつでも使用可能であるが、ディフューザ30は、6〜24個の開口部を有していてもよい。これらの寸法は、典型となるものに過ぎず、本発明に限定を加えるものとして受け取られるべきでないことは、理解されるべきである。
【0031】
図4に明瞭に示したように、ディフューザ30の内部部分32は、長いルーメン14のルーメン壁90がディフューザ30と接着される領域である、近位接着領域82、および遠位接着領域84を有していてもよい。接着は、接着剤、粘着剤、熱接着剤、または現在当技術分野で知られていたり、将来発見される他の手段によって達成可能であってもよい。
【0032】
ここで図5Aを参照すると、これは、カテーテル10が連続流腹膜透析に使用される際の、腹膜100内のカテーテル10の概略的位置を示している。ディフューザ30は、腹膜38の丁度遠位方向に配置されている。長いルーメン14のコイル状になった遠位端領域22は、腹膜100の下方のダグラスキャビティ92内に配置されている。使用に際して、カテーテル10は、透析剤42の配送と戻しとを分離する。結果として、使用済み透析剤42の最小限の再循環がなされることになる。使用に際して、新しい透析剤42は、ディフューザ30を通して腹膜100に入る。透析剤42は、必要な生理的プロセスおよび化学的プロセスが起こる腹膜100を通過し、そのプロセスにより、新しい透析剤は使用済み透析剤となる。一定の腹腔内の容積は、使用済み透析剤となる、高い透析剤により維持可能である。一定の腹腔内容積は、プラズマと、間断なく更新される透析剤溶液42との間の大きな溶質濃度勾配を保つよう、透析剤の大きな流速によって維持可能である。使用済み透析剤42は、長いルーメン14の少なくとも1つの開口部26を通して、腹膜100から吸引される。
【0033】
長いルーメン14の遠位端領域22のコイル状の設計により管材料量を増加させ、それにより、腹膜100の体腔壁層と内臓とを、使用済み透析剤42の流出用の少なくとも1つの遠位開口部26を妨害することがないように分離している。流出量は、複数の開口部267の使用により増加可能である。コイル状をした長いルーメン14の遠位端領域22の使用は、まっすぐなルーメンの先端より内臓に穏やかなので、腹膜透析に好適である。
【0034】
カテーテ10、10’は、低デュロメータシリコンで作成されているのが好ましい。しかしながら、当技術分野で知られている、あるいは将来開発されるポリウレタン、あるいは他の生体適合材も使用可能である。低デュロメータシリコンは、その生体適合性と柔軟性により、比較的柔らかい身体構造である腹膜100での使用に好適である。さらに、低デュロメータシリコンは、広範囲な温度で柔軟性があり、臨床的に有害でない濾過可能な可塑剤を有している。
【0035】
2つ以上のルーメンを有するカテーテル内の第1ルーメン12、第2ルーメン14、および追加ルーメン、およびディフューザ30は、生体適合プラスチックあるいはエラストマで作成されていてもよく、生体適合エラストマから作成されているのがより好ましい。適当な生体適合プラスチックには、例えば、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ホモ重合体などの酢酸ビニルのホモ重合体、および、共重合体、および、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレンなどのアクリル酸塩の共重合体、および、ヒドロキシメチルメタクリル酸、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、2‐ピロリドン、ポリアクリロニトリルブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、および、ポリテトラフルオロエチレンのホモ重合体、および共重合体などのフッ素重合体、および、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルのホモ重合体、および、共重合体、酢酸セルロースおよび、アクリロニトリルブタジエンスチレンのホモ重合体、および、ポリメチルペンテン、ポリサルフォン、ポリエステル、ポリイミド、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、および、当業者に知られている他の同様の化合物、などの材料がある。これらの可能な生体適合重合体は、典型的目的用に上述したものに含まれていると理解されるべきであり、限定するものとして理解されるべきではない。生体適合高分子材料がカテーテル10、10’の形成に使用されると、高分子材料は、好適には、以下に特定されるような好ましくは柔軟なデュロメータを含む、ポリウレタンあるいはポリオレフィン高分子材料を含んでいるのが、最も好ましい。
【0036】
カテーテル10、10’の形成に用いるのに適当で、好適な、生体適合エラストマには、医療グレードシリコンゴムポリ塩化ビニールエラストマ、ポリオレフィンホモ重合体および共重合体エラストマ、ウレタン‐ベースエラストマ、天然ゴム、あるいは他の合成ゴムなどの生体適合エラストマがある。カテーテル10、10’は、柔軟性があり、耐久性があり、柔軟な、カテーテルを挿入される領域、および/または、皮下領域の形状に容易に適合可能な、血管壁への危険を最小にするような、エラストマ材料で作成されていてもよい。カテーテル10、10’が血液透析アプリケーションのために使われる場合は、これらは、ショアデュロメータスケール上の少なくともおよそ80−Aの硬度を有する、ソフトシリコンエラストマにより形成されていてもよい。こうしたエラストマは、ダウコーニング(Dow Corning)から市販されており、放射線不透過性を提供するよう、20%の硫酸バリウムをエラストマ内に含有可能である。生体適合エラストマが特に血液透析に使用されるなら、より大きなショアデュロメータ硬度を有しているのが好適であるが、本発明の趣旨から逸脱することなく、より低いショアデュロメータ硬度を有するエラストマから装置を作成することもできる。この開示に基づき、カテーテル10、10’は、その意図された使用に応じて、放射線不透過性でもよいことが理解されよう。
【0037】
ここで図2B、図2C、図2D、図3、図5C、図5D、および図6A〜6Cを参照すると、これらは任意のハブ50を備えた本発明を示している。ハブ50が設けられると、少なくとも2つのルーメン12、14の近位端16、18は、ハブ50内に配置されている。図2Bに示したように、ルーメン12、14は、取り外し不能な方法で、ハブ50に取付けられていてもよい。代替的に、図2Cに示したように、ルーメン12、14は、取り外し可能ハブ50に取付けられていてもよい。取り外し可能ハブは、「取り外し可能ハブ(Detachable Hub)」という名称の、係属中の出願である米国仮出願第60/329,593号に開示されており、これは、参照により本願明細書に組み込まれる。加えて、図2Dおよび図3に示したように、当技術分野で現在知られており、また将来発見される、全てのハブ110の使用も本発明の範囲内である。しかしながら、図2Aに示したように、ハブは任意であり、典型的目的のために含まれたハブは、限定するものとして理解されるべきではない。当業者ならば、本発明のカテーテル10、10’が、ハブ50、取り外し可能ハブ50’を伴って、あるいはハブを伴わないで、あるいはハブ110、または現在当技術分野で知られていたり将来発見される他の付属物110を伴って、使用可能であることは、理解するであろう。
【0038】
図2B、図5C、図5D、および図6A〜6Cに示したように、本発明の実施例では、取り外し不能ハブ50が利用されてもよい。これらの図に示したように、少なくとも2つのルーメン12、14の近位端16、18は、ハブ50内で終わっている。加えて、延長部分56、58の遠位端も、ハブ50内で終わっている。この実施例では、ルーメン12、14が「D」字形であると、ルーメン12、14の各近位端開口部102、104も「D」字形となっている。図6A〜6Cに示した実施例のように、延長部分56、58の各遠位開口部106、108は、円形であってもよい。少なくとも2つのルーメン12、14の、延長遠位端開口部106、108、および近位端開口部102、104は、ハブ50内に成形されたハブチャンネル52、54を通して、互いに流体連通した状態にされている。ハブ50は、一端が円形で他端が「D」字形である、取外し可能な内部ピン(図示せず)の周りに成形されている。ハブ50と共に利用される、ルーメンおよび延長部分の形状、大きさ、および数は、典型的なものであり、限定を意図するものではない。延長近位端(図示せず)は、従来の方法で、それぞれの雌ルアーロック(図示せず)に接続されているのが好ましい。決定されると、雌ルアーロックは、カテーテル10、10’を通した物質流動を達成する、あらゆる適当なタイプの急速接続係合、フェルールコネクタ、螺合可能コネクタ、または当技術分野で知られていたり将来発見される、あらゆる接続手段で代用されてもよい。当技術分野で知られているように、延長部分は、透析ユニットの流体注入口と排出口のそれぞれ、他の流体移送装置、あるいはカテーテル10、10’のための目的の実行に必要な他の装置へ、流体連通した状態で接続されてもよい。
【0039】
すでに述べたように、カテーテル10、10’のハブ50、50’、および延長部分56、58は、任意である。本発明のカテーテル10、10’の近位端は、単に少なくとも2つのルーメン12、14として形成されてもよい。ハブあるいは追加延長部分を伴うルーメンの近位端16、18へ、ルアーあるいは他のコネクタを設けることにより、ルーメンの近位端16、18は、透析設備あるいは他の装置へ接続可能となろう。
【0040】
カテーテル10、10’が、取り外し不能ハブ50を有していると、概して、ハブ50は、カテーテルのユーザの体内皮下層48を通って通過することになる。図5Cおよび図5Dに示したように、ルーメンの近位端16、18、ハブ50、および延長部分56、58は、様々なトンネリング技術を用いて、体内皮下層48の皮下トンネルを通過可能である。ルーメンの近位端16、18、ハブ50、および延長部分56、58は、トンネル入口切開86内へ挿入され、さらに皮下層48を通して、トンネル出口切開86までトンネルされる(tunneled)。代替的に、ルーメンの近位端16、18、ハブ50、および延長部分56、58は、カテーテル入口切開110内へ挿入され、さらに皮下層48を通して、トンネル出口切開86までトンネルされてもよい。類似した状況では、ハブを有しない、あるいは取り外し可能ハブ50’を有するカテーテル10、10’では、ルーメンの近位端16、18は、皮下をトンネルされてもよい。
【0041】
ここで図2A〜2D、図3、図4、および図5A〜5Dを参照すると、任意の少なくとも1つのカフ44を示している。加えて、任意の第2カフ46が含まれていてもよい。当技術分野で知られているように、少なくとも1つのカフ44は、カテーテル10、10’をユーザの身体へ固定するために、その上へカテーテルのユーザの組織を成長させる、概してポリエステルなどの材料で作成されている。カテーテル10、10’が連続流腹膜透析に用いられる際、カフ44は、腹膜38の丁度近位方向に配置されている。カフ44は、腹膜38から0〜5mmの近位方向に配置されていてもよい。腹膜38が、カテーテル10、10’の切開部位で縫合される場合は、引かれると縫合が腹膜38内で畳み込まれるので、追加スペースが必要となる。ディフューザ30とカフ44との間のスペースは、0.5〜10mmの範囲であるのが好ましい。第1カフ44と第2カフ46との間の距離は、10cmであるのが好ましい。カフ44、46に関連する寸法は、異なる大きさのカテーテル、実施例、およびカテーテルのユーザに固有の異なる特性のために、変更されてもよいことが理解されるべきである。記載されている寸法は限定を意図するものではなく、むしろ、これらは典型的目的のために含まれている。
【0042】
図5Cおよび図5Dに示したように、第2カフ46は、カテーテル10、10’のための出口孔86に対して遠位方向に、皮膚の下に配置されていてもよい。
【0043】
ここで図7を参照すると、これは、本発明の連続流腹膜透析用の方法のフローチャートである。この方法は以下を含んでいる。ユーザの体内を切開し、腹膜が見られるまで解剖学的層を分離すること62;腹膜内で円形の縫合を行こと64;流出ルーメン内部の半剛体ワイヤにより案内されて、カテーテルの遠位端を腹膜のダグラスキャビティ内へ挿入し、さらに、腹膜内で円形の縫合を締めることにより、ディフューザとカフとの間の壁側腹膜を締めること68。加えて、この方法は、シリンジで、腹膜表面まで皮膚下を麻酔すること60を含んでいてもよい。また、この方法は以下を含んでいてもよい。ユーザの皮膚内に、側部切開を入れること70;皮膚トンネルとしても知られている、皮下トンネルを作成すること72;トンネラーにより達成可能な皮膚トンネルを通して、皮下へカテーテルの近位端を通過させること74;ルーメンに接続付属物を取り付けること76;および、皮膚内の切開を縫合すること78。
【0044】
また、この方法は、ディフューザ30を有するカテーテル10を提供することを含んでいてもよい。
【0045】
ステップ62の切開はおよそ3cmの長さであり、ステップ70の切開はおよそ10cmの長さである。切開の寸法は、異なる大きさのカテーテル、実施例、およびカテーテルのユーザに固有の異なる特性のために、変更されてもよいことが理解されるべきである。記載されている寸法は限定を意図するものではなく、むしろ、これらは典型的目的のために含まれている。
【0046】
当技術分野で一般に知られているように、体内へのカテーテル10の挿入前に、ディフューザの上へ、鞘(図示せず)を挿入してもよい。ディフューザ30は、好適には低デュロメータシリコンで作られているので、任意の鞘内へ容易に圧縮可能である。この鞘はディフューザ30の容積を減少させ、これにより、鞘を用いないで可能となるより小さな切開を用いて、ディフューザ30を含むカテーテル10の挿入が可能になる。クイル鞘は、当技術分野では一般的に知られており、ハブを有していないカテーテル10に使用されてもよい。カテーテル10が取り外し不能ハブ50を有している場合、当技術分野で一般的に知られている引き離し式鞘が使用されてもよい。
【0047】
取り外し不能ハブ50を有するカテーテル10、10’が、皮膚トンネルを皮下で通過すると76、皮下層48はハブ50が通過するのを可能にするように伸びているはずである。通常、皮下層48の弾性により、ハブ50の通過後、皮下組織は、ルーメン12、14を封入することを可能にする。カテーテル10、10’上で取り外し可能ハブ50’が利用されると、カテーテルへ付属物を接続するステップ76の間、ハブ50’は、カテーテルに接続された付属物内に存在している。
【0048】
当技術分野で知られているように、ルアーロックの開放端は、透析を始めるために、透析ユニットの流体注入口および排出口のそれぞれと、あるいは他の流体移送装置と、流体連通した状態で接続されてもよい。
【0049】
図9〜図12Dには、本発明に従うカテーテル200の、代替的実施例が示されている。カテーテル200は、コネクタ206により接続された、近位部分202および遠位部分204を含んでいる。遠位部分204は、取入ルーメン214のみを含んでいる。当業者は、他の適当な生体適合材も代替的に使用可能であると 認識するであろうが、近位部分202、および遠位部分204、およびコネクタ206は、全てシリコンから構成されているのが好ましい。また、少なくとも遠位部分204は、不透明のために重量で、ほぼ16%のBaSOを有する縦方向の縞(図示せず)を含んでいるのが好ましい。また、当業者は、近位部分202および遠位部分204が、他の硬度を有していてもよいと認識するだろうが、近位部分202および遠位部分204は、ショアデュロメータスケール上のほぼ55デュロメータの硬度を有しているのが好ましい。
【0050】
ここで、図9および図10を参照すると、近位部分202は、それぞれ、取入および戻しルーメン210、212を含んでいる。近位部分202は、取り外し可能な形でハブ260に接続した近位端220、および好適にはRTVなどの接着剤や、当業者に知られている他の生体適合接着剤などによりコネクタ206にしっかり接続された遠位端222を含んでいる。代替的に、近位部分202の遠位端222は、コネクタ206上に直接成形されていてもよい。図10Aには、近位部分202の断面図が示されている。近位部分202は、円形の断面を有しているのが好ましい。当業者は、取入ルーメン210および戻しルーメン212が他の形状であってもよいと認識するだろうが、円形断面内部の取入ルーメン210は、概して、楕円形の断面を有しているの好ましく、さらに、戻しルーメン212は、概して、三日月形の断面を有している。
【0051】
さらに、図9に戻ると、近位部分202の近位端220の外部は、特定のルーメンが取入ルーメン210であるか、あるいは戻しルーメン212であるかを特定するためにコード化されるのが好ましい。このコードは、取入ルーメン210に対する赤色マーキング224、および戻しルーメン204に対する青色マーキング226などのような、カラーコードを含んでいるのが好ましい。また、少なくとも1つ、好適には2つのカテーテルリテーナカフ228は、近位端220と遠位端222との間の、より好ましくは、コード224、226と遠位端222との間の近位部分202の外部の周囲に配置されているのが好ましい。リテーナカフ228のうちの1つは、コネクタ206のすぐ近位方向に配置されているのが好ましい。当業者は、リテーナカフには、通常他の材料が使用されてもよいと認識するだろうが、リテーナカフ228は、DACRON(登録商標)などの繊維から構成されているのが好ましい。
【0052】
遠位部分204は、好適にはRTVなどの接着剤、または当業者に知られている他の生体適合接着剤などによりしっかりとコネクタ206に接続された近位端230を含んでいる。代替的に、遠位部分204の近位端230は、コネクタ206上に直接成形されていてもよい。また、遠位部分204は、開いた遠位端232を含んでいる。また、遠位端232は、図9に示したように、ほぼ540度の内向き螺旋を含んでいるのが好ましい。540度の螺旋が好適であるが、当業者は、この螺旋は、およそ540度程度であってもよいと認識するだろう。図10Bには、遠位部分204の断面図が示されている。当業者は、遠位部分204が代替的に他の形状であってもよいと認識するだろうが、遠位部分204は、概して、楕円形の断面を有しているのが好ましい。遠位部分204は、取入ルーメン214と、遠位部分204の外部との間の流体連通を可能にする、複数の開口部215を含んでいる。
【0053】
ここで、図11A〜11Dを参照すると、コネクタ206は、概して、円筒形のボディ235を含んでいる。また、コネクタ206は、ボディ235の近位方向に延びる、近位コネクタ部分236を含んでいる。近位コネクタ部分236は、近位部分202の遠位端222を摩擦接触する形で受ける大きさの内径を有する、概して環形の断面を含んでいる。また、コネクタ206は、ボディ235から遠位方向へ延びる、遠位コネクタ部分238を含んでいる。遠位コネクタ部分238は、取入部分239および放出部分240を含んでいる。取入部分239は、概して、楕円形の断面であるのが好ましく、さらに、その内部は、遠位部分204の近位端230を摩擦接触する形で受ける、大きさおよび形状を有しているのが好ましい。図13に示したように、取入部分239は、遠位部分204の取入ルーメン214と近位部分202の取入ルーメン210との間の、流体の概してまっすぐな流動を提供するよう、近位コネクタ部分236と同一線形順序に並んでいるのが好ましい。
【0054】
図11Bを参照すると、放出部分240は、ボディ235を通して、取入部分239に対して、角度βで延びているのが好ましい。当業者は、角度βは26度前後だと認識するであろうが、角度βはほぼ26度であるのが好ましい。放出部分240は、概して、楕円形の断面であるのが好ましい。放出部分240は、近位コネクタ部分236の内部とボディ235の外部との流体連通を可能にする。
【0055】
図9および図10に戻ると、ディフューザ242は、コネクタ206上に配置されている。ディフューザ242は、図12A〜12Dに詳細に示されている。当業者は、ディフューザ242が、代替的に他の適当な生体適合材から作成されていてもよいと認識するだろうが、ディフューザ242は、ショアデュロメータスケール上の30Aのデュロメータを有するシリコンから構成されているのが好ましい。ディフューザ242は、概して、中空内部245、およびボディ244から近位方向へ延びる近位コネクタ部分246、およびボディ244内へ近位方向に延びる遠位コネクタ部分248を有する球根状のボディ244を含んでいる。
【0056】
近位コネクタ部分246は好適には環状の断面を有しており、近位コネクタ部分236の外径より僅かに小さな内径を有しており、それにより、ディフューザ242の近位コネクタ部分246が、締まりばめ内のコネクタ206の近位コネクタ部分236の外部と係合することになる。また、ディフューザ242の遠位コネクタ部分248は好適には楕円形の断面を有しており、コネクタ206の取入部分239の外径より僅かに小さな内径を有しており、それにより、ディフューザ242の遠位コネクタ部分248が、締まりばめ内のコネクタ206の取入部分239の外部と係合することになる。ディフューザ242が構成される材料の弾性により、近位コネクタ部分246と遠位コネクタ部分248は、それぞれ、コネクタ206のそれぞれの部分と摩擦接触する形で延びることができる。
【0057】
図12Dを参照すると、また、ディフューザ242のボディ244は、ボディ244の外部周辺に、概して放射状に距離を置いた複数の開口部250を含んでいる。当業者は、各開口部250が、隣接する開口部250と60度前後離れていてもよいと認識するだろうが、各開口部250は、隣接する開口部250と、ほぼ60度で離れているのが好ましい。この開口部250は、ボディ244の外部から中空内部245へと延びており、ボディ244の外部とコネクタ206の放出部分240との間の流体連通を可能にする。ボディ244の周りの開口部250の間隔により、透析剤は、透析の間、コネクタ206の放出部分240から、ディフューザボディ244の中空内部245を通り、開口部250を通り、さらに、患者の腹膜へ拡散することが可能になる。また、開口部250が、コネクタ206の遠位コネクタ部分248や、遠位ルーメン204から離されている配置により、開口部250から排出される透析剤が、遠位ルーメン204の外部に沿って流れ、透析剤が作用する機会を得る前に、カテーテル200内へ戻ってしまう可能性を減少させることになる。
【0058】
図9の参照に戻ると、ハブ260は、近位部分262および遠位部分264を含んでいる。近位部分は、締まりばめ内の、取入および戻しルーメン210、212の、それぞれの近位端へ挿入される大きさおよび形状の、第1排管266および第2排管268を含んでいる。第1排管266により、第1ルアー接続271を有する、取入ルーメン210と第1延長チューブ270との間の流体連通が可能になる。第2排管268により、第2ルアー接続273を有する、戻しルーメン212と第2延長チューブ272との間の流体連通が可能になる。
【0059】
圧縮リング274は、取入および戻しルーメン210、212を、それらのそれぞれの排管266、268上へ圧縮するよう、取入ルーメンと戻しルーメン210、212の近位端に配置されている。当業者は、他の適当な生体適合材の使用も可能だと認識するだろうが、圧縮リング274は、シリコンから構成されているのが好ましい。
【0060】
ハブ260の遠位部分264は、近位部分262の近位端220上へ、スライド可能な形で配置されており、近位部分202をハブ260へ取り外し可能な形で固定するよう、ハブ260の近位部分202とねじ係合可能となっている。
【0061】
近位部分202および遠位部分204は、当技術分野で周知のように、カテーテル200の製造中に、押出されるのが好ましい。ディフューザ242およびコネクタ206は、当技術分野で周知のように、射出成形によって構成されるのが好ましい。ディフューザ242の近位コネクタ部分246は、コネクタ206上に遠位から近位方向へ配置されており、それにより、ディフューザ242の近位コネクタ部分246は、摩擦接触する形で、コネクタ206の近位コネクタ部分246と係合し、さらに、ディフューザ242の遠位コネクタ部分248は、摩擦接触する形で、コネクタ206の遠位コネクタ部分238と係合しているのが好ましい。ディフューザ242は、好適にはRTVなどの接着剤、または当業者に知られている他の生体適合接着剤により、コネクタ206へしっかりと接続されている。
【0062】
ここで、図13を参照すると、近位部分202の遠位端222は、取入ルーメン210が遠位コネクタ部分238の取入部分239と流体連通しており、さらに、戻しルーメン212がディフューザ242内の開口部250と流体連通するような形で、コネクタ206の近位コネクタ部分236内へ挿入されている。遠位部分204の近位端230は、コネクタ206内での流体ロスなく、遠位部分204と取入ルーメン210が互いに直接流体連通するように、コネクタ206の取入部分239へ挿入されている。
【0063】
カテーテル200は、カテーテル10、10’に関して、上述したのと同じ方法で、患者に挿入されるのが好ましい。
【0064】
本発明は、様々な実施例により説明され、例示されてきたが、変更と修正が、明瞭に本発明の範囲内で行うことができることは、当業者に明白であろう。したがって、本発明は、特許請求の範囲により定義されるように、その趣旨と範囲内で広く保護されることを意図するものであることが、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】円柱状に形成されたディフューザの斜視図である。
【図1B】円形および/または楕円形のディフューザの側面立面図である。
【図1C−1】「D」字形の長いルーメンを有する、半卵形に形成されたディフューザの斜視図である。
【図1C−2】円形の長いルーメンを有する、半円形に形成されたディフューザの斜視図である。
【図1D】涙滴形に形成されたディフューザの斜視図である。
【図1E】ベル形に形成されたディフューザの側面立面図である。
【図2A】ディフューザを有するがハブは有していない、カテーテルの平面正面図である。
【図2B】ディフューザおよびハブを有する、カテーテルの平面正面図である。
【図2C】ディフューザおよび取り外し可能ハブを有する、カテーテルの平面正面図である。
【図2D】ディフューザおよび任意の種類の任意のハブを有する、カテーテルの平面正面図である。
【図3】ディフューザを有しておらず、任意の種類の任意のハブを有している、カテーテルの平面正面図である。
【図4】ディフューザの断面図である。
【図5A】カテーテルの利用を示す図である。
【図5B】ディフューザの利用を示す図である。
【図5C】トンネルを開けられた近位端を示す図である。
【図5D】トンネルを開けられた近位端を示す図である。
【図6A】ハブの断面図である。
【図6B】ハブの二重「D」字形ルーメンの断面図である。
【図6C】ハブ内の拡張装置の断面図である。
【図7】連続流腹膜透析用の方法のフローチャートである。
【図8A】拡張された長いルーメンの側面図である。
【図8B】2つの二重「D」字形ルーメンを示す断面図である。
【図8C】2つの円形に形成されたルーメンを示す断面図である。
【図9】本発明に従うカテーテルの代替的実施例の分解側面図である。
【図10】ディフューザ内部に配置されたコネクタを示す、図9のカテーテルの側面立面図である。
【図10A】図10の線10A―10Aに沿って切断された、カテーテルの近位部分の断面図である。
【図10B】図10の線10B―10Bに沿って切断された、カテーテルの近位部分の断面図である。
【図11A】本発明に従うコネクタの斜視図である。
【図11B】図11Aのコネクタの側面立面図である。
【図11C】図11Aのコネクタの前面正面図である。
【図11D】図11Cの線11D―11Dに沿って切断された、コネクタの断面図である。
【図12A】本発明に従うディフューザの斜視図である。
【図12B】図12Aのディフューザの側面立面図である。
【図12C】図12Bの線12C―12Cに沿って切断された断面図である。
【図12D】図12Aのディフューザの前面正面図である。
【図13】図9および図10の実施例に従うカテーテルルーメンに接続された、図11A〜12Dのコネクタおよびディフューザの拡大断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 カテーテル、10’ カテーテル、12 ルーメン、14 ルーメン、16 近位端、18 近位端、20 遠位端領域、22 遠位端領域、24 開口部、26 開口部、30 ディフューザ、32 内部部分、34 外部部分、42 物質(matter)、90 ルーメン壁、94 放射線不透過ストリップ、96 遠位端、98 側部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 第1近位端と、第1遠位端と、取入ルーメンおよび戻しルーメンとを有する近位部分であって、取入ルーメンおよび戻しルーメンの各々が、第1近位端と第1遠位端との間を延びているものと、
b. 第1遠位端に固定的に接続されたコネクタ部分であって、戻しルーメンが該コネクタ部分で終端しているものと、
c. 第2近位端と、第2遠位端と、第2近位端と第2遠位端との間を延びている遠位ルーメンとを有している遠位部分であって、第2遠位端が、遠位ルーメンと取入ルーメンとが互いに流体連通する形態で固定的にコネクタ部分に接続されているものとを含む連続流カテーテル。
【請求項2】
コネクタ上に配置されたディフューザをさらに含んでいて、このディフューザが戻しルーメンと流体連通している、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項3】
遠位ルーメンがディフューザを越えて遠位方向に延びている、請求項2に記載の連続流カテーテル。
【請求項4】
ディフューザが、ディフューザの周りに放射状に配置された複数の開口部を含んでいる、請求項2に記載の連続流カテーテル。
【請求項5】
近位部分の周りに配置された少なくとも1つのカフをさらに含んでいる、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項6】
第1近位端に接続されたハブをさらに含んでいる、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項7】
取入ルーメンが概して楕円形の断面を有している、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項8】
戻しルーメンが概して三日月形の断面を有している、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項9】
遠位ルーメンが、これを通して延びる少なくとも1つの開口部を含んでいる、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項10】
少なくとも1つの開口部が複数の開口部を含んでいる、請求項9に記載の連続流カテーテル。
【請求項11】
遠位ルーメンが曲がった部分を含んでいる、請求項1に記載の連続流カテーテル。
【請求項12】
a. 第1近位端と、第1遠位端と、取入ルーメンおよび戻しルーメンとを有する近位部分であって、取入ルーメンおよび戻しルーメンの各々が、第1近位端と第1遠位端との間を延びているものと、
b. 第1遠位端に固定的に接続されたコネクタ部分であって、戻しルーメンが該コネクタ部分で終端しているものと、
c. 第2近位端と、第2遠位端と、第2近位端と第2遠位端との間を延びている遠位ルーメンとを有している遠位部分であって、第2遠位端が、遠位ルーメンと取入ルーメンとが互いに流体連通する形態で固定的にコネクタ部分に接続されているものと、
d. コネクタ部分の上に配置された圧縮性ディフューザであって、戻しルーメンと流体連通しているものとを含む連続流カテーテル。
【請求項13】
遠位ルーメンがディフューザを越えて遠位方向に延びている、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項14】
ディフューザが、該ディフューザの周りに放射状に配置された複数の開口部を含んでいる、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項15】
近位部分の周りに配置された少なくとも1つのカフをさらに含んでいる、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項16】
第1近位端に接続されたハブをさらに含んでいる、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項17】
取入ルーメンが概して楕円形の断面を有している、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項18】
戻しルーメンが概して三日月形の断面を有している、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項19】
遠位ルーメンが、これを通して延びる少なくとも1つの開口部を含んでいる、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項20】
少なくとも1つの開口部が複数の開口部を含んでいる、請求項19に記載の連続流カテーテル。
【請求項21】
遠位ルーメンが曲がった部分を含んでいる、請求項12に記載の連続流カテーテル。
【請求項22】
少なくとも2つのルーメンを含んでいるカテーテルであって、
上記少なくとも2つのルーメンの各々が、近位端および遠位端領域を有し、
上記少なくとも2つのルーメンの各々の遠位端領域の各々が、カテーテルのユーザの体内への、又は体内からの物質の通路となる少なくとも1つの開口部を含み、
上記少なくとも2つのルーメンのうちの1つが第1ルーメンであり、上記少なくとも2つのルーメンのうちの1つが第2ルーメンであり、
第2ルーメンが第1ルーメンよりも長く、
ここで、第1ルーメンがコネクタ内で遠位方向に終端し、かつ、第2ルーメンがコネクタを越えて遠位方向に延び、
上記物質は、第1ルーメンを通してカテーテルのユーザの体内に入り、
さらに、上記物質は、第2ルーメンを通してカテーテルのユーザの体内から除去され、
カテーテルは、ディフューザをさらに含み、
上記ディフューザは、コネクタの周りに配置され、かつ、第1ルーメン内の少なくとも1つの開口部の上に配置され、
第2ルーメンは、このディフューザを通って、ユーザの体内のさらに遠位方向に延び、
ディフューザは、内部部分、外部部分、および、内部部分と外部部分との間の1つより多い開口部を有し、
ディフューザに入る前記カテーテルにより分配されるべき物質は、1つより多い開口部を通して拡散する形態で体内に分配されるようになっているカテーテル。
【請求項23】
ディフューザの近位方向に配置された少なくとも1つのカフをさらに含んでいる、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
少なくとも2つのルーメンの各々の近位端へ接続されたハブをさらに含んでいる、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項25】
ハブが少なくとも2つのルーメンに解放可能な形で接続されている、請求項24に記載のカテーテル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C−1】
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【図1C−2】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−532237(P2007−532237A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508322(P2007−508322)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025573
【国際公開番号】WO2005/107831
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】