説明

遊技台

【課題】操作部周辺の装飾性を保ちつつ、効率的な静電対策を行う。
【解決手段】ベットボタン131の周囲に、通電性を有する下部装飾部701の垂直方向張出部707を円環状に設け、遊技者がベット操作を行うと同時に垂直方向張出部707に触れるように配置して、遊技者に帯電している静電気が筐体外部に放電するように構成する。更に、垂直方向張出部707の周囲には通電性のない操作台装飾部702を設け、装飾美も確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機等に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチスロと呼ばれる遊技台では、筐体と呼ばれる箱型キャビネット内部に、リールやメダル払出装置、及びそれらを制御する制御装置を備え、前面開口部に、遊技者が操作可能な複数の操作部を備えた前面扉を開放自在に軸着したものが一般的である。遊技者は、ベットボタンの操作に始まり、スタートレバーの操作、ストップボタンの操作といった具合に遊技操作を進めることで、リール上に描かれた図柄が特定の態様となった場合に、メダルの払出しなどの賞を獲得することができる。
【0003】
またこのような遊技台では、1回の遊技が比較的短時間で終了し(例えば5秒程度)、その間に、上記したような遊技操作が繰り返し行われる。よって、操作デバイスの摩擦によって生じた静電気や、遊技者に帯電している静電気が、操作デバイスを介して、筐体内部の電子部品に短絡する場合があった。よって、従来から、スタートレバーやベットボタン、ストップボタンが備えられている操作台部の表面を金属メッキで覆い、操作台部にアースを取ることで、遊技者に帯電している静電気を金属メッキを介して除去するような遊技台がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−104537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、その遊技台のモチーフによって、操作台部に求められるデザインも多種多様であり、金属的な材質以外の部材でもって操作台部を形成する必要も生じる。そうした場合、従来のように、遊技者に帯電した静電気の問題が再び生じてしまうため、効率的な静電気対策が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の問題に鑑み、効率的な静電気対策が行える遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、前面扉と、該前面扉に設けられ、遊技者が操作可能な操作部と、を備えた遊技台であって、部材表面が通電性を有さない第1部材と、部材表面が通電性を有する第2部材と、を備え、前記第1部材を、前記操作部の周囲に配置し、前記第2部材を、前記操作部の周囲であって、かつ遊技者が前記操作部を操作した際に接触可能な位置に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上の構成により、効率的な静電気対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】スロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内観図である。
【図3】スロットマシンの制御ブロック図である。
【図4】前面扉の分解斜視図である。
【図5】(a)前面扉ベースの上面図である。(b)下部装飾部の上面図である。(c)操作部装飾部材の上面図である。
【図6】(a)操作台部の正面図である。(b)操作台部のA−A断面図である。(c)操作台部のA−A断面の拡大図である。
【図7】(a)操作台部の上面図である。(b)操作台部のB−B断面図である。(c)操作台部のB−B断面の拡大図である。(d)ベットボタンの拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン100の斜視図である。
【0011】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして有効として設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン131、132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン131が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン131、132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(14G)表示器とした。
【0018】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン131、132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0019】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0020】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0021】
また、上記のような操作デバイスは、遊技者が操作しやすいようにスロットマシン100の中央部に集合しており、本実施形態では、操作デバイスが集まっている台座部分を操作台部130とする。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0024】
図2は、前面扉を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。筐体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した基板ケース210が配置され、この基板ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。基板ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0025】
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0026】
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード270を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード270が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
【0027】
前面扉102は、筐体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔143に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。また図柄表示窓の下方には、各種演出装置への配線を中継する中継端子板279が設けられている。また、前面扉102の左端には、縦長形状の施錠装置280が設けられている。
【0028】
次に図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0029】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0030】
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0031】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する。
【0032】
また、電圧を監視する電圧監視回路330と、WDT313(ウォッチドッグタイマー)が設けられている。
【0033】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、上述したリセット検知用センサ284及び扉開放用検知センサ285もこのセンサ回路320で監視される。
【0034】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0035】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0036】
ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、ベットボタン131、132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0037】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0038】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ339(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
【0039】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0040】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0041】
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0042】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0043】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0044】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0045】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157や各種演出用駆動装置165の制御を行う。第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165(例えば、シャッタ163など)の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。第2副制御部は、液晶表示装置157の表示制御を行ったり、演出用の駆動装置165を制御したりする。
【0046】
次に、図4を用いて、前面扉102の構成を説明する。図4は前面扉102の分解斜視図である。
【0047】
前面扉102は、各装飾部材や操作デバイスが装着されるための前面扉ベース700と、前面扉ベース700の中央部及び下部に被さるように装着される下部装飾部701と、下パネル701の上部に被さるように装着される操作台装飾部702で構成される。前面扉ベース700、下部装飾部701、操作台装飾部702は、共に合成樹脂製の成型部品であり、本実施形態では、特に、下部装飾部701は、表面を金属メッキで覆われており、遊技者が下部装飾部701に触れた場合、遊技者に帯電している静電気は、金属メッキを介し下部装飾部701に設けられたアース線(図示せず)を通じて、筐体外に逃がされる。
【0048】
また、下部装飾部701の上部に設けられた操作部に対応する部分には、操作台装飾部702が装着されるので、ベットボタン132、ストップボタン137乃至139などの操作部の大部分が操作台装飾部702にて覆われる状態となる。前面扉ベース700及び操作台装飾部702の表面は金属メッキが施されておらず、表面が通電性を有さない合成樹脂の状態であるので、操作部に触れるだけでは遊技者に帯電した静電気を逃がすことはできないが、操作台装飾部702の装飾性は確保される。
【0049】
図5は前面扉102の分解上面図であり、図5(a)は前面扉ベース700の上面図、図5(b)は下部装飾部701の上面図、図5(c)は操作台装飾部702の上面図である。図5(b)及び図5(c)に示すように、それぞれの部材の左側には、ベットボタン131が取り付けられるように、下部装飾部穴部703と操作台装飾部穴部708が設けられているが、操作台装飾部穴部708よりも、下部装飾部穴部703のほうが、穴部の径が小さく形成されている。よって、両部材を重ね合わせると、操作台装飾部穴部708の外周内側に、下部装飾部穴部703の周囲の部分が円環状に露出することになる。
【0050】
次に、前面扉ベース700、下部装飾部701、操作台装飾部702の組み付け関係を、図6及び図7を用いて説明する。図6(a)は、操作台部130の正面図、図6(b)は操作台部130のA−A断面図、図6(c)は、操作台部130のA−A断面の拡大図である。
【0051】
図6(a)に示すように、ベットボタン131が配置されている部分をA−A断面で見てみると、図6(b)に示すように、表面側から操作台装飾部702、その内側に下部装飾部701が配置され、更にその内側に配置された前面扉ベース701に、操作台装飾部702及び下部装飾部701が装着される構成となっている。
【0052】
下部装飾部701は、操作台装飾部702によってそのほとんどの部分を覆われている状態であるが、ベットボタン131の周囲と、図6(a)及び図6(b)の点線丸部分Cに示すように、ストップボタンユニット136の下部、及びタイトルパネル162に周囲において、一部分が表面に露出した状態となっている。このように構成することで、デザイン的な効果と、遊技者が下部装飾部701の露出部分に触れることによって、遊技者に帯電している静電気を筐体外部に逃がすことが可能となる。
【0053】
また、図6(c)に示すように、ベットボタン131の周囲では、ベットボタン131と接触する点線丸部分Dにおいて、下部装飾部701の水平方向張出部706に対し、ベットボタン本体部704に設けられた係合部が挟み込むように固着しており、この状態で遊技者がボタン部705を押すと、ボタン部705がベットボタン本体部704に対して上下に摺動し、ベット操作が検出される。
【0054】
また、同様に点線丸部分Dでは、垂直方向張出部707が、操作台装飾部702とベットボタン131の間に円環状に設けられており、遊技者がボタン部705を押すと、指の平の部分が垂直方向張出部707に触れ、下部装飾部701のメッキ部分を介して、遊技者に帯電した静電気を逃がすことができる。
【0055】
また、ボタン部705の頭頂部は、周囲の操作台装飾部702より低い位置にある。よって、遊技者がボタン部705を操作するためには、指を深い位置まで落とす必要があるので、指がボタン部705周囲の下部装飾部701の触れやすくなり、より確実な静電対策を行うことができる。
【0056】
次に、図7を用いて、前面扉ベース700、下部装飾部701、操作台装飾部702の組み付け関係を、スロットマシン100を正面から見た図を用いて説明する。図7(a)は、操作台部130の上面図、図7(b)は操作台部130のB−B断面図、図7(c)は操作台部130のB−B断面の拡大図、図7(d)はベットボタン131の拡大上面図である。
【0057】
図7(d)に示すように、ベットボタン131は、中央部に設けられたボタン部705とその周囲を取り囲むボタン本体部704で構成されている。ボタン本体部704の周囲には、本発明の特徴部分である垂直方向張出部707が円環状に形成されており、この部分に遊技者の指(又は身体の一部分)が触れると金属メッキ部分を介して、遊技者に帯電した静電気が外部に放電される。そして垂直方向張出部707の更に外側は、操作台装飾部702によって形成されている。
【0058】
また、図7(b)及び図7(c)に示すように、図6と同様、ベットボタン131の周囲を下部装飾部701が円環状に囲い込むように露出し、その周囲を操作台装飾部702が下部装飾部701に被さるように配置されている。
【0059】
以上のように、ベットボタン131を例に挙げて説明したが、MAXベットボタン132やストップボタン137乃至139にも適用できることはいうまでもない。特にストップボタン137乃至139に適用した場合は、それぞれのボタンにアース機能を持たすような複雑な構成にする必要もなく、ストップボタン137乃至139の取付穴部の径を、下部装飾部701の穴部より操作台装飾部702の穴部が大きくなるように形成するだけで済むので、効率的な静電対策を行うことができる。
【0060】
以上のように、本発明の遊技台は、前面扉と、該前面扉に設けられ、遊技者が操作可能な操作部と、を備えた遊技台であって、部材表面が通電性を有さない第1部材と、部材表面が通電性を有する第2部材と、を備え、前記第1部材を、前記操作部の周囲に配置し、前記第2部材を、前記操作部の周囲であって、かつ遊技者が前記操作部を操作した際に接触可能な位置に配置したことを特徴とした。
【0061】
上述した実施形態では、ベットボタン131の近傍であって、遊技者がベットボタン131を操作したときに、同時に触れるような位置に、第2部材である表面を通電性の金属メッキで被覆した下部装飾部701を配置し、その周囲に第1部材である樹脂から成型され、表面が通電性を有さない操作台装飾部702を配置した。
【0062】
よって、通電性を有する、有さないに関係なく、操作部周辺に様々な部材による装飾性を持たせつつも、操作部周辺には、静電気対策用のアース部を持たすことが可能になるので、機能と装飾を兼ね備えた遊技台を提供することができる。
【0063】
また、本発明の別の態様では、更に、前記操作部を備えた操作台部を有し、前記操作部の操作面は、前記操作台部の表面よりも低い位置に設けられていることを特徴とした。
【0064】
上述した実施形態では、ベットボタン131の操作面が、下部装飾部701の垂直方向張出部707及び操作台装飾部702の表面より低い位置に設けた。
【0065】
よって、遊技者が斜め方向から操作面を操作したときに、指などが垂直方向張出部707に触れやすく、確実に静電対策を行うことができる。
【0066】
また、本発明の別の態様では、更に、前記操作部の操作面を円形に構成し、前記操作面の周囲に、前記第2部材からなるアース部を円環状に設けたことを特徴とした。
【0067】
上述した実施形態では、ベットボタン131の周囲に、表面が金属メッキで覆われた下部装飾部701の一部を円環状に設け、この部分に遊技者の指などが触れることで、遊技者に帯電した静電気を筐体外部に逃すような構成とした。
【0068】
よって、ベットボタン131にどのような方向から操作したとしても、操作部とアース部が等距離なので、確実に静電対策を行うことができる。
【0069】
また、本発明の別の態様では、更に、前記操作台部は、前記第2部材から形成される第2装飾部と、該第2装飾部に被さるように配置され、前記第1部材から形成される第1装飾部とを含んで構成されていることを特徴とした。
【0070】
上述した実施形態では、下部装飾部701に、操作台装飾部702を被せるように配置した。
【0071】
よって、2つの部材が重なり合って堅牢な操作台部130を構成しているので、遊技者からの操作圧力が常にかかる状態であっても、破損することが少ない。
【0072】
また、本発明の別の態様では、更に、前記操作台部には、前記操作部が収まる穴部が設けられ、前記第2部材に設けられる穴部は、前記第1部材に設けられる穴部より径が小さいことを特徴とした。
【0073】
上述した実施形態では、下部装飾部穴部701の径を、操作台装飾部穴部の径より小さく構成した。
【0074】
よって、両部材を重ね合わせると、操作台装飾部穴部708の外周内側に、下部装飾部穴部703の周囲の部分が円環状に露出することになり、新たに静電気を逃がすための部材を設けることなく、コストダウンが可能となる。
【0075】
また、本発明の別の態様では、更に、前記前面扉は、前面扉ベースと、前記第2装飾部と、前記第1装飾部とで構成され、前記操作部は、少なくとも一部が前記前面扉ベースで支持されていることを特徴とした。
【0076】
上述した実施形態では、ベットボタン131は、下部装飾部穴部703及び操作台装飾部穴部708から構成された穴部に上部が固着され、底部を前面扉ベース700に支持されて固定されている。
【0077】
よって、ベットボタン131に対する下方向への操作圧力が、比較的剛性の高い前面扉ベースによって吸収されるので、ベットボタン131の固定が堅牢なものとなる。
【0078】
なお、前記操作部が複数個所設けてもよい。上述した実施形態では、ストップボタン137乃至139においても、ストップボタン137乃至139の取付穴部の径を、下部装飾部701の穴部より操作台装飾部702の穴部が大きくなるように形成した。
【0079】
よって、各ストップボタンに個別に静電対策を施すことなく、下部装飾部701及び操作台装飾部702の成型のみで効率的な静電対策を行うことができる。
【0080】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機等に代表される遊技台に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
100・・・スロットマシン
131・・・ベットボタン
700・・・前面扉ベース
701・・・下部装飾部
702・・・操作台装飾部
704・・・ボタン本体部
706・・・ボタン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面扉と、
該前面扉に設けられ、遊技者が操作可能な操作部と、を備えた遊技台であって、
前記操作部を、部材表面が通電性を有さない第1部材で構成し、
前記操作部の周囲であって、かつ遊技者が前記操作部を操作した際に接触可能な位置に部材表面が通電性を有する第2部材を配置したことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記操作部を備えた操作台部を有し、
前記操作部の操作面は、前記操作台部の表面よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記操作部の操作面を円形に構成し、
前記操作面の周囲に、前記第2部材からなるアース部を円環状に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技台。
【請求項4】
前記操作台部は、
前記第2部材から形成される第2装飾部と、該第2装飾部に被さるように配置され、前記第1部材から形成される第1装飾部とを含んで構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の遊技台。
【請求項5】
前記操作台部には、前記操作部が複数個所設けられていることを特徴とする請求項4記載の遊技台。
【請求項6】
前記前面扉は、
前面扉ベースと、前記第2装飾部と、前記第1装飾部とで構成され、
前記操作部は、少なくとも一部が前記前面扉ベースで支持されていることを特徴とする請求項4又は5いずれか1項記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−80927(P2012−80927A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227149(P2010−227149)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】