遊戯機用装飾照明器具のバックライトユニット
【課題】 表示画面に均等に光を照射することのできるバックライトユニットを提供する。
【解決手段】 バックライトユニット（１００）において、表示画面（１）の背面と反射板（４）とは対向する。複数のＬＥＤ（２）は、表示画面（１）と反射板（４）との間に配置された基板（３）の上に一列に並置される。プラスチックよりなる反射板（４）は表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有する。この反射表面は、反射板（４）の成形過程において表面を不規則的な凹凸を有するように成形し、アルミ等の金属を蒸着させることにより形成される。ＬＥＤ（２）が発光する光を反射板（４）が乱反射するので、表示画面（１）をむらなく照射することができる。
【解決手段】 バックライトユニット（１００）において、表示画面（１）の背面と反射板（４）とは対向する。複数のＬＥＤ（２）は、表示画面（１）と反射板（４）との間に配置された基板（３）の上に一列に並置される。プラスチックよりなる反射板（４）は表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有する。この反射表面は、反射板（４）の成形過程において表面を不規則的な凹凸を有するように成形し、アルミ等の金属を蒸着させることにより形成される。ＬＥＤ（２）が発光する光を反射板（４）が乱反射するので、表示画面（１）をむらなく照射することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は遊技機用装飾照明器具のバックライトユニットに係り、より詳細には、遊戯機の装飾表示画面における表示のむらを抑えることのできるバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコに代表される遊戯機は、その全面に様々な表示部を備えるのが一般的である。こうした遊戯機においては、表示部の背面にＬＥＤ（発光ダイオード）等の光源を配置して表示部を照射することにより、表示部を明るくして遊技者の興味を引くとともに、遊戯機の使用意欲を促進している。
【０００３】
従来、こうした表示部の照明ユニット（以下バックライトユニットという）においては、明暗による表示のむらを無くすために様々な工夫が試みられてきた。例えば、特許文献１に記載の発明は、表示部の背面と対向する面に複数のＬＥＤを互いの発光有効領域が部分的に重複するように並置することにより、明暗のむらのない照明を実現しようとするものである。
【０００４】
また、特許文献２に記載の考案は、光透過型の光反射シートをＬＥＤの基板と対向して配置することにより、ＬＥＤが放射する光を分散して、表示部全体を照射しようとするものである。あるいは、特許文献３に記載の考案のように、底面部を湾曲させたケース内にＬＥＤを配置し、ＬＥＤが放射した光をケース内で乱反射させて明るい照明を行うものもある。
【０００５】
その他に、ＬＥＤが反射板に向かって発光するようＬＥＤ基板を液晶表示画面と平行に配置し、図２（ａ）の概略斜視図および図２（ｂ）の概略断面図に示すように湾曲した反射板を用いたバックライトユニット（２００）や、図３（ａ）の概略斜視図および図３（ｂ）の概略断面図に示すように規則的な凹凸を有する反射板を用いたバックライトユニット（２００）も考えられている。
【特許文献１】特開平１１−１５５９９９号公報
【特許文献２】実用新案登録第３２９０４５１号公報
【特許文献３】実用新案登録第３０７８５９３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１乃至３に記載の発明および考案や、図２および３に示すようなバックライトユニットによれば、表示画面における明暗のむらや、不均一な光の照射に起因する表示むらの軽減に一定の効果を得ることができるものの、こうしたむらを完全に無くすことは困難である。
【０００７】
また、特許文献１に記載の発明の場合、照射むらを解決するためには設置するＬＥＤの数を増加しなければならず、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
さらに、図２に示すバックライトユニットのように反射板を変形させると、バックライトユニットの厚みが増してしまうおそれがある。
本発明は、こうした従来技術の課題を解決し、コストを増大させることなく、遊戯機の表示画面の背面に均等に光を照射して表示むらを無くすことの可能なバックライトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
こうした課題を解決するために本発明が提供するのは、遊戯機用装飾照明器具のバックライトユニットである。このバックライトユニットは、表示画面の背面に対向する反射板と、表示画面の下端部に直交する面上に、表示画面と反射板との間に配置されたＬＥＤ基板と、ＬＥＤ基板の上に複数配置されたＬＥＤとを備える。反射板は反射表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有する。
このバックライトユニットにおいて、反射板はプラスチック板であり、反射表面は、プラスチック板の表面を光を乱反射させる不規則的な凹凸を有するように成形した上、金属を蒸着させてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、従来のバックライトユニットに比べて薄型のバックライトユニットを提供することが可能である。また、不規則的な凹凸を有する反射板を用いることにより、従来のバックライトユニットと同数のＬＥＤで従来よりも高い輝度を確保することができる。すなわち、ＬＥＤの使用数が少なくても十分な照射効果が得られるので、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図１（ａ）に示すのは、本発明のバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図である。本発明のバックライトユニット（１００）は、反射板（４）と、光源であるＬＥＤ（２）とを備える。
【００１１】
図示するように、表示画面（１）の背面と反射板（４）とは対向して設置される。基板（３）は、液晶表示画面（１）と反射板（４）との間に、表示画面（１）および反射板（４）の下端部に直交して設置される。また、基板（３）の上には複数のＬＥＤ（２）が一列に配置される。
【００１２】
反射板（４）は、表面に光を乱反射するための凹凸を有する。図４に示すのは、反射板（４）の拡大図である。反射板（４）の表面の凹凸は、たとえばアルミ箔を一度丸めてから広げた状態のように、不規則的に形成されるのがよい。本実施例においては、成形版（４）をプラスチックより製造する。したがって、プラスチック板の成形過程において片面を不規則的な凹凸を有するように加工した上、アルミ等の金属を蒸着させるものとする。
【００１３】
バックライトユニット（１００）においてＬＥＤ（２）を発光させると、反射板（４）が反射する光は表面の不規則的な凹凸により拡散する。したがって、表示画面（１）の隅々まで光が行き渡り、均等な照射を実現することができる。すなわち、表示画面（１）の表示むらが抑えられる。
【００１４】
本実施例においては、図示するように合計９個のＬＥＤを使用しているが、本発明の別の実施例においては、表示画面（１）およびバックライトユニット（１００）の大きさや用途に応じて使用するＬＥＤ（２）の数や配置の間隔を適宜変更してよい。反射板（４）により光が拡散されるので、ＬＥＤ（２）の数が少なくてもむらなく効果的に表示画面（１）を照射することが可能である。
【００１５】
また、本実施例においては表示画面（１）と平板状の反射板（４）とを平行に配置したが、本発明の別の実施例においては、表示画面（１）の背面と反射板（４）とが対向していれば、反射板（４）を変形させることも可能である。例えば、反射板（４）の上部を湾曲させ、上端部が表示画面（１）の上端部と接するように反射板（４）を配置してもよい。
【００１６】
本発明の別の実施例においては、電圧に応じて発色が変化するＬＥＤを用いてもよい。電圧を調節してＬＥＤの発色を変えることにより、画面上の表示が動いているかのように見せることも可能である。また、その場合、例えば表示画面（１）の近傍にレンズ設置すれば、ＬＥＤが発する光がレンズを透過して多様に変化しているように見えるので、遊技者の視覚に一層訴えかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】（ａ）は本発明によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図２】（ａ）は従来技術によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図３】（ａ）は従来技術によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図４】本発明によるバックライトユニットの反射板の表面拡大図。
【符号の説明】
【００１８】
１ 表示画面
２ ＬＥＤ
３ 基板
４ 反射板
１００ バックライトユニット
【技術分野】
【０００１】
本発明は遊技機用装飾照明器具のバックライトユニットに係り、より詳細には、遊戯機の装飾表示画面における表示のむらを抑えることのできるバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコに代表される遊戯機は、その全面に様々な表示部を備えるのが一般的である。こうした遊戯機においては、表示部の背面にＬＥＤ（発光ダイオード）等の光源を配置して表示部を照射することにより、表示部を明るくして遊技者の興味を引くとともに、遊戯機の使用意欲を促進している。
【０００３】
従来、こうした表示部の照明ユニット（以下バックライトユニットという）においては、明暗による表示のむらを無くすために様々な工夫が試みられてきた。例えば、特許文献１に記載の発明は、表示部の背面と対向する面に複数のＬＥＤを互いの発光有効領域が部分的に重複するように並置することにより、明暗のむらのない照明を実現しようとするものである。
【０００４】
また、特許文献２に記載の考案は、光透過型の光反射シートをＬＥＤの基板と対向して配置することにより、ＬＥＤが放射する光を分散して、表示部全体を照射しようとするものである。あるいは、特許文献３に記載の考案のように、底面部を湾曲させたケース内にＬＥＤを配置し、ＬＥＤが放射した光をケース内で乱反射させて明るい照明を行うものもある。
【０００５】
その他に、ＬＥＤが反射板に向かって発光するようＬＥＤ基板を液晶表示画面と平行に配置し、図２（ａ）の概略斜視図および図２（ｂ）の概略断面図に示すように湾曲した反射板を用いたバックライトユニット（２００）や、図３（ａ）の概略斜視図および図３（ｂ）の概略断面図に示すように規則的な凹凸を有する反射板を用いたバックライトユニット（２００）も考えられている。
【特許文献１】特開平１１−１５５９９９号公報
【特許文献２】実用新案登録第３２９０４５１号公報
【特許文献３】実用新案登録第３０７８５９３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１乃至３に記載の発明および考案や、図２および３に示すようなバックライトユニットによれば、表示画面における明暗のむらや、不均一な光の照射に起因する表示むらの軽減に一定の効果を得ることができるものの、こうしたむらを完全に無くすことは困難である。
【０００７】
また、特許文献１に記載の発明の場合、照射むらを解決するためには設置するＬＥＤの数を増加しなければならず、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
さらに、図２に示すバックライトユニットのように反射板を変形させると、バックライトユニットの厚みが増してしまうおそれがある。
本発明は、こうした従来技術の課題を解決し、コストを増大させることなく、遊戯機の表示画面の背面に均等に光を照射して表示むらを無くすことの可能なバックライトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
こうした課題を解決するために本発明が提供するのは、遊戯機用装飾照明器具のバックライトユニットである。このバックライトユニットは、表示画面の背面に対向する反射板と、表示画面の下端部に直交する面上に、表示画面と反射板との間に配置されたＬＥＤ基板と、ＬＥＤ基板の上に複数配置されたＬＥＤとを備える。反射板は反射表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有する。
このバックライトユニットにおいて、反射板はプラスチック板であり、反射表面は、プラスチック板の表面を光を乱反射させる不規則的な凹凸を有するように成形した上、金属を蒸着させてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、従来のバックライトユニットに比べて薄型のバックライトユニットを提供することが可能である。また、不規則的な凹凸を有する反射板を用いることにより、従来のバックライトユニットと同数のＬＥＤで従来よりも高い輝度を確保することができる。すなわち、ＬＥＤの使用数が少なくても十分な照射効果が得られるので、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図１（ａ）に示すのは、本発明のバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図である。本発明のバックライトユニット（１００）は、反射板（４）と、光源であるＬＥＤ（２）とを備える。
【００１１】
図示するように、表示画面（１）の背面と反射板（４）とは対向して設置される。基板（３）は、液晶表示画面（１）と反射板（４）との間に、表示画面（１）および反射板（４）の下端部に直交して設置される。また、基板（３）の上には複数のＬＥＤ（２）が一列に配置される。
【００１２】
反射板（４）は、表面に光を乱反射するための凹凸を有する。図４に示すのは、反射板（４）の拡大図である。反射板（４）の表面の凹凸は、たとえばアルミ箔を一度丸めてから広げた状態のように、不規則的に形成されるのがよい。本実施例においては、成形版（４）をプラスチックより製造する。したがって、プラスチック板の成形過程において片面を不規則的な凹凸を有するように加工した上、アルミ等の金属を蒸着させるものとする。
【００１３】
バックライトユニット（１００）においてＬＥＤ（２）を発光させると、反射板（４）が反射する光は表面の不規則的な凹凸により拡散する。したがって、表示画面（１）の隅々まで光が行き渡り、均等な照射を実現することができる。すなわち、表示画面（１）の表示むらが抑えられる。
【００１４】
本実施例においては、図示するように合計９個のＬＥＤを使用しているが、本発明の別の実施例においては、表示画面（１）およびバックライトユニット（１００）の大きさや用途に応じて使用するＬＥＤ（２）の数や配置の間隔を適宜変更してよい。反射板（４）により光が拡散されるので、ＬＥＤ（２）の数が少なくてもむらなく効果的に表示画面（１）を照射することが可能である。
【００１５】
また、本実施例においては表示画面（１）と平板状の反射板（４）とを平行に配置したが、本発明の別の実施例においては、表示画面（１）の背面と反射板（４）とが対向していれば、反射板（４）を変形させることも可能である。例えば、反射板（４）の上部を湾曲させ、上端部が表示画面（１）の上端部と接するように反射板（４）を配置してもよい。
【００１６】
本発明の別の実施例においては、電圧に応じて発色が変化するＬＥＤを用いてもよい。電圧を調節してＬＥＤの発色を変えることにより、画面上の表示が動いているかのように見せることも可能である。また、その場合、例えば表示画面（１）の近傍にレンズ設置すれば、ＬＥＤが発する光がレンズを透過して多様に変化しているように見えるので、遊技者の視覚に一層訴えかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】（ａ）は本発明によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図２】（ａ）は従来技術によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図３】（ａ）は従来技術によるバックライトユニットの概略斜視図、（ｂ）は概略断面図。
【図４】本発明によるバックライトユニットの反射板の表面拡大図。
【符号の説明】
【００１８】
１ 表示画面
２ ＬＥＤ
３ 基板
４ 反射板
１００ バックライトユニット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊戯機用装飾照明器具のバックライトユニットであって、
表示画面の背面に対向する反射板と、
前記表示画面の下端部に直交する面上に、前記表示画面と前記反射板との間に配置されたＬＥＤ基板と、
前記ＬＥＤ基板の上に複数配置されたＬＥＤとを備え、
前記反射板は反射表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有することを特徴とするバックライトユニット。
【請求項２】
請求項１に記載のバックライトユニットにおいて、
前記反射板はプラスチック板であり、
前記反射表面は、前記プラスチック板の表面を光を乱反射させる前記不規則的な凹凸を有するように成形した上、金属を蒸着させてなることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項１】
遊戯機用装飾照明器具のバックライトユニットであって、
表示画面の背面に対向する反射板と、
前記表示画面の下端部に直交する面上に、前記表示画面と前記反射板との間に配置されたＬＥＤ基板と、
前記ＬＥＤ基板の上に複数配置されたＬＥＤとを備え、
前記反射板は反射表面に光を乱反射させる不規則的な凹凸を有することを特徴とするバックライトユニット。
【請求項２】
請求項１に記載のバックライトユニットにおいて、
前記反射板はプラスチック板であり、
前記反射表面は、前記プラスチック板の表面を光を乱反射させる前記不規則的な凹凸を有するように成形した上、金属を蒸着させてなることを特徴とするバックライトユニット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２６７２４５（Ｐ２００６−２６７２４５Ａ）
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−８２２３９（Ｐ２００５−８２２３９）
【出願日】平成１７年３月２２日（２００５．３．２２）
【出願人】（５９１０３０４８８）株式会社大洋 (11)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２２日（２００５．３．２２）
【出願人】（５９１０３０４８８）株式会社大洋 (11)
【Ｆターム（参考）】
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