説明

遊技台

【課題】本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技機に関し、異常報知動作による処理負担を軽減することが可能な遊技台を提供することを目的とする。
【解決手段】パチンコ機100は、電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態において、特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が特図2始動口232に進入すると第一異常報知動作を実行し、通常遊技状態中に第一の個数より多い第二の個数の遊技球が特図2始動口232に進入すると第二異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dやスピーカ120を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技台は、遊技中に所定のエラーを検知すると、このエラーを遊技者や遊技店員に報知するように構成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台は、所定のエラーを報知するための異常報知動作による処理負担が増大するという問題を有している。
【0005】
本発明の目的は、異常報知動作による処理負担を軽減することが可能な遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、第一始動領域および第二始動領域を有する始動領域に遊技球が進入した場合に始動情報を導出する始動情報導出手段と、前記第二始動領域に遊技球が進入可能である開状態と、前記第二始動領域に遊技球が進入不能又は困難である閉状態とのいずれかの状態を取り得るように構成されている可変部材と、第一所定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記閉状態から前記開状態にさせる制御を行う可変部材開閉制御手段と、前記始動情報導出手段が導出した始動情報に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定の結果が特定の当否判定結果であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度である通常遊技状態から該第一の有利度よりも前記有利度が高い第二の有利度である特別遊技状態に制御状態を移行させる特別遊技移行制御手段と、第二所定条件の成立に基づいて、前記特別遊技状態から、前記通常遊技状態と比較して前記可変部材が相対的に前記開状態となり易い特定遊技状態に制御状態を移行させる特定遊技移行制御手段と、を備えた遊技台であって、所定の報知動作を行う報知手段と、前記可変部材開閉制御手段が前記可変部材を前記閉状態にさせる制御を行っている状態において、前記特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第一異常報知動作を実行し、前記通常遊技状態中に前記第一の個数よりも多い第二の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第二異常報知動作を実行するように前記報知手段を制御する報知動作制御手段とを備えていることを特徴とする遊技台によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異常報知動作による処理負担を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の制御部の回路ブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100での表示図柄の一例であって、(a)は特図の停止表示図柄の一例を示し、(b)は装飾図柄の一例を示し、(c)は普図の停止表示図柄の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の第1副制御部での処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は第1副制御部メイン処理の流れを示し、(b)は第1副制御部コマンド受信割込処理の流れを示し、(c)は第1副制御部タイマ割込処理の流れを示し、(d)は第1副制御部画像処理の流れを示している。
【図9】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の第2副制御部での処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は第2副制御部メイン処理の流れを示し、(b)は第2副制御部コマンド受信割込処理の流れを示し、(c)は、第2副制御部タイマ割込処理の流れを示している。
【図10】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100での異常報知動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100に備えられた第1副制御部400のROM406に記憶されている異常報知動作の報知態様決定テーブルの一例である。
【図12】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100であって、電チュー開放処理に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図14】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100であって、特定遊技状態中に不正入球を検出していない状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図15】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100であって、特定遊技状態中に不正入球を検出した状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図16】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100であって、特図2始動口232に遊技球が不正入球可能となるように不正改造された状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図17】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100であって、不正改造がなされなくても特図2始動口232に遊技球が不正入球可能となる例を説明する図である。
【図18】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に所定数に満たない第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図19】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に所定数以上である第二の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図20】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図21】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に電断復電が生じ、その後に第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図22】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に不正入球以外の所定のエラーが生じた場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図23】本発明の一実施の形態の実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に不正入球以外の所定のエラーが生じた場合の異常報知動作態様を説明する図である。
【図24】本発明の一実施の形態の変形例による遊技台としてのスロットマシンを正面から見た略示正面図である。
【図25】本発明の一実施の形態の変形例による遊技台を示す図であり、(a)はカジノマシン2000を示し、(b)は本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000を示し、(c)は本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000を示し、(d)は本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000を示し、(e)は本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0010】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0011】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0012】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0013】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0014】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
【0015】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0016】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0017】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0018】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
【0019】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
【0020】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0021】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
【0022】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0023】
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0024】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、遊技球には、入賞の対価として遊技者に払い出す球(以下、「賞球」と呼ぶ場合がある)と、遊技者に貸し出す球(以下、「貸球」呼ぶ場合がある)とが含まれる。
【0025】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0026】
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0027】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では特図1始動口230の真下に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0028】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0029】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0030】
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0031】
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉あるいはシャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0032】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0033】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0034】
次に、図4を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0035】
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400および第2副制御部500についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0036】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0037】
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0038】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0039】
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0040】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0041】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0042】
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0043】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0044】
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0045】
また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
【0046】
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0047】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0048】
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0049】
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0050】
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(時短状態という場合もある)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
【0051】
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、電サポ状態に移行しない状態である。
【0052】
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R電サポ無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0053】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
【0054】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
【0055】
そして、「特図A」の15R特別大当りまたは「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0056】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
【0057】
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0058】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0059】
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0060】
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0061】
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0062】
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0063】
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0064】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0065】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0066】
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、大当りか否かの当否判定で大当りと判定された場合に、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる当り時用特図決定用乱数値を生成する当り時用特図決定用乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」と称する。)を更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」という。)を更新する。例えば、当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。なお、当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタに対応するそれぞれの初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0067】
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0068】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0069】
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0070】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0071】
ステップS205の次のステップS207およびその次のステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。ステップS207の基本乱数初期値更新処理では、上記ステップS115で行った、当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタにそれぞれ対応する初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次のステップS209の基本乱数更新処理では、主制御部300で使用する、当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタが更新される。例えば、当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、当り時用特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、当り時用特図決定用乱数カウンタが一周していると判定した場合には当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、当り時用特図決定用乱数カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、当り時用特図決定用乱数カウンタにセットすると共に、当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。当り時用特図決定用乱数カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
【0072】
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。
【0073】
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0074】
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0075】
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
【0076】
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した当り判定用乱数値を特図1用当り判定用乱数値として取得するとともに、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから当り時用特図決定用乱数値を特図1用当り時用特図決定用乱数値として取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の第一始動情報としての特図1用当り判定用乱数値および特図1用当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0077】
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した当り判定用乱数値を特図2用当り判定用乱数値として取得するとともに、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから当り時用特図決定用乱数値を特図2用当り時用特図決定用乱数値として取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の第二始動情報としての特図2用当り判定用乱数値および特図2用当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0078】
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
【0079】
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0080】
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0081】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ミリ秒(ms)間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0082】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0083】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0084】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0085】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、普図当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0086】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
【0087】
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それとともに、特図2保留ランプ220の点滅を制御する。例えば、図3の特図2保留ランプ220の4つのLEDを図左から右に向かって順にLED番号1−4とすると、LED番号の若い方から順に特図2保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させる。
【0088】
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0089】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0090】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0091】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0092】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0093】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。ここでの電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。
【0094】
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0095】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0096】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0097】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0098】
特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、不図示の判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、特図2の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間の決定(特図タイマ番号の決定)、特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定などを行う。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされるとともに、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域(第2の始動情報記憶手段の一例)に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
【0099】
特図1関連抽選処理(ステップS231)の場合も、特図2関連抽選処理(ステップS229)と同様であるのでその説明は省略する。
【0100】
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0101】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択した特図タイマ番号を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0102】
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択した特図タイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0103】
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0104】
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0105】
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0106】
次に、図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理(ストローブ割込み処理)のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
【0107】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この初期化処理は、例えば約30秒の時間を要する。
【0108】
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0109】
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0110】
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0111】
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0112】
ステップS311の次のステップS313では、ステップS309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
【0113】
ステップS313の次のステップS315では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
【0114】
ステップS315の次のステップS317では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0115】
ステップS317の次のステップS319では、ステップS309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。
【0116】
ステップS319の次のステップS321では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0117】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0118】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0119】
ステップS501の次のステップS503では、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS321で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信やその他演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0120】
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0121】
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP436は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
【0122】
ステップS601の次のステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0123】
ステップS605の次のステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0124】
ステップS607の次のステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0125】
図9を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0126】
まず、同図(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0127】
ステップS701の次のステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。
【0128】
ステップS705の次のステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0129】
ステップS707の次のステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0130】
ステップS709の次のステップS711では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
【0131】
ステップS711の次のステップS713では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、ステップS703に戻る。
【0132】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0133】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第2副制御部タイマ割込処理のステップS901では、図9(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0134】
次に、本実施の形態によるパチンコ機100における異常報知態様について図10乃至図23を用いて説明する。本実施の形態によるパチンコ機100は、特定遊技状態中(例えば電サポ中)に第一の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球した場合には第一異常報知動作を実行し、通常遊技状態(例えば非電サポ中)に当該第一の個数を超える第二の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球した場合には第二異常報知動作を実行するようになっている。パチンコ機100は遊技状態に応じて異常報知動作の実行態様を異ならせるようになっている。この不正入球には、例えば特図2始動口232が何らかの外的要因(例えば、善意の遊技者による玉詰まり(ぶどう発生)、不正遊技者によるパチンコ機100の不正改造行為、羽根部材232aの故障等)により羽根部材232aが開放状態を維持している場合の入球が相当する。
【0135】
図10は、本実施の形態によるパチンコ機100での異常報知動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。当該異常報知動作処理は、例えば図8に示す第1副制御部メイン処理でのコマンド処理(ステップS307)、音制御処理(ステップS315)およびランプ制御処理(ステップS317)において実行されるようになっている。また、異常報知動作処理は、第1副制御部400がCPU404によってRAM408等を制御させることにより実行されるようになっている。
【0136】
異常報知動作処理のステップS1001ではまず、特図2始動口232に不正の入球があったか否かが判定される。例えば、主制御部タイマ割込処理の普図状態更新処理(ステップS221)により主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉状態にさせる制御を行っている状態(例えば、図12において後程説明する電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態)において主制御部300から送信されるコマンドに特図2始動口232への入賞があったことを示す情報が含まれていたら(第1副制御部メイン処理のコマンド処理(ステップS307))、例えば第1副制御部400は特図2始動口232に不正の入球があったと判定してステップS1003に移行する。一方、例えば、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを開状態にさせる制御を行っている状態(例えば、図12において後程説明する電チュー開放許可オン状態や電チュー開閉オン状態)において主制御部300から送信されるコマンドに特図2始動口232への入賞があったことを示す情報、または、羽根部材232aの開閉の制御状態によらず特図2始動口232への入賞がないことを示す情報が含まれていたら(コマンド処理(ステップS307))、例えば第1副制御部400は特図2始動口232に不正の入球がなかったと判定して後述のステップS1003からステップS1010を実行せずに異常報知動作処理を終了する。
【0137】
例えば、コマンド処理(ステップS307)において主制御部300から送信されたコマンドに、普図非作動中であることを示す情報が含まれているか、または、普図作動中であることを示す情報と羽根部材232aを閉鎖状態に保持する信号または羽根部材232aの閉鎖期間であることを示す情報とが含まれていると、第1副制御部400は、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態にさせる制御を行っている状態であると判定するようになっている。また、例えば、コマンド処理(ステップS307)において主制御部300から送信されたコマンドに、普図作動中であることを示す情報と主制御部300のCPU304が羽根部材232aを開放状態にさせる制御を行っている状態を示す情報とが含まれていると、第1副制御部400は、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを開放状態にさせる制御を行っている状態であると判断するようになっている。
【0138】
ステップS1001の次のステップS1003では、現在の制御状態が特定遊技状態であるか否かが判定される。例えば第1副制御部400は、現在の制御状態が例えば電サポ中(普図高確率状態中)であって特定遊技状態であると判定すると、後述のステップS1005およびステップS1007を実行せずにステップS1009に移行し、現在の制御状態が例えば電サポ中ではなく特定遊技状態でないと判定するとステップS1005に移行する。
【0139】
例えば第1副制御部400は、RAM408の所定の記憶領域に記憶された例えば時短フラグの値が「1」かつ大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が非電サポ状態であることおよび大当り遊技中(大当り遊技開始を含む)であることを示す情報が含まれていない場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ当該大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が電サポ状態であることを示す情報が含まれておりかつ大当り遊技中(大当り遊技開始を含む)であることを示す情報が含まれていない場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ当該大当り遊技中フラグの値が「1」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が電サポ状態であることを示す情報が含まれておりかつ大当り遊技中でない(大当り遊技終了を含む)ことを示す情報が含まれている場合のいずれかに該当すると判定すると、現在の制御状態が特定遊技状態であると判定するようになっている。なお、電サポ中の場合には時短フラグの値が「1」に設定され、電サポ中ではない非電サポ中の場合には時短フラグの値が「0」に設定され、大当り遊技中の場合には大当り遊技中フラグの値が「1」に設定され、大当り遊技中でない場合には大当り遊技中フラグの値が「0」に設定される。
【0140】
一方、第1副制御部400は例えば、RAM408の所定の記憶領域に記憶された例えば時短フラグの値が「1」かつ大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が非電サポ状態であることまたは大当り遊技中(大当り遊技開始を含む)であることを示す情報が含まれている場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が電サポ状態または大当り遊技中(大当り遊技開始を含む)であることを示す情報が含まれていない場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「1」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が非電サポ状態であることおよび大当り遊技中でない(大当り遊技終了を含む)ことを示す情報が含まれている場合のいずれかに該当すると判定すると、現在の制御状態が特定遊技状態でないと判定するようになっている。
【0141】
ステップS1003の次のステップS1005では、現在の制御状態が通常遊技状態であるか否かが判定される。例えば第1副制御部400は、現在の制御状態が例えば非電サポ中(普図低確率状態中)である、または、可変入賞口234が非動作状態(扉部材234aが閉状態)であって通常遊技状態であると判定すると、ステップS1007に移行し、現在の制御状態が例えば可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態)であって特別遊技状態であると判断すると、後述のステップS1007〜ステップS1010を実行せずに異常報知動作処理を終了する。
【0142】
例えば第1副制御部400は、RAM408の所定の記憶領域に記憶された例えば時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば大当り遊技開始であることまたは扉部材234aが開放状態であることを示す情報が含まれていない場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「1」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が非電サポ状態であることを示す情報が含まれておりかつ大当り遊技終了または扉部材234aが閉鎖状態であることを示す情報が含まれている場合のいずれかに該当すると判定すると、現在の制御状態が通常遊技状態であると判定するようになっている。
【0143】
一方、第1副制御部400は例えば、RAM408の所定の記憶領域に記憶された例えば時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「0」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が大当り遊技中(大当り遊技開始を含む)であることを示す情報が含まれている場合、または、当該時短フラグの値が「0」かつ大当り遊技中フラグの値が「1」であって主制御部300から送信されたコマンドに例えば現在の制御状態が非電サポ状態であることおよび現在の制御状態が大当り遊技終了または扉部材234aが閉状態であることを示す情報が含まれていない場合のいずれかに該当すると判定すると、現在の制御状態が通常遊技状態ではなく特別遊技状態であると判定するようになっている。
【0144】
ステップS1005の次のステップS1007では、特図2始動口232に所定数以上の不正入球があったか否かが判断される。例えば第1副制御部400は、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態にさせる制御を行っている状態であると判定してから当該状態が終了したと判定するまでの期間に、主制御部300から送信されるコマンドに含まれる特図2始動口232への不正入球数が所定数(例えば、2個)以上になったと判定するとステップS1009に移行し、当該不正入球数が当該所定数に満たないと判定するとステップS1010に移行する。
【0145】
ステップS1007の処理は、同様の態様による異常報知動作が実行されるまでの不正入球数に関して特定遊技状態と通常遊技状態とで差を持たせるために設けられている。本実施の形態では、特定遊技状態において例えば1個の不正入球が検出されると異常報知動作が実行されるようになっているため、所定数は例えば2個に設定されている。当該所定数の設定値はこれに限られず、同様の態様による異常報知動作が実行されるための不正入球数が特定遊技状態よりも通常遊技状態の方が多くなるように設定されていれば、例えば保留上限数であったり、予め定めた個数(例えば10個)であったりしてもよい。
【0146】
例えば第1副制御部400は、特図2始動口232に不正入球した遊技球の入球数を累積加算してRAM408の所定の記憶領域に記憶するようになっている。例えば第1副制御部400は、RAM408の所定の記憶領域に記憶された不正入球数にステップS1001において判定した不正入球数を加算して元の記憶領域に記憶し直すようになっている。例えば第1副制御部400は、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態に制御している状態であると判定してから当該状態が終了したと判定するまでの期間が終了するか、不正入球に対する処置(例えば、玉詰まり状態の解除や不正改造の処置等)のいずれかに該当すると、RAM408に記憶された当該入球数を0個にリセットするようになっている。パチンコ機100は、RAM408に記憶された当該入球数を電断復電や特図変動遊技が大当りに当選することに基づいて0個にリセットするように構成されていてもよい。
【0147】
ステップS1003またはステップS1007の次のステップS1009では、第2報知動作態様による異常報知動作が実行される。ステップS1003の次のステップS1009では第1副制御部400は例えば、特定遊技状態において特図2始動口232に遊技球が不正入球したと判定し、例えば第1副制御部メイン処理の音制御処理(ステップS315)およびランプ制御処理(ステップS317)において第2報知動作態様による第一異常報知動作(詳細は後述)を実行して異常報知動作処理を終了する。また、ステップS1007の次のステップS1009では第1副制御部400は例えば、通常遊技状態において特図2始動口232に所定数以上の遊技球が不正入球したと判定し、例えば第1副制御部メイン処理の音制御処理(ステップS315)およびランプ制御処理(ステップS317)において第2報知動作態様による第二異常報知動作(詳細は後述)を実行して異常報知動作処理を終了する。
【0148】
ステップS1007の次のステップS1010では、第1報知動作態様による異常報知動作が実行される。例えば第1副制御部400は、通常遊技状態において特図2始動口232に所定数に満たない遊技球が不正入球したと判定すると(ステップS1007のNo)、例えば第1副制御部メイン処理のランプ制御処理(ステップS317)において第1報知動作態様による第三異常報知動作(詳細は後述)を実行して異常報知動作処理を終了する。
【0149】
本実施の形態によるパチンコ機100は、通常遊技状態における異常報知動作態様が特定遊技状態における異常報知動作態様とほぼ同様の態様になるためには、通常遊技状態中の不正入球数が特定遊技状態中での不正入球数よりも多くなるように設定されている。
【0150】
本実施の形態では、第1副制御部400のCPU404は、特定遊技状態(例えば電サポ状態)において第一の個数(例えば、1個)の遊技球が特図2始動口232に不正入球するか、あるいは、通常遊技状態(例えば非電サポ状態)において第一の個数よりも多い所定数である第二の個数(例えば、2個)の遊技球が特図2始動口232に不正入球すると、例えば第2報知動作態様による異常報知動作を実行するようになっている。また、本実施の形態では、第1副制御部400のCPU404は、当該通常遊技状態中に当該第一の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球すると第2報知動作態様による異常報知動作よりも相対的に報知動作時間の短い例えば第1報知動作態様による第三異常報知動作を実行するようになっている。第1報知動作態様による第三異常報知動作の実行期間は相対的に短いため、第2報知動作態様による異常報知動作に先立って行われる警告報知としての機能を発揮する場合がある。
【0151】
次に、異常報知動作の報知態様について図11を用いて説明する。図11は、例えばROM406に記憶されている異常報知動作の報知態様決定テーブルの一例である。図11に示すように、異常報知動作は、第1乃至第4報知動作態様の4つに分類されている。第1報知動作態様は、異常報知動作処理でのステップS1010において第三異常報知動作が実行される際に選択される報知態様である。第1報知動作態様は、点灯中または点滅中の所定の演出用ランプ(例えば後述の演出用ランプ250a〜250d)を0.5秒間消灯するとともに複数のセグメントで構成されるST回数表示部(例えば、後述のST回数表示部256)の全てのセグメントを0.5秒間非発光状態とする態様である。
【0152】
第2報知動作態様は、異常報知動作処理でのステップS1009において第一または第二異常報知動作が実行される際に選択される報知態様である。第2報知動作態様は、点灯中または点滅中の当該所定の演出用ランプを10秒間消灯するとともにST回数表示部の全てのセグメントを10秒間非発光状態とし、さらに、所定の音声出力部(例えば、スピーカ120)から所定のエラー音(例えば、「不正入賞エラーです!」等)を10秒間出力する態様である。
【0153】
本実施の形態では、通常遊技状態中に特図2始動口232に遊技球の不正入球があると、まず第1報知動作態様による第三異常報知動作が実行され(異常報知動作処理でのステップS1007のNoおよびステップS1010)、その後の通常遊技状態中にさらに特図2始動口232に遊技球の不正入球があると不正入球数が所定数を満たすまでは第1報知動作態様による第三異常報知動作が繰り返し実行され、当該不正入球数が当該所定数以上になると、所定の演出用ランプの消灯時間やST回数表示部の全セグメントの非発光時間が第1報知動作態様より長く、かつ、所定の音声出力部を用いた音声による第2報知動作態様による第二異常報知動作が実行されるようになっている(異常報知動作処理でのステップS1007のYesおよびステップS1009)。このように、本実施の形態によるパチンコ機100は、通常遊技状態中に特図2始動口232に遊技球の不正入球があると、報知時間の相対的に短い警告報知を実行し、その後に報知時間の相対的に長い異常報知動作を実行して、遊技者や遊技店員が不正入球を徐々に認識し易くなる段階的な異常報知を実行するようになっている。本実施の形態によるパチンコ機100は、通常遊技状態中の不正入球数が相対的に少ない場合には、所定の演出ランプやST回数表示部の消灯時間が短かったり音声による異常報知を実行しなかったりするように構成されているので、異常報知動作に関する処理負担が軽減する場合がある。
【0154】
一方、本実施の形態では、特定遊技状態中に所定数に満たない個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球した場合であっても、不正入球が検出される毎に演出用ランプ205a〜250dの消灯時間やST回数表示部256の全セグメントの非発光時間が第1報知動作態様より長く、かつ、スピーカ120を用いた音声による第2報知動作態様による第一異常報知動作が実行されるようになっている(異常報知動作処理でのステップS1003のYesおよびステップS1009)。また、本実施の形態では、特定遊技状態中に所定数以上の遊技球が特図2始動口232に累積的に不正入球した後も、第2報知動作態様による第一異常報知動作が実行されるようになっている。本実施の形態によるパチンコ機100によれば、特図2始動口232に遊技球が進入し易い特定遊技状態中では、第1報知動作態様による第三異常報知動作を実行せずに直ちに第2報知動作態様による第一異常報知動作を実行することにより、不正入球が早期に発見できるので、不正入球に伴う被害の拡大を防止できる場合がある。
【0155】
第3報知動作態様は、例えば主制御部タイマ割込み処理でのデバイス監視処理(ステップS237)において検出された所定のエラー(例えば賞球払出エラー、振動検知、磁石検知)を報知する第四異常報知動作を実行する際に選択される報知態様である。第3報知動作態様による異常報知は、現在の制御状態が特定遊技状態、通常遊技状態および特別遊技状態のいずれの制御状態であっても当該所定のエラーが検知されると実行される。第3報知動作態様は、検知された所定のエラーが解除されるまで所定の演出用ランプ(例えば、後述の演出用ランプ250a〜250d)を消灯するとともに、ST回数表示部(例えば、後述のST回数表示部256)の全てのセグメントを非発光状態とし、さらに、当該所定のエラーに応じたメッセージを装飾図柄表示装置208の表示画面に表示する態様である。当該所定のエラーのうちの賞球払出エラーには、例えば、球タンクに球がなかったり球詰まりしたりして賞球払出ができないことに基づくエラーが相当する。
【0156】
第4報知動作態様は、例えばパチンコ機100の動作中に電断し、その後に復電した場合に選択される報知態様である。第4報知動作態様は、ST回数表示部(例えば、後述のST回数表示部256)を構成する複数のセグメントのうちの一部を点滅し残余のセグメントを非発光状態とするともに、装飾図柄表示装置208の表示画面に表示される液晶表示画面内ST回数表示部(例えば、液晶表示画面内ST回数表示部254(詳細は後述)に表示されていたST中に可能な特図変動遊技の残数を消去する態様である。
【0157】
次に、電チュー開放処理に係るタイミングチャートについて図12を用いて説明する。図12(a)は、制御状態が特定遊技状態中での電チュー開放処理に係るタイミングチャートの一例を示し、図12(b)は、制御状態が通常遊技状態中での電チュー開放処理に係るタイミングチャートの一例を示している。図12(a)および図12(b)のそれぞれにおいて、図中上段から順に、「普図変動」は、普図変動遊技のタイミングチャートを示し、「電チュー開放許可」は、普図作動・普図非作動状態のタイミングチャートを示し、「電チュー開閉」は、羽根部材232aの開閉状態のタイミングチャートを示し、「普図始動情報」は、普図始動情報が取得されたタイミング、すなわち普図始動口228への遊技球の通過が検知されたタイミングを示し、「特図2始動情報」は、特図2始動情報が取得されたタイミング、すなわち特図2乱数値の組(特図2始動情報)が取得されたタイミングを示し、図中左から右に向かって時間の経過を表している。また、図12(a)および図12(b)のそれぞれにおいて、「普図変動」の「ON」は普図変動遊技が実行されていることを表し、「OFF」は普図変動遊技が実行されていないことを表している。「電チュー開放許可」の「ON」は、普図作動中であって羽根部材232aを開放状態に制御することが許可されていることを表し、「OFF」は普図非作動中であって羽根部材232aを開放状態に制御することが許可されていないことを表している。「電チュー開閉」の「ON」は、羽根部材232aの開放期間、すなわち電チュー開放状態であることを表し、「OFF」は、羽根部材232aの閉鎖期間、すなわち電チュー閉鎖状態であることを表している。「普図始動情報」および「特図2始動情報」における黒色長方形は、普図始動情報や特図2始動情報が取得された時刻を示している。
【0158】
図12(a)に示すように、特定遊技状態においてパチンコ機100の主制御部300は、例えば時刻t0において遊技球が普図始動口228を通過することに基づいて取得された普図当選乱数値を用いた乱数抽選により普図変動遊技に当選したと判定すると第一所定条件が成立したと判定し、例えば時刻t1から普図変動遊技を開始し、所定時間経過後の時刻t2で普図表示装置210に普図Aを停止表示する。これに同期して、パチンコ機100の主制御部300は、例えば時刻t2において普図作動中(以下、「電チュー開放許可オン状態」と称する場合がある)とするとともに、各種ソレノイド332を制御して電チュー開放状態、すなわち羽根部材232aを開放状態とする。本実施の形態によるパチンコ機100は特定遊技状態では、1回の電チュー開放許可オン状態において電チューを3回開放状態とするようになっている。例えば電チュー開放許可オン状態は、時刻t2から時刻t12までの期間で継続され、その期間内で電チューは、時刻t2から時刻t5まで1回目の開放状態、時刻t5から時刻t7まで閉鎖状態、時刻t7から時刻t8まで2回目の開放状態、時刻t8から時刻t11まで閉鎖状態、時刻t11から時刻t12まで3回目の開放状態となる。
【0159】
電チュー開放許可オン状態の期間(時刻t2から時刻t12の間)であり、かつ、羽根部材232aの開放状態(以下、「電チュー開閉オン状態」と称する場合がある)の期間(時刻t2から時刻t5、時刻t7から時刻t8および時刻t11から時刻t12の期間)は、遊技球が特図2始動口232に正規に入球可能な期間であるため、例えば時刻t2から時刻t5までの間の時刻t3や時刻t4において取得された特図2始動情報は、異常報知動作処理のステップS1001において正規の入球であって不正入球でないと第1副制御部400により判定される。
【0160】
一方、普図非作動中(以下、「電チュー開放許可オフ状態」と称する場合がある)の期間は電チューの閉鎖状態が維持されるので、遊技球は特図2始動口232に入球できなくなる。このため、例えば時刻t12以降の時刻t13や時刻t14において取得される特図2始動情報は、異常報知動作処理のステップS1001において不正入球であると第1副制御部400により判定される。また、電チュー開放許可オン状態の期間(時刻t2から時刻t12の間)であっても、羽根部材232aの閉鎖状態(以下、「電チュー開閉オフ状態」と称する場合がある)の期間(時刻t5から時刻t7および時刻t8から時刻t11の期間)は電チューの閉鎖状態が維持されるため、遊技球は特図2始動口232に入球できなくなる。このため、例えば時刻t5から時刻t7の間の時刻t6や時刻t8から時刻t11の間の時刻t9や時刻t10において取得された特図2始動情報は、異常報知動作処理のステップS1001において不正入球であると第1副制御部400により判定される。
【0161】
第1副制御部400は、時刻t6、時刻t9、時刻t10、時刻t13および時刻t14のそれぞれの特図2始動情報の取得に基づいて遊技球が特図2始動口232に入球したことを示す情報を含むコマンドを主制御部300からそれぞれ受信すると、特図2始動口232に不正入球があったと判定してそれぞれの時刻毎に図11に示す第2報知動作態様による第一異常報知動作を実行するように所定の演出用ランプおよび所定の音声出力部を制御するようになっている(異常報知動作処理のステップS1001のYes、ステップS1003のYesおよびステップS1009)。
【0162】
図12(b)に示すように、通常遊技状態においてパチンコ機100の主制御部300は、例えば時刻t0において遊技球が普図始動口228を通過したことに基づいて取得された普図当選乱数値を用いた乱数抽選により普図変動遊技に当選したと判定すると第一所定条件が成立したと判定し、例えば時刻t1から普図変動遊技を開始し、所定時間経過後の時刻t2で普図表示装置210に普図Aを停止表示する。これに同期して、パチンコ機100の主制御部300は、例えば時刻t2において普図作動中とするとともに、各種ソレノイド332を制御して電チュー開放状態、すなわち羽根部材232aを開放状態とする。本実施の形態によるパチンコ機100は通常遊技状態において、1回の電チュー開放許可オン状態において例えば1回だけ電チューを開放状態(電チュー開閉オン状態)とするようになっている。また、パチンコ機100は、例えば電チュー開放許可状態をオン状態とすることに同期させて電チュー開閉状態をオン状態とし、電チュー開放許可状態をオフ状態とすることに同期させて電チュー開閉状態をオフ状態とするようになっている。電チュー開放許可オン状態の期間は、例えば電チュー開閉オン状態の期間とほぼ同じ長さになっている。例えば電チュー開放許可オン状態は、時刻t2から時刻t4までの期間で継続され、電チュー開閉オン状態も時刻t2から時刻t4までの期間で継続されるようになっている。
【0163】
電チュー開放許可オン状態の期間(時刻t2から時刻t4の間)は、電チュー開閉オン状態であって遊技球が特図2始動口232に正規に入球可能な期間であるため、例えば時刻t2から時刻t4までの間の時刻t3において取得された特図2始動情報は、異常報知動作処理のステップS1001において正規の入球であって不正入球でないと第1副制御部400により判定される。
【0164】
一方、時刻t4から次の電チュー開放許可オン状態(不図示)になるまでの期間である普図非作動中の期間は電チューの閉鎖状態が維持されるので、遊技球は特図2始動口232に入球できなくなる。このため、例えば時刻t4以降の時刻t5、時刻t6および時刻t7においてそれぞれ取得される特図2始動情報は、異常報知動作処理のステップS1001において不正入球であると第1副制御部400により判定される。
【0165】
第1副制御部400は、時刻t5での特図2始動口232への入球に係る情報を含むコマンドを主制御部300から受信すると、特図2始動口232に不正入球があったと判定して図11に示す第1報知動作態様による第三異常報知動作を実行するように所定の演出用ランプを制御するようになっている(異常報知動作処理のステップS1001のYes、ステップS1003のNo、ステップS1005のYes、ステップS1007のNoおよびステップS1010)。
【0166】
また、第1副制御部400は、時刻t6での特図2始動口232への入球に係る情報を含むコマンドを主制御部300から受信すると、不正入球が累積で2個となって所定数(本例では、2個)以上になったと判定し、図11に示す第2報知動作態様による第二異常報知動作を実行するように所定の演出用ランプおよび所定の音声出力部を制御するようになっている(異常報知動作処理のステップS1001のYes、ステップS1003のNo、ステップS1005のYes、ステップS1007のYesおよびステップS1009)。
【0167】
さらに、第1副制御部400は、時刻t7での特図2始動口232への入球に係る情報を含むコマンドを主制御部300から受信すると、不正入球が累積で3個となって所定数以上であると判定し、図11に示す第2報知動作態様による第二異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dおよびスピーカ120を制御するようになっている(異常報知動作処理のステップS1001のYes、ステップS1003のNo、ステップS1005のYes、ステップS1007のYesおよびステップS1009)。
【0168】
本実施の形態によるパチンコ機100は、通常遊技状態および特定遊技状態のいずれの場合も、所定期間の経過毎に不正入球数を0にリセットするように構成されている。本実施の形態では、当該所定期間は例えば、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態にさせる制御を行っている状態であると判定してから当該状態が終了したと判定する期間に設定されている。当該期間は、電チュー開放許可状態がオン状態からオフ状態に切り替わってから次にオン状態になるまでの期間に相当する。例えば、図12(a)では、当該期間は、時刻t12から次の電チュー開放許可状態がオン状態(不図示)となるまでであり、図12(b)では、当該期間は、時刻t4から次の電チュー開放許可状態がオン状態(不図示)となるまでである。さらに、本実施の形態では、電チュー開閉オフ期間も主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態にさせる制御を行っている状態であると判定してから当該状態が終了したと判定する期間に相当する。
【0169】
本実施の形態では、電チュー開放許可オン状態またはオフ状態のいずれの状態であるのかは、例えば普図ステータスすなわち普図作動中か普図非作動中かで判定するようになっている。また、電チュー開閉オン状態またはオフ状態のいずれの状態であるのかは、例えば羽根開放時間管理用タイマまたは羽根閉鎖時間管理用タイマのいずれがカウントされているのかで判定するようになっている。主制御部300が電チュー開放許可状態をオン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状態に切り替えてから第1副制御部400が電チュー開放許可状態の切り替わったことを判定するまでには所定時間を要する。このため、主制御部300が電チュー開放許可状態をオフ状態からオン状態に切り替える直前(例えば図12(a)に示す時刻t2の直前)に特図2始動情報が取得されると、当該特図2始動情報は不正入球と判定される期間に取得されたにもかかわらず、主制御部300の電チュー開放許可状態切り替え制御の時刻と、当該切り替え制御の時刻の第1副制御部400の判定の時刻との時間差によって、第1副制御部400は当該特図2始動情報を不正入球でないと判定してしまう可能性がある。また、主制御部300が電チュー開放許可状態をオン状態からオフ状態に切り替える直前(例えば図12(a)に示す時刻t12の直前)に特図2始動情報が取得されると、当該特図2始動情報は不正入球と判定される期間に取得されていないにもかかわらず、主制御部300の電チュー開放許可状態切り替え制御の時刻と、当該切り替え制御の時刻の第1副制御部400の判定の時刻との時間差によって、第1副制御部400は当該特図2始動情報を不正入球であると判定してしまう可能性がある。また、電チュー開閉状態のオン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状態への切り替えについても電チュー開放許可状態の切り替え時と同様の問題が生じる可能性がある。
【0170】
そこで、本実施の形態によるパチンコ機100では、遊技球が特図2始動口232に不正入球したと判定する許容期間が、例えば主制御部300が電チュー開放許可状態をオフ状態からオン状態に切り替えるよりも前、オン状態からオフ状態に切り替えた後、電チュー開閉状態をオフ状態からオン状態に切り替えるよりも前およびオン状態からオフ状態に切り替えた後にそれぞれ設定されていてもよい。さらに、この許容期間は、特定遊技状態と通常遊技状態とで異なるように設定されており、例えば特定遊技状態の方が長くなるように設定されていてもよい。
【0171】
次に、本実施の形態の実施例によるパチンコ機100における異常報知動作態様について図13乃至図23を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100の構成や制御系は、図1乃至図12を用いて説明したパチンコ機100の構成や制御系とほぼ同様であるため、異なる点のみを簡述する。図13は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。図13において、図3に示すパチンコ機100の遊技盤200と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0172】
図13に示すように、本実施例によるパチンコ機100は、特図1変動遊技に係る第一図柄を停止表示可能な特図1表示装置212と、特図2変動遊技に係る第二図柄を停止表示可能な特図2表示装置214とを有している。本実施例によるパチンコ機100の遊技領域124内における特図1および特図2表示装置212、214の相対的な配置位置は、図3に示すパチンコ機100の遊技領域124内における特図1および特図2表示装置212、214の相対的な配置位置とほぼ同様になっている。
【0173】
本実施例によるパチンコ機100は、遊技盤200の前面をその法線方向に見て、一対の羽根部材232aを備えた1つの特図2始動口232と、1つの扉部材234aを備えた1つの可変入賞口234と、1つの普図始動口228とが遊技領域124内の右下方に配置されている。特図2始動口232は、装飾図柄表示装置208の下方右寄りに配置されている。可変入賞口234は、特図2始動口232の隣接下方に配置されている。普図始動口228は、特図2始動口232の隣接右上方に配置されている。
【0174】
普図始動口228の上方であって装飾図柄表示装置208の右隣には、ST回数表示部256が配置されている。ST回数表示部256は、第二所定条件の成立後、すなわち停止図柄が特図Aまたは特図Bに係る大当り遊技後のスペシャルタイム(ST)終了までに実行可能な特図変動遊技の残数を表示するようになっている。ST回数表示部256は、8の字型に配置された7個のセグメントを2組有している。ST回数表示部256は第1副制御部400により発光・非発光が制御されるようになっている。当該スペシャルタイム(ST)は例えば、特別遊技状態終了後に羽根部材232aが開放し易い可変部材易開状態(特定遊技状態)に移行してから特図1変動遊技と特図2変動遊技との合計変動回数が所定回数(本例では、100回)に到達した場合に当該可変部材易開状態を終了するまでの期間継続される。なお、図13、後述の図14乃至16および図18乃至図23では、ST回数表示部256のセグメントの発光状態は黒色または薄墨色で表され、非発光状態は白色で表されている。
【0175】
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、液晶表示画面内ST回数表示部254が表示されるようになっている。液晶表示画面内ST回数表示部254は、ST回数表示部256と同様に、大当り遊技後のスペシャルタイム終了までに実行される特図変動遊技の残数を表示するようになっている。
【0176】
本実施例によるパチンコ機100は、遊技領域124に放出された遊技球の流下経路として、相互に打ち分け可能な第一経路としての左打ちのルートAと第二経路としての右打ちのルートBとを有している。相互に打ち分け可能とは、遊技球を発射させる発射装置110(図1参照)を遊技者が球発射ハンドル134を介して操作することにより左打ちのルートAと右打ちのルートBとに遊技球を打ち分け可能であることをいう。右打ちのルートBには、当該ルートを通過する遊技球を普図始動口228、特図2始動口232および可変入賞口234に誘導する誘導部252が配置されている。誘導部252は、外レール202から突出して設けられ、ST回数表示部256と普図始動口228との間に配置されている。
【0177】
特図1始動口230は、右打ちのルートBと比較して左打ちのルートAを通過する遊技球が相対的に進入し易い位置に配置されている。特図2始動口232は左打ちのルートAと比較して右打ちのルートBを通過する遊技球が相対的に進入し易い位置に配置されている。また、普図始動口228および可変入賞口234も特図2始動口232と同様に、左打ちのルートAと比較して右打ちのルートBを通過する遊技球が相対的に進入し易い位置に配置されている。また、見方を変えると、特図1始動口230は、左打ちのルートAと比較して右打ちのルートBを通過する遊技球が相対的に進入し難い位置に配置されており、普図始動口228、特図1始動口230および可変入賞口234は、右打ちのルートBと比較して左打ちのルートAを通過する遊技球が相対的に進入し難い位置に配置されている。左打ちのルートAを通過する遊技球は特図1始動口230に相対的に入球し易く、右打ちのルートBを通過する遊技球は特図2始動口232に相対的に入球し易いので、遊技者は、通常遊技状態時には左打ちのルートAを狙い、特別遊技状態や特定遊技状態時には右打ちのルートBを狙うというように遊技状態に応じて遊技球を打ち分けながら遊技を楽しむことができる。
【0178】
本実施例によるパチンコ機100では、特図1始動口230と特図2始動口232とは互いに遠ざけて配置されている。このため、通常遊技状態時に特図2始動口232への入球が確認し易くなる場合がある。
【0179】
本実施例によるパチンコ機100は、4つの演出用ランプ250a〜250dを有している。演出用ランプ250aおよび演出用ランプ250bは、外レール202に沿って所定の間隙を設けて装飾図柄表示装置208の上方に配置されている。演出用ランプ250cおよび演出用ランプ250dは、外レール202に沿って所定の間隙を設けて装飾図柄表示装置208の下方に配置されている。装飾図柄表示装置208に対し、演出用ランプ250aは左上方、演出用ランプ250bは右上方、演出用ランプ250cは左下方、演出用ランプ250dは右下方にそれぞれ配置されている。演出用ランプ250aの下方には演出用ランプ250cが配置され、演出量ランプ250bの下方には演出用ランプ250dが配置されている。演出用ランプ250a〜250dは第1副制御部400により点灯・消灯を制御されるようになっている。演出用ランプ250a〜250dはパチンコ機100に異常が生じていない場合には点灯状態または点滅状態を維持し、異常が生じると所定期間消灯するように制御される。なお、図13、後述の図14乃至16および図18乃至図23では、演出用ランプ250a〜250dが点灯している状態は薄墨色で表され、消灯している状態は白色で表されている。
【0180】
図14は、本実施例によるパチンコ機100であって、制御状態が特定遊技状態中に不正入球を検出していない状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。図14に示すように、本例では、液晶表示画面内ST回数表示部254およびST回数表示部256には「69」と表示されており、スペシャルタイム(ST)における特図変動遊技の残数が69回であることが報知されている。また、パチンコ機100は、演出用ランプ250a〜250dのいずれも点灯状態または点滅状態に制御して特図2始動口232への不正入球が検出されていないことを報知している。
【0181】
図15は、本実施例によるパチンコ機100であって、制御状態が特定遊技状態中に不正入球を検出した状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。図15に示すように、パチンコ機100は、演出用ランプ250a〜250dを消灯状態に制御し、ST回数表示部256の全てのセグメントを非発光状態に制御して、第2報知動作態様による第一異常報知動作により不正入球を検出したことを報知している(図10および図11参照)。なお、図示は省略するが、パチンコ機100は演出用ランプ250a〜250dの消灯状態およびST回数表示部256の非発光状態の制御とともに、スピーカ120から音声を出力するようになっている。また、本例では、液晶表示画面内ST回数表示部254は、スペシャルタイムにおける特図変動遊技の残数の表示を維持するように制御される。
【0182】
図16は、本実施例によるパチンコ機100であって、特図2始動口232に遊技球が不正入球可能となるように不正改造された状態のパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。本例における不正改造は、羽根部材232aを常時開放状態とするものである。図16に示すように、例えば誘導部252と羽根部材232aとの間に不正改造用部材700が張り渡されている。特図2始動口232を閉鎖状態とするために各種ソレノイド332から羽根部材232aに作用する力よりも特図2始動口232が常時開放状態となるように不正改造用部材700から羽根部材232aに加わる力の方が大きくなっている。これにより、主制御部300が特図2始動口232を普図非作動中に制御しても、羽根部材232aは閉鎖状態にならない。このため、電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態であっても遊技球が特図2始動口232に入球して不正入球が検出される場合がある。
【0183】
図17は、本実施例によるパチンコ機100であって、不正改造がなされていなくても特図2始動口232に遊技球が不正入球可能となる例を説明する図である。本例は、遊技球が羽根部材232aと遊技釘238との間に挟まってしまい特図2始動口232が閉鎖状態とならなくなり、その結果、不正入球が可能な状態になるものである。図17(a)は、パチンコ機100の遊技盤200を正面から見た、特図2始動口232近傍の拡大図であって、羽根部材232aと遊技釘238との間に遊技球が挟まっていない状態を示している。図17(b)は、パチンコ機100の遊技盤200を正面から見た、特図2始動口232近傍の拡大図であって、特図2始動口232近傍の拡大図であって、羽根部材232aと遊技釘238との間に遊技球が挟まっている状態を示している。
【0184】
図17(a)に示すように、パチンコ機100は、遊技球を特図2始動口232へ誘導できるように特図2始動口232の羽根部材232aの近傍に遊技釘238が配置されている。このため、遊技球が遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し特図2始動口232近傍に到達したタイミングと、羽根部材232aが開放したタイミングとによっては、図17(b)に示すように、羽根部材232aと遊技釘238との間に遊技球260が挟まってしまう場合がある。特図2始動口232を閉鎖状態とするために各種ソレノイド332から羽根部材232aに作用する力よりも特図2始動口232が開放状態となるように遊技球260から羽根部材232aに加わる力の方が大きいと、主制御部300が特図2始動口232を普図非作動中に制御しても、羽根部材232aは閉鎖状態にならない。これにより、電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態であっても遊技球が特図2始動口232に入球してしまい不正入球が検出される場合がある。また、羽根部材232aと遊技釘238との間に挟まった遊技球260を核として、複数の遊技球による球詰まり(いわゆる、ふどう発生)が特図2始動口232近傍で生じ、より容易に不正入球してしまう場合がある。
【0185】
図18は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に所定数に満たない第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を例示している。図18(a)に示すように、現時点では特図2始動口232への遊技球の不正入球は検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態または点滅状態に制御されている。また、ST回数表示部256は、2組のそれぞれの7つのセグメントのうちの中央のセグメントの発光・非発光を繰り返す点滅表示をするように制御されている。本実施例では、ST回数表示部256は、通常遊技状態において不正入球が検出されていない場合には、中央のセグメントが点滅表示するように制御される。さらに、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域に装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されるとともに、演出表示領域208dに所定の演出が表示されている。
【0186】
図18(a)に示すように、パチンコ機100は、例えば不正改造用部材700による不正の改造がなされている。ここで、電チュー開放許可オフ状態において特図2始動口232に第一の個数(本例では、1個)の遊技球が入球したことが検出されると、第1副制御部400は、特図2始動口232に不正入球があったと判定し(異常報知動作処理のステップS1001のYes)、現在の制御状態が特定遊技状態でなく(ステップS1003のNo)、現在の制御状態が通常遊技状態であり(ステップS1005のYes)、不正入球の個数は1個であって所定数(本例では、2個)に満たないと判定し(ステップS1007のNo)、第1報知動作態様による第三異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dおよびST回数表示部256を制御する。第1報知動作態様は、図11に示すように、所定の演出用ランプを0.5秒間消灯するとともに、ST回数表示部の全セグメントを0.5秒間非発光状態とする態様である。このため、図18(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御される。
【0187】
第1報知動作態様における演出用ランプ250a〜250dの消灯時間は0.5秒間と相対的に短く、ST回数表示部256の全セグメントの非発光状態の時間も同様に0.5秒間と相対的に短い。このため、図18(c)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯後すぐに点灯状態に戻り、ST回数表示部256は非発光後すぐに点滅状態に戻る。
【0188】
図19は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に所定数以上である第二の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を例示している。図19(a)に示すように、現時点では特図2始動口232への遊技球の不正入球は検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態または点滅状態に制御されている。また、ST回数表示部256は、2組のそれぞれの7つのセグメントのうちの中央のセグメントの発光・非発光を繰り返す点滅表示をするように制御されている。さらに、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域に装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されるとともに、演出表示領域208dに所定の演出が表示されている。
【0189】
図19(a)に示すように、パチンコ機100は、例えば不正改造用部材700による不正の改造がなされている。ここで、電チュー開放許可オフ状態において特図2始動口232に第二の個数(本例では、2個)の遊技球が入球したことが検出されると、第1副制御部400は、特図2始動口232に不正入球があったと判定し(異常報知動作処理のステップS1001のYes)、現在の制御状態が特定遊技状態ではなく(ステップS1003のNo)、現在の制御状態が通常遊技状態であり(ステップS1005のYes)、不正入球の個数は2個であって所定数(本例では、2個)以上であると判定し(ステップS1007のYes)、第2報知動作態様による第二異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dおよびST回数表示部256を制御する。第2報知動作態様は、図11に示すように、所定の演出用ランプを10秒間消灯するとともに、ST回数表示部の全セグメントを10秒間非発光状態とし、さらに所定の音声出力部からエラー音を出力する態様である。このため、図19(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御され、スピーカ120はエラー音(例えば、「不正入賞エラーです!」という音声)を10秒間出力するように制御される。
【0190】
第2報知動作態様では、演出用ランプ250a〜250dの消灯時間は10秒間と第1報知動作態様での消灯時間と比べて長く、ST回数表示部256の全セグメントの非発光状態の時間も同様に第1報知動作態様での非発光時間と比べて長く、さらに、スピーカ120を用いた音声による報知も実行される。このため、遊技者や遊技店員は不正入球が検出されたことを容易に認識できる場合がある。
【0191】
本実施例によるパチンコ機100は、通常遊技状態において演出表示領域208dに表示される演出体系(例えば、図19において演出表示領域208dに表示されている演出)が特定遊技状態において演出表示領域208dに表示される演出体系(例えば、後述の図20において演出表示領域208dに表示されている演出)と異なるように構成されている。通常遊技状態と特定遊技状態とで演出体系が異なっているので、遊技者は現時点での制御状態が通常遊技状態および特定遊技状態のいずれであるのかを認識し易い。これにより、パチンコ機100は、演出体系が特定遊技状態ではなく通常遊技状態であるにもかかわらず多くの遊技球が特図2始動口232に入球して頻繁に特図2変動遊技が実行されているという、演出体系と特図2変動遊技の実行頻度との不整合により、不正入球が生じていることを遊技者に気付かせることができる場合がある。
【0192】
図20は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を例示している。図20(a)に示すように、現時点では特図2始動口232への遊技球の不正入球は検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態または点滅状態に制御されている。ST回数表示部256は、スペシャルタイム終了までに実行可能な特図変動遊技の残数「69」を表示するように制御されている。また、装飾図柄表示装置208は、演出表示領域208dの液晶表示画面内ST回数表示部254にスペシャルタイム終了までに実行可能な特図変動遊技の残数「69」を表示するように制御されている。さらに、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域に装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されるとともに、演出表示領域208dに所定の演出が表示されている。
【0193】
図20(a)に示すように、パチンコ機100は、例えば不正改造用部材700による不正の改造がなされている。ここで、電チュー開放許可オフ状態において特図2始動口232に第一の個数(本例では、1個)の遊技球が入球したことが検出されると、第1副制御部400は、特図2始動口232に不正入球があったと判定し(異常報知動作処理のステップS1001のYes)、現在の制御状態が特定遊技状態であるため(ステップS1003のYes)、第2報知動作態様による第一異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dおよびST回数表示部256を制御する。第2報知動作態様は、図11に示すように、所定の演出用ランプを10秒間消灯するとともに、ST回数表示部の全セグメントを10秒間非発光状態とし、さらに所定の音声出力部からエラー音を出力する態様である。このため、図20(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御され、スピーカ120はエラー音を10秒間出力するように制御される。本実施例では、第2報知動作態様による第一異常報知動作の実行中に、ST回数表示部256のスペシャルタイム終了までに実行可能な特図変動遊技の残数は非表示状態となるが、液晶表示画面内ST回数表示部254に表示された当該残数は表示され続けるようになっている。
【0194】
本実施例によるパチンコ機100では、通常遊技状態中に第一の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球すると、スピーカ120による異常報知はなされずに、演出用ランプ250a〜250dの短時間の消灯やST回数表示部256の短時間の非発光による警告報知としての機能を発揮する異常報知がなされる。これに対し、特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球すると、演出用ランプ250a〜250dの長時間の消灯やST回数表示部256の長時間の非発光による異常報知と、スピーカ120による異常報知とが直ちになされるようになっている。このため、特定遊技状態中は通常遊技状態中と比較して、不正入球が検出されたことを遊技者や遊技店員が早期に認識できる場合がある。
【0195】
図21は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に電断復電が生じ、その後に第一の個数の遊技球が不正入球した場合の異常報知動作態様を例示している。第1副制御部400は、ST中に実行された特図変動遊技の変動数を記憶しないようになっている。このため、第1副制御部400は、電断が生じると残りのST中に実行可能な特図変動遊技の残数を判定できなくなり、復電後に特図変動遊技の正確な残数を表示するようにST回数表示部256および液晶表示画面内ST回数表示部254を制御できなくなる。そこで、第1副制御部400は、図21(a)に示すように、図11に示す第4報知動作態様に基づいてST回数表示部256および液晶表示画面内ST回数表示部254を制御するようになっている。例えばパチンコ機100がST中に電断した後に復電すると、ST回数表示部256は、電断前に表示されていた当該残数が消去されて、2組のそれぞれの7つのセグメントのうちの中央のセグメントの発光・非発光を繰り返す点滅表示を実行するように制御される。また、液晶表示画面内ST回数表示部254は、電断前に表示されていたスペシャルタイム終了までに実行可能な特図変動遊技の残数が消去されて例えば白一色を表示するように制御される。
【0196】
また、復電した時点では、特図2始動口232への遊技球の不正入球は検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態に制御されている。さらに、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域に装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されるとともに、演出表示領域208dに所定の演出が表示されている。
【0197】
図21(a)に示すように、パチンコ機100は、例えば不正改造用部材700による不正の改造がなされている。ここで、電チュー開放許可オフ状態において特図2始動口232に第一の個数(本例では、1個)の遊技球が入球したことが検出されると、第1副制御部400は、特図2始動口232に不正入球があったと判定し(異常報知動作処理のステップS1001のYes)、現在の制御状態が特定遊技状態であるため(ステップS1003のYes)、第2報知動作態様による第一異常報知動作を実行するように演出用ランプ250a〜250dおよびST回数表示部256を制御する。第2報知動作態様は、図11に示すように、所定の演出用ランプを10秒間消灯するとともに、ST回数表示部の全セグメントを10秒間非発光状態とし、さらに所定の音声出力部からエラー音を出力する態様である。このため、図20(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御され、スピーカ120はエラー音を10秒間出力するように制御される。本例では、液晶表示画面内ST回数表示部254に表示されていたST終了までに実行可能な特図変動遊技の残数は、すでに消去されているので、第2報知動作態様による第一異常報知動作の実行中も当該残数の非表示状態が維持される。
【0198】
本実施例によるパチンコ機100は、電断・復電が発生した後に特図2始動口232に不正入球があった場合でも、異常報知動作を実行できるようになっている。また、本実施例によるパチンコ機100では、通常遊技状態中に第一の個数の遊技球が特図2始動口232に不正入球すると、スピーカ120による異常報知はなされずに、演出用ランプ250a〜250dの短時間の消灯やST回数表示部256の短時間の非発光による異常報知がなされる。これに対し、パチンコ機100は、特定遊技状態では、演出用ランプ250a〜250dの長時間の消灯やST回数表示部256の長時間の非発光による異常報知と、スピーカ120による異常報知とが直ちになされるようになっている。このため、特定遊技状態中は通常遊技状態中と比較して、不正入球が検出されたことを遊技者や遊技店員が早期に認識できる場合がある。また、不正入球の手段(手口)を推測し易くなる場合がある
【0199】
図22は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、通常遊技状態中に不正入球以外の所定のエラーが生じた場合の異常報知動作態様を例示している。図22(a)に示すように、現時点では所定のエラーは検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態または点滅状態に制御されている。また、ST回数表示部256は、2組のそれぞれの7つのセグメントのうちの中央のセグメントの発光・非発光を繰り返す点滅表示を実行するように制御されている。さらに、装飾図柄表示装置208には、装飾図柄変動表示や所定の演出が表示されていない。
【0200】
例えば賞球払出エラー、振動検知または磁石検知等の所定のエラーが検出されると、パチンコ機100は図11に示す第3報知動作態様に基づく異常報知を実行する。このため、図22(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御される。さらに、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、エラーに応じたメッセージ(本例では「係員を呼んで下さい」というメッセージ)が表示される。演出用ランプ250a〜250dの消灯、ST回数表示部256の非発光状態および装飾図柄表示装置208におけるエラーメッセージは、検出されたエラーが解消するまで継続される。
【0201】
図23は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図であって、スペシャルタイム(ST)における特定遊技状態中に不正入球以外の所定のエラーが生じた場合の異常報知動作態様を例示している。図23(a)に示すように、現時点では所定のエラーは検出されておらず、演出用ランプ250a〜250dは点灯状態または点滅状態に制御されている。また、ST回数表示部256は、スペシャルタイム終了までに実行可能な特図変動遊技の残数「69」を表示するように制御されている。また、装飾図柄表示装置208は、演出表示領域208dの液晶表示画面内ST回数表示部254に当該残数「69」を表示するように制御されている。さらに、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域に装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されるとともに、演出表示領域208dに所定の演出が表示されている。
【0202】
例えば賞球払出エラー、振動検知または磁石検知等の所定のエラーが検出されると、パチンコ機100は図11に示す第3報知動作態様に基づく異常報知を実行する。このため、図23(b)に示すように、演出用ランプ250a〜250dは消灯するように制御され、ST回数表示部256の全セグメントは非発光状態となるように制御される。さらに、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、現在表示中の所定の演出とともにエラーに応じたメッセージ(本例では「係員を呼んで下さい」というメッセージ)が表示される。演出用ランプ250a〜250dの消灯、ST回数表示部256の非発光状態および装飾図柄表示装置208におけるエラーメッセージは、検出されたエラーが解消するまで継続される。
【0203】
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図23を参照しつつ説明する。
(1)第一始動領域(例えば、特図1始動口230)および第二始動領域(例えば、特図2始動口232)を有する始動領域に遊技球が進入した場合に始動情報(例えば、当り判定用乱数値および当り時用特図決定用乱数値の組)を導出する始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318や入賞受付処理(ステップS217))と、
前記第二始動領域に遊技球が進入可能である開状態と、前記第二始動領域に遊技球が進入不能又は困難である閉状態とのいずれかの状態を取り得るように構成されている可変部材(例えば、羽根部材232a)と、
第一所定条件の成立(例えば、普図変動遊技に当選)に基づいて、前記可変部材を前記閉状態から前記開状態にさせる制御を行う可変部材開閉制御手段(例えば、CPU304、普図状態更新処理(ステップS221))と、
前記始動情報導出手段が導出した始動情報に基づいて当否判定を行う当否判定手段(例えば、特図2関連抽選処理(ステップS229)や特図1関連抽選処理(ステップS231))と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、当り)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度である通常遊技状態(例えば、可変入賞口234が非動作状態(扉部材234aが閉状態)または非電サポ状態(普図低確率状態))から該第一の有利度よりも前記有利度が高い第二の有利度である特別遊技状態(例えば、可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態))に制御状態を移行させる特別遊技移行制御手段(例えば、特図2状態更新処理(ステップS225))と、
第二所定条件の成立(例えば、特図変動遊技後の停止図柄が特図Aまたは特図Bに係る大当り遊技終了後)に基づいて、前記特別遊技状態から、前記通常遊技状態と比較して前記可変部材が相対的に前記開状態となり易い特定遊技状態(例えば、電サポ状態(普図高確率状態))に制御状態を移行させる特定遊技移行制御手段(例えば、特図2状態更新処理(ステップS225)や特図1状態更新処理(ステップS227))と、
を備えた遊技台であって、
所定の報知動作を行う報知手段(例えば、演出用ランプ250a〜250dおよびスピーカ120)と、
前記可変部材開閉制御手段が前記可変部材を前記閉状態にさせる制御を行っている状態(例えば、電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態)において、
前記特定遊技状態中に第一の個数(例えば、1個)の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第一異常報知動作(例えば、第2報知動作態様による異常報知動作)を実行し、前記通常遊技状態中に前記第一の個数よりも多い第二の個数(例えば、2個)の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第二異常報知動作(例えば、第2報知動作態様による異常報知動作)を実行するように前記報知手段を制御する報知動作制御手段(例えば、CPU404、図10に示す異常報知動作処理)と
を備えていることを特徴とする。
【0204】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、異常報知動作による処理負担を軽減することができる場合がある。また、異常報知動作による処理負担を軽減させることにより遊技台が安定動作する結果、遊技台の長期稼働が可能になって遊技台の入れ替えによるコスト低減を図ることができる場合がある。当該構成を備えたパチンコ機100を採用することによるコスト低減分を遊技者に還元できるので、遊技店のサービス向上が図れる場合がある。
【0205】
パチンコ機100は、非電サポ時に電チューへの入球が困難になるように構成されているため、非電サポ時の電チューへの不正入球は遊技店員や遊技者が目視で確認し易い場合がある。また、非電サポ時には電チューへの入球が困難であるため、非電サポ時に賞球払出数が多いと、遊技店員は不正入球が生じていることを認識できる場合がある。また、遊技店員が直接声をかけると、遊技店員の検査が厳しい遊技店であると印象付けることができ、その結果、不正行為が行われ難い健全な遊技店作りが可能になる場合がある。一方、パチンコ機100は、電サポ時は電チューへの入球が容易になるように構成されているため、電サポ時の電チューへの不正入球は遊技店員が目視で確認し難い場合がある。このため、電サポ時は、正規の入球であるのか否かの判断が困難になる場合がある。また、電サポ時は、電チューへの不正入球に基づく賞球払出であるのか、あるいは、大当り時の賞球払出の残りであるのかの判断も困難になる場合がある。当該構成を備えたパチンコ機100は非電サポ時と比較して電サポ時に、遊技店員や遊技者がより認識し易い異常報知を早期に実行できるので、不正入球に伴う被害を最小限に抑えることが可能になる場合がある。
【0206】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、不正入球を遊技店員が認識した上で、エラー報知(第一異常報知動作)がなされるまで不正行為者に自力で更生する機会を与えることができる場合がある。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、偶然の不正入球であるのか、故意による不正入球であるのかを遊技店員の判断に任せて営業を円滑にさせることにより、遊技店のサービス向上が図れる場合がある。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、異常報知を実行するための不正入球数を制御状態に応じて変更できるので、パチンコ機100の制御状態や不正入球数に関わらず騒々しい異常報知を常に実行することを防止できる場合がある。これにより、遊技者が異常報知を煩わしく感じることが少なくなるので、興趣の向上を図ることができる場合がある。
【0207】
(2)上記パチンコ機100であって、
前記可変部材開閉制御手段が前記可変部材を前記閉状態にさせる制御を行っている状態(例えば、電チュー開放許可オフ状態や電チュー開閉オフ状態)において、
前記報知動作制御手段は、前記通常遊技状態中に前記第一の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると前記第二異常報知動作よりも相対的に報知動作時間の短い第三異常報知動作(例えば、第1報知動作態様による異常報知動作)を実行するように前記報知手段を制御する
ことを特徴とする。
【0208】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、非電サポ中では段階的に異常報知動作を変更できる場合がある。当該構成を備えたパチンコ機100は、非電サポ中に所定数より少ない数の不正入球が検出されると相対的に短い時間で異常報知動作を実行する。異常報知動作の時間が短いため、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに表示されている所定の演出を必要以上に妨害することなく不正入球を確認し易くなり、遊技店員が検査し易くなる場合がある。さらに、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、異常報知(第一異常報知動作)の前に警告報知としての機能を発揮する異常報知(第二異常報知動作)がなされるため、不正行為者が自力で更生し易くなる場合がある。
【0209】
(3)上記パチンコ機100であって、
遊技領域に放出された遊技球の流下経路として、相互に打ち分け可能な第一経路(例えば、左打ちのルートA)と第二経路(例えば、右打ちのルートB)とを有し、
前記第一始動領域は前記第二経路と比較して前記第一経路を通過する前記遊技球が相対的に進入し易い位置に配置され、
前記第二始動領域は前記第一経路と比較して前記第二経路を通過する前記遊技球が相対的に進入し易い位置に配置されている、
ことを特徴とする。
【0210】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、第一および第二始動領域は、第一経路を通過する遊技球は第一始動領域に進入し易く、第二経路を通過する遊技球は第二始動領域に進入し易くなるように限定して配置されている。非電サポ時に第二経路側に遊技球をあえて打ち分けることにより、非電サポ時の電チューへの不正入球が確認し易くなる場合がある。
【0211】
(4)上記パチンコ機100であって、
第一図柄を停止表示可能な第一図柄表示部(例えば、特図1表示装置212)と、
第二図柄を停止表示可能な第二図柄表示部(例えば、特図2表示装置214)と、
遊技球が前記第一始動領域に進入した場合に前記始動情報のうちの第一始動情報(例えば、特図1用当り判定用乱数値および特図1用当り時用特図決定用乱数値の組)を導出する第一始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318や入賞受付処理(ステップS217))と、
遊技球が前記第二始動領域に進入した場合に前記始動情報のうちの第二始動情報(例えば、特図2用当り判定用乱数値および特図2用当り時用特図決定用乱数値の組)を導出する第二始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318や入賞受付処理(ステップS217))と、
所定の変動表示時間に亘って前記第一図柄を変動表示させた後、前記第一始動情報に基づく当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を前記第一図柄表示部上で行う第一図柄表示制御手段(例えば、CPU304や特図1関連抽選処理(ステップS231))と、
所定の変動表示時間に亘って前記第二図柄を変動表示させた後、前記第二始動情報に基づく当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を前記第二図柄表示部上で行う第二図柄表示制御手段(例えば、CPU304や特図2関連抽選処理(ステップS229))と、
を備えることを特徴とする。
【0212】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、第一図柄表示部(特図1表示装置212)および第二図柄表示部(特図2表示装置214)において実行されている図柄変動停止表示に着目することにより、第一始動領域(特図1始動口230)や第二始動領域(特図2始動口232)に遊技球が進入しているか否かを確認できる場合がある。また、第二図柄表示部での図柄変動停止表示は非電サポ中では実行され難いので、遊技者や遊技店員が非電サポ時に第二図柄表示部において頻繁に実行されている図柄変動停止表示に気付くことにより、不正入球が生じている可能性のあることを容易に発見できる場合がある。
【0213】
また、非電サポ時に第二始動領域(特図2始動口232)に入球すると特定の演出(特図2専用演出)が行われるよう構成されている遊技台にあっては、遊技者や遊技店員は、特図2専用演出が実行されることにより不正入球が生じていることを早期に確認できる場合がある。さらに、非電サポ時に特図2変動遊技の保留が多く溜まっているのは不自然であるため、特図2保留数を表示するように構成されている遊技台にあっては、遊技者や遊技店員は、非電サポ時に多くの特図2保留数が表示されていることにより不正入球が生じていることを特に確認し易くなる場合がある。
【0214】
(5)上記パチンコ機100であって、
所定のエラー(例えば、賞球払出エラー、振動検知、磁石検知)を検知可能なエラー検知手段(例えば、デバイス監視処理(ステップS237))を備え、
前記報知動作制御手段は、現在の制御状態が前記特定遊技状態および前記通常遊技状態のいずれの状態であっても、前記エラー検知手段が前記所定のエラーを検知すると第四異常報知動作(例えば、第3報知動作態様による異常報知動作)を実行するように前記報知手段を制御する、
ことを特徴とする。
【0215】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、不正入球以外の他の異常(エラー)に基づく異常報知態様は電サポ中と非電サポ中とで同じ態様になる。不正入球以外の異常(エラー)は、不正入球の場合と比較して非電サポ時と電サポ時とにおける確認のし易さが変わらないので、同一の異常報知態様にすることにより、遊技店員がエラー対応し易くなる結果、遊技店のサービス向上が図れる場合がある。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、不正入球に基づく異常報知態様とそれ以外の要因に基づく異常報知態様とが異なるので、遊技店員は異常報知態様によりエラーの内容を予測でき、エラー対応し易くなる結果、遊技店のサービス向上が図れる場合がある。
【0216】
ところで、非電サポ時も警告報知をせずに直ちにエラー報知する構成の遊技台は、善意の遊技者による偶然の不正入球時の処理負担が大きくなる場合がある。また、エラー報知により、善意の遊技者や周囲の遊技客の遊技に支障をきたす恐れがある。他方、非電サポ時および電サポ時のいずれも警告報知をしてからエラー報知を実行する構成の遊技台は、電サポ時の不正入球を遊技店員の目視で確認するのは困難であって不正改造が発見され難くなるので、不正行為者に不正改造の対象として狙われ易くなる場合がある。
【0217】
これに対し、本実施の形態によるパチンコ機100は、不正入球が検出された場合に、電サポ時には遊技者や遊技店員が気付き易い異常報知動作を実行し、非電サポ時には所定数以上の不正入球が検出されるまでは遊技者が煩わしいと感じない程度の短時間の警告報知としての機能を発揮する異常報知動作を実行するように構成されている。これにより、本実施の形態によるパチンコ機100は、エラー報知により善意の遊技者や周囲の遊技客の遊技に支障をきたす恐れを防止するとともに、不正行為者に不正改造の対象として狙われ難くなる場合がある。
【0218】
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施の形態における異常動作制御処理では、パチンコ機100は、第1副制御部400が主制御部300から送信されたコマンドに基づいて不正入球検出の有無や不正入球数を判定するように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、不正入球検出の有無は主制御部300が判定し、主制御部300が不正入球が検出されたことおよび検出された不正入球数を示す情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が当該コマンドに基づいて図10に示す異常動作制御処理を実行するように、パチンコ機100は構成されていてもよい。また、異常動作制御処理は、主制御部300がステップS1001乃至ステップS1007までの処理を実行し、次いで第2報知動作態様による第一異常報知動作、第2報知動作態様による第一異常報知動作および第1報知動作態様による第三異常報知動作のいずれかの情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が当該コマンドに基づいて異常報知動作を実行するようになっていてもよい。
【0219】
上記実施の形態では、第一異常報知動作と第二異常報知動作はいずれも、第2報知動作態様が選択されるようになっているが、本発明はこれに限られない。第一異常報知動作および第二異常報知動作は、例えば遊技者や遊技店員が第1報知動作態様よりも認識し易い報知態様であれば異なる報知動作態様であってもよい。
【0220】
上記実施の形態では、電チュー開閉オフ期間は、特図2始動口232への遊技球の進入を不正入球とする期間として設定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、パチンコ機100が普図始動口228を遊技球が進入しただけで当否判定せずに電チュー開閉許可状態をオン状態とするように構成されている場合には、特図2始動口232への遊技球の入球の検出時が電チュー開閉オフ期間であっても電チュー開放許可オン状態であれば、当該遊技球の入球は不正入球でないと判定するように構成されていてもよい。
【0221】
上記実施の形態では、不正入球数を累積加算するとともに不正入球数を0にリセットする所定期間は、主制御部300のCPU304が羽根部材232aを閉鎖状態にさせる制御を行っている状態であると判定してから当該状態が終了したと判定する期間に設定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、当該所定期間として、大当りに当選してから次の大当りに当選するまでの期間、図柄変動停止表示期間、あるいは1球目の不正入球から所定時間が経過するまでの期間であってもよい。また、これらの期間を組み合わせて複数の期間を所定期間に設定してももちろんよい。
【0222】
上記実施例によるパチンコ機100は、演出可動体や遮蔽装置を備えていないが、本発明はこれに限られず、演出可動体や遮蔽装置を所定領域に備えていてももちろんよい。
【0223】
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図24に示すようなスロットマシン1000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図24に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
【0224】
本発明に係る遊技台は図25(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
【0225】
さらには、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に適用してもよい。
【0226】
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
【0227】
同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。同図(d)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
【0228】
さらには、同図(e)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインタネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
【0229】
また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【0230】
さらに、本発明は、遊技台としてパチンコ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0231】
100 パチンコ機
120 スピーカ
136 チャンスボタン
208 装飾図柄表示装置
208a 左図柄表示領域
208b 中図柄表示領域
208c 右図柄表示領域
208d 演出表示領域
226 一般入賞口
228 普図始動口
230 特図1始動口
232 特図2始動口
234 可変入賞口
250a〜250d 演出用ランプ
252 誘導部
254 液晶表示画面内ST回数表示部
256 ST回数表示部
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
700 不正改造用部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一始動領域および第二始動領域を有する始動領域に遊技球が進入した場合に始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記第二始動領域に遊技球が進入可能である開状態と、前記第二始動領域に遊技球が進入不能又は困難である閉状態とのいずれかの状態を取り得るように構成されている可変部材と、
第一所定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記閉状態から前記開状態にさせる制御を行う可変部材開閉制御手段と、
前記始動情報導出手段が導出した始動情報に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度である通常遊技状態から該第一の有利度よりも前記有利度が高い第二の有利度である特別遊技状態に制御状態を移行させる特別遊技移行制御手段と、
第二所定条件の成立に基づいて、前記特別遊技状態から、前記通常遊技状態と比較して前記可変部材が相対的に前記開状態となり易い特定遊技状態に制御状態を移行させる特定遊技移行制御手段と、
を備えた遊技台であって、
所定の報知動作を行う報知手段と、
前記可変部材開閉制御手段が前記可変部材を前記閉状態にさせる制御を行っている状態において、
前記特定遊技状態中に第一の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第一異常報知動作を実行し、前記通常遊技状態中に前記第一の個数よりも多い第二の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると第二異常報知動作を実行するように前記報知手段を制御する報知動作制御手段と
を備えていることを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1記載の遊技台であって、
前記可変部材開閉制御手段が前記可変部材を前記閉状態にさせる制御を行っている状態において、
前記報知動作制御手段は、前記通常遊技状態中に前記第一の個数の遊技球が前記第二始動領域に進入すると前記第二異常報知動作よりも相対的に報知動作時間の短い第三異常報知動作実行するように前記報知手段を制御する
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
遊技領域に放出された遊技球の流下経路として、相互に打ち分け可能な第一経路と第二経路とを有し、
前記第一始動領域は前記第二経路と比較して前記第一経路を通過する前記遊技球が相対的に進入し易い位置に配置され、
前記第二始動領域は前記第一経路と比較して前記第二経路を通過する前記遊技球が相対的に進入し易い位置に配置されている、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
第一図柄を停止表示可能な第一図柄表示部と、
第二図柄を停止表示可能な第二図柄表示部と、
遊技球が前記第一始動領域に進入した場合に前記始動情報のうちの第一始動情報を導出する第一始動情報導出手段と、
遊技球が前記第二始動領域に進入した場合に前記始動情報のうちの第二始動情報を導出する第二始動情報導出手段と、
所定の変動表示時間に亘って前記第一図柄を変動表示させた後、前記第一始動情報に基づく当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を前記第一図柄表示部上で行う第一図柄表示制御手段と、
所定の変動表示時間に亘って前記第二図柄を変動表示させた後、前記第二始動情報に基づく当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を前記第二図柄表示部上で行う第二図柄表示制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
所定のエラーを検知可能なエラー検知手段を備え、
前記報知動作制御手段は、現在の制御状態が前記特定遊技状態および前記通常遊技状態のいずれの状態であっても、前記エラー検知手段が前記所定のエラーを検知すると第四異常報知動作を実行するように前記報知手段を制御する、
ことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−183231(P2012−183231A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49226(P2011−49226)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】