説明

連続発光エキシマレーザ発振装置

【課題】 レンズ材料やその表面への負荷が少なく、かつ、ミラーもしくはレンズスキャンの制御系が簡略にすることができる連続発光エキシマレーザ発振装置を提供すること。
【解決手段】 Kr,Ar,Ne等の不活性ガスとF2ガスが混合され、レーザ ガスを収納するためのレーザチャンバと、一対の反射鏡からなる光共振器とを有するエキシマレーザ発振装置において、該レーザガスを収容するためのレーザチャンバの内表面をフッ化物で構成し、かつ248nm、193nmといった所望の波長の光に対する無反射面とするとともに、該レーザーガスを連続的に励起するためのマイクロ波の導入手段を設けた、出力側反射鏡前記波長の光に対する90%以上の反射率としたことを特徴とする。レーザガスは連続的に供給することが好ましく、また、F2濃度は、1〜6%、圧力を数10Torr〜1atmが 好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続発光が可能な連続発光エキシマレーザ発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エキシマレーザは、紫外域で発振する唯一の高出力レーザとして注目されており、電子産業や化学産業、エネルギー産業において応用が期待されている。
【0003】
具体的には、金属、樹脂、ガラス、セラミックス、半導体等の加工や化学反応等に利用されている。
【0004】
エキシマレーザ光を発生させる装置は、エキシマレーザ発振装置として知られている。マニホルド内に充填されたAr,Kr,Ne,F2等のレーザガス を電子ビーム照射や放電等により励起状態にする。すると、励起されたF原子は基底状態の不活性KrF*,ArF*原子と結合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定であるため、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これをボンドフリー遷移あるいは自然発光というが、この励起分子を利用して一対の反射鏡で構成される光共振器内で位相のそろった光として増幅してレーザ光として取り出すのものがエキシマレーザ発振装置である。
【0005】
ところで、従来、エキシマレーザ発振装置については、レーザ媒質のエキシマの寿命が非常に短いので連続的な励起が不可能であると考えられており、立ち上がりの速いパルス電流(10nsec程度)を間歇的に流すパルス励起が行われている。
【0006】
そのため、従来のエキシマレーザ発振装置における電極は半年程度の寿命である。
【0007】
また、半導体の加工工程において繰り返し数100Hzから1kHzのパルス発振タイプの連続発光エキシマレーザ発振装置を用いて例えば化学増幅型レジストの露光を行うと、レンズ材料やその表面の無反射多層膜の寿命が極めて短いという問題がある。
【0008】
この点について以下詳細に述べる。
【0009】
化学増幅型レジストの感度は、20mJ/cm2程度である。従って、0.1 W/cm2の光であれば0.2secの露光で十分である。1W/cm2の光であれば0.02secとなる。光学系におけるかなりの損失等を考えると10W程度の光出力で十分ということになる。
【0010】
しかるに、現在のパルス発光(1kHz)では、10nsec程度のパルス光を毎秒1,000回程度発生させている。0.2secが露光時間とすると、200パルスで、20mJ/cm2必要ということになる。光学系による損失等で 、1/100にエネルギが落ちるとすると、図2に示すようなパルスdutyを考慮して各パルスの発光強度I0は、次の通りとなる。
【0011】
0(watt)×10(nsec)×2×102(パルス)×10-2(効率)
=2×10-2(Joul)
0=2×10-2/10-8×2
=1×106(watt)
10nsecの間、一定の光出力が得られるとして、1MWのパルス光になる。実際には、図3に示すようになる。
【0012】
実際は図3に示すようなパルス波形になっているため、光パルスの強度は2〜3MWのピークパワーになることになる。間歇的に数MWといった短波長の光が入射するため、レンズ材料やその表面の無反射多層膜の耐久性がきわめて厳しくなってくる。
【0013】
また、エキシマレーザリソグラフィーの時代にはステップアンドリピート時の露光が一括で行われるわけではなく、ミラーもしくはレンズのスキャンによるスキャニング露光ということになる。毎秒1000発程度のパルス光で、0.2秒露光ということになると一回の露光で200パルス程度しか使えない。これで例えば25×35mm2エリアの露光を均一照射にしようとすると、ミラーもしく はレンズ のスキャンとパルス光の相対関係をきわめて厳しく制御しなければな らず極めて複雑な制御システムが光要素に要求される。なおかつ、現状ではパルス光の出力が10%程度ゆらいでいる。そのためにミラーもしくはレンズスキャンの制御系はきわめて複雑にならざるを得ないという問題があり、エキシマレーザ露光装置も複雑で高いものにしている。
【0014】
さらに、従来のエキシマレーザ発振装置は次なる問題をも有している。すなわち、エキシマレーザ光の中でもKrFレーザやArFレーザは、レーザガスとして反応性の高いフッ素ガスを用いるために、レーザガスを収容し、そのガスに放電エネルギーを与えるためのレーザチャンバ内でのフッ素の濃度が減少する。そこで、レーザチャンバへの供給電圧を上げて所定の出力を得られるように制御するのであるが、そのような制御でも出力が得難くなった場合には、一度発振を停止して、フッ素ガスの補充を行う。さらに、発振を続けるとフッ素の補充を行っても、所定のレーザ出力が得られなくなり、こうなると、レーザチャンバを交換しなければならない。
【0015】
また、パルス電圧により放電を起こし、数10ns程度発光を起こさせるエキシマレーザ発光装置の場合、発光している時間が短すぎるため、出力光の発光スペクトルの波長半値幅は、300pm程度と広い。そのため、グレーチング等の狭帯域化モジュールによる単色化によって、はじめて、1pm以下の波長半値幅を得ている。
【0016】
現状の技術では所定の周期毎にフッ素ガスを補充し、印加電圧を上げながら発振を行う必要がある。換言すれば、フッ素ガスが、チャンバ内表面との反応などにより、時間とともに減少している。よって、レーザチャンバの寿命という点では、いまだ十分なものではなく、特に、物品の加工等で長期間レーザを使用する場合には、チャンバの寿命は加工物品の製造スループットを向上する上で重要な要因である。
【0017】
また、グレーチング等の狭帯域化モジュールを用いた単色化によって、1pm以下の波長半値幅を得ることが現在可能となっているが、その反面、グレーチング等を用いた狭帯域化により出力光の発光強度が減少しており、加工物品の製造スループット向上の大きな妨げとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、レンズ材料やその表面への負荷が少なく、かつ、ミラーもしくはレンズスキャンの制御系を簡略にすることができ、かつエキシマレーザの寿命が十分長くなって量産の使用に耐える連続発光エキシマレーザ発振装置を提供することを目的とする。
【0019】
さらに、出力光の強度を高くしながら、狭帯域化が実現されるエキシマレーザ発振装置及び発振方法を提供することを目的とする。
【0020】
参考発明は、狭帯化モジュールを用いなくとも波長幅の狭いスペクトルが達成でき、装置の小型化・簡略化が実現されたエキシマレーザ露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の連続発光エキシマレーザ発振装置は、Kr,Ar,Neから選ばれた1種以上の不活性ガスとF2ガスとの混合ガスからなるレーザガスを収納するた めのレーザ管からなるレーザチャンバと、該レーザチャンバを挟んで設けられた一対の反射鏡からなる光共振器とを有するエキシマレーザ発振装置において、
前記レーザチャンバ内のレーザガスを連続的に励起するためのマイクロ波の導入手段を有し、
前記導入手段は、複数のスロットを前記光共振器の軸方向に沿って配した導波管を備えることを特徴とする。
【0022】
参考発明の連続発光エキシマレーザ発振方法は、内面を、248nm、193nm、157nmといった所望の波長の光に対する無反射面とするとともに、該内面の最表面をフッ化物で構成したレーザ管からなるレーザチャンバ内に、Kr,Ar,Neから選ばれた1種以上の不活性ガスとF2ガスとの混合ガスからなる レーザガスを連続的に供給し、
該レーザガスを収容するためのレーザチャンバの内面を、248nm、193nm、157nmといった所望の波長の光に対する無反射面とするとともに、該内面の最表面をフッ化物で構成し、
該レーザチャンバ内にマイクロ波を導入することによりレーザガスを連続的に励起し、
出力側の反射鏡の反射率を90%以上である一対の反射鏡により共振させることにより連続発光させることを特徴とする。
【0023】
参考発明の連続発光エキシマレーザ露光装置は、上記連続発光エキシマレーザ発振装置と、照明光学系、結像光学系、ウエハを保持するためのステージとを有することを特徴とする。
【0024】
参考発明のエキシマレーザは、連続発振エキシマレーザにおいて、エキシマレーザガスを収納する為のレーザチャンバと;
該レーザチャンバを挟むように配置した一対の反射鏡からなる光共振器と;
該光共振器の光路内に配置され、発振する光を選択する光選択手段と;
該エキシマレーザガスを連続的に励起するためのマイクロ波導入手段と;
該マイクロ導入手段によって連続的にマイクロ波を導入させるとともに、エキシマレーザの発振を停止する際、該光選択手段によって選択する光を変更させる制御手段とを有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の作用を発明をなすに際して得た知見及び実施の形態とともに説明する。
【0026】
本発明においては、連続発光を行っているため、前述したミラーもしくはレンズのスキャンとパルスとの相対的関係の制御が不要となり、光学系の制御が極めて簡単になる。
【0027】
また、本発明者が解析したように、0.1W/cm2の光であれば0.2se cの露光で十分であり、1W/cm2の光であれば0.02secとなるのであ るから、光学系における光の損失等を考えると、10W程度の出力で十分ということになり、レンズ材料やその表面の寿命を長くすることが可能となる。
さらに、次のもろもろの作用が達成される。
【0028】
第1に、ガラス等の光学材料に対するダメージが減少することである。KrFあるいはArF等の通常のエキシマレーザは10〜20nsecという短いパルス発光であるのに対し、パルスの繰り返し周波数は1000Hz程度に過ぎない。従って、このパルスのピークの光強度は、光学系の効率という問題を抜きにしても同じ強度で連続発光している時の1万倍以上ある。エキシマの領域で起こる材料の損傷の主原因は2光子吸収にあることが知られており、光のピーク強度の2乗に比例する現在のエキシマレーザでの光損傷は連続発光の場合より少なく見積もっても108倍厳しい。ガラス材の耐久がArFの領域で問題となっている のは以上の理由による。従って、連続発光光源の実現はArFまで含めて紫外域での材料問題を一気に解決する。
【0029】
第2に、狭帯域の光特有の現象のスペックルの発生を抑制することが容易なことである。パルス発光の場合、ランダムな干渉縞であるスペックルを効果的に消し去るためには、一つ一つのパルスでの発光タイミングと公知のスペックル除去手段とを高精度に同期させる必要がある。これに対し、連続発振であれば特別な同期手段を必要とせず簡単な、例えば、回転拡散板のような公知の手段で容易にスペックルを除去することができる。このため光学系の構成を簡単にすることができ、コストの削減にも効果的である。
【0030】
第3に、露光量制御が容易なことである。パルス発光のような離散的な露光を行う場合、露光量を制御する最小単位は1パルスの露光量の制御性にもよるが、基本的には、パルスの数に依存している。総合で100パルスで露光するとした時の次の単位は99パルスまたは101パルスであり、制御精度は±1%となる。もちろん、最後の1パルスの制御については種々の手段が提案されているが、制御性あるいは制御のためにはこのような離散性による分解能がなく、より細かな露光量制御が望ましい。線幅が細かくなるに従い、厳しい露光量制御が要求されているなかで、連続発光光源が与える効果は大である。
【0031】
ところで、前述したように、従来、エキシマレーザについては、エキシマ状態にあるエネルギー準位が短い寿命なので、原子を励起準位にある程度の時間留めておくことができず、連続的な励起が不可能であると考えられており、立ち上がりの速いパルス励起を行わざるを得なかった。
【0032】
本発明においては、レーザガスを収容するためのレーザチャンバの内面を、248nm、193nm、157nmといった所望の波長の光に対する無反射面とする。
【0033】
レーザチャンバ内面を無反射面にする理由は、自然放出した光が同内面で反射して励起されているガスにもどってきて、KrF*またはArF*を励起状態から基底状態に遷移させることを防ぐためである。
【0034】
ここで、無反射とは、100%透過あるいは吸収の場合のみならず、ある程度の反射率を有していてもよい。反射率50%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。具体的装置により持続して一様なレーザ光が得られるように適宜選択すればよい。
【0035】
さらに、レーザチャンバと反応してF2が減少するのを防ぐために、レーザチ ャンバの内面はフッ化物で構成されている。特にF2に対して安定しているステ ンレスの表面にFeF2の層が形成されたもの、または金属上にニッケルを鍍金 しさらにその表面にNiF2の層が形成されたもの、またはアルミニューム合金 上にAlF3とMgF2の層が形成されたもののいずれかで構成されている。
【0036】
また、本発明においては、出力側の反射鏡の反射率を90%以上とする。
【0037】
現在の共振器構成は片側100%反射に対し、出力側反射は10%程度である。
【0038】
ところで、従来のKrF*エキシマのレーザガス組成は例えば次の通りである。
Kr/Ne/F2=0.数%:98%:0.数%
【0039】
2の濃度は1%以下と少ない。これは、F2をあまり多くすると、電子がFに吸引されて負のイオンとなり放電が安定しないためである。一方圧力は、3〜4気圧となっている。かかる圧力としているのはF2濃度は少なくしたことを補い なるべく大量のKrF*を作るためである。
【0040】
連続発光の場合には10W程度出力があればよいのである。許容される利得α2を推察する。
【0041】
・共振器内のレーザ光強度
飽和強度Is程度の強度でレーザを動作させない限り、上準位のエキシマはほとんど衝突によって消滅してしまう。飽和強度は利得gが小信号利得g0の1/2になる強度であり、KrFエキシマの場合次のように求められる(「エキシマレーザの開発と応用技術・例」(渡部俊太郎 監著))。
Is=hν/στ
=1.3MW/cm2
h:プランク定数 6.63×10-34J・s
ν:振動数 3×108/0.248×10-6=1.2×1015
σ:誘導放出断面積 2×10-16cm2
τ:上準位寿命 3ns
(衝突による脱励起を含む)
上準位寿命τは、ガス圧が低いと衝突が起きにくくなるので、最大で放射寿命(自由空間での寿命)まで大きくなる。この場合の寿命は6.7nsであり飽和強度Isは、
Is=0.6MW/cm2となる。
【0042】
・レーザの取り出し効率
単位体積から毎秒取り出される光子数と生成されるエキシマの数の比である。レーザの取り出し効率ηexは以下で求められる。
ηex=(I/Is)(1−(1+I/Is)−αn/g0
I:レーザ光強度
Is:飽和強度
αn:不飽和吸収係数
0:少信号利得
と表される。αn>0なので、
ηex<(I/Is)/(1+I/Is)
レーザ光強度IがIs以下ではレーザ発振は効率が悪くなる。例えば共振器内のレーザ光強度Iが500W/cm2の時、
ηex=1/2600以下(レーザの取り出し効率ηexは非常に小さい。) よって効率よくレーザ発振させるためには、飽和強度の1.3MW/cm2程 度が必要である。
【0043】
以下本発明の好ましい実施態様例を述べる。
【0044】
(レーザガス)
本発明においてはレーザ媒質であるレーザガスは、Kr,Ar,Neから選ばれた1種以上の不活性ガスとF2ガスとの混合ガスからなる。
【0045】
これらのうち、使用したい波長により適宜ガス種を組み合わせればよい。例えば、248nmの波長の場合にはKr/Ne/F2とし、193nmの場合には Ar/Ne/F2とし、157nmの場合にはNe/F2とすればよい。
【0046】
本発明においては、レーザチャンバ内にレーザガスを連続的に供給することが好ましい。そのためのより具体的なレーザガスの供給系例を図7に示す。
【0047】
図7において21a,21bはガス導入口である。ガス導入口21a,21bはレーザチャンバ20の両端に設けたり、また、レーザチャンバ20の略々中央にはガス排出口22を設けてある。なお、必要に応じガス排出口には真空ポンプ等を設けておいてもよい。レーザガスは両端のガス導入口21a,21bから両ガス導入口21a,21bで等しい流量で供給し、略々中央に設けたガス排出口22から排出させる。その理由は、出力端の光反射板の表面保護を兼ねるからである。すなわち、光反射板の最表面は必ずフッ化膜の薄膜等で被覆してあるからF2、F*に反応することはないからである。また、ガス導入口21a,21b、ガス排出口22の形状はマイクロ波電流が流れる方向にスリット状であることが望ましい。
【0048】
一方、図7において25a,25b,26,27a,27bはバルブである。レーザガスの初期導入時には、バルブ25aを27aを閉、バルブ25b,27bを開とし、レーザガス源からバルブ25a,27a近傍までの配管内のパージを行う。配管内パージ後、バルブ25b,27bを閉、26を開としてレーザガスをレーザチャンバ20内に導入し、一旦レーザチャンバ20内をパージ後そのままレーザガスの導入を行いレーザ発振を行えばよい。もちろんパージ等が不要の場合は上記バルブは設ける必要はない。なお、図19において、28は流量をコントロールするためのマスフローコントローラ(MFC)あるいは圧力フローコントローラ(PFC)である。PFCが好ましい。29はフィルタである。
【0049】
本発明においては、安定した連続発振を得る上においてレーザガス中におけるF2濃度は0.1原子%以上6原子%以下であり、1〜6原子%が好ましい。4 〜6%がより好ましい。
【0050】
また、レーザガスの圧力は、10Torr〜1atmが好ましい。50Torr〜1atmがより好ましい。すなわち、本発明においては、かかる低い圧力においても安定した放電が得られ、ひいては、安定した連続発振、連続発光が得られるのである。従来技術においては、レーザガスの圧力は3〜4気圧であった。それは、従来技術においては、F2濃度を高めるとF-となり電子がなくなってしまい放電が不安定となるためF2濃度は1%以下(実際はそれよりさらに低い) とし、それを補填すべく3〜4気圧とせざるを得なかったのである。しかるに本発明においては、F2濃度を高めてもかかるマイクロ波による安定した放電が得 られ従って、圧力を高めて補填する必要がない。もちろん何らかの理由により圧力を高める必要があれば高めてもよい。
【0051】
図26は、反応式、KrFエキシマレーザのレーザ管内で生じる反応を示している。ここで注目すべきは(3)である。KrF*エキシマを生成するためには、F-及びF2が必要であることがわかる。一方、(4)より光を放出したエキシマは、基 底状態の希ガス原子(Kr)とハロゲン(F)に戻りKrF*エキシマ生成に直 接必要なF2やF-にはならない。
【0052】
しかも(5)よりハロゲン原子(F)がハロゲン分子(F2)を生成する反応は非 常に遅いのである。
【0053】
以上のことから、放電空間内で光を放出して基底状態に戻ったハロゲン原子をハロゲンイオン(F-)やハロゲン分子(F2)で置換することが大切になる。
【0054】
(レーザ管)
レーザ管40(図8、図9)は、レーザチャンバを構成する管であり、マイクロ波を導入するための窓部44を有している。レーザ管40はその窓部44側において導波管42と接続される。レーザ管40の内部と導波管42の内部とはシールされており、シールは絶縁板41をレーザ管40の窓部44に設けることにより行われる。絶縁板41については後述する。
【0055】
プラズマ励起部の終端の断面形状すなわちレーザチャンバを構成するレーザ管40の断面形状は、図8に示すように、略半円筒状(あるは半楕円状)(図8(a))、円筒状(図8(b))、楕円状(図8(c))等とすることができる。
【0056】
さらに、より好ましい形状は、図9(a)に示す楕円形状であり、この楕円の短径方向はマイクロ波の導入方向となっている。従って、図9(a)に示す断面形状の場合には、マイクロ波はレーザ管内のレーザ媒質であるレーザガスに万遍なく導入される。また、単位面積あたりより密度の高いレーザを得ることができ、また外部に出力することができる。
【0057】
さらに、レーザ管40の窓部44は図9(b)に示すように、レーザ管40側が広がるテーパを設けてもよい。テーパは逆に付けてもよい。
【0058】
レーザ管40と導波管42との接続は、例えば、図8あるいは図9に示すように、両者にフランジ部を設けてシール締め付けを行えばよい。
【0059】
本発明においては、レーザ管40の内部には、電極等の部品を内蔵する必要がない。すなわち、後に電極等を内部に組み込む必要がない。従って、作製行程によって絶縁板41をレーザ管40に予めに取り付けておいてもよい。絶縁板41の取付は、例えば、焼嵌めにより行えばよい。なお、図9(b)に示す場合においては絶縁板41はレーザ管40の内部側から嵌め込めばよい。
【0060】
なお、このレーザ管40はレーザチャンバを構成するものであり、前述した通りその最表面はF*,KrF*,ArF*との反応を抑えるためフッ化物で構成さ れる。
【0061】
また、レーザ管40の母体の材質を金属とすることにより、作製が容易となり、冷却効率がよくなる。特に、温度変化により光共振器長が変化するのを防止する為に熱膨張係数がほとんど零の金属を使用することが好ましい。加えて、その内表面にはマイクロ波の表皮深さ(skin depth)より少なくとも厚くして、銅や銀の様に電気伝導度の高い金属をメッキなどの手段により設けることが望ましい。
【0062】
絶縁板41の好適な実施態様としては、少なくともプラズマに接する側の面(レーザ管40側の面)には多層膜(例えば、SiO2、Al23、CaF2、MgF2、LaF2膜)がコートされ、最表面にはフッ化物の薄膜(例えば、CaF2 、MgF2、LaF2その他のフッ化物の薄膜)が形成されている例を挙げられる。
【0063】
さらに、絶縁板41は、その材料の要件として供給するマイクロ波に対して圧倒的に損失が少なく、機械的に丈夫であり、水に溶けない等の条件を備えている。
【0064】
また、その厚さは、マイクロ波の波長(管内波長)の半波長の整数倍又は略々整数倍の厚さになっていればよい。
【0065】
(マイクロ波)
本発明では、レーザガスの励起手段としてマイクロ波を用いる。マイクロ波を用いることにより、レーザガスを連続的に励起し、連続発光を達成する。
【0066】
マイクロ波の供給源としては例えば商品名ジャイロトロンを用いればよい。
【0067】
マイクロ波の周波数、電力は、レーザガスの成分ガスの分圧などにより適宜決定すればよい。一般的にはマイクロ波の周波数は1GHz〜50GHzが好ましく、5〜40GHzがより好ましく、20〜35GHzがさらに好ましい。また、マイクロ波の電力は数100W〜数kWが好ましい。
【0068】
励起用のマイクロ波の周波数ωを、例えば、35GHzとすると、プラズマ励起ガスの主体となるNeの電子との衝突断面積から決まる電子のNe原子との衝突周波数ωcが励起マイクロ波周波数と等しくなるガス圧力は160Torrと なる。
【0069】
この状態の時、同一電力によるプラズマ励起は最も効率よくなる。
【0070】
δ=(2/ωμ0σ)1/2
から決まる表皮深さがプラズマ励起が効率よく起こる深さである。ωはマイクロ波の角周波数、μ0は真空透磁率、σはプラズマの導電率である。
【0071】
35GHzのマイクロ波でガス圧160Torr、電子密度1014cm-3とした場合、
ω=2π×35×109[s-1
μ0=4π×10-7[H/m]
σ=12.8[Ω-1-1
となり、
δ=750μm
となる。
【0072】
例えば、35GHzのマイクロ波を、高さ5mm、幅10cmのオーバーサイズ導波管で誘導する。
【0073】
SiO2,CaF2,MgF2等の絶縁板で導波管部とプラズマ励起部を機密遮 蔽する。絶縁板の厚さは絶縁板の誘電率も考慮した管内波長λgの半分の長さの 略々整数倍にする。
【0074】
従って、17.5GHzのマイクロ波では80Torrのガス圧で衝突周波数と等しくなる。35GHzをプラズマ周波数とすると、その時の電子密度は、5×1013cm-3となる。35GHzで100W〜1kW程度の電力で、70〜80Torrから大気圧(1気圧)程度のガスプラズマをたてれば1014cm-3台の濃度のF*,KrF*,ArF*は確実に実現できる。
【0075】
また、マイクロ波を供給するに際しては、プラズマ励起部に接する導波管及び絶縁板の表面は248nm等の波長に対して無反射板になっていることが好ましい。
【0076】
一方、導波管と絶縁板との間隔は、図10あるいは図11(a)に示すように、λg/2としてもよいし、図11(b)に示すようにλgとしてもよい。あるいは3λg/2でもよい。
【0077】
なお、導波管内における放電を防止する上からその中は真空とすることが好ましい。真空度としては10-4Torr以下程度で放電は防止できる。
【0078】
なお、導波管42における、レーザ管40との接続部近傍の内面は、レーザ管40の内面と同様に無反射面とすることが好ましい。導波管42内面における反射光がレーザ管40内に戻ることを防止するためである。
【0079】
さらに、安定した放電を起こさせるために図12に示すように電磁石あるいは永久磁石により磁場を与えることが好ましい。
【0080】
(マイクロ波導入手段)
また、マイクロ波の導入手段の構造例を図13〜図18に示す。
【0081】
図13に示す例ではマイクロ波導入手段である導波管1は、スロットSを複数有するスロット導波管である。スロット導波管1は、レーザ管2と軸方向に平行にその外周に接続されている。スロット導波管1上部より数GHz〜数10GHzの電磁波が導入され、この電磁波は、電界が紙面に垂直方向を向いたTE10モードとして導波管1内を伝搬する。
【0082】
スロット導波管1の図面上の下面には、図14に示すように細長いスロット11が多数開いており、電磁波は導波管1中を伝搬しながら、このスロットSより導波管1の外部へ放出される。
【0083】
スロットSより放出された電磁波は、誘電体板3を介してレーザ管2内に導入され、レーザ管2内のレーザガスをイオン化してプラズマを発生させる。磁場発生部10は、レーザ管2に垂直方向の磁界を導入するための永久磁石、または電磁石である。ここで使用する永久磁石としては強力な磁力を有する鉄バナジューム磁石又は、Nb・Fe・B磁石が適している。
【0084】
レーザ管2内に磁場を導入することにより、プラズマ中の電子をトラップして壁面での損失を減らし、より高密度のプラズマを得ることができる。磁場強度を適切に選べば、電子サイクロトロン共鳴により更に高密度のプラズマが得られる。
【0085】
もちろん、磁場を印加しなくても十分高密度のプラズマが得られる場合には、磁場発生部10は必要ない。
【0086】
レーザ管2には、例えばガス導入口8よりKr、Ne、F2ガスが導入/排出 される。プラズマ発生時にガスの入れ替えが必要がない場合には、レーザ管2内にガスを封入しておけばよいため、ガス導入口8は必要ない。プラズマ中では、KrF等の寿命が10nsec程度のラジカルが連続的に発生し、これがKrとFに解離する際に光を放出する。この光は出力側鏡5と反射側鏡6で形成される光共振器内を往復しながら誘導放出を促し、また誘導放出により増幅される。出力側鏡5の反射率は90%以上であり、この出力側鏡を透過した光は、外部にレーザ光として放出される。
【0087】
図13に示す例では、レーザ管本体の材質はアルミニウム合金を用いることができるが、効率を上げるためにレーザ本体内面及び誘電体3の内面には誘電体多層膜が形成されており、発振波長における反射率は無反射になっている。
【0088】
レーザ管2や、導波管1を冷却するために、冷却水導入口9を有する冷媒容器7とこれらの間には、冷却水、大気、N2ガス等の冷媒が流せる構造になってい る。また、スロット導波管1は、導波管1内で放電が起こることを防止するために、真空にできる構造になっている。
【0089】
図14は、スロット導波管1を下部から見た図である。
【0090】
図14(a)は、導波管1の軸に対して垂直方向を向いたスロットSが、導波管1内電磁波の波長と等しい間隔で並んだものである。各スロットからは、位相が揃った導波管軸方向に偏波した直線偏波の電磁波が放出される。
【0091】
図14(b)は、導波管軸に対して45度傾いたスロットが、導波管内電磁波の波長と等しい間隔で並んだものである。各スロットからは、位相が揃った導波管軸方向に対して45度傾いた方向に偏波した直線偏波の電磁波が放出される。
【0092】
図11(c)は、導波管軸に対して45度傾き、直交した2本のスロットのペアが、導波管内電磁波の波長と等しい間隔で並んだものである。各スロットからは、位相が揃った円偏波の電磁波が放出される。
【0093】
これらのスロットの長さは、各スロットから放出される電磁波の強度がほぼ等しいくなるように、導波管内の電磁波強度分布に応じた決められる。また、スロットの角度、スロット間の間隔は上記以外であってもよい。
【0094】
図15の構造では、テーパー導波管11上部より数GHz〜数10GHzの電磁波が導入され、この電磁波はテーパー部で広げられた後、誘電体板3を通してレーザ管2内に導入される。図15に示す例では、テーパー導波管11の電磁波導入部付近では電界が紙面に水平方向を向いたTE10モードとして伝搬するが、電界が紙面に垂直方向を向いていてもよい。その他は図13に示すものと同様である。
【0095】
図16と図17はマイクロ波を表面波として導入した例であり、図16に示す構造では、円筒形の誘導管を用いるギャップ付き導波管12上部から数GHz〜数10GHzの電磁波が導入され、この電磁波は電界が紙面に水平方向を向いたTE10モードとして管内を伝搬する。ギャップ付き導波管12のギャップ部から、誘電管14の管軸方向の電界が印加される。こうして導入されたマイクロ波は誘電管14内では、ギャップ部から左右の管軸方向に伝播する表面波となる。この表面波電界によりプラズマ中の電子が加速されて高密度のプラズマが維持される。
【0096】
レーザ管の中央部からなだらかに減衰するモードの揃った表面波が伝播するため、局所的なマイクロ波電界の強弱が出来ない。従って、プラズマ表面で均一なプラズマ励起が行われるため、効率よく高密度プラズマが発生できる。また、マイクロ波電界をギャップ部のみに印加すればよいので、マイクロ波回路が非常に簡単である。このプラズマ発生方法では、数mm以下と細く、長い高密度プラズマを効率よく発生できるため、細いレーザを発振させるには最適といえる。誘電管14は、図16に示す例では、CaF2である。可動短絡板13は、短絡の位 置調整することにより、電磁波発生部への反射を抑えるために設けられたものであるが、特に可動である必要はない。また、電磁波の周波数が高く導波管の寸法が十分に小さい場合は、導波管のギャップ部は特に必要ない。磁場発生部10は永久磁石または電磁石であり、誘電管14の管軸方向の磁場を発生させる。その他は図13に示す構成と同様である。
【0097】
図17は誘導板14aを用いた例であり、円筒形の誘電管を用いる場合と原理的には同じ。幅が広く厚さが薄いプラズマを発生するのに適している。プラズマの下部分はプラズマ生成とは無関係なので、レーザ管軸と垂直方向の高速なガス流を作りやすい。
【0098】
図18に示す構造は、同軸変換導波管16上部から数GHz〜数10GHzの電磁波が導入され、この電磁波は電界が紙面に水平方向を向いたTE10モードとして管内を伝搬する。この電磁波は、シールド板15と誘電管14内プラズマとの間を伝搬する左右方向の電磁波にモードを変えて伝搬する。プラズマ表面に流れる高周波電流により高密度プラズマが生成される。その他は図13乃至図17に示す構成と同様である。
【0099】
図19に示す構造は、同軸変換導波管16上部から数GHz〜数10GHzの電磁波が導入され、この電磁波は電界が紙面に水平方向を向いたTEモードとして管内を伝搬する。この電磁波は、シールド板15と誘電管14内プラズマとの間を伝搬する右方向の電磁波にモードを変えて伝搬する。その他は図18に示す構造と同様である。
【0100】
(レーザガスの導入形態)
図24は本発明の別の実施形態によるエキシマレーザ発振装置を示している。マイクロ波の導入の方法及び構成は、図13に示したエキシマレーザ発振装と同じであり、矩形導波管1を介して、不図示のマイクロ波電源であるジャイロトロンからのマイクロ波をスロット板3を介してレーザ管2内に導入する。
【0101】
一方、図13を参照して説明した装置では、レーザガスをレーザ管の長手方向端部から導入し長手方向の他方の端部から排出可能な構成を採用していた。これに対して本実施形態によるエキシマレーザ発振装置では、レーザ管2の長手方向に沿って長穴を設けレーザガスの排出口22としている。これにより、導入口21より導入されたレーザガスはレーザ管内の放電空間を経てその両側にある排出口22より排出される。
【0102】
安定的に連続発光のエキシマレーザ光を得る為には、1つにビームを細くすればよい。例えば、レーザ光強度は1.3MW/cm2で1kWを得るには、直径 0.3mmほどの領域においてプラズマが得られればよいことがわかっている。上述した図24の装置では、このように狭い領域にプラズマを集中して発生させることが出来るので、細いビームの連続発光のエキシマレーザ光が得られる。
【0103】
この時のミラー6の反射率は100%、出力側ミラーの反射率は99%とするとよい。
【0104】
又、連続発光のエキシマレーザ光を安定的に得るためには、放電空間にフッ素分子(F2)とフッ素イオン(F-)が存在し、エキシマ(KrF*)を十分に形 成し得る状態にしなければならない。その為には、新鮮なフッ素ガス(F2)を 放電空間に高速で多量に導入し、レーザ光放出により基底状態に戻ったフッ素原子(F)を放電空間より排出することが望ましい。
【0105】
本実施の形態では、上述したレーザガスの循環置換を高速で行う為に、レーザ管の長手方向(放電空間の長手方向)と交差する方向から新しいレーザガスを導入し、又排出するようにレーザガスの導入口と排出口を設けている。
【0106】
又、こうしたガスの高速循環は放電空間にあるガス及びプラズマを高速で置換するので、レーザ管を冷却する効果もある。
【0107】
図27は更にレーザガスの高速循環を可能にする形態を示したものであり、ガス導入口23及びガス排出口24に比べ放電空間ではガスの流れるところが狭くなっており、その結果放電空間において高速のガス循環・置換が行われる。
【0108】
又、プラズマを狭い領域に閉じこめる為の磁石10については、図24のようにレーザ管の長手方向を横切る磁力線が生じるように配置する構成に限らず、レーザ管の長手方向に沿って磁力線が生じるように配置することもできる。
【0109】
図25は本発明の別の実施形態によるエキシマレーザ発振装置を示している。
【0110】
マイクロ波の導入の方法及び構成は、図16に示したエキシマレーザ発振装置と同じであり、矩形導波管12を介して不図示のマイクロ波電源であるジャイロトロンからのマイクロ波をギャップを介してレーザ管14内に導入される。マイクロ波はレーザ管の壁を伝搬して長手方向に伝わり、レーザ管14内ので放電を生じレーザガスのプラズマを生じる。
【0111】
図24の装置が図16の装置と異なる点はレーザガスの導入方法である。
【0112】
図16の装置がレーザガスをレーザ管の長手方向端部から導入し、長手方向に沿ったガスの流れを形成したのに対し、図25の装置は、レーザ管の側壁に長穴をその長手方向がレーザ管の長手方向と平行になるように2つ設けて、一方からレーザガスを導入し、他方からレーザガスを排出するように構成されている。
【0113】
これによりレーザガスはレーザ管内をその長手方向を横切るように流れる。このように本実施の形態においても放電空間にあるガス及び/又はプラズマを高速で置換するので放電空間においてエキシマを安定的に生成することが出来る。又、レーザ管を冷却する効果もある。
【0114】
こうしたガスの導入及び排出の方法は、図7〜22を参照して説明した全ての装置に適用できる。
【0115】
(冷却)
100W〜1kW程度のマイクロ波を入射した10W程度のレーザ光を得るのであるから、相当の発熱が起こる。熱膨張してしまうと波長が変わるから精密な冷却が必要である。この部分に熱膨張のない金属を使って内面に銅めっき、銀めっきをするのがよい。
【0116】
プラズマ励起部を金属にするのは冷却効率を高めるためである。水冷は、冷却水温度・冷却水流量・冷却水圧力を制御しながら行う、例えば、図20に示す。冷却装置により冷却を行うことが好ましく、冷却水から気体を脱気し、圧送圧力を1kg/cm2程度にすると冷却水圧送に伴う振動が発生せず好ましい。
【0117】
(共振器)
レーザ管の光軸上に一対の反射鏡を配置することにより、誘導放出によりレーザ光を取り出すことができる。
【0118】
後述するようにビームの径を細くして光強度を保つことにより連続発光のエキシマレーザ光を得る場合には、一方の反射鏡の反射率を100%、レーザ光を取り出す出力側の反射鏡の反射率を99.0%とすることが好適である。
【0119】
プラズマ発光部の断面積を5mm×0.2mm=1×10-2cm2とすると共振器内を進行するレーザの電力は1MW/cm2×10-2cm2=10KWである。そこで出力ミラーの反射率が99.0%のとき、外部に出力されるレーザ電力は100W、99.9%のとき10Wである。マイクロ波電源、ジャイロトロンの出力は0.5〜10KWであるので、99.0%反射鏡の場合の100Wでも十分実現できる。出力される100Wのうち、1%にあたる1Wは、ウエハに届くであろうから、0.02secで露光できる。レジストの露光は20mJ/cm2必要であるからである。
【0120】
又、共振器内での損失を極端に小さくすることにより光強度を保つ場合には、一方の反射鏡の反射率を100%、出力側の反射鏡の反射率を99.5%以上より好ましくは99.9%以上とする事が好ましいものである。
【0121】
図28にプリズムを利用して両端の反射率が100%となる共振器を構成を示した。全反射のプリズム202、203への入射角はブリュースター角となっており、入射時の光量損失は生じない。また全反射プリズム202、203内部での反射は全反射を利用しており、反射時の光量損失も生じない。したがって、共振器両端での反射率は100%となる。出力光は、レーザチューブ201と全反射プリズム202の間に設置された出力光取り出し板204における入射角を調整する事により反射率0%から数%まで設定できる。
【0122】
図28図に示す例では、ビームが出力光取り出し板に2箇所において、左右進行波が表裏両面で反射するので、出力ビームの数は8と多くなる。これらの出力ビームの処理のため装置が複雑になってしまう。出力ビームの数を減らし装置の複雑化を防ぐための例として図29に示す変形例があげられる。
【0123】
図29(a)に示す例は、共振器内のビーム毎に出力光取り出し板をa,bの2個設け、一方(b)をブリュースター角に設定する。共振器内のビームは直線偏光しているので、ブリュースター角に設定されている出力光取り出し板bでは反射光は生じない。したがって、出力ビームの数は4である。出力光取り出し板bを設ける理由は、出力光取り出し板bによって生じたビームの位置ずれを補正するためである。
【0124】
図29(b)に示す変形例では共振器内のビームの回折を利用して出力光を取り出すものであり、出力ミラーは共振器内のビームの一方に接するように配置され、片面または両面に高反射コートを施してある。出力ミラーに漏れ出してきた回折光は、高反射コートが施された面で反射し出力ビームとなる。出力ビームの数は2である。
【0125】
図29(c)に示す変形例ではエバネセント波を利用して出力光を取り出すものであり、全反射プリズム202または203の全反射面にエバネセント波取り出しプリズムを波長程度隔てて設置することによって漏れてきた光(エバネセント波という)を出力光として取り出すものである。出力ビームの数は2である。
【0126】
(露光装置)
図1はエキシマレーザ発振装置を用いた露光装置を示す。
【0127】
発振装置A1から出射した光はミラー及びレンズA2を介して走査光学系に導かれる。
【0128】
走査光学系は走査レンズA4と、角度を変化し得る走査ミラーA3とを有している。走査光学系から出射された光はコンデンサレンズA5を介してマスクパターンを有するレチクルA6に照射される。以上が露光装置の照明光学系の構成である。
【0129】
レチクルA6により所定のマスクパターンに応じた明暗分布をもつ光は対物レンズ7を有する結像光学系によりステージ上に載置されたウエハA8上に結像されマスクパターンに応じた潜像がウエハA8表面の感光性レジストに形成される。
【0130】
以上のとおり、図1に示す露光装置はエキシマレーザ発振装置A1、照明光学系、結像光学系、ウエハA8を保持するためのステージA9とを有している。
【0131】
なお、この装置においては、発振装置A1と走査光学系との間に不図示の狭帯化モジュールが設けられている。また、発振装置A1自体がパルス発振タイプとなっている。
【0132】
(露光装置の出力方法例)
連続発振エキシマレ一ザの出力光を利用をon/offするに下記のような方法が考えられる。
(1)エキシマレーザ装置の外部に遮断手段を設ける。
(2)連続励起手段をon/offする。
【0133】
しかしながら、(1)の方法では、エキシマレーザがDeepUV光であり、その出力が他のレーザに比べ高いことから、遮断手段への損傷が大きく遮断手段の寿命が短い。応答性の高いAO素子(音響光学素子)を用いた遮断手段の寿命はとくに短い。また、出力光を遮断してもレーザ内部では発振が続いているので、レーザ内部の光学系が無用に損傷し、寿命が短かくなる。
【0134】
また、(2)の方法では、安定した励起状態を形成するにはある程度の時間が必要であるので、連続励起手段をonしても、すぐには所望の連統発振光が得られない。
【0135】
本発明を図に示した実施例に基づいて詳細に説明する。
【0136】
図22は本発明が連続発振エキシマレーザの概略図である。101は、Kr,Ne、F2ガスが封入されたレーザチャンバ、102は、レーザからの光を出力 するアウトプットミラー、103はマイクロ波をレーザチャンバに導入する誘電体、104はマイクロ波を導波するスロット導波管、105は、マイクロ波を供給するマイクロ波発振源である。106は、発振する波長を選択する波長選択ユニットで、一対のプリズムで構成された光束径を拡大する拡大プリズム106−1と、任意の波長を抽出する回折格子106−2で構成されている。
【0137】
107は、一対のレンズで構成されビーム整形光学系108のレーザ側レンズの焦点位置に設けられた空間フィルターであって、レーザからの出力光の広がり角を制御する。109はシャッター、110は、波長選択ユニット106、マイクロ波発振源105、シャッター109を制御する制御系である。
【0138】
ここで、アウトプットミラー102と回折格子106−2で、エキシマレーザの共振器を構成している。
【0139】
(動作の説明)
マイクロ波発振源105からのマイクロ波は、スロット導波管104によって導波され、誘電体3を介してレーザチャンバ101内のエキシマレーザガスを連続励起する。励起されたエキシマレーザガスからの光は、拡大プリズム106−1を介して、回折格子106−2に入射する。回折格子から所定の波長領域の光のみが、再び拡大プリズム106−1を介してレーザチャンバ101に戻り、励起されたエキシマレーザガスで誘導励起発光し、その光がアウトプットミラー102と回折格子106−2で構成される光共振器内を往復しながら順次誘導放出することにより、回折格子により選択された所定の波長領域の光のみが増幅する。そして、増幅された光の一部がアウトプットミラー102を介して出力される。
【0140】
次に連続発振エキシマレーザの出力光の利用をon/offする為の動作について説明する。
【0141】
連続発振エキシマレーザの出力光を遮断する場合、制御系110は、マイクロ波の供給を連続して行いながら、シャッター109を作動させてエキシマレーザガスからの光がアウトプットミラー102に行くのを遮断するようにシャッターを閉める。すると光共振器内で発振していた光が発振できなくなり、急激に、連続発振エキシマレーザからの出力光が遮断できる。
【0142】
また、連続発振エキシマレーザの出力光を再度利用をする場合、制御系110は、マイクロ波の供給を連続して行いながら、シャッター9を作動させてエキシマレーザガスからの光がアウトプットミラー102に行くようにシャッターを開く。エキシマレーザガスで自然発光している光が即座に安定して光共振器内で発振し、連続発振エキシマレーザから安定した出力光が応答性良く得られる。
【0143】
次に連続発振エキシマレーザの出力光の利用をon/offする為のもう一つの動作について説明する。
【0144】
連続発振エキシマレーザの出力光を遮断する場合、制御系110は、マイクロ波の供給を連続して行いながら、回折格子106−2を回動させる。すると回折格子により選択された所定の波長領域の光が変更され、変更された波長領域の光のみが、再び拡大プリズム106−1を介してレーザチャンバ101に戻る。この時、変更された波長領域は、エキシマレーザガスで決まる発振可能領域の波長とことなるようにしてあるため、励起されたエキシマレーザガスで誘導励起発光せず、よって光が発振できなくなり、急激に、連続発振エキシマレーザからの出力光が遮断できる。その現象を図24を用いて説明する。
【0145】
通常、エキシマレーザはそのガスによって波長に対する利得が決まっている。その関係が図23の利得曲線GCである。このとき、利得がある波長領域(λ−δλ〜λ+δλ)の光(G)が励起されたエキシマレーザガスに入射されると、誘導励起発光し、エキシマレーザは発振する。一方、利得がある波長領域(λ−δλ〜λ+δλ)と異なる領域(NG)の光が励起されたエキシマレーザガスに入射されると、誘導励起発光せず、エキシマレーザは発振しない。本実施例では、その現象を利用して、連続発振エキシマレーザの出力光を遮断する場合、回折格子106−2によって、レーザチャンバに戻す光として、利得がある波長領域(λ−δλ〜λ+δλ)と異なる領域の光を選択している。
【0146】
このとき、発振はしていないが自然発光分の光が出力されるが、その光は、指向性がないため、空間フィルター107によってほとんど遮断される。
【0147】
また、連続発振エキシマレーザの出力光を再度利用をする場合、制御系110は、マイクロ波の供給を連続して行いながら、回折格子106−2を回動させて、回折格子により発振可能領域の波長が選択され、その光のみが、再び拡大プリズム106−1を介してレーザチャンバ101に戻る。すると、即座に励起されたエキシマーレーザガスで誘導励起発光し、光共振器内で発振し、連続発振エキシマレーザから安定した出力光が応答性良く得られる。
【実施例】
【0148】
図20に本実施例で使用した連続発光エキシマレーザ発振装置を示す。
【0149】
本例では、光共振器として円筒状のものを用いた。
【0150】
その内面には、無反射膜を形成した。なお、最表面はフッ化物により形成した。
【0151】
その外周には、ジャケット状の冷却装置を設けた。その最表面は断熱材で覆い、流入冷却水の温度を雰囲気温度より低くかつ流出冷却水の温度に略一致させるように制御するための手段を設けた。これにより光共振器の温度変動を非常に小さくすることができた。
【0152】
導波管としては、図17に示したもの(高さ5mm、幅10cmのオーバーサイズ導波管)を用いており、その内部は10-4Torrレベルの真空にした。
【0153】
一方、本例でも磁石により磁界を形成し安定したプラズマ励起を図った。
【0154】
絶縁板44は、共振器側は、CaF2、MgF2からなる多層コートの無反射膜を形成した。最表面はフッ化物よりなる膜を形成した。
【0155】
マイクロ波は、商品名ジャイロトロンを用い、その供給周波数は35GHzとし、ガス組成は、Kr/Ne/F2(3%:92%: 5%)とした。
【0156】
圧力は大気圧とした。従って、ωc=4.5ωとなり、励起周波数の一周期中 に電子は4.5回衝突する。
ωc:光電子の衝突角周波数
【0157】
本例では、さらに、図20に示すように、レーザチャンバ20の両端側にガス導入口21aと21bとを設け、さらにその中央部にガス排出口22を設けた。これにより供給するレーザガスを中央に向かって流す構成とした。その理由は、前述した通り、出力端光反射板の表面保護を兼ねるためである。すなわち、光反射板の最表面は必ずフッ化膜の薄膜等で被覆してあるからF2、F*に反応することをなからしめるためである。
【0158】
光反射板の反射率は99%以上とした。
【0159】
本例では、マイクロ波電界とほぼ垂直の方向に直流磁場がかかるように、磁石51を配置してあり、放電開始及び放電維持は極めて安定に行える。
【0160】
光発振器は、内径が数mm〜数cmの金属円筒からなる。金属円筒の内表面は無反射多層膜を被覆した。その最表面にはフッ化物膜を形成した。
【0161】
光反射板31とレーザチャンバを構成するレーザ管(本例では金属円筒31)とのシール接合は、図21に示すように行った。
【0162】
すなわち、光反射板31と金属円筒32のフランジ32aとの間にテフロン板リング33a(テフロン:登録商標)を介在せしめるとともに、光反射31の外側はテフロン板リング33b、金属板リング35を介在させて、ボルト34により締め付けることにより圧接した。なお、Oリング36によりシールを行った。もちろんボルト34を用いることなく、ベアリングを用いたスクリューにより取り付けてもよい。
【0163】
以上の構成により発光を行ったところ十分な出力を有する連続発光が達成された。
【0164】
また、この連続発光エキシマレーザ発振装置置を用いてステッパを構成したところ構成が簡略化され、また、レンズ材料等の寿命が向上した。
【0165】
(他の実施例)
図24、図25に示す装置を用いて、共振器内の損失を極端に小さくすることによって、安定した連続発光のエキシマレーザ光を得ることが出来た。
【0166】
例えば、レーザガスの圧力を65Torrとしガスによるエネルギーの損失を1%に抑えた。これとともに、一方の反射光の反射率を100%出力側の反射鏡の反射率を99.5%以上として安定共振器を構成した。これにより、レーザ発振のために必要とされる利得を往復で2%以上とし、利得を損失より大きくなるようにできた。
【0167】
なお、マイクロ波エネルギーとして35GHzを用い、レーザ管内の圧力を160Torrにする場合には、ガスによる損失が若干増えるので出力側の反射鏡の反射率を99.9%以上にする事が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明によれば、レンズ材料やその表面への負荷が少なく、かつ、ミラーもしくはレンズスキャンの制御系が簡略にすることができる連続発光エキシマレーザ発振装置を提供することができる。
【0169】
第1に、ガラス等の光学材料に対するダメージが減少することである。KrFあるいはArF等の通常のエキシマレーザは10〜20nsecという短いパルス発光であるのに対し、パルスの繰り返し周波数は1000Hz程度に過ぎない。従って、このパルスのピークの光強度は、光学系の効率という問題を抜きにしても同じ強度で連続発光している時の1万倍以上ある。エキシマの領域で起こる材料の損傷の主原因は2光子吸収にあることが知られており、光のピーク強度の2乗に比例する現在のエキシマレーザでの光損傷は連続発光の場合より少なく見積もっても108倍厳しい。ガラス材の耐久がArFの領域で問題となっている のは以上の理由による。従って、連続発光光源の実現はArFまで含めて紫外域での材料問題を一気に解決する。
【0170】
第2に、狭帯域の光特有の現象のスペックルの発生を抑制することが容易なことである。パルス発光の場合、ランダムな干渉縞であるスペックルを効果的に消し去るためには、一つ一つのパルスでの発光タイミングと公知のスペックル除去手段とを高精度に同期させる必要がある。これに対し、連続発振であれば特別な同期手段を必要とせず簡単な、例えば、回転拡散板のような公知の手段で容易にスペックルを除去することができる。このため光学系の構成を簡単にすることができ、コストの削減にも効果的である。
【0171】
第3に、露光量制御が容易なことである。パルス発光のような離散的な露光を行う場合、露光量を制御する最小単位は1パルスの露光量の制御性にもよるが、基本的には、パルスの数に依存している。総合で100パルスで露光するとした時の次の単位は99パルスまたは101パルスであり、制御精度は±1%となる。もちろん、最後の1パルスの制御については種々の手段が提案されているが、制御性あるいは制御のためにはこのような離散性による分解能がなく、より細かな露光量制御が可能となる。線幅が細かくなるに従い、厳しい露光量制御が要求されているなかで、連続発光光源が与える効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】エキシマレーザ露光装置の概念図である。
【図2】パルス状態を示す概念図である。
【図3】実際のパルス状態を示す概念図である。
【図4】自然発光の減衰状態を示す図である。
【図5】利得幅とモード状態を示す図である。
【図6】エキシマレーザにおける光の集束の様子を示すグラフである。
【図7】レーザチャンバへのガス供給系を示す概念図である。
【図8】レーザ管の形状例を示す断面図である。
【図9】レーザ管の他の形状例を示す断面図である。
【図10】導波管との終端と絶縁板との間隔を示す斜視図である。
【図11】導波管の終端と絶縁板との間隔を示す斜視図である。
【図12】磁場の印加を示す斜視図である。
【図13】マイクロ波の供給装置を有する連続発光エキシマレーザ発振装置例の横断面図及びA−A断面図である。
【図14】図13における導波管1の下面図である。
【図15】マイクロ波供給装置を有する連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図及びB−B断面図である。
【図16】マイクロ波供給装置を有する連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図である。
【図17】マイクロ波供給装置を有する他の連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図である。
【図18】マイクロ波供給装置を有する連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図である。
【図19】マイクロ波供給装置を有する連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図である。
【図20】実施例に係るエキシマレーザ発振装置の側面図及び正面図である。
【図21】実施例に係るエキシマレーザ発振装置における光反射板とレーザ管(金属円筒)とのシール構造を示す断面図である。
【図22】本発明の実施態様例に係るエキシマレーザの概念図である。
【図23】本発明の実施態様例に係るエキシマレーザにおける利得曲線を示すグラフである。
【図24】本発明の実施形態に係るエキシマレーザ発振装置の概念図である。
【図25】本発明の他の実施形態に係るエキシマレーザ発振装置の概念図である。
【図26】エキシマの反応式を示す図である。
【図27】マイクロ波供給装置を有する他の連続発光エキシマレーザ発振装置の横断面図である。
【図28】プリズムを利用して両端の反射率が100%となる共振器の正面図及び側面図である。
【図29】図28の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0173】
A1 発振装置、
A3 走査ミラー、
A4 走査レンズ、
A5 コンデンサレンズ、
A6 レチクル、
A7 対物レンズ、
A8 ウエハ、
A9 ステージ、
1 スロット導波管、
2 レーザ管、
3 誘電体板、
5 出力側鏡、
6 反射側鏡、
8 ガス導入口、
9 冷媒容器、
10 磁場発生部、
11 スロット、
12 ギャップ付き導波管、
14 誘電管、
14a 誘電板、
13 可動短絡板、
15 シールド板、
16 同軸変換導波管、
20 レーザチャンバ(レーザ管)、
21a,21b ガス導入口、
22 ガス排出口、
25a,25b,26,27a,27b バルブ、
28 MFC,PFC、
29 フィルタ、
31 反射鏡、
32 金属円筒(レーザ管)、
32a フランジ、
33a、33b テフロン板リング、
34 ボルト、
35 金属板リング、
36 Oリング、
40 レーザ管、
41 絶縁板、
42 導波管、
50 温度制御装置、
51 磁石、
101 レーザチャンバ、
102 アウトプットミラー、
103 誘電体、
104 スロット導波管、
105 マイクロ波発振源、
106 波長選択ユニット、
106−1 拡大プリズム、
106−2 回折格子、
107 ビーム整形光学系、
108 空間フィルター、
109 シャッター、
110 制御系。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Kr,Ar,Neから選ばれた1種以上の不活性ガスとF2 ガスとの混合ガスからなるレーザガスを収納するためのレーザ管からなるレーザチャンバと、該レーザチャンバを挟んで設けられた一対の反射鏡からなる光共振器とを有するエキシマレーザ発振装置において、
前記レーザチャンバ内のレーザガスを連続的に励起するためのマイクロ波の導入手段を有し、
前記導入手段は、複数のスロットを前記光共振器の軸方向に沿って配した導波管を備えることを特徴とする連続発光エキシマレーザ発振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−222448(P2006−222448A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107848(P2006−107848)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【分割の表示】特願平9−6441の分割
【原出願日】平成9年1月17日(1997.1.17)
【出願人】(000205041)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】