説明

遊技価値媒体の貸し出し装置、清算装置、遊技管理装置及び遊技管理プログラム

【課題】 遊技価値媒体の貸し出し及び清算を一段と容易になし得る遊技価値媒体貸し出し装置、清算装置、遊技管理装置及び遊技管理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】 遊技価値媒体の貸し出し及び又は遊技結果の清算を遊技機10に付随した装置30,40と携帯通信端末との間の通信により実行する。この場合、貸し出された遊技価値媒体の貸し出し数と、遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数と、遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数とをカウントして清算処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパチンコ遊技機又はパチスロ遊技機等の遊技機においてパチンコ球又はコイン等の遊技価値媒体により遊技を行なう遊技価値媒体の貸し出し装置、清算装置、遊技管理装置及び遊技管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊技機においては、始動口にパチンコ球が入球したことを契機に、内部抽選処理を行い、大当たり又ははずれの抽選結果に基づいて、遊技機の盤面に設けられた表示画面部に数字、文字、図形等からなる図柄を変動させる可変表示ゲームを行い、キャラクタ画像や背景画像を用いた演出を行いながら、図柄を内部抽選結果に応じた組み合わせで停止させるようになされている。
【0003】
そして内部抽選結果が大当たりとなった場合には、該内部抽選結果に対応した組み合わせで図柄を停止させ、その後パチンコ遊技を遊技者に有利な状態に移行する。この遊技者に有利な遊技状態においては、入賞口が開いて該入賞口にパチンコ球が入り易くなり、その結果、より多くのパチンコ球が払い出される。
【0004】
ところで係るパチンコ遊技機において遊技を始める際には、遊技者は、パチンコホールの特定個所に設置されたカード販売機においてカードを購入した後、各パチンコ遊技台間に設けられた球貸し機にカードを挿入して金額に応じたパチンコ球を借りるのが一般的である。また特許文献1に開示されているように、カードによらず現金で直接パチンコ球を借りるようになされたものもあり、この場合には、遊技者は、各パチンコ遊技機間に設けられた台間球貸し機に小銭を投入してパチンコ球を借りるようになされている。
【0005】
またパチンコ遊技の終了時には、遊技者は、払い出されたパチンコ球(手球)をホールの特定個所に設置された計数機に運んで計数することにより清算する。
【特許文献1】特開2004−49547
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来のパチンコ遊技機においてパチンコ球を借りる場合には、遊技者はホールの特定個所に設置されたカード販売機でカードを購入したり、又は各パチンコ遊技機間に設けられた台間球貸し機に投入する小銭を両替するためにホールの特定個所に設置されている両替機で両替を行なう必要があり、パチンコ遊技を開始するにあたって煩雑な手間を避け得ない問題があった。またパチンコ遊技中に新たにパチンコ球を借りる必要が生じた場合には、遊技者は、その都度席を立たなければならず、パチンコ遊技機から離れる間、パチンコ遊技が中断されてその分遊技台の稼働率が低下する問題があった。
【0007】
また遊技終了時においては、遊技者は手球をホールの特定個所に設置された計数機に運んで計数する必要があり、この点においても煩雑な手間を避け得ない問題があった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、遊技価値媒体の貸し出し及び清算を一段と容易になし得る遊技価値媒体の貸し出し装置、清算装置、遊技管理装置及び遊技管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明においては、遊技価値媒体の貸し出し及び又は遊技結果の清算を遊技機に付随した装置と携帯通信端末との間の通信により実行できるようにする。
【0010】
すなわち、請求項1の発明では、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体の貸し出し装置であって、遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、携帯通信端末からの遊技価値媒体の貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理手段とを備えるようにする。
【0011】
請求項1の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した遊技価値媒体の貸し出し装置に対して携帯通信端末により遊技価値媒体の貸し出しを受けることができる。従って、席を立ってカードの購入又は両替を行なう必要がなくなる分、遊技機の稼動率を向上させることができる。
【0012】
また請求項2の発明においては、請求項1の構成において、通信手段は、携帯通信端末との間で赤外線通信により通信を行なうようにする。
【0013】
請求項2の発明によれば、携帯通信端末の赤外線通信機能を利用して遊技価値媒体の貸し出しを行なうことができ、これにより遊技価値媒体の貸し出しを一段を容易に行なうことができる。
【0014】
また請求項3の発明においては、遊技機による遊技結果を清算する遊技結果の清算装置であって、遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、携帯通信端末からの清算要求に応じて遊技結果を清算する清算処理手段とを備えるようにする。
【0015】
請求項3の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した清算装置に対して携帯通信端末により清算を実行させることができる。従って、席を立って遊技価値媒体を計数装置まで運ぶといった煩雑な手間を回避して遊技を一段と簡単に楽しむことができるようになる。
【0016】
また請求項4の発明においては、請求項3の構成において、通信手段は、携帯通信端末との間で赤外線通信により通信を行なうようにする。
【0017】
請求項4の発明によれば、携帯通信端末の赤外線通信機能を利用して遊技結果の清算を行なうことができ、これにより清算を一段を容易に行なうことができる。
【0018】
また請求項5の発明においては、請求項3の構成において、清算処理手段は、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体の投入数と、遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数と、遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数とをカウントするカウント手段を有し、該カウントされた投入数、使用数及び付与数に基づいて前記遊技の結果を清算するようにする。
【0019】
請求項5の発明によれば、遊技の進行に応じて清算に必要な情報(投入数、使用数、付与数)がカウントされて行くので、遊技終了時点ではこれらの情報を用いて容易に遊技結果を清算することができる。
【0020】
また請求項6の発明においては、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出すと共に、遊技の結果を清算する遊技管理装置であって、遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、携帯通信端末からの遊技価値媒体の貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理手段と、携帯通信端末からの清算要求に応じて遊技結果を清算する清算処理手段とを備えるようにする。
【0021】
請求項6の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した遊技管理装置に対して携帯通信端末により遊技価値媒体の貸し出しを受けることができる。従って、席を立ってカードの購入又は両替を行なう必要がなくなる分、遊技機の稼動率を向上させることができる。また遊技者は遊技機に付随した遊技管理装置に対して携帯通信端末により清算を実行させることができる。従って、席を立って遊技価値媒体を計数装置まで運ぶといった煩雑な手間を回避して遊技を一段と簡単に楽しむことができるようになる。
【0022】
また請求項7の発明においては、請求項6の構成において、清算処理手段は、貸し出された遊技価値媒体の貸し出し数と、遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数と、遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数とをカウントするカウント手段を有し、該カウントされた貸し出し数、使用数及び付与数に基づいて遊技の結果を清算するようにする。
【0023】
請求項7の発明によれば、遊技の進行に応じて清算に必要な情報(貸し出し数、使用数、付与数)がカウントされて行くので、遊技終了時点ではこれらの情報を用いて容易に遊技結果を清算することができる。
【0024】
また請求項8の発明においては、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体の貸し出し装置に前記遊技価値媒体の貸し出しを実行させる遊技管理プログラムであって、携帯通信端末との間で通信を行なうことにより携帯通信端末からの遊技価値媒体の貸し出し要求を受信する受信ステップと、貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理ステップとを備えるようにする。
【0025】
請求項8の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した遊技価値媒体の貸し出し装置に対して携帯通信端末により遊技価値媒体の貸し出しを受けることができる。従って、席を立ってカードの購入又は両替を行なう必要がなくなる分、遊技機の稼動率を向上させることができる。
【0026】
また請求項9の発明においては、遊技機による遊技結果を清算する遊技結果の清算装置に清算を実行させる遊技管理プログラムであって、携帯通信端末との間で通信を行なうことにより携帯通信端末からの清算要求を受信する受信ステップと、携帯通信端末からの清算要求に応じて遊技結果を清算する清算処理ステップとを備えるようにする。
【0027】
請求項9の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した清算装置に対して携帯通信端末により清算を実行させることができる。従って、席を立って遊技価値媒体を計数装置まで運ぶといった煩雑な手間を回避して遊技を一段と簡単に楽しむことができるようになる。
【0028】
また請求項10の発明においては、請求項9の構成において、清算処理ステップは、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体の投入数をカウントする投入数カウントステップと、遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数をカウントする使用数カウントステップと、遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数をカウントする付与数カウントステップと、カウントされた投入数、使用数及び付与数に基づいて遊技の結果を清算する清算ステップとを備えるようにする。
【0029】
請求項10の発明によれば、遊技の進行に応じて清算に必要な情報(投入数、使用数、付与数)がカウントされて行くので、遊技終了時点ではこれらの情報を用いて容易に遊技結果を清算することができる。
【0030】
また請求項11の発明においては、遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出すと共に、遊技の結果を清算する遊技管理装置に前記貸し出し及び清算を実行させる遊技管理プログラムであって、携帯通信端末との間で通信を行なうことにより携帯通信端末からの遊技価値媒体の貸し出し要求を受信する受信ステップと、貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理ステップと、携帯通信端末との間で通信を行なうことにより携帯通信端末からの清算要求を受信する受信ステップと、携帯通信端末からの清算要求に応じて遊技結果を清算する清算処理ステップとを備えるようにする。
【0031】
請求項11の発明によれば、遊技者は遊技機に付随した遊技管理装置に対して携帯通信端末により遊技価値媒体の貸し出しを受けることができる。従って、席を立ってカードの購入又は両替を行なう必要がなくなる分、遊技機の稼動率を向上させることができる。また遊技者は遊技機に付随した遊技管理装置に対して携帯通信端末により清算を実行させることができる。従って、席を立って遊技価値媒体を計数装置まで運ぶといった煩雑な手間を回避して遊技を一段と簡単に楽しむことができるようになる。
【0032】
また請求項12の発明においては、請求項11の構成において、清算処理ステップは、遊技価値媒体の貸し出し数をカウントする貸し出し数カウントステップと、遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数をカウントする使用数カウントステップと、遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数をカウントする付与数カウントステップと、カウントされた貸し出し数、使用数及び付与数に基づいて遊技の結果を清算する清算ステップとを備えるようにする。
【0033】
請求項12の発明によれば、遊技の進行に応じて清算に必要な情報(貸し出し数、使用数、付与数)がカウントされて行くので、遊技終了時点ではこれらの情報を用いて容易に遊技結果を清算することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、遊技価値媒体の貸し出し及び又は遊技結果の清算を遊技機に付随した装置と携帯通信端末との間の通信により実行することができ、その分、一段と手軽に遊技を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0036】
図1はパチンコホールにおけるパチンコ遊技機を示す斜視図である。パチンコホールにおいては、複数のパチンコ遊技機10が並べられており、遊技者はこれら複数のパチンコ遊技機10のなかから1つを選択して遊技を行なうようになされている。なおこれら複数のパチンコ遊技機10はそれぞれ同様の構成を有しており、ここでは1つのパチンコ遊技機10について説明する。
【0037】
このパチンコ遊技機10は、本体枠11に遊技盤12が組み込まれ、遊技盤12の下側で前面側に上皿13及び下皿14が設けられ、さらに下皿14の右側に発射ハンドル15が設けられている。
【0038】
遊技盤12の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。発射ハンドル15は本体枠11に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル15を操作することにより該発射ハンドル15の裏面側に設けられた発射モータを動作させ、これにより上皿13に貯留されたパチンコ球を遊技盤12に打ち出すようになされている。
【0039】
発射されたパチンコ球は、遊技盤12上に設けられたガイドレール(図示せず)に案内されて遊技盤12の上部に移動し、その後、複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤12の下方に向かって落下する。
【0040】
遊技盤12の前面の略中央には、表示装置21が設けられている。この表示装置21の上部の中央には、表示装置22が設けられている。この表示装置22は、例えば7セグメント表示器で構成されており、表示情報である普通図柄が、変動と停止とを繰り返すように可変表示される。
【0041】
表示装置21の左右の側部には、球通過検出器(図示せず)が設けられている。この球通過検出器は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、上述した表示装置22において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば「0」から「9」までの数字や「☆」等の記号である。
【0042】
この普通図柄が所定の図柄、例えば「7」となって停止して表示されたときには、内部に設けられた制御回路により始動口23を駆動するためのソレノイドに電流を供給し、これにより所定時間だけ始動口23を開いてパチンコ球が入り易くなるように制御される。また表示装置21の左右の両側には一般入賞口25〜28が設けられている。これら始動口23及び一般入賞口25〜28にパチンコ球が入った場合には、それらの内部に設けられた球通過検出器(図示せず)により検出され、後述する内部の制御回路により所定数のパチンコ球が上皿13に払い出される。
【0043】
始動口23には、球通過検出器(図示せず)が設けられており、この球通過検出器により球の通過が検出されると、内部の制御回路により内部抽選を行い、この抽選結果が大当たりとなった場合には、表示装置21に該大当たりに応じた画像演出を行なうと共に、遊技盤12の下部に設けられたゲート29の開閉機構であるソレノイドに電流を供給することにより、ゲート29を一定時間開いてより多くのパチンコ球が該ゲート29に入り易くする。ゲート内部には、球通過検出器(図示せず)が設けられており、この球通過検出器により球の通過が検出された場合には、制御回路により一定数のパチンコ球を払い出す。
【0044】
これにより内部抽選の結果が大当たりとなった場合には、より多くのパチンコ球が払い出されるようになされている。因みに上皿13に貯留されたパチンコ球が一定数量を超えた場合、及び所定の排出レバーが操作された場合には、下皿14にもパチンコ球が払い出されるようになされている。
【0045】
ここでパチンコ遊技機10の前面には、通信ユニット30が設けられており、携帯電話機との間で赤外線通信を行なうことができるようになされている。この通信ユニット30は、図2に示すように、パチンコ遊技機10の本体枠11に固定され遊技盤12の前面に設けられたガラス板24の開口部に挿入される枠体31と、この枠体31に固定されLED発光部35及び赤外線発光部33、赤外線受光部34が設けられた回路基板(通信回路部)32によって構成されている。なおこの通信ユニット30は、パチンコ遊技機10の前面の一部に設ける場合に代えて、パチンコ遊技機10の周囲等、要はパチンコ遊技機10により遊技を行なう遊技者から見える位置に設けるようにすればよい。
【0046】
図3は、パチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。上述した発射ハンドル15は、主制御回路部40のインターフェイス回路部42に接続され、インターフェイス回路部42は、入出力バス44に接続されている。発射ハンドル15の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路部42により所定の信号に変換された後、入出力バス44に供給される。入出力バス44は、CPU(Central Processing Unit)46にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0047】
またインターフェイス回路部42には、始動口23、ゲート29、一般入賞口25〜28にそれぞれ設けられた球通過検出器45が接続されており、パチンコ球が始動口23、ゲート29、一般入賞口25〜29を通過した場合には、球通過検出器45からインターフェイス回路部42に対して検出信号を供給する。またインターフェイス回路部42には、遊技盤12に打ち出されたパチンコ球の打ち出し経路上に設けられた球通過検出機50も接続されており、遊技盤12にパチンコ球が打ち出されたことを検出すると、球通過検出機50からインターフェイス回路部42に検出信号を供給するようにもなされている。
【0048】
入出力バス44には、ROM(Read Only Memory)48及びRAM(Random Access Memory)49が接続されている。ROM48は、パチンコ遊技機10の遊技全体の流れを制御する制御プログラム、該制御プログラムを実行するための初期データ等を記憶している。
【0049】
またRAM49は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。例えば、新たな入力データやCPU46による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数、又は後述する携帯電話機に対して赤外線通信により送信する各種情報を記憶する。
【0050】
さらに入出力バス44には、インターフェイス回路部52が接続されている。インターフェイス回路部52には、スピーカ53、発射モータ54、ゲート29を開閉するためのソレノイド55、球の貸し出しや入賞に応じて上皿13に所定数のパチンコ球を払い出す払い出し部47、及び通信回路部32が接続されており、インターフェイス回路部52は、CPU46における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0051】
通信回路部32には、LED35、赤外線発光部33及び赤外線受光部34が接続されており、通信回路部32は、CPU46により実行される遊技プログラムに従ってこれらを動作させる。
【0052】
またインターフェイス回路部52には、表示制御部60が接続されており、この表示制御部60は、CPU46により実行される遊技プログラムに従って演出画像を遊技の進行に応じて表示するための駆動信号を表示装置21に出力する。またインターフェイス回路部52には、表示装置22が接続されており、CPU46により実行される遊技プログラムに従って数字及び記号等を遊技の進行に応じて表示する。
【0053】
次に、パチンコ遊技器10との間で赤外線通信により情報を送受信するための携帯電話機の構成を説明する。図4は、携帯電話機70の構成を示す平面図であり、携帯電話機70は、筐体71に表示部72、キーパッド群でなる操作部73、マイクロフォン74、スピーカ75及び赤外線通信ユニット80が設けられている。
【0054】
図5は、携帯電話機70の回路構成を示すブロック図であり、携帯電話機70は、ROM(Read Only Memory)81、CPU(Central Processing Unit)82、RAM(Random Access Memory)83、通信インターフェイス84、通話部85(マイクロフォン74、スピーカ75)、操作部73及び表示部72、赤外線発光部86、赤外線受光部87がそれぞれバス89に接続された構成を有している。なお赤外線発光部86及び赤外線受光部87により赤外線通信ユニット80が構成される。
【0055】
ROM81には、通話を行なうための処理プログラム、パチンコ遊技器10との間で赤外線通信により情報を送受信するための処理プログラム、メールサーバとの間で通信を行なうことにより他の携帯電話機から送信された電子メールや他の携帯電話機に送信する電子メールを受け渡すための処理プログラム等が格納されている。
【0056】
CPU82は、RAM83にワークエリアを確保して、これらの処理プログラムを実行する。
【0057】
またRAM83には、携帯電話機70の電話番号、アドレス、受信した電子メール、パチンコ遊技機10から赤外線通信により受け取った各種情報を記録して保持する。
【0058】
通信インターフェイス(I/F)84は、筐体71に設けられたアンテナ76を介して基地局との間で通信を行なうことにより、該基地局を介して携帯電話回線網との間で接続を確立して情報を送受信するようになされている。通話部85は、マイクロフォン74及びスピーカ75を含み、他の携帯電話機との間での通話を行なう際に、ユーザーの声をマイクロフォン74により入力して電気信号に変換するとともに通話相手の音声信号をスピーカ75により音声として出力するようになされている。
【0059】
操作部72は、複数のキーパッドにより構成され、各キーには数字、アルファベット等の文字が割り当てられて、ユーザーの押圧操作による電話番号、アドレス、文章、各種設定用のコード等の入力結果をCPU82に出力するようになされている。
【0060】
表示部72は、携帯電話機70の表面に設けられた例えば液晶表示装置により構成され、CPU82の制御により各種情報を表示するようになされている。すなわち、電話番号、時刻、電子メールの内容、パチンコ遊技機10から受け取った情報等、RAM83に保存された情報を表示する。
【0061】
このような赤外線通信機能を有する携帯電話機70において、パチンコ遊技機10との間で赤外線通信機能によりパチンコ球の貸し出し、出球の清算を行なうことができるようになされている。
【0062】
すなわち携帯電話機70においては、予めネットワーク上の課金サーバ(後述)に対してクレジットカード番号、パスワード及びユーザID等の登録を行なっておき、パチンコ遊技を行なう際には、パチンコ遊技機10との間で赤外線通信により所定の認証処理を行なうことで課金処理を条件にパチンコ球の貸し出しを受けることができる。
【0063】
ここで図6に示すように、ホールに設置された各パチンコ遊技機10は、それぞれ主制御回路部40に接続された通信インターフェイス41(図3)を介して店舗端末100と接続され、さらにこの店舗端末100は、ネットワーク101を介して課金サーバ102に接続し得るようになされている。
【0064】
遊技者は、ホールに設置された複数のパチンコ遊技機のなかから所望のパチンコ遊技機10を選択して自ら所有する携帯電話機70の赤外線通信機能を利用して該パチンコ遊技機10との間で通信を行なうことにより、パチンコ球の貸し出しを要求することができる。
【0065】
すなわち図7は、パチンコ球の貸し出し処理における携帯電話機70とパチンコ遊技機10との間の情報の送受信に係るタイミングチャートを示し、まず遊技者が携帯電話機70の操作部73を操作してパチンコ球の貸し出し処理要求を入力すると、携帯電話機70のCPU82(図5)は、ROM81に格納されているプログラムに従って認証処理を実行する(S11)。
【0066】
この認証処理においてCPU81は、表示部72にパスワードの入力を促す表示を行なって操作部73を介したパスワードの入力を待ち受ける。そして操作部72が操作されるとこの操作により入力されたワードと予めRAM83に格納されているパスワードとを比較して一致する場合には、パチンコ球の貸し出しに係る続く処理を続行し、予めRAM83に格納されているユーザID、パスワード及びパチンコ球の貸し出し処理の要求をパチンコ遊技機10に対して赤外線発行部86を介して送信する。なおこのパチンコ球の貸し出し処理においては、遊技者がパチンコ遊技機10においてパチンコ遊技を開始する際には、遊技者により操作部73を介してゲーム開始要求を入力するようになされており、この入力操作があった場合にはこのゲーム開始要求が合わせてパチンコ遊技機10に対して送信されるようになされている。
【0067】
パチンコ遊技機10において、主制御回路部40のCPU46は、通信ユニット30に設けられた赤外線受光部34を介して携帯電話機70からの処理要求を受け取ると、ROM48に格納されている遊技価値媒体の貸し出し処理に係る遊技管理プログラムに従って認証処理を実行する(S12)。なおこの実施例の場合、遊技管理プログラムは、予めROM48に格納されているが、これに限られるものではなく、例えばディスク状記録媒体読み取り装置を設けてこのディスク状記録媒体からプログラムを読み込んでRAM48に格納して利用したり、ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。
【0068】
この認証処理において、CPU46は、携帯電話機70から受け取ったパスワード、ユーザIDを店舗端末100(図6)に送信する。店舗端末100は、これらの情報をネットワーク101を介して課金サーバ102に送信する。
【0069】
課金サーバ102では、予め登録されているユーザID、パスワードとこのとき店舗端末100から送信されたユーザID、パスワードと比較し、一致している場合には正規ユーザによる処理要求である旨を店舗端末100に送信する。店舗端末100はこの認証結果をこの認証要求の送信元であるパチンコ遊技機10に返送する。
【0070】
これによりパチンコ遊技機10は、認証結果が課金可能である旨をLED発光部35(図3)を発光させることにより可視表示すると共に、携帯電話機70に対して赤外線発光部33を介して認証結果とパチンコ球の貸し出し金額の入力要求を送信する。携帯電話機70においては、赤外線受光部87(図5)を介してこの要求を受信すると、CPU82は表示部72に認証結果と金額の入力を促す表示を行なう。
【0071】
遊技者がこの入力要求に従って操作部73により金額を入力すると(S13)、CPU82はこの金額を指定する情報を赤外線通信によりパチンコ遊技機10に対して送信する。この金額指定情報を受信したパチンコ遊技機10では、CPU46により課金処理が実行される(S14)。この課金処理において、CPU46は、携帯電話機70から送信された金額指定情報をユーザIDと共に店舗端末100及びネットワーク101を介して課金サーバ102に送信する。
【0072】
課金サーバ102では、指定された金額をユーザIDに対応付けられたクレジットカード番号により課金する。この課金処理結果は課金サーバ102から店舗サーバ100を介してパチンコ遊技機10に送信される。課金処理結果を受け取ったパチンコ遊技機10のCPU46は、金額に応じた数のパチンコ球を払い出し部47(図3)により上皿13に払い出した後(S15)、課金結果を赤外線通信により携帯電話機70に送信する。
【0073】
この結果携帯電話機70のCPU82は、受信した課金結果を表示部72に表示することにより、遊技者は課金処理が実行されたことを認識することができる。このように、パチンコ遊技器10においては、パチンコ球を貸し出すための遊技価値媒体の貸し出し処理に係る遊技管理プログラムを実行する主制御回路部40により遊技価値媒体の貸し出し処理手段が構成され、携帯電話機70との間で赤外線通信を行なう通信ユニット30により通信手段が構成され、これら貸し出し処理手段及び通信手段により遊技価値媒体の貸し出し装置が構成される。
【0074】
このようにして課金処理を条件にパチンコ球の貸し出しが実行されると、遊技者はこの貸し出されたパチンコ球によりパチンコ遊技機10による遊技を開始することができる。ここでこのパチンコ遊技機10においては、発射ハンドル15の操作により遊技盤12に打ち出されるパチンコ球の打球経路上に球通過検出機50(図3)が設けられている。この球通過検出機50は、例えば光センサ等が用いられる。パチンコ遊技機10のCPU46は、携帯電話機70により球貸し出し処理が実行され、パチンコ遊技が開始されると、貸し出された球数、打ち出された球数及び入賞により払い出された球数に基づいて手球数のカウント動作を実行する。因みに手球数Xとは、手元に残っている球数を意味し、貸し出された球数Y、打ち出された球数Z及び入賞により払い出された球数Aにより、X=Y−Z+Aによって算出される。
【0075】
すなわち図8は、パチンコ遊技機10のCPU46により実行される手球数のカウント動作に係る処理手順を示すフローチャートであり、CPU46は、ステップS21においてパチンコ遊技が開始されたか否かを判断する。ここで、図7に示したステップS11において遊技者が携帯電話機70を介してゲーム要求をパチンコ遊技機10に送信したことに応じてパチンコ遊技が開始されると、CPU46は、パチンコ遊技が開始されたものとしてステップSP21からステップS22に進んでRAM49(図3)に保存されている手球数をリセットした後、ステップS23に進む。
【0076】
ステップS23においてCPU46は、遊技の進行に応じた手球数Xのカウント動作を上述の演算により実行し、演算結果である手球数XをRAM49に格納する。この手球数49は、遊技の進行に応じて逐次更新される。なお入賞に応じたパチンコ球の払い出し処理を含めた手球数の演算処理については後述する。さらにCPU46は、ステップSP23に進んで携帯電話機70から赤外線通信により清算処理の指示が入力されたか否かを判断する。すなわち携帯電話機70において、CPU82(図5)は、操作部73を介して清算指示が入力されると、赤外線発光部86を介して清算指示を送信する。この清算指示を赤外線受光部34を介して受信したパチンコ遊技機10のCPU46は、この清算指示に基づいて、このときRAM49に格納されている手球数Xに基づく清算処理を実行する(S24)。
【0077】
ここで図9は、清算処理における携帯電話機70とパチンコ遊技機10との間の情報の送受信に係るタイミングチャートを示し、まず遊技者が携帯電話機70の操作部73を操作して清算処理要求を入力すると、携帯電話機70のCPU82(図5)は、ROM81に格納されているプログラムに従って認証処理を実行する(S31)。
【0078】
この認証処理においてCPU81は、表示部72にパスワードの入力を促す表示を行なって操作部73を介したパスワードの入力を待ち受ける。そして操作部72が操作されるとこの操作により入力されたワードと予めRAM83に格納されているパスワードとを比較して一致する場合には、清算に係る続く処理を続行し、予めRAM83に格納されているユーザID、パスワード及び清算処理の要求をパチンコ遊技機10に対して赤外線発行部86を介して送信する。
【0079】
パチンコ遊技機10において、主制御回路部40のCPU46は、通信ユニット30に設けられた赤外線受光部34を介して携帯電話機70からの処理要求を受け取ると、ROM48に格納されている遊技結果の清算処理に係る遊技管理プログラムに従って認証処理を実行する(S32)。なおこの実施例の場合、遊技管理プログラムは、予めROM48に格納されているが、これに限られるものではなく、例えばディスク状記録媒体読み取り装置を設けてこのディスク状記録媒体からプログラムを読み込んでRAM48に格納して利用したり、ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。
【0080】
この認証処理において、CPU46は、携帯電話機70から受け取ったパスワード、ユーザIDを店舗端末100(図6)に送信する。店舗端末100は、これらの情報をネットワーク101を介して課金サーバ102に送信する。
【0081】
課金サーバ102では、予め登録されているユーザID、パスワードとこのとき店舗端末100から送信されたユーザID、パスワードと比較し、一致している場合には正規ユーザによる処理要求であると判断し、認証結果を店舗端末100に送信する。店舗端末100はこの認証結果をこの認証要求の送信元であるパチンコ遊技機10に返送する。認証結果を受け取ったパチンコ遊技機10のCPU46は、該認証結果を赤外線通信により携帯電話機70に送信すると共に清算処理を実行する(S33)。この清算処理において、CPU46は、図8について上述した手球数のカウント動作でRAM49に格納されている手球数をユーザIDと共に店舗端末100及びネットワーク101を介して課金サーバ102に送信する。
【0082】
課金サーバ102では、指定された金額をユーザIDに対応付けられたユーザの取得ポイントとしてサーバ内部の記憶装置に保存する。この取得ポイントは例えばクレジットカードでの買い物等で現金の代わりに利用することができるものである。なおこの清算処理結果は課金サーバ102から店舗サーバ100を介してパチンコ遊技機10に送信される。清算処理結果を受け取ったパチンコ遊技機10のCPU46は、該清算結果をLED発光部35(図3)を発光させることにより可視表示すると共に、赤外線通信により携帯電話機70に送信する。
【0083】
この結果携帯電話機70のCPU82は、受信した清算結果を表示部72に表示することにより、遊技者は清算処理が実行されたことを認識することができる。このようにパチンコ遊技器10においては、遊技結果を清算するための清算処理に係る遊技管理プログラムを実行する主制御回路部40により清算処理手段が構成され、携帯電話機70との間で赤外線通信を行なう通信ユニット30により通信手段が構成され、これら清算処理手段及び通信手段により清算装置が構成される。
【0084】
次に入賞に応じたパチンコ球の払い出し処理を含めた手球数の演算処理手順を説明する。図10はこの演算処理手順を示すフローチャートであり、パチンコ遊技機10のCPU46は、図8に示した遊技進行に応じたカウント動作処理(S23)に入ると、ステップS41においてまずパチンコ球の貸し出しが行なわれたか否かを判断する。ここでは、図8に示したステップS21の遊技開始処理において既にパチンコ球の貸し出しが実行されているので、CPU46は、ステップS42に進んで貸し出しによる球数Y=Y+αを算出してその結果をRAM49に格納する。因みにαは1回の貸し出しで与えられるパチンコ球の数を意味する。
【0085】
さらにCPU46はステップS43に進み、手球数X=Y−Z+Aを算出してその結果をRAM49に格納する。ここでは、遊技開始後最初の算出処理であるので、図8に示したステップS22のリセット処理により、打ち出し球数Zは0であり、また入賞によるパチンコ球の払い出し数Aも0の状態である。
【0086】
そしてCPU46は、ステップS44においてパチンコ球が遊技盤12に打ち出されたか否かを球通過検出器50の検出結果を基に判断する。ここで球通過検出器50によりパチンコ球の打ち出しが検出されない場合、CPU46はステップS41の処理に戻る。これに対してパチンコ球の打ち出しが検出された場合、CPU46は、ステップS44からステップS45に進んで、打ち出し球数Z=Z+1を算出してその結果をRAM49に格納する。
【0087】
さらにCPU46は、ステップS46に進んで、遊技盤12に打ち出されたパチンコ球が一般入賞口25〜28に入賞したか否かをそれぞれの入賞口25〜28に設けられた球通過検出器45の検出結果に基づいて判断する。ここでいずれかの一般入賞口に入賞した場合、CPU46は、ステップS46からステップS47に進んで、1回入賞分の所定数のパチンコ球を払い出し、ステップS47において払い出し数A=A+βを算出してその結果をRAM49に格納する。因みにβは1回の入賞で払い出されるパチンコ球の数を意味する。CPU46はこのステップS47における払い出し数Aの算出処理の後、上述のステップS41に戻る。
【0088】
これに対して一般入賞口25〜28においてパチンコ球の入賞が検出されなかった場合、CPU46は、ステップS49に進んで、遊技盤12に打ち出されたパチンコ球がゲート29に入ったか否かをゲート29に設けられた球通過検出器45の検出結果に基づいて判断する。なお後述するステップS55におけるゲート29の開動作前においては、ゲート29が閉じた状態となっていることにより、CPU46は、このステップS49からステップS50に進んで、遊技盤12に打ち出されたパチンコ球が始動口23に入ったか否かを、始動口23に設けられた球通過検出器45の検出結果に基づいて判断する。
【0089】
ここでパチンコ球が始動口23の球通過検出器45によりパチンコ球が検出されなかった場合、CPU46は上述のステップS41に戻る。これに対して始動口23の球通過検出器45によりパチンコ球が検出された場合、始動口23にパチンコ球が入ったものとしてCPU46は、ステップS50からステップS51に進み、1回入賞分の所定数のパチンコ球を払い出し、ステップS52において払い出し数A=A+βを算出してその結果によりRAM49に格納されているAの値を更新する。
【0090】
そしてCPU46は、ステップS53において、内部抽選を実行すると共に該内部抽選結果に応じた画像演出を表示制御部60に実行させることにより、表示装置21に所定の画像演出を行なうと共に、ステップS54において、ステップS53での内部抽選結果が大当たりでない場合には上述のステップS41に戻り、これに対して内部抽選結果が大当たりである場合には、ステップS55に進む。
【0091】
このステップS55においてCPU46は、ソレノイド55を駆動することによりゲート29を開いてパチンコ球を入り易くすると共に、内部タイマを起動する。これによりゲート29は大当たりに応じた一定時間開いた状態となり、CPU46は、ステップS56に進んで、この内部タイマが予め決められた一定時間に達したか否かを判断する。一定時間が経過していない場合には、CPU46はこのステップS56から上述のステップS41に戻る。この結果大当たりによりゲート29が開いた状態で遊技盤12にパチンコ球が打ち出されることになる。従ってこの状態で遊技盤12に打ち出されたパチンコ球がゲート29に入ると、CPU46は、ステップS49からステップS57に進むことになり、1回入賞分の所定数のパチンコ球を払い出し、ステップS58において払い出し数A=A+βを算出してその結果によりRAM49に格納されているAの値を更新する。
【0092】
かくしてパチンコ遊技が開始されると、CPU46は、図10に示す処理手順を繰り返すことにより、ステップS43において逐次手球数Xが算出されてRAM49の値が更新される。
【0093】
以上説明したように、この実施例のパチンコ遊技機10においては、携帯電話機70との間で赤外線通信によりパチンコ球の貸し出し処理を実行するようになされていることにより、遊技者は従来のようにホールの特定個所に設置されたカード販売機や両替機に出向くことなくパチンコ遊技機10の前に座ったままでパチンコ球を借りることができる。またパチンコ遊技に係る手球数のカウント動作を逐次実行するようになされていると共に携帯電話機70との間で赤外線通信により清算処理を実行するようになされていることにより、遊技者は、ホールの特定個所に設置された計数機にパチンコ球を運ぶことなく清算を行なうことができる。
【実施例2】
【0094】
上述した実施例1では、パチンコ球の貸し出し及び遊技結果の清算の両方を行なう場合について説明したが、本発明ではこれに限られるものではなく、パチンコ球の貸し出し又は遊技結果の清算の一方の機能を持たせるようにしてもよい。遊技結果の清算のみを携帯電話機70との赤外線通信により行なう場合には、主制御回路部40においてパチンコ球の貸し出し数を把握することが困難になるが、例えばパチンコ遊技機の近傍に設けられた球貸し出し機によりカード又は小銭により貸し出されたパチンコ球の貸し出し数をカウントするカウント手段を設けてカウントするようにすれば、上述の実施例1と同様の清算処理を実行することが可能となる。
【0095】
また実施例1では、携帯電話機70とパチンコ遊技機10との間で赤外線通信を行なう場合について説明したが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えばブルートゥース等による無線通信機能により通信を行なうようにしても、上述の実施例1と同様のパチンコ球の貸し出し処理及び清算処理を実行することが可能となる。
【0096】
また実施例1では、パチンコ遊技機10についてパチンコ球の貸し出し及び清算処理を実行する際に本発明を適用したが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、例えばパチスロ遊技機においてコインの貸し出し及び清算処理を実行する場合に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、遊技価値媒体の貸し出し装置、清算装置、遊技管理装置及び遊技管理プログラムに関し、例えばパチンコ遊技機やパチスロ遊技機におけるパチンコ球やコインの貸し出し及び遊技結果の清算処理に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施例に係るパチンコ遊技機を示す斜視図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機に設けられた赤外線通信ユニットを示す断面図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の主制御回路部を示すブロック図である。
【図4】図1のパチンコ遊技機と赤外線通信を行なう携帯電話機を示す平面図である。
【図5】図4の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図6】図1のパチンコ遊技機による課金処理を行なうためのシステム構成を示す略線図である。
【図7】課金処理に係るパチンコ遊技機と携帯電話機との間の情報送受信処理のタイミングチャートである。
【図8】図1のパチンコ遊技機により実行される手球数のカウント動作に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図9】清算処理に係るパチンコ遊技機と携帯電話機との間の情報送受信処理のタイミングチャートである。
【図10】図1のパチンコ遊技機における手球数の演算処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
10 パチンコ遊技機
12 遊技盤
13 上皿
14 下皿
15 発射ハンドル
21 表示装置
22 始動口
25〜28 一般入賞口
29 ゲート
30 通信ユニット
33、86 赤外線発光部
34、87 赤外線受光部
47 払い出し部
45、50 球通過検出器
70 携帯電話機
100 店舗端末
101 ネットワーク
102 課金サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体の貸し出し装置であって、
前記遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、
前記携帯通信端末からの前記遊技価値媒体の貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に前記遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理手段と
を備えることを特徴とする遊技価値媒体の貸し出し装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記携帯通信端末との間で赤外線通信により通信を行なうことを特徴とする請求項1に記載の遊技価値媒体の貸し出し装置。
【請求項3】
遊技機による遊技結果を清算する遊技結果の清算装置であって、
前記遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、
前記携帯通信端末からの清算要求に応じて前記遊技結果を清算する清算処理手段と
を備えることを特徴とする清算装置。
【請求項4】
前記通信手段は、前記携帯通信端末との間で赤外線通信により通信を行なうことを特徴とする請求項3に記載の清算装置。
【請求項5】
前記清算処理手段は、
前記遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体の投入数と、前記遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数と、前記遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数とをカウントするカウント手段を有し、該カウントされた前記投入数、前記使用数及び前記付与数に基づいて前記遊技の結果を清算する
ことを特徴とする請求項3に記載の清算装置。
【請求項6】
遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出すと共に、前記遊技の結果を清算する遊技管理装置であって、
前記遊技機に付随して設けられ、携帯通信端末との間で通信を行なう通信手段と、
前記携帯通信端末からの前記遊技価値媒体の貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に前記遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理手段と、
前記携帯通信端末からの清算要求に応じて前記遊技結果を清算する清算処理手段と
を備えることを特徴とする遊技管理装置。
【請求項7】
前記清算処理手段は、
前記貸し出された遊技価値媒体の貸し出し数と、前記遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数と、前記遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数とをカウントするカウント手段を有し、該カウントされた前記貸し出し数、前記使用数及び前記付与数に基づいて前記遊技の結果を清算する
ことを特徴とする請求項6に記載の遊技管理装置。
【請求項8】
遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体の貸し出し装置に前記遊技価値媒体の貸し出しを実行させる遊技管理プログラムであって、
携帯通信端末との間で通信を行なうことにより前記携帯通信端末からの前記遊技価値媒体の貸し出し要求を受信する受信ステップと、
前記貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に前記遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理ステップと
を備えることを特徴とする遊技管理プログラム。
【請求項9】
遊技機による遊技結果を清算する遊技結果の清算装置に前記清算を実行させる遊技管理プログラムであって、
携帯通信端末との間で通信を行なうことにより前記携帯通信端末からの清算要求を受信する受信ステップと、
前記携帯通信端末からの清算要求に応じて前記遊技結果を清算する清算処理ステップと
を備えることを特徴とする遊技管理プログラム。
【請求項10】
前記清算処理ステップは、
前記遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体の投入数をカウントする投入数カウントステップと、
前記遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数をカウントする使用数カウントステップと、
前記遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数をカウントする付与数カウントステップと、
前記カウントされた投入数、使用数及び付与数に基づいて前記遊技の結果を清算する清算ステップと
を備えることを特徴とする請求項9に記載の遊技管理プログラム。
【請求項11】
遊技機の遊技の進行に利用される遊技価値媒体を貸し出すと共に、前記遊技の結果を清算する遊技管理装置に前記貸し出し及び前記清算を実行させる遊技管理プログラムであって、
携帯通信端末との間で通信を行なうことにより前記携帯通信端末からの前記遊技価値媒体の貸し出し要求を受信する受信ステップと、
前記貸し出し要求に応じて所定の課金処理を条件に前記遊技価値媒体を貸し出す遊技価値媒体貸し出し処理ステップと、
前記携帯通信端末との間で通信を行なうことにより前記携帯通信端末からの清算要求を受信する受信ステップと、
前記携帯通信端末からの清算要求に応じて前記遊技結果を清算する清算処理ステップと
を備えることを特徴とする遊技管理プログラム。
【請求項12】
前記清算処理ステップは、
前記遊技価値媒体の貸し出し数をカウントする貸し出し数カウントステップと、
前記遊技の進行により実際に使用された遊技価値媒体の使用数をカウントする使用数カウントステップと、
前記遊技の進行に応じて賞として付与された遊技価値媒体の付与数をカウントする付与数カウントステップと、
前記カウントされた貸し出し数、使用数及び付与数に基づいて前記遊技の結果を清算する清算ステップと
を備えることを特徴とする請求項11に記載の遊技管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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