説明

連続熱処理炉における板温制御システム、方法及びプログラム

【課題】鋼板の長手方向での板温のばらつきに応じた板温制御を可能とする。
【解決手段】帯状の鋼板の板温をフィードバック制御する連続熱処理炉における板温制御システムであって、連続熱処理炉の前工程情報X1〜Xm、炉出側の目標板温TSsをn個に分類した領域、フィードバック(FB)制御ゲインを関連付けて格納する制御ゲインデータベース(DB)と、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて制御ゲインDBから読込んだFB制御ゲインに基づいて、連続熱処理炉に対するFB制御を実行するFBコントローラと、炉出側の実績板温TSa(i)に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつきσaと、フィードバック制御周期毎の板温変化量から板温変化影響係数βとを求め、その実績板温ばらつきσaと板温変化影響係数βに応じて、制御ゲインDBに格納されているFB制御ゲインを更新する制御ゲイン計算部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所の連続焼鈍工場や連続溶融亜鉛めっき工場等において、連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温を制御する連続熱処理炉における板温制御システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば製鉄所の連続焼鈍工場では、冷延後の鋼板(ストリップ)は焼鈍工程に送られて焼鈍される。焼鈍工程では、例えば図4に示すように、鋼板1が駆動ロール2により直火加熱帯Lに装入され、直火加熱される。続いて間接加熱帯Mを通って間接加熱された後、冷却帯Nを通って冷却される。直火加熱帯Lでは、燃焼バーナ4から燃焼ガスとエアとを吹き出して直火燃焼によって鋼板1を直火加熱し、間接加熱帯Mでは、ラジアントチューブ5によって鋼板1を間接加熱する。直火加熱帯Lの出側、間接加熱帯Mの出側にはそれぞれ温度計6、7が配置されており、実績板温を計測する。
【0003】
この種の連続熱処理炉における板温制御方法に関して、例えば特許文献1、2には、炉出側の板温をモデル式を用いて予測し、操作量を決定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−259131号公報
【特許文献2】特開平7−278682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、連続熱処理炉においては、その前処理の経由工程(前工程と記す)や連続熱処理炉の炉出側の目標板温が変わると、炉出側の鋼板の定常部(鋼板の中央付近)の長手方向での板温ばらつきの度合いが異なってくる。
【0006】
また、焼鈍炉に通板される鋼板の先端部及び尾端部では、鋼板の表面性状の影響等により、板温計での計測値が真の板温とは異なる急激な変化を示す場合がある。
【0007】
従来の技術では、鋼板の長手方向での板温のばらつき、及び、鋼板の先端部や尾端部で発生する急激な板温変動に応じた板温制御はなされていない。上述した特許文献1、2等に開示された方法でも、鋼板の長手方向での板温のばらつきの変動、及び、鋼板の先端部や尾端部で発生する急激な板温変動に伴うモデル式の修正機能は有していない。
【0008】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、鋼板の長手方向での板温のばらつき、及び、鋼板の先端部や尾端部で発生する急激な板温変動に応じた板温制御を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の連続熱処理炉における板温制御システムは、連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御する連続熱処理炉における板温制御システムであって、連続熱処理の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段と、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて前記フィードバック制御情報格納手段から読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行するフィードバック制御手段と、炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数とを求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の連続熱処理炉における板温制御方法は、連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御する連続熱処理炉における板温制御方法であって、連続熱処理炉の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段から、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行する手順と、炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数とを求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する手順とを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御するためのプログラムであって、連続熱処理炉の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段から、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行する処理と、炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数を求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数を求め、その板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新するようにしたので、鋼板の長手方向での板温のばらつき及びフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温制御が可能となり、板温制御精度の向上が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の連続熱処理炉における板温制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態の連続熱処理炉における板温制御システムでのFB制御ゲインの更新処理を示すフローチャートである。
【図3】制御ゲインデータベースの内容を説明するための図である。
【図4】焼鈍工程の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の連続熱処理炉における板温制御システムの概略構成を示す図である。本実施形態の連続熱処理炉における板温制御システムは、連続熱処理炉200で熱処理される帯状の鋼板(不図示)の板温を制御するものであり、制御ゲイン計算部101、フィードフォワード(FF)コントローラ102、フィードバック(FB)コントローラ103を備える。
【0013】
また、制御ゲインデータベース(DB)104、定数DB105、プロセス実績DB106、製造命令DB107を備える。なお、図1では、便宜上DBを機能別に分けて図示しているが、その数は限定されるものではない。
【0014】
制御ゲインDB104は、FFコントローラ102によるFF制御のためのFF制御ゲインFFgain[−]、FBコントローラ103によるFB制御のためのFB制御ゲインFBgain[−]を格納する。FB制御ゲインFBgainに関していえば、制御ゲインDB104では、図3に示すように、FB制御ゲインテーブルにより、前工程情報X1〜Xm[−]、炉出側の目標板温TSs[℃]のn個の領域(αk(k=1、2、・・・、n−1)は目標板温の閾値[℃])、及びFB制御ゲインFBgain(m,n)を関連付けて管理している。前工程情報X1、・・・、Xmは、連続熱処理炉による熱処理の前工程の種類を示す情報であり、焼鈍工程の前工程であれば酸洗工程や冷延工程が挙げられる。また、同じ酸洗工程であっても、その処理内容によっては互いに別の前工程として取り扱ってもよい。本実施形態では、FB制御ゲインFBgainが本発明でいうフィードバック制御情報に相当し、制御ゲインDB104が本発明でいうフィードバック制御情報格納手段として機能する。
【0015】
定数DB105は、目標板温ばらつきσT[℃]、操作量変更量リミット値DNC[−](定数)等の連続熱処理上の設定値である初期データを格納する。例えば目標板温ばらつきσTは、制御対象コイルごとに、許容しうる鋼板の長手方向(通板方向)での板温ばらつきに応じた値が、制御対象コイルの種類等ごとに予め設定されている。
【0016】
プロセス実績DB106は、制御対象コイルについてのFB制御周期毎の、板温制御における全実績データ、具体的には、炉出側の実績板温TSa(i)[℃]、FBコントローラ103が出力した実績操作量u(i)[−]を格納する(i:制御周期、i=1、2、・・・、N)。なお、制御周期の順番を示すiは、制御対象コイルの先端から1、2・・・と付す。
【0017】
製造命令DB107は、制御対象コイルについての板幅、板厚、炉出側の目標板温TSs、前工程情報X1〜Xm等の製造命令データを格納する。当該製造命令データは、生産計画を管理する上位のコンピュータからネットワーク経由で入力される場合が多い。
【0018】
制御ゲイン計算部101は、制御ゲインDB104からFF制御ゲインFFgain、FB制御ゲインFBgainを読込み、FFコントローラ102にFF制御ゲインFFgainを出力し、FBコントローラ103にFB制御ゲインFBgainを出力する。FB制御ゲインFBgainに関していえば、例えば製造命令DB107から取得した前工程情報がX1、炉出側の目標板温がα1≦TSs<α2である場合、図3に示すように、制御ゲインDB104(FB制御ゲインテーブル)からFB制御ゲインFBgain(1,2)を読込むことになる。
【0019】
また、制御ゲイン計算部101は、詳細は後述するが、炉出側の実績板温TSa(i)に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつきσa[℃]、及び、フィードバック制御周期毎の板温変化量を求め、その実績板温ばらつきσaとフィードバック制御周期毎の板温変化量から演算した板温変化影響係数βに応じて、制御ゲインDB104に格納されているFB制御ゲインFBgainをリアルタイムに更新する。すなわち、本実施形態では、制御ゲイン計算部101が本発明でいう更新手段として機能する。当該制御ゲイン計算部101には、実績板温ばらつきσa[℃]を演算する板温ばらつき情報演算手段と、フィードバック制御周期毎の板温変化量から板温変化影響係数βを演算する板温変化影響係数演算手段とを含んでいる。
【0020】
FFコントローラ102は、制御ゲイン計算部101から受け取ったFF制御ゲインFFgainに基づいて、連続熱処理炉200に対する操作量を決定し、FF制御を実行する。FFコントローラ102には、炉入側及び出側での溶接点通過情報、ライン速度の速度変化情報が入力され、炉入側及び出側での溶接点通過(コイルチェンジ)や速度変化等の条件変更があったときにFF制御を実行する。
【0021】
FBコントローラ103は、制御ゲイン計算部101から受け取ったFB制御ゲインFBgainに基づいて、連続熱処理炉200に対する操作量を決定し、FB制御を実行する。すなわち、本実施形態では、FBコントローラ103が本発明でいうフィードバック制御手段として機能する。FBコントローラ103は、例えば30秒程度の定周期でFB制御を実行する。
【0022】
図2は、本実施形態の連続熱処理炉における板温制御システムでのFB制御ゲインの更新処理を示すフローチャートである。図2のフローチャートに示す更新処理は、制御ゲイン計算部101がFB制御のタイミング(定周期)で実行する。
【0023】
まずステップS101で、定数DB105から、目標板温ばらつきσT、操作量変更量リミット値DNC等の連続熱処理の制御に関する設定値の初期データを読込む。なお、ここでは、ステップS101を定周期で実行する図2のフローチャートに組み込んで説明したが、いったん読込んだ初期データを保持しておき、初期データに変更があったときだけ、ステップS101の処理を実行するようにしてもよい。
【0024】
ステップS102で、製造命令DB107から取得した制御対象コイルについての前工程情報X1〜Xm、炉出側の目標板温TSsに基づいて、制御ゲインDB104からFB制御ゲインFBgainを読込む。例えば製造命令DB107から取得した前工程情報がX1、炉出側の目標板温がα1≦TSs<α2である場合、図3に示すように、制御ゲインDB104(FB制御ゲインテーブル)からFB制御ゲインFBgain(1,2)を読込むことになる。
【0025】
次に、ステップS103では、現在、制御対象コイルの先端から順にi=j番目の制御周期であるとき、プロセス実績DB106から、制御対象コイルについてのFB制御周期毎の全実績データ、具体的には、炉出側の実績板温TSa(j)、FBコントローラ103が出力した実績操作量u(i)を読込む(i=1、2、・・・、j)。ここで、実績操作量u(j)は投入する燃料量の実績値である。
【0026】
次に、ステップS104で、上記ステップS103において読込んだ炉出側の実績板温TSa(i)に基づいて、制御対象コイルについての鋼板の長手方向での実績板温ばらつきσaを、下式(1)により演算する。このステップS104が、本発明でいう板温ばらつき情報演算手段としての処理の一例である。なお、Σはi=1からjまでの総和をとる。
σa=sqrt(Σ(TSave−TSa(i))2/j)・・・(1)
ここで、TSave=ΣTSa(i)/j
また、式(1)の代わりに、(TSave−TSa(i))の絶対値の平均値を用いてもよい。
【0027】
次に、ステップS105で、上記ステップS103において読込んだ炉出側の実績板温TSa(j)に基づいて、制御対象コイルについての板温変化影響係数βを、下記(2)により演算する。このステップS105が、本発明でいう板温変化影響係数演算手段としての処理例である。ここで、k1及びk2は、オペレータが予め設定する定数であり、制御性能の実績に基づいて決定してもよく、数値シミュレーションで設定してもよい。
β=k1×exp(−k2×(TSa(j)−TSa(j−1)))・・・(2)
【0028】
次に、ステップS106に進み、新たなFB制御ゲインFBgain(new)を下式(3)により演算する。
FBgain(new)=FBgain(old)
−β×ln(σa/σT)×((Δu−DNC)/DNC)・・・(3)
ここで、Δu=u(j)−u(j−1)
【0029】
ここで、式(3)の右辺において、ln(σa/σT)は鋼板の長手方向での板温ばらつきによる影響を表す板温変動影響係数であり、(Δu−DNC)/DNCは操作量の変動による影響を表す操作量変動影響係数である。
【0030】
その後、ステップS107で、上記ステップS106において演算した新たなFB制御ゲインFBgain(new)を用いて、制御ゲインDB104に格納されているFB制御ゲインFBgain(old)を更新する。
【0031】
以上述べたように、炉出側の実績板温TSa(i)に基づいて鋼板の長手方向での実績板温ばらつきσaと板温変化影響係数βを求め、その実績板温ばらつきσaと板温変化影響係数βに応じて、制御ゲインDB104に格納されているFB制御ゲインFBgain(old)を更新するようにしたので、炉状に応じてダイナミックに鋼板の長手方向での板温のばらつきに応じた板温制御が可能となる。その後、制御対象コイルの連続熱処理が完了していないときにはステップS103へ戻って、処理を繰り返す。
【0032】
なお、制御ゲイン計算部101、FFコントローラ102、FBコントローラ103は、具体的にはCPU、各種メモリを備えたコンピュータ装置により実現可能であり、一つの機器により構成されてもよいし、複数の機器により構成されてもよい。
【0033】
また、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。
【0034】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
101 制御ゲイン計算部
102 フィードフォワードコントローラ
103 フィードバックコントローラ
104 制御ゲインデータベース
105 定数データベース
106 プロセス実績データベース
107 製造指令データベース
200 連続熱処理炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御する連続熱処理炉における板温制御システムであって、
連続熱処理の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段と、
前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて前記フィードバック制御情報格納手段から読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行するフィードバック制御手段と、
炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数とを求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とする連続熱処理炉における板温制御システム。
【請求項2】
前記更新手段は、
炉出側の実績板温に基づいて、鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報を演算する板温ばらつき情報演算手段と、
炉出側の実績板温に基づいて、フィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数を演算する板温変化影響係数演算手段と、
前記演算手段により演算したフィードバック制御情報を用いて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の連続熱処理炉における板温制御システム。
【請求項3】
前記フィードバック制御手段は、定周期でフィードバック制御を実行し、
前記更新手段は、前記フィードバック制御手段によるフィードバック制御タイミングでフィードバック制御情報の更新処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の連続熱処理炉における板温制御システム。
【請求項4】
連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御する連続熱処理炉における板温制御方法であって、
連続熱処理炉の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段から、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行する手順と、
炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数とを求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する手順とを有することを特徴とする連続熱処理炉における板温制御方法。
【請求項5】
連続熱処理炉で熱処理される帯状の鋼板の板温をフィードバック制御するためのプログラムであって、
連続熱処理炉の前工程情報と、炉出側の目標板温と、フィードバック制御情報とを関連付けて格納するフィードバック制御情報格納手段から、前工程情報及び炉出側の目標板温に応じて読込んだフィードバック制御情報に基づいて、所定の定周期で前記連続熱処理炉に対するフィードバック制御を実行する処理と、
炉出側の実績板温に基づく鋼板の長手方向での実績板温ばらつき情報とフィードバック制御周期毎の板温変化量に応じた板温変化影響係数を求め、該実績板温ばらつき情報と板温変化影響係数に応じて、前記フィードバック制御情報格納手段に格納されているフィードバック制御情報を更新する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−63853(P2011−63853A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215896(P2009−215896)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】